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命の現場で気づいた “心の温度”― 伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道が教えてくれたこと 年に一度の定期健診。その結果が思わしくなく、大腸検査を受けることになりました。朝8時30分から夕方17時30分過ぎまで、長い長い病院の一日。缶詰状態のなか、小さな「人の温度」に、私は多くを学ぶことになりました。 控室では、初対面の76歳の男性、72歳の女性と一緒になりました。年齢を尋ねられ、私が66歳だと言うと、「まあ、お若いですね」と笑顔が返ってきました。わずかな会話ですが、このひと言が、緊張していた心をふっと緩めてくれました。 やがて下剤1.8リットルとの長い戦いが始まります。味もきつく、飲み終えるまで約4時間。けれど、二人が話しかけてくれたおかげで、不安はいつの間にか和らいでいきました。息子夫婦のこと、地域のゴミ当番のこと、外国人との生活ルールの違い…。身近な日常を語り合ううちに、ただの待ち時間が“心が寄り添う時間”へと変わっていきました。 これこそ、**伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道で大切にしている「心の温度」**そのものでした。場所が病院であっても、人が互いを思いやる小さな言葉は、人を安心させ、場を和らげる力を持っています。商売も医療も、最後に人を支えるのは「人のあたたかさ」だと改めて感じました。 検査は私が最後の番。15時50分から約1時間。その後の点滴30分、さらに待合室で30分。長い一日の終わりにドクターから告げられたのは――「羽富さん、もう一度検査が必要です。大きなポリープがあります。入院して除去しましょう。」正直、ショックでした。年末年始に向け出張も控えている。しかし年齢を考えると、ここで逃げてはいけない、とも思いました。 妻からは、「お父さんは、ゆっくりできない性格ね」と苦笑まじりに言われました。確かにその通りです。でも、来春には四人目の孫も生まれる。身体が資本。守るべき人がいるからこそ、自分を大切にすることも“おもてなし”の一つだと痛感しました。 反省。反省。大反省です。 伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道は、人を喜ばせる前に「自分自身の心と身体を整える」ことの大切さを教えてくれています。今回の体験もまた、命からのメッセージ。これを機に、少しだけ歩みをゆるめ、心の余白(リトリート)を大切にしようと思います。 あなたにとっても、今日の気づきがそっと寄り添う“心の温度”になりますように。
2025.11.28
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■東京スタイルで目覚めた「商いは舞台」という感覚 ――伎芸(ぎげい)型おもてなしの原点は、あの売場にあった。 昭和57年4月。私は東京スタイルに入社し、百貨店アパレルの黄金期を全身で経験した。 東京スタイルの売場は、ただ商品を並べる場所ではない。「お客様の感性を見抜き、即興で演じる舞台」が繰り広げられていた。営業マンとして、試行錯誤していた時代でした。 インショップという“自分たちの小さな劇場”。ブランドの世界観を一つの舞として表現し、照明・陳列・会話・姿勢、そのすべてを使ってお客様を“物語の主役”に導く。 私が後に名付けた 伎芸(ぎげい)型おもてなし商売道――その原点は、まさにここにあった。■「軍隊式の厳しさ」が教えてくれた、“心の温度”という技芸 ――礼儀と緊張感が、人を美しくする。 東京スタイルは「軍隊」と呼ばれたほどの厳しい社風だった。売上は絶対。支店長も新人も、数字から逃げられない。朝礼の空気、報告の言葉、姿勢の角度に至るまで、プロとしての矜持を問われた。 けれどその厳しさは、単なるしごきではなかった。そこには、「売場に立つ者は、人の心の温度を下げるな」という無言の哲学があったのだ。 ●靴を揃える●胸元の名札を整える●立ち姿の“軸”●お客様が来た瞬間の目線の上げ方 これらは、後に私が体系化した伎芸=“技(わざ)と芸(こころ)で相手を晴れやかにする力”そのものだった。 技だけでも冷たい。心だけでも届かない。技と心が溶け合った瞬間に、お客様の表情は明るくなる。昭和の厳しい現場は、その真理を教えてくれた。■成功の影に潜む“動けなくなる組織” ――伎芸型の「変化を恐れない精神」を持てなかった会社 昭和の東京スタイルは、百貨店アパレルを支える巨大な力となった。だが平成に入り、環境は大きく変わった。ユニクロ、SPA型、低価格化、多様化……。 東京スタイルは、「完璧な勝ち方を覚えすぎた組織」だった。成功体験は企業を支えるが、同時に縛りにもなる。 一方、伎芸型おもてなし商売道は**“変化に応じて自分を調律し続ける”**哲学である。 同じ環境、同じ言葉、同じ売り方に固執しない。相手の感性に寄り添い、空気を読み、その場その瞬間に合わせて表現を変える――。 東京スタイルが変われなくなった頃、私はロコレディへと舵を切った。 あの時私はまだ言語化していなかったが、心の奥ではすでに**伎芸型の“しなやかな商い”**が芽を出し始めていたのだと思う。■東京スタイルのイズムは、ロコレディの血となった ――昭和の学びが、令和の笑倍(しょうばい)へ進化する。 東京スタイルで過ごした5年半は、まさしく私の“商人人生の修行”だった。 ・売場を舞台とする演出力・お客様の心の温度を読む洞察力・礼儀作法を徹底する所作の美学・数字に向き合う覚悟と責任・仲間を守る“商人の矜持” これらはすべて、ロコレディが掲げる 伎芸(ぎげい)型おもてなし商売道 の大切な柱となった。 伎芸型は、豪華さでも派手さでもない。**人の感性に寄り添う“静かな美しさ”**である。昭和の厳しい現場で叩き込まれた「礼節」と「現場力」が、今では地域の笑顔を増やす“笑倍(しょうばい)”のエネルギーとなった。 東京スタイルで流れ始めた“商人の血”は、ロコレディの現場を通して、より温かく、より優しく、令和の時代にふさわしい形へと進化し続けている。 ――厳しさの中にあったあの美しさは、今も私の中で息づいている。#東京スタイル#ロコレディ#羽富 都史彰#ロコレディ#アパレル興亡
2025.11.27
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勤労感謝の日、道の駅常総は笑顔であふれ、多くのお客様が「わざわざ買いに来た」と声をかけてくださいました。プロの方々から「営業が上手い」と評価されましたが、私が大切にしているのはただ一つ、「楽しんで帰ってほしい」という心の温度。その小さな会話の積み重ねが、やがて街を元気にする“笑顔の線”になると感じた一日で
2025.11.25
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弓道に宿る「気品と礼節」――70代の弓の名手から教わったこととは?? 先日、70才代の男性から弓道のお話を伺う機会がありました。その方は背筋がすっと伸び、動きは静かで、まるで一本の弓のような美しさ。「弓道とアーチェリーの違いはね、技術じゃないんですよ」そう柔らかく話し始められた時、私は思いました。 “この方の言葉は、きっと深いところにつながっている” と。アーチェリーは技術で当てる世界。風、距離、力のバランス、道具の調整。すべて「外側」を的確に読み取り、点数を競う競技です。一方、弓道は「内側」を整える武道。心のざわつき、呼吸の乱れ、欲の強さ――それらが矢の行方を左右するのだといいます。 70代の弓の名手は続けました。「弓道の的はね、狙うものではなく、心の状態が映る鏡なんです」この言葉に、私は胸が震えました。伎芸(ぎげい)型おもてなし商売道で大切にしている“心の温度”そのものだからです。 弓道は、所作の一つ一つに意味があります。足を運ぶ歩幅、弓を掲げる高さ、弦を引く呼吸。無駄な動きが一つもなく、そこには 気品 が漂います。気品とは、飾りではありません。「心が整っている人に自然と生まれる静かな強さ」その男性の所作はまさにそれでした。 そして弓道は、礼から始まり礼に終わる世界。“弓を扱う前に、自分の心を扱いなさい”“矢を放つ前に、相手への敬意を放ちなさい”――これが 礼節です。私はその話を聞きながら、不思議とロコレディの現場を思い出しました。キッチンカーでお客様を迎える時の姿勢。アパレル店舗の売場で服を丁寧に扱う手つき。 お客様にお渡しする一品一品への心配り。 「気品」と「礼節」は、実は商売の中に自然と流れています。弓道の達人は最後に、こう締めくくりました。「矢が当たることより、当たるべくして放たれたかが大事なんです」これは、売上より“心を込めた一瞬”を大切にする伎芸型おもてなし商売道の哲学と重なります。焦って売ろうとすると外れる。心を整えて向き合うと自然に届く。弓道も商売も、人の心も同じなのだと思いました。70代の弓の名手からいただいたこの学びは、これからの私の接客にも、人生にも、そっと寄り添ってくれる気がしています。 参考になれば幸いです。
2025.11.22
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場所が変わっても、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道は通用するのか?私が提唱する「伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道」は、場所や言葉の違いを超えて通用する、普遍的な人間関係の真髄を突いています。都内でのセミナー会場の準備中に起こりました。予期せぬ「即興の掛け合い」のエピソードは、その哲学を見事に証明出来るきっかけとなりました。🪶 台本なしの即興が生んだ化学反応都内の公的ホールで、約200名の参加者を前に、私に突然降りかかったのは、準備ゼロでの「場を盛り上げよう」というミッションでした。いきなりです。いきなりです。運営側のヘルプスタッフの50代の経営者の奥様(関西圏)と私(茨城弁)です。びっくり‼️びっくり‼️* 状況: 台本なし、準備ゼロ、場所は都内。普通なら戸惑う状況も、私は「不思議と心は落ち着いていました」と振り返ります。会場前方に並び立った二人の即興の掛け合いは、関西のテンポの良さと、茨城弁の素朴な響きが絶妙にブレンドされ、会場全体に大きな笑いを呼びました。茨城弁がすべて伝わらなくても、それが「笑いの調味料」となり、参加者の表情はみるみるうちに和らぎました。ホール全体の空気がほぐれ、**「会場の温度が一段上がった」**ように感じられた。ーと後から言われました。場の雰囲気が一瞬にして和んだようです。今では、この体験が出来たことに感謝いっぱい🈵です。「気品と礼節」は、場と相手を選ばないこの即興が示しているのは、まさに「伎芸型おもてなし商売道」の核となる哲学となるのです。 伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の核は、気品と礼節。これは地域差にも、言葉の違いにも、準備の有無にも左右されません。「人の心に寄り添う姿勢」が整っていれば、たとえ舞台が変わり、相手が誰であろうと、心は必ず通じる。この日の即興は、その確固たる信念の揺るぎない証明となったのです。🤝 心が動けば、人は動く「笑倍(しょうばい)」の力セミナー終了後、初めて会ったセミナー勉強会参加の一人の商工会女性会員さま推定30才代が私のもとへまっすぐに来て、こう告げました。「ぜひ、ロコレディさんのお店に出向きたいです。」この一言こそ、数分間の即興が単なる「場つなぎ」ではなく、相手の**“心”に届いた**証拠だと感じました。* 心が動けば、人は動く。この「心」と「行動」の連鎖こそが、伎芸型おもてなしの本質であり、「笑顔が笑顔を生む**笑倍(しょうばい)**の力」であると、私は語ります。💡 まとめ:心を整えて臨む普遍的なおもてなし会場が公的なホールであっても、道の駅であっても、商店街であっても、この原則は変わりません。「相手を尊び、気品と礼節をもって向き合えば、伎芸は必ず通用する。」私の「伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道」は、ビジネススキルというよりも、**「心が整えば、場が整う」という、人としてのあり方を説いています。これからも、あらゆる場所でのテスティングを重ね、“心を整えて臨むおもてなし”**を磨き上げていくとのことです。伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道――心が整えば、場が整います。参考になれば幸いです。ありがとうございます。
2025.11.21
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「工事」と「サービス」の違いが、人の温度を決めるある50代の異業種の三代目経営者から、こんな言葉を教わりました。「リフォーム業や修繕業は“サービス業”。 一方、新築工事や新規取り付けは“建築業・電気工事業”。」同じ“工事”でも、求められる力はまったく違うというのです。新築や新規取り付けは、資格や技術、設計力といった「専門性」がモノを言います。お客様も口コミより、市場の評判や施工実績で業者を選ぶ。いわば 「専門職としての信頼」で選ばれる世界 です。ところが、修繕・メンテナンス・細かなリフォームとなると、状況は一変します。壊れた棚の調整、電球交換、建具の不具合、ちょっとした配線の相談…。これらは“手間賃”という名の、心の距離が報酬になる仕事です。ここで効いてくるのが、まさに伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の真骨頂――「人の温度」です。■サービス業は“手間賃”ではなく“温度賃”異業種の経営者は、こう続けました。「修繕業は、技術の前にコミュニケーション能力だよ。」なるほど、と私は思いました。お客様は、ネジ一本の調整ではなく、“この人なら安心して任せられる”という 人への信頼にお金を払っているのです。これはロコレディのキッチンカーやアパレル店舗でも同じです。クレープやコロッケを買うのは商品のため。でも、「今日は〇〇さんいるかな?」「〇〇さんの笑顔に会いたくて来た」そう言ってくださるお客様は、“人を買っている” のです。 伎芸型おもてなし商売道でいうところの 「出愛(であい)」と「笑倍(しょうばい)」 の世界です。最終的に選ばれるのは“手”ではなく“人”新築や新規工事は、技術と専門資格が評価される。だから「業界での評判」が仕事を連れてくる。一方、修繕・メンテナンスは、「気づかい・声かけ・姿勢・丁寧さ」 が仕事を呼ぶ。伎芸型の言葉でいえば「気品と礼節」「一笑賢明(いっしょうけんめい)」 です。小さな工事でも、靴をそろえて上がる。 作業前と後で一言添える。 終わったあとに、「何か他に困りごとはありませんか?」と尋ねる。 その一つ一つが、次の仕事を生み、口コミを呼び込みます。■結論:技は業界、人は心で選ばれる 技術で選ばれる新規工事。心で選ばれる修繕業。どちらも尊い。ただし、サービス業は “心の芸” が価値になる世界 だということ。だからこそ、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道が活きてきます。場所がどこであれ、職種が違えども、最後に選ばれるのは “人の温度”。それを、三代目経営者の一言から改めて学ばせていただきました。参考になれば幸いです。
2025.11.20
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日本橋三越にて ― シニア世代が教えてくれた“愉しむ買い物”の本質 久しぶりに、日本橋三越に足を運びました。フロアに一歩入った瞬間、空気がふっと変わります。上質で、落ち着いていて、どこか懐かしい。 お客様の多くは 推定70〜80才代。杖をつきながらも、おしゃれを忘れないご婦人方。ゆっくりと歩調を合わせるご夫婦連れ。その姿は、歳を重ねた人生の“美しさそのもの”でした。什器のラインナップも、完全にシニア向け。新宿伊勢丹や高島屋とは、ターゲットがまったく違います。若い世代を追わない潔さ、そして「この年代の方に真正面から寄り添う」――三越の覚悟と哲学が、売場から滲み出ていました。 そんな中、すれ違った70代後半と思われるご夫婦。奥様がふっと漏らした一言が心に残りました。「デパートは、やはり疲れるわねぇ…」その言葉の奥にあるのは、“疲れるけれど、来たい場所”という想い。長年の習慣であり、人生の楽しみであり、夫婦の大切な時間なのでしょう。 ここで、私はふと思いました。伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道が目指すのは、「買い物」ではなく「愉しむ時間の提供」だ――と。年齢を重ねるほど、“買い物の目的”は商品ではなく、体験・会話・安心・心の温度へと変わっていきます。 伎芸型おもてなしでは、・急がせない・押しつけない・疲れさせない・さりげなく寄り添うこの「間合い」と「ゆとり」を大切にします。 商品を売る前に、まずお客様の“心の速度”に合わせる。これこそが、シニア世代にもっとも響く五感のおもてなしです。今日の三越で見た光景は、ロコレディの未来のお客様像とも重なりました。ゆっくり歩くご夫妻の背中から学ぶことは、実はたくさんあります。「愉しむお買い物を、そっと演出する」これが、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道が次の時代に果たす役割だと確信しました。参考になれば、嬉しいです。
2025.11.19
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おかげさまで、この日記もアクセス数200万を越えました。これはひとえに、日々の「笑倍(しょうばい)」の現場で生まれた“物語の種”に共感してくださる皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。私は商いを「人の心と心を通わせる舞台」だと捉えています。最近、巨大なアパレル産業のSNS戦略と、私たちが実践するロコレディの「伎芸型おもてなし商売道」を対比することで、私たち独自の「勝負どころ」がより明確に見えてきました。【ユニクロとアダストリアの美学】ユニクロとアダストリア(ニコアンド、スタジオクリップなど)のSNSを深掘りすると、そこにはグローバル資本が持つ「量産の美学」と「ライフスタイルの統制力」が鮮明に表れています。ユニクロのInstagramは、徹底した「機能と普遍性の情報発信」。国境や地域性を持たず、「世界中のどこでも同じ価値を提供する」という哲学が貫かれています。最新技術、サイズ展開、ミニマルなデザインなど、消費者が迷わず合理的に選べるよう、カタログとしての役割を完璧に果たしています。一方、アダストリアはより感情的な「ライフスタイルの提案」に長けています。モデルの姿勢、部屋の光、小物のセレクトまで計算された「空気感の演出」。服単体ではなく、服を着た“憧れの日常”をパッケージ化し、「この生活を手に入れたい」という共感を生み出しています。これは「服を着ることによる自己実現」の演出であり、ブランドが提案するライフスタイルへの参加を促す美学です。【ロコレディの「人の温度の美学」】では、ロコレディの「伎芸型おもてなし商売道」に基づくSNSのあり方とは何でしょうか。ユニクロの「世界標準」やアダストリアの「空気感の統制」に対抗しようとすれば、資本力や演出力で敗北するのは明白です。私たちの土俵はただ一つ、「地域の心の温度を灯す」ことです。ロコレディのSNSは、商品やおしゃれの「結果」を見せるのではなく、お客様とのコミュニケーションによって生まれた「過程」――「人の物語」を主役に据えなければなりません。たとえば、・アパレル店舗では、「このワンピースを選ばれたお客様が、着用して鏡を見た瞬間の、はにかんだような特別な笑顔」・キッチンカーでは、「仕事帰りに立ち寄った方が、揚げたてのコロッケを一口食べて、思わずこぼした『ああ、沁みる』という小さな声」こうした一瞬の心の動き、ささやかな喜び、服や食べ物が媒介となって生まれた“感情の交流”こそを、私たちは丁寧に切り取り、言語化して発信します。これは、ユニクロが追求する「量産の美学」でも、アダストリアが魅せる「ライフスタイルの美学」でもなく、「人の温度の美学」です。SNSとは、商品を売るプラットフォームではなく、地域の小さな物語をそっと灯し、お客様一人ひとりに「あなたは大切にされている」というメッセージを届けるための「舞台裏」なのです。規模では勝てなくても、この「心の深さ」で勝負する覚悟こそが、ロコレディの未来を明るく照らす灯火になると信じています。今日もまた、お客様の笑顔という“物語の種”を見逃さぬよう、心で接客をしていきたいと思います。
2025.11.17
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11月16日日曜日です。道の駅常総で起きた“拍手の午後”午後2時過ぎ。今日も私の修行の道場は、道の駅常総のキッチンカー前。ステージもマイクなどの演出も無い地方の道の駅。ただお客様がいて、風が吹き、揚げたてコロッケの香りが漂う。これが、私の“伎芸(ぎげい)の舞台”です。いつものように、快輪(=心が軽く転がる会話)を楽しんでいると、70代半ばと思われるご夫婦のご主人から声がかかった。「オレな、茨城の県北から もう5回も来てるんだよ。常総市って、すごいよな。市長も商工会会長もしっかりしてる。そして市民が何かやろうとする姿に、オレは感動したよ。」横で奥様がコクコクと頷きながらニコニコしている。気づけば、ふたりそろって拍手👏👏👏。キッチンカー前で拍手をもらう商売人には、まずいないネ!さらにご主人は言う。「あなた、芸人だろ?漫才師?いや、パフォーマか?こんなトークでお客さんを喜ばせる人、地域にいないよ。オレは元民生委員だけど、あんたの姿勢には頭が下がるよ。」どうしましょう。私は芸人ではない。ただ、伎芸型おもてなしの修行中の“地元のおじさん”です。ーと答えました。私は普段からゴミを拾い、トイレの場所を案内し、写真撮影を頼まれれば喜んでシャッターを押す。それが当たり前だと思っているが、このご夫婦にはどうやら“珍しい光景”に映ったらしい。また,ある50才代前半のご家族4人様に向かっては,「子どもさん、親孝行するんだよ〜!」と声をかけると、隣りにいる見知らぬ人人からまた笑顔😀が出来る☺️その後、行列ができてしまい、お詫びを伝えながら、感謝の気持ちを込めて「ありがとうシール」を数多くの方々に配布した。シールひとつで笑顔になってくれる人がいる。商いとは、こういう“心の交換”の連続だ。「オレ、あなたのファンだよ。写真、一緒に撮ろう。」と声が夕方ごろに,娘さん(15歳くらい)を含む大家族7人と記念撮影。本当は千葉県浦安市のテーマパークへ行く予定だったが、物価高で断念し、道の駅常総に来たそうだ。そして、政治の話しにいきなり飛んだ。「国会議員さんにも言いたいね。 一度ここに来て、この空気を吸って欲しい。」と奥様から。 道の駅常総は、人の心が自然と開く“笑倍(しょうばい)の舞台”。 今日もまた、お客様から心を磨かせて頂いた。 週末は 伎芸の修行は続く。 拍手はなくても、 心の拍手が響くような商いを。
2025.11.17
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茨城県民の日に見つけた “小さなおせっかい” の力とは?11月13日、茨城県民の日。その日は東京での打ち合わせがあり、仕事が終わって夕時の電車に揺られて帰路につきました。地元の駅に着いたのは、19時半を少し過ぎた頃。改札を出た瞬間、ひとりのご婦人が券売機の前で困った表情を浮かべているのが目に入りました。推定70代半ば。きっと日常の足として電車を使われているのだろうと察しがつきました。その方はPASMOのチャージをしようとしていましたが、投入したお金に対して「領収書」のボタンを押し忘れてしまっていた様子。券売機の前でしばし立ち尽くし、どうしたものかと小さくつぶやいていました。私は迷わず声をかけました。「駅員さんにお話しすれば、手書きで領収書を出してくれますよ。」すると、ご婦人の表情がふっと明るくなり、安心したように深く頭を下げられました。すぐに改札口の職員さんに状況を説明し、無事に領収書を発行していただくことができました。ほんの数分のこと。しかし、この“ほんの数分”が、その方にとっては不安のひと時であり、勇気の必要な場面だったのかもしれません。人は、困っている時ほど声が出ない。駅という慣れない場所ではなおさらです。けれど、自分が少し動くだけで、誰かの不安をスッと取り除くことができる。それは、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の核心でもあります。伎芸とは「技を超えた芸」、つまり “相手の心の温度に気づき、そっと寄り添う力” です。商売の場だけで発揮するものではなく、駅前でも、街角でも、レジ前でも、私たちの生活そのものが舞台です。今回の出来事は、おせっかいといえば、おせっかいかもしれません。しかし私にとっては、日々の稽古の延長線上にある「自然な動き」でした。困っている人に気づいたら、声をかける。迷っている人がいたら、背中をちょっと押してあげる。その“ちょっと”の積み重ねが、地域を明るくし、人の心を軽くします。伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道は、特別な技ではありません。暮らしの中で、誰かを想い、手を差し伸べる小さな行いの連続です。茨城県民の日に、ささやかな温かさを感じた夜。それは、私にとっても心を整える大切な瞬間でした。
2025.11.15
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〜江戸の長屋とロコレディのキッチンカーは、実は“同じ風が吹いている”〜先日、書店で**畠山健二さんの『新・本所おけら長屋』**の帯を見て、思わず手を叩いて笑ってしまいました。曰く、「おけらを読んで笑福で開運!」。いやはや、これは何も江戸の長屋の物語だけに当てはまる言葉ではありません。私が提唱する「伎芸(ぎげい)型おもてなし商売道」が目指す、まさにそのものではないか、と膝を打ったのです。【共通点】 人は言葉より“温度”で動く、という真理時代は江戸、場所は東京・本所のボロ長屋。対して、現代の街角を走るロコレディのキッチンカー。一見、水と油のようですが、流れている“空気”は驚くほど似ています。理由は、どちらも**「人情」**が主役だからです。おけら長屋の住人たちは、貧乏で、口は悪いが、いざとなれば他人のために動かずにはいられない。読者はその「人間くささ」に触れ、自分の心まで温かくなるのを感じます。一方、伎芸型おもてなし商売道も、お客様の**「心の温度」**を感じることが商いの基本です。お客様が何を求めているのか、言葉ではなく五感で感じ取り、ときにはユーモア(笑い)という“伎芸”で場の空気を整えていく。つまり、江戸時代も令和も変わらない**「人は言葉より“温度”で動く」**という、商売の真理を両者は体現しているのです。【差異】 物語の「ホッ」と実践の「さあ!」では、違いはどこにあるのでしょうか?それは、その役割にあります。**『おけら長屋』は、「ホッと安らぐための物語の世界」**です。 私たちは本を閉じて、温かい気持ちになることができます。 長屋の住民が、茶碗片手に人生を語る“劇場”です。**「伎芸型おもてなし商売道」は、「現場でやってみる実践の世界」**です。 読んで終わるのではなく、「さあ、次はあなたが笑顔になろう」と、お客様やスタッフの背中を押す、リアルタイムの“ステージ”です。長屋の住民が「銭がない」と嘆いたように、現代の商売人には「人手がない」という悩みがあります。しかし、どちらの時代も**「人情」**があれば、驚くほど色々なことが「なんとかなる」のが現実です。(※ただし、現代のキッチンカーでは揚げ油の鮮度だけは、人情ではなんとかならない。すぐに黒くなります。これは努力です!)【結論】 令和の長屋コミュニティを創る営みそう考えると、伎芸型おもてなし商売道とは、まさに**「令和の長屋コミュニティ」**を現場でつくる営みです。お客様の顔を見て、一言交わし、その日の気持ちに合った心温まる一言を添える。江戸の粋な人情と現代の商いが、ひとつの**「笑いの舞台」**でつながっているのです。江戸では**「おけらでも笑え」。 現代では「笑えば笑うほど、商いは笑倍(しょうばい)になる」**。時代が変わっても、**「笑い」**は、人の心の状態を良くする最高の通貨なのです。いかがでしょうか?参考になれば、幸いです。#ロコレディ#伎芸型おもてなし商売道#おもてなし
2025.11.11
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私たちが商いを続けるうえで大切なのは、「どんな自分で働いているか」を見つめ直すことです。伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道でいう“笑倍(しょうばい)”とは、ただモノを売ることではなく、自分の「好きなこと」を通じて人の心を笑顔にする生き方です。商売人には、いくつかのタイプがあります。まずは、「好きなことが、たまたま売上につながった人」。この人は、仕事そのものが趣味のようになり、楽しみながら自然と成果を出していきます。伎芸型でいえば、“好き”という感情がステージの光となり、お客様までも笑顔にする“おもてなしの演者”です。次に、「好きではないけれど、努力を続けて結果を出す人」。苦手なことにも礼を尽くし、地道に積み重ねていくタイプです。伎芸型でいえば、“努力の型”を大切にする人。誠実な姿勢が、お客様の心を静かに動かします。そして、「好きなことがないから頑張らない人」。一見、怠けているようでも、実はとてもバランス感覚に優れています。伎芸型では“間(ま)”を心得る人。やるべきことと、やらなくてよいことを見極め、無理せず調和を保つ姿も、立派な商いの型なのです。最後に注意すべきは、「間違ったことを、無理して頑張り続ける人」。努力の方向を誤れば、心も体も疲れ果ててしまいます。伎芸型おもてなし商売道では、“心のチューニング”を大切にします。焦らず、比べず、自分の笑顔がいちばん輝く道を選ぶこと。それが、真の“笑倍”のあり方です。好きなことを通して、誰かの笑顔を生む。その瞬間こそが、伎芸『ぎげい』型おもてなし商売道の原点。そして、40代・50代・60代から始まる“第二の商い人生”を豊かに輝かせる秘訣なのです。
2025.11.04
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