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2018.04.25
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カテゴリ: 中国
図書館で『近くて遠い中国語』という本を、手にしたのです。
いま『閉された言語・日本語の世界』という本を読んでいるのだが、日中の漢字の違いあたりがこの本にも出てくるので、チェーン・チョイスのように借りた次第でおます。







阿辻哲次著、中央公論新社、2007年刊

<「BOOK」データベース>より
中国旅行では、たとえ会話はできなくても筆談すればなんとか通じると、多くの日本人は考える。しかし、現実はそんなに甘くない。日本人が習ってきた漢文と中国語とはまったく別の言葉なのだ。たとえば「小面包」という単語は、漢文の知識では理解不能である。中国語と漢文と日本語との間によこたわる、漢字の違い、単語の違い、用法の違い、文法の違いをやさしく解説し、知っているようで知らないリアルな中国語を紹介。

<読む前の大使寸評>
いま『閉された言語・日本語の世界』という本を読んでいるのだが、日中の漢字の違いあたりがこの本にも出てくるので、チェーン・チョイスのように借りた次第でおます。

rakuten 近くて遠い中国語


「第3章 簡体字と繁体字」から漢字の簡略化を、覗いてみましょう。
p67~70
■文字と言語の改革
 中華人民共和国になってからの約10年間に、具体的には1949年から58年までに、言語と文字にかかわる大幅な改革がおこなわれた。それを「文字改革」と総称するのだが、そのなかで政府がもっとも力を注いだのが漢字の簡略化だった。

 中国は漢字の国であるとはいうものの、過去の中国ではごく一部の知識人しか漢字を読み書きできず、圧倒的多数の人々は文字と縁のない状態に置かれていた。人民共和国になる前の中国における識字率は都市部で20~30%、農村ではなんと10~20%前後であったという。

 すなわち漢字の読める人が10人に2、3人くらいしかいなかったというわけだが、それは、日本人としてはまことに胸のいたむ状況がもたらした結果であるというべきだろう。

 アヘン戦争から日中戦争の終結にいたる約100年間にわたって、中国の国土はずっと激しい戦争の舞台でありつづけた。「日露戦争」とはその名の通り日本と帝政ロシアとの戦争であり、中国は戦争当事国ではなかったのだが、しかし主戦場となったのは中国の東北地方だった。

 日本がしかけた侵略戦争は、15年にもわたって中国全土を悲惨な状況に巻き込んだ。そしてそれが終ってからも、ほとんど時間をおかずにこんどは国民党と共産党の激しい内戦がおこなわれた。

 最終的に戦争に勝ったとはいえ、中華人民共和国が成立した段階では、歴年の混乱と破壊によって国土はずたずたとなり、人々の生活水準はまだまだ低く、とくに教育制度は大都市をのぞいてほとんど整備されていなかった。そのことが当時の識字率の低さをもたらした最大の原因であるが、しかしそれとともに、漢字が本来的にもっている難しさも、識字率の低さと大いに関係があった。

 難しくて覚えにくい漢字をより簡単に書けるように改良して、多くの人が読み書きできるようにしようという運動は、決して革命後にはじまったわけではない。すでに清朝の末期から一部の先覚者によって萌芽的な仕事がおこなわれており、中華民国になってからも、漢字の簡略化やローマ字による中国語表記などのこころみがたえず繰り返されてぃた。そのような試行と模索が継続されてきたのは、ひとえに漢字が難しく、それを習得して自由に使いこなすためには長い年月にわたる努力が必要であって、その関所を越えていない人がそのころにはたくさんいたからにほかならない。

■歴史の長い文字
 漢字はエジプトの「ヒエログリフ」やメソポタミアの「楔形文字」などと並び称される。世界屈指の歴史の古い文字であるが、エジプトやメソポタミアの古代文字ははるか昔に死滅したしまい、それを使っている人がいまは誰もいないのに対して、漢字は中国やその周辺地域で今もたくさんの人によって使われつづけている、世界でも類例のない長い歴史を持つ文字である。

 現在知られている最古の漢字は、紀元前1300年くらい、すなわち今から3000年以上前の時代から使われていた「甲骨文字」で、亀の甲羅や牛などの動物の骨に刻みつけられたことから、「甲骨」という名前をつけられた。
甲骨甲骨文字

 甲骨文字では「山」を「〇」、「雨」を「〇」、「魚」を「〇」と書く。まるで絵文字のようであって、現在の印刷物に使われている漢字とは見かけの面で大きく異なってはいるが、しかしそれは単に書体がちがうだけに過ぎないのだ。


『近くて遠い中国語』1





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Last updated  2018.04.25 09:10:18
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