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2017.02.14
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カテゴリ: アート
図書館で『受け継がれる住まい』という本を手にしたのです。
日本の家が、なぜスクラップ&ビルトに短絡してしまうのか?・・・知りたいわけです。



住まい

内田青蔵、他著、柏書房、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
歴史あふれる大切な我が家、古き良き日本の暮らしを永遠に失わないために…重い税負担で維持・継承をあきらめる前に、住み継ぐためのヒントを伝授します。

<読む前の大使寸評>
日本の家が、なぜスクラップ&ビルトに短絡してしまうのか?・・・知りたいわけです。

rakuten 受け継がれる住まい


「はじめに」として「寿命の短い日本の住宅」や「スクラップ・アンド・ビルド」が説かれているので、見てみましょう。
p2~5
■寿命の短い日本の住宅
 現代の日本の住宅と海外住宅を比較して、その違いがよくわかるのが、平均寿命のデータです。1996年度の建設白書をもとにした早稲田大学の小松幸男の「建物は何年もつか」によれば、減失建物の平均寿命はアメリカが44年、イギリスが75年であるのに対し、日本は26年ときわめて短命です。

 その理由として、日本の住宅が石やレンガよりも燃えやすい木造であることや住宅の質の問題、あるいは中古住宅の流通市場が未発達であることなどが考えられます。しかしながら、その最たる理由は、建築そのものの価値が、新築当時が最も高く、年代を経るなかで徐々に低くなるという経年減価の考え方が定着していることにあるように思われます。
 日本の住宅の寿命が短いといっても、建物そのものの寿命が短いのではなく、人為的に所有者や使用者が壊しているのです。そして、こうした、まだ十分に使える住宅を自ら壊して立て直す文化を奨励する考え方の一つが、財務省令による減価償却「耐用年数」の規定にもはっきりとみられるように思います。

 財務省令による「耐用年数」は、鉄筋コンクリート造の住宅は1998年の改正以降47年、木造の住宅は22年とされています。これは、木造住宅は建設後22年経つとその価値がゼロとなるということを意味します。当然ながら、こうした規定は建物に大きな影響を与え、不動産取引の際、まだ使える建物でも評価額はゼロとして、土地代だけで取引されるということが起ります。そのため、既存の建物の建つ敷地は、取引時に不利となり、使える建物であっても取り壊されることになるのです。

 こうした動きを、かつては「スクラップ・アンド・ビルド」と称していました。日本の近代化を進め、また、経済大国に成長するにあたっては、この「スクラップ・アンド・ビルド」の考え方が大きな役割を担ってきました。しかし、時代は大きく変わりはじめているのです。

 木造住宅も規定の「耐用年数」である22年を経ると、新品だった住宅も風雪のなかで傷み、見かけも古臭いものとなり、価値がゼロにはならなくとも低下するのは一見当たり前のようにも思われます。しかし、本当にそうでしょうか。たとえば、住み手がメンテナンスを十分おこないながら大切に使い続けてきた住宅ならば、22年経ってもその魅力は変わらず、その地域の景観にとってなくてはならないものとなっているようにも思います。

 また、建築家の作品の場合、その建築家が著名になれば、個性的な作品として価値が上がり、新築以上になることだってあるはずです。あるいは、古い歴史を感じさせる住宅が好きでたまらない人もいるでしょう。そうした人々にとっては、評価額がゼロであっても、古い住宅は価値ある建物なのです。

 こう考えてくると、十分使える建物の価値をゼロとする社会、あるいは、使える建物を次々と壊してしまう社会こそ、消費社会のなかで生まれた異常な状態であることがわかります。大げさに言えば、これまでの日本は、住まいを受け継ぐという当たり前のことを忘れた近代病にかかっていたのです。そうした病気は治す必用があります。
(中略)
■時代に合わせて使いこなす
 「貴重な価値ある歴史的建造物は、文化財として国が保護しているじゃないか」と考えている人は多いと思います。確かに国や都道府県が、文化財として歴史的構造物を保存しています。ただ、これまでの文化財行政は、古代から中世の神社仏閣を中心にして、学術性や希少性といった観点を重視して展開されてきました。しかし、その対象が住宅建築となると、学術性や希少性といった観点からだけでは把握しきれず、もっと多様な評価基準が必要です。そうした考えを反映して、1996年に文化財保護法が改正され、登録有形文化財の制度が新たに施行されました。

 この「登録有形文化財」の制度は、住宅の所有者たちの意識を、壊して新築することから古い住宅をできるだけ受け継ぐ方向へと導く強いきっかけとなりました。これまでの指定文化財では取り上げられなかった、より身近で、地域性などの観点から貴重で大切と思われる歴史的建造物が登録され、保存・保護の対象となる予備軍として広く認知されるようになったのです。それに伴い、人々は少しずつですが、自らの住まいや周辺環境に興味をもちはじめ、当たり前のように取り壊して新しく刷新するだけではなく、多くの先人たちがつくり継承してきた歴史を受け継ぐということの意味を模索しはじめたのです。

ウン バブルを煽るかのような減価償却「耐用年数」という財務省令があったのか。
ここは、住宅「耐用年数」規定の見直し、文化や環境にも目をむける動きに期待したいものです。

・・・ということで、 『京都の町家を再生する』 なんかを読み返してみようと思うのです。





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Last updated  2017.02.15 09:43:07
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