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小林製薬の紅麹を巡っては、サプリを摂取し死亡した116人が、死亡との因果関係の調査対象となっている。小林製薬は2024年年1月、医師からの連絡でサプリ摂取者が腎疾患を発症した事例を把握しながら、3月下旬まで公表を控えていた。 通常「薬品」については副作用情報が公開、蓄積される。小林製薬は製薬会社ではなく、紅麹サプリは薬品ではないため、原因不明の状況下ですぐに公開する義務はないと思ったのかもしれない。 2024年9月4日、小林製薬の紅麴(こうじ)サプリメントを服用して腎障害を発症したとして、大阪府内の40代の男性が同社に慰謝料など約500万円の賠償を求めて大阪地裁に提訴したことが報じられた。 9月17日、小林製薬の山根聡社長はオンライン会見を行い、再発防止策と創業家からの脱却を発表した。 事実検証委員会が同社に提出した「調査報告書」を踏まえ、工場での定期監査の導入、危機管理体制の整備、専門部署の設置などたの再発防止策が行われる。山根社長が先頭となり『品質・安全ファースト』を旨とする経営のかじ取りを進める」と表明した。 小林製薬、脱「創業家」表明紅こうじ被害再発防止へ新部署共同通信 2024年9月17日 16時35分 小林製薬は17日、紅こうじサプリメントによる健康被害問題を巡り、創業家依存からの脱却を盛り込んだ再発防止策を発表した。安全な製品開発へ法規を適切に解釈する専門部署も新設する。後手に回った対応の原因に創業家の強い影響力があったとの指摘があり、新体制で信頼の回復を目指す。 小林製薬は創業家との関係について「同調圧力が働きやすく、多数の役職員が創業家の意向を酌んで業務を遂行する傾向があった」と説明した。 再発防止策では、法令やガイドラインを適切に解釈する専門部署を新設する。 ― 引用終わり ― 日本人の集団では、違法行為、不正に関しても同調圧力が働く傾向が強い。同調圧力の「和」を乱す者は、権力、権力者に影響を及ぼさないところへ排除される。 9月18日、厚生労働省は、製品に混入した青カビ由来の「プベルル酸」が腎障害を引き起こしたとする調査結果を公表した。他に検出された2物質の影響はなく、今回の健康被害は「プベルル酸が原因と強く推定される」と結論づけた。
2024年09月25日
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2024年7月24日、土用丑の日、「日本橋 鰻 伊勢定」のうなぎ弁当で計161人が発症、で90代女性が死亡。 7月29日、保健所は集団食中毒が発生したとして京急百貨店内の「日本橋 鰻 伊勢定」を営業禁止処分にした。営業禁止は食中毒を出した当該の厨房に関わる施設に関してだけ適用される。 同日18時、京急百貨店の金子新司社長は横浜市内で会見を開き、謝罪した。 同日18時、伊勢定の富田宗一郎取締役は横浜市内で会見を開き、謝罪した。伊勢定の経営トップが直接謝罪の言葉を発しないあたりから、伊勢定の社内事情の怪しさを疑いたくなる。 8月5日、保健所は調理担当者の手洗いが不十分だったことや、調理台が黄色ブドウ球菌に汚染されていた可能性があるなどとする調査結果を公表した。 原因菌は、黄色ブドウ球菌とみられている。 黄色ブドウ球菌は、人や動物の傷口(特に化膿しているもの)をはじめ、手指・鼻・のど・耳・皮ふなどに広く生息。健康な人の20〜30%が保菌しているとされる。食品が菌に汚染されて数が増えると毒素(エンテロトキシン)がつくられ、これが食中毒の原因になる。毒素(エンテロトキシン)は熱にも乾燥にも強く、通常の加熱では無毒化できないとされる。 黄色ブドウ球菌だけでなく、セレウス菌(チャーハン等)やウエルシュ菌(カレー等)など、加熱では防ぎにくい食中毒菌がある。 作り置きした食品は食中毒の原因となることが多いので、国内では、使い捨ての調理用手袋の着用を義務付けている弁当工場、食品の加工場が大半。特に家庭での手作り弁当は、作ってから食べるまでの時間、常温、室温で保管することが多く、その間に菌が増殖することが多い。 調理してすぐに食べる場合は菌が増殖する時間が短いので、生ものを素手で握る江戸前の握り寿司などでは、あまり気にする必要はない。 英国では寿司屋の職人が調理用の使い捨て手袋着用を義務付けられていると話題になったことがあった。生魚を手べることが少ない欧米では、生魚を食べること自体が食中毒警戒の対象だった。 〈デパートうなぎ弁当・集団食中毒で死亡〉「一度だけ謝罪の電話はきたけど音沙汰なし」「弁当が乱雑に積み上げられていた」被害者が語る“恐怖の土用の丑の日” 当日は責任者もいない杜撰な現場集英社オンライン 2024年8月6日 18時20分 横浜市港南区の京急百貨店内にある「日本橋 鰻 伊勢定」のうなぎ弁当で集団食中毒が起き1人が死亡した問題で、従業員が手洗いをせず素手でうなぎをご飯の上に乗せるなど、劣悪な衛生環境で弁当がつくられていたことが横浜市保健所の調べで分かった。かき入れ時に生産能力を上回る大量の弁当をつくろうとしたためとみられる。発生から2週間近く経過しても京急と伊勢定は補償方針を決めておらず、被害者からは怒りの声が上がっている。 12時間前の午前11時より早い時間帯につくられていた 食中毒の原因になった弁当は「土用の丑の日」の7月24日と翌25日に百貨店地下1階のグルメフロアにある伊勢定の販売所で販売された。 「うなぎ弁当とかば焼きが計1761個販売され、24日午後から下痢と嘔吐を訴える人が次々と出ました。百貨店には161人が健康被害を訴えましたが、保健所はうち2人は無関係と判断し、8月5日夕までに把握している発症者は子どもから90歳代までの159人です。 このうち90代の女性1人が食後に死亡しました。食中毒との因果関係は確認できていません」(社会部記者) 保健所は7月25日未明にはうなぎ弁当を食べた食中毒患者が出たことを認知。10階店舗で下処理されたうなぎが地下1階で売られていたため、保健所は25日午前には店舗と地下の売り場に営業自粛を求めた。さらに発症者から黄色ブドウ球菌が検出され、29日夕に営業禁止処分を出している。 「7月25日から始めた立ち入り検査で、弁当を食べた8人と回収されたうなぎ弁当、店で保管されていた下処理されたうなぎから黄色ブドウ球菌が検出されました。さらにふき取り検査で、10階店舗の調理場作業台からもこの菌が検出され、この店で処理されたうなぎが原因になったことを示すつながりが確認されました」(社会部記者) 黄色ブドウ球菌はヒトの手指の切り傷や鼻の中、のどなどに普段から居着く「常在菌」。一定の温度や湿度のもとで増殖するが、その過程で毒素を出す。この毒素が出てしまうと過熱しても死滅せず、人体に害を与える。 常在菌だけに、食品に菌をつけない、増やさない、といった衛生管理が重要になる。具体的には「顔や髪に触れた手や、傷ついた手で食材を触らず、食品を冷蔵庫に入れるなどして菌の増殖を防ぐ配慮が必要」と保健所は呼びかけてきた。 ところが伊勢定のうなぎ弁当は問題の7月24日、こうしたことに配慮するどころではない環境でつくられていたことが立ち入り検査で分かった。 「従業員は当日、調理前と途中に手洗いをほとんど行っていません。さらに、調理したうなぎを素手でご飯の上に詰めていました」と保健所の担当者は話す。 「当日は10階と地下1階で計38人が勤務していました。この中には当日だけのアルバイトや何度か勤務経験があるパートも含まれます。何人が調理や弁当を詰める作業に携わったかは確認中ですが、まず手洗いを徹底せよとの指示が出ておらず、実際にほとんど行われていません。 手袋を着用して調理をした人がいたとの証言もありません。手袋は手に傷がある人は着用する必要がありますが、当日は記録が義務付けられている従業員一人ひとりの健康チェックの記録も不十分で、けがをした人がいたかどうかも分からない。 さらに、10階店舗内では、調理場の外の客席で弁当の盛り付けが行われていました。食品衛生法の届け出に反しています。 また、伊勢定は調理から12時間後の『消費期限』の時刻を記したシールを弁当に貼っていましたが、7月24日は消費期限を『23時』と書いた弁当の一部が、12時間前の午前11時より早い時間帯につくられていたことも判明しています」(保健所担当者) 「味に異常はなかったのですが…」 老舗飲食店がなぜこれほど問題のある環境で食品をつくったのか。 「当日、繁忙を極めている中でそうなったのかどうかは分かりませんが、調理工程がこういう状況だったと説明できる者がいないんです。 現場の状況を全体的に判断できる人がいなかったようです。このため衛生上の指示や教育が適切に行われていなかった可能性があるとみています」(同担当者) 38人ものスタッフが1700個を超える弁当を製造・販売した現場に責任者がいなかったとは理解しがたい状態だ。 結局、横浜市保健所はこうした当時の状況をもとに「生産能力を上回る弁当・総菜の調理を行ったことで、従来の工程と異なる作業や保管が生じ、食中毒発生の危害を増大させた可能性がある」と判断したと発表している。 ― 引用終わり ― 伊勢定ほどの老舗が「調理したうなぎを素手でご飯の上に詰めていました」などという状況で弁当を製造したのか想像しがたい。急激な店舗拡大による人材不足、大幅な運営方針変更による人材離脱などを想像してしまう。 食品のプロ、調理のプロ以前に、食品衛生の知識がある人、食品衛生を管理する人がいなかったことは想像に難くない。 日本橋 鰻 伊勢定 公式サイトトップページお詫びとお知らせ(2024年7月29日)詳細はこちらをご参照ください。 日本橋 鰻 伊勢定について 昭和21年創業。 一期一会を大切に、美味・喜び・繫りを一人一人のお客様へ届けられるよう日々精進しています。 ― 引用終わり ― 一人一人のお客様に黄色ブドウ球菌を届けちゃったんだね。
2024年08月23日
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自動車などの大量生産に必要な「型式指定」に関して自動車メーカーが不正を行っていた問題で、7月31日、国土交通省は、新たにトヨタ自動車の7車種で不正が見つかったことを明らかにし、道路運送車両法に基づく是正命令を出した。是正命令では、1か月以内に抜本的な再発防止策を策定し、当面、四半期ごとに再発防止策の実施状況を報告するよう求めている。 「型式指定」をめぐる不正で国土交通省が道路運送車両法に基づいて是正命令を出すのは日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機に続く4例目で、トヨタに対しては初。 トヨタに新たな不正国交省が初の「是正命令」2024/8/1 khbニュース 自動車などの大量生産に必要な型式指定の認証を巡る不正で、国土交通省は初めて、トヨタ自動車に対して是正命令を出しました。 トヨタ自動車 佐藤恒治社長 「多大なるご心配、ご迷惑をお掛けしてますことを心よりおわび申し上げます」 認証不正を巡ってトヨタは7月5日、国交省に対し、新たな不正は確認されなかったと報告していました。 しかし、その後の立ち入り検査で新たに国内向け1車種と海外向け6車種で不正が見つかったということです。 国交省は「幅広く意図的な不正が行われていた」として、1カ月以内の再発防止策の報告などを求めています。 ― 引用終わり ― ●是正命令 道路運送車両法に基づく「是正命令」は、2019年の法改正によって新たに設けられた。 自動車の生産をめぐって不正を行った企業に対し、国土交通省が組織体制の抜本的な改善が必要と判断した場合に出し、再発防止策の策定と進捗状況の報告などを求める。 命令に違反した場合は50万円以下の罰金が科される。 ●今回の不正の詳細 2024年7月31日16時、国土交通省はトヨタ自動車の佐藤恒治社長に、是正命令書を渡した。佐藤社長に対し、同省の鶴田浩久物流・自動車局長は「幅広く意図的な不正があった」と指摘した。 是正命令を出すに至った問題点の一つは、法規認証試験(以下、認証試験)に関する調査の甘さ。 トヨタ自動車は7月5日、過去10年分の国内向け車種を対象に認証試験における不正の有無を調査した。その結果、6月3日に公表した6つの試験と6種類の不正以外に、新たな不正は確認されなかったと国土交通省に報告した。 しかし、後面衝突試験で2件の不正が漏れていたと国交省から指摘があった。 同社に立ち入り検査を実施した国土交通省は今回、6つの試験で8種類の不正行為を追加で認定。さらに、トヨタ自動車から報告を受けた先の6種類の不正から漏れていた2種類の不正行為があったと指摘した。これにより、不正が行われた車種はトヨタ自動車が報告した7車種から14車種に拡大した。 国土交通省が追加で不正行為を指摘した試験項目は、(1)歩行者脚部保護試験、(2)積み荷移動防止試験、(3)ステアリング衝撃試験、(4)内装の乗員保護装置試験、(5)ポール側面衝突試験、(6)側面衝突試験──。 ●生産・出荷 「ノア・ヴォクシー」は国土交通省の調査で不正が発覚したため、7月29日から生産と出荷を停止。基準適合性が確認されたため準備ができ次第、生産を再開。 6月6日から生産を停止している「カローラ フィールダー」「カローラ アクシオ」「ヤリス クロス」の3車種について、トヨタは国土交通省により基準適合性が確認されたとして9月初めから生産を再開する。
2024年08月07日
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2024年7月23日、紅麹サプリ問題の責任を取り、小林 一雅代表取締役会長の辞任と特別顧問就任、小林 章浩代表取締役社長の辞任と補償担当取締役就任が発表された。新たな代表取締役には初めて創業家以外の山根専務取締役が就任した。 同時に、2024年1月より6月までの6ヶ月間小林 章浩代表取締役社長の月額報酬額の50%、山根 聡専務取締役の月額報酬額の40%に自主返納が発表された。 自主返納について、もっとも重い責任があると思われる小林 一雅代表取締役会長の名はなかった。 創業家資産は1600億円! 年3億の役員報酬も…小林製薬“猛毒会長”の正体とは「『アカン』と言ったら全部やり直し」《辞任発表》2024/7/23 文春オンライン … (略) … 76年から04年まで社長を務め、現在も代表取締役会長を務める小林一雅氏(84)は、今から25年程前のとある日、旧社屋のエレベーターの中で、1人の社員をジロッと見つめていた。一雅氏は社員が降車後、秘書に対してこんな指示を出したという。 「今の奴は、どこのどいつだ。社員は階段使えって言っておけ」 当時を知る元社員が振り返る。 「会長に好かれればトントン拍子で出世できるが、嫌われたら一生出世はできません。だから会長と接触するのは社員にとってギャンブルみたいなものだったんです」 一方、元幹部社員はこう声を潜める。 「あの会社には昔から“隠蔽体質”があるんです。一雅さんは恐ろしく、些細なミスでも怒られる。『一雅さんにバレたらどうしよう』とみんなビクビクしています。今回の問題も会長にバレずに何とかごまかせないかと悩んでいる内に公表が遅くなってしまったのではないか」 ― 引用終わり ― 上下関係が明確な組織、上の人事権が強すぎる組織では、「上」が不都合と感じる情報は隠蔽されやすくなる。自動車では三菱自動車や旧中島飛行機の富士重工(現スバル)がリコール隠しを繰り返した例がある。 小林製薬 辞任の前会長に月額200万円の報酬支払いへ2024年7月26日 NHK 小林製薬の紅麹の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、責任を取って辞任し特別顧問に就任した小林一雅前会長に対して、会社が月額200万円の報酬を支払うことがわかりました。通常の顧問の4倍にあたるということです。 小林製薬では一連の問題の責任を取っていずれも創業家出身の小林一雅氏が会長を辞任し、小林章浩社長も辞任することが決まっています。 前会長は、7月23日付けで新たに特別顧問に就任していますが、会社は、報酬として月額200万円を支払うことを決めました。 これは、社内の規定で定められた通常の顧問に支払う報酬の4倍にあたるということです。 また、契約期間は通常の顧問は2年ですが、前会長が就いた特別顧問は3年だということです。 会社は「再建に向けて知見と経験をいかすことが有用であると判断して処遇を決めた」としています。 ― 引用終わり ― 小林製薬は「再建に向けて知見と経験をいかすことが有用であると判断して処遇を決めた」ということであり、紅麹サプリ問題について会社として何も反省はしていないことを天下に示した。 小林 一雅前会長はたった200万円で特別顧問に就任していやったというところなのだろう。 それにしても文春は調査力に長けているな。 毎年25億の配当金、32頭の馬主...小林製薬“華麗なる一族”が自主回収の“常習犯”になるまで「31年間で17回」《辞任発表》「週刊文春」編集部2024年7月23日 文春オンライン … (略) …一族が持つ株は約1600億円、毎年25億円の配当金 現在の従業員数はグループ全体で3500人を超えている。前出の経済誌記者が語る。 「04年に弟の豊氏(故人)に社長を譲り、その後13年に長男、章浩氏が社長に。しかし76年から、48年間代表権は手放さず、代表取締役会長として君臨し続けているのが一雅氏なのです」 小林製薬は、00年8月に東証一部(現・プライム)に上場。昨年末の有価証券報告書によると33%(2476万株)を一族が保有しており、筆頭株主は章浩氏で12%、第3位に一雅氏が代表を務める小林財団が入っている。一族の持つ株の時価総額は、紅麹問題が社内で議論された2月5日の時点で、約1600億円ほど。昨年の年間配当金は101円のため、一族で約25億円を手にしていることになる。 「さらに同社は高額な役員報酬で知られ、一雅氏は1年間で3億2300万円、章浩氏は1億100万円を得ている」(同前) “華麗なる一族”は不動産も多数所有している。中でも、一雅氏は「消臭元」ブランドが芳香剤で初めて年間売上100億円を突破した04年、兵庫県芦屋市の超高級住宅街・六麓荘ろくろくそうの850坪の土地に豪邸を建設した。地元不動産業者によると「人気のエリアで、外国人の購入も増えている。坪単価は200万円することもあり、土地だけで17億円は下らない」という。 一雅氏と息子の章浩氏は確認できただけで都内や関西近郊に計6つの高級マンションも所有している。 「いずれも一等地にありますが、一雅会長名義の都内の物件は、85平米で1億8000万円以上の値が付く」(小林製薬関係者) 一雅氏は都心のマンションの他に、大阪市内のタワマンを2部屋所有しており、推定価格は2部屋合計で2億4000万円。 一方の章浩氏は大阪市内にタワマン一室(105平米)を所有しており、こちらの推定価格は1億円。また、神戸市内のタワマンは、2部屋所有し合計で2億円ほどの価格とみられている。 ― 引用終わり ― 7月26日、小林製薬の紅麹料が使われている別の会社の製品について、厚労省に対し、「報告すべき量以上の紅麹原料が含まれている製品はない」と報告していたが、実際には5社で製造されていたと報じられた。 厚労省は小林製薬に対し、小林製薬の紅麹原料が使われている別の会社の製品について、一定量以上の紅麹原料を含むものなどを報告するよう求めていた。 厚労省は小林製薬に対して、報告の対象となる製品が他にもないか改めて確認をした上で、今月31日までに報告をするように求めている。 小林製薬は7月26日に更新した「コーポレートガバナンス報告書」に、取締役会の議長を、会長から社外取締役に変更したことが報じられた。紅麹サプリメントを巡る健康被害問題で、経営陣が情報開示に消極的だったと指摘されており、中立的な立場の社外取締役に交代することで、ガバナンス(企業統治)を強化する狙いがあるとされる。 小林 一雅氏が経営陣にいる限り、コープレートガバナンスの歪は解消されないと見受けられる。
2024年07月31日
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紅麹サプリメント事件の小林製薬は、7月23日に臨時取締役会を開き、小林一雅会長(84)と小林章浩社長(53)の辞任を決定した。 「紅麹(べにこうじ)」配合サプリメントによる健康被害の拡大を招いた引責辞任。 後任の社長には山根聡専務(64)で創業家以外の社長は初。新たな経営体制で被害者への補償と問題の原因究明、再発防止に取り組む。 「紅麹」死亡調査97人に=厚労省時事通信 2024年7月8日 21時45分 小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」配合サプリメントを巡る健康被害問題で、厚生労働省は8日、死亡との因果関係を調査している死者が97人になったと公表した。4日時点から13人増えた。 厚労省によると、これまでに同社に寄せられた死者についての相談は5日時点で228人に上り、うち3人については服用との間に因果関係はないと医師が判断した。128人はサプリを摂取しておらず、97人のうち11人は摂取の有無を確認している。 ― 引用終わり ― 7月18日、消費者庁の新井ゆたか長官は、国の審査が必要な「特定保健用食品」(トクホ)を販売する事業者に対し、健康被害情報の報告を9月1日から義務化すると明らかにした。7月19日からパブリックコメント(意見公募)を実施する。 7月23日、小林製薬は外部の弁護士による調査報告書を公表した。 報告書では小林製薬について以下の問題点が指摘された。・売り上げの増加に伴い「人手不足」が常態化していた・品質管理を含めた業務については現場の担当者にほぼ一任される状況であった・健康食品の安全性に対する意識が欠けていた・消費者への素早い情報提供をしなかった・行政報告や回収決定が遅れた・有事における危機管理が遅れた・情報共有が十分に行われなかった・信頼性保証本部による牽制の不足・健康被害発生に対する平時からの備えの不足・品質管理の失敗 記者会見での社長の発言も踏まえて、小林製薬では品質管理に関する考え方が根本から世間の企業と異なっていた節がうかがえる。会長が最終判断者だったことを推測させる。 【小林製薬】青カビの発生はおととし11月に認識品質管理担当者は「ある程度は混じることがある」と問題視せずMBSニュース 2024年7月23日 15時20分 小林製薬の「紅麹」成分入りのサプリメントを製造する工場で、有害物質の原因とみられる青カビの発生がおととし11月に認識されたことがわかりました。 健康被害が相次いだ紅麹サプリの問題をめぐり、小林製薬は外部の弁護士による調査報告書を公表しました。 それによりますと、大阪工場ではおととし11月上旬、紅麹を培養するタンクの蓋の内側に青カビが付着していることが確認されましたが、品質管理担当者は「青カビはある程度は混じることがある」として問題視しなかったということです。 また、小林製薬は今年3月に初めて被害を公表するまで、製造担当者に製造過程の問題を尋ねるなどもしていなかったということです。 ― 引用終わり ― 会社は株主のもの。小林会長辞任後も小林製薬への強い影響力を保てる構造のようだ。 小林会長の管理体制のもとで、問題が明確・明白にならない限り、品質管理担当者は品質に関わる問題を矮小化して生産を順調に進める担当者だったのだろう。 〈華麗なる一族、親子トップ2人が辞任〉報告書で暴かれた小林製薬のヤバすぎる製造管理体制…従業員が異変を報告も品質管理担当者は「青カビはある程度は混じる」記者会見は開かず逃げ切りか?集英社オンライン 2024年7月23日 20時6分 サプリメント「紅麹コレステヘルプ」を摂取した人に健康被害が続出している問題で、小林製薬は「消費者への注意喚起や製品回収の判断が遅れた。公表(が遅れたこと)は適切ではなかった」と不備を認める調査報告書を発表した。その上で小林章浩社長と父親の小林一雅会長がいずれも引責辞任すると発表した。だが、報告書には消費者の健康に直結する重大情報を無視したという驚くべき実態が記されていた―。 「ドン」の辞任も今後の影響力は維持? 小林一雅会長はアイデア製品を次々と生み出し同社の規模を拡大し、「中興の祖」「ドン」と呼ばれている。最近まで息子の章浩社長よりも大きな力を持つとみられていた。その一雅氏は「特別顧問」の名誉職に、章浩社長は補償担当取締役に就き、後任社長には8月8日付で山根聡専務が就任する。 ただ一雅氏は同社の大株主で、実際に経営に口出ししなくなるかどうかは不透明だ。同社は小林父子の人事は健康被害に関する行政への報告や公表が遅れた責任をとるためだと明言。山根氏にも責任があるとし、章浩氏とともに6カ月間の役員報酬の一部を返上させると公表した。 … (略) … さらに、報告書では今回の原因になったかどうかはわからないとしながら、大阪工場の従業員への聞き取りで、 ①2022年11月上旬の問題の原料ロットの製造時、乾燥機が壊れ原料ロットの紅麹菌が一定時間乾燥されないまま放置されていた②紅麹を培養するタンクの蓋の内側に青カビが付着していたことがあり、品質管理担当者に伝えると『青カビはある程度は混じることがある』と言われた③乾燥工程の設備の一部である排気ダクトの深奥部が目詰まりしているのが見つかり、適切に排気ができていなかった可能性があるとの証言を得たというのだ。 しかも小林製薬は3月22日の公表までに、製造担当者に製造過程の問題を尋ね実態を把握するということをしてこなかった、とも指摘している。 ― 引用終わり ―
2024年07月27日
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2025年大阪・関西万博の会場西側の建設現場で、2024年3月にメタンガスによる爆発事故があった。万博会場がある人工島・夢洲ゆめしまは一般廃棄物の埋め立て地。2024年3月28日、溶接作業中に出た火花がメタンガスに引火し爆発事故が発生していた。 万博協会は事故直後、他の工区でのガス発生に関し、埋め立て材料の違いから「リスクはない」と説明していた。日本国際博覧会協会(万博協会)藁田博行整備局長は記者団に「土地を所有する大阪市からリスクの引き継ぎがなかった」と釈明した。 5月30日、万博協会は、パビリオンなどが建設される会場東側の4か所でも低濃度のメタンガスが検出されていたと発表した。法令で定める基準の4分の1以下であるとし、建設工事は継続する。万博協会は、工事関係者や来場者の安全を確保する対策を6月中にまとめる方針。協会幹部は「工期には影響しない」としている。 万博協会幹部の意識の中で、工期が安全よりも優先してるということが分かる。メタンガスの濃度が基準以下でも爆発事故が発生しており、通常であれば安全対策をまとめてから工事を再開するところだろう。 【独自・万博】「ガスは目に見えないし...みんな怖いと」爆発事故現場近くにいた作業員は協会の対応に不信感会期中の"万が一"の事態を懸念MBSニュース 2024年6月2日 14時3分 今年3月、大阪・関西万博の工事現場で発生したメタンガスの爆発事故。当時、現場近くにいた作業員がMBSの取材に初めて応じ、「大きな事故だった」と語りました。 万博会場トイレ建設現場で“メタン爆発” コンクリ床約100平方メートル損傷 3月28日午前11時前、万博会場のトイレ建設現場で、溶接作業の火花がメタンガスに引火する爆発事故がありました。けが人はいませんでしたが、コンクリートの床など約100平方メートルが損傷しました。 事故当時、現場近くに居合わせた作業員がMBSの取材に応じ、状況を語りました。(事故現場近くにいた作業員)「そらもう、びっくりするくらいの音ですね。ある程度スピードが出ている車同士がぶつかる勢いの音みたいな感じですね、ドーンって。(現場から)だいぶ離れた駐車場スペースというのがあるんですが、そこでも音が聞こえたって言ってたから、相当でかい爆音だったんだろうなと」 作業員は何が起こったのかと思い、現場を見にいったといいます。(事故現場近くにいた作業員)「作業してはった人が、何か爆発してんけど?みたいな。何でなん?みたいな。みんな、はてな?マークで…一番初めは、みんなそんな感じでした」 事故直後の写真が物語る“爆発の威力” 作業員が事故直後、会社に見せようと撮影した3枚の写真。地下に入るための点検口の「ふた」が跳ね上がり、ゆがんでいる様子が確認できます。(事故現場近くにいた作業員)「地面のコンクリートが割れていて、コンクリートもそんな薄いもんではないから、これが割れるってことはそれなりの威力やったんだろうなっていう感じ。だいぶ大きい事故。ガスは目に見えないし、わからないから実際に事故を体感すると、みんな怖いと言ってます」 『消防への通報遅れ』『床以外の破損情報共有は発生から約50日後』…作業員「隠したらアカン」 この事故をめぐっては、事故発生時に炎や煙が出ず“火災”という認識がなかったとして、消防への通報が発生から4時間半後だったことや、天井など10か所以上が破損していたものの、施工業者と協会で情報が共有されたのが50日以上たった5月になってからだったことが明らかになっています。作業員はこうした協会の対応に対し、不信感を募らせています。(事故現場近くにいた作業員)「隠したらアカンことじゃないのと思って。明らかにしてほしいなと。事実の部分に関しては、きっちりみんなに知ってほしいし、知るべきだと思う。それは(協会や施工している鹿島建設の)義務だと思いますけどね」 協会は、当初公開した写真が1枚だけだったことについて、事故当時の作業場所や損傷か所が説明しやすいものだったとして、「他意はない」と説明しています。 協会によりますと、爆発事故のあった工事区域では、作業で火を使う場合、メタンガス濃度の基準値を事故前より厳しく設定したうえで、基準値を上回る場合は換気を徹底し、濃度を下げてから作業しているということです。 会期中の爆発事故リスク…現場にいるからこそ“万が一の事態”を懸念 ただ、作業員は万博の会期中に爆発事故が起きる”リスク”についてこう主張します。(事故現場近くにいた作業員)「(今回の事故は)コンクリートがめくられただけやけど、上に床ができて(内装や備品などの)モノができてとなると、破損するものはそれだけ増える。被害としては拡大する。万博っていろんな人がくる。外国の人もくるやろうし、喫煙マナーも守れない人もいるだろうから、火気が使われたときに万が一もあるんかもしれへんなという感じはある」 協会は、メタンガスの測定値を公表することを検討していて、有識者の意見を踏まえて6月中をめどに会期中の安全対策を取りまとめる予定です。 ― 引用終わり ― 現代のコンプライアンス感覚に欠ける万博協会は、今後も事故、トラブルの隠ぺい、報告遅れを続けることだろう。
2024年06月09日
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食品メーカー「いなば食品」で新入社員が相次いで入社辞退したことを『週刊文春』が報じ、注目を集めている。 いなば食品の本社か静岡県で、創業1805年の200年以上の歴史を持つ老舗。 週刊文春の報道で、いなば食品の劣悪とされる労働環境、詐術と思える新入社員を受け入れる様子に関心が集まった。 稲葉敦央社長(72)の猫ネグレクト、社長の妻稲葉優子氏(54)の社員に対するハラスメント、保健所への申請の遅れによる食品衛生法違反など、世間が「オーナー企業」に抱く悪いイメージを増幅するような記事が続いている。 さらに自民党・二階派候補の選挙活動の支援を社員に強要していたことが報じられた。 いなば食品・稲葉敦央社長(70)が勤務中の社員に自民党二階派候補者の選挙手伝いを“強要”していた! 「『投票をお願いします』と電話をかけさせられた」文春オンライン 2024年4月27日 7時0分 「ボロ家ハラスメント」や「猫ネグレクト」の問題に揺れる缶詰製造大手のいなば食品。同社の稲葉敦央社長(70)が、2022年7月に行われた参議院選挙の際、勤務時間中の社員に自らが支援する候補者の手伝いを“強要”していたことが「 週刊文春 」の取材で分かった。 いなば食品の激震が収まらない。小誌は 4月11日発売号 で静岡県での勤務を予定していた一般職新入社員が相次いで入社拒否をしていたこと、 4月18日発売号 では、社長夫人・稲葉優子会長(54)による会社の私物化の実情や、焼鳥缶を製造する工場で保健所の許可なく操業していた「食品衛生法違反」の疑いを報じた。 創業家による社員の“私物化”に非難が殺到 第1弾の報道以来、「週刊文春」にはいなば食品の現役社員、元社員、関係者から様々な情報が寄せられている。 数々の証言から明らかになったのが、敦央社長ら創業家による社員の“私物化”だ。 それを象徴するエピソードが、冒頭で記した社員に対する選挙応援の“強要”である。2022年7月に行われた第26回参議院議員選挙に際し、敦央社長は当時立候補していた自民党の尾立源幸氏(60)を強く推していた。選挙の投票日が近づいた6月末には〈なぜおだち候補が必要か?〉という一文から始まる“推薦文”を社員に向けて一斉送信している。 社員総出で「投票をお願いします」 尾立氏は2004年に民主党から参院選に大阪府選挙区で出馬し、初当選。以降、2期にわたって2016年まで参院議員を務めた。落選中の2018年には自民党入り。二階派に所属し、2019年の参院選に出馬したが、落選している。 そんな中で迎えた2022年の参院選。〈ここは、おだちしかないです〉と尾立氏に熱烈なエールを送る敦央社長は社員にあることを命じる。 「東京本社のオフィスにいた社員総出で、勤務時間中に尾立氏の支援者へ『投票をお願いします』と念押しの電話をかけさせられたのです。支援者のリストを渡され、ローテーションを組んで4、5人ずつ交代で電話をかけました」 無論、勤務時間中の社員に支援候補者の手伝いをさせるのは私物化というほかないだろう。だが、敦央社長の応援もむなしく尾立氏は落選している。 ― 引用終わり ― 世はコンプライアンスの時代となり、何事も諦めることなく、なりふり構わず一所懸命やればよいという時代でもない。企業は一家、社員は子どもという振る舞いが許される時代でもない。 「ちゅ~る、ちゅ~る、CIAOちゅ~る」で「世界の猫を喜ばす」INBA いなば食品は古の常識から抜け出せず、創業家以外の人には優しくないことが多いようだ。 コンプライアンスに反する企業には取引先も厳しい世となった。会社は儲かっているようだ。日本の銀行などの金融機関は、いなば食品に優しくしてくれるかな。 いなば食品、大炎上でも「不買運動」が起きぬ理由キリンはあれだけ盛り上がったが…どこに違いが?城戸 譲 : ネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャー2024/04/23 東洋経済ONLINE … (略) … いなば食品では不買運動が起きない3つの理由 しかしながら、今回のいなば食品では、不買運動が盛り上がっていない。その背景には、3つの理由があると筆者は考えている。(1)従業員の待遇が争点となっているため(2)「CIAOちゅ〜る」が唯一無二な商品であるため(3)「CIAOちゅ〜る」が子会社の商品であるため … (略) … 不買運動は、基本的に「替えがきくライバル商品があること」を前提として成り立つ。先の「氷結」の例で言えば、味は多少異なるが、たとえばサントリーの「-196℃」や「こだわり酒場」といった競合商品があることから、いざとなれば消費者はそこへ乗り換えられる。こうした危機感が企業への抑止力となるため、不買運動は一定の効果を示す。 その点で言えば、いなばの「ライトツナ」から、はごろもフーズの「シーチキン」に乗り換えるという流れは考えられる。ただ、メーカー名で選ばれていないのか、はたまた一時期ほど広告展開されていないからか、そこまでの動きにはなっていないようだ。 ― 引用終わり ― 韓国人は大好きなレクサスやスーパードライを断って反日運動、NO JAPAN に勤しんだ。適当な時期を見計らってレクサスやスーパードライの購入を復活した。 日本人は総合的なバランスの判断が先行し、韓国人ほど機敏に切り替えができないのだろう。 人間の食品衛生の問題が主なら、「不買」「取扱中止」は起きると思われる。 かわいい猫ちゃんの好物、総合栄養食を人様の都合で断つのも気の毒だ……?
2024年05月13日
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低成長が続いた日本の経済社会は、進化し過ぎた生存本能が、自らの存在を危機に陥れることになっているのだろうか。 2024年4月1日、日本腎臓学会は、小林製薬の「紅麹」成分入りサプリメントを摂取した人に健康被害が確認された患者47人の症状などを発表した。受診時期は2024年1月以降が約8割。摂取を中止すると、多くは改善がみられたという。 4月1日、厚生労働省は、小林製薬の「紅麹」成分入りサプリメントを摂取し健康被害を訴えて入院している患者が3月31日時点で157人に増加したと発表した。 4月6日、小林製薬がドラッグストアなどで販売され自主回収を行っているサプリについて、これまで電話でのみ受け付けていた返品受付をインターネットでも始めると発表した。 【速報】小林製薬「紅麹問題」入院者数が157人に…医療機関の受診は786人に増加厚労省が明らかにMBSニュース 2024年4月1日 20時50分 … (略) … また、小林製薬からの報告で医療機関を受診した人が786人に上っているということです。一方で29日以降に新たな死者は確認されていないとしています。 さらに小林製薬への相談件数は3月31日までに延べで約2万2000件寄せられているということです。また、厚労省へのコールセンタには、約1600件寄せられているということです。コールセンターには「小林製薬の製品を摂取したけどどうしたらいいのか」などの相談内容が寄せられているということです。 サプリの原料となる「紅麹」を製造していた大阪工場は去年12月に老朽化を理由に廃止され、使われていた製造ラインは現在、紀の川市にある関連会社の工場に移されています。厚生労働省は3月30日と31日の2日続けて、大阪市にある小林製薬の工場と和歌山県紀の川市にある関連会社の工場へ立ち入り検査を行いました。 ― 引用終わり ― 岐阜県は県内で「紅麹コレステヘルプ」を製造していたアピ池田工場(池田町)、アピネクストステージ工場ソフトカプセル課(揖斐川町)、中日本カプセル(大垣市)、アダプトゲン製薬可児工場(可児市)の4施設の立ち入り調査を実施した。 岐阜県紅麹サプリ製造の4工場に立ち入り調査健康被害問題受け毎日新聞 2024年4月1日 20時0分 小林製薬(大阪市)が販売する「紅麹(こうじ)」のサプリメントの摂取が原因とみられる健康被害が相次いでいる問題で、岐阜県は3月29日~4月1日、紅こうじ原料を仕入れた県内4カ所の工場に立ち入り調査した。 調査したのは、「紅麹コレステヘルプ」を製造していたアピ池田工場(池田町)、アピネクストステージ工場ソフトカプセル課(揖斐川町)、中日本カプセル(大垣市)、アダプトゲン製薬可児工場(可児市)の4施設。いずれも大阪市の依頼を受けて実施したもので、アピ池田工場は3月26日に続く2回目。同工場を除く3施設はいずれも小林製薬が紅こうじ原料を卸している52社から仕入れ、「コレステヘルプ」以外のサプリなどを製造している。 ― 引用終わり ― 小林製薬の「紅こうじ」を使ったサプリメントによる健康被害問題で、同社が問題を公表する以前に、体調不良となった利用者が医師の診断や自己判断で摂取を中止して回復した事例が複数あること、摂取をやめたため重篤化せず入院に至らなかったとみられるケースがあることなどが4月7日に報じられた。 「紅麹」サプリ問題で問われる小林製薬の自浄能力と危機管理 2024年4月16日 財界オンライン卸からメーカーに変身した歴史 「危機管理体制の改善に社を挙げて取り組んでいきたい」─。小林製薬社長の小林章浩氏は強調する。同社の「紅麴」成分入りのサプリメントによる健康被害問題。「未知の成分」の混入としていたが、それが青カビが作る「プベルル酸」という化合物だと分かった。ただ、それが健康被害とどう結びついているかは、まだ分かっていない。 エーザイが認知症薬の普及へ 皮下注製剤や検査体制の整備などにも注力 現時点では、2023年12月に閉鎖された大阪工場で同年4月から10月にかけて製造した紅麹原料からプベルル酸が検出。同工場は品質・衛生管理に関する指針「GMP(適正製造規範)」の認証を取得していなかった。 そもそも小林製薬は医療用医薬品は製造していない。同社の前身「小林大薬房」が1919年に誕生し、当初は医薬品の卸売りを手掛けていたが、60年代以降、開発に時間や費用がかかる医療用医薬品より販路を広げやすい日用品に注力。 競合が少ない隙間で独自商品を生み出す「あったらいいなをカタチにする」を標語に、トイレ用洗浄剤「ブルーレット」や冷却用シート「熱さまシート」など生活雑貨のメーカーへと業態を変え、20%近い営業利益率を誇る会社となった。 2000年代以降はM&Aを積極展開し、紅麹事業は16年にグンゼから事業譲渡。小林製薬の23年12月期の国内売上高のうち日用品は4割を占める。紅麹事業の売上高は6億円ほど。26期連続で増益を達成していた。 ある中堅メーカーの首脳は「事業全体に管理の目が行き届いていなかった」と指摘。実際、小林氏も「卸を通じて海外でどういう商品になって販売されているか、全容が掴めていない」と認める。小林製薬の紅麹を使った宝酒造では「日々不安に思うお客様からの電話が鳴り続けている」と関係者は話す。産業連関の在り方が問われている。 ― 引用終わり ― また、小林製薬の危機管理に対する感度も問われる。「同じロットから複数の異変が出たら、原因究明する前に、まずは出荷を止めるべき」と前出の首脳。小林製薬は因果関係が証明されていなかったことを理由に、自主回収まで2カ月を要した。 コスト意識が厳しいことで知られる同社は、経営姿勢の根本が問われている。
2024年04月24日
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3月上旬、ビッグモーター和泉伸二社長(55)は従業員4243名に向けて「全従業員の皆様へ当社事業再建に向けた契約締結のお知らせ」としてメールを送信したことが報じられた。 伊藤忠商事・伊藤忠エネクス・企業再生ファンドであるジェイ・ウィル・パートナーズ(JWPファンド会社)の3社によるデューデリジェンス(資産査定)が終了し、再建に向けた契約を締結したことを知らせるためだ。 メールの宛先の人数は4243名。最盛期の従業員数は6000人以上とされる。和泉社長就任後のメールの履歴で、8月31日時点で4941名、12月8日時点で4722名、1月31日時点で4408名。インセンティブがなくなり月度の収入が減ったビッグモーターから着実に従業員が減少している。 メールの内容は契約締結にはじまり、4月後半を目途に「ビッグモーターの主要事業を承継する新会社を発足させる」、「合意を実現させるための所定の条件が充足しない場合や新たに重大なコンプライアンス問題が発覚した場合は支援が取り消される可能性も残っている」などと伝えていた。 伊藤忠商事 プレスリリースビッグモーター社の事業再建に向けた契約締結のお知らせ2024年3月6日 伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区)と伊藤忠エネクス株式会社(本社:東京都千代田区)は、2023年11月17日公表の通り、株式会社ジェイ・ウィル・パートナーズ(本社:東京都千代田区)とともに、株式会社ビッグモーター(本社:東京都多摩市、以下「BM」)が運営する事業について再建の可能性を検証してまいりました。その結果、事業再建が可能であり、かつ取組意義があると判断し、本日、関係者間で事業再建に向けた契約を締結いたしました。会社分割方式により、BMの主要事業を新会社に承継する予定です。今後、所定の条件が充足されたのち、速やかに新会社として再出発を図ります。 ― 引用終わり ― 4月17日、伊藤忠商事グループと企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が中古車販売大手ビッグモーター(東京都多摩市)を約600億円で買収、5月1日に新会社を設立し、約250の店舗と数千人の従業員を承継する方針が報じられた。 新会社は現在のビッグモーターから自動車の買い取り・販売を手掛ける中古車販売の全店を承継する見込み。車の整備事業も引き継ぐ。 伊藤忠商事のビッグモーター買収の相乗効果のひとつに、傘下の株意識会社ヤナセの下請けとしてビッグモーターの板金工場を再稼働させ、高品質で安価な労働力にしようとしていると言われている。 4月15日、「ビッグモーター」4県で29台「展示車」大量盗難が報じられた。 以外でも何でもない推測される犯人像は、多額のインセンティブに惹かれて働いていた社員か元社員。 多額の月収に惹かれて働いていた者が世間並みの給料で行き詰まり計画的、組織的な犯行に及ぶのは、誰でも推測できる。 「ビッグモーター」4県で29台「展示車」大量盗難のミステリー社内で囁かれる“犯人像”とその意外な“動機”とは2024/4/15 デイリー新潮 わずか2カ月余りの間に30台近くの展示車が盗難被害に遭う“災難”に見舞われた中古車販売大手「ビッグモーター」。伊藤忠から200億円の支援を受け、新会社へと生まれ変わる直前で起きた「大規模窃盗事件」に接し、同社内では新たな“騒動”が勃発しているという。 最初の事件は1月28日。群馬県にある館林店で8台が盗まれると、3月には埼玉県・春日部店で3台が盗難。そして4月に入り、被害は一気に拡大する。 「4月2日に坂戸店(埼玉県)で一度に10台が盗まれ、さらに数日後には山梨と長野県内の店舗で計8台が盗難に遭うなど被害は加速。狙われたのはいずれも屋外に展示されていた国産車ばかりで、犯行時刻は閉店後の午前0~5時頃に集中していた。すでに店舗側は被害届を提出済みで、各県警は“大規模な窃盗グループによる犯行”の可能性も視野に捜査を進めています」(全国紙社会部記者) 発覚の経緯は、各店舗の警備システムが作動したことで、警備員らが駆け付けた時には展示車は消えた後だったという。4県で29台もの車が相次いで盗まれる異常事態を受け、動揺の広がる社内の様子を同社関係者がこう明かす。 「被害に遭った各店は、売り上げで上位に顔を出す『大型店舗』という共通点があります。大きな店舗だと展示車の在庫も常時200台を超え、その分、セキュリティーも厳重。だからこそ“外部の窃盗団”の可能性があると聞いた社員の多くが、『本当にそんなことが可能なのか?』と首をかしげました」 ― 引用終わり ―
2024年04月21日
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東海地方を地盤とする中古車販売大手・グッドスピード(以下GS社、愛知県名古屋市)は2002年に創業。SUV(スポーツ用多目的車)や4WDに特化した中古車販売を東海地区で展開している。 2003年2月に法人化、2019年4月、東証マザーズに上場。 ビッグモーターの保険金不正請求疑惑とともに、GS社の名も不正請求際が報じられた。 GS社が、2019年4月の新規上場以前から不正会計を行っていたことがわかった。 2023年8月、内部通報により、GS社の不正会計疑惑が浮上したことで、GS社は2023年9月期決算を2024年3月29日まで発表できないでいた。 2023年10月、GS社取締役会において、外部有識者から構成される不適切会計の調査委員会の委員を選任。 GS社の不正で特徴的なのは、調査委員会が経営陣の主導を認めている点。・中古車販売における売上の先行計上・板金整備における売上計上時期の操作 中古車グッドスピード「不正会計」の呆れた手口売上先行計上への経営陣の関与を調査委が認定村松 魁理 : 東洋経済 記者2024/01/20 5:40 東洋経済オンライン グッドスピードでは、実際には納車未了の車両を納車として処理し、売上を先行計上する「納車テイ」と呼ばれる行為が横行していた(時事) 「GSグループにおける納車テイによる売上の先行計上は、長期間かつ広範囲で行われており、営業部門のみならず、他部署の役職員も含めて多数の役職員が納車テイに関与ないし認識をしていた」 東海地方を地盤とする中古車販売大手・グッドスピード(以下GS社)が、2019年4月の新規上場以前から不正会計を行っていたことがわかった。2023年9月、監査法人から過去の決算に関して不適切な会計処理の疑義があると指摘された同社は、第三者委員会を設置して調査を行っていた。 冒頭の文言は、1月4日に公表された第三者委員会の調査報告書に記載された1文である。 売上の先行計上が横行 調査報告書には、2017年10月からの約6年間にグループで、計5951件の「売上の先行計上」が行われていたこと、その詳細な手口が記されている。 GS社は車両販売において、顧客への納車を基準に売上計上している。しかし、実際には“納車未了”の車両を“納車”したとして社内処理し、売上計上する「納車テイ」と称される行為が横行していた。 納車テイは営業本部の指示で行われるもののほか、各販売店の判断によって行われるケースもあった。また、バイク事業を担う子会社のチャンピオン76(以下CH社)でも、納車テイが行われていたという。 ― 引用終わり ― 2024年3月1日、宇佐美鉱油(本社・愛知県津島市)は、不適切会計処理が問題となったGS社を株式公開買い付け(TOB)などにより完全子会社とする方針を発表した。宇佐美は4~5月にTOBを2段階で行う。1回目は筆頭株主である加藤 久統 社長から株式を取得し、個人株主からは一株850円で取得する。TOBに応じない株主からは「スクイーズアウト」(締め出し)で強制的に株を買い取り、完全子会社する。 2024年3月29日に発表された、GS社の2023年9月期決算の純損益は35億円の赤字、6億円超の債務超過。 GS社は宇佐美鉱油によるTOBに賛同を表しており、多くの株主も同意することだろう。 グッドスピードが35億円赤字債務超過も 不正影響で延期の決算江口英佑2024年3月29日 朝日新聞 中古車販売のグッドスピード(GS)は29日、納車前の車を売り上げに先行計上するなどの不正で、延期していた2023年9月期決算を発表した。純損益は35億円の赤字(前期は3億円の黒字)だった。同期末時点で6億円余りの債務超過に陥っている。 売上高は644億円(前年比14・6%増)、営業損益は11億円の赤字(前期は8億円の黒字)だった。販売台数が伸び悩んだことや、店舗が閉店したことによる減損損失が響いた。 また、過去約3年間の決算の訂正も明らかにした。訂正による純利益の影響額は、21年9月期が2億3千万円減、22年9月期が7500万円減、22年10月~23年6月期が4億9千万円減だったとした。 ― 引用終わり ―
2024年04月10日
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2023年11月17日、大手総合商社の伊藤忠商事は、「ビッグモーター社が運営する事業について再建の可能性を検証するために、これよりデューデリジェンスを開始する」と発表した。伊藤忠商事のほか、子会社の伊藤忠エネクス、投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)の3社がビッグモーターと資産査定(デューデリジェンス)の独占契約を結び、来春までに買収の可否を判断する。 買収の前提条件は、ビッグモーター株の100%を握る兼重宏行・前社長ら創業家が経営に一切関与しないこと。 12月26日、伊藤忠商事の石井敬太社長は産経新聞のインタビューに答え、再建支援を検討している中古車販売大手ビッグモーター(BM)について「過去のビッグモーターと、再生されるビッグモーターを一度分けなければならない」と指摘した。BMの中で長年にわたりこびりついた宿痾を切り取った上で、優良資産だけを分離して別会社化を図る構想を明らかにした。BMの不正行為に対する補償対応などは創業家側が負うべきだとの考えも強調した。 ビッグモーターは民間車検場としての指定取り消し処分が下されたほか、損害保険代理店としての登録も抹消され、様々の浮腫叔父により顧客離れが加速している。 2024年2月28日、ビッグモーターの保険不正請求に破格関与した損害保険ジャパンの西澤会長が退任することが報じられた。 【独自】損保ジャパン西澤会長が退任へビッグモーターによる不正請求問題などを受け2024年2月28日 TBS NEWS DIG ビッグモーターによる不正請求問題や企業向け保険の保険料を事前に調整していた問題を受け、損害保険ジャパンの西澤会長が退任する意向を固めたことがJNNの取材で明らかになりました。 損保ジャパンは企業向け保険の保険料を事前に調整していた問題で、去年12月に損保大手3社とともに業務改善命令を受けたほか、ビッグモーターの不正請求問題でも先月、親会社のSOMPOホールディングスとともに業務改善命令を受けています。 関係者によりますと、一連の問題を受けて、損保ジャパンの西澤会長が退任する意向を固めたということです。 西澤氏は2016年から2022年3月末まで社長を務めていました。 ビッグモーターの不正問題では先月、損保ジャパンの白川社長が退任したほか、13年以上、グループを率いてきたSOMPOホールディングスの櫻田グループCEOも3月末での退任を表明しています。 ― 引用終わり ― 3月6日、伊藤忠商事が、保険金の不正請求で経営難に陥っている中古車販売大手ビッグモーターを支援することを正式に決め、同社などと契約を結んだと発表した。4月後半に店舗や整備工場など主要事業を引き継ぐ新会社を発足させ、再建に当たる。伊藤忠は新会社に200億円を出資する方向で検討している。 伊藤忠、ビッグモーターと事業再建契約中古車販売など新会社へ2024/3/6 毎日新聞 伊藤忠商事は6日、中古車販売大手ビッグモーター(BM)と事業再建に向けた契約を締結した。伊藤忠は投資ファンドなどと新会社を設立し、自動車保険の保険金不正請求問題を起こしたBMの中古車販売事業など主要事業を引き継ぐ。BMの創業家は新会社に関与しないという。 伊藤忠、国内投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)と、伊藤忠の子会社で燃料事業などを手がける伊藤忠エネクスの3社は、4月後半をめどに新会社を発足する。会社分割方式により、新会社が主要事業を担う。中古車販売の優良店舗や整備工などの社員も引き継ぐ。譲渡額は非公表。 伊藤忠は昨年11月、3社連合でBMから独占交渉権を得て、事業再建の可能性を探るための資産査定(デューデリジェンス、DD)を進めてきた。その過程で、BMには店舗網などの顧客接点の多さ、膨大なデータ蓄積による効率的な仕入れなどの強みがあると判断した。 伊藤忠は輸入車などを販売する「ヤナセ」や、レンタカー事業を手がけるリース大手、東京センチュリーに出資しており、グループ事業との相乗効果があると見込んだ。また、伊藤忠子会社の来店型保険ショップとの連携もグループの利益拡大につながるとみている。 ― 引用終わり ― 伊藤忠商事は、中古車市場は、規模が大きければ相場が動かせるという事実に大きな魅力を感じたのかもしれない。 伊藤忠商事 プレスリリースビッグモーター社の事業再建に向けた契約締結のお知らせ2024年3月6日 伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区)と伊藤忠エネクス株式会社(本社:東京都千代田区)は、2023年11月17日公表の通り、株式会社ジェイ・ウィル・パートナーズ(本社:東京都千代田区)とともに、株式会社ビッグモーター(本社:東京都多摩市、以下「BM」)が運営する事業について再建の可能性を検証してまいりました。その結果、事業再建が可能であり、かつ取組意義があると判断し、本日、関係者間で事業再建に向けた契約を締結いたしました。会社分割方式により、BMの主要事業を新会社に承継する予定です。今後、所定の条件が充足されたのち、速やかに新会社として再出発を図ります。 ― 引用終わり ― 3月8日、ビッグモーターが再建計画や借入金返済計画などを銀行団と協議すると報じられた。 兼重宏一元副社長はマスコミの前に姿を現さずに幕が引かれるのだろうか。 親が作った業界トップの会社を環境美化点検などを通じて「潰した」感想を聞きたいな。 3月15日、自動車のコーティング加工などを請け負う業者に対し、買いたたきや保険契約の強制などをしていたとして、公正取引委員会は、下請法違反で中古車販売大手ビッグモーターと子会社ビーエムハナテンに再発防止などを勧告したと発表した。 下請け業者にコーティング加工の発注単価の引き下げを一方的に要請し減額、ビッグモーターで車検を受けていない業者に対し、出入り禁止にすると伝えた上で、車検を受けさせた、下請け業者に無償で店舗の展示車両のタイヤにワックスがけをさせた、新店舗オープンの際に協賛金を提供させたりしていたなどのケースが判明した。
2024年03月24日
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2023年内に予定されていた宙組の東京公演は、全日程が中止となった。 宝塚歌劇団は、陸上自衛隊のセクハラ問題と同様のように、パワハラによる自死が現代の社会倫理ではけっして許されないことに気づかなかったのだろう。 理事長の首を挿げ替えれば済む問題ではない。 宝塚歌劇団のパワハラの実態が少しずつ明らかにされている。 宙組に“いじめ文化”を根づかせたのが元トップスターの真風涼帆だと『週刊女性』は報じた。 歌劇団は遺族との話し合いなどを経て、第三者委員会による報告書の実質的な取り下げ、事実関係など再検討を開始した模様。 宝塚歌劇団は2024年4月に予定していた宝塚歌劇110周年記念式典、10年に1回開催される「大運動会」を中止にした。 2024年2月23日、宝塚歌劇団の25歳の劇団員が死亡し、遺族側が、パワハラにあたる行為があったなどとと主張している問題で、歌劇団側は、一部がパワハラにあたることを認め、遺族側に伝えていたことが報じられた。 3月5日、宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)は、昨年急死した俳優が所属していた宙組が5月から上演予定だった公演を見合わせると発表した。上演作品や時期が決まり次第、改めて発表するとしている。 【宝塚】「トップスターが怖すぎて失神」パワハラの概念が“崩壊した”宙組が解体危機週刊女性PRIME 2023年12月11日 21時0分 「劇団と、パワハラを行った上級生が真実を認め、謝罪することを求めます」 悲痛な訴えである。9月に亡くなった宝塚歌劇団員のAさんの家族が、11月に行われた劇団幹部の会見に反論する形で意見書を提出した。 LINEのやりとりを公開 「劇団側は過重労働を認めたものの、パワハラはなかったと主張。それどころか“(パワハラの)証拠となるものをお見せいただけるよう提案したい”と11月の会見で開き直っていたんです。それを受けて12月7日に遺族側の代理人弁護士が会見を開き、パワハラの詳しい経緯を説明。証拠となる故人の生々しいLINEのやりとりも公開しました」(スポーツ紙記者、以下同) 意見書には「自分たちの都合の良いように真実をすり替え、娘の尊厳をこれ以上傷つけるのはやめてください」という家族の言葉もあった。劇団側の不誠実な姿勢が、事態をさらに悪化させている。 「Aさんが所属していた宙組の東京公演は年内予定されていた全日程が中止に。理由は“劇団員が舞台に安心して立てる状態ではないため”と説明しています。12月5日の雪組公演でも、途中で幕が下ろされ、中断するという“事件”がありました。トップスターの彩風咲奈さんが過呼吸になってしまったことが理由だと報じられています」 12月1日には演出家の藤井大介氏が劇団理事を辞任。『週刊文春』の記事が原因のようだ。 「11月28日に花組の団員が今後に関する話し合いの場を設けたそう。終わった後に、なんと藤井さんが上級生たちと“酒盛り”を始めたというんです。“こんな時にお酒を飲むなんて!”と下級生が抗議。劇団側も厳正に対処せざるをえなかったのでしょう」 宙組に“いじめ文化”を根づかせたのが元トップスターの真風涼帆だと『週刊女性』は先週号で報じたが、組替え前にいた星組でも“暴君”だったという。 「真風さんは先輩にあたる当時のトップスターと一緒になって、相手役に厳しい“指導”を行っていたそうです。開演前に精神状態が限界に達した相手役が過呼吸になった時、真風さんは彼女を気遣うどころか、“早く(症状を)治めて。幕を開けないとお客さんに失礼”と言い放ったんだとか。星組は体育会の気質が強いといわれています。元星組の天彩峰里さん、芹香斗亜さんなどが組替えで移ってきたことで、宙組が変わってしまったのかもしれません……」(宝塚関係者、以下同) “うちは難しいことはわからへん” 真風は2015年に宙組に移籍し、2017年にトップスターに。 「そのころから威圧感がすごかったようで、あるタカラジェンヌは本番直前に彼女の姿を見るや否や“失神”してしまったそうです。よほど真風さんという存在が怖かったんでしょうね」 真風が横暴になっていったのは、周りが助長した面もあったらしい。 「真風さんのトップスター時代に宙組の組長を務めていたのが寿つかささん。本来は組内の問題を解決する立場ですが、寿さんは“うちは難しいことはわからへん”と言って、パワハラや過重労働を見て見ぬフリ。宙組内での真風さんはどんどん“王様化”していったそうです」 今年6月に真風が退団し、代わりにトップスターに就任したのが芹香斗亜だが、同情の声も上がっている。 「一部ではパワハラの“主犯格”とされていますが、それはちょっとかわいそうな気もします。真風さんの長期政権下では、芹香さんも“指導”を受けていました。芹香さんは17年目でトップスターになった苦労人です。彼女は下級生に対して厳しいですが、真風さんほどの高圧的な態度はとっていないというのが劇団スタッフの印象です」 Aさんをヘアアイロンでヤケドさせたとされる天彩峰里も、かつては被害者だった。 「以前から、退団前の真風さんやほかの上級生から“指導”を受けて泣いていて。疲れた顔をするようになりました。もちろんAさんにしたとされる行為は許されないものですが、彼女も悪い“伝統”を受け継いでしまったのかも」 宙組の“いじめ文化”をつくった真風は、退団後にソロとして芸能活動を始めている。 「真風さんは退団後、新しく公式ファンクラブを立ち上げました。年会費は入会金と合わせて4000円からですが、年会費20万円の会員は、真風さんと旅行までできるそう。まずはファンクラブビジネスでちゃっかりお金を稼ぎたいようです」 … (略) … “宙組解体”の可能性 宝塚歌劇団に演出家・藤井大介氏が理事を辞任したことに関する事実確認と、今後宙組が解体される可能性などに関する質問状を送付すると、 「12月1日付で記載の者が理事を退任したことは事実です。退任理由につきましては、回答を差し控えさせていただきます。(宙組の解体について)現時点で、その予定はございません」 との回答を得た。悪循環を止めるためには、劇団がパワハラやいじめがあったことを認め、生まれ変わる道筋を示さなければならないはずだ。 「遺族側は、15のパワハラ行為があったことを指摘しました。今年2月にヘアアイロン事件が報じられた後、Aさんは真風さんを含む上級生4人から呼び出されて執拗に問い詰められたといいます。劇団幹部はそれを黙認し、遺族の訴えを無視した。当事者としての責任感があるとは到底思えません」(前出・スポーツ紙記者) 遺族の代理人弁護士は、「パワハラを認めて謝罪しない限り、本件は絶対に解決しない」と強調した。劇団は、事態が危機的な段階にあることを理解しているのだろうか。「宙組で起こった“いじめの連鎖”で劇団員が亡くなったんです。年内に予定されていた芹香さん主演のお披露目公演が中止になったことの意味は大きいと思います。劇団がこれまでのような対応を続けていれば、最悪の場合“宙組解体”の可能性もあるのではと囁かれています」(前出・宝塚関係者) ― 引用終わり ― 12月19日、宝塚歌劇団と遺族側の2回目の面談が行われた。 この交渉に先立ち、歌劇団側は「上級生からのいじめやハラスメントは確認できなかった」とする調査報告書を、遺族からの要請を理由に公式ウェブサイトから削除していた。 遺族側の代理人によると、歌劇団側は、遺族が12月に示した「15のパワハラ行為」を指摘する意見書を踏まえ、死亡に至った事実関係と評価を再検討するものと考えられるとのこと。 次回の面談は来年1月半ばごろまでに行われる見通し。 宝塚歌劇団 劇団員死亡 2回目面談 遺族側に“事実関係再検討”2023年12月20日 NHK 宝塚歌劇団に所属する25歳の劇団員が死亡した問題で、遺族側の代理人弁護士は、19日歌劇団側と2回目の面談を行い、歌劇団側から調査報告書の内容にかかわらず、事実関係を再検討するという趣旨の説明を受けたことを明らかにしました。 宝塚歌劇団の宙組に所属していた25歳の劇団員が、ことし9月に死亡した問題で、歌劇団は先月、長時間の活動などで強い心理的負荷がかかっていた可能性は否定できないとする一方、いじめやパワハラは確認できなかったとする調査報告書の内容を公表しました。 これに対し、遺族側の代理人弁護士は上級生からのパワハラの証拠だとする劇団員と家族とのLINEのやり取りなどを公表するとともに、調査報告書の問題点を指摘した意見書を歌劇団側に提出し、謝罪と補償を行うよう改めて求めています。 こうした中、遺族側の代理人弁護士は20日、「経過報告」とするコメントを発表し、歌劇団側の代理人と19日に2回目の面談を行ったことを明らかにしました。 ― 引用終わり ― 12月27日、彩風咲奈さんの退団会見に同席した宝塚歌劇団の村上浩爾理事長が宙組に所属する有愛きい氏が9月30日に急死した問題を巡って謝罪した。 村上理事長が記者会見に臨むのは、12月1日の就任後初めて。専務理事時代の 「(遺族が)その様に仰るなら、(火傷の)証拠を見せて頂ける様に提案したい」と記者に答えた姿勢とずいぶんな変わりようだ。 一つの見解に固執せず、機をみて姿勢を変えることは、弁護士など法律家のアドバイスもあったかもしれない。 村上理事長は「ご遺族との話し合いは具体的な時期を言えず申し訳ない。お知らせできる段階になれば報告する」と語った。一方、「退団会見なので、(退団以外の)コメントは差し控える」とした。 宙組〝解体〟に現実味、宝塚の俳優急死問題110周年式典&大運動会が中止調査報告書も取り下げ、事実上の再調査か2023/12/22 夕刊フジ 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組に所属する俳優の女性(25)が急死した問題は、いまだに波紋を広げている。歌劇団と遺族はいまだ主張が平行線のままで解決の糸口は見えない。そんな中、来年に予定されていた110周年の記念式典も中止に。このままでは宙組の解体も現実味を帯びてきそうだ。 歌劇団は、来年4月に本拠地・宝塚大劇場で予定していた宝塚歌劇110周年の記念式典を中止すると発表。さらに大阪で開催予定だった10年に一度の「大運動会」も中止となった。 … (略) … さらに歌劇団に公演の再開中止を求める脅迫めいた内容の複数の文書やメールが届いていたことも明らかになったのだ。脅迫文は女性の死後、メールや手書きの文書で届くようになったという。 「そんな中、歌劇団は、11月に外部の弁護士らによる調査報告書をホームページで公表していましたが、これを取り下げました。もとから遺族側は、いじめやパワハラはなかったと結論づけた調査報告に反発しており、歌劇団側も事実上の再調査を行う方針だというのです」と先の女性誌編集者は話す。そしてこう続ける。 ― 引用終わり ― 遺族側の代理人弁護士は、調査報告書の問題点を指摘する意見書を提出し、上級生や劇団幹部らによるパワハラにあたる行為が15件あったと主張していた。 2024年2月23日、歌劇団や歌劇団を運営する阪急電鉄が、その一部がパワハラにあたることを認め、遺族側に伝えていたことが関係者への取材で分かったとNHKが報じた。 宙組を解体は遺族の望むところではないし、問題は何も解決しない。 宝塚歌劇団各組が通常の活動に復帰するためには、できるだけ早期のパワハラ再発防止策の発表が望まれる。 宝塚歌劇団 公式サイトhttps://kageki.hankyu.co.jp/star/cosmos.html宙組 https://suzuho-makaze.com/Vrai Vent真風涼帆 オフィシャルファンクラブ
2024年03月14日
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天下のトヨタグループの連続不正発覚で霞んでいる、ビッグモーターの不正・不法行為は着々と暴かれている。 中古車販売大手ビッグモーター草津店(滋賀県草津市木川町)前の枯死した街路樹から除草剤の成分が検出された問題で、滋賀県は12月22日、道路法に基づいて同社に負担するよう命じていた街路樹の復旧工事費約880万円が12月15日に納付されたと発表した。 中古車販売大手ビッグモーターの神奈川県内2店舗周辺の土壌から除草剤の成分が検出された問題を巡り、県は12月25日、2店舗を管轄する平塚署と藤沢北署に、器物損壊容疑で刑事告訴したと発表した。告訴状は同日受理された。 中部運輸局は12月27日、車検で必要な検査を実施しなかったなどとして、中古車販売大手ビッグモーター小牧店(愛知県小牧市)の民間車検場の指定を取り消した。不正に関わった検査員1人の解任命令も出した。 東京都の調査では、都内の「ビッグモーター」9店舗の周辺の土壌から除草剤成分が検出されていて、都は原状回復をするために、およそ1600万円をビッグモーター側に請求し、2023年10月に納付された。 2024年1月15日、東京都はビッグモーター付近の街路樹などの原状回復に向けた工事を開始した。 ビッグモーターを巡る街路樹問題では20都道府県で計51件の被害届が受理され、各地の警察がそれぞれ捜査中という。 2024年1月30日、ビッグモーター店舗前の街路樹6本を伐採し、器物損壊の疑いでビッグモーター社員・蒲原敏之容疑者(51)が逮捕された。蒲原敏之容疑者はビッグモーターの従業員から「環境整備大臣」とあだ名されていた。逮捕容疑は2022年10月12日、数人と共謀して同社の川崎店(川崎市川崎区)前の歩道上に植えられていたオオムラサキツツジ6本(損害見積額10万円相当)を切断し、損壊した疑い。 ビッグモーター本社社員を逮捕街路樹の伐採めぐり器物損壊疑い加藤美帆 村上潤治2024年1月30日 朝日新聞 中古車販売大手ビッグモーター(東京都多摩市)の全国の店舗前の公道で街路樹が枯れたり切られたりした問題で、神奈川県警は30日、川崎店(川崎市川崎区)に伐採を指示したとして、当時本社に勤務していた、社員の蒲原(かもはら)敏之容疑者(51)=福岡県志免町=を器物損壊容疑で逮捕し、発表した。県警は「捜査に支障がある」として認否を明らかにしていない。 ― 引用終わり ― 蒲原容疑者が担当していたのは、各店舗を巡回し点検する「環境整備点検」は、兼重宏一前副社長の指示で行われ、各種不正のもととなるパワハラの温床として指摘されていた。 蒲原容疑者の発言によっては、兼重前社長の息子の宏一前副社長に司直の手が伸びる可能性がある。 社員の逮捕を受けて、ビッグモーターは「警察の捜査に全面的に協力してまいります」とコメントした。 2月19日、蒲原敏之容疑者は、神奈川県平塚市にある店舗の前にあった街路樹を引き抜いたとして、器物損壊などの疑いで再逮捕された。
2024年02月24日
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2024年2月6日、トヨタ自動車は、2024年3月期の連結純利益見通し(国際会計基準)が前期比で84%増の4兆5000億円になりそうだと発表した。 従来予想から5500億円の上方修正。トヨタの純利益が4兆円台となれば同社で初で、2年ぶりに最高益を更新される。 主な増益要素は、車の機能向上に伴う高価格化、ハイブリッド車(HV)など好採算車種や生産台数の増加、円安。 トヨタ自動車営業利益が4兆円を超えて過去最高2024年2月6日 NHK19時14分 トヨタ自動車の2023年4月から12月までのグループ全体の決算は、すべての地域で販売が好調だったことを受けて、営業利益が初めて4兆円を超えて過去最高となりました。 2023年度1年間の業績見通しも上方修正し、最終的な利益は初めて4兆円を超えるとしています。 トヨタ自動車は2023年4月から12月まで9か月間のグループ全体の決算を発表し、売り上げにあたる営業収益は前の年の同じ時期より23.9%増えて34兆227億円、本業のもうけを示す営業利益は2倍以上の4兆2402億円となり、初めて4兆円を超えました。 最終的な利益も、前の年の2倍以上の3兆9472億円となり、いずれもこの時期として過去最高となりました。ハイブリッド車を中心に日本や北米などすべての地域で販売台数が増えたことに加え、円安で利益が押し上げられたことなどが主な要因です。 さらに2023年度1年間の業績見通しについても、営業収益はこれまでの43兆円から43兆5000億円に、営業利益は4兆5000億円から4兆9000億円に、それぞれ上方修正しました。 最終的な利益も3兆9500億円から4兆5000億円に上方修正し、最終的な利益は初めて4兆円を超えるとしています。 ― 引用終わり ― 空前の収益を上げる一方、トヨタグループをめぐっては日野自動車、ダイハツ工業、豊田自動織機などグループ企業で相次ぐ不正、認証不正の発覚により、信頼低下が懸念されている。 製造業だけでなく、販売店でも車検不正などが相次いで明らかになった。 トヨタ本体の急速な進化に、グループ企業ではアンドンは灯されず、高くなる一方の目標に不正を前提としなければついていけない様が見て取れる。 グループ会社で不正が続く事態を受け、トヨタは2024年2月14日に予定していた「グループビジョン」の発表を同年1月30日に前倒しした。同日の説明会には、トヨタ会長の豊田章男氏が「トヨタグループの責任者」(同氏)として登壇。日野自とダイハツ、豊田自動織機の3社の不正について謝罪した。そしてグループで新ビジョン「次の道を発明しよう」を共有して原点回帰し、飛躍を目指すことが示された。 不正相次ぐトヨタグループ原点回帰へ策定した新ビジョンの役割2024年02月01日 ニュースイッチ トヨタ自動車をはじめとするグループ17社が共通理念を見つめ直す。トヨタグループには創業の精神をまとめた「豊田綱領」などの理念があるが、時代の変化や関連会社の拡大で従業員に浸透しにくくなってきた。そのことが足元で相次ぐグループ会社の不正の遠因になったとの危機感がある。また自動車の技術革新が進み事業環境は激変している。グループで新ビジョン「次の道を発明しよう」を共有して原点回帰し、飛躍を目指す。(名古屋・川口拓洋、同・増田晴香) 豊田会長、変革をリード 「責任者として、グループの変革をリードする」―。30日、トヨタグループ発祥の地であるトヨタ産業技術記念館(名古屋市西区)で会見したトヨタの豊田章男会長は、日野自動車やダイハツ工業、豊田自動織機などグループで相次ぐ不正が発覚したことに関し謝罪した上で、自らが責任者となりグループ各社を支援する姿勢を示した。 ― 引用終わり ― 今後トヨタグループ企業は丁寧な意思疎通を進めることを再徹底するという。丁寧な意思疎通とは、現場の声を無視した目標を無理やり納得させることではないのは、言うまでもない。問題点の解消策を現場に丸投げすることでもない。 豊田章男会長の出番はまだまだ減らないことだろう。
2024年02月23日
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ダイハツは不正発覚の連続により生産を全面停止。 不正の内容には検査基準クリアのために不正を犯す必要のないものが多数含まれているという。 トップの意識と企業風土が相まって生み出された「不正」の構造を分析したリポートが下記。 ダイハツの国内全工場が停止に…検査不正の背景にある「トヨタについていけない」という子会社の焦りプレジデントオンライン 2023年12月27日■「不正期間30年以上」という衝撃 ダイハツ工業の認証申請に関する数々の不正行為(品質不正)が明らかになった。12月20日の記者会見に、トヨタ自動車(ダイハツの親会社)で製造技術を統括する中嶋裕樹副社長が同席したことは事態の深刻さを物語っている。不正発覚を受け、ダイハツは26日までに国内4つの全工場で生産を停止した。 12月21日、22日、トヨタの株価は下落した。ダイハツの生産停止によって、わが国の自動車産業全体が受けるマイナスの影響は小さくはない。ダイハツの不正に関連して、同社から委託生産を受注しているスバルとマツダも新規受注を停止した。トヨタも一部車種の出荷を一時停止した。 第三者委員会の報告書によると、30年以上にわたりダイハツは品質不正を続けていた。特に、2014年以降に不正行為の件数が増加した。その背景として、親会社であるトヨタの効率性を重視する姿勢が不正の一因になったとの見方もある。 ■日野、ホンダ、豊田自動織機でも相次ぐ ここに至るまで、品質不正などが発覚したのはダイハツだけではない。日野自動車ではエンジン認証不正問題が明らかになった。ホンダでは、自動車部品大手デンソー製の燃料ポンプの不具合によるエンスト発生の恐れが顕在化した。ホンダのリコール規模は全世界で約450万台に上る。トヨタグループでは、豊田自動織機にてフォークリフト向けエンジンの不正が発覚した。 一連の不正問題は、わが国経済を支えた自動車産業の信用にかかわる問題とみるべきだ。今回の問題を機にわが国の企業は、一人一人の役職員が常識と良識に基づいて、社会的責任を確実に果たす組織風土の醸成を急ぐ必要がある。それができないと、わが国の自動車産業の信用は地に落ちることになりかねない。 ■日本の生産現場は「警笛を吹く人」が少なくなっている 12月20日、ダイハツの品質不正問題の調査を担当した、第三者委員会は『調査報告書』を公表した。それによると、これまでに発覚したものに加え、新たに174件の不正行為が明らかになった。多くの品質不正には、現場を監督する係長級の役職が関与した。その結果、普通の従業員がやむにやまれぬ状況に追い込まれ、不正、不適切な行為が発生したと第三者委員会は指摘した。 不正行為が明るみに出たのは自動車業界にとどまらない。電機業界では、不適切会計処理問題をきっかけに東芝の業績が悪化した。最終的に東芝は自力での経営再建に行き詰まり、投資ファンドを軸とする国内企業連合に買収された。残念だが、わが国の企業は、そうした教訓を活かすことができなかった。 そこで共通するのは、実際の現場では、是々非々の考え方に基づいた行動を実践することが難しいことだ。わが国の企業は、常識と良識に基づき不正行為を指摘する人(警笛を吹く人、ホイッスル・ブローワー)が少なくなっているように見える。それが、「発覚しなければ続ける」という隠蔽(いんぺい)姿勢は強めたといえるかもしれない。 ■品質試験はあまりにも形骸化していた ダイハツの品質不正は、あらためて問題の深刻さを突つけたといえる。報告書の内容を見ると、不正は、本来では考えられないくらい多発し、しかも長く続いたとみられる。 その代表例に“エアバッグのタイマー着火”がある。本来、エアバッグの作動制御は電子制御装置が行う。しかし、ダイハツは、装置が開発されていない段階で衝突試験を実施した。現場の担当者は、それをクリアするためタイマーを使って試験を実施し、認証申請を行った。試験速度の改竄、タイヤ空気圧の虚偽記載、試験データの書き換えなども行った。 一連の品質不正の調査を進める中で、第三者委員会は3696人の役職員に対するアンケート調査を実施した。回答者は、問題が発生した原因を何と考えるか、15の選択肢から選んだ(複数の選択可)。回答の回収率は98.54%だった。かなり広範囲の調査を行い、その結果を公表した。 ■背景にダイハツとトヨタの「企業文化」の違いか 公表結果によると、『開発スケジュールが過度にタイトになる傾向(計画の問題性)』との回答が2886人と最多だった。『公表された発売時期や開発日程遵守(延期不可)のプレッシャー』は2515人。『人員不足』は2074人、『社風・組織風土』が1734人だ。ダイハツの生産や試験などを担当する現場の対応力を超えるスピードで、新車供給が目指されたと解釈できる。 なぜそうなったか、要因は多く思い当たる。見逃せないのは、ダイハツとトヨタ自動車の企業文化の違いかもしれない。 トヨタは“ジャスト・イン・タイム”の生産を徹底することによって、事業運営の効率性を常に引き上げた。顧客が注文した自動車を、より早く供給するために、最短時間で効率的に生産する。ムダ、ムリ、ムラを徹底的に排除し、コストは可能な限り減らす。その生産方法は、生産ラインの省人化、サプライチェーンの強靭(きょうじん)化などわが国経済の成長に寄与した。 ■「トヨタについていけない」という焦りがあったか ただ、アンケート結果などを見る限り、トヨタの持つ効率化のノウハウに、子会社であるダイハツの組織全体が本当に習熟したとは考えづらい。この点は、記者会見での発言からも読みとれる。トヨタ自動車の副社長は「現場の負担を大きくした可能性があると認識できていなかった」と述べた。 自動車メーカーという同じ産業界に属する企業であっても、モノづくりの考え方の違いは大きいのかもしれない。トヨタはダイハツを完全子会社した。組織を傘下に収めはしたものの、そこで働く人々の基本的な価値観、行動様式を均質化し、高めることは難しかったということだろう。 結果的に、ダイハツの現場では、「開発の遅れは許されない」という心理が先走ったとみられる。焦りを解消するため、一部で試験データの書き換えなどが起き始め、徐々に組織に広がった。行動経済学の理論にある“集団心理のわな(同じ考えの人が集まると、反対意見を言いづらくなる)”などの心理は高まり、不正に異を唱えることは難しくなった。 特に、2014年以降、トヨタ自動車の世界戦略の加速に対応するため、現場では事業運営のスピードを高める焦りが高まっただろう。結果的に、コンプライアンス体制は機能せず、品質不正は常態化したと考えられる。 ― 引用終わり ― 上司からの命令をまじめに実行しようとするあまり、不正に走ったとしたら、東芝の会計不正にも通じる企業文化の悪弊といえる。 上司は過去より高い目標を設定するのが当然であり、部下はそれを実現する手法を含め考えて実行するのが当然であるとする考え方だ。 どうにも実行する方策がない場合、上司との約束を守るために不正を犯すという構造だ。 「私は聞いていない」という上司はムダな存在…トヨタ社内に貼ってある「仕事の7つのムダ」のすさまじさ「情報は上司自ら取りに行きましょう」PRESIDENT Online野地 秩嘉ノンフィクション作家 トヨタ自動車の「トヨタ生産方式」は、工場で常態化していた「7つのムダ」をなくすことから生まれた。その考え方は生産現場だけでなく、会議や資料作りが多い事務職の現場でも徹底されている。ノンフィクション作家の野地秩嘉さんによる連載「トヨタがやる仕事、やらない仕事」。第1回は「事務職にひそむ7つのムダ」――。「トヨタの会議は30分で終わる」は本当か ある幹部に「トヨタの会議は30分なのですか?」と聞いたら、次の答えが返ってきました。 「30分とはわれわれはまったく意識してなくて、15分で終わるものもあれば2時間かけるものもあります。 大切なのは『この会議は何のための会議か』を明確にすること、会議の準備を綿密にすることです。参加者全員にテーマを徹底してから会議を設定します。例えば、情報開示、情報シェアのための会議なら長時間は要りません。ビジネスの今後を決定する重要な会議であれば、1時間みっちりやることもあります。 トヨタの会議では、こんな成果が上がったと長々と話す人は見たことありません。逆に、こんなに困っていると話をすると、活性化しますね」 ― 引用終わり ― 困っていることを話題にすると活性化する企業文化であればトヨタ方式は成立する。 困っていることを話題にすると、「それはあなたが考えること」とする企業文化で、納期と成果を厳守とすると、コンプライアンスが破綻する。 「開発スケジュールが過度にタイト」ダイハツ“不正の温床”を生み出した「天皇の独裁体制」の実態「責任者を置かず、現場に責任を……」「週刊文春」編集部2023年12月29日 文春オンライン … (略) … 社員が語った「不正が生まれるきっかけ」 こうした組織的風土について、ダイハツの現役社員が「週刊文春」の取材に応じ、「“天皇”が作った体制こそが、不正が生まれるきっかけになったのだと思います」などと語った。 “天皇”とは一体誰なのか。このダイハツ社員が語る。 「トヨタの副社長を務めた後に2005年に“天下り”でダイハツに会長としてやってきた白水宏典(しらみず・こうすけ)氏。彼の影響が大きいのです」 「部署ごとの“タテ割り”がまかり通る事態に」 白水氏は、会長在任中に軽自動車販売台数で30年以上トップランナーだったライバルのスズキを抜き去り、ダイハツを業界1位に導くなど功績ある経営者として知られた存在だ。2011年に会長職を退いた後も、2016年まで「相談役技監」という肩書きを持ち、事実上のトップとして同社に君臨していた。 白水氏による“独裁”がダイハツの組織を歪ませ、不正の温床を作ったと前出の社員は語る。 「白水元会長は生産技術部門を優遇する独裁政治を敷いてきたため、設計や実験部門を含み横断的に管理させる“プロジェクトリーダー”を事実上、存在させてこなかった。そのため、ダイハツでは部署ごとの“タテ割り”がまかり通る事態になってしまったのです。大きなプロジェクトなのに全体のとりまとめ役がいないというのは異常なこと。責任者を置かないということは上層部が現場に責任を押し付ける以外の何物でもありません」 ― 引用終わり ― 剛腕経営者ほど、企業体はコンプライアンス・リスクが高まるという構造が浮かび上がる。 ダイハツの経営者、管理職諸氏は「やらねばならぬの精神」が招いた危機を、企業存続の危機として風土改革に取り組まなければ、不正体質は一掃されない。
2024年01月29日
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日本大学は危機管理学部を擁し「リスクを解明し、安心を創出する」と謳っている。 日本大学危機管理学部 公式サイト 研究、教育などを通じ社会には貢献しているのかもしれないが、大学当局の危機管理意識、記者会見の危機管理広報にはあまり活かされていない。 トラブルが起こるたびに、大きく信用失墜している。 日大闘争で批判の声を圧殺して乗り切った学校当局側の体質が、色濃く残っていると見受けられる。 ついに、危機管理総括責任者の村井一吉常務理事が12月末で辞任するに至った。 日大会見沢田副学長が「信用失墜の最大の原因」「責任は極めて重大」第三者委議長が糾弾スポニチアネックス 2023年12月4日 日大アメフト部を巡る違法薬物事件に関し、同大学の林真理子理事長らが4日午後4時から都内で記者会見を行った。同理事長がこの問題について会見を開くのは今年8月8日以来、118日ぶりとなった。 会見では文科省提出の報告書に基づき、第三者委員会答申検討会議の久保利英明議長が「日大信用失墜の最大の要因」について言及。沢田副学長について「缶を独断で12日間、保管した沢田副学長は、一時保管とはいえ、12日間という期間は証拠の隠蔽を疑われるほど長かった。忠実義務違反になり得る。役員規定にも反している」と説明。また8月の会見で「保管について強引に正当化しようとしたことなどの行為は、本法人の社会的信用を著しく失墜させた最大の原因であり、沢田副学長の責任は極めて重大である」「沢田副学長は情報を独占し違法薬物に関する部員が複数いるという情報を提供しなかった。これらの複数の不適切行為を鑑みれば、日本大学の信用と名誉が傷つけられる原因は沢田副学長にあり、責任は極めて重い」と糾弾した。 ― 引用終わり ― 薬物事件を受け、林理事長は減俸50%(6カ月)、酒井健夫学長は来年3月末で辞任、沢田康広副学長は今月末で辞任の処分となっている。 一連の薬物事件を巡り、今月末で辞任することが決まっている沢田康広副学長が、辞任を強要されるなどのパワハラを受けたとして林真理子理事長に1千万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。あくまで非を認めない「逆切れ」としか受け取れない行動だ。 訴えによると、薬物事件の対応に当たっていた沢田副学長は、事件後の8月から9月にかけ、合理的な理由なく学内の幹部会議などへの参加を禁じられたほか、9月4日には林理事長から辞任を要求された。こうした行為がパワハラに該当すると主張している。俺様意識に満ちた主張だ。 都合の悪い報告を聞こうとしない、危機管理意識の欠けた幹部をいただく組織の危機管理総括責任者は大変だ。在任中は、適切な身動きが取れず、苦悩、斬鬼の念ばかりが蓄積したことだろう。 日大・危機管理総括責任者の村井一吉常務理事今月末で辞任 体調不良を理由に自ら辞任申し出TBS NEWS DIG Powered by JNN 2023年12月13日 日本大学アメフト部の薬物事件での対応をめぐり、日大の危機管理総括責任者である村井一吉常務理事が今月(12月)末で辞任することがわかりました。 関係者によりますと、11日に行われた学内の会議で、村井常務理事が体調不良を理由に自ら辞任を申し出たということです。 日大のHPによりますと、村井常務理事は日本大学法学部卒業後、監事監査事務局長などを歴任し、現体制では危機管理に必要な業務を総括し危機管理体制を構築する責任を負う危機管理総括責任者を務めていました。 一連の薬物事件への対応について日大が文科省に提出した報告書では、村井常務理事について危機管理を担う責任者であったにもかかわらず、沢田副学長や酒井学長、林理事長から適切な報告がなされていなかったとされています。 また、村井常務理事は遅れて報告を受けたあと沢田副学長に対し「執行部会や常務理事会で情報を共有すべきではないか」と意見を述べていたものの、沢田副学長らの反対を受け情報共有をせずにいました。 こうしたことを踏まえつつも、報告書では今回の危機管理体制の構築の遅れについて、村井常務理事の責任とは言えないとされていました。 ― 引用終わり ―
2024年01月08日
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2023年12月21日、国土交通省は、第三者委員会が調査したダイハツの認証不正について立ち入り検査を開始。現在生産中の全ての車について、国の保安基準に適合するか検証し、確認が済むまで出荷停止を指示している。量産に必要な「型式指定」の取り消しを含む行政処分も検討している。 認証試験不正で全車種出荷を止めたのに伴い、ダイハツ九州(大分県中津市)でエンジンを製造する久留米工場(福岡県久留米市)の操業を停止。 12月25日、滋賀工場(滋賀県竜王町)と京都工場(京都府大山崎町)、ダイハツ九州の各車両組立工場や、滋賀工場のエンジン・変速機工場を停止。26日、本社工場(大阪府池田市)を停止し、国内全工場の生産活動が完全停止した。 斉藤鉄夫国土交通相は、不正行為が確認された車種について国交省が速やかに確認試験を行い、基準適合性が確認されたものは順次公表、リコールが必要な車種は同社に届け出を出すよう指導する考えを示し、問題の収束を早めようとする姿勢を示した。 ダイハツ、来年1月末まで生産停止国内4工場、再開見通せず―認証不正2023年12月22日 時事通信 ダイハツ工業の認証不正問題で、同社が少なくとも来年1月末まで、完成車を製造する国内全4工場での生産を停止することが22日、分かった。2月以降も再開は見通せず、生産停止がさらに長期化する可能性がある。 4工場は、本社工場(大阪府池田市)、滋賀工場(滋賀県竜王町)、京都工場(京都府大山崎町)、子会社ダイハツ九州の大分工場(大分県中津市)で、いずれも今月26日までに稼働を停止。22日にはエンジンを製造するダイハツ九州久留米工場(福岡県久留米市)の生産を停止した。 … (略) … ダイハツは、受注済みの約6万台のうち、完成していない1万2000台の納車を取りやめる。完成済みの4万8000台については、顧客の希望に応じ、納車かキャンセルかを決める方針だ。 ― 引用終わり ― トヨタの完全な傘下になる前、ダイハツの海外進出の動きは鈍かった。 今や輸出も、海外生産も拡大。 今回の不正の影響も海外に拡大。 出荷停止は、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、カンボジアの5か国。 特にマレーシアの出荷停止の影響は大きい。 トヨタ、東南アジアで6車種を出荷停止…小型車「ヴェロズ」などダイハツが開発に関与読売新聞 2023年12月23日 ダイハツ工業が自動車の認証試験で不正をしていた問題で、親会社のトヨタ自動車は23日、東南アジア5か国で計6車種の出荷を停止していることを明らかにした。ダイハツが開発に関わったトヨタブランドの車で、トヨタは各国当局と出荷再開に向けた協議を進めている。 出荷を止めているのはタイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、カンボジアの5か国。不正を調べていた第三者委員会の報告書が公表された20日以降、トヨタは小型車「ヴェロズ」や「アバンザ」など6車種の出荷を停止し、各国の当局に不正内容を報告した。 車の認証制度は各国で異なっており、タイでは、当局の指示を受けてヴェロズの認証を取り直す。出荷停止は、トヨタがアジアで生産している5%程度で、大きな影響はないという。トヨタの前田昌彦アジア本部長は23日、訪問先のタイで記者団に対し、「年明け以降に100%に戻したい」と説明した。 ダイハツは海外事業を現地企業などとの合弁で展開しており、マレーシアとインドネシアに計四つの工場を構えている。2022年度の海外生産台数は約86万台で、一部をトヨタに供給している。 マレーシアでは、現地メーカー「プロドゥア」に2割を出資しており、22年の販売台数のシェア(占有率)は4割で首位だった。出荷を停止したが、生産は続けている。 ― 引用終わり ― プロドゥア(Perodua)は、1993年に設立されたマレーシアの自動車メーカー。Bセグメント以下のクラスのコンパクトカーを中心に製造・販売する自動車メーカー。 現行車種は一部を除き、ダイハツ車ベースの姉妹車。
2023年12月27日
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ダイハツは2023年4月のドアトリム不正、5月のポール側面衝突試験不正に加えて、新たな不正が発覚した。 12月20日、ダイハツ工業の第三者委員会は、トヨタ自動車など他社ブランドを含め64車種・3エンジン、174件(海外分含む)の不正があったとする報告書を公表した。64車種のうちトヨタブランドは22車種・1エンジン。 ダイハツは国内外で販売する全車種を出荷停止とした。 マツダは12月21日、ダイハツが生産している商用車の「ボンゴ」と「ファミリアバン」の受注を停止した。 SUBARUは、ダイハツに生産を委託している「プレオプラス」「シフォン」「サンバーバン」「サンバートラック」「レックス」「ジャスティ」の6車種の受注を停止した。 TOYOTA 公式サイトニュースリリース2023年12月20日ダイハツ工業による認証申請における追加不正行為の判明ならびにトヨタ販売車両の出荷停止と今後の対応について 12月21日、国土交通省は、道路運送車両法に基づき報告内容の裏付けや、他に不正がないか調べる必要があると判断し、大阪府池田市のダイハツの本社を立ち入り検査した。不正行為の事実関係を確認し、型式指定の取り消しなどの行政処分を出すかどうか検討する。 第三者委員会の貝阿彌誠委員長は、「ミライースで成功した短期開発をとくに2014年以降加速させた。認証部門はデザイン決定に時間がかかったり設計変更があったりといったスケジュールのしわ寄せを受け、管理職はほとんど現場に行くこともなく、経営者は認証に無関心だった」と、記者からの質問に答えた。 ダイハツ不正、背景に人員削減衝突試験部署はピークの3分の1共同通信 / 2023年12月22日 ダイハツ工業の認証不正を調査した第三者委員会の報告書は、自動車の安全試験や認証に関わる部署の人員削減が不正の一因になっていたことを示唆した。衝突試験などを担う安全性能部署の人員数は、ピークだった2010年比で22年は3分の1に減っていた。車の短期開発に加え、人員削減に象徴される品質軽視も不正拡大の背景にあった可能性が高い。 第三者委が新たに認定した不正は174件に及んだ。認証試験に不合格となって計画が狂うことを防ぐため、試験車両に加工を施したり、認証手続きのチェック機能を担う「法規認証室」が虚偽の書類を作成したりした。 報告書によると、コスト低減の一環で安全性能部署は11年から人数が減少。14年以降はピーク時の4割以下にとどまった。認証室の人員も減り、09年比で15年は43%となった。不正件数は15年が最多だった。 第三者委が実施した社員らへの聞き取りでも「開発日程の厳しさに対して人員が圧倒的に不足している」「型式指定制度の重みを正しく理解できている人が少ない」といった声が寄せられた。 ― 引用終わり ― 下記の日経クロステックの記事に、自動車メーカーで開発設計者を経験したコンサルタントが第三者委員会の報告書の内容について「技術検証力が不足した報告書」としたとある。 自動車メーカーの開発設計出身のアナリストは「ダイハツ工業の言い分を表層的になぞっただけの報告書」とし、「不正は設計主導だ」と断じている。 「ダイハツ不正は設計が主導」開発現場の知見が薄い調査報告書の中身近岡 裕 日経クロステック2023.12.21 日経クロステック 不正問題についてダイハツ工業は組織防衛に入った──。ダイハツ工業の不正を調べた第三者委員会が2023年12月20日に公表した調査報告書(報告書)。その中身を自動車業界の人間が読めば、ダイハツ工業の思惑が見えてくる。同社が今、考えているのは不正への反省でも真因(問題を引き起こした本当の原因)の追究でもない。ただ、会社を守ることである。 ― 引用終わり ― 無理を強いてることが明らかだったようで、上司は部下が課題提起しても「それでどうするんだ」とオウム返しの対応が多いとされ、風通しの悪さを想像させる。 従業員“現場への過度なプレッシャー”「正直あると思う」「上との風通し悪かったのが原因かと」「ダイハツ」試験データ不正問題2023/12/21 TBS NEWS DIG ダイハツ工業が不正なデータを使って国の認証を取得していた問題で、21日、大阪府池田市の本社に国交省が立ち入り検査を行っています。衝突試験の不正を行っていた関西の工場では従業員らから現場へのプレッシャーについて「正直あると思う」などとの声が聞かれました。 ― 引用終わり ― 国土交通省の型式指定が取り消されて出荷停止が長引いた場合、ダイハツ救済のための軽自動車業界の再編が起こることも想定される。 不正発覚が続いた日野自動車は、トヨタとダイムラートラックが共同出資する持ち株会社の傘下で、三菱ふそうとの経営統合がすすめられている。 12月21日、ダイハツは、減収が見込まれる部品の仕入れ先への補償に向け個別交渉を始めたことが報じられた。 ダイハツの主要な仕入れ先は423社。このうち売上高に占めるダイハツへの依存度が10%以上の会社は47社。 ダイハツの全車種出荷停止を受けて、民放テレビ各局は新車のCM放送について「個別の出稿の詳細についてはお答えしておりません」とした。 今年4月に同社の海外向け乗用車の不正が発覚した際に、複数の局がCMを放送するのを取りやめており、それが継続される形になるとみられている。
2023年12月24日
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2023年11月22日、東芝は臨時株主総会を開き、株式の非公開化に向けた株式併合や定款変更などの議案を諮り賛成多数で承認された。 日本産業パートナーズ(JIP)と国内企業によるTOB(株式公開買い付け)に応募しなかった株主の株式を強制的に買い取り、東芝は12月20日に東京証券取引所への株式上場が廃止になる。 東芝が臨時株主総会で上場廃止に向けた議案決議…74年の上場の歴史に幕読売新聞 2023年11月22日 東芝は22日、東京都内で臨時株主総会を開き、12月20日に予定する上場廃止に向けた議案を決議した。1949年の上場以来、初めて非上場となり、74年の上場の歴史に幕を下ろす。2015年に不適切会計問題が発覚してから、8年にわたった経営の混乱は、ひとまず収束に向かう。 東芝は、短期的な利益の還元を求める物言う株主と意見が対立し、経営が混乱していた。経営陣は、経営の自由度を高めるために、国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)や国内企業の陣営による株式公開買い付け(TOB)で非上場化することを決めた。議決権ベースで約8割の株主から応募があり、成立に必要な「3分の2以上」の条件を満たした。 午前10時に始まった株主総会は、株式併合や定款変更の議案を承認し、TOBに応じなかった株主からも株式を買い取ることを決めた。 総会では株主から、「問題発覚以降、多くの事業や人材、信用を失った。将来の利益を考えて経営を判断すれば、違ってくるのではないか」といった意見が出た。島田太郎社長は「東芝が持つ革新的な技術を世界で再び輝かせたいと思うし、できると信じている」と述べた。 ― 引用終わり ― 2023年3月28日、東芝の不正会計問題で、会社と株主が歴代の社長など旧経営陣あわせて15人に賠償を求めた裁判で、東京地方裁判所は5人に対して総額で3億円余りの賠償を命じる判決を言い渡した。東芝の不正会計問題で旧経営陣の賠償責任を認めた判決は初。 上級裁判所がどのような判断を下すか分からないが、東京地裁の判決はおおむね民意に沿ったもの、常識的判断と言えるだろう。 生真面目で優秀な人々が不正に手を染めさせた組織構造、組織原理は注目に値する。
2023年12月19日
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不正の質の悪さ、規模の大きさなどから多くの者が手を出しかねているビッグモーターに、伊藤忠商事の岡藤会長が手を差し伸べようとしている。 犯罪組織のような集団の雇用を守りたいとは、実にありがたい志だ。 「何とか再生したい」伊藤忠商事会長がビッグモーター買収に強い意欲TBS NEWS DIG Powered by JNN 2023年12月5日 19時19分 中古車販売大手ビッグモーターの買収を検討している伊藤忠商事の岡藤会長は、再建支援について「5000人の雇用を守りたい」とした上で、「なんとか再生したい」と買収に強い意欲を示しました。 保険金を不正に請求していたビッグモーターは業績が急速に悪化していて、伊藤忠商事は先月、ビッグモーターと買収に必要な資産査定を行う独占契約を結びました。 伊藤忠商事 岡藤会長 「できるかわかりませんけど、とりあえずいっぺん検討してみようと。できるならば、我々としては何とか再生したいという気持ち」 岡藤会長はこのように述べた上で、ビッグモーターにはおよそ5000人の従業員がいるとして、「雇用や整備士の確保は中古車市場で非常に大事だ」との考えを示しました。 伊藤忠商事 岡藤会長 「一番問題は、金銭的なものよりもレピュテーション(風評)リスク。利益よりも信用を失うことのないように」 伊藤忠商事は、ビッグモーターの経営状況を詳細に分析したうえで、再建の支援をするかどうかを判断することにしていて、岡藤会長は「来年になってから結論を出す」と話しました。 ― 引用終わり ― 世間並みの給料で今いるビッグモーターの従業員は、改心して残るのだろうか? ビッグモーターを現状の形のまま再生して、コンプライアンスを満たす企業に生まれ変わることができるのだろうか? 「ビッグモーター再生」という総合商社らしい意気込みに感銘する者もいるだろうが、ブランドイメージを毀損することもほぼ間違いないだろう。
2023年12月13日
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2023年10月24日、三井住友海上火災保険は、自動車保険の保険金不正請求問題などで金融庁の調査が行われているビッグモーターとの保険代理店契約を11月30日付で解除すると発表した。ビッグモーターと代理店契約を結んでいた損害保険会社7社全社が契約を解除したか、解除で合意したことになった。 11月30日、日本損害保険協会はビッグモーターによる保険金不正請求問題を受けて保険金支払いのガイドラインを改定したと発表した。 損保会社が自動車保険の契約者に事故車の修理先を紹介する際に、契約者の意向を優先して紹介先を決める必要性を明記し、会員各社に対して改定内容を踏まえた対応を求めた。 12月1日、三井住友海上火災保険は中古車販売大手ビッグモーターによる保険金不正問題について外部の弁護士らで構成する調査委員会がまとめた報告書を公開した。 三井住友海上はビッグモーターとの取引を拡大するために、問題の早期幕引きを狙って裏工作していたとの疑惑を否定した。 ビッグモーター問題で三井住友海上火災が調査報告書を公表損保ジャパンの中間報告と“食い違い”もTBS NEWS DIG Powered by JNN 2023年12月1日 ビッグモーターの保険金不正請求問題で、大手損保2社の主張が食い違う異例の展開となっています。 ビッグモーターの保険金不正請求をめぐっては、蜜月関係にあった損保ジャパンは大手3社のうち唯一、ビッグモーターとの取引を再開を決断した理由について、10月に公表した中間報告では… 損保ジャパンの中間報告 「他の損保会社の担当者から、抜け駆けとも受け取れる発言がなされた」 他社が問題の早期幕引きを図ったと主張していました。 しかし、これに対し、三井住友海上火災はきょう公表した調査報告書で… 三井住友海上火災 報告書 「『抜け駆けとも受け取れる発言』をしたという事実、『BMにおもねるような提案』をしたという事実等は、認めることはできなかった」 ビッグモーター幹部へのヒアリングも踏まえ、損保ジャパン側の調査内容を否定しました。 大手損保同士で食い違う異例の展開を見せるビッグモーター問題。損保ジャパン側が年内をめどに公表する予定の最終報告書がどのような内容になるかが、今後の焦点となります。 ― 引用終わり ― 三井住友海上は2017から2022年、社員計3人をビッグモーターに出向させていた。 出向者はビッグモーター従業員が修理工場で、損傷がない車両に損傷があることを示す印をつける様子を目撃するなど、水増し請求の可能性を認識していた。出向者は保険金の請求手続きに関わる立場になかったことから「組織的または恒常的に(不正が)行われていた実態に気づくことができなかったとしてもやむを得ない」と報告書で報告されている。 2023年11月24日、損害保険大手3グループは4〜9月期の決算発表で、2024年3月期の通期で過去最高益になるとの見通しをそろって維持した。中古車販売大手ビッグモーターをめぐる問題や企業向け保険の価格調整が厳しい批判を浴びている中、東京海上ホールディングスとSOMPOHDの2社は純利益見通しを上方修正した。 損保ジャパンは不都合な事実を人のせいにする人物が出世する構造、企業文化があったのだろう。 社内はそれで渡れるが、社外・世間はそうはいかないといことも分からないのようだ。親企業SOMPOホールディングスの会長兼CEOである櫻田謙悟氏が責任を取らないこと、「しらなかった」で済ませて引責辞任しないことを金融庁は許すかどうかが注目点。 損保ジャパンがビッグモーター問題で犯した「罪」現役役員からも櫻田氏の引責辞任は必至の声中村 正毅 : 東洋経済 記者2023/12/02 東洋経済オンライン ビッグモーターは11月30日に保険代理店としての登録を取り消された(撮影:風間仁一郎)事故車修理に伴う保険金不正請求問題をめぐり、11月30日に損害保険代理店としての登録を取り消された中古車販売大手ビッグモーター。 自動車を故意に傷つける器物損壊、整備記録の虚偽記載、保険契約の捏造など法令違反の限りを尽くしておきながら、金融庁が11月21日に実施した行政処分前の聴聞を欠席するなど、「ならず者」企業としての立ち居振る舞いは相変わらずの状態だ。 最終報告書で明らかにすべき疑問点 ビッグモーターは今夏まで、取締役会をまともに開かない、コンプライアンス(法令順守)担当の役員がいないなど、企業として体をなしていない状況だったが、その経営者を信じ込み、不正請求の片棒を担いでしまったのが損害保険ジャパンだ。 損保ジャパンの持ち株会社、SOMPOホールディングスの会長兼CEOである櫻田謙悟氏は今年4月まで、経済同友会の代表幹事を務めていた。まさに日本を代表する金融機関でありながら、ビッグモーターと同様にコンプラ意識が決定的に欠如した意思決定を繰り返したのは何故なのか。 ― 引用終わり ―
2023年12月12日
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9月29日、宝塚歌劇団宙組公演「PAGAD(パガド)」幕開け。 9月30日、宙組所属の有愛きい氏25歳が自宅マンションの敷地内で死亡しているのが発見された。飛び降り自殺と思われた。 9月30日、宝塚歌劇団は、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)の 宙組公演「PAGAD」について、10月1日から22日まで休止すると発表した。 10月20日、宝塚歌劇団は、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)の 宙組公演「PAGAD」について、千秋楽(11月5日)までの全公演を中止すると発表した。 宝塚歌劇団に危機管理体制ができていないことがみてとれる。 10月14日、宝塚歌劇団は事件に関連する第三者による調査の報告記者会見を行うが、ここでも世間を騒がせたことに対する記者会見についての不備、準備不足がみてとれた。生徒の死の起因となるパワーハラスメント、いじめの証拠は見つからなかったとする会見内容は、日本の危機管理広報の定石を知らない弁護士が準備したのではと思える形式・内容で、宝塚歌劇団に法的な落ち度はないことを示唆するだけのものだった。事実の調査を続けること、再発防止策の方向性の提示はなかった。 この記者会見の内容に有愛きい氏の遺族側は強く反発した。 宝塚歌劇団の現代に合わないモラルが浮き彫りになり、それを管理している阪急グループの人の死に対する冷たい対応が目立つこととなった。 宝塚の調査報告、遺族は再調査求める「上級生をかばう意識が先行」…理事長「守る伝統ある」読売新聞 2023年11月14日 22時24分 宝塚歌劇団の宙そら組に所属する女性(25)が死亡した問題で、歌劇団側が14日、公表した調査報告書は過重業務を認める一方、上級生によるパワーハラスメントやいじめを否定する内容だった。遺族側は「ハラスメントに関する内容は間違いだ。納得できない」と強く反発し、再調査を求めた。 兵庫県宝塚市内のホテルで行われた歌劇団側の記者会見。歌劇団内の上級生と下級生の関係性に関する質問が相次ぎ、対応した木場こば健之けんし理事長らは「伝統の中で守っていかなければならないものもある」「全てがおかしい、全てが変えないといけないとは思ってない」などの説明に終始した。 公演をスムーズに運営するため、上級生の下級生に対する強い叱責しっせきを見逃していたのではと問われると、「生徒だけのノウハウの継承という面がある。出演者でないとわからない部分があるので、われわれ事務サイドとしては、詳細な内容までは承知していなかった」と釈明した。 会見では、宙組の4人が調査チームの聴取を辞退したことも明らかにされた。木場理事長は全員の話を聞けていないと認めた上で、理由については「ご容赦ください」と述べた。遺族とはまだ面談できていないとした。 「ハラスメントをここまで否定するのか。遺族はとても悔しく思っている。残念であり、やるせない」。遺族側が東京都内で開いた記者会見で、遺族の代理人を務める川人博弁護士は、報告書に対する遺族の心情を代弁した。 9月末に死亡した女性は生前、上級生から様々なハラスメントを受けていたと家族に相談していた。2021年には上級生からヘアアイロンを額に当てられやけどを負ったほか、今年8月以降の稽古中、別の上級生から「下級生の失敗は全てあんたのせいや」「うそつき野郎」などの暴言も受けた、としていた。 報告書では、ヘアアイロンでやけどをした事実は認定したが、上級生が故意に当てたのかどうかは「判断困難」とした。川人弁護士は女性が遺族に「上級生が意図的にやけどをさせた」と伝えた内容を無視していると指摘した。 「うそつき野郎」との暴言について事実と認定しなかったが、女性がうそをついていないか繰り返し聞かれたことは認めた。川人弁護士はそうした行為について「人格を否定するもので、パワハラに該当する」と反論した。 遺族側は報告書の印象として、「上級生をかばうような意識が先行している」とも分析。女性の死亡前1か月間の「時間外労働」が少なくとも118時間だったと認定した点などは「死亡が業務に起因することを示唆している」と一定の評価をしたが、「ハラスメントはなく、長時間労働だけ悪かったで終われば、同じことが繰り返される」と述べ、再調査の必要性を訴えた。 ー 引用終わり ー 遺族側は今回、劇団がいじめやハラスメントを認定しなかったことに反論、再検証を求めた。 劇団の次期理事長で、阪急電鉄の取締役でもある村上浩爾氏は「そのように言われているのであれば、証拠となるものをお見せいただけるよう提案したい」と発言した。村上氏の「証拠を見せろ」との発言で、遺族側対宝塚歌劇団の対立は、遺族側対宝塚歌劇団と阪急グループの官僚的な体質との対立へと拡大したように見受けられる。 今回のヒアリングの対象となったのは、報告書によると「宙組所属劇団員(62名)、元劇団員(1名)、劇団役職員(理事長含む)7名、阪急電鉄役職員(4名)、故人ご遺族及び同代理人」。 宙組の俳優4人が聞き取りを辞退したこと、事情聴取を辞退した理由が明らかにされなかったこと、それにもかかわらずパワーハラスメント、いじめがなかったとしている宝塚歌劇団の姿勢について、インターネット上で“炎上”していることが11月17日に報じられた。 週刊文春の記事によるといじめの主犯格4人は、芹香斗亜(宙組トップ)、松風輝(宙組組長)、花菱りず(宙組娘役)、優希しおん(宙組男役)で、この4人が聞き取りを辞退したとしてネット上で炎上している。事実をできる限り明らかにしようとしている姿勢がみえなかった歌劇団の記者会見の姿勢もあり、ネット上だけでなくマスコミを含めて、あること、ないことが取り沙汰されるようになった。 11月17日、宝塚歌劇団は宝塚大劇場の雪組公演「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル」を12月1日から実施すると発表した。劇団員の女性が死亡した問題を受け、同劇場での公演は10月1日以降、全て中止されていた。ことの重大さを徐々に認識しつつある歌劇団側の様子が手に取るように見られる。 《宝塚会見》第一声が謝罪ではなかった理由理事長の“微笑み”の謎…会見を分析した臨床心理士が気づいた3人の幹部の“驚きの心理状態”とは岡村 美奈2023/11/18 文春オンライン この記者会見を見て、宝塚歌劇団は変わっていくと思えた人は、いったいどれくらいいただろう。有愛きいさん(25)が亡くなった件で、宝塚歌劇団は11月14日に会見を開いたが、ネットの反応は批判一色となった。 いじめやパワハラを全面否定した姿勢をはじめ、「9月のジャニーズの会見よりもひどい」という声もあがった。それほどの悪印象を与えた理由は何だったのか、そして会見に出席した木場健之理事長(60)らが守ろうとしたものは何だったのか。仕草や表情に表れる、その心理を分析した。 哀悼でも謝罪でもなかった驚きの「第一声」 会見冒頭まず驚いたのは、宝塚の理事長・木場健之氏が有愛さんが亡くなった件の調査報告書についていきなり話しはじめたことだ。亡くなった劇団員への哀悼の言葉や、遺族に対する謝罪はなく、事務的に報告書の話からスタートしようとしたのだ。この一言で、彼らにとって重要なのは劇団員が亡くなったことよりも、それをどう釈明するかだったのではないかという印象を与える。 木場氏は「報告書を受け全力で改善に取り組む」と静かな調子で語った後に、ようやく急逝した劇団員に哀悼の意を表し、遺族に心からお詫びすると述べた。 だがこの時、木場氏も、その両横に並んで立つ村上浩爾専務理事、井場睦之理事・制作部長の2人も頭を下げず、微動だにしていなかった。 彼らが頭を下げたのは、その後に宝塚のファンや関係者に深くお詫びすると木場氏が述べてから。これでは、有愛さんやその遺族ではなく、ファンや関係者に対して頭を下げた格好になる。 目をパチパチさせ、首をひねり…いじめやパワハラを全面否定 着席すると、今度は井場氏が外部の弁護士によって作成されたという報告書の概要を読み上げる。 内容は、遺族が主張していた上級生らによるいじめやパワハラを全面否定し、過重労働や過密日程による心理的負荷が原因というもので、到底、世間が納得するようなものではない。 さらに井場氏の報告書の読み方も、見る側の不信を誘うものだった。緊張していたのかもしれないが、視線を書面に落としたままで、単調なこもった声で早口で字面を読み上げていく。そして時おり、焦点の合わない上目使いをちらっと会場に向け、会場の記者たちの顔色をうかがうような気配を見せる。 … (略) …「度を越えるルールや体質を目撃したことは」と問われると、木場氏は「度を越えるルール……」とつぶやきながら首を傾げ、しばらく考えるようなそぶりを見せた。そうして、舞台装置の安全面について強い指導があったと回答した。 しかしここまでの会見の流れを考えれば「度を越えるルール」が安全面の話ではなく、厳しい上下関係やハラスメントの有無を聞いていることは明白である。 それでも木場氏は、質問する記者たちに視線を合わせることなく、「安全指導」の話でお茶を濁そうとしたことになる。これは劇団に受け継がれてきた厳しいルールや指導に言及しないための、話のすり替えとしか考えられない。 いじめやパワハラは指導という言葉に代わり、いじめによるストレスは故人が過重労働で追い詰められたことによる心理的負荷になったように、言い方を変え、論点をずらし、問題点をぼやかし、見て見ぬふりというより首を傾げて惚けて終わりにする。 「外部漏らし」という言葉がでると途端に厳しい表情に 会見の中で、木場氏と村上氏の表情が大きく変わったのが「外部漏らし」という言葉が出た時だった。「外部漏らし」とは、劇団内で起きたことを外部に漏らしてはいけないという宝塚の暗黙のルールを指す。もし内部で起きたことが外に漏れた場合は、徹底的な犯人探しが始まるといわれている。 そのような空気がある劇団内で行われたヒアリングで、劇団員たちが初めて話す相手に真実を話せるかどうかは疑問がある。しかしそれを問われた木場氏は、戸惑ったような表情を見せながら「かなり(本音が)出ていると思う」と回答。 それでも外部漏らしという言葉が出ると、木場氏は目を見開くように額をあげて深いシワを寄せ、村上氏も額と眉間にシワを寄せて厳しい表情になった。歌劇団としてあってはならないことに対する不快感と、記者たちに問い詰められることへの嫌悪感や警戒感が見て取れる。 宝塚の運営側と遺族側との面談がいまだに実現していないことについて、「(遺族側からの)拒否があったのか」と聞かれると、村上氏は慌てて「拒否ということはない」と答え、必死な様子で表情を歪め、大きく頷きながら「まだその時期に至っていない」と続けた。 だが遺族側は再検証を求めており、歌劇団側が証拠の捏造を繰り返してきたとも主張している。それについての見解を問われると「我々が隠ぺいしているとか、報告することを歪めるとかは一切ございません」と、前のめりになりながら語気を荒げて否定した。 他の場面では「これですべて終わりとは思っていない」「把握していない、認識していないこともあろうかと」と殊勝な発言も見せていたが、今回の「いじめやパワハラはなかった」という報告書の内容で押し切るつもりということだろう。 今回の件の責任を取る形で、木場氏は12月1日付で理事長を辞任し、専務理事の村上氏が新しい理事長に内定していることも発表した。会見終了間際に「宝塚は変わると断言できるか」と質問された村上氏は、前を向き「変わらなければならないものは、絶対に変わらなければならないと私は思います。一方で伝統の中で守っていくべきものも間違いなく“ある”と思っています」と、この会見の中で最も強く“ある”という言葉を強調した。 やはり彼らにとっての最優先事項は、伝統を守ることなのだろう。 ― 引用終わり ― 11月20日、宝塚歌劇団の俳優の有愛きい氏が死亡した問題で、阪急阪神ホールディングス(HD)会長の角和夫氏が、俳優の養成機関「宝塚音楽学校」の理事長を近く退任することが報じられた。引責辞任ではないとされ、後任は12月1日付で歌劇団の理事長に就任する村上浩爾氏とする方針が明らかになった。 11月14日の記者会見で哀悼の意を表し、問題の解消に向けて組織風土の改革について取り組む姿勢が示されていれば、世間の阪急グループに対する見方がもう少し良い方向に向いただろう。 組織風土改革へ年内にも新組織=具体策提言―団員急死で宝塚時事通信 2023年11月20日 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組に所属していた女性団員(25)の急死問題を受け、歌劇団が組織風土の改革策を提言するための「新組織」を年内にも設置することが、20日分かった。 歌劇団は既に、全団員約400人やスタッフらに対し、各組のプロデューサーらによる聞き取り調査を進めている。運営する阪急電鉄の関係者によると、新組織はこの結果も踏まえ、長時間にわたる業務や厳し過ぎる上下関係、過度な指導といった組織風土の改善に向けた具体策をまとめる。外部の有識者も入れる方向で検討中という。 ― 引用終わり ―
2023年11月27日
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自動車保険の不正請求問題、車検不正で話題のビッグモーターにつおて、全国の同社店舗前だけ街路樹が枯れ、消失するという怪現象が話題に加えられた。 グーグル・ストリートビューを利用してネット民による地道な検証も各店舗ごと行われた。 2023年7月25日の会見で兼重前社長は「除草はするが、見栄えも悪いし、枯らすようなことは普通しない」と語った。 「普通しない」ようなことをさせてしまったのは兼重宏一前副社長のパワハラを伴う環境整備点検なので、詳細を知らない前社長は記者会見の場で一般論、世間話をしたのだろう。 和泉伸二専務(現社長)は「環境整備で、出入り口は前後10メートルにわたり、雑草などを取り除こうと、除草剤をまいて街路樹に影響を与えてしまったことはあると思う」と認めた。 ビッグモーター 店舗前の街路樹枯れる 全国18都道府県で確認2023年7月28日 NHK 中古車販売会社「ビッグモーター」をめぐっては、28日までに少なくとも、全国18の都道府県、39の店舗の前で街路樹や植え込みが枯れたり、伐採されたりしていることが確認されています。「ストリートビュー」で比較すると【これまでのまとめ】▽北海道では札幌市清田区と厚別区の2つの店舗前の街路樹。▽群馬県では太田市の国道沿いの店舗前の街路樹。▽埼玉県ではさいたま市と本庄市、八潮市の3つの店舗前の街路樹。▽東京都では多摩市などの8つの店舗前の街路樹。▽神奈川県では平塚市の店舗前の街路樹。▽福井県では越前市の店舗前の街路樹。▽長野県では松本市の国道沿いの店舗前の街路樹。▽静岡県では、富士市の店舗前の街路樹。▽愛知県では名古屋市名東区や西尾市など4つの店舗前の街路樹。▽滋賀県では草津市の店舗前の街路樹。▽大阪府では大阪・東住吉区と城東区、貝塚市、大阪狭山市の4つの店舗前の街路樹。▽兵庫県では神戸市北区などの3つの店舗前の街路樹。▽香川県では高松市の店舗前の街路樹。▽愛媛県では松山市と伊予市にある店舗前の街路樹。▽福岡県では北九州市と春日市の3つの店舗前の街路樹。▽佐賀県では佐賀市の店舗前の街路樹。▽長崎県では諫早市の店舗前の街路樹。▽大分県では中津市の店舗前の街路樹。 一方、会社側は今月25日に開いた会見の中で、当時、専務取締役の和泉伸二新社長が「店の出入り口や歩道の雑草やゴミなどがあれば毎朝、取り除いている。雑草に対して、本来は手で抜けばよいがちょっと甘い認識で除草剤をまいてしまって、影響を与えてしまったことはあると思う」などと述べていて店との関わりがあるかどうか、調査する考えを示しています。 ー 引用終わり ー 街路樹の枯死、消失の検証にはグーグルのストリートビューが活用された。 ストリートビューは街の記録写真、証拠写真として活用できることを知った。 始まりはストリートビューに映り込んだ除草剤容器ビッグモーターの「街路樹問題」 木はどうやって枯死させられた?有識者や専門家の答えは47NEWS 2023年10月16日 10時30分 企業のコンプライアンス重視が叫ばれる時代に、耳を疑うような疑惑が世間を騒がせている。ビッグモーターの「街路樹問題」だ。本当に「環境整備」の名目で除草剤を散布し、公共の街路樹を枯死させたのだろうか。 ビッグモーターへの追及はもともと、保険金の不正請求から始まった。しかし枯死して無残に伐採された切り株や、店の前で途切れた並木のインパクトは大きく、一気に注目が集まった。各地で被害が明らかになり、本社や店舗への家宅捜査に発展している。 ところで、除草剤に高さ数メートルもある街路樹を枯らせるだけの力があるのだろうか。除草剤成分や樹木の特性をよく知る2人の専門家は、単にまくだけで枯らせることは難しいと口をそろえる。「ただし…」。両者はそう解説を続け、いくつかの可能性を示してくれた。(共同通信=森清太朗) … (略) … ▽自治体が次々に被害届。背景には「環境整備点検」の圧力が… 自治体の動きは早かった。会見から一夜明けた26日朝、埼玉県が所沢店に聞き取りを申し入れた。店の前にあった低木は消え、土だけになっていたからだ。東京都や神奈川県なども続き、全国の店舗周辺で過去に街路樹が不自然に枯れ、消失していたことが明らかになっていく。 国土交通省も全国の地方整備局に調査を指示し、社会の耳目は一気に「街路樹問題」に集まった。 会見での釈明とは異なる実態に、世間の批判は高まった。するとビッグモーターは会見からわずか3日後、公式サイト上で陳謝。過去に店舗清掃で除草剤を使い「(その)影響により枯れた可能性が高い」と説明した。「環境整備点検」と呼ばれる店舗巡回が背景にあったとみられ、この際に、上層部が現場に環境美化を強く迫っていたとの指摘もある。こうした圧力が、過剰な行為につながったのだろうか。 … (略) … ▽「ドリルで穴をあければ」、「植えられている環境による」 まずは農薬の登録審査を行う農林水産省所管の独立行政法人「農林水産消費安全技術センター」を取材した。農薬検査部の佐々木千潮課長によると、グリホサートを含む除草剤は「茎葉処理型」と呼ばれ、植物の茎や葉に直接かけることで作用するのが特徴。土にまかれたグリホサートは速やかに分解され、植物への効能は薄い。 佐々木さんも「街路樹を枯らす」という農薬試験は聞いたことがないという。その前提で除草剤の影響を聞くと、「木にダメージはあっても、『普通に』まくだけでは枯死しないのでは」と分析してみせた。 では、普通ではないまき方とは何だろうか―。佐々木さんはそんな質問に対して、ドリルで木に穴を空けて原液を流し込む方法を例示。「ここまで意図的に弱らせればあり得るかもしれないが…」 一方、東京農業大の濱野周泰客員教授(造園樹木学)は「グリホサートだけで樹木が枯れるとは思えない」と述べた上で、条件次第で枯れる可能性を示した。道路沿いで根が張りづらく、ストレスがかかる悪環境下であれば「土への散布で枯れる可能性は低くない」と話す。歩道そばの狭い土地に植えられていた各地のケースと条件は合致する。 神奈川県や静岡県などの一部店舗では、「茎葉処理型」のグリホサートと共に、土にまくことで作用する「土壌処理型」の除草剤成分も出ている。濱野さんは「この種類の成分も含むものを原液に近い高濃度でまけば、特に低木ほど枯れる恐れがある」と解説した。 ー 引用終わり ー 状況証拠しかないが自治体はこれを機に次々とビッグモーターに損害の賠償、原状復帰のための費用を請求し始めた。前代未聞の事態であろう。 ビッグモーターに東京都が1600万円請求街路樹を枯らした問題植え替えや土壌入れ替え費用2023年10月3日 20時24分 東京新聞 中古車販売大手「ビッグモーター」の店舗前の街路樹が枯れるなどした問題で、東京都は3日、道路法に基づき、土壌から除草剤成分が検出された都内9店舗の原状回復などにかかる約1600万円を負担するようビッグモーターに命じた。 費用には、環八世田谷店(世田谷区)など9店舗の枯れた木の植え替えや土壌の入れ替え費のほか、土壌の除草剤成分の調査費が含まれる。原状回復の工事は今後都が実施する。都は13日までに納付を求めており、ビッグモーター側は「速やかに納付する」と応じたという。 都は9月、9店舗について器物損壊容疑で警視庁に被害届を提出し、受理された。警視庁などは同月、9店舗や本社を家宅捜索している。(渡辺真由子) ー 引用終わり ー 賠償金の請求にとどまらず被害届まで提出されるようになった。街路樹の枯死で行政から被害届が提出されることも前代未聞であろう。 ビッグモーター店舗前の街路樹枯死…札幌市が器物損壊の疑いで”被害届”を提出弁償金250万円も請求 土壌からは除草剤成分北海道文化放送 2023年10月26日 中古車販売大手「ビッグモーター」の札幌市内2店舗の前にある街路樹が枯れた問題で、札幌市は10月26日、器物損壊の疑いで警察に被害届を提出しました。 この問題はビッグモーターの厚別店と清田店の前にある街路樹合わせて6本が枯れたり、弱ったりしていたものです。 市は警察に土壌サンプルを提出。土壌からは除草剤成分が検出されていました。 こうしたことを踏まえ、市は10月26日に器物損壊容疑で被害届を提出しました。 また、市は10月16日に新しい街路樹の植樹や弱っている樹木の植え替えなどの工事を行っていて、会社にたいし現状回復にかかった費用として弁償金250万円を請求しました。 ー 引用終わり ー 11月7日、名古屋市は、ビッグモーターに対し枯れた街路樹の原状回復に必要な費用として400万円あまりを請求した。 11月13日、大阪府と大阪市は、ビッグモーターに対し除草剤成分が検出されるなどした6店舗の街路樹の植え替え費用などとして約2600万円を請求した。 大阪府は除草剤成分が検出された店舗について器物損壊容疑で被害届を提出しているほか、大阪市も「東住吉店」など2店舗で樹木が不自然に枯れていると判断し被害届を提出していた。大阪府警は10月上旬に府内の7店舗に家宅捜索を行った。 ビッグモーターのブランド価値、企業価値はマイナス成長を続ける。 兼重前社長の忠臣とされる和泉社長はビッグモーターの最期を見届けるのだろうか。
2023年11月21日
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10月30日、ビッグモーター、今月末で全国の9店舗を閉鎖、「近隣の店舗に機能を集約し、経営合理化を図る」とすると明らかにした。 11月7日の閣議後記者会見で、鈴木俊一金融相は、ビッグモーターによる保険金不正請求問題を巡り、損害保険ジャパンの親会社SOMPOホールディングスに対し保険業法に基づく立ち入り検査を開始したと明らかにした。「子会社の経営管理を適切に行っていたか実態把握を進める。その上で「立ち入り検査で判明した結果に応じ、法令に基づいて厳正に対処する」と述べた。 SOMPOホールディングスが10月10日公表したビッグモーターの保険金不正請求問題に関する中間報告書は、損保ジャパンの経営陣についてリスク認識の甘さなどを指摘。一方、SOMPOに関しては、取引再開後の昨年8月31日に損保ジャパンから報告を受けたことに触れただけだった。 SOMPOの桜田謙悟会長は責任を取り辞職せざるを得ない状況に追い込まれそうだ。 ビッグモーターによる保険金不正請求で、金融庁は保険業法に基づき、保険代理店登録を取り消す行政処分を出す検討に入り、早ければ11月中にも取り消すことが、11月8日に報じられた。11月10日の臨時閣議後の記者会見で、鈴木俊一金融相は「なるべく早く行政上の措置を取りたい」と述べた。 ビッグモーター支援、ガリバーのIDOMが検討中止…コンプライアンス欠如が障害2023/11/09 讀賣新聞 保険金の不正請求問題で業績が悪化している中古車販売大手ビッグモーターの支援先探しが難航している。同業大手のガリバーを運営するIDOM(イドム)は、8日までに支援しない考えを伝えていたことがわかった。企業体質が改善していない点が障害だとみられる。 関係者によると、IDOMはビッグモーターから打診を受けたが、11月に入って、「検討を中止した」と回答したという。買収すれば、販売から整備までをカバーする豊富な顧客データを得られる利点があった。ビッグモーターはかつて、IDOMの主要株主だった。 支援先にはほかに、金融大手のオリックスや商社系のリース会社が浮上している。自動車リースなどを手がけており、中古車販売との親和性が高い。だが、店舗前の街路樹に除草剤をまいて枯死させるといった法令順守の欠如が障害となり、まだ決まっていない。 創業家であり、事実上の株主である兼重宏行・前社長の存在も、支援を難しくしている。不正の横行に、組織的な関与が疑われるからだ。候補として名前があがった企業の関係者は、「創業家の関与を一切なくすことが不可欠だ」と話している。 ー 引用終わり ー ビッグモーターの業績が短時日に回復する見込みはなくなった。 ビッグモーターを支援するということは、不正企業を支援するという世評につながる状況であり、金融支援でさえ手を出すのは難しい。 記事に不正の元凶と思われる兼重宏一前副社長の名前が挙がってない。兼重前社長は組織的関与がなかったことを否定し、自分は知らぬ存ぜぬを通している間にビッグモーターの企業価値がどんどん下がっていることを認識しているのだろうか。既に私有財産をしっかり確保してあるので、会社の価値は心配していないのだろうか。
2023年11月16日
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高齢化などにより医療費の絶対値が増大する中、厚生労働省は薬価の安いジェネリック医薬品(後発医薬品)の利用を推奨している。厚生労働省 公式サイトジェネリック医薬品(後発医薬品)の使用促進についてI ジェネリック医薬品について1.ジェネリック医薬品とは 医薬品には、一般の薬局・薬店で販売されている「一般用医薬品」と、医療機関で診察を受けたときにお医者さんから処方される「医療用医薬品」があります。さらに、「医療用医薬品」は、先発医薬品と後発医薬品とに分かれていて、後発医薬品はジェネリック医薬品とも呼ばれています。(図表1) 先発医薬品(新薬)は、医薬品メーカーによって独占的に製造・販売できる特許期間等があります。しかし、その特許期間等が終わると、有効成分や製法等は国民共有の財産となり、厚生労働大臣の承認を得れば、他の医薬品メーカーでも製造・販売することができるようになります。先発医薬品の特許等の期間満了後に販売される医薬品がジェネリック医薬品です。(図表2) 欧米では、医師が薬を処方する際に、銘柄名を記載するのでなく、generic name(一般名、成分名)を処方せんに記載することが多いために「generics」(ジェネリック医薬品)と呼ばれており、世界共通の呼称となっています。 先発医薬品(新薬)の開発には、9~17年程度の長い期間と数百億円もの投資が必要といわれておりますが、ジェネリック医薬品の開発には、期間が新薬ほどかからず、費用も少なくすむため、薬の価格も安くなっています。 ー 引用終わり ー 承認審査、品質管理について先発医薬品と同様に安全・安心な医薬品として、ジェネリック医薬品の使用促進、普及啓発に努めていることが記載されている。 沢井製薬 公式サイトジェネリック医薬品ってなに? ジェネリック医薬品は、新薬の特許が切れた後に製造販売されるお薬です。 新薬と同じ有効成分で作られ、効き目が新薬と同等であると国に承認されたお薬で、欧米の国々と同じように、日本も医療費節減のために、ジェネリック医薬品の使用を積極的に促進しています。 ー 引用終わり ー 政府は医療費を抑制するため、病院や薬局が後発薬を選んだ場合の診療報酬を手厚くするなど、様々な手立てで普及を図ってきた。現在ジェネリック医薬品の使用率は、政府が目標とする8割に達しつつあるほど普及した。 2005年に後発医薬品の製造販売の参入要件が緩和され、中小の会社が乱立するようになった。薬価が継続的に引き下げられ、競争激化で不採算品目を抱えても、需要がある限り簡単には製造をやめられない状況となった。一方、輸入原料や包装資材の高騰で製造原価は上昇し利幅が減少した。 ジェネリックの商売が繁盛するにつれ、過度な競争もあり適正な利潤の確保が難しく、品質管理が疎かにされたのだろうか。 沢井製薬の沿革 出典:Wikipedia2021年(令和3年) 4月1日 - 持株会社サワイグループホールディングス株式会社を設立。沢井製薬との間で株式移転を行い、沢井製薬及び子会社は持株会社の子会社になると共に、持株会社が上場。 10月 - 胃炎・胃潰瘍治療剤エカベトナトリウム顆粒66.7%「サワイ」など12成分26品目を販売中止にする方針を固め、同月18日に医療関係者向けサイトで案内を開始。 12月3日 - 品質不正問題が発覚した同業の小林化工から全工場と人員、物流や研究開発拠点の譲渡を受けることを発表。 2023年(令和5年) 5月11日 - 取締役会で澤井光郎代表取締役会長を代表取締役会長兼社長とする役員人事を決定。 9月13日 - 胃炎薬の品質試験を不正実施していた疑いが浮上したことから、製造販売業許可を出している大阪府が立ち入り調査。同年10月23日、販売後に行う品質を確認する試験で不正をしていたとして、薬の自主回収を進めていることを発表。 ー 引用終わり ー 日医工、小林化工の品質不正問題が発覚した時期以降、国内の医薬品の供給不足が続いていることが報じられてきた。 2023年10月6日、医療機関の9割が「入手困難な医薬品がある」と回答していることが日本医師会の調査結果として公表された。 せき止め薬やたんを切る「去痰(きょたん)薬」の入手が特に難しく、半数の医療機関が、発注しても納品されない医薬品があるとのこと。 ジェネリック最大手「サワイ」、呆れた不正の実態 供給不足続くさなか、見過ごされた3度の合図2023年11月1日 東洋経済オンライン 「サワイなら安心だ、と思っていた患者さんや医療機関の期待を裏切ってしまったことに、心からお詫びを申し上げる」 10月23日の午後、急きょ開催された記者会見。後発医薬品メーカー最大手、沢井製薬の澤井光郎会長は沈痛な面持ちで頭を下げた。 沢井製薬は同日、胃薬「テプレノンカプセル50mg『サワイ』」で、品質試験における不正が2015年から継続的に行われていたことを明らかにした。 後発薬業界では2020年以降、品質不正が続々と発覚し、製品の自主回収が相次いでいる。業界大手だった日医工や、中堅の小林化工が業務停止命令を受けた影響で製品の流通に混乱が生じ、3年経った現在も供給不安が続く。そんなさなかで判明した最大手の不正に、業界関係者は「さらなる混乱につながるのでは」と不安をあらわにする。 … (略) … 法令より上司の指示を優先する風土 不正が繰り返されてきた背景について、調査報告書は「法令よりも上司の指示を優先する」という異常な組織風土があったと指摘する。 2017年以降、生産本部長を務めていた沢井製薬の木村元彦社長は会見で「工場組織では上から下に指示命令を出すのも必要な部分があるが、その部分の指示が強すぎたために、誤った認識となっていた可能性もある」と反省。過度な上下関係が遠因となった可能性があるとした。 安定性試験では、薬を保管する際の温度や湿度などに関する基準が2013年に厳格化されていた。これにより試験に不適合となる薬が増えたことも、現場がカプセルの詰め替えを継続した動機となったようだ。 一方、調査報告書は一連の不正は現場の認識の甘さが原因であるとして、「上層部が関与して組織的に行われた行為であったとまでは認められない」と結論づけている。報告書がいう“上層部”とは、本社の社長や会長、不正があった工場の責任役員や工場長などを指す。 … (略) … 最大手のずさんな内情に広がる衝撃 … (略) … 沢井製薬は今後、社員の法令遵守意識を高めるための研修を行うほか、安定性試験の実施手順が承認書と齟齬がないか確認を徹底するという。薬の溶出性に懸念が生じた場合は、「製造のやり方から見直すか、代替できる薬があれば販売自体を中止する可能性もある」(同社広報)。 8年もの間、不正が常態化しながら上層部がそれを感知できなかった組織体制や、社員の法令遵守意識の低さを露呈した調査報告書は、業界関係者に衝撃を与えている。 沢井製薬は現時点で、テプレノンのように承認書と異なる検査方法が口伝されていたような事例はないとしている。ただ、ある後発薬メーカーの現役社員は「現場の思い込みだけのせい、というのはさすがに無理筋だ」と不信感を示す。後発薬メーカーの元社員は「誰がどう考えても、試験に合格しなかった薬を放置するのはおかしいと分かるはずだ。ガバナンスが利いていると思えない現場で、本当に他の薬は大丈夫なのだろうか、という心配が拭えない」と話す。 ー 引用終わり ー 経営者、管理者、監督者に異を唱えると雇用が危うくなるので、企業に対する忠実性が高い日本企業では「企業の論理」が優先されがちになる。ビッグモーターのように高給で社員をつなぎとめた場合、企業の論理一辺倒になる。 人の命を左右する製薬業界とて社畜となれば同じこと。また一つ、「国産なら安心」が幻想であることが明らかになった。
2023年11月10日
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2023年10月13日、国土交通省は、ビッグモーターの保険金の不正請求問題をめぐり立ち入り検査を行った34の工場すべてで違反があったとして一定期間の事業停止処分を行う方針を明らかにした。必要な検査を一部実施せずに車検を通す不正が確認されたことも発覚。 悪質な12工場について民間車検場として最も重い“指定取り消し”処分を行った。 《ビッグモーターで車検通した車って普通に走ってるの?もう車検の意味ないじゃん》とのネットの声もあるが、残念ながら法はあるので意味はある。 国交省は大昔の基準で作られた無駄臭い車検に関する法律を、現代版に改正すべき。 自動車保険の市場規模は自賠責保険を含め約5兆円。損害保険の約5割を占める損保会社の主力商品となっている。 10月23日、損保7社がビッグモーターとの代理店契約を解約すると発表。ビッグモーターで車両を購入する客は別途、自身で保険契約をすることになる。 なお、損害保険最大手の東京海上日動火災保険は8月24日にビッグモーターとの保険代理店委託契約を、10月1日付で解約すると発表済み。 ビッグモーターのワンストップサービスが徐々に崩れていく。ようやくカウントダウンが始まったようだ。 【速報】ビッグモーター、損保との代理店契約ゼロに 2023年10月23日 共同通信 中古車販売大手ビッグモーターによる自動車保険の保険金不正請求問題を受け、三井住友海上火災保険は23日、ビッグモーターとの保険代理店委託契約を11月30日付で解約すると発表した。代理店契約を結ぶ損害保険会社7社がいずれも解約することになり、ビッグモーターが代理店業を続けるのは困難となった。 ー 引用終わり ー 10月20日、中古車販売大手グッドスピード(愛知県名古屋市)が自動車保険の保険金を損害保険各社に不正請求していた問題で、新たに91件の不正が見つかったことが報じられた。 こちらも金融庁が怖いので、保険業界から追って沙汰があることだろう。 ビッグモーター事件と並行して公正取引委員会は、私鉄大手の東急グループ向け火災保険などにおいて、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、損保ジャパン、あいおいニッセイ同和損害保険の4社が保険料を事前に調整した疑いがあるとして独占禁止法違反の疑いで調査に入っている。 金融機関からの追加融資を断られたビッグモーターは現金確保に躍起となっていることが想像できる。 個人客に売れない中古車をオークションに出品することは大いに考えられる。 ビッグモーター子会社のオークション会場に「出品中古車」大量増加のナゾ広報に問い合わせてみると…2023.09.05 週刊現代講談社子会社のオークション会場に… 中古車販売業者の間でいま、ある疑惑が駆け巡っている。 ビッグモーターが在庫を大量に「中古車オークション」に出品しているのではないか、というのだ。関東圏の中古車販売店経営者が明かす。 「中古車業界には、専門業者しか参加できない『中古車オークション』というものが存在します。オークション会場は全国にあり、各地で週1回ほどの頻度でオークションが開催されている。 ビッグモーターはオークション運営会社『ミライブ』を子会社に持っているんですが、そのミライブのオークション会場に大量に中古車が出品されているんです」 顕著だったのは、お盆休みが終わった後に開催されたオークションだったという。実際に中古車情報サイトで確認すると、ミライブが所有する愛知・大阪・埼玉のオークション会場で、次の台数が出品されている。・愛知(8月25日)2339台・大阪(8月24日)2846台・埼玉(8月23日)4634台 「例年、お盆明けは出品台数が増えるものですが、この数は明らかに多い。前年同時期に行われたオークションと比較しても、1000台近く増えています」(前出の中古車販売店経営者) ビッグモーターの問題を追及してきた自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏が語る。 「ミライブに出品された車がすべてビッグモーターの在庫であるかどうかは定かではありません。しかし、同社の店舗のなかには明らかに展示車が減っているところも少なくない。度重なる不正発覚により車が売れなくなったビッグモーターが、在庫整理あるいは現金確保のために大量出品している可能性は極めて高い」 ー 引用終わり ー 8月14日、ビッグモーターから借入金90億円の借り換えを求められた銀行団(メガバンク3行と広島銀行)が要請に応じない方針を伝えたことが報じられた。 9月14日、ビッグモーターはビッグモーター、2回目の銀行団とも会合で事業の継続に向けた支援企業(スポンサー)を年内にも選定する意向を伝え、銀行団に取引継続を要請したと報じられた。 10月27日、ビッグモーターは銀行団と3度目の会合で、複数のスポンサー候補と協議を進めていると説明した。 オリックスなど複数の企業に支援を打診していたが、月末が近づいても支援スポンサーが決まらない状況が続いていると報じられた。 10月30日、ビッグモーターは全国で9店舗を閉鎖し近隣店舗に機能を移管する方針を明らかにした。10月31日で営業を終了する店舗は平井(愛媛)、イオンモールかほく(石川)、天理(奈良)、高松空港通(香川)、本庄早稲田(埼玉)、青梅(東京)、北本(埼玉)、茨木(大阪)、佐世保(長崎)。 ビッグモーター再建事業に携わる大手コンサル企業のデロイトトーマツグループによる資産査定は完了していないと報じられている。 10月30日、ビッグモーターの公式サイトに「不正アクセスによる個人情報漏えいの可能性に関するお詫びとお知らせ」を掲載し、「第三者から不正アクセスを受けたことにより、お問い合わせフォームにご連絡いただいた方々の個人情報の一部が漏えいした可能性があることが判明いたしました」と報告した。 ビッグモーターの査定価格は車検不正、街路樹枯死問題などの後発事象でドンドン下落していると思われる。その間も展示中古車などの棚卸資産は減少しているはず。 利に敏いオリックス、「ガリバー」などを展開するIDOMが支援を含めた検討していると報じられている。 ビッグモーター不正事件で平均年収1100万円、最高5000万円の「超高待遇」社員たちはどうなるのか?鈴木貴博:百年コンサルティング代表2023.7.28 DIAMOND online … (略) …(3)ビッグモーターが救済されるとしたらそれはM&Aではない さて、飛ぶ鳥を落とす勢いで発展してきたビッグモーターという会社自体は間違いなく衰退に向かうでしょう。企業のブランドというものは、本業でここまでの不祥事が起きてしまうと、回復不可能なほどの傷がついてしまうものです。 これまでは、このような不祥事が起きた企業がたどる道は二通りでした。業績が極端に低迷したのちに破綻を表明して、廃業ないしは民事再生に向かうのが一つの道。そしてもう一つは、ファンドないしは同業他社に買収される道です。 では、同業他社にとってビッグモーターは有用でしょうか? 私は、ビッグモーターについては企業やファンドによる買収(M&A)は起きないと予測しています。代わりに営業権が譲渡されることになるというのが私の予測です。 中古車業界の他社から見れば、ビッグモーターのブランドは「絶対に要らないブランド」でしょう。 しかし、店舗と工場、在庫車が安く手に入るなら、そこには非常に大きな経済価値があります。人手不足が企業成長のボトルネックになっている昨今ですから、若くて技術のある従業員がまとめて確保できることも魅力です。 ただ、M&Aできない最大の理由も人材にあります。なにしろサンプル調査によれば、4人に1人が不正に関与しているほどの企業です。管理職のパワハラ体質に関する報道もあります。人気ドラマになぞらえて言えば「腐ったミカン」が心配です。 … (略) … とはいえ、業界常識とはかけ離れた給与に慣れている人材をごっそりそのまま受け入れるかどうかというと、業界他社は躊躇するはずです。 管理職は不要だが若手中心に社員は欲しいとなると、スキームとしてはM&Aではなく営業権を譲渡してもらう形で店舗や工場の設備と在庫の車を入手して、人材については一人一人面接して、個別採用する形を取るのがベストです。 救済する側から見れば、「業界水準と比較して異常に給与が高い人材を採らなければいい」と考えることでしょう。むしろ、給与の低い人ほど正直に仕事をしてくれる人だと感じるはずです。 諸般の事情から、ビッグモーターを救済しようとする企業はしばらくのところ出現しない可能性の方が高いと私は予測します。待っているのはいばらの道です。 ー 引用終わり ー 9月11日、同じく不正が噂されている中古車販売大手・ネクステージの浜脇浩次社長が辞任。創業者の広田靖治会長が社長を兼務する人事を発表した。 ビッグモーター出身の浜脇元社長は、社長を辞任した理由を『東洋経済』の取材に答えて以下のように述べた。 「(ビッグモーターのような)車検不正や自動車保険の水増し請求は調査した限りない。一方、過去に不適切な事案が起こっているのは事実だ。これまでは(取り扱い台数に比べても)率は少ないし、同業他社よりも少ないから良いと考えていたが、それではダメだと考えを改めた。 ゼロを目指していくには会社が変わる必要がある。そのためには私が社長を代わるべきだと考えた。」 ネクステージ、業績予想を下方修正BM不正問題が波及内田慎一2023年10月2日 ロイター ネクステージ(3186.T)は2日、中古車販売大手ビッグモーター(BM)の不正問題に絡んで中古車業界への懸念が高まったことなどの影響で2023年11月期通期の連結業績予想を下方修正すると発表した。9月以降にはネクステージグループのイメージ低下につながるような報道もあり、来店客数や販売台数に影響したとしている。 ー 引用終わり ー
2023年11月05日
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ジャニー・喜多川氏の性加害とジャニーズ事務所の隠ぺい体質が続々と報道されている。 マスコミの手のひら返しとする指摘もネット上で散見されるが、異物排除の構造が変わっていないことを示している。 正当性の追求心と同調圧力の強い日本では「あいつは変わっている」という表現は、誉め言葉ではないことが多い。それらを基盤に「あいつは普通じゃない」として日本人らしい緻密な配慮をもって強者への忖度が発揮される。 被害者も普通でない「異」なものとして排除あるいは棚上げ(無視)される。 「アイツにやられて僕の性が狂った」『ザ少年倶楽部』出演の元ジャニーズJr.が性被害を実名告白2023年10月16日 週刊女性PRIME 「ジャニーズ事務所の会見を見て、被害者である僕たちの気持ちは置いてけぼりだなと……。連日のように性加害問題が報じられていることで、元ジャニーズの多くが二次被害に遭っているんです。そうした現状を伝えたくて、話すことを決めました」 かつて、ジャニーズ事務所で合計5年間ほど、ジャニーズJr.としてタレント活動していた田中斗希は、記者の目をまっすぐ見て、そう話した。 ジャニーズ事務所から『SMILE-UP.』に社名変更された同社は、創業者・ジャニー喜多川氏の性加害を受けた被害者への救済業務のみを行っていく。 しかし、ジャニー氏による芸能史上最悪の性加害問題を、同社は長年にわたって“隠ぺい”してきただけでなく、メディアに対する圧力もかけていたと報じられている。新会社の社長に就任した東山紀之は“解体的出直し”を明言したが、こうした過去があるだけに、本当に変革がなされるのか疑問が残る。 10月2日の会見では、“指名NG記者リスト”の存在が発覚し、追及の声は過熱し続けている。 ただ、被害を受けていたが、声をあげられない当事者たちの気持ちは、無視されていると冒頭の田中は続ける。 「社名を変えて、新会社を立ち上げ、被害の補償をすると言っている。それで、もういいじゃないか、と。僕としては、社名が変わるのも悲しい。自分の人生が否定されたみたいで……。会見で東山さんにカミングアウトを強要するような質問をしていた女性記者には本当に腹が立ちました」 “自慢の息子”だったのが、今は“被害者” そう指摘するのには、深刻な“二次被害”が背景にあるからだという。 「性被害を受けていない、今は一般企業に勤めている元ジャニーズの友人は“キミも性被害を受けていたの?”と同僚に聞かれて“受けていない”と言っても、裏では“アイツ絶対ヤられてたよ”といった会話が社内でされているそうです。彼はこうした現状に“本当につらい”とこぼしていました。 また、タレントの親も苦しんでいます。以前はジャニーズで活躍する“自慢の息子”だったのが、今は“被害者”といった目で見られる。息子の被害に気づけなかった自責の念で、心を病んだ親御さんもいると聞いています」 田中も、母親とこんな会話をしたという。 「性加害が報道で明るみに出てから、母親が“トシも受けてたの……?”と聞いてきたことがありました。だから僕は“性被害はあったけど、大丈夫だよ。全然、苦しんでないから”と明るく伝えました。でも母親は“なんで気がついてあげられなかったのかな……”と、悲しそうな顔をしていて。 親族が集まったときも、開口一番に聞かれるんです。そのときは母親が傷つくから“受けていない”とウソをつきましたけど。そうやってウソをつくことにも罪悪感がある。僕は、こうした悪循環を止めたいんです。だから、僕が受けた被害やこれまでのこと、声をあげない元ジャニーズたちが何を思っているのか全部、話しますよ」 ー 引用終わり ー 肉親でさえ自分の子が「普通」ではないことを避けたがる。清純であることを子に望み、穢れを許さない。 普通」は確立されたものでもなし、固定された概念でもないから、万人にとって「普通」の人などどこにも存在しないはずなのだが。「普通」が好きな警察発表などは、異常な、あるいは一般社会の規格外の犯人像を無理やり普通に当てはめていることがしばしば見受けられる。 多様性の時代であろうとも、日本の気配りとおもてなし社会が成立する前提なので「普通」は大事だ。正当性は別として、保守王国日本では強者の論理が「普通」なので、被害者にも非、過失、瑕疵があるのではないかという観点が生じる。かくして「いじめの構造」は継続される。 解体ジャニーズ大量離脱の前兆か 岸が「TOBE」に合流元キンプリ3人が新グループ「Number_i」結成2023年10月16日 zakzak by夕刊フジ「見限るタレントさらに増える」の声 創業者の性加害をめぐり、17日から社名が替わるジャニーズ事務所にまた打撃だ。9月末に退所したばかりの元King&Princeの岸優太(28)が、滝沢秀明さん(41)のエンターテインメント会社「TOBE」に合流し、キンプリの同僚だった平野紫耀(26)、神宮寺勇太(25)と新グループ「Number_i(ナンバーアイ)」を結成したのだ。 15日、TOBEのYouTubeチャンネルで発表された。3人で生配信に出演し、新グループ結成を報告。岸が命名したというグループ名について、「一番を目指す。それ以上に大切なことは道筋」と解説し、「iはナンバーワンとオンリーワンがかかっています」と説明した。 「かつては独立から1年は活動を控えるのが通例だったが、元SMAPメンバーの独立後の活動を阻害したとしてジャニーズ事務所が公正取引委員会から注意されたこともあり、そんな空気は薄れている。〝独立、即移籍〟という流れが通用してしまうのが、ジャニーズの影響力の低下を如実に示している」と音楽関係者は話す。 ジャニーズ事務所はマネジメント業務から撤退し、新会社を設立し所属タレントとはエージェント契約を結ぶとしている。しかし影響力の低下から、タレントの大量離脱も取り沙汰されている状況だ。 「元V6の岡田准一(42)の独立も、性加害問題が起因してのことと明らかになっています。新会社もジャニーズ事務所の上層部がほぼそのままスライドすることから、看板を掛け替えただけとの指摘もある。エージェント契約にも不安が広がっており、ジャニーズを見限るタレントはさらに増えるでしょう」と続ける。 ー 引用終わり ー メリー喜多川氏を中心に展開された排除の構造が裏返しとなってジャニーズ事務所に対して展開されている。 エージェント契約に変更しても、世界企業はスポンサードを避けるのでTVキー局も避ける。成長の芽があれば、ライバルとなる芸能事務所はネットを含む様々の手法で、活躍を妨害することだろう。 いろいろと矢面に立つ東山取締役社長、井ノ原ジャニーズアイランド代表取締役社長に対しては、何を言っても各所から批判、非難が続く。夫々の妻である木村佳乃氏、瀬戸朝香氏まで発言・行動に十分な注意が必要となっている。大変な役回りだ。 平和が続く日本で、村八分状態から抜け出すのは困難なタスク。タレント養成システムに長けている「ジャニーズ事務所」は世界を目指すのがよいだろう。
2023年10月24日
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日本の大マスコミはジャーナリズムではないので、公式見解に沿わないことは問題にしないことが多い。日本のマスコミが明白な犯罪行為を前にして沈黙を保っても致し方ないことなのかもしれない。 自分たちが安全地帯にいることを確認してから騒ぎ立てるなら、ネットメディアと大きな差はないとも思える。これら「報道の自由」の範囲なのだろうか。 立花隆が田中角栄の金脈問題について月刊文春に記事の掲載を始めた時、多くのマスコミ人が「そんなことは前から知っていた」と嘯いていたという。 「巨悪」あるいは倫理観に照らして社会的に大きな誤りと思われることを知っていて問題にしないことは、ジャーナリストとして恥ずかしいことと思う完成はない。マスコミは様々のスポンサーから成り立っているので、日本の「マス」が取り上げないことを独断専行して取り上げることはない。 大マスコミはいつも「みんなで渡れば怖くない」方式の報道を行っている。 お陰様で大マスコミの政治部や社会部が各種の忖度が働き取り上げられないネタを週刊誌、月刊誌などがスクープとして取上げることができる。 大マスコミの強きになびく構造、中立性の名のもとに公式発表に依存する姿勢は、健全な社会の維持のため批判的検証を行うジャーナリズムではないことを示している。大マスコミは、情報の切り売り商売であり、今のやり方で日本での商売はうまくいく。 広告に頼らないNHKも大本営発表の広告機関に成り下がりつつある。 「しょせん芸能界のスキャンダル」ジャニーズ性加害を軽視東京新聞、沈黙責任認めた「反省記事」が話題2023年10月3日 J-CASTニュース 故・ジャニー喜多川氏の性加害問題で、東京新聞が、この問題に沈黙してきた責任を認め、「私たちは反省します」と題するウェブ版記事を出したことが、インターネット上で関心を集めている。 その姿勢を評価する声もあるが、疑問の声も出て、論議になっている。「その人権意識の低さを反省」 東京新聞ウェブ版に載った2023年10月3日付のこの記事では、「東京新聞はジャニー喜多川氏の性加害問題に向き合えていませんでした」として、喜多川氏の裁判などを担当した記者らへの聞き取り結果について編集局次長名で報告した。 それによると、喜多川氏がこの問題を追及した週刊文春側を名誉毀損で訴えた裁判で、一、二審の判決は同紙で報じたものの、喜多川氏の性加害を認めた二審については、「セクハラを認定」と03年7月16日付のベタ(1段)見出しの記事にしただけだった。最高裁が喜多川氏の上告を退け、判決が確定したときは、記事にしなかった。 そして、英BBC放送が23年3月にこの問題を報じ、4月12日に元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが外国特派員協会で会見するに至って、報道した。 マスコミへの批判も高まったため、高裁判決時に裁判を担当していた複数の記者に聞くと、「まったく覚えていない」と話したという。記事化の不利益があったわけではなく、「しょせん芸能界のスキャンダル」と軽視していたため、記憶に残らなかったとした。芸能記者も、批判的な記事を出すとやりにくいだろうなと認めたものの、ジャニーズ事務所への忖度は否定した。 しかし、記事では、「忖度がなかったからといって免罪されるわけではありません」と認めた。そして、未成年者の性被害は人権問題だとして、「沈黙」の責任を考えると、「報道に携わる者としては問題とすら思わなかったことは深刻です」と断じた。今後は、「その人権意識の低さを反省」し、「弱者に寄り添った報道を続けることを約束します」と締め括っている。 「素直に評価したい」「原因の究明と再発防止策を」 東京新聞のこの記事は、X(ツイッター)上などで大きな話題になり、様々な意見が書き込まれている。 沈黙の責任を認めて反省の意を示したことついて、「これまでの姿勢を振り返っているのは、素直に評価したい」「反省もしない新聞社より遥かに殊勝だ」と評価する声も出た。 とはいえ、責任の所在が明確ではないとして、「本当に忖度してなかったのか?という疑問が残る」「原因の究明と再発防止策を出さないと意味がない」と疑問や批判が噴出している。 実は、東京新聞の望月衣塑子記者は3月18日、BBCによる性加害報道を扱った朝日新聞のウェブメディア「GLOBE+」の記事をツイッターで引用し、こう述べていた。 「ジャニー喜多川氏の性加害疑惑は、過去にも被害者から告発もあった。氏が死去した現在でさえ、テレビや新聞、ラジオの殆どは沈黙続ける。おかしくないか」 東京新聞の今回の記事では、性加害について同紙が書き始めたのは、4月12日にオカモトさんが会見してからとしており、このときはマスコミが一斉に報じていた。 また、望月記者については、ジャニーズ事務所の会見で、性加害を受けた、行ったかについて幹部らに直接問いただしており、これは人権侵害になるのではないかとネット上で指摘された。今回の記事では、ジャニーズ報道をめぐる同紙の人権意識の低さを反省しており、望月記者も、ツイッターでその部分を紹介している。 ー 引用終わり ー 素直に記事を通じて反省した東京新聞をたたくマスコミを見ていると、日本もだんだん韓国化しているのかとも思う。 「反省したら負け」「過ちを認め詫びたら負け」の図式の転換をはかる図式をジャーナリズム、多いのか少ないのか分からないが、心あるジャーナリストに期待しよう。 マスコミも、先進諸国は悪質な人権侵害についてビジネス上の取引を許さない趨勢となっていることも踏まえて、各種の人権問題に取り組んで欲しい。 ジャニーズ事務所の新社名「スマイルアップ」に頭を抱えるプリマハム。前回会見「僕のソーセージを食え」での株価影響に続く2度目の流れ弾命中2023年10月2日 MONEYVOICE 故・ジャニー喜多川氏による性加害問題を受けて揺れるジャニーズ事務所。2日に都内で会見を行い、10月17日付で「SMILE-UP.」(スマイルアップ)に社名を変更すると発表した。 都内で開いた記者会見で東山紀之社長は「自分たちでジャニーズ事務所を解体し、被害者に向き合い救済補償を進める」と述べ、同事務所は性加害による被害者の救済・補償に専念し、タレントの育成から完全撤退するとした。 ー 引用終わり ー
2023年10月23日
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2023年9月21日、東芝は日本産業パートナーズ(JIP)など国内連合によるTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。 株主による応募比率が、TOB成立に必要な66.7%を上回る78.65%となった。 TOBで外資、モノいう株主の排除はできても、価値ある組織を外部化した後である経営の現状は変わらない。 「迷走」東芝 ようやくTOB成立、年内にも上場廃止へ...待ち受ける巨額の融資返済「物言う株主」決別後も険しい再建への道2023年10月9日 J-CAST会社ウォッチ ようやく厄介払いができても、安心はできそうにない。経営の迷走が続いている東芝のことだ。 国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)などが2023年8月8日~9月20日に実施した東芝に対する株式公開買い付け(TOB)が終了した。ただ、これで日本を代表する名門企業だった東芝が、かつての栄光を取り戻せるか、予断は許さない。 TOBの条件は1株4620円 「多くの株主の皆様に当社の考え方を理解いただけたことに深く感謝する」 東芝の島田太郎社長は2023年9月21日に発表したコメントでTOB成立を手放しで喜び、今後、株式の非公開化に向けた取り組みを進めていく考えを示した。 TOBの条件は1株4620円。買い取りに応じたのは、議決権ベースで78.65%。「3分の2以上」としていた成立条件を上回った。 11月の臨時株主総会でTOBに応じなかった株式を強制的に買い取る手続きをとったうえで、年内にも上場廃止になる見通しだ。 東芝は1949年から続いてきた上場企業というブランドを失うことになる。財界トップも複数輩出してきた名門にとって、寂しすぎる結果と言える。 島田社長「企業価値向上に向けて尽力」...呪縛から逃れ「安堵感」も? 名門凋落のきっかけは、2015年に発覚した不正会計問題だ。以降、迷走を続けた経緯は文末の年表の通りで、J-CAST 会社ウォッチでも、末尾のバックナンバーのように繰り返し報じてきた。 大まかに振り返っておこう。 最初の不正会計で責任をとって経営陣が退陣した直後、今度は社運をかけて買収したはずの米原子力大手、ウエスチングハウスが巨額の損失を出して経営破綻した。これで東芝は債務超過に陥り、危機を乗り切るため約6000億円の増資に踏み切った。これが迷走のはじまりとなる。 増資に応じたのは、海外の投資ファンドなど「物言う株主」。東芝は早期の収益還元を迫る株主の要求に振り回され続けた。 物言う株主を排除しようとした動きはことごとく失敗し、今回、JIP陣営によるTOBでようやく念願が叶うことになる。 「企業価値向上に向けて尽力していく」。島田社長の明るいコメントの背景には、物言う株主の呪縛から逃れられるという安堵感がある。 冷ややかな産業界の反応 「名門どころか、いまや二流企業」? しかし、産業界の反応は冷ややかだ。なぜか? 事情通はこう解説する。 「経営危機が続いた東芝は稼ぎ頭だった半導体メモリーや白物家電など主力事業を次々と売却してきた。いま残っている事業はどれも小粒。東芝の経営がパッとしないのは、物言う株主の責任ではない」 東芝の2023年3月期間の売上高は約3.4兆円。不正発覚前の15年3月期から半減した。収益力も他の電機大手に比べ見劣りしている。「東芝は名門どころか、いまや二流企業」(事情通)なのが実情だ。 そればかりではない。TOBも今後、経営の重荷となってのしかかってきそうだ。 米格付け会社S&Pグローバル・レーティングは9月25日、TOB成立を受け、東芝の長期発行体格付けを「ダブルBマイナス」へと2段階引き下げたと発表した。 S&Pが問題視したのは、TOBのスキームだ。 JIP陣営による買収資金は約2兆円。このうち1兆2000億円は、銀行団からの融資で賄っている。この融資の返済は今後、東芝自身が負うことになる。東芝の財務状況が大幅に悪化するのは確実だ。 「一枚岩とは言えない」とTOB参加企業 今後は国内企業の要求に振り回される?TOBには今回、オリックスや電子部品大手ロームなど東芝と関連が深い国内企業約20社が参加した。東芝はこうした企業と連携して、経営の立て直しを図る青写真を描く。数年内の再上場も視野に入れているという。 ただ、参加企業のある幹部は「国内企業の思惑は一様ではなく、一枚岩とはとても言えない」と打ち明ける。「物言う株主」という目の上のたんこぶを排除できた代わりに、今後は国内企業の要求に振り回されることになると見る経済関係者は少なくない。 こうした事情を考えると、名門復活はまだまだ先の事になりそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫) <東芝年表>2015年 4月 不正会計が発覚2016年12月 米原発事業での巨額損失を公表2017年12月 6000億円の第三者割当増資2020年 1月 子会社で不正会計が発覚2021年 4月 英投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズによる買収提案が判明/車谷暢昭社長辞任、綱川智会長が社長に復帰/CVCが買収提案を事実上撤回2021年 6月 20年の株主総会の運営が不公正だったとの調査報告書公表/株主総会で永山治・取締役会議長らの取締役再任否決2021年11月 会社を3分割する方針を公表2022年 2月 3分割計画を2分割に修正2022年 3月 綱川智社長が事実上引責辞任、島田太郎氏が後任に就任/臨時株主総会で2分割計画否決2022年 5月 再建計画の提案締め切り、非上場化8件などの提案2022年 6月28日 定時株主総会でファンド幹部2人を含む13人の取締役を選任2022年 7月19日 国内ファンドなど4陣営が2次入札に進む2022年10月 JIPに優先交渉権2023年 3月 JIPの買収提案受け入れを取締役会で決定2023年 9月 JIPによるTOB成立 ー 引用終わり ー 一流、トップクラスの組織でないと優秀な人材から外部流出する。もちろん一流には給料、年収も重要な要素。 キオクシア、ダイナブックなど将来稼げそうな目のある分野は、そこを担当する人材とともに東芝から離れていった。 キオクシアとWD経営統合3メガなど2兆円の融資で支援-関係者布施太郎、鈴木英樹2023年9月20日 Bloomberg→2兆円の内訳は融資1兆6000億円と融資枠4000億円→持ち株会社の出資比率はWDが50.5%、キオクシアが49.5% キオクシアホールディングスと米ウェスタンデジタル(WD)の経営統合を支援するため、三井住友銀行など3メガバンクが最大2兆円の融資実行に向けて検討に入った。10月半ばに融資を約束するコミットメントレター(融資証明)をキオクシアに提供する方向で融資条件などを詰めている。資金的な裏付けをすることで両社の経営統合を後押しする。複数の関係者が匿名を条件に明らかにした。 ー 引用終わり ー 東芝が一流企業であった事実と、現在抜け殻のようになっている可能性とは矛盾しない。過去の幻影にとらわれない立て直しが必要との外部からの見立てが多数派と思われる。レノボやキオクシアは大胆に変化しているが、東芝の変化の柱は今のところ見えない。 レノボ・ジャパン社長は東芝「Dynabook」立ち上げメンバー「変化への対応力とスピードが重要」2023年10月9日 ITmedia ビジネスオンライン 大手PCメーカー、レノボ・ジャパンの檜山太郎社長は世界初のノート型PC「Dynabook」の立ち上げメンバーの1人だ。日本のノート型PCの歴史や栄枯盛衰を知っている。 その檜山社長にレノボの戦略や今後の日本市場について聞いた。(武田信晃、アイティメディア今野大一) ●日本市場の位置づけは? 2005年、IBMのパーソナルコンピューティング事業部と中国レノボが統合し、新生レノボが誕生した。11年にはNECのPC事業を担うNECパーソナルコンピュータとともに「NECレノボ・ジャパングループ」を発足させ、日本での存在感も増している。 世界でのレノボグループの数字をみると、180市場に7万7000人の従業員がおり、22年度の売上高は625億ドル(9兆3209億円、9月27日現在)に達する。 調査会社「Canalys」によると、22年のPC世界シェア1位はレノボで23.9%、2位はHPで19.4%、3位はデルで17.4%だ。つまり、世界のPCの約4分の1はレノボ社製ということになる。なお、PCが祖業であるアップルは9.5%で4位につけている。 … (略) … ●経営は「変化への対応力とスピード」が重要 檜山社長は東芝が発売した世界初のノート型PC「Dynabook」の立ち上げメンバーの1人で、PCの表も裏も知っている人物だ。 「ずっとIT業界にいますが、今の時代は変化が早すぎて、過去の経営者的な経験が参考になりません。3年後、5年後、10年後に必要な経営者のスキルは、変わっていきます。それまでの経験やいろんな人からアドバイスを受けたりしながら経営的視点を身につけてきました。ですが現在は、変化に対応できるようにするための意識を持つことやスピード感が大事だと思います」 東芝からレノボという外資系企業に移ったことによって、見えたことはたくさんあるようだ。 「製造業の基盤が強いので、それまでに培ってきた文化・理念などを大事にしようとしますし、それを守るという意識が強いです。『ルールを守る』と表現すればいいでしょうか。今は基板やルールさえも見直しながら進んでいかないといけない時代に入ってきています。欧米はその辺が進んでいて、新しいアイディアも出てくるのですが、日本は周回遅れの状況です」 ー 引用終わり ー
2023年10月18日
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ビッグモーターにオートオークション疑惑が浮上。できる悪事はすべて手を染めている感がある。 中古車オークションは売り手と売り手を結びつけることで中古車の流通を促進してきた。中古車価格の相場も形成してきた。 売り手と買い手が同じなら、価格を引き上げることは容易であるため、オートオークションでは自社商品への入札を禁じてきた。 ビッグモーターはオートオークション会社のX社と癒着し、不正に手を染めてきたことが、FRIDAYで報じられた。 兼重宏一元副社長の発案だろうか? 不正発覚後も9億円の利益確保のカラクリ…ビッグモーター「オークション不正入札でボロ儲け」疑惑破格のキャンセル料、落札価格の吊り上げ、特別待遇……中古車業界の根幹を揺るがす大問題2023年09月21日 FRIDAY DIGITAL ビッグモーターの保険金不正請求に関する一連の問題が露見してから、2ヵ月が経過した。しかし、騒動はいまだに収束の気配すら見えない。 「不正が発覚した7月の全社の経常利益は約9+億円のプラスでした。これは発覚前の4月と同水準です。しかし、これは5万台ある中古車在庫の一部を売り、利益確保に奔走した結果。客足は遠のく一方で、今後はさらに厳しい成績が予想されます」(営業部門に勤務する現役社員) 現在の最大の収益源となっている中古車在庫の販売。だが、そこにも新たな疑惑が持ち上がっている。業者向けの「オートオークション」が不正の温床だというのだ。その名の通り、業者が中古車を競売形式で売り買いするセリで、全国各地のオークション会社で1週間に合計10万台以上が取り引きされる。 そんな中古車業界の根幹を成す場で、ビッグモーターは準大手のオークション会社・X社と癒着し、不正に手を染めてきたという。関東地方にある別のオークション会社に勤務するAさんが明かす。 「ビッグモーターは会社ぐるみで『不正入札』を行っているんです。オークションでは規定上、自社の出品車への入札は禁止されています。自社出品に入札できれば、思い通りに値段を吊り上げられますから、これは発覚すれば一発で出入り禁止になるほど重大な不正行為です。しかしビッグモーターは、X社主催のオークションで、この不正入札を繰り返し、価格の吊り上げを図っているんです」 そう言うと、Aさんは自身も目撃したという不正入札の実態を話し始めた。 「先日、私が落札しようとした高級車で起きたことです。私は240万円弱まで値上がったときに降りたのですが、その後も2社が残り、値段はドンドン上昇。最終的に250万円弱まで高騰しました。値上がり具合に違和感を覚えたのでX社の知り合いに聞くと、実は入札者の片方はビッグモーターだったのです。ポス番号(出品・入札業社に与えられる番号)が一致していたというので間違いありません」 … (略) … 不正を黙認するX社 現在も行われているという不正入札。AさんもBさんも「X社は認識したうえで黙認している」と断言する。それを裏付けるのが破格のキャンセル料だ。 「不正入札を続けていると、当然ながら自社の車を落札してしまうことが多々あります。だいたい3割くらいでしょうか。その場合は落札をキャンセルするのですが、通常であれば違約金と手数料で1台あたり6万円以上かかることになります。しかし、ビッグモーターはX社に対して1回のキャンセルについて数千円しか払っていないそうです。だからビッグモーターはとにかく入札して、落札してしまったらキャンセルすればいいんです。 またキャンセルしない場合もメリットはあります。落札価格は履歴として残りますし、それを参考にその後の同車種の相場が決まる。つまり、結果として相場が吊り上げられ、車を高く売れる可能性が出てくるのです」(Aさん) しかし、なぜX社はビッグモーターにしかメリットのない不正を黙認しているのか。中古車業界に詳しい自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏が解説する。 「実はX社にとってもメリットしかないんです。まずは大口取引先であるビッグモーターから優先して出品してもらえます。オークションの主な収入源は出品料や成約料ですから、そのままX社の売り上げ増加につながる。 また落札価格の相場が高くなれば、業界内では『あそこに出せば高く売れる』として、出品する業者が増えます。参加者も増え、オークション会場としてのランクも上がる。X社にとっても甘い蜜がたくさんあるのです」 オークションにおける不正入札は本当に行われていたのか。ビッグモーターの広報部門に質問状を送ると、「現在事実関係を確認中ですので現時点での回答は控えさせて頂きます」と回答があった。 またX社の広報部に不正黙認の実態について問い合わせたが、「社内で事実関係を確認しておりますので、コメントを差し控えさせていただきます」とビッグモーターと同様の回答をするのみだった。 ー 引用終わり ー X社って本当は何ていう会社なんだろう。気になるな。 ビッグモーターの中高車販売業界に与えた波紋が、損保ジャパン、ネクステージ、グッドスピード、ガリバー、X社と広がっていく。 きっとまだまだ広がるんだろうな。
2023年09月27日
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ビッグモーター(BM)が行っていた損害保険不正請求などの荒業の多くは、中古車販売業界2位のネクステージでも行われていたとのこと。 BMで常務取締役を務めた浜脇浩次社長がに2016年にヘッドハンティングされてネクステージの副社長を務めて以来、ビッグモーター化したと。 副社長から社長になったのは、業績向上が大きかったことを評価されたのだろう。 コンプライアンスへの配慮に欠ける企業が上場していたとは恐れ入る。安いニッポンでも心もまで貧しくなり切っていない証左が、多数の内部告発につながったのだろう。 次は中古車販売業界3位となるのかな。 《ルールや方針が「ビッグモーター化」》中古車販売業界第2位「ネクステージ」の不正を現役社員、元社員が続々告発!「BMよりエグい」「わざとタイヤをパンクさせて…」2023年9月6日 文春オンライン … (略) … ネクステージは中古車販売でBMに次ぐ業界第2位の大手企業だ。東証プライムに上場しており、売上高は2022年に4100億円を突破。この10年で10倍の成長を遂げている。車だけではなく、車両保険、タイヤ・ガラス保証、塗装など、さまざまな付帯サービスを販売している。 BM内で横行していた保険金の不正請求が大きな騒ぎになっていた先月、ネクステージは率先して社内調査を実施。「不正な案件は確認されなかった」と公表している。 ところが、同社の元社員はこう語る。 「不正がないなんてありえませんよ。なんならBMよりエグいことをしていましたから」 一体、どのような不正が行われているのか。代表的な事例の1つが“パンク不正”だ。現役の営業社員が明かす。 「保証サービスのひとつであるタイヤの無料交換はパンクしていることが条件。ですが中古車を買うとき、保証への加入を渋る客がいたら、保証を売るために『タイヤが古くなったら、パンクさせればいいんですよ』と客に“悪知恵”を吹き込む営業マンは非常に多かった。小さなことかもしれませんが、これは詐欺行為です」 タイヤを無料で交換する時でも整備の工賃代は別途かかり、それも売り上げとして計上できる。そのため、わざとタイヤをパンクさせたり、パンクしたように見せかける不正も横行していたという。 「太めのネジの頭だけを残してタイヤの上に載せれば、釘が刺さっているように見える。客には『パンクしていました』と写真を見せて報告し、新品のタイヤに交換する。これで工賃分数字が稼げる。無傷の古いタイヤは自分の懐に入れて、オークションで横流しするんです」 不正が蔓延する理由は「ビッグモーター化」? ネクステージでも不正が蔓延する理由について、10年以上勤める別の社員は「当たり前ですよ」と呆れて笑う。 「今の社長の浜脇浩次さんはBMで常務取締役まで務めた後にウチにヘッドハンティングされた。浜脇さんが入ってきた2016年頃からルールや方針が『ビッグモーター化』していった。そして、数字が全てだというおかしな社風になっていったんです」 現社長の浜脇氏は1993年にBMに入社。子会社の取締役を歴任した後、2016年に副社長としてネクステージに迎え入れられた。「BM仕込み」の経営手法で同社の右肩上がりの成長を牽引し、2022年には社長に就任している。 「週刊文春」に寄せられた現役社員らによる不正の告発。ネクステージの広報にひとつひとつ事実関係の確認を求めたところ、公式サイトに質問とそれに対する回答の全文を公表した。 タイヤの交換については、「タイヤが古くなれば、パンクさせれば無料で新品に交換できます」というセールストークをしていたのは事実かという問いに対しては〈当該案件は(中略)当社内で把握しており、当時はこのようなセールストークを想定していなかったため、厳重注意のみで対応致しました〉〈以降は社内文書にて懲罰基準を明記、(中略)詐欺行為となる旨記載しております〉と回答した。 ― 引用終わり ― 週刊文春オンラインの報道後、世論に左右されず頑なに車検制度を守り続ける国交省は重い腰を上げ、大臣の命令により渋々ヒアリングを開始する。 地検特捜部もあてにならず、国会での野党による爆弾質問もなくなった日本国の法治主義、民主主義のモラルは、文春によって守られているかのようだ。 平和でいいね。 中古車販売2位のネクステージも調査へ斉藤国交相、不正疑惑報道受け2023/9/8 産経新聞 斉藤鉄夫国土交通相は8日の閣議後記者会見で、中古車販売大手ビッグモーターの保険金不正請求問題を受け、週刊誌で不正疑惑を報じられた業界2位のネクステージについて、「道路運送車両法の観点から事実関係を確認したい」と述べた。調査の方法や日程は検討中だが、斉藤氏は「ヒアリングから(始める)かと思う」としている。 ー 引用終わり ー 「ヒアリングから(始める)かと思う」とは「触らぬ神に祟りなし」の姿勢を示していて分かりやすい。与党の票田に手を突っ込む恐れがあり、悪いことをする奴を取り締まる法令の整備もすすめていないのだろう。もしかしたら調査の担当官は国交省では気の毒な立場なのでは、と思ってしまう。
2023年09月13日
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続々と疑惑・不正が報じられるビッグモーターの兼重社長が7月25日、謝罪会見に登場。突っ込みどころ満載の会見と評された。 2000年6月25日に食中毒が発覚した後の雪印乳業は場当たり的な対応に終始し、新たな事実が発覚するたびに説明を翻したり弁明を繰り返し続けた。 7月4日の記者会見で、雪印乳業の石川郎社社長は「黄色人種には牛乳を飲んで具合が悪くなる人間が一定数いる。」などの説明を繰り返し、1時間経過後に一方的に会見を打ち切った。 エレベーター付近で寝ずに待っていた記者団にもみくちゃにされながら、記者会見の延長を求める記者に「では後10分」と答えたところ「何で時間を限るのですか。時間の問題じゃありませんよ。」と記者から詰問され、「そんなこと言ったってねぇ、わたしは寝ていないんだよ!!」と後世に残る失言を発した。 雪印集団食中毒事件、語り継がれる 「寝てないんだよ!」の逆ギレ会見2016年03月29日 90s チョベリー 小保方氏や野々村議員、佐村河内氏など、ここ最近は記者会見が話題となる事案が多い。会見が世間を騒がせる――といって思い出すのは、やはり雪印集団食中毒事件だろうか。戦後最大規模の集団食中毒事件である雪印集団食中毒事件、「寝てないんだよ!」の逆ギレフレーズは今も忘れられない。今回はこの事件の概要と原因について振り返ってみよう。 ― 引用終わり ― ビッグモーターの兼重社長は「社員が勝手にやったこと」、自らは知らぬ存ぜぬを繰り返した。「特に悪質な案件が書いてありました。衝撃的で一線を越えている。ゴルフボールを靴下に入れて、振り回して、損傷範囲を広げて水増し請求する。ゴルフボールで傷つける。許せません。ゴルフを愛する人への冒涜ですよ」と述べた。「ゴルフを愛する人への冒涜」という言葉がSNSなど世間を賑わせた。 一部では“史上最悪”ともいわれるビッグモーターの謝罪会見であるが、まだまだ雪印には負けていると思う。 史上最悪といわれる「ビッグモーター謝罪会見」は、どこが最悪だったのか。企業コンサルが指摘2023年8月18日 オールアバウト … (略) … はじめに申し上げておくべきは、同社は非上場企業ではありますが、全国約300店舗、従業員6000人、年商7000億円という規模を考えればその社会的影響力は非常に大きいということ。すなわち、常識的には“上場企業並みの広報対応”があってしかるべきであるということです。 したがって、上場企業並みのあるべき広報対応として、今回の謝罪会見を見てみます。 記者会見のタイミングは適切か? まず会見のタイミングから。疑惑の発端は2022年6月。複数の雑誌メディアで損害保険の不正請求疑惑が取り上げられました。ビッグモーターは社内調査で問題なしと損害保険会社に報告しますが、保険会社はこれに納得せず第三者による調査を要求。2023年1月に特別調査委員会が組成され、調査の開始が発表されました。 そして、6月26日に同委員会からの報告がありましたが、公式サイトでの公表は約半月後の7月5日でした。これを受け会見を求める声が俄然(がぜん)盛り上がり、ようやく開かれたのがさらにそこから20日後の7月25日だったのです。何度も会見を開くタイミングがありながら、あまりに遅い対応であったと言えるでしょう。 … (略) … 広報担当がいないとしても 次に会見で気が付いた問題点を挙げていきます。 冒頭、司会者が自身は社員ではなくPR会社の者であるという挨拶をしました。広報担当がいないという社内事情があったにせよ、PR会社が手伝っているという事実をいきなりオープンにしてしまったのは、感心できる話ではありません。 「PR会社がいろいろ知恵を付けているに違いない」と思わせてしまうことで、記者からの追及が一層厳しくなることが考えられるからです。PR会社がアドバイザリーで付いていると想像ができたとしても、司会は社内のスタッフがするべきでしょう。会社として真摯に受け止め対応している、という印象付けにもなります。 本会見の失敗の最重要ポイント 出席者については、社長の辞任発表を受けて新旧社長と営業、および管理の責任者が出席しました。社長と共に会見の翌日付での辞任を発表した長男の兼重宏一副社長は、会見には同席しませんでした。組織として副社長も辞任が妥当という判断に至ったということは、副社長も疑惑の責任の一端を担っていたという意味合いでもあります。 そのような状況下で副社長を会見メンバーから外したことは、同社の疑惑解明に対してしっかりと対応していこうという姿勢の欠如を感じさせる、言い換えれば隠ぺいとも受け止められる対応であったと思います。この点は、本会見の失敗の最重要ポイントでもありました。 宏行社長の会見については、すでにさまざまな批判がメディアやWeb上で見られますが、一言で言えば形式上謝罪していながら、「自分の預かり知らぬところで、社員が勝手にやった」という責任転嫁の姿勢がありありとうかがわれました。これは経営責任を担う社長の謝罪会見として、論外と言っていいでしょう。 おまけに、自己の管理責任を棚上げして、問題を起こした社員を告訴するような発言もあり(その後撤回)、会見出席者および中継を見る者の心証を著しく悪くしたことは確実です。 また、複数の質問では本人が答えず即座に担当役員に振っていたのも、社長としての管理意識の希薄さを感じさせるものでした。どの質問にも基本はまず社長が答え、詳細を担当に振るというのがあるべき会見のあり方です。 ― 引用終わり ― 日本におけるMBAの名を貶めた、多くの人が見てみたい宏一副社長は、最後まで隠し通す気なのだろう。 謝罪会見の悪い実例として語り継がれている雪印乳業、船場吉兆は共に、失敗会見の後に経営破綻を迎えた。 雪印乳業2000年 - 雪印集団食中毒事件発生2001年 - 雪印冷凍食品(後・アクリフーズ)設立2002年 - ロッテスノー(後・ロッテアイス)設立2003年(平成15年) - 日本ミルクコミュニティ営業開始2002年(平成14年) - 雪印食品の牛肉産地偽装問題(雪印牛肉偽装事件)によって雪印食品の廃業・解散を決定 船場吉兆2008年5月、「客の食べ残した料理の使い回し」を10年以上も前から行っていたことが発覚して以降、予約のキャンセルが相次ぎ、末期には3分の1程度に減少。 5月28日、大阪市保健所に飲食店の廃業届を提出し、経営破綻。 6月23日、破産手続開始決定。 ビッグモーターはこれらに続くのだろうか。
2023年08月26日
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2023年8月10日、中古車販売大手ビッグモーターは、取引のある銀行団と東京都内で会合を開き、8月半ばに期限を迎える借入金90億円の借り換えを要請した。ビッグモーターの取引銀行は三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行の3メガバンクのほか、地方銀行の広島銀行など。 ビッグモーターは、自動車保険の不正請求、車検不正、整備不正、器物損壊などが明らかにされて売上が急激に低下。事業継続に向けて資金支援を求めた。 7月28日、損保として最も多数の出向者を送り込んでいた損害保険ジャパンはビッグモーターとの保険代理店委託契約を解除すると発表した。 8月7日、信販会社大手ジャックスがビッグモーターからの自動車ローンの新規受け付けを停止すると発表した。中古車検索サイト「グーネット」も車の情報掲載を取りやめた。中古車販売事業の外堀は埋められている。 ビッグモーターは会合で銀行団に現在の経営状況を説明。各行は持ち帰って取引の継続を慎重に判断する方針を示した。 反社会的な存在とされるビッグモーターの業績の改善がみられることがないこと、事業の存続に社会的意義がないことなどから、銀行団が融資を継続することはないと見込みが各所で示されていた。 8月14日、取引銀行団は借り換え要請に応じないことが報じられた。 借り換え「応じず」=90億円ビッグモーターに銀行団2023年8月14日 時事通信 中古車販売大手ビッグモーター(東京)の保険金不正請求問題で、8月半ばが期限の借入金90億円の借り換え要請に、取引銀行団が応じない意向を示したことが14日、分かった。不正発覚後に中古車販売の不振が続いており、融資継続に慎重な見方が強まっていた。ビッグモーターは借入金を返済する方針。 同社は10日、銀行団と運転資金の確保などについて協議した。300億円以上の現預金があり、直ちに資金繰りに窮する状況ではないが、顧客離れによる販売減や信販大手ジャックスによる自動車ローンの新規受け付け停止などで、業績への影響が懸念されている。銀行団は融資を続けるリスクが高いと判断したもようだ。 ― 引用終わり ― ジャックスはビッグモーターで利用されるローン会社の半分近くを占めていたとされる。 一般に新車購入より中古車購入の方が金利はやや高く設定されており、審査が厳しく手続きが煩雑な銀行系は金利が低く(2~4%前後)、審査が比較的緩い信販会社系の自動車ローンは5~10%前後の金利が主流。 ビッグモーターは、ほとんどが実質金利9.9%+ローン回数「120回」としおり、ここでも暴利をむさぼっていたとみられている。 銀行団は在庫の販売、土地・建物などの保有資産の売却などによる借入金の早急な返済を求めるものとみられる。株式の売却などにより一体で買い取られない限り、業界1位のビッグモーターは、解体、解消されることになりそうだ。数々の悪行が明らかになった現時点で、例え買い手が現れたとしても、従業員の雇用が引き継がれることはないと思われる。 在庫の車を現金化するために、中古車オークションに出品されたとしても、整備状態が疑われるビッグモーターと分かれば、買いたたかれる可能性もある。 8月18日、ビッグモーターが再建の道を模索するなか、7月から大手コンサルティング会社デロイトトーマツグループのデロイトトーマツファイナンシャルア ドバイザリー(DTFA)が経営の立て直しに携わっていることが報じられた。 DTFAはファイナンシャル・アドバイザリー・サービスの分野で高い専門性を有しており、「2023年4~6月期の日本関連のM&A助言ランキング」国内5位。主に企業の財務に関するアドバイスやサポート、M&A(企業の合併・買収)や資本提携に関するサポートを提供している。 M&Aの話を始めるには信用するに足りる財務諸表が必須。 とりあえず銀行融資の道は絶たれた。 ビッグモーター90億円返済=銀行団が借り換え応ぜず2023年8月19日 時事通信 … (略) … ビッグモーターは10日、三井住友銀行などの3メガバンクや広島銀行と会談。一連の不正事案を説明した上で、8月半ばに期限を迎える借入金90億円の借り換えを求めた。これに対し、銀行団は融資の継続には慎重な姿勢を崩さなかったもようだ。 ビッグモーターは直近で300億円以上の現預金があり、当面の資金繰りに苦しむ状況ではない。ただ、不祥事による顧客離れで売り上げの大幅減は避けられず、業績への懸念が強まっている。 ー 引用終わり ー
2023年08月20日
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ビッグモーター(BM)の悪行が暴かれるとともに、いろいろな会社名、用語が飛び交うようになった。 いくつかメモしておこう。 ●ロイヤルファミリー(BM社内用語) ・兼重宏一副社長、本部長、常務を指す。視察にきて用意した食事に不満があると、その店長は降格になるとのこと。 様々な理由でロイヤルファミリーの機嫌を損ねて、3年間で47人が降格になったらしい。 ●兼重宏一(前)副社長 ・保険金不正請求の構造、パワハラについて大きくかかわっていそうな兼重(前)副社長は、マスコミの前に姿を現すことはなかった。 兼重宏一(ビッグモーター前副社長)の学歴・経歴!損保ジャパンに所属!2023.07.302023.07.28 yakuzatokazoku.com・兼重宏一(ビックモーター前社長)は結婚して、嫁や息子はいるのか?・高校や中学時代はどうだったのか? と、兼重宏一さんの気になる情報を今回はまとめました。 保険金問題で話題になっていますが、ビッグモーター副社長の素顔を見ていきましょう。 目 次1.兼重宏一のwikiプロフィール2.兼重宏一の身長3.兼重宏一は損保ジャパンに所属していた 1.在籍していた理由4.兼重宏一の経歴5.兼重宏一の学歴 1.中学校・高校は?6.兼重宏一は結婚して嫁と息子がいる?7.まとめ 兼重宏一のwikiプロフィール 兼重宏一さんは、大手中古車販売会社兼重宏行さんの息子さんで、副社長を務めていました。 名前:兼重 宏一 呼び方:かねしげ ひろゆき 身長:160cm前後 あだ名:コナンくん 生年月日:1988年7月17日 年齢:35歳 職業:ビッグモーター前副社長 … (略) … 2023年7月27日のニュースで、兼重宏一さんが「損保ジャパン」の前身企業「日本興亜損保」に在籍していたことが分かりました。 期間は2011年4月から翌年の6月の1年弱です。 また、損保ジャパンがビッグモーターに出向者を送り始めたのは前副社長が損保ジャパンに在籍していた2011年からで、これ以降37名の出向者を出しています。この出向者の数は、大手損保の中でも最多です。 ビッグモーターも損保ジャパンも大手企業ですから、ビジネスパートナーとして信頼を構築していたようです。 在籍していた理由 損保ジャパンに在籍していた理由は、兼重宏一さんを後継者として育成していくためです。 ビッグモーターは、創業者の家族やその家系が株式や経営をしている同族経営の会社で、先日まで、兼重宏行さんが社長、兼重宏一さんが副社長を務められていました。 同族経営であるため、後継者の育成をするために、自分の会社ではなく、同業他社や関連業種の企業へ入社・出向させるのが一般的です。 異業種や大企業などへ出航させることで、後継者・幹部候補としての広い視野や能力を身につけることができます。 そのため、兼重宏一さんは、損保ジャパンに出向となり、幹部候補生として、ビジネスを学んでいたと考えられます。 … (略) … 兼重宏一さんの経歴は以下のようにまとめてみました。・2010年6月:株式会社ビッグアセット取締役・2011年4月〜2012年6月:日本興亜損保 在籍・2012年7月:株式会社ビッグモーター 入社・2015年6月:経営学修士(MBA)を取得・2015年12月:株式会社ビッグモーター 取締役 就任 ― 引用終わり ― ●株式会社武蔵野 ・法令順守の精神に欠ける会社運営で乗員乗客もろとも知床の海に船を沈めた(有)知床遊覧船も、BMもコンサルしている会社とのことでネットで話題となった。 ダスキン事業を基盤とした経営サポートを謳っている。コンプライアンス抜きの経営サポートなのか?掃除を重視していることでダスキンは風評被害を受けないだろうか。 ・このコンサルのおすすめが、「環境整備点検」。BMは店前の街路の樹木、草を根絶やしにした。根絶やしにするのに使用されのがフマキラーの「除草王」。 経営コンサルティングの株式会社武蔵野 公式サイト ●環境整備点検 兼重宏行社長が口を濁した『環境整備点検』がBM店舗前の街路樹を枯らした。 下記は武蔵野主催ではないツアー。もし中身が違うのなら名称を改めた方がよいかもしれない。 環境整備点検同行ツアー EMPOWERMENT ●フマキラー 除草王 BMの各種不正報道、ネットでのBMに環境整備点検に関する噂で、フマキラーの株価が上昇したという。立木を立ち枯れさせる除草王おそるべし。 ●東京地検特捜部 2023年5月2日の衆議院「消費者問題特別委員会」でBM問題が取り上げられてから2か月以上たつ。法治国家日本の行政の動きは遅い。 誤認捜査などで地検特捜部の威信は地に落ち、政治ではなく経済関係中心の捜査が行われているようであるが、いまだ東京地検特捜部は動かない。 供述調書の作文がばれる時代となり、難しい事案に着手するのはやめているのだろう。 堀江貴文氏 ビッグモーターを捜査しないことに苦言「東京地検特捜部なんてそのために存在してる」2023年7月25日 東スポWEB 実業家のホリエモンこと堀江貴文氏が25日、自身の公式ユーチューブチャンネルを更新し、中古車販売大手「ビッグモーター」の不正請求問題について言及した。 「ビッグモーター」の兼重宏行社長はこの日、記者会見を行い、従業員の不正行為に経営陣は関与していないと説明した。 この会見について堀江氏は「謝罪会見自体は非常に完璧なものでですね、自分は不正には関与してない。幹部も関与してない。勝手に部下がやったことだと。それに対して刑事告発も視野に入れてやってる」と指摘。 ただ、その一方で「100人以上がやってる不正をですね、幹部が見抜けないなんて話はありえるはずもなく…。まあ、もしそうだったとしてもですね、僕がライブドア事件で捕まった時と同様ですね、『部下が勝手にやったこと』とか『分からない』とか言ってもですね、検察とかはね、そういうの聞いてくれないんで、僕はこれ、やぶへびになるんじゃないかなって気はしなくもないですね」と、自身の体験をもとに話した。 堀江氏はさらに「捜査当局は、なんでこれを捜査しないのか? 東京地検特捜部なんて、まさにそのために存在してるんじゃないでしょうか?」と疑問を呈した。 ― 引用終わり ― 東京地検特捜部は本来反米勢力撃退、殲滅のために存在しているので、こんな事案のために存在しているのではない。
2023年08月07日
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中古車販売大手のビッグモーターは、保険代理店として関東財務局に登録し、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の契約手続きを行っている。 ビッグモーターは車両を故意に傷つけて修理代を水増しし、保険金を過大請求していた。ビッグモーターは持ち込まれた車両台数に応じて自賠責保険の契約を差配していた。 ビッグモーターには損保大手の損害保険ジャパン、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険の3社が出向者を出していた。 3社は、契約者が事故にあった際に優良な修理工場としてビッグモーターを紹介。事故車両をビッグモーターに回すほど保険の契約件数が増える構図だった。 大手損保、「なれ合い」構図=事故車紹介、契約獲得にプラス―ビッグモーター不正2023年7月26日 時事通信 中古車販売大手ビッグモーター(東京)の保険金不正請求問題で、大手損害保険会社との「なれ合い」の構図が浮かび上がってきた。複数の関係者によると、損保側は自動車事故に遭った保険契約者に、提携先のビッグモーターの修理工場を紹介。その見返りとして自動車損害賠償責任(自賠責)保険契約を獲得できるプラス面があった。 大手損保は、過去にビッグモーターへ複数の社員を出向させていたことが判明している。現段階で不正への関与は確認されていないが、こうした持ちつ持たれつの関係が、不正を見逃す土壌となっていなかったか、徹底的な検証が必要だ。 ビッグモーターなどによると、同社に大手損保から紹介された台数は年間約3万台に上ったとされる。一方、ビッグモーターは保険代理店として、紹介された事故車の台数に応じて、各社に中古車の販売に伴う自賠責保険の契約を割り当てていた。 ビッグモーターの不正疑惑が浮上後、昨年6月には損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、東京海上日動火災保険の大手3社は事故車の紹介を中断。だが、損保ジャパンは、出向者を通じて不正の可能性があるとの情報を把握していながら、詳しい調査をしないまま7月には紹介を再開した。同社は「調査が不十分であり、当時の判断が誤っていた」(広報)と認めた。 26日付で辞任したビッグモーターの兼重宏行社長は25日の会見で、「(損保側の)関与は一切ない」と断言した。ただ、なれ合いで見逃された可能性がある不正のしわ寄せは、保険契約者に及ぶ。水増し請求で修理代金が高くなった結果、本来は使う必要のない自動車保険の利用で保険の等級が下がり、割高な保険料を支払った事例もある。 損保ジャパンは26日、ビッグモーターの不正請求問題を受け、社外弁護士による調査委員会を設置したと発表。時期は未定だが、調査結果は公表する。損保各社は今後、ビッグモーターから保険金を回収。被害に遭った契約者を本来の等級に戻して、支払い過ぎた保険料を返還するなど、契約者への対応を急ぐ構えだ。 ― 引用終わり ― 不正な修理でビッグモーターの収入は増える。 保険適用の修理で、ユーザーの懐はいたまない。ただし保険料の等級が翌年から引き上げとなる。 損保会社も修理代を出すことになるが、任意保険が更新されれば翌年から僅かだが保険料収入が上がる。損保加入者は保険適用で翌年の更新の時、より厚い補償を選ぶようになる可能性も高まる。 ビッグモーターと損保ジャパンとは過酷なノルマを社員に課す点、不祥事に関して「上」が「知らぬ存ぜぬ」と振る舞うことなどが似ているという。 損保ジャパンは損保の中で最も多数の多数の社員を出向させていた。 金融庁が調査に動きだしたことで、蜜月は終わりを告げた。損保ジャパンはビッグモーターの不当な優遇を止め、損害賠償請求訴訟を提起すると明らかにした。 損保ジャパンビッグモーターとの保険代理店契約を解除へ…損害賠償訴訟の準備も2023年7月28日 読売新聞 損害保険ジャパンは28日、ビッグモーターとの保険代理店契約を解除すると発表した。三井住友海上火災保険と東京海上日動火災保険も保険代理店契約を解除することを検討している。 損保ジャパンは契約解除について「ビッグモーターで起きた契約者の車の故意による損傷や保険金の不正請求の問題を受け決めた」としている。また、損保ジャパンは、保険金の返還などを求める損害賠償請求訴訟を提起する手続きを始めることも明らかにした。 ― 引用終わり ― 7月31日、金融庁は、ビッグモーターによる保険金の不正請求問題や架空の保険契約疑惑を受け、同社と損害保険7社に保険業法に基づく報告命令を出した。 ビッグモーターに対しては、保険代理店としての運営状況などについて調査。 損保7社については、代理店としてビッグモーターに自動車保険の販売を委託していることから、取引状況や契約者保護の観点で問題がなかったか調べを進める。 金融庁、大手損保などに報告命令へ=ビッグモーター不正請求2023年7月28日 時事通信 金融庁は28日、中古車販売大手ビッグモーター(東京)が保険金を不正請求していた問題で、大手損害保険4社など損保各社に保険業法に基づく報告命令を31日に出す方針を固めた。ビッグモーターとの取引状況や保険契約者への対応などについて報告を求め、契約者保護の観点で問題がなかったか調査する。 報告命令は、東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の大手4社と、共栄火災海上保険など中堅3社の計7社に出す。 損保各社は自動車事故に遭った契約者から依頼があった場合、提携先としてビッグモーターの修理工場を案内。ビッグモーターは保険代理店として、事故車の紹介台数に応じ、損保各社に自動車損害賠償責任保険の契約を割り当てていた。金融庁は、詳しい取引状況のほか保険代理店に対する管理の在り方が適切だったのか調査する。 出向者を多く出していた損保ジャパンに対しては、出向者の役割や不正請求に関与していなかったかなども報告するよう求める。 ― 引用終わり ― 損保ジャパンは「出向者が勝手にしていたこと」として済ませることができるだろうか。 三方一両損のような構図が続く限り、自動車整備業者による自動車任意保険不正請求は改まらないと思われる。
2023年08月06日
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かんぽ不正の問題の本質はユニバーサル・サービスの維持を義務付けられた低成長、低収益の郵便事業をゆうちょ銀行とかんぽ生命が支えるグループの収益構造にあると指摘されている。収益を上げて上場し、株式売却で国庫を潤すという構図は実現しにくい。 職員による年賀状や “かもめーる” のノルマ、自腹購入問題も発覚しており、郵政の現場は既に限界。売上の拡大、収益向上を優先し、現代の上場企業が備えているはずのコンプライアンス、法令順守の理念が、郵政グループに欠けていることを露呈している。 かんぽ不正巡る解雇は有効札幌、地裁判断分かれる2023/06/05 共同通信 かんぽ生命保険と日本郵便による保険の不正販売への関与を理由に懲戒解雇されたのは不当として、日本郵便の社員だった北海道内の50代男性が同社に地位確認などを求めた訴訟の判決で、札幌地裁は5日、解雇には合理的理由があり有効と判断した。全国3地裁で起こされた計6件の同種訴訟は元社員側勝訴が4件、敗訴が2件となった。 判決理由で右田晃一裁判長は、顧客に解約に伴って発生する損害の具体的金額を説明しないなど、契約が「販売実績の獲得など自己都合でされたと推認される」と指摘。「態様は悪質で会社への背信性も重大」と非難し、解雇は「社会通念上相当で有効」と判断した。 男性側は控訴する方針。 ― 引用終り ― 日本郵政グループが、かんぽ生命の個人向け保険の営業目標を今春から3年ぶりに復活させる方針を固めたことが2月に報じられた。高齢客らに保険を乗り換えさせて不利益を与えるなどの不正問題が発覚した後、営業体制は大きく見直している。コンプライアンス・法令順守の理念は、経営陣と管理監督者に徹底されたのだろうか。かんぽ生命にも金融庁の監督・監査が及ぶようになったが、不正の温床だった「数字ありき」の風土が復活しないかと警戒する声も出ている。 日本郵政グループは、ユニバーサルサービスの名のもとにヤマトグループの親書取扱い事業の参入を封じた。宅配事業でも経営面で失敗している日本郵政グループの経営陣は、日本郵便の現場では到底背負いきれない、郵便事業のネットワークをどうやって維持するのだろうか。 純粋に民間なら不正、不祥事の発生は企業の存続にかかわるとして是正に取り組む。役所はやっていること、できることに合わせて法令を組み立てるので、法令違反が少ない。郵政グループは、半官半民となっても目標達成を優先し、潰れやしないと思っている経営陣が運営しているように映る。 官営でパワーハラスメント環境で育った管理監督者ばかりの中で、経営の無理強いが新たな不正、パワーハラスメントを発生させないか、気になる。 最近は東芝など大企業の不正発覚が相次いでいるが、同じような事業運営のすすめ方の地盤があるのだろうか。
2023年08月04日
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業績好調で営業展開の拡大を続けているビッグモーターは、売上高が5年で3倍の急成長。 希望の拡大と合わせて不正、不法行為の拡大も続けているようだ。 ビッグモーター不正報道「完全黙殺」成功の諸事情メディア追求かわすも…国が動く「もうひと押し」下矢 一良 : PR戦略コンサルタント2023/05/10 東洋経済ONLINE 「客のタイヤにネジを突き立てパンクさせて、工賃を請求」「高級タイヤに取り替えたとウソをついて安価なタイヤを使い、その差額を利益にしていた」「車検を行っていたのは無資格のスタッフ」…… 5月5日号のFRIDAYの記事で、このような衝撃的なエピソードの数々が並んだ。厳しく糾弾されているのは、中古車販売大手・ビッグモーターだ。売上高7000億円、従業員数6000名、全国300店舗以上を展開し、「買取台数6年連続日本一」をうたう中古車販売業界の「雄」だ。 FRIDAYの記事を受け、ツイッターでも批判が殺到した。この「炎上劇」に対し、ビッグモーターは他の企業がまず取らない対処法をとった。否定コメントを出したわけでも、反対に謝罪文を公表したわけでもない。なんと「完全黙殺」しているのだ。 … (略) … 不祥事の指摘は、今回が初めてではない FRIDAYに追及されたビッグモーターだが、不祥事を指摘されるのは何も「今回が初めて」ではない。 2016年12月。産経新聞は「自動車保険契約の目標額を下回った販売店の店長が、上回った店長に現金を支払う『慣行』があること」、また翌年2月には続報として「この『慣行』は収益性の高い保険手数料を獲得するために兼重宏行社長の強いリーダーシップの下、行われていた」と伝えた。 昨年から今年にかけて、東洋経済も「損害保険会社への修理費の水増し請求があったこと」を特集している。(ビッグモーター、保険金不正の真相究明に新展開) そして、今年3月。朝日新聞、熊本放送、熊本日日新聞がそろって「車検で必要な検査の一部を実施せず不正合格させたとして、九州運輸局が熊本浜線店の民間車検場の指定を取り消した」ことを報じている。 ビッグモーターの不祥事を伝えているのは、何もマスメディアだけではない。ツイッターでもたびたび「炎上」しているのだ。 昨年5月には、ビッグモーターの展示車とみられる車両がナンバープレートを付けずに公道を走る写真が投稿され、大いに批判を浴びた。 10月には「無料見積もりを依頼したら、勝手にドラムブレーキを分解されて、追加料金まで請求された」とのツイートが注目を集め、1万6000を超える「いいね」が付いた ― 引用終わり ― 2023年3月の熊本浜線店の指定工場(民間車検場)が国土交通省九州運輸局から指定取り消しの処分を受けた他に、2月に道路運送車両法第94条違反として唐津店(佐賀県)が保安基準適合証等の交付停止という処分を受けていた。 YouTubeでも以前から元社員と称する人により、ビッグモーターの保険金不正請求があがっていた。順法精神のある社員は次々とビッグモーターを去っていったという。不祥事の影響などで2023年1月から3月末までで、全社員5千人のうちの約1千人が退社したという。 修理ノルマ、1台当たり14万円ビッグモーター不正で調査報告書2023年7月17日 共同通信 中古車販売大手ビッグモーター(東京)が事故車両の修理による収益として工場に1台当たり14万円前後のノルマを課していたことが17日、分かった。作業は多くの未経験者や見よう見まねで働く外国人が担っていたことも判明。外部弁護士の調査報告書は、経営陣が事業拡大に伴う十分な体制を整備せず、不合理な目標の達成を迫ったことが、自動車保険の保険金不正請求が横行した一因との見解を示した。 報告書によると、修理の工賃や部品から得る粗利の合計額がノルマとなり、「@(アット)」の隠語で呼ばれた。工賃はそもそも車両の損傷状況によって決まるものなのに、板金や塗装部門の本部は営業努力で1台当たり14万円前後を達成するよう要求。目標未達の理由を問い詰められるのに耐えかねた工場を中心に、損傷があると見せかける写真を撮って修理代を水増しする不正行為が始まり、工場長同士の情報交換によってさまざまな手口の不正が広まった。 ― 引用終わり ― 金融庁の監督下にある損害保険屋まで巻き込んで組織的不正を働くとは、凡人の想像を超える裏技だ。損保ジャパンは37名、東京海上と三井住友海上は3名ずつビッグモーターに派遣。損保3社は大丈夫かな。 ビッグモーターと損保ジャパン、不正請求の蜜月水増し請求の温床「営業ノルマ」を黙認した罪2023年7月14日 東洋経済ONLINE … (略) … ここでさらに問題となるのは、ビッグモーターの幹事保険会社であり、日本の大手損保4社の一角である損保ジャパンの動きだ。 損保ジャパンはいったいなぜ、水増し請求の温床となった営業ノルマの存在を認識していながら、これまで是正しようとしなかったのか。 「目標推進は担当業務外であったことから、目標の存在自体に違和感を抱き、その適切性や運営実態などの詳細を把握して是正するところまで至らなかった」。損保ジャパンはそう説明している。 ただ、その説明を額面通りに受け取る人物は損保業界にはいないだろう。 5人の出向者を送り込んでいた なぜなら、損保ジャパンは板金部門に5人の出向者を送り込み、工場長が集まる会議に同席したり、教育係として工場スタッフと日々やり取りしたりするなかで、営業ノルマが及ぼす影響を「間近で確実に見ていた」(大手損保幹部)からだ。 それでも営業ノルマに違和感を抱かず是正しなかったのは、ビッグモーターと当初から裏で握り合っていたからではないかと思われても仕方ない。 水増し請求の発覚当初から、営業ノルマがその温床になっていることは、業界内でささやかれていたことだ。 にもかかわらず、損保ジャパンは水増し請求の真因について、営業ノルマにはまったく触れずに、「工場と見積もり作成部署との連携不足や、作業員のミスなどによるもの」「意図的なものでないことを確認している」というビッグモーターの主張を全面支持。 不正ではなく、過失であることを損保ジャパンとしても確認したなどと言って、ほかの損保各社が停止していた事故車のビッグモーターへの入庫誘導(保険契約者から事故報告があったとき、損保や損保代理店が修理工場を紹介すること)を早々に再開した経緯がある。 その過程で何が起こったか。不正疑惑を厳しく追及してくる東京海上日動火災保険と三井住友海上火災保険の自賠責(自動車損害賠償責任保険)の取り扱いを、ビッグモーターが一部の店舗に対して「停止するよう指示」(同社関係者)したのだ。 それにより、自賠責の契約は損保ジャパンへ一気に流れていった。 ― 引用終わり ― 7月18日、国土交通大臣の斉藤鉄夫は「(不正車検が事実であれば)言語道断だ」としたうえで、不正車検にかかる道路運送車両法違反の疑義により、同社に対し事実関係の聴取を行う方針であることを明らかにした。 7月18日、ビッグモーターはホームページで調査報告書の全文並びに経営陣に対する処分を公表し、代表取締役社長の兼重宏行は1年間報酬を全額返上、その他の役員も3か月間10%~50%の報酬を返上する事を発表した。調査報告書で指摘された保険金の請求をめぐる不正行為や法律や社内ルールを順守しない組織運営について、経営陣の関与の有無には言及していない。 7月20日、ビッグモーターによる自動車保険金の不正請求問題で、対外的な賠償額が現時点では約50億円と見込まれていることがわかった。 7月21日、金融庁が同社の保険代理店としての業務実態を調査していることが分かった。 ビッグモーターの兼重宏行社長は、今回の問題について記者会見は行なっていないほか、国交省の聴取にも応じていない。 兼重社長は傍目には詰んじゃったようにみえるが、本人は逃げ切るつもりらしい。 兼重宏行社長から各店長へのLINEメッセージ「メディアの常として、全社員の2%に満たない一部のBP(板金塗装)社員の過去の不祥事でも、世間の関心を集めるために、会社全体の組織ぐるみだと決めつけて報道しています。特に、今回の件には一切関係ない、店舗とサービス工場の写真を使って、記事、動画を流しています。前回も流しましたが、営業メンバーとサービスの皆さんは、大変だと思いますが、これまで以上に、お客様に親切で誠意ある対応で、クオリティの高い、商品、サービスの提供をお願いします。会社も保険金不正請求問題の早期解消と信頼回復にメンバーを増員して、全力で対応していきます。」
2023年07月23日
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アスリートの祭典に名を借りた金と欲望の祭典、東京オリンピック2020関連の賄賂で有罪判決が下された。 2023年4月21日、東京オリンピック・パラリンピックのスポンサー契約などをめぐる汚職事件で、大会組織委員会の元理事に賄賂を渡した罪に問われた紳士服大手「AOKIホールディングス」の前会長ら元幹部3人に東京地方裁判所は執行猶予のついた有罪判決が下された。15人が起訴された一連の汚職事件、判決が言い渡されたのは初。 5月11日、東京オリンピック・パラリンピックをめぐる汚職事件で、大会組織委員会の元理事に賄賂を渡した罪に問われている広告大手ADKホールディングスの元幹部2人に東京地方裁判所は「世界的に注目された大会に汚点を残した」と指摘して執行猶予のついた有罪判決を言い渡しました。 6月7日、東京オリンピックの大会マスコットのぬいぐるみを販売した会社「サン・アロー」の元社長と前社長に贈賄で執行猶予5年の有罪判決が下った。 コロナ禍で思っていたほど売上は伸びず、有罪となり悪いことはするものではないと思ったかな。渡したときに賄賂性があるとどの程度認識していたのか、気になるところだ。 ぬいぐるみ販売元社長ら有罪判決五輪汚職2023年6月7日 FNNプライムオンライン 東京オリンピックをめぐる汚職事件の裁判で、東京地裁は、大会マスコットのぬいぐるみを販売した会社の元社長らに執行猶予つきの有罪判決を言い渡した。 ぬいぐるみ販売会社「サン・アロー」の元社長・関口芳弘被告(75)と息子で前社長の関口太嗣被告(50)は、大会マスコットのぬいぐるみ販売で便宜を図ってもらう見返りに、組織委・元理事の高橋治之被告におよそ220万円の賄賂を渡した罪に問われている。 6日の判決で東京地裁は、「ライセンス契約の締結を円滑に行ってもらおうとした」と指摘した一方、「事実を認めて反省している」として2人に懲役1年、執行猶予3年の判決を言い渡した。 ― 引用終り ― 株式会社サン・アロー(東京都千代田区)は、資本金300万円、従業員数70名。現在の代表取締役は関口 香世子氏に交代している。 公式サイト株式会社サン・アロー会社概要 胴元であるIOCが欲と金塗れであり、現在の商業主義オリンピックが賄賂体質から脱するのは難しい。「汚職事件があった国では開催できない」と言うだけならできるが、「ぼったくり男爵」呼ばれるようなトップをいだく団体では、金の流れがより巧妙に潜むようになるとしか考えられない。 下記の記事の堂場氏も山口氏も、そのような体質を重々承知と思う。国家権力の傘下にない組織、団体を規制したり、罰したりするのは難しい。武力侵攻中の国の選手の参加も認めており、もはや平和の祭典でもないと思われる。いったん止めて注意深く組織し直すことができれば、今よりはクリーンな組織ができるかもしれない。 「IOCは『汚職事件があった国では開催できない』と言うべき」東京オリンピックで露呈したスポーツ界の“悪しき体質”「第二文芸」編集部堂場瞬一さん、山口香さん特別対談 #22022.11.03 文春オンライン堂場 瞬一 オリンピックを殺す日 山口 香 オリンピック パラリンピック 東京五輪「よもや何かを決めることができる会議体ではない」汚職が次々と明るみに…東京オリンピック大会組織委の“実態”とは から続く 東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件が発覚し、大会組織委員会の元理事、大会スポンサー、関連する広告代理店から逮捕者が続出している。スポーツ小説の名手・堂場瞬一さんと、JOCの理事を務めた山口香さんが、前代未聞の「五輪汚職」の再発防止について、語り合った。(全2回の2回目/最初から読む)◆◆◆IOCは「汚職事件があった国ではオリンピックはできません」というべき 堂場 この汚職問題が解決していない段階でも、札幌市は、2030年の冬季五輪・パラリンピックを誘致しようとしています。東京五輪にかかわった人たちが、誰も責任をとっていないのに、私には信じられません。 山口 IOCは「汚職事件があった国ではオリンピックはできません」というべきです。再発を防止するなんて言っていますが、検証もできていないのに、再発防止なんてできるわけがない。 ― 引用終り ― 世に無理なことをいう人は多い。 IOCの解体再編、解体的再編を行わない限り無理。組織の金権体質は、モラルで解決、解消できる問題ではない。
2023年06月25日
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日本郵政グループのコンプライアンス感覚のなさを示す記事があった。 拡大するゆうパックの配送は、主に外部の下請け業者が支えている。下請法関連の取引関係について、過去より下請け事業者側に改善されていることに気づかないブラックな経営陣のもと、安い料金をフックにゆうパックは拡大を続ける。 郵政民営化とは、法令を遵守しない民間企業を社会に放つことではなかったはずだ。 ゆうパック「下請けたたき」値上げ拒否の代償 社内調査で判明横領・窃盗など深刻な弊害も2023年4月24日 東洋経済オンライン 郵便局と下請け業者をめぐる、極めて残念な実態が明らかになった。日本郵便は4月14日、郵便物やゆうパックの配達、集荷などを委託する下請け業者の値上げ要請に対し、不適切な対応があったと発表した。 今年2月、経済産業省・中小企業庁は中小企業に対し、発注者側の企業が価格交渉や価格転嫁について適正に対応しているかを調査し、結果を発表した。148社の状況が示されたが、日本郵便は「コスト上昇分に対して価格転嫁がなされているか」という点で「むしろ減額された」との回答が多く、最低ランクの評価だった。 これに対し、日本郵政の増田寛也社長は「ここまで低レベルの得点ということは深刻な問題が内在しているのではないか。これから突き止めていかなければならない」と語っていた。 そこで、日本郵便は全国に1001ある集配郵便局と13支社で、配達・集荷などの委託契約に関する自主調査を実施したという経緯だ。 原因は「認識不足」だが 調査の対象は2021年6月から2022年5月までの取引。下請けからのコスト上昇を理由とした委託料の引き上げ要請に対し、協議せずに据え置く、または据え置いた際に理由を文書やメールで回答しなかった例が139局、2支社でみられた。全体の約13.9%にあたる。 2022年7月に改正された下請中小企業振興法の振興基準では、価格交渉・価格転嫁について年1回以上の協議を行うことや、下請けから労務費やエネルギー価格が上昇したとの申し出があった場合に、遅滞なく協議を行うといった基準がある。 日本郵便は本社でこうした基準を認識できていなかった。「恥ずかしながら、振興基準の内容について改正があることも把握していなかった。認識が遅れてしまった」(担当者)という。そのため各郵便局や支社へ浸透させることもできなかった。 また、これまで各郵便局が下請けから要望を受けた際に、どう記録し、どのタイミングで支社に報告するか、本社と連携するかなど、手続きを明確化できていなかった。今後は書類ベースでの管理を見直し、電子化するなどで手続きの漏れを防ぐ構えだ。 現在は約5500件すべての委託契約について見直し協議を進めており、4月10日時点で2割弱が完了した。物価上昇もあるため、すべての契約の委託料を引き上げる方針だ。この原資については「会社全体の予算から生み出して実施する」など明確な説明はなかった。 日本郵便は今秋、燃料高騰や人件費上昇などを織り込み、ゆうパックの料金を値上げする予定だ。今回の全面的な契約見直しとは関係ないとしているが、一段のコスト増となれば手当ては必須。秋以降に再度の値上げに踏み切る可能性もありそうだ。 契約外の作業を押し付ける 今回公表した事例には、単に認識不足が原因とは考えられない例もあった。毎年秋ごろ、営業用のタオルを郵便局から業者に無償で配達させていたというものだ。 1つの郵便局で発覚したものだが、契約にない作業を無償で押し付ける行為は単なる下請けいじめだ。「あってはならないこと。詳細を確認し、業者にお金を支払うことを最優先で進めている」(担当者)。この件についての処分はなされていない。事実関係を確認した上で対応するという。 下請けに対して厳しい取引を持ちかけるのは、物流業界の根深い問題と言える。2022年に公正取引委員会が物流業界を対象に行った調査(3万社の荷主と4万社の物流事業者が対象)で、運送会社からもっとも多く寄せられた回答は「買いたたき」。それに「不当な利益提供の要請」が続いた。 日本郵便も荷主企業からこうした取引を持ちかけられたら苦しいはずだ。郵便物やゆうパックの配達は、下請けの協力なくして成り立たない。委託先との関係は根本から見直す必要がある。 実際、買いたたきの弊害も散見されている。近年の郵便局の不祥事では社員に加えて、下請け会社社員によるゆうパックや代金の横領・窃取の事件も多く発生している。郵便局の集配人からは「業務を放棄するなど、質の悪い業者が多い」との声もある。 一方で、下請け運送会社の幹部からは「委託料が安いのに1人当たりが運ぶ荷物量は多い。もう2度とやりたくない」という声もあった。 ― 引用終り ― 一時の利を追い求めて悪、負のサイクルを続ける日本郵政グループが、順法企業となるためには、役員とマネジメント層の頭の中と胸の内を改めないことには、変わらないと見た。 悪貨は良貨を駆逐する(トーマス・グレシャム) 郵政民営以下
2023年05月12日
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年賀はがきのノルマなど自爆営業で悪名高い日本郵便は、かんぽの不適正募集について何も反省していない。組織的な不正であり、問題なのに、一部の不心得者がした不始末としか思っていない。 不適正な業務による大きな社会問題となった事案であるが、3月24日、水戸地方裁判所は冷静に、日本郵便による懲戒解雇について無効と判決を下した。 「職員解雇」で日本郵便の敗訴が続く異常事態 かんぽ不正で解雇の6人中4人に「無効判決」東洋経済オンライン / 2023年4月8日 「懲戒解雇する事由はない」――。3月24日の水戸地方裁判所。日本郵便から懲戒解雇された元職員の50代男性が、日本郵便と衣川和秀社長を相手に起こした訴訟に、「解雇無効」の判決が下った。 「解雇無効の判決に安心した。私は一貫して顧客の意向を聞き、丁寧にやってきたのに、不適正募集の調査担当者にまったく聞き入れてもらえなかった。公の判断として、裁判所に主張を受け入れてもらえて嬉しい」。判決直後、男性は弁護士を通じてコメントを発表した。 コメントにある「不適正募集」は、かんぽ生命保険で起きた顧客の不利益につながる契約募集行為を指す。募集を担った日本郵便は、金融庁から処分を受けた。日本郵便は、男性を含めた28人を2020年に懲戒解雇。いずれも、契約者の意向に反して「営業手当や成績がほしい」という自己の都合でのみ保険の契約と解約を繰り返させた、としていた。 ところが、解雇された28人のうち6人が解雇無効を訴えた裁判は、2022年12月の札幌地裁判決を皮切りに元職員の勝訴が続く。その数は、水戸地裁の男性を含めると4人になった。 しかも札幌と水戸の両地裁判決には共通点もある。①解雇された元職員は会社の決めたルールどおりに顧客の意向を確認していた、②契約の乗り換えで不利益となることを顧客に説明していた――と認定したことだ。そのため、懲戒解雇する理由はないと両地裁は判断した。 調査と真逆の「契約者からの手紙」 「主張が認められなかったことは誠に遺憾。札幌も水戸も即日控訴した。募集人調査に伴う不祥事件等の判定については、一件一件厳正かつ適正に行っており、社外弁護士にも確認して決定した」。日本郵便は、判決の結果について尋ねた東洋経済の取材にこう回答した。 一方、ユナイテッド・コモンズ法律事務所(札幌市)の淺野高宏弁護士は、「『調査が厳正に行われた』とは到底言えない」と憤る。淺野弁護士は、札幌、水戸の裁判でともに元職員の弁護を務めた。淺野弁護士がとくに問題視するのが、「契約者の意向」をめぐる認識だ。 「契約当初は『契約者の意向に一致している』旨の調査結果となっており、かつ、水戸地裁の事件では、懲戒解雇という結果を知らされた契約者が原告に謝罪の手紙も出している。どうして契約者の意向に反していたと言えるのか」(淺野弁護士) 裁判に提出された「証人調書」によれば、契約者が元職員の男性に宛てた手紙には達筆な文字で以下のように書かれていた。 「聞けば職を失ったとのこと、それも懲戒解雇とのこと、私は首を傾げ、この文を残したいと思いました」 「母が亡くなって、私が入退院(を繰り返)している中で、契約を徐々に解約しました。子どもたちも3〜4件あったのを2件くらいにしたり、解約したり、時には加入したりと、君(=原告)は頑固な私の話を聞き、実行してくれて、30件以下の契約に減ってきましたね。私が頼んだ解約などが君の解雇につながったと思うと心苦しく、書き残すことにしたのです」 男性は懲戒解雇された当初、労働組合を介して職場復帰を試みた。「不正をした」というレッテルを貼られ、会社には何を言ってもまるで犯罪者のような扱いを受けてつらい思いをしたという。だが、訴訟を起こすと決めた頃には、現職員や元職員から男性の支援者が現れ100人を超えた。 「トカゲの尻尾切り」だったとの疑念 後日、このような問題になるような解雇に、日本郵便はなぜ踏み切ったのだろうか。 「だってトカゲの尻尾切りだもの」。水戸地裁に集まった支援者の元職員や現役職員は口々にそう言っていた。この支援者らの発言は、弁護士の見解と一致する。 「会社は公正な調査をする気持ちを持っていたといえず、結論ありきで、検討すべき証拠の存在を無視し、ターゲットにした職員の懲戒解雇を行うことに突き走った」(淺野弁護士) 「ターゲットにした職員」とは、契約と解約を頻繁に繰り返した顧客の営業担当職員を指す。ただ問題は、淺野弁護士が指摘するように「司法の場で改めて冷静に検証されると、懲戒解雇にまったく理由がなかったことが次々に明らかになっている」ことだ。「この現実を会社はしっかりと受け止めて真摯に反省し、職員への対応を見直さなければ、かんぽ募集は本当の意味で改善に向かわないのではないか」と、同弁護士は危惧する。現状のままだと、現役職員から次のような疑問の声が上がってくるのも仕方がない。 「会社は組織ぐるみであることを否定するために、あくまでも『現場の渉外社員が己の利益のためにやった』ことにしたかったのではないか。『これだけ懲戒解雇しました』と監督官庁やマスコミに数字で示すために『処分ありき』だったのではないか」(東京の現役職員) 淺野弁護士とともに、懲戒解雇された元職員の代理人を務めたのが倉茂尚寛弁護士。同弁護士は、「一連の判決は日本郵便やかんぽ生命の調査・検討の不十分さを明らかにするもの」と述べたうえで、次のように糾弾する。 「懲戒解雇は極刑とも比喩される重大な処分であり、公私ともに重大な影響を与えてしまう。調査、検討を尽くさずに懲戒解雇処分したことは問題と言える。そもそもかんぽ不正問題は、日本郵政グループ全体の構造的な問題に起因するものであり、これを末端の現場社員のみに責任を押し付けることは許されるものではない」 ― 引用終り ― 解雇と懲戒解雇は大きく違う。現代においても日本郵便は、職員に重い処分を下し「詰め腹」を切らせることで、自分たちマネジメント層の責任を回避できると思ったのだろう。 今回の判決は、日本郵便をはじめ日本郵政グループに現代の法令順守の精神(コンプライアンス)が欠けていることを表している。 日本郵政の定例会見で、増田寛也社長は、「日本は三審制。二審でも解雇無効なら考えるが、今のところ(懲戒解雇が適正だったかを自ら)検証をするつもりはない」と述べた。水戸地裁の判決後の定例会見でも増田社長は、「調査のプロセスに誤りはなかった」と強調した。 これは組織的な責任を取るつもりがないことを示唆している。現場の事情を理解しない裁判官が間違ってるとでも思っているのだろう。 親方日の丸
2023年04月17日
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2023年2月17日、金融庁はエヌエヌ生命保険に業務改善命令を出した。節税ニーズに応えるために、経営陣の関与の下、組織的に「節税保険」を開発・販売していたため、経営体制の見直しを含むガバナンス態勢の抜本的な強化などを求めた。金融庁が「節税保険」で業務改善命令を出すのは、2022年7月のマニュライフ生命保険以来2件目。 「節税保険」とは、低解約返戻金型逓増定期保険という商品を利用した「名義変更プラン」と呼ばれる租税回避行為。 金融庁、エヌエヌ生命保険に業務改善命令発動へ 「節税保険」で組織的な不適切販売を問題視 2023年2月10日 東洋経済オンライン 金融庁は2月中にも、外資系のエヌエヌ生命保険に対して、保険業法に基づく業務改善命令を出す方向で検討に入った。金融庁は法人向けの「節税保険」をめぐる不適切販売について問題視しており、2022年2月に報告徴求命令を出したほか、同年9月からは立ち入り検査に踏み切って実態を詳しく調べていた。 保険の「節税売り」に鉄槌 金融庁が問題視しているのは、低解約返戻金型逓増定期保険という商品を利用した「名義変更プラン」と呼ばれる租税回避行為だ。 同商品は契約から5年が経過すると、契約者が受け取る解約返戻金が大きく跳ね上がる仕組みになっている。また契約名義を法人から個人に移すと、解約返戻金は税制上一時所得の扱いとなる。そうした仕組みを利用して、5年目を迎える直前に名義を法人から個人に変更して契約を譲渡することで、税負担を一時的に大きく軽減するというものだ。 節税保険をめぐっては、金融庁や国税庁が2019年以降、不適切販売について取り締まりを強化している。こうした名義変更プランによる租税回避行為は、2021年6月に国税庁が実施した所得税基本通達の改正によって封じられたほか、通達改正以前の過去の契約についても、さかのぼって節税を不可能にする厳しい措置を講じていた。 過去の契約にもさかのぼることで影響を受ける契約者が多いという重大性を踏まえて、金融庁は名義変更プランの売り込みに汗を流していた一部の生命保険会社に対する監視を強化。調べを進める中で、2022年7月には外資系大手のマニュライフ生命保険に対し行政処分を下している。 ― 引用終り ― 2月20日、金融庁が、国内生命保険大手の明治安田生命保険に立ち入り検査に入る方針を固めたことが報じられた。 同社は営業職員による着服などの不祥事を昨年公表しており、こうした職員への管理体制を中心に調べる。節税対策などに使われる中小企業の経営者向け保険の販売についても問題がないかどうか確認する。 【速報】金融庁、明治安田生命への立ち入り検査開始2023年03月04日共同通信 金融庁が、明治安田生命保険への立ち入り検査を始めたことが4日、分かった。営業職員による保険料の着服などの事案を受け、管理体制を調べる。 ― 引用終り ―
2023年03月14日
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国立病院機構グループ病院で「残業代未払い」が横行しているという。 規則で雁字搦めにされている組織で、管理監督職が自らの裁量の余地を発揮し、権威付けするため、残業代を恣意的に支払うようになったのだろう。 仕事にミスが許されず、理不尽が横行する職場に働きたいと思う者は少なくなる。 看護師の資格があっても、人気の職種は定期健康診断などの仕事の予定が明確で、突発的な時間外がないところだと聞く。 理不尽な職場で働きたいと思う者が少ないため、コロナ禍で不足する看護師が問題になっていた。看護師資格保有者数と実際の労働者数には大きな差があるが、その差が縮まったという話は聞かない。 平均寿命と健康寿命との差が10年ぐらいある日本で、日本人が働く気になる職場にしないと、看護師不足は益々激化する。 残業代の未払いをすすめている関係者は、自分が大きな社会悪をなしていることに気が付いていない。 「仕事が遅いからでしょ?」「本当に必要?」国立病院機構グループ病院で「残業代未払い」が横行2023年2月21日 文春オンライン 独立行政法人国立病院機構(NHO)に所属する全国の病院で働く看護師に対して、残業代の未払いが常態化していることが「 週刊文春 」の取材でわかった。こうした看護師への処遇は労働基準法に違反する疑いがある。小誌には2月20日の時点でNHOの看護師101人から告発が寄せられており、多数の看護師が証言した。 NHO傘下の多くの病院では、看護師が残業する場合、上司に「〇時間残業したい」と事前に申請する仕組みで、通らなければ残業代は支払われないという。 「仕事が遅いから」と言われ残業の申請が却下 東京医療センターの元看護師が語る。「若い人ほど、申請は通りません。新人の頃、朝の7時から深夜0時すぎまで働くこともありましたが、『自分の仕事が遅いからでしょ?』と、言われ、残業代は全く貰えませんでした」 大阪南医療センターの看護師は、「職場での厳しい上下関係がサービス残業の横行につながっている」という。「最近、勤怠がハンコ管理からICカードに変わりましたが、残業は変わらず申告制。退勤の打刻と定時に30分以上の乖離があると上司から『何の時間? 本当に必要だったの?』と問い詰められます。もちろん残って仕事をやっていたのですが、結局、責められるのが嫌で打刻をしてから仕事に戻ってサービス残業をする看護師が多い」(同前) 子育て世代の看護師も例外ではない。 「子供が子供が未就学児のため、夕方までの時短勤務をしています。夜勤の同僚への引継ぎや、退勤直前で具合が悪くなる患者さんもいるので、定時には上がれませんが、『時短なんだからその時間に終わるのは当たり前。終わらないならフルタイムにすればいい』という認識で、残業代を申請できる雰囲気がない」(東京医療センター看護師) 「支払いなし」が“当然のルール”の「前残業」とは とりわけ、看護師の中で“当然のルール”となっているのが、「前残業はタダ働き」だ。 「担当していた看護師からの引継ぎや、患者さんのデータを読み込む必要があり、大体30~45分ほどを要します。しかし、勤務時間には組み込まれておらず、ほとんどの看護師が自主的に早めに来て行っている。前残業分の給与は10年以上の間、一度も支払われたことがありません」(東京医療センター看護師) 今回取材に応じた看護師で、前残業代が支払われているという看護師は一人もいなかった。 労働問題に詳しい旬報法律事務所の佐々木亮弁護士は、こう指摘する。 「仕事に必要な資料の読み込みは労働時間に含まれ、賃金を払わないのであれば労働基準法違反になる。実際の残業時間を申請しても認めない場合も違反に当たります」 看護師への残業代の未払いについて、NHO本部に聞くとこう回答した。 「労働実態があるものに関しては手当を支給しております。超過勤務を申請しづらいとか、出せない環境があるなど、ハラスメント感覚でいうところがあるとすれば、勤務時間管理の考え方、上司としての管理の仕方などを伝わるように教育する、そういう研修を進めております」 ― 引用終り ― 法令違反をしているブラックな組織に、正義はない。 国立病院機構(NHO)とは、全国141ヶ所ある医療施設を運営する厚生労働省管轄の独立行政法人。厚生労働省直下で運営をおこなっていた国立病院を法人化する形で、平成16年4月に独立行政法人として誕生した。 国立病院は「独立行政法人 国立病院機構」が経営するのに対して、私立病院を経営するのは医療法人。 国立病院は国の援助によって運営しているため、休日や評価制度・業務内容などは厚生労働省はじめとする国の指定したものになる。私立病院は経営母体によって休日などを定めることができるため、国立病院と比較すると自由度が高いとされる。 国立病院は全国に141、私立病院は約40倍の5,758で、国内にある医療施設の約70%を占める。 国立病院機構出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 独立行政法人国立病院機構(こくりつびょういんきこう、英: National Hospital Organization、略称: NHO)は、医療の提供、医療に関する調査・研究並びに技術者の研修等を行う日本の独立行政法人(中期目標管理法人)。厚生労働省が所管する。 日本最大の病院ネットワークであり、全国に140の医療施設(病床数約52,000床)の他、看護学校、助産学校等の付属施設を有する。職員数は約59,000人で 本部は東京都目黒区東が丘に所在する。 また、全国を6地区に分け、各地区毎にグループ事務所を設置している。 2004年4月1日、厚生労働省所管の施設等機関であった旧国立病院・国立療養所(国立高度専門医療センター(当時)と国立療養所のうち国立ハンセン病療養所を除く)を引き継ぐ形で、特定独立行政法人(公務員型)として発足した。 ― 引用終り ―
2023年03月07日
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不正を働く企業にとっては行政関係の仕事はうまみがあるようだ。 オリンピックでおいしい思いをした人材派遣サービスのパソナが、今度はコロナ禍対応でおいしい思いをしようとして、過大請求が発覚した。 人口減、低経済成長下でも公共的なイベント、臨時的行政サービスなどは「稼げる」ということらしい。 下記は東京オリンピック2020時のパソナの荒稼ぎの構造についての記事。 「東京五輪の日当は35万円」国会で暴露された東急エージェンシー、パソナへの"厚遇"PRESIDENT Online「AERA dot.」 … (略) … 答弁に立った組織委の布村幸彦副事務総長は業務委託契約書と内訳書が「五輪組織委員会と民間事業者の契約書の一部。当事者が適切に保管すべきもので外部流出は遺憾です」と組織委と東急エージェンシーで締結された書面のコピーだと認めた。 そして、なぜ業務委託契約費が高騰しているのか。斉木議員はその理由を問いただした。 そこで登場したのが、人材派遣サービス大手「パソナグループ」だ。同社のホームページによれば、<東京オリンピック・パラリンピックでは「人材サービス」カテゴリーにおける『東京2020オフィシャルサポーター』契約を締結>と記されている。 斉木議員がさらに委員会で内部資料<TOKYO2020 パートナーカテゴリー>に基づいてスポンサー保護の項目が定められている、と暴露。次のように質問した。 「例えばソフトドリンクはオフィシャルスポンサーのコカ・コーラ。アルコールはアサヒビールと縛りがあります。人材サービス分野はパソナグループとリクルートホールディングス。人材派遣はパソナにだけというパートナー契約ではないか」 組織委の布村氏は「一般論としてはその通りです」とアッサリ認め、こう答えた。「組織委の約4000人の3分の2の職員は、国や東京都、スポンサー企業などからの出向であります。残りの3分の1はパソナから優先的に派遣されています。しかし、大会運営業務委託は専門性もあり、パソナ以外のところからも派遣してもらっている」 パソナグループは五輪スポンサーで、人材派遣サービスとして優先されているという。大会運営業務委託は43会場で契約されており、契約者として東急エージェンシー以外にも、電通や博報堂など大手広告代理店が名を連ねる。 組織委がパソナグループ以外から人材派遣サービスを受ける場合、「パソナグループでないところから派遣を受ける旨、組織委に書面で承諾を受けないといけない」と斉木議員が明かした。 ― 引用終り ― パソナはコロナ禍の対応についても商機を見出し、手広く対応した。 東京オリンピックの時の電通同様、元請けとなっただけで、コールセンター業務自体は全面的に再委託(丸投げ)したということのようだ。 2023年2月10日、新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、大阪府枚方市など3市からコールセンター業務を受託していた人材派遣会社「パソナ」(東京都)は、再委託先の企業がオペレーターの人数が足りないのに虚偽報告し、委託料計約10億8000万円分を過大請求していたと発表した。 パソナによると、再委託先はコールセンター業務などを手がけるエテル(大阪市)。2021年3月から22年12月にかけて、大阪府枚方市に約3.6億円、同吹田市に約2.7億円、兵庫県西宮市に約4.5億円の過大請求をしていた。 エテルは発注書にあったオペレーターの人数を実際は確保していないのに、確保したとうその報告をした。パソナへの業務報告書には、電話の対応件数や応答率などを水増しして記載していた。 市民からは「電話がつながりにくい」などの苦情が寄せられており、パソナは「管理不行き届きにより、市民の皆様に多大なご迷惑をおかけした」と謝罪。 3市に返還した上で、再委託先の「エテル」(大阪市)に損害賠償を求めるとしている。 パソナの広報担当者は「再委託先への管理が行き届いておらず、多大なご迷惑をおかけしたことをおわびする」と謝罪した。 コロナコールセンター業務、再委託会社が水増し請求西宮市が「パソナ」に4億5千万円返還請求へ2023/2/10 16:09神戸新聞NEXT 兵庫県西宮市は10日、新型コロナワクチン接種事業のコールセンター業務を委託した人材派遣会社「パソナ」に対し、約4億5千万円の返還を求めると発表した。パソナが業務を再委託した業者「エテル」(大阪市)が、オペレーターを契約より少なく運営した上で虚偽の報告をしていた。エテル社は大阪府吹田市、枚方市でも同様に虚偽報告していたといい、3市への過大請求額は総額で約10億8千万円に上るとみられる。 ― 引用終り ―
2023年02月18日
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日野自動車は大企業としてパワーハラスメントを含むハラスメントを罰する社内規定、通報制度、社内教育を実施していたことであろう。 報告したことに対する報復も禁じられていたことだろうが、パワハラ体質の企業では報復を恐れて制度は機能しない。 都合の悪い事実を聞きたくない上司によるパワハラは嘘の報告をすることを通じて不正につながる。、性能不正の根底にパワハラ体質がマネジメント層に岩盤として存在する。 親会社のトヨタが存在し、強力に体質の是正を指導することで、日野自動車は体質を是正できる 日野自動車、「性能不正の背景にパワハラ体質」指摘受け社内処分を厳罰化…懲戒解雇も2022年12月13日 読売新聞オンライン 日野自動車は13日、性能試験を巡る不正の背景にパワーハラスメント文化があったことを踏まえ、同様の行為に対する社内処分の厳罰化を発表した。最も軽い処分でも減給とし、懲戒解雇も選択肢とするという。 同社では従来、パワハラに対する処分は「けん責」~「減給」だった。11月末に社員に厳罰化を周知した。日野を巡っては、エンジン性能検査において相次いで不正が発覚した。外部の特別調査委員会は、不正の背景として、職場上司の人格否定する発言や、仕事上のミスに対する行き過ぎた批判行為といったパワハラ体質を指摘した。 同社がパワハラ対策を強化した今年8月以降、年2、3件だったパワハラ相談件数が11月末時点で約60件に増えているという。 ― 引用終り ― リコール隠しを繰り返した三菱自動車も、根底にパワハラ体質があり、その是正がはかられなかったので不正を繰返し、日産の軍門に下ることになった。 パワハラ体質の中を勝ち抜いてきたマネジメント層は、その体質が当たり前のことと思う。 「甘いことを言っていたら勝ち残れない」と考え、経営者とマネジメント層が企業のために良かれと思い、企業固有の伝統、風土であるかのようにパワーハラスメントを続けていると、企業を滅ぼすことにつながる。 ベンチャー企業はもちろん、「名門企業はパワーハラスメントがもたらす不正に注意」という警告が浮かび上がってくいる。
2022年12月24日
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東京オリンピック2020では、電通、電通OBばかりが不正な取引等でニュースに取り上げられてきた。 ADKや博報堂DYホールディングス傘下の「大広」の名を聞き、広告代理店の広がりを感じていた。 このたび、博報堂、東急エージェンシーの名も挙がって、東京オリンピック2020の甘い汁を大手広告代理店がオールニッポンで吸い尽くそうとしていたことが明らかになった。 次は大阪万博。 かようにして税金は一部の者たちを潤すべく使用される。それらの人々に自公連立政権維持は必須となる。 五輪談合、博報堂など捜索=テスト大会で受注調整疑い―東京地検・公取委時事通信 / 2022年11月28日 11時13分 東京五輪・パラリンピックのテスト大会を巡る入札談合事件で、東京地検特捜部と公正取引委員会は28日、大会組織委員会発注の計画立案業務で受注調整を行ったとして、独禁法違反(不当な取引制限)容疑で、広告大手「博報堂」(東京都港区)などを家宅捜索した。 25日の広告最大手「電通」、イベント大手「セレスポ」に続く捜索。電通を中心に受注調整が行われた疑いがあり、特捜部と公取委は担当者らから事情を聴くとともに押収資料を分析して全容解明を進める。 他に捜索を受けたのは、広告大手「東急エージェンシー」(港区)、イベント会社「セイムトゥー」(千代田区)。 ― 引用終り ― 各広告代理店がイベントの企画・運営を担った場合、各々の傘下・系列のイベント会社が分け前に与る。 政治にメスを入れられなくなった東京地検特捜部は、政治の近くの経済事案の捜査、摘発に専念することになったのだろう。 東京オリンピックは事実上行政が主催するイベントであるが、広告代理店のモラルが問われる論評が続く一方、いまだ政治家、行政、元政治家の名前が一切でてこないのは、奇怪至極。 電通・博報堂に続きADKも…広告業界トップ3すべてに強制捜査のメス2022/11/29 讀賣新聞オンライン東京五輪汚職 東京五輪・パラリンピックのテスト大会事業を巡る入札談合事件で、東京地検特捜部と公正取引委員会は29日、新たに大手広告会社「ADKマーケティング・ソリューションズ」(東京都港区)と同「電通」のグループ会社で広告制作会社の「電通ライブ」(千代田区)を独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で捜索した。 広告業界では25日に電通、28日には「博報堂」や「東急エージェンシー」が捜索を受けており、電通、博報堂、ADKの業界トップ3にいずれも強制捜査のメスが入る事態となった。 電通ライブが入るビルには29日午前10時頃、特捜部の係官ら5人が捜索に訪れた。同じ頃、ADKマーケティング・ソリューションズのある建物にも係官ら3人が入っていった。 特捜部と公取委は、大会組織委員会が2018年に実施した各競技のテスト大会を計画立案する業務の入札26件で談合の疑いがあるとみて捜査。電通や博報堂など計9社と一つの共同事業体が受注しており、落札総額は5億円余りに上る。このうち、ADK側は「有明体操競技場」などの計画立案業務3件(計約1億円)を落札。電通ライブは「釣ヶ崎海岸サーフィン会場」(約1100万円)をそれぞれ落札していた。 ADK側は、課徴金減免(リーニエンシー)制度に基づき、公取委に違反を自主申告している。 特捜部と公取委は25日に電通やイベント会社「セレスポ」などを、28日には博報堂など4社を捜索。組織委側や電通などがあらかじめ落札企業を決めていたとみて、電通幹部らに対する任意での事情聴取を行っている。 ― 引用終り ― 平和の祭典、アスリートの祭典の美名のもとで開催されるカネのかかるオリンピックをめぐる汚職・談合事件の発覚で、2030年の冬季五輪の札幌招致は非常に厳しい状況になった。 東京五輪・パラリンピックの裏側は〝真っ黒〟。 どうりで都知事が小池氏に代わったとき、東京都の自民党が熾烈な反対闘争を行ったわけだ。
2022年12月06日
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大きすぎて潰せない東芝は、安全保障などの観点もあり、外資に買収されず国内企業として残った。 下記の記事は、東芝を倒産させられない事情と復活のためのリーダーが不在の状況を描いている。 【復活できない名門「東芝」】“倒産せず”で再建は泥沼に、リーダーも見当たらずマネーポストWEB 2022年11月21日 “日の丸家電”の一角だった東芝が国内企業十数社の共同出資によって買収され、ついに非上場化に向かう見通しだ。これから本格的な再編へと舵を切るが、社員12万人には“茨の道”が待っている──。『東芝解体』の著者・大西康之氏がその深層に迫る。東芝再建が泥沼化する背景には5つの理由があり、ここではその2つを紹介する。【全3回の第1回】 「東芝解体」が始まる。東芝との優先交渉権を持つ国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)が2兆2000億円程度の買収提案を出した。実現すれば投資ファンドの元で不採算事業や不稼働資産の売却、人員削減といったリストラが加速する。 だが経済産業省の影が見え隠れする今回の手法では、かつて死地からの生還を果たした日本航空(JAL)や日産自動車のような復活劇は望めそうにない。国家に取り憑かれた東芝を待つのは「緩やかな死」。東芝再建が泥沼化する背景には、企業再生の原則を無視した5つの理由がある。 【1】「倒産」は極めて不都合 まず東芝再建が泥沼化する最大の理由は「倒産しない」ことだ。 東芝は2017年に約6000億円の増資をしているが、この時点で2年連続の債務超過だった。2015年に発覚した粉飾決算がなければ、財務の破綻はもっと早く表面化していたはずで、裁判所に会社更生法か民事再生法の適用を申請して「倒産」するのが、最も一般的かつ確実な再生の道だった。 なぜ倒産した方が再生しやすいのか。それは裁判所が選任した管財人が全権を握り、コストカットを一気呵成に進められるからだ。 2010年に2兆3000億円の負債を抱えて倒産したJALは、会社更生法が適用されたことにより、1万6000人の人員削減や金融機関による5215億円の債権放棄、資本金2150億円の100%減資などが実行された。さらに不採算路線の廃止や維持費の高かった大型機103機の退役など、政治的なしがらみで手をつけられなかった部分に大鉈を振るった。 会長に就任し再生の立役者となった稲盛和夫氏は筆者の取材に対し「倒産という劇薬を使っていなかったら、再生は難しかった」と語っている。 だが東芝は倒産しない。改正外為法で国が特に重要な「コア業種」として位置付ける原子力事業を抱え、防衛省からレーダーシステムなどの開発を委ねられているからだ。外資が買収する時にも国の重点審査が必要になる。 東京電力福島原発事故の後始末である廃炉作業を請け負っているのも東芝だ。そんな会社が「倒産」するのは経産省にとって極めて不都合であり、国家の沽券にかかわる。 だから、東芝が粉飾決算という上場企業にあるまじき行為を働いた“不良企業”であるにもかかわらず、政府は総力をあげてその倒産を阻止してきた。今回のJIPによる買収も、その前に浮上した「会社分割案」も、要は倒産を回避するための弥縫策に過ぎない。 株主、債権者、取引先、経営陣、従業員。それぞれのステイクホルダー(利害関係者)が上場廃止、債権放棄、経営陣の総入れ替え、大規模な人員削減で痛みを分かち合い、事業再生を目指すのが「倒産」である。 良薬口に苦しの諺通り、関係者の痛みは小さくないが、重荷を取り払われた分、会社は早く復活する。国の都合と経営陣の保身で良薬を口にできない東芝は、病に蝕まれたまま衰弱していく。 【2】「リーダー」がいない 倒産せずに復活した企業もないわけではない。1990年代の終わりに約2兆円の有利子負債を抱え「倒産寸前」と言われた日産だ。ダイムラークライスラー(現ダイムラー)との資本提携に望みを託していた日産は、そのダイムラーに支援を断わられたが、1999年に仏ルノーから6430億円の出資を受けて生き延びた。大株主になったルノーは副社長だったカルロス・ゴーン氏を送り込み、苛烈なリストラを断行させる。 … (略) … 「粉飾に関わっていなかった」という理由で社内昇格した室町正志氏、綱川智氏は、それぞれ思惑が異なる経産省や投資ファンドとの利害調整に追われ、その後を受けた銀行、投資ファンド出身の車谷暢昭氏は、外部から招聘されて東芝を立て直して経団連会長になった石坂泰三氏、土光敏夫氏に自らを準えたが、かつて自分が在籍していた投資ファンドに東芝を売却しようとして批判を浴び、辞任に追い込まれた。 現社長の島田太郎氏はこの車谷氏が社長時代に「DX(デジタルトランスフォーメーション)の専門家」として招き入れた人物である。鈍重な重電メーカーからソフトウエアの会社に変身した独シーメンスで同社のDXに立ち会った経験を買われての東芝入りだったが、外資に20年近く身を置いただけあって社内遊泳術に長け、車谷氏の降板で真空状態になった東芝で社長の座を射止めた。 ― 引用終り ― 不正の積重ねをうまくやっていることで生き残ってきたマネジメント層に、正常な判断ができる者、現在の経営陣の思いつかない革新策を唱える者は社内に残っていないことだろう。 自己革新ができない企業体であれば会社分割して各々の得意分野で生き残りをはかるのが定石。 非上場化を経て「解体」というのが普通の道。
2022年12月03日
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農業が金儲けの点で振るわないので、多くの農協が金融・保険事業に力点を置いている。 会計監査院以外の国の役所は、基本的に他の省庁の懐に手を突っ込まないので、JA共済のやることに金融庁は手を突っ込まない。 ただし、日本郵便の簡易保険事業のようにトラブルが社会的に大きく知られるようなならない限りだ。 A共済「自爆営業」平均額は月5.4万円!?職員ら1386人の声で判明した“ワーストJA”ダイヤモンド編集部千本木啓文:記者2022.10.31 4:00 『週刊ダイヤモンド』11月5日号の第1特集は「JAと郵政 『昭和』巨大組織の病根」です。農協と日本郵政は、いまや「変われない組織」の代名詞です。問題は、前時代的なノルマ営業や“自爆推進”だけではありません。耳を疑うような露骨なパワハラやセクハラが横行し、それらを隠蔽(いんぺい)する古い体質も温存されたままです。若手の職員や社員から見放されつつある巨大組織の病根を徹底解明します。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文) 怒れる農協職員らが不正を告発若手職員を流出させる「昭和」の事業推進 ノルマを達成するために、農協職員が自腹を切って本来不要な共済(保険)に加入する「自爆営業」が多いJAはどこか――。 … (略) … JA共済連の会長の地元農協がワースト1位は偶然ではない 農協職員へのアンケート結果を基に、自爆営業の平均額や期間、ノルマを課された職員の範囲などを総合評価して作成した、「JA共済“自爆営業”農協ランキング」のワースト1位は、JA晴れの国岡山だった。奇しくも農協の共済事業の大元締めである、JA共済連の現会長である青江伯夫氏の地元の農協だ。 JAグループでは、JA共済連など全国組織の会長を地域の農協幹部らが兼務する。そして、全国組織のトップを輩出した地域の農協は、その全国組織が課すノルマ推進に一層力を入れなければならない不文律がある。つまり、農協の組合長が全国組織で栄達するのは、地元の職員にとってはいい迷惑なのである。 ワースト1位になったJA晴れの国岡山の特徴は、金融の渉外担当者だけでなく、営農指導員など保険の専門知識を持たない職員にまでノルマを課していることだ。 JA晴れの国岡山には特有の問題がある。合併前の旧農協によって、金融の渉外担当者「以外」の職員が課される共済のノルマに隔たりがあるのだ。 職員の採用は旧農協ごとに行なわれているため、職員の中には「自分には共済のノルマがあるのに、同期入社で同部門でも共済のノルマがない職員もいる」という不公平感を抱いている。 そうした不満もあり「金融部門以外にも共済のノルマを課す旧農協(旧JA岡山西)の若手職員の離職率が50%にはね上がり、ノルマを課さない旧農協の離職率10~20%を大幅に上っている。しかも、こうした人事の大問題が放置されている」(ある中堅幹部職員)という。 ― 引用終り ― 日常的に法令違反、不正をしている組織は、社内のモラルも一般社会の「常識」と異なることが大半で、ブラック企業であることが多い。 安定した就職先、社会に貢献する企業と思って農協に就職して、時代離れしたブラック企業と知った若者は離職した。 そんな事例として農協と日本郵政が下記の記事に取り上げられている。 残るのは誰か?...東洋経済「コンサル・弁護士・税理士」ダイヤモンド「JAと郵政」エコノミスト「バイオ医薬株」を特集J-CAST会社ウォッチ 2022年11月2日 … (略) …農協でも不適切販売、流出する職員 「週刊ダイヤモンド」(2022年11月5日号)は、「JAと郵政 『昭和』巨大組織の病根」と題した特集。日本郵政傘下のかんぽ生命保険では不適切販売が発覚したが、全く同じ問題を抱えているのが農協だという。2つの巨大組織の病根に切り込んでいる。 いま、2つの巨大組織から有能な若手職員が流出しているという。たとえば、三重県のJA津安芸では、21年度に職員数235人のうち47人が退職した。中堅若手ばかりを「自爆営業」で苦しめることが原因だという。 かんぽ生命保険で問題になった不適切販売と同様の問題が、農協ではいまだに横行し、しかも農協の不正の方が深刻だと指摘している。日本郵政が扱うのは生命保険が中心だが、農協は生命共済だけでなく、建物更生共済や自動車共済など幅広い商品を扱っており、不正の温床となる領域が広いというのだ。 インサイダー取引が発覚し、辞意を表明した奈良県のJA幹部が半年間も残留し、院政を敷く動きがあると、編集部は問題視している。既得権益を手放さない「老害リーダー」がいることが、2つの巨大組織の共通点だという。 ― 引用終り ― 過去の体験・経験をもとに組織運営をする「古い組織」は、暴力団と同様に社会悪だ。 「社会が間違っている」とするなら、非暴力で革命でも起こすがよい。 そんな保守的組織を運営する、時代に合ったモラルを持たず、過去の維持に甘える者たちは、「維新」「改革」を好んでも、「革命」をもっとも嫌っていることだろう。 即ち組織のトップが変わらなければ、何も変わらない。
2022年11月20日
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日銀・黒田総裁が政府と結託して行っている円安政策で、日本は安くなった。 企業、不動産も超お買得、外資の傘下となりやすいという状態になっている。 日本の大企業は多額の内部留保を抱えているが、国内企業である「東芝」を買い取るカネはないらしい。 東芝は原発の製造・販売への傾斜を進めた経営方針が失敗し、業績不振から不正会計を招き、解体の危機にある。東芝は原発の建設・維持に関するノウハウを備えている。軍事、航空宇宙に関する高度な技術も持っている。 どうやら、インフラ関連技術でも安全保障関連技術でも重要な部分を担う「東芝」は、国内企業であり続けられそうだ。 東芝買収へ出資1兆円確保国内ファンド、十数社から共同通信 2022年11月7日 東芝の経営再建を巡り、優先交渉権を得た国内ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)が、日本企業十数社から買収資金として計約1兆円の出資の意向を取り付け東芝に提示したことが7日、分かった。 買収を経て、東芝の非上場化を目指す。買収額は株価を基にした時価総額と同規模を想定しているもようで、現状の株価では2兆2千億円程度となる。 ― 引用終り ― 「無事」上場を廃止すれば、意思しない限り外資に買い取られることはない。 創業者キャピタルゲインをはかることの他、資本の調達が容易となることから、多くの企業は「上場」しようとする。 他人に口を挟ませないことは、他人の力を借りにくくなることでもある。 東芝は非上場となることで、経済社会の信用を大きく失うことになる。 東芝不正から東芝不信へ転換?
2022年11月18日
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老舗企業の「不正」報道が続いているが、中古車業界で急速な拡大を続けてきた、自称「日本最大」のビッグモーターの不正が暴かれた。 企業が拡大すると法令順守(コンプライアンス)の重要性も高まる。ビッグモーターはコンプライアンスを高めることなく成長していった。 ビッグモーターの不正の一件は、「ナンバー無し」の公道走行や保険金の不正請求をいつまでも続けられるほど、日本社会は腐ってはいないということだろう。 そこそこ怪しい企業でないと、大きく業績を伸ばすことができない、停滞した経済環境ということの証左なのだろうか。 中古車販売の「最大手」に何があった!? 「ナンバー未掲出」「保険金不正請求」が問題に!? 世間が驚愕した実態とはくるまのニュース 2022年11月2日 自社のロゴ入りプレートをつけたまま公道を走行していたことが各地で発覚した業界最大手の中古車買取・販売店が、自動車保険不正請求(水増し請求)の疑いなどで再び話題となっています。元社員や関係業者などから得た証言をもとに、同社のお寒い実態について迫ります。 ■中古車大手ビッグモーターの「ナンバー無し走行」は本当にナンバーがついてなかった!? 今年2022年6月、業界最大手となる中古車買取・販売店「ビッグモーター」が、仮ナンバーやディーラーナンバーをつけず「ナンバー無し」で公道走行していたことがSNSなどで話題となっていました。 そんなビッグモーターのナンバー無し走行に関し、筆者(加藤久美子)が記事を載せたところ、ビッグモーターの元従業員や、現在も外注先として修理をおこなう業者さんからの「生々しい」実態報告が相次いで寄せられています。 ナンバー無し走行に関する情報のなかでももっとも衝撃的だったのは、数か月前までビッグモーターの従業員だったというAさんからの情報でした。 筆者が書いた当時の記事では「ディーラーナンバー(臨時回送運行許可証)を取得しているけども、いちいち付け替えるのが面倒なので、車内に保管していたのでは」「ビッグモーターのような大手がナンバー無しで公道を走ることはさすがにないでしょう」というスタンスだったのですが、実はそうではありませんでした。 元従業員のAさんは次のように証言します。 「ビッグモーターはディーラーナンバーなんてそもそも取得してないですよ。全国300店舗のうち、ほとんどが取得してないと思います」 衝撃の一文から始まる情報提供者であるAさんとはその後、電話でお話ができました。またほかにも同様の情報提供を、同業者である中古車販売店 B店からも届きました。 B店の関係者はいいます。 「ナンバー無し(ロゴが入ったいわゆる“化粧プレート”のみの状態)での回送は、入社して間もない新人にやらせるのです。まだちゃんと接客ができないような営業の新人です。 彼らは本当にクルマの登録に関する知識などほぼゼロで入ってきます。公道を走るのにナンバープレートが必要ということも知らない可能性があります。 化粧プレートを付けておけば大丈夫だって言われた新人もいますよ。それを真に受けている若者もどうかと思います。 確かに運転免許を取得していても、自動車教習所では仮ナンバーやディーラーナンバーの取得方法なんてことは教えてくれません」 また前出のAさんも以下のように明かします。 「誰かに何か聞かれたら『大丈夫です。ちゃんと手続きしていますので』と言って逃げろといわれていました。 テレビCMも盛んにやっていて“日本最大”とかアピールしており、全国規模の大きな会社ではあるのですが、信じられないくらいコンプライアンス(法令順守)の意識が低いんです。低いというよりそもそも知らない。つまり、ゼロかもしれません。 そもそも忙しくて、上司が新人にナンバーの重要性を教えるヒマもないんです。もちろん、なかにはまともな店舗も存在するかもしれません」 ■中古車大手ビッグモーターがおこなった「保険金の不正請求」の実態とは また2022年8月には、保険金不正請求(水増し請求)についての報道もありました。「修理する予定のない見積もりを出して、修理代金を受け取る」「本来保険の範囲では支払われない修理を外注先に要求する」ことなどがこれに相当します。 なお、保険会社が見積もりとして認めた修理費用を、実際には修理をせずお金だけを受け取ることは違法ではありません。保険金を使って修理するのか、それとも修理をせずそのまま使用を続けるのかは、ユーザー自身の自由だからです。 しかし、中古車最大手ビッグモーターの場合は、実際には事故で損傷を受けていない部分の修理代金を見積もりのなかに入れているといいます。 例えば実際は30万円の修理代なのに、水増しの架空請求で70万円から80万円を申請していたようなケースが、保険会社などの調査で数多く見つかっています。 大きな修理となると、通常は保険会社のアジャスター(保険事故の損害調査業務をおこなう担当者)が実際の事故車両を確認に来ます。しかしビッグモーターの場合は違っていました。 損保会社関係者のCさんはこう話します。 「保険会社の提携工場や指定工場となっている場合は、どの保険会社でもアジャスターが確認に行くことはありません。修理予定箇所の写真を送るだけでことが済みます。つまり、見積もりが通って保険金が支払われる、ということです。写真ではわからないような修理箇所をねつ造し、『衝撃を受けた際、ドアパネルや天井部分の内側にゆがみが発生しているので、修理が必要』などと説明して見積もりを出せば通っていました」 ■数々の不正請求に対し保険会社は早くも対策を講じていた また、これも不当請求に該当する事案ですが、ビッグモーターの外注で板金塗装をおこなっている工場経営者のDさんからも驚きの報告がありました。 Dさんからの報告は以下のとおりです。 「営業から外注先への個人的接触は禁止されているはずですが、営業Eさんから個人的にLINEが来ました。個々人的な依頼で、Eさん所有車を保険で修理してくれという内容でした。しかも、保険で修理できる部分とは全く関係ない箇所を『保険請求に入れて修理してくれ』と要求されたのです。ぶつけた箇所とは全く関係ない、ほぼ全塗装に近い修理で明らかに不当な請求です。 ずいぶん悩みましたが、弊社に対する外注が始まったばかりの頃で、うちも細々とやっている小さな工場ですし、ビッグモーターのような大きな会社からの圧には勝てず、仕方なく要求をのんで施工し、車両はEさんに返却しました。 受託した保険修理業務以外に、外注先へ保険会社への過剰請求・保険外部分修理を要求するのは不法行為です。外注先に対する保険会社の信頼を失墜させかねない行為です」※ ※ ※ なおいくつかの保険会社は、独自の調査によって続々とビッグモーターとの関係を断つ方向に動き始めたようです。 その一例が「提携工場や指定工場」の契約解除です。 事故や故障でロードサービスを利用する際、入庫する工場が決まっていない場合に、保険会社から保険契約者に最寄りの工場を紹介することがあります。 そこで紹介されるのが保険会社の提携工場です。提携工場に入庫した場合は代車の無料提供、修理費の割引や修理箇所の保証などの特典を用意している保険会社もあります。 かつて多くの損保会社がビッグモーターを提携(指定)工場にしていましたが、数々の不正行為が発覚してからは次々とリストから名前が消えています。 ビッグモーターの新卒採用サイトでは「中古車業界トップクラスのネットワークで指定工場数日本一!」と記載されていますが、主な損保会社を調べたところ、10月末現在、ネット型保険会社一社の指定工場リストに、かろうじてビッグモーターの名前を見つけることができるのみでした。 ― 引用終り ― 社外の法令が順守されない会社では、働き方などの社内のことについても法令が順守されない。 様々の膿が出されたら、業績は他の企業並みになるのだろうか。 ビッグモーターは、1976年1月、山口県岩国市に「兼重オートセンター」として創業。 1978年5月、株式会社に改組し法人化(設立)。 1980年2月、社名を「株式会社ビッグモーター」に変更。 2005年4月、関西地区の老舗の中古車ディーラーである「ハナテン」(本社:大阪市城東区)に資本参加し、グループ傘下とする。 2013年1月、株式会社ビッグ四国・株式会社ビッグ九州・株式会社ビッグアシスト(100%出資子会社)3社を吸収合併。 2013年10月、フランチャイズ店舗を除くハナテン直営店舗の店名を「8710」(ハナテン)から「BIGMOTOR」に変更。 2016年1月、株式等売渡請求によりハナテンを完全子会社化。2016年3月1日、ハナテンのフランチャイズ全店舗を「ビッグモーター」に転換し、ハナテンが消滅。
2022年11月14日
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2022年10月14日、消費者庁は1日本アムウェイ合同会社に対して、6か月間の取引等停止命令を下したことを発表した。 あわせて、再発防止策を講じることも指示した。 社名や目的を伏せたまま商品販売や、会員登録の勧誘した点などが、特定商取引法違反にあたるとされた。 このことについて「マネーボイスの山内咲織氏がメルマガの冒頭で警鐘を発している。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━『マネーボイス』資産運用ニュース2022年10月16日 日曜日━━━━━━━━━━━━━━━━━アムウェイに、取引停止命令が出たようです♪マルチ商法は人生を破滅させるみたいです。私も女学生時代、親に注意されましたが、お父さんは大丈夫ですか?「うっかり飲んじゃっても大丈夫な洗剤」の在庫を抱えてませんか!?最近は勧誘が巧妙なので心配なんです。中年の殿方が出会いアプリに登録した場合、相手から近づいてくる20代美女は100%マルチ確定!「最幸」「志事」「望年会」などの当て字や「不労所得」といったキーワードを目印に攻撃をかわそう!「37」や「3月7日」もマルチ同士の隠語なので、気合いで回避だ!と思わず口調がファミマガっちゃいましたが、アムウェイ以外では「事業家集団」「環境」にもご用心を。名前が一般名詞で検索できない悪徳商法です。 ◎メルマガ特集ページ好評です♪(山内咲織@不定期)https://i.mag2.jp/r?aid=a634926137f066 ― 引用終り ― 2021年11月、マッチングアプリで知り合った女性を日本アムウェイへ違法に勧誘した疑いで公務員らが逮捕された。 「お父さん」もニーズを適合させるマッチングアプリを利用する時代になったか。 マッチングアプリはマルチ商法やマンション販売、カルト宗教の勧誘ツールとしてすっかり一般的なものになっているという。 日本アムウェイに取引停止命令マッチングアプリで美女に出会った男性の「ゾッとした」勧誘体験談2022年10月14日 19時50分 NEWSポストセブン … (略) … 特定商取引法では、連鎖販売取引、いわゆるマルチ商法に関して細かくルールを設けており、勧誘目的であることを伏せた勧誘行為は規制されている。しかし、近年はマッチングアプリを通じた違法勧誘が当たり前になっているらしい。あるマッチングアプリを利用する男性が証言する。 「すごい美女とマッチングして、4回目くらいのデートで『友達に会わせたい』と言われました。友達に紹介するなんて僕との将来を本気で考えてくれているんだなとウキウキしていたら、その友達と彼女のふたりがかりで勧誘されました。場所がファミレスだったので、なんとか逃げ出せましたが、もっとクローズドな空間だったらと想像すると怖いですね。 マッチングした別の女性に初デートでいきなり勧誘された経験は過去にもあったのですが、最終的に勧誘する目的で何度もデートするような人もいるのかとゾッとしました。今から思うと、実際に勧誘されるまでも『今の仕事は楽しい?』とか、“ハマる素質”があるのか会話の中でさりげなくジャブを打たれていた気がします」(マッチングアプリのユーザー) この男性は“自衛”しながら今もマッチングアプリを利用し続けているという。 「『アムウェイ会員は37とxsという言葉をプロフィールにさりげなく混ぜがち』とネット上で噂されています。アムウェイで大成功した人にちなんだ数字だとかなんとかで、会員同士でうっかり勧誘しあわないためのサインだと言われています。どこまで本当かわかりませんが、それで自衛しています。 大手マッチングアプリでは、『アンチネットワークビジネス』というコミュニティ(趣味や価値観で繋がるための機能)に6500人以上が参加しています。それだけマッチングアプリで勧誘されたことのある人が多いってことでしょうね」(前出の男性) 日本アムウェイが行政処分を受けたのは、今回が初めて。なぜ今、行政処分が下されたのか? 詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリストである多田文明氏に見解を聞いた。 「逮捕者が出たにもかかわらず、状況が改善されず、悪質な勧誘が続いていると判断されたのでしょう。今年4月から成年年齢が18歳に引き下げられ、若者が知識不足につけこまれて消費者トラブルが増加されることが懸念されています。その防止策の一環として、今回の行政処分につながったと考えられます」(多田氏) ― 引用終り ―
2022年10月19日
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