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2024.02.04
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​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​司修「私小説・夢百話」(岩波書店)​ 司修 という、一般には 大江健三郎 の作品のの 装幀家 と知られていますが、絵もお描きになるし、小説もお書きになる、まあ、マルチな方がいらっしゃいます。 その方
​​大江健三郎の魂に捧げる — 装幀者として​​
​  という 献辞 を最初のページに記して、 3月 大江 が亡くなった 2023年 ​6月​ に出版されたのがこの 「私小説・夢百話」(岩波書店) という、 「絵」 「掌編小説」 をセットにした 小説集 です。
岩波書店 「図書」 という、月刊のPR誌がありますが、その表紙の 「絵」 と、表紙裏の、まあ、本人がおっしゃるには 「小文」 がセットになっていて、 2017年 1月 から、 2021年 12月 まで、連載で掲載された、単純に 5年 ですから 六十話 ですが、その百に足りない分が、おそらく 「書き」+「描き」おろされ て、 「夢百話」 という体裁が出来上がっています。
 わが家のように 「図書」 を毎号揃えているという、書店勤めの家族がいなければあり得ない暮らしの方は別として、よほどお好きな方が
​​ 「ああ、あれか!」 ​​
と思い浮かべられるかもしれないという程度の、
​​ あれ! ​​
​​ ​  の単行本化です。書き下ろされた分には、少し長いものもありますが、だいたい、 見開き2ページ で構成されている、いってしまえば大人の 「絵本」 です。
 たとえば、これが 第二章、138ページ~139ページ 、絵の題が 「空の怪物アグイー」 です。 このままでは文章が読みにくいでしょうから、ちょっと写しておきます。​
赤んぼうの脳は白紙ではない

 子どもは意識を持って生まれてこないけれど、心は白紙ではなく、現代に至る歴史を備えた脳を持って生まれる、とユングは、身体の歴史を例に語っています。人間誰もが持っている胸腺は魚類にまでつながるとも。
 「子ども科学電話相談」のファンである私は、宇宙誕生までの壮大な想像をかきたてられます。
 「惑星ソラリス」(タルコフスキー)の、惑星ソラリスの海全体が脳です。海は、ソラリス・ステーションに滞在する学者たちの夢を読み取って、死んだ妻や怪物を「ゼリー状」の生きものとして作り出し、学者たちを戸惑わせます。学者の一人が地球に戻り、空に浮かんでいた巨大な赤んぼうの存在を語ります。四メートルもある生まれたての裸の赤んぼう、私は、「あれだ。アグイーだ」と思いました。
 大江健三郎の「空の怪物アグイー」です。普段は空を浮遊していて、ときどき前衛音楽家Dの脇に降りてきます。
「カンガルーほどの巨きさで木綿の肌着をつけた赤んぼうで名前はアグイー」
 Dはかれのアグイーの世界を、中原中也の《含羞はじらひ》で語ります。
枝々の拱(く)みあはすあたりかなしげの
空は死児等の亡霊にみち まばたきぬ
をりしもかなた野のうへは
あすとらかんのあはひ縫ふ 古代の象の夢なりき  ​​
​  先だって、死んだ母親の頭に妊娠していた彼女の胎児の脳を移植して、新しい人格が生まれるという、 ギリシア ランティモス という監督の、まあ、へんてこな映画を見たのですが、その印象に誘われてこのページを引用しました。
 こちらは、 20世紀 ソビエト・ロシア タルコフスキー という監督の 「惑星ソラリス」 という映画シーンから、 大江健三郎 が小説で描いた アグイー 、そこから、おそらく 武満徹 を経由して 中原中也 の詩の世界へ、夢想が広がっていって、見てきた映画の世俗的結末の世界よりも、よほど、豊かなイメージの連鎖の世界で、短いながらも読みごたえがあると思いました。
 まあ、全編、この調子の意表をついた展開で、ノンビリ手に取るのが楽しい本ですが、欠点は価格ですね。 4400円 です。 カラー ですし、 装幀 もしっかりしていて、仕方のない価格なのですが、買うには根性がいりますね(笑)。
 ボクは図書館の本で楽しんでいますが、そうなると、あんまりノンビリもできないんですね。まあ、諦めて笑うしかないですね(笑)。
目次 著者の紹介 を載せておきます。
 目次

私小説・夢百話1(マグリットの『夢の箱』;天才・安部公房のマネ;夢の耳 ほか)
私小説・夢百話2(朔太郎の『猫町』;猫町;夢中夢 ほか)
私小説・夢百話3(武満徹の『夢の引用』;鳥人間のピアノ調律師;水のピアノ ほか)
司修[ツカサオサム]
 1936年生まれ。独学で絵を学び、絵本の原画、書籍の装丁、小説の執筆、装幀家として、大江健三郎氏、小川国夫氏らと交流した。1978年『はなのゆびわ』で小学館絵画賞受賞。1988年「バー螺旋のホステス笑子の周辺」で芥川賞候補、1993年「犬」(『影について』)で川端康成文学賞。岩波書店刊『新約聖書』『旧約聖書』の装幀
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追記
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最終更新日  2024.03.09 23:48:58
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