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高木仁
三郎
さんが 「ぶん」
を書き、彼のアイデアを 片山健
さんが 「絵」
にした絵本があります。
「ぼくからみると」(のら書房)
ですね。
「かがくのとも」
福音館
の子供向け科学雑誌の 80
年代の一冊がリニューアルされて、一冊の絵本になったのが、今から 5
年ほど前だそうです。
夏休みのある昼下がり。
ひょうたん池で釣りをしている よしくん 。
向うから、自転車に乗ってやってくる しゃうちゃん 。
池の向こうを泳いでいる カイツブリ の家族。
池の中の 鯉 。
竿の先にとまった トンボ 。
空から舞い降りてくるのは トンビ 。
日陰を作ってくれている立木の枝にとまっているのは モズ ?
こっそりバケツの獲物をうかがう ノラ猫 。
アザミの花に群がる 蜜蜂 。
花から花へ飛び交うのは アオスジアゲハ 。
池之端に座り込む アマガエル 。
しょうちゃんが隣にすわって、青空を見上げている。 夏の午後 だ。
「入道雲が出てきた。あれは何になるところなんだろう。」
絵本をみている 「ぼくからみると」
そんな感じ。
池の周りの、いろんな生き物が、一匹、一匹 「ぼくからみている」
。
それが世界だなのですね。
一ページ、一ページが、見開きで一つの世界です。
池の鯉の視点、トンビやモズの目、みんな素晴らしい。なかなか豪華な絵本です。
高木仁三郎さん
が 2000
年に亡くなって、 20
年近くの年月が経とうとしています。彼が反対し続けた原子力発電所は、大きな地震があって、彼の予言通りの事故を起こしました。彼が主張したのは、それぞれの立場の人間が、ともに生きる人間に対する責任を自覚した、科学的な客観主義、相対主義だったと思います。
様々な視点を子供たちにも呼びかけた彼が生きていたら、責任も、客観的正当性もないでたらめな社会が、実際に出現したのをを見てなんといったのでしょう。新しい時代を生きる子供たちに読んでほしい一冊です。
追記2021・08・07
人間をはじめとした生き物の 「いのち」
をないがしろにすることが平気な時代が始まっているような気がする今日この頃です。
「空」
から見おろしたり、 「草むら」
から覗いたり、 「池の中」
から見上げたり、いろんなところから世界を見る面白さと大切さを大事にしたいと思います。
子供たちは夏休みですね。いろんなところに行って、いろんな風景と出会ってほしいですね。
追記2022・05・18
ベランダに蝶がやってきて卵をおいていくようになりました。トンボが飛び始めるのももうすぐです。トンボから見たり、葉っぱの上をはっている青虫から見たりする世界を思い浮かべるのは楽しいですね。
おっと、ヒヨドリがベランダの手すりにとまりました。アブナイ、アブナイ。
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