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この作品はフィクションであり実在の人物団体等とは一切関係ありません。Copyright(C) 2008-2011 Kazuo KAWAHARA All rights reserved. スルタンは、部屋に入って来たヤシンの目を見据えた。 ヤシンは、直ぐに目をそらした。ヤシンは、どうしてスルタンに呼ばれたか、良く分かっていた。既に、ターハから請求書が来ている筈だったからだ。 ヤシンは、床を見ながら、ただ、じっとして、スルタンの次の言葉を待っていた。 スルタンは、そんなヤシンを見て、ヤシンが呼ばれた理由を分かっているのだろうと思っていた。 しばし、沈黙が続いた。 「ヤシン、何で呼ばれたか分かっているな」 スルタンの落ち着いた、しかし、諭すような声が沈黙を破った。怒りの込められた、詰問する口調ではなかった。ヤシンは、それも辛かった。「ええ」 ヤシンはぼそっと呟くように応えた。「全て、即座に支払った」「ありがとうございました」 ヤシンは、スルタンのことだから、恐らくそうするのではないかと予想はしていた。声を出せないほど、ヤシンの喉は萎縮していたが、振り絞って、ようやく礼を言った。「どうして、事前に相談してくれなかったのだ」 さっきよりは語調がきつくはなったが、そこにはヤシンの立場を慮った優しさに満ちていた。ヤシンは、それを敏感に感じて目に涙を溜めていた。ヤシンは、相変わらず、床を見詰めて、じっとしていた。「相談すれば、断られると思ったのだな」 スルタンは、ヤシンの気持ちを見透かしたように、言葉を続けた。しかし、その口調には、相変わらず、冷たいところはなく優しさに満ちていた。 ヤシンの目から涙がこぼれ床に落ちた。 今度は、スルタンがヤシンから目をそらした。ヤシンが泣いているのを見るに忍びなかったからだ。ヤシンの目からは涙がとめどなく流れていた。 また、沈黙が続いた。「こんなことには多額の費用が掛かるのだろうとは思うが、それにしても高かったな」 スルタンが、また、口を開いた。高いことに素直に驚いただけで、それを非難してはいないことは明らかな口調だった。冗談半分に困ったなと言っているようなところがあった。「済みません」 ヤシンは、ぼつりと言った。相変わらず、涙がボロボロと床に落ちている。 スルタンは、ヤシンを殴り倒しても良かった。シェイク家が、イスマイル時代から積もりに積もった債務で存亡の危機に瀕していると言うのに、ヤシンのお陰で膨大な費用を払う破目になってしまったからだ。アブドルアジズから養蜂業の利権を取り戻し、シェイク家全員に倹約を強いて、ようやく、財政健全化に向けて明るい陽射しが見えて来たというのに、これでは元の木阿弥だ。 しかし、スルタンは、シェイク家の矜持もあったし、天下のシェイク家の面子を潰す分けには行かない。 払いたくは無くても払わなければならない。そんな時もあるものだ。腹を立てても何の解決にもならない。
2012年02月29日
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2012年02月29日
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28日の原油価格(終値)も、27日同様、大分下げた。株価動向も同じような中の下げだった。ヨーロッパ株が下げたが、アメリカ株が上昇した。その煽りでヨーロッパ株も大分戻した。ドルは対ユーロで安かった。 原油はその前の異様さが僅かながら修正されたと言うのなら良いが、様子を見た方が良さそうだ。投機色の強い、金は、ドル安を真に受けて、僅かだが、上昇した。 WTIは、2.01ドル下げ、バレル当り106.55ドルになった。投機のブレントも121.55ドルまで下げた。それでも120ドルを上回るとんでもない高値だ。話にならない。その影響を受ける、アジア向け原油も高いままだ。 金価格は上げた。13.5ドル高のオンス当り1788.4ドルになった。最高値は1792.7ドルまで上げた。1800ドルまであと一息のところまで来た。しかし、一時の勢いはない。 それに、金は高くなろうが一般消費者、経済に悪影響を与える分けではないから問題は無いが、石油はそうはいかない。それを産油国も肝に銘じるべきだろう。 29日午前は、金が僅か下げ、原油は僅か上げた。28日とは逆パターンで動いている。しかし、いずれにしても、金も原油も、投機が踊って高値になったことには違いがない。
2012年02月29日
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週明け27日の原油価格(終値)は、結局、大分下げた。ヨーロッパ株が下げたが、アメリカ株が上昇した中での下げだ。そのヨーロッパ株も、アメリカ市場が始まってから大分戻した。 ドルは対ユーロで、弱含んではいるが、大分戻した。以前に比べれば、強いままだ。しかし、そんなことは高値の口実にしか過ぎない。株高、ドル安で急騰しても、それらが、逆になっても元には戻らない。高いままだ。 少なくとも、正確にリンクしている分けではない。それに、株高だから、石油需要が高まるという論理が正確に検証された分けではない。ダウでもS&Pでも何でも良いが、90年代から相関関係を検証してみてはどうか? それはさておき、WTIは、1.21ドル下げ、バレル当り108.56ドルになった。投機のブレントも124.17ドルになったが、124ドル台というとんでもない高値だ。全く話にならない。従って、アジア向けの原油も高いままだ。 金価格も僅か下げた。1.5ドル安のオンス当り1774.9ドルだった。昨晩の1765.9ドルからは戻した。最高値は1781ドルまで上げたが、一時の勢いはない。 金は高くなろうが一般消費者、経済に悪影響を与える分けではないから問題は無いが、石油はそうはいかない。それを産油国も肝に銘じるべきだろう。石油を残して石油時代を終焉させないためにも。
2012年02月28日
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週明け27日夜の原油価格は大分下げた。それでも、異様な高さの修正ということではない。ヨーロッパ株が下げ、ドルが対ユーロで上げ始めたからだ。全くどうかしている。現下の需給からすればずっと安くて良い筈だ。 WTIは、1.37ドル下げ、バレル当り108.4ドルになった。投機のブレントも123.87ドルになった。ええっ、それでも、124ドル弱・・・全く話にならない。アジア向けの原油も高いままだ。 金価格も下げた。それでも、僅か10.5下げのオンス当り1765.9ドルだ。しかし、最高値は1779.8ドルのままだ。まあ、金は高くなろうが一般消費者、経済に悪影響を与える分けではないから問題は無い。
2012年02月27日
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週明け27日午前の原油価格は僅か下げている。アジア・大洋州の株がオーストラリアを除き上げている中での下げだから、評価出来ることだ。とは言え、異様さは続いている。 日経平均が上げているのは、ドルの対円高、つまり円安が日本の輸出関連株の価格を引き上げているせいもある。しかし、世界的な金融緩和による投機資金の大量流入が根本原因だろう。 それを引き起こした張本人であるG20は申し訳け程度に原油高の経済に与える悪影響に懸念を表明した。一部の新聞はそれを大々的に報じてはいるが、コミュニケの中の表現は至って少ない。 しかも、「原油価格の一層の上昇に警鐘を鳴らす」程度の表現だ。まあ、G20にはサウジ、ロシア、メキシコも入っているから、原油価格に対するコメントには慎重の筈だから、ここまで良く書けたなというところだ。 現在、既に異様な高みになると考える者には物足らない表現であることには変わりがない。特に先進各国の首脳が先物市場の異様さに目を向けるには不十分だ。さらに一歩踏み込んだ、正しい表現を待ちたい。 週明けのWTIは、僅か17セント下げ、バレル当り109.6ドルになった。投機のブレントは125.42ドルと高い。全く話にならない。アジア向けの原油も下がる筈がない。 金価格は僅かながら続伸だ。2.6ドル高のオンス当り1779ドルになった。しかし、最高値は1779.8ドルとそれほど馬鹿高い分けではない。それに金は高くなろうが一般消費者、経済に悪影響を与える分けではない。
2012年02月27日
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土日は、先物市場も電子取引を含めてお休みだ。と言うと、ニューヨーク時間の今日午後6時には電子取引が始まるのではないかと言う人もいるだろう。その通りだ。しかし、日本時間では明日になる。 な~んてどうでも良いことを書いて、ご免。ついでに、ぼやきを一言。イラン問題だが、あれは本当にひどい。イランの暴言で供給不安が起き、投機家達が舞う。消費者や経済はそっちのけだ。 先週、現下の需給には何等問題がないのに原油価格が暴騰した。ちょっと遡れば、WTIは、2月10日にはバレル当り98.67ドルだったが、先週末の24日(金)には109.77ドルになった。10.1ドルの急騰だ。 投機のブレントに至っては、10日の117.31ドルが24日には125.47ドルへと暴騰した。そもそも、ブレントがWTIより高いのがおかしいのだから、話にならない。困るのはアジア向けの原油はこのブレントの影響を受けるからだ。放っておいて良いのだろうか? 原油価格暴騰は、ギリシャ、スペイン、イタリアの国際収支を直撃すると昨日書いたが、これらの国々はイランのお得意先でもあった。それに、フランス、オランダ、ポルトガルもそうだ。 もっとも、イランはこれらの国々への原油輸出を停止すると発表した。それは良かった、国際収支が改善するとは、言えないところが辛い。どこか、他から、それも今回の暴騰でより高い原油を買わなければいけなくなった。 前のように原発にと簡単に言えないところも辛さを増している。イランと原発、もう世の中、ひどいものが出回っている。しかし、どちらも、より普通になってくれれば、それほどの問題にならない筈だ。 おまけに、金価格も上がった。金は10日には1725.3ドルだった。それが24日には1776.4ドルになった。23日には1786.3ドルだった。暴騰とは言えないし、一部投機家の目指している2000ドルはまだ遠い。 投機マネーが原油、金と狙ったことは一目瞭然だ。何度も繰り返すが、先物市場自体は悪いのではない。それを責任ある官庁などがきちっと監視出来るかどうかだ。今は、きちんと監視出来ているとはとても言えない。 日本では、不良投資会社が摘発された。中小企業の年金基金を食い物にしたようだ。不正だろうが、不正でなかろうが、大問題だ。一体、積み立てた者に対して高リスク、高リターンだからと嘯くことは出来るのだろうか?
2012年02月26日
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昨日は、久し振りに更新が出来なかった。残念だったが、止むを得ない。ご覧頂いている方には深謝です。 さて、そんなことで昨日、一昨日と終値を今頃アップすることになってしまった。市場はひどいことになっていた。予想通りの展開でもあるが、それにしてもひどい。原油価格は高騰ではなく、暴騰だ。 現下の需給には何等問題がないのに、原油価格(終値)は、23日、24日と急騰した。勿論、この数年間市場を支配している株、為替の二大金融要因が背景にある。それにイラン問題だ。 WTIは、23日がバレル当り107.83ドル、24日は、1.52ドル上昇して109.77ドルまで急伸した。終値後の最終取引はさすがに32セント下げた。それでも、109.45ドルだ。もうすぐ110ドルだ。好い加減にしてくれと言いたい。 投機のブレントは、もっとひどい。ロンドンの抜け穴は健在だ。23日の終値は123.62ドル、24日は、125.47ドルだ。財政危機が問題となっているギリシャ、スペイン、イタリアの国際収支を直撃する。 日本だって、いや、日本こそ大問題だ。ヨーロッパ諸国のように救ってくれる国はいない。アメリカ?自信が病んでいるのだから、救うことなどしたくても出来ない。それに日本は、地震、原発問題、課題は山積だ。 金価格は23日は続伸したが、24日には石油より一足先に低下した。それはそうだろう。即ち、23日の終値はオンス当り1786.3ドルまで上昇したが、24日には1776.4ドルまで低下した。 最高値は23日が1789.5ドル、24日が1784.4へと下がった。しかし、金はたとえ2000ドルになろうが、消費者、経済に悪影響が出る分けではない。石油は違う。今や、世界の施政者達、政治家達はそれに留意すべき段階に入った。
2012年02月25日
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この作品はフィクションであり実在の人物団体等とは一切関係ありません。Copyright(C) 2008-2011 Kazuo KAWAHARA All rights reserved. 「そうですね。違和感はありますが・・・以前はアメリカではガソリン価格が一セント上がれば、大統領の首が飛ぶって言われたこともあったのに。勿論、ガロン当りですが。いえ、一セントという具体的金額はともかく、ガソリン価格が高くなればということでしょうが」「林大使は良くご存知ですね。私も昔そのように聞いた覚えがあります。車社会のアメリカですからね」 植木は、原油価格が史上最高値を大幅に更新した二〇〇八年の状況を思い出しながら、本当に妙だと思っていた。あの時には、さすがに、アメリカ中のドライバー達から非難の声が上がった。アメリカだけでは無かった。イギリス、フランスもそうだった。イギリスではトラックの運転手達がデモを繰り広げた。「そうでしたね。あの時には、抗議行動が世界中に広がりました。今年も一五〇ドルが視野に入って来るようなことがあれば、同じような抗議運動が起きるかも知れませんね」「さすがに一五〇ドルになれば、大統領選にも影響が出て来るでしょうね」「ええ、ただ、状況によりますが、一〇〇ドル台が長く続くだけでも、大統領選の争点になるかもしれませんね。イギリスではとっくに危険水域を越えていますし」 植木は林の言葉に頷いていた。「新年早々、高値が続いているのに、今のところは静かですが、いずれ、そうなるかも知れませんね」 アルバハでは新年早々、スルタンがうかない顔をしていた。 年末にターハからスルタン宛てに多額の請求書が届いていからだ。ターハがヤシンに言っていたヤシンのデビュー費用だ。結局、ヤシンはスルタンに事前に話しをすることが出来なかった。イスマイルなら、烈火の如くターハを叱り飛ばし、そして殴り飛ばしたことだろう。 倹約を進めて来ていたスルタンだったから、怒り心頭だった。出来ることなら、イスマイルのようにしたかったが、スルタンには、どうしても出来ない。 これまでも、そんな風に怒ったことは一度も無い。兄弟達を殴ったことなど一度も無い。 ヤシンを問い質す前に、ターハと連絡を取り、間違いの無いことを確かめると、支払い口座に即座に振り込んだ。 ヤシンの借金は、即ち、シェイク家の借金、それを支払わない分けには行かない。支払わなければ、シェイク家の名がすたる。スルタンは、そう考えていた。 それはヤシンに限ったことではない。 他界した父イスマイルの四人の妻、その家族にも全て同様だった。完全とは言えないが、自分の倹約策に協力してくれた家族への感謝の気持ちもあった。 四人目の若い妻・シャリーファの金遣いは、多少荒かったが、それでも、イスマイル時代のようなことは無かった。皆、それなりに、スルタンには協力していたのだ。 言っていることは厳しかったが、スルタンの温厚な人柄に和まされていたのだろう。 シャリーファは、兄アリとシェイク家乗っ取りを画策したが、今は、そんな気が無くなった。スルタンも、若いシャリーファには気を使っていた。 暫くして、スルタンは、ヤシンを自分の部屋に呼んだ。
2012年02月23日
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2012年02月23日
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22日の原油価格(終値)は、分けも無く続伸した。と、言うと、投機家達の顰蹙を買うかもしれない。しかし、それは本当のことだ。市場を引っ張って来た株高は無かった。ただ、結局、ドルは対ユーロ安だった。 しかし、ドル安はこれまでの異様な高騰を支えるほどのものではなかった。そこで、出て来るのがテクニカル要因だ。ここのところのトレンドを追えばそうだろう。手前味噌で上げる。ひどいもんだ。 WTIは、期近物が4月渡しに変わっているので、バレル当り106.28ドルになっても、僅か3セント高に止まっている。おかしな上昇だ。今朝は今のところさすがに35セント下げた。まあ、本格的動きは夕方からだ。 投機のブレントは、そんなことはお構いなしだ。22日の終値は122.90ドルと、123ドル台に迫った。シティの投機家は踊っている。イランも大喜びだ。国際社会は一体どこまでイランを放っておくのか? 金価格は続伸だ。22日の終値は12.8ドル高のオンス当り1771.3ドルとなった。最高値は1783.4ドルだ。投機家達は、こちらでもテクニカル要因などを追い風に踊っている。今朝もそうだ。金は庶民には関係ないが。
2012年02月23日
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21日の原油価格(終値)は、やはり高騰した。イラン問題に加え、金融緩和による余剰資金の大量流入、更にギリシャ不安の緩和を弾みにした株高、ドルの対ユーロ安を背景にしたものだ。 株高は、景気回復を反映したものかどうか疑問がないわけではないが、その筋の人々を楽観的にさせる。行け行けどんどんと太鼓がなった。こんなところにも原油金融商品化の影が出る。投機が踊り、金も上がった。 WTIは、休場だった20日の現物市場、電子取引の動きをそのまま引継ぎ高騰した。21日の終値は2.6ドル高のバレル当り105.84ドルまで上昇した。今日から期近物となる4月渡しはさすがに正午現在少し低下した。 投機のブレントは、21日の終値は121.66ドルと一挙に121ドル台に突入した。シティの投機が踊ったのは間違いのないことだ。イランもどんどんと原油価格が上がれば収入が増え、フリーハンド率が高くなる。 禁輸の効果は薄れる。それはイランの思う壺だろう。産油国は全て恩恵を蒙るし、原油輸出国のロシアも恩恵を蒙る。投機筋、ファンド筋の大儲けは言うまでもない。 金価格も急伸だ。21日の終値は32.6ドル高のオンス当り1758.5ドルとなった。最高値は終値と一緒だ。グ~ンと上がって終わった格好だが、専門家はこの動きに慎重だ。何かおかしいと思っているのだろう。
2012年02月22日
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21日午前の原油価格は、未だ高騰したままだ。20日は、イランのイギリス、フランスへの禁輸の報道を受けて一段と高くなったが、それは僅かながら是正された。それにしても、イランは本当に迷惑な国だ。 原油価格は高ければ高いほど良い。産油国なのだから、それはそうだろう。しかも、 いつも目一杯に生産をしながら、OPECでは減産を声高に主張する。上限やぶりは日常茶飯事だ。まあ、それはイランだけではないが。 ただ、金融緩和による余剰資金の大量流入もあって、株、為替の二大金融要因が超強気になっている。強い追い風だ。ヨーロッパ、アメリカの株高を受けて、アジア株も軒並み高い。ドルも対ユーロでは弱い。 WTIは、20日が休日でアメリカの先物市場もお休みだった。従って、終値はない。しかし電子取引は行われた。その電子取引では、20日には終に105ドルを突破した。 その後、21日には一時105.44ドルまで上がった。それが21日午前11日頃には1.54ドル高のバレル当り104.78ドルまで低下している。しかし、そうこうしている内に午後に入ってから105ドル弱まで戻した。 投機のブレントも、21日午後に入って120ドル台まで戻している。ロンドンの抜け穴と称されたシティでは、そのブレントが20日には一時121ドル台に乗せた。 21日、午前11時頃でも低下したとは言え119.89ドルと馬鹿高かった。実にひどい。シティの投機筋、大銀行は、大量の余剰資金を背景に踊っている。どうして実体経済に投入しないのだろうか? 金も上がった。21日午前11時頃には、20日とほぼ同じ水準で、10.4ドル高のオンス当り1736.3ドルに止まっていた。こちらは、午後に入ってもほぼ同じ水準で推移している。最高値も1739ドルとそれほど差はない。
2012年02月21日
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週明け20日午前の原油価格は、案の定、暴騰だ。またまた、イランのせいだ。国際社会にとっては大迷惑だが、イランにとっては、原油価格が急騰して大満足だ。いつものパターンだが、そんな企みを阻止出来ない。 もっとも、この数年間市場をリードして来た株、為替の二大金融要因も追い風だ。先週末のヨーロッパ、アメリカの株高を受けて、アジア株が軒並み高い。ドルも対ユーロでは弱い。投機筋は絶好の環境下にある。 アメリカでは既に、ヘッジファンドが大量の資金を先物市場に投入している。WTIは、1.71ドル高のバレル当り104.95ドルと105ドル寸前だ。困ったことだ。 シティの投機家達も大量の資金を投入し始めたのだろうが、その詳細情報はない。そこがアメリカとの大きな差だ。そして、それがロンドンの抜け穴の謂れでもある。 投機のブレントは、121.14ドルと、終に120ドルを超えた。ひどいもんんだ。シティは投機の本拠だから、大陰謀が渦巻いている。金融筋が潤って、そのツケが庶民に回される。イギリスは、流動性不足の、そんな国だ。 金もブレント同様僅かながら上げた。9.9ドル上げてオンス当り1735.8ドルになった。ただ、最高値は1737.2ドルとそれほどでもない。やはり、こちらは頭打ち感が強い。しかし、不安が高まれば、いずれ上がる。
2012年02月20日
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この作品はフィクションであり実在の人物団体等とは一切関係ありません。Copyright(C) 2008-2011 Kazuo KAWAHARA All rights reserved. 「仰る通りです。本当に腹が立ちます。イランは、原油価格が高ければ高い方が良いと思っているようです。もっとも、穏健派のサウジもファイサル国王、ヤマニ石油相の時代とは考えが違って来たようですが。昔なら、とっくに、今の価格は高すぎる、長期戦略としては好ましくないと言っていたことでしょう。このままでは、ヤマニが言っていたように石油を残したまま、石油時代が終わるかも知れませんね」 植木は、一つ一つ言葉を確かめながら、まるで噛み締めるように、ゆっくりと喋っていた。相手は大使だ。軽はずみなことは言えない。「そうかも知れませんね。石油に限ったことではありませんが、その価格が長く続くと、それが普通と考えるようになってしまいます。慣れてしまうと言いますか。生産コストがどれくらいとか、原油価格が幾らが妥当なのかなどと言った議論はどっかに行っちゃいますからね」 林も、サウジ赴任時に植木の言っていることが正しいかもしれないと、思えるようなことがあったようだ。「もっとも、石油価格についての見解は、普通の役人が言うことではありませんでしたね。価格政策を決めるのはほんの一握りの人間、それもロイヤルファミリーに限られているのでしょう。まあ、それは、昔からでしょうが。ただ、消費国としては、経済が低迷しないような妥当な価格水準が望ましいですね、などと言うと、それを肯定するような応えは返って来ませんでしたね。ただ、笑って、にやにやしていました。今から思えば、価格上昇を肯定していたんでしょうね」 林は前回赴任時のことを昨日のように思い出していた。「私の勤めていたフォーラム事務局にも、サウジ人はいましたが、彼もそんな感じでしたね」 植木も同じように思い出していた。「帰国して暫く過ぎていましたが、さすがに二〇〇八年六月には、据えかねて、サード国王が高価格是正に動き出しましたが」「そうでしたね。あの時は、オサマ大統領候補も先物市場を元凶として糾弾したりしていましたね」「レイムダック化してはいましたが、当時のブッシュ大統領もサウジを訪問して調整に動いたようでしたが」「懐かしいですね。今や昔と言った感がありますが」「いえいえ、現在は、同じような状況に向かっているのではないでしょうか。確かに、オサマ大統領の現在のパフォーマンスは今や昔かも知れませんが」「そうそう、そこなんですよ。どうなんですか、大統領は。植木さんなら、お分かりかと思って」「済みません。私も委員会の委員は続けていますが、あの委員会も今や形骸化してしまいました。大統領は、偉すぎますので、お考えを直接お聞きすることはありませんが、原油価格高騰については殆ど言及していませんね。それで、委員会の委員もはりがなくなっているようなところもあります」「そうでしたか。私もそうかなと思ってはいましたが。それに、もう既に大統領選絡みで、それどころではないと言ったところでしょうか」 林は、植木に聞く前に、自分でも、内外の情報を収集していたが、同じような調査結果だった。「今後、大統領選の争点にでもなれば、委員会も活発化するでしょうが、今のところそのような兆しはありませんね」
2012年02月18日
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2012年02月18日
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17日の原油価格(終値)は、昨日同様、株高、ドル安を主因として小幅上昇した。何でそうなるの、と言っても始まらない。現下の需給から遊離した状況は続く。これでヨーロッパ、アメリカの需要冷え込みは変わるのか? この数年間リードして来た株、為替の二大金融要因が、相変わらず市場を支配している。イラン問題も引き続きあるが、ヨーロッパへの影響はアジアに比べれば低い。まあ、しかし、不安は不安だ。 不安に対応するための国際機関もパリに存在するが、伝家の宝刀を抜いたことはない。一度抜いて見て、国際社会を無視しているイランをぎゃふんと言わせてみてはどうか?抜かないことにメリットを感じているのか? WTIは、83セント高のバレル当り103.24ドルになった。シティの投機家達は、やれやれと思っていることだろう。投機のブレントにようやく一歩近づいてくれたと。まことにおかしなことが起きている。 しかしながら、ブレントは、53セント下げて119.58ドルとなった。シティの投機家達は、まるでもぐら叩きのようだと思っていることだろう。僅かながら120ドルを割った。それにしても、ひどいもんだ。 金もブレント同様僅かながら下げた。2.5ドル下げてオンス当り1725.9ドルになった。しかしながら、最高値は1737.5ドルに上げた。ただ、こちらは頭打ち感が強い。それもブレントと同じだ。
2012年02月18日
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16日の原油価格(終値)は、株高、ドル安を主因として小幅上昇した。原油輸出停止がイランの虚言と分かっても、上がった分は下がらない。上げるには何か理由があれば良い、そう考えているのだろう。困ったことだ。 この数年間リードしている株、為替の二大金融要因が現下の需給を遊離して原油価格を吊り上げている。OPECは、そんな動きを放置している。主要メンバーが納得しているからだ。目の前の利益に誰も弱いものだ。 そして、不当、不公正、矛盾には目を瞑る。人はそんなものだと、言えばそれまでだが、世界経済、消費者に目を瞑って良いわけはない。神はどちらの味方をするのだろうか?これはムスリムに最も辛らつな質問だ。 WTIは、51セント高のバレル当り102.31ドルになった。アメリカ、ヨーロッパの石油需要が冷え込む中のことだ。まことにおかしなことが起きている。イランは本当に罪作りな国だ。 「ホルムズ海峡封鎖宣言で世を騒がし、そして、今度はヨーロッパのイラン原油禁輸に対抗して、自らヨーロッパに禁輸すると嘘をついた。原油価格が上がり当面はイランの利益になるだろうが、いずれそれが世界に不利益をもたらす。きっと報いが来るに違いない」 投機のブレントは1.18ドル上げて120.11ドルだ!ついに120ドルを超えた。ひどいもんだ。投機筋は高ければ高いほど良いと思っているのだから、そんな感覚はない。勿論、イランもそうだが。 「それが、世界、特にヨーロッパ経済を疲弊させようが、関係無い。大儲けすれば、それで良いということだ。ソブリンファンド、年金ファンドまで引き込めば、政府もそれについて何もいえないだろう。困った構図だ」 金も僅かながら続伸した。30セント上げてオンス当り1728.4ドルになった。しかしながら、最高値は1731.6ドルまで下げた。こちらは頭打ち感が強い。原油もその筈だが、おかしな状況にある。 アメリカでは、天然ガス価格が上昇に転じたが、それでも、原油換算すればバレル当り15.4ドルだ。WTIは102ドルを超えているのだから、全く競争にならない。代替出来るものはすべて負ける。それが現実だ。
2012年02月17日
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この作品はフィクションであり実在の人物団体等とは一切関係ありません。Copyright(C) 2008-2011 Kazuo KAWAHARA All rights reserved. この流れを変えたのはイランだった。イランが、また、ホルムズ海峡の封鎖を仄めかしたのだ。 「会長、イランがまたやってくれましたね。今度も、会長のお友達のイラン高官が関係しているんですか」「いやいや、今度は違う。何しろ、こちらは新年でゆっくりさせて貰っていたからな。まあ、しかし、絶好の機会だから、早々に買いに出たがな」 イエイツは、新年早々の三日に原油価格が一〇〇ドルを超えたのが余程嬉しかったようだ。声が弾んでいる。何しろ、一挙に四・一三ドル上昇して一〇二・九二ドルになったのだから一入だ。一時は一〇三・一八ドルまで上がった。「新年早々、縁起が良いですね。この勢いなら、今年は仰っていた一五〇ドルも夢じゃありませんね」「そうなると良いがな。殿下にも、宜しく言っておいてくれ。この勢いを維持するには、殿下のご協力が是非とも必要だ」「それにしても、ホルムズ海峡の封鎖は赤子の手を捻るより簡単だなんて、言いますね、あの高官も」「うんうん、そうだな。思わず笑ってしまった。あれはな、日本で良く使われている表現だそうだ」 イエイツは博識なところを仄めかした。「そうですか。会長は、博識ですね。極東の国のことまで。もともと何でも良くご存知ですが」 イブラヒムは、新年早々だから、リップサービスのつもりだった。心底、そう思っている分けではない。心の内では、こんなところも控えめだったブラウン前会長とは異なるなどと思っていた。「いやいや。実はな、ほら、わしの知っている高官から聞いたんだ。何でも、発言したあの高官は、元日本大使館に勤務した経験があったそうだ」「なるほど。そうでしたか。あのテレビ報道を見て、日本でよく言われていることだなどと気のついた人は殆どいなかったことでしょう」「そうだろうな」 イエイツは、自慢気だった。そんなことでもご機嫌だ。しかし、原油価格が新年早々急上昇したことが、上機嫌の主因であることは間違いがない。 「大使、イランには本当に困ったものですね」 アメリカの先物問題を検討している石油関係の委員会で相変わらず委員を務めている植木は、久し振りに会った林大使と歓談をしていた。「そうですね。あの国には梃子摺らされます。もっとも、いつもあんな調子ですから、私などは馴れてしまっていますが」 林は、在サウジアラビア大使館で公使をしていた時に同じ時期にファイサリア・レジデンスに住んでいた植木と知り合った。池波慎太郎とは、外務省の同期で、たまたま、慎太郎がリヤド勤務の時にサウジ勤務となった。この時、植木は、慎太郎から林を紹介された。林はエネルギー問題を担当していたこともあってエネルギーには造詣があった。そして、リヤド赴任時には、石油省のサウジ高官とも付き合わなければならなかったので、自然と、石油にも詳しくなっていた。「真面目に考えれば、腹が立ちますけどね」
2012年02月16日
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2012年02月16日
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15日の原油価格(終値)は、またまたイランの虚言で大幅上昇した。イランは投機家達の救世主になっている。湾岸諸国も眉を顰めながら、心の中でほくそえんでいる。昨日はそんな構図だった。消費者はそっちのけだ。 WTIは、1.06ドル高のバレル当り101.80ドルとなった。イランはヨーロッパへの原油禁輸を発表し、そして、後にこれを自ら否定した。一体何だこれは。徒に供給不安を引き起こすのは止めて欲しい。 ホルムズ海峡封鎖宣言で世を騒がし、そして、今度はヨーロッパのイラン原油禁輸に対抗して、自らヨーロッパに禁輸すると宣言したのだ。核開発を勝手に進めながら、好い気なものだ。 イランにすれば、ヨーロッパ、アメリカが核兵器を所有していながら、自分達が所有することを認めないのか、イスラエルを抹殺するには、あるいは対抗するには核兵器所有は必要だということなのだろう。 しかし、国際社会のルールを否定して良い筈はない。文句があるならば、正々堂々と議論するべきだろう。当たり前のことが当たり前と解釈出来ない、イランとはそのような準独裁の国だ。早く普通の国になる必要がある。 投機のブレントは77セント上げて118.93ドルになった。ひどいもんだ。現下の需給には何等問題が無いのに、もうすぐ、119ドルだ。もっとも、投機筋は高ければ高いほど良いと思っているのだから、そんな感覚はない。 それが、世界、特にヨーロッパ経済を疲弊させようが、関係無い。大儲けすれば、それで良いということだ。ソブリンファンド、年金ファンドまで引き込めば、政府もそれについて何もいえないだろう。困った構図だ。 金は反発した。ドルは、結局は、対ユーロで強含んだが、その前の軟化を理由にしたものだった。10.4ドル上げてオンス当り1728.1ドルになった。最高値も1739.2ドルまで上げたが、一時の勢いは衰えている。
2012年02月16日
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14日の原油価格(終値)は、株安、ドルの対ユーロ高を背景に低下していた流れを閉場直前の株価急騰を受けて、大きく戻した。WTIは僅か前日比マイナスに止まったが、投機のブレントは僅か上昇した。 即ち、WTIは、17セント安のバレル当り100.74ドルとなったが、投機のブレントは23セント高の118.16ドルになったのだ。ギリシャ不安の解消が、株価急騰の背景だった。 15日朝は、急騰の流れを受けて日経平均が急騰したことから、原油価格もその流れに乗っている。日経の場合には、円安も利いている。香港株は上昇したが、上海、オーストラリアの株価は低下している。 そんなことで、15日朝は、WTIがほぼ一昨日の水準まで戻し、100.92ドルとなった。ブレントは僅か1セントだが、続伸して118.17ドルになっている。14日の終値ではWTI/ブレントの逆値差は17.42ドルまで開いた。 金は、じりじりと下げ、7.2ドル安のオンス当り1717.7ドルになった。15日朝は3.6ドル戻し、1721.3ドルになっている。しかし、ジリ貧の動きに変わりはない。今のところ、最高値も1723.6ドルに止まっている。
2012年02月15日
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13日の原油価格(終値)は、アジア、ヨーロッパ、そしてアメリカの株高、ドルの対ユーロ安を主因として、大幅上昇した。とは言え、ドルについては最後は上げた。その見方が金と原油に差をつけた。 WTIは、2.24ドル高のバレル当り100.91ドルとなり、終に100ドルを超えてしまった。ひどいもんだ。ギリシャ不安が解消されたと言うのが、その背景にあったようだ。それに、恒例のイラン不安、ドル安のセットだ。 昨日寝際には、「う~ん、随分としつこい」と書いたが、それどころではなかった。イランの原油生産量も低下しているという。しかし、それは当たり前のことだ。禁輸の前に、これからは不需要期に入るのだから。 それに、勝手に核兵器開発を進めようとしている国に制裁を課すのも当たり前だ。もっとも、イランには、インド、中国というお得意様もいる。両国とも核を持っている。不思議な構図だ。 投機のブレントは、62セント高の117.93ドルまで上げた。あわや118ドルというところだった。シティの投機筋はますます元気だった。今は、僅かながら下げ、117.30ドルになっている。 株、原油、そして金と行きたいところだったのだろうが、こちらはギリシャ不安にもより慎重、更に、その後の対ユーロドル高も勘案して、金はひとまず下げた。 金は、40セント安のオンス当り1724.9ドルになったのだ。14日昼も更に3.4ドル下げ、1721.5ドルになっている。因みに、原油も、14日昼の今は少し下げている。WTIが100.54ドル、ブレントが117.30ドルだ。
2012年02月14日
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週初13日寝際の原油価格は、アジア、ヨーロッパ、そしてアメリカの株高、ドルの対ユーロ安を主因として、大幅上昇している。原油価格は、株、為替の動向に大きく影響されて動いている。 WTIは、1.01ドル高のバレル当り99.68ドルまで上げた。最安値も99ドルを割ってはいない。ひどいもんだ。そんなことで終えようかと、つい時間が経って覗いたら、今度は午後を下回るほど下がっていた。 まあ、それでも、先週末よりは70セントほど上回ってはいた。そして、また、覗いてみたら、今度は午後と同じくらいになっていた。つまり約90セント高だ。99.57ドル、う~ん、随分としつこい。 投機のブレントは、117.88ドルだったが、今は、117.84ドルと、それほど動いてはいない。かなりの高水準だから、動きようがないのか。シティの投機筋は懸命だろう。仕掛けはイラン禁輸に照準を合わせているのだろうが。 金は下げた。さっきは4.4ドル安のオンス当り1720.9ドルになっていた。ただ、今は、0.2ドル安まで戻している。1725.1.ドルだ。最高値はさっきも、今も、1735.4ドルだ。落ち着いていると言えば落ち着いている。 株価は、ヨーロッパ、アメリカとも、当初よりは下げたが、それでも、未だ、先週末よりは高い。ドルも大分戻したが、先週末よりは安くなっている。投機筋は、そこでそれ行けどんどんとしたのか?困ったことだ。
2012年02月13日
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月日の経つのは早い。既に週が明け、まず、アジアから市場は始まっている。先週末のヨーロッパ、アメリカの株安にも係わらず、アジア株は軒並み上げている。ヨーロッパの信用不安解消との解釈が背後にあるようだ。 週初13日午後の原油価格は、アジアの株高、ドルの対ユーロ安を主因として、大きく反発している。毎度のことだが、原油価格は、株、為替の価格動向に大きく影響されて動いている。 WTIは、90セント高のバレル当り99.57ドルになっている。最安値も99ドルを割ってはいない。何だろう、この戻しはと思うが、そう言っても始まらない。先週末の最終取引がそうだったし、投機主導の市場だから。 投機のブレントも92セント高の118.23ドルにまで上げた。相変わらずの呆れるような高値が続く。アメリカ政府の短期見通しが高値水準だったから、それが利いているのかもしれない。困ったことだ。 アメリカ政府は足元の動きを発射台にするから、原油価格が高ければ、高くなるし、低ければ低いだけ、と、気楽に考える分けには行かない。それとも、当事者のアメリカがイランと決戦とでも考えているのだろうか? 金も僅かだが上げた。4.6ドル高のオンス当り1729.9ドルになっている。ただ、最高値は1730.7ドルまで下げている。上げのスピードがそれほど強烈という分けではない。原油ほど異様ではない。
2012年02月13日
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10日の原油価格(終値)は、ヨーロッパ、アメリカの株価低迷、ドルの対ユーロの戻しを主因として、低下幅を拡大した。原油価格は、相変わらず株、為替の価格動向に大きく影響されて動いている。 WTIは、1.17ドル安のバレル当り98.67ドルになった。一時は97ドル台まで低下したが、イラン、ナイジェリア問題などの懸念材料が引き合いに出され、98ドル台まで戻した。 その後の最終取引では99ドル台にまで上げており、投機筋の懸命な高値維持努力がより鮮明になった。しかし、既に3月物が期近となっているが、20日になれば4月物になる。季節需要を頼りにするのは厳しい。 投機のブレントも1.28ドル安の117.31ドルとなった。相変わらずの呆れるような高値だ。アメリカ政府の短期エネルギー見通しでも、原油価格見通しは高い。足元の価格が高ければ高くなるのは当然だが・・・ 金も下げた。15.9ドル安のオンス当り1725.3ドルとなった。最高値も1737.2ドルまで下げた。リスク回避志向が強まった結果の価格低下らしいが、原油同様、ドルが対ユーロで強まったことも利いたようだ。
2012年02月11日
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10日の原油価格は、ここで書いた通り昼には僅か低下していたが、夕には、ヨーロッパ株式市場が急落して始まったことを受け、低下幅を拡大した。原油価格は、相変わらず株、為替に大きく影響されている。 WTIは、73セント安のバレル当り99.11ドルになった。しかし、未だ99ドル台に止まっている。投機のブレントも117.79ドルまで低下した。それでも、ひどい高さだ。行き過ぎ投機とも言うべき段階に入ったままだ。 金も下げた。18.9ドル安のオンス当り1722.3ドルとなった。最高値も1737.2ドルまで下げた。ドルも対ユーロで相変わらず弱いが、株安が堪えたのだろう。今の下げの主因は、原油とほぼ一緒だ。
2012年02月10日
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今日は、比較的早くPCに向き合えた。思っていた通りだったが、原油価格は、株高、ドル安を受けて大幅に上昇していた。またまた、世界経済、世界の消費者の負担増が懸念されるところだ。 9日のWTI(終値)は、1.13ドル高のバレル当り99.84ドルまで上昇した。あの投機のブレントに至っては1.39ドル高の118.59ドルだ。行き過ぎ投機とも言うべき段階に入ったと言ってよいだろう。 さすがに10日昼は僅かながら低下した。しかしながら、WTIは99ドル台、ブレントは118ドル台に止まっている。まあ、本格的動きはヨーロッパ市場の開く夕方まで待たなければならない。 金の昨日の終値は9.9ドル高のオンス当り1741.2ドルになった。最高値も1755.5ドルまで上げた。株高はヨーロッパ信用不安の緩和が主因だったが、金は特にそれを背景にした対ユーロドル安を主因として上げた。 金も今は、僅かながら下げている。買戻し、原油価格上昇も昨日の終値上昇の背景にあったようだから、この僅かな下げは当然といえば、当然だが、株、為替の動向により大きく依存しているのは原油と一緒だ。
2012年02月10日
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今日は、今頃になって、やっとPCに迎えている。ストレスが溜まるが、昨日の終値以降の動きも一緒に書き止めることが出来るというメリットもある。なんて、負け惜しみもいつものことだ。 さて、今頃、今更だが、8日の原油価格(終値)を書き止めておこう。投機筋は、イラン情勢、ヨーロッパの信用不安の解消を背景に一挙に上げたかったのだろうが、現下の需給、為替、株価動向の不安定がそれを押さえ込んだ格好だった。 結局、WTIは、30セント高のバレル当り98.71ドルに止まった。投機のブレントも97セント高に止まったものの、117.20ドルと117ドル台へと突入した。相変わらず、現下の需給からすれば考えられない高さが続いた。 9日夜は、続伸している。WTIは50セント高の99.21ドル、ブレントは117.75ドルまで上昇した。ヨーロッパの株高、対ユーロドル安を背景に異様な上昇は続く。 金の昨日の終値は17.1ドルも下げた。オンス当り1731.3ドルになった。ただ、最高値は、1754.8ドルまで上げた。また、ジリジリと下げ始めるのかと思ったら、9日夜は4.6ドルと僅かながら上げた。1735.9ドルだ。しかい、最高値は1742.1ドルまで下げた。
2012年02月09日
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この作品はフィクションであり実在の人物団体等とは一切関係ありません。Copyright(C) 2008-2011 Kazuo KAWAHARA All rights reserved. 原油価格は、一二月二〇日には三ドル以上上昇し、九七ドル台となった。そして、その後も、上昇し続けた。二一日には九八ドル台、二二日には九九ドル台と鰻上りだった。二三日、二四日も高値が続いた。 加えて、クリスマス前後は、先物市場の取引量が普段に比べ少なくなっていて、イエイツの動きがより大きな影響を与える背景が整っていた。 二七日には終に一〇〇ドルを超えた。「イブラヒム。お前には世話になったな。今年ももう直ぐ終わるが、お陰さまで、昨日は、原油価格も一〇〇ドルを超えた。一〇一・三四ドルと、一ドル以上も超える余裕振りだ」 電話のイエイツの声は弾んでいた。前回同様、上機嫌だった。とにかく、原油価格が上がっていれば、機嫌が良かった。イブラヒムの脳裏には、脂ぎった、イエイツの額、上機嫌な時につきものの、ゆっくりと体を揺さぶる仕草がはっきりと浮かんでいた。「会長。有難うございました。お陰さまで大分儲けさせて貰いました」「いやいや、これもお前と殿下のお陰だ。助かった」 イブラヒムは、傲慢なイエイツにしては、随分とへりくだった、殊勝な物言いだと思っていた。確かに、イブラヒムは、あれから、アブドルアジズの了承を得て、半端ではない資金をイエイツに提供していた。そうではあるが、巨大銀行のシルバーマンからすれば、それほどウエイトの高いものではない。イエイツのことだ、何か、意図があっての物言いに違いないと考えていた。「殿下にはくれぐれも宜しくな。来年こそ一五〇ドル原油時代を実現する決意です、とお伝えしてくれ」 一気に一五〇ドルとは随分と強気なもんだと、イブラヒムは呆れていたが、イエイツは本気だった。「会長。それを聞けば、殿下もきっと喜ばれますよ。必ずお伝えしましょう。殿下もここのところの展開に満足されておられます。会長にも宜しくと仰っていました」 アブドルアジズが、そんなことは一言も言っていなかった。イブラヒムのイエイツへのリップサービスだった。「そうか。そうか。それは有難い。それじゃ、そこで、もうひと押し頼むよ」 イエイツがそれを言いたかったことはみえみえだった。 イブラヒムは、一五〇ドルが実現するかどうかはともかく、来年に向けて、資金を大量に準備するつもりでいた。「分かりました。今の展開をご説明すれば、殿下もきっと追加の資金投入をお認めになることでしょう」 イブラヒムは、アブドルアジズに相談しなくても、まだまだ資金を投入出来た。それをイエイツに言う必要などない。「イブラヒム。有難う。朗報を待っているよ」 頼みごとを終えると、イエイツはそそくさと電話を切った。 イブラヒムはいずれ年が明けたら、アブドルアジズに挨拶に行くつもりでいた。もともと、そこで、追加資金を貰うようにしようと思っていた。 追加的な資金があれば、鬼に金棒だ。 ところが、皮肉なことに、二八日には、原油価格が大幅に低下してしまった。二ドル近く下げ、あっと言う間に、100ドルを割ってしまったのだ。
2012年02月08日
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この作品はフィクションであり実在の人物団体等とは一切関係ありません。Copyright(C) 2008-2011 Kazuo KAWAHARA All rights reserved.
2012年02月08日
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7日の原油価格(終値)は、株高、ドル安を受け上昇した。ここのところ、まちまちの動きだったWTIと投機のブレントは、ともに上昇した。異様な動きは続く。 WTIは、1.50ドル高のバレル当り98.41ドルまで上昇した。一段と異様な高みにあったブレントは30セント高に止まったものの、116台へと突入し、116.23ドルになった。現下の需給からすれば考えられない高さだ。 金もドル安を受けて上げた。23.5ドル高のオンス当り1748.4ドルになった。最高値も、1752.6ドルとなった。ここのところのジリジリとした下げの流れが変わったのか? ヨーロッパの信用不安問題は容易に解決出来る問題ではないが、ギリシャの債務問題に進展が見られるという情報がバネになった。一昨日は進展が見られないということで低下したばかりだ。まるで猫の目のようだ。
2012年02月08日
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週初6日の原油価格(終値)は、またまたWTIが下げ、投機のブレントが上げると言うまちまちの動きだった。そこには天然ガス供給に不安の無いアメリカと不安を抱えるヨーロッパの差が出と言う側面もある。 ここでは、アメリカの天然ガス先物価格が原油に換算するとバレル15ドル程度にしかならないと紹介し続けて来たが、ヨーロッパはロシアの天然ガスという不安な供給先と向き合わなければならないからだ。 それはさておき、この数年間は、全体として株高、ドル安の二大金融要因が先物市場を動かして来た。要するに原油の金融商品化の悪影響だ。それに、その後には投機の問題がある。 勿論、投機は悪いことではないし、先物市場のバックボーンであったリスクヘッジ機能も必要なことだ。しかし、何事もそうだが、行き過ぎれば問題となる。石油の場合には需給から遊離したことが問題だった。 それはさておき、WTIは、93セント安のバレル当り96.91ドルとなる一方、ブレントは1.35ドル高の115.93ドルになった。ブレントは投機の影響を受け易いことが、これで一層明らかだ。 金も下げている。15.4ドル安のオンス当り1724.9ドルになった。最高値は、1740.9ドルだった。相変わらず、ジリジリと下げている。利益確定売り、売り志向が強かったようだ。
2012年02月07日
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週初6日昼の原油価格は、先週末のヨーロッパ、アメリカ株の急伸を受けたアジア株の上昇にも係わらず、僅かながら低下している。とは言え、先週終値後の最終取引からすれば、まあ、横ばいだが。 しかし、この数年間の株高、ドル安による高騰を考えれば、油断は出来ない。いつ、投機筋が牙を向くか分からない。それを防ぐには、経済成長とエネルギー需要のリンクを弱めることも一方策だ。 WTIは、58セント安のバレル当り97.25ドルになっている。低下したとは言え、未だ100ドル程度の高水準のままだ。アメリカでは天然ガス価格が圧倒的に安いという異様な状態が続いている。需要が減る分けだ。 投機のブレントに至っては未だに114.34ドルと超高水準が続いている。逆値差も17.09ドルと大きい。とても、正気の沙汰ではない。アジア向け原油はこの影響を直に受けて、極めて高いままだ。 金も下げている。4.1ドル安のオンス当り1736.2ドルになった。最高値は、1738.5ドルだった。ジリジリと下げている。インド、中国の現物需要も季節が過ぎ、一服ということか?まあ、本格的動きは夕からだが。
2012年02月06日
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週末3日の原油価格(終値)は、ヨーロッパ、アメリカ株の急伸を受け、大幅に上昇した。それでも、ドルがそこそこ高かったから、これで収まったがそうでなければ大変だったろう。 嫌になるが、まあ、この数年間はこの調子だ。株の高騰は、投機を活性化する。現下の石油需給などは二の次だ。特に、ヨーロッパがひどい。アジア向け原油も煽りを受けて、更に高くなった。 WTIは、結局、そのまま続伸して、1.48ドル高の97.84ドルになった。投機のブレントに至っては2.51ドル高の114.58ドルまで上昇した。逆値差は16.74ドルまで拡大した。とても、正気とは思えない。 金は逆に下げた。19ドル安のオンス当り1740.3ドルになった。最高値は、1765.9ドルだった。こちらはアメリカの雇用統計改善を弱気要因と解釈したようだ。確かにドルも対ユーロでそこそこ高くなった。利益確定、調整の動きもあったようだ。そうかもしれない。
2012年02月04日
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3日夜の原油価格は、急伸し始めている。アジア株式市場がまちまちだった時にはバレル当り96ドル割れ近くまで低下したが、ヨーロッパ株式市場が急伸するとともに、原油価格も上げ始めたのだ。 何だこれはと言っても始まらない。この数年間はずっとこうだった。現下の需給要因よりも資金の需給が原油価格を決める。基本的にはそういうことだ。これが原油の金融商品化ということらしい。 ということで、ヨーロッパ市場が開いてから急伸し、WTIは、64セント高の97ドルになった。投機のブレントは37ドル高の112.44ドルとなった。逆値差は僅か狭まった。しかし、未だ何とも言えないひどい異様さだ。 金も上げた。僅か3ドルだが、上げてオンス当り1762.3ドルになった。最高値は、1785.9ドルだった。投機資金の流入を受けて、ジリジリと上げて来ている。まあ、金は経済に悪影響を与える分けではないから良いか。
2012年02月03日
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2日の原油価格(終値)は、またまた、またまた(これはミスタイプではない、うんざりしているから繰り返した)WTIと投機のブレントでまちまちの動きとなってしまった。市場が近いアメリカとヨーロッパでこんなことが起きて良いのだろうか? 近いと言っても市場が異なるのだからと言う弁解もあるようだが、それならヨーロッパとアジアも異なった動きで良いのだろうが、そうではない、ブレントの影響でアジア向け中東原油もかなりの高みにある。 そこには投機のブレントを牛耳る一大勢力があるからだろう。それはさておき、今回あのBPがこれに関連したいろいろと示唆に富む見通しを発表したようだ。これはなかなか面白い。 西半球は、石油、天然ガスの需給では2030年まで何の問題は無い。と言うことだが、この西半球という表現が曲者だ。何のことはない、アメリカ、カナダ、そして本拠地のイギリスのみと考えた方が良さそうだ。 カナダのオイルサンド、オイルシェイル、そしてアメリカのシェイルガスで需給が圧倒的に緩んだからだ。それに、スーパーメジャーの有する超深海での石油開発技術、鬼に金棒だ。 そして、ヨーロッパ(イギリスを除くと考えた方が良い)は、ロシアとの連携が問題だ、としている。確かにロシアの石油・ガス資源無しでは、心許無い。フランスの原子力も日本の原発事故で不安要素が出た。 フランス主導でリビアのカダフィをやっつけておかなかったら大変なことになっていた筈だ。そして、アジアについては突き放しだ。中国、そして日本も中東の石油・ガス資源に依存することになる、としているのだ。 それが、正しいかどうかは別として、当然のことながら、現実を良く踏まえた見通しであることには間違いが無い。これを見て、日本、中国がどう考えるか、それが重要だ。何も感じないうようなら、悲劇が待っている。 ということで、WTIは、1.25ドル安のバレル当り96.36ドルとなったが、投機のブレントは僅か51セントだが、続伸して112.07ドルとなった。逆値差は終に15.71ドルまで拡大した。何とも言えないひどい異様さだ。 金は投機のブレントと同様更に上げた。9.8ドル高のオンス当り1759.3ドルになった。インフレ指標の強化などあるようだが、とにかくリスク志向が高まってつまり投機の結果として上がった。最高値は1764ドルだった。
2012年02月03日
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この作品はフィクションであり実在の人物団体等とは一切関係ありません。Copyright(C) 2008-2011 Kazuo KAWAHARA All rights reserved. ヤシンはそれで「鋭意折衝中」かと余程言いたかったが、ヤシンは全てターハに任せているし、実際、何も出来ない。ヤシンのようなプロモーションに力点を置いた人間に大事なのはデモテープを聞かせるよりも、段取りを付けることだ。「ヤシン様、ご心配には及びません。ハキムさえ、プロジェクトに参加して貰えばそれで済みです。デモテープを聴いて貰うのはムハンマドの他にはハキムだけで宜しいのでは」 それはその通りだ。エイブル・レコードでの再デビューの成否はハキムに掛かっていると言っても良い。「そうだろうね。だが、母上が伯父上に頼むことが出来たとしても、ハキムが参加するかどうかは分からない」「ええ、そうですね。特に、ハキムの性格からすれば、自分が納得しないことには例え誰から何と言われても参加しないかも知れませんね」「それじゃ、話すだけ無駄なんじゃないの。いや、むしろ、母上に頼むことが却って仇になるんじゃない」 ヤシンはもともと母ラミアに頼むことは気が進まなかった。デビューに失敗したヤシンにラミアは二度と音楽で食べて行こうなどと考えないようにと釘をさされていたのだ。「ヤシン様、一か八か、やるっきゃありませんよ。駄目元でも。出来ることは何でもやらないと。駄目ですよ。伝手を頼って。伯父上の力に掛けてみませんか」 ターハはまるでヤシンがラミアに働き掛けなければ、手を引くとでも言いそうな剣幕だった。ヤシンは、いやいや、ラミアにコンタクトしようとしていた。「分かった。お前に頼んでから、もう随分経つ。とっくにイスラムでは新年になったし、もう直ぐ、西暦でも新年だ。一か八か、か」「やっと、その気になってくれましたか。そうですね。随分と時間も過ぎました。費用もかさむばかりで。そうそう、その内に、これまでの費用を請求させて頂かなければ」 ヤシンには、この言葉がズシリと応えた。スルタンに怒られる時がやって来る。いつかこの時が来るとは思っていたが、考えないでいるようにしていた。 一二月下旬には、原油価格が上昇に転じた。イブラヒムは、ホッとしていた。イブラヒムの取り合えずの協力も少しは利いたかなと、思ってはいたが、イエイツの行け行けどんどんが利き始めたのだろう。こんな動きになれば、アブドルアジズに話をしやすい。アブドルアジズの協力が得られて、本格的に協力することになれば、この上昇の勢いに火が点くかもしれない。 イブラヒムは、原油価格は本当にジオポリ(地政学的)要因の影響を強く受けると、改めて感心していた。それは、植木がファイサリア・レジデンスにいた時から議論をしていたことでもあったが、今回はその印象が特に強い。 北朝鮮のキム・ジョンイル(金正日)とか言う、最高指導者・総書記が死んだと言うニュースが一九日に伝えられると、一六日までの流れが変わった。実に面白い、と考えていた。と、言うよりも、実に楽しい。これで、また、儲けが転がり込む。キムさま、イエイツさま、さまだ。 相変わらずのイラン問題も燻っている。それにカザフスタン西部では暴動だと。やれやれ、どんどんと言ったところだった。不安が高まれば、市場は敏感に反応する。
2012年02月02日
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2012年02月02日
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2日夕の原油価格は、朝方よりは上昇した。朝方は、昨日比マイナスだったが、今は、僅かながら昨日比プラスに転じた。アジアの株式市場は軒並み上昇、ドルも対ユーロで軟化した。そのためだろう。 おかしいと言っても始まらない。ドルだってまだまだ対ユーロで強い。アメリカの石油需要はジリ貧だ。冬場の取り崩し期だと言うのに、石油在庫だって増えている。何も強気になる要因は無かった筈だ。 WTIは、7セント高のバレル当り97.68ドルとなった。投機のブレントは続伸だ。58セント高の112.14ドルとなった。逆値差は終に14ドル台へと突入した。異様さは嵩じている。 金は僅かだが更に上げた。1.2ドル高のオンス当り1750.7ドルとなった。最高値は1756.7ドルになった。ただ、これまでジリジリと上げて来てはいたが、その勢いが弱まった感がある。
2012年02月02日
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1日の原油価格(終値)は、またまた、WTIと投機のブレントがまちまちの動きだった。ヨーロッパの大幅な株高に対しアメリカの株価上昇がそれほどではなかったこと、それに石油需給統計による弱気要因もあったということだ。 しかし、対ユーロドル安は両者ともに同じだった。株、為替の二大金融要因だけだったら、WTIも上昇したことだろう。そう考えれば、現下のアメリカ石油需給要因も僅かながら利いたと言えそうだ。結構なことだ。 即ち、WTIは、結局、87セント安のバレル当り97.61ドルとなったが、投機のブレントは58セント高の111.56ドルになった。それでも、ブレントは昨晩寝際の112.14ドルからは下げた。 下げは当然のことだろう。そして、まちまちの結果、ブレントの逆値差は13ドル台まで広がった。異様さはますます嵩じている。因みに、アメリカの天然ガス価格は原油換算でバレル当り14.29ドルまで低下している。 金は更に上げた。9.1ドル高のオンス当り1749.5ドルとなった。こちらもブレントではないが、昨晩寝際の1752.7ドルからは下げた。急激な対ユーロドル安が上昇の主因のようだ。最高値は1754ドルのままだった。
2012年02月02日
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1日寝際の原油価格は、株高、ドル安にも係わらず、WTIが僅かな上げに止まっていたが、投機のブレントは大幅に上げた。またまた、まちまちの動きとなった。 ヨーロッパの株が急激に上げ、アメリカがそこそこの上げということが利いたのだろうか。ただ、ドルは対ユーロで急激に弱まった。本来ならば、相当に上げて良かったことだろう。 そんなことで、WTIは、13セント高のバレル当り98.61ドルに止まったが、投機のブレントは1.16ドル高の112.14ドルまで上げた。逆値差は、12ドル台のままだ。まことにおかしい。 金は更に上げた。12.3ドル高のオンス当り1752.7ドルとなった。急激な対ユーロドル安が主因なのだろう。最高値は1754ドルと一時の過激な上げではない。 アメリカの石油統計が発表となったが、それによれば、今更だが、深刻な需要減退が続いている。過去四週間平均の石油需要は昨年同期比4.3%減、ガソリン需要は同7.3%減だ。本来、石油在庫の増減よりもこちらを見るべきだろう。もっとも、暖房油を除き、石油在庫も増加しているが。
2012年02月01日
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31日の原油価格(終値)は、WTIがアメリカ株の低下を受け、それまでの上昇を抑え、僅か下げたが、投機のブレントはヨーロッパ株が僅か上げたことを受け、僅か上げた。まちまちの結果になったが、ほぼ横ばいと言ってよい。 需要低迷が続き、現下の原油需給に何等問題が無かったのに、株高、イラン問題などで、原油価格が不当、不正に上昇したここ数年の修正はなかなか行われない。行き過ぎ投機の悪弊が原油を覆っていると言えそうだ。 WTIは、昨晩、1.22ドル高の100ドルまで戻していたが、結局、30セント安のバレル当り98.48ドルまで下げた。アメリカ経済指標の悪化、株低下は投機筋の心理を冷え込ませたようだ。 しかし、何でそれなら、本来注目すべき、アメリカ石油需要の低迷など現下の石油需給を冷静に分析しなかったのか?大いに疑問だ。需給不安要因だけを取り上げ、価格高騰を仕組んだと言われても仕方が無いだろう。 それでも、投機のブレントは僅かながら上げた。23セント高の110.98ドルになった。まあ、昨晩の112.06ドルからは下げた。当然だ。これで、WTIとの逆値差は、12.50ドルへと拡大した。世も末だ。お陰でアジアはこの歪さに苛まれている。 金もブレント同様上げた。6ドル高のオンス当り1740.4ドルとなった。対ユーロドル安が主因のようだが、それはWTIも同じ筈だ。それでも、昨晩の1742.2ドルからは僅か下げた。現物需要も増えたらしい。 アメリカの低金利政策も金価格上昇の背景にあるとしているが、低金利政策が経済成長を担保し、将来インフレになるとでも言うのだろうか、あるいは金利を遥かに上回る金の値上がりが確保されているとでも言うのだろうか?何等、割り切れないがまあこちらは庶民には関係の無いことだが。
2012年02月01日
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