蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

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2005/08/17
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カテゴリ: 韓流ドラマ&映画
ソンジェは放心した顔で、クレープ屋のワゴンに戻ってきた。

恭一の言葉にも返事が出来ない。
「そんなにソンウのことが気になるのか?また俺の知り合いに聞いておいてやるよ。な、今夜は景気付けに新宿で遊ぼうぜ。昨日、言っただろ?臨時収入が入ったんだよ」
口の片端をぐいっと上げる笑い方をしながら、恭一が言った。
ソンジェは恭一の顔を見ながら、
『気晴らしになるかもしれない』
と考えていた。

いつもより早めに店じまいをして、恭一とソンジェは新宿に向かった。極彩色の看板が目にはいる。ソンジェはまぶしいほどの光を放つ看板を見ながら『ここはいつ来ても好きななれない』と思っていた。

「恭一兄さん?」
ソンジェはあわてて恭一を追いかけ階段を下りていく。彼が入っていった店の看板を見て驚いた。
「ここは・・・」
恭一がドアから顔を出して、ソンジェを呼ぶ。
「おい、まさかお前、ここまで来て怖気づいたんじゃねぇだろうな?気分が滅入る時は、女を抱くのが一番の気晴らしになるんだよ。こういう店に来るのは初めてじゃないんだろ?」
恭一の言葉に、ソンジェは顔が赤く染まっていくのを感じた。
「僕は、女の人を自分の欲望のはけ口にしたくありません。」
そういうと、階段を駆け上がる。
ソンジェの脳裏には、あの女性を抱きしめ、キスをする自分の姿があった。

「おい、待てよ」
後から恭一が追いかけてくる。

恭一はソンジェの肩を抱いて歩き始めた。


したたか酒を飲んで、恭一はすっかり酔っ払ってしまった。
ソンジェは恭一に肩を貸し、アパートに戻ってきた。
汚れた四畳半の畳の上に、ごろりと横になって恭一が言う。
「なぁソンジェ。お前、ソウルに帰ったら何をするんだ?」

恭一は顔をゆがめながら言った。
「ふん、夢がねえな」
「夢って、叶わないから夢なんじゃないんですか?」
恭一はソンジェの方を向き、チッと舌打ちをした。
「僕は平凡な暮しの中から、小さな幸せを見つけながら生きていきます。自分の能力以上のことはできませんから・・・」
ソンジェは、そう囁くように言った。
恭一は仰向けになり、腕を頭の下に組みながら言う。
「お前と話していると、夢がしぼんでいくぜ」
そういう恭一を、ソンジェは苦笑いしながら見ていた。

突然電話が鳴った。ソウルの兄、ソンミンからだった。
「ソンジェ、父さんが倒れた。もうだめかもしれないんだ」
「え?父さんが?」
「もう帰って来い」
ソンジェの頭に、ソンウの笑顔が浮かぶ。
「嫌だ!勝手なことを言うなよ、兄さん。ソンウを探せって言ったのは、兄さんじゃないのか?父さんのことは心配だけど、今僕がソンウのことを見捨てて韓国に帰ることは出来ない」
「ソンジェ・・・」

ソンミンが何か言おうとしたが、ソンジェは受話器を置いた。

「おい、親父さんがどうしたんだ?」
恭一がすっかり酔いの覚めた顔で尋ねる。
「倒れたんです。かなり悪いようで・・・」
「ソウルに帰らなくていいのか?もし間に合わなかったらどうするんだ?」
“間に合わない”恭一の言葉に、ソンジェは血の気が引くのを感じた。しかしそれと同時にソンウに対しての罪の意識が再び頭をもたげてきた。
「僕はソンウを探し出すまで、ソウルには帰りません」
『それに、今帰ってしまったら、もう2度とあの人に会えなくなる。そんなのは嫌だ。もう1度、彼女に会いたいんだ。どうしても』
ソンジェは彼女の笑顔を思い浮かべ、胸が痛くなるのを感じていた。







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最終更新日  2005/08/18 12:22:35 AM
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