蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

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2005/07/20
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カテゴリ: 韓流ドラマ&映画
ソンジェは葉子の待つ部屋に帰ってきた。

「おかえり、ソンジェ」
「葉子さん、ちょっと」

優しく葉子を呼ぶソンジェ。
その瞳には、ある決心が秘められていた。

ソンジェの前に座った葉子の手を、そっとソンジェは握る。
「葉子さん、何を隠していますか?」
ソンジェの単刀直入な問いに、葉子はギクリとした。
「ボクの病気、ひどくても大丈夫です」

葉子はみるみる目が潤むのを感じた。

「大丈夫」
ソンジェはどんな答えも受け入れるという瞳で葉子を見る。

握られた手が熱い。
葉子は混乱した。
『ソンジェは気付いたのだ・・・』
「葉子さん、本当のことを言ってください」
ソンジェの問いにどう答えたらいいのかわからない。
「あ・・・・」
台所を気にするフリをして立ち上がろうとした。
ソンジェは握りしめた手に力を入れ、葉子を動かさない。

「葉子さん」
恐ろしいほど澄み切ったソンジェの瞳を見つめているうち、葉子は涙を抑えきれなくなった。
「ソンジェの病気は手術すれば治るから」
最後まで言い終わらないうちに、葉子はソンジェから視線をはずす。
とても彼の瞳を見据えたままで言える言葉ではなかった。


もう抑えられない。
葉子はソンジェに手を握られたまま、彼に背を向け、涙をこぼした。

葉子のただならぬ様子に、ソンジェは全てを悟った。
握りしめていた手を力なく離す。
葉子はただ涙を流れるままにしているしかなかった。

今夜も星が綺麗だ。
また流れ星が消えた。

ソンジェは窓辺に立った。
「葉子さん、ありがとう。ボクは大丈夫」
「ソンジェ」
涙を拭いて、ソンジェを見上げる葉子。
「ボク、いつ死んでもいい。葉子さんと会えたから」
葉子は頭をガンと殴られたような気がした。
「何いってんの。ソンジェの病気は治るんだから。お医者様も手術をすれば治るって言っていたでしょう。だからソンジェ、ソウルに帰って手術をしてね」

泣いてはいけない・・・葉子は思った。
私が泣けば泣くほど、ソンジェは自分の病気の深刻さに気付いてしまう。
涙を拭きながら、葉子は平常心になろうとした。

「ボク、葉子さんと一緒にいて幸せだったけど、葉子さんの家族、だめにした」
葉子はソンジェの言葉を聞いて、胸がえぐられるような気持ちがした。
「ソンジェ」
「もしボクが死ねば、葉子さん、家族に帰れる」
紙のように白い顔でソンジェは言った。





「何言ってんのよ。葉子の家族がダメになったのは、ソンジェのせいじゃないでしょ。葉子と昭彦の問題、そうなる運命だったの。そんなこと言わないで。そんな寂しい笑顔を見せないで。胸が苦しくなるから。どうかわかって、葉子の家庭は、貴方と葉子が出会う前からいろいろあったの。貴方との出会いは、きっかけにすぎないのよ。昭彦は、妻である葉子を顧みなかったし、葉子は夫に依存して生きてきた。昭彦はがむしゃらに働いているうちに、医師としての初心を忘れ、権力争いの渦に巻き込まれていった。葉子は人生の目的を考えることもせず、ただ自分以外の誰かに幸せにしてもらいたがっていた。
だからたとえ(そんなことはないと思いたいけれど)貴方が死んだとしても、葉子は家族のもとへは戻らないわ。そう確信できる。
でもソンジェ、貴方が今しなければならないことは、そんなことじゃないでしょ。葉子の家族のことは本人たちに任せて、貴方は今、自分の体のことを真っ先に考えなければいけない。どうかもっと自分のことをいたわってあげて。自分の気持ちを大切にして。
葉子のことを愛しているんでしょ。
愛は奪うものではない、与えるものだって言うけれど、時には自分の気持ちの赴くまま、貪欲に葉子の愛を奪ってもいいんじゃない?自分の気持ちに忠実に。5年前のあの雨の日のように。私は何も望まない。貴方が生きていてくれるだけでいい。
貴方が生きていて、葉子と穏やかに笑っていてくれるだけでいいの。そんな貴方をそっと見ているだけで幸せなの。だから、どうか治療に専念して。体を大切にして。もうこれ以上悲しいことは言わないで。今度は私の体が壊れてしまうから」

と、私は葉子の代わりに一気にまくし立てた。
もちろん、TVに画面に向かって。





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最終更新日  2005/07/21 12:51:25 AM
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