蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

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2005/09/01
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カテゴリ: 韓流ドラマ&映画
翌日、ソンジェは江ノ島へ向かった。JRで藤沢駅まで行き、そこで江ノ電に乗り換える。

ソンジェは葉子と会う場所を調べた末に、ここに選んだ。

日本に来てから、ソンウの行方を捜すことと、恭一のクレープ屋を手伝うだけで、遠出をしていなかったソンジェは、東京の新宿以外の土地勘はない。
しかし葉子の家庭のことを考え、彼女の生活範囲から出たところで会うべきだと思った。
また東京のような人が多いところでも会いたくない。
静かで自然に触れられるようなところで、葉子とゆっくりとした時間を過ごしたかった。

待ち合わせ場所の神社に向かう。
『葉子さん、来てくれるだろうか?』


待ち合わせ場所にした神社の鳥居が見えてくる。
赤い鳥居の下に、葉子の姿があった。
『葉子さん!』
ソンジェは駆け出した。
葉子は目を閉じ、静かに祈っているようだ。
葉子の後ろで息を整え、そっと彼女に目隠しをする。
はっと頭を起こし、葉子はソンジェの手をとった。
振り向く葉子の優しい笑顔を見て、ソンジェはときめく。
『今日1日は、僕たち恋人同士でいいよね?貴女を愛する1人の男として過ごしていいよね?』
ソンジェは心の中でそう思いながら、葉子と連れ立って歩き始めた。

江ノ島に渡り、エスカーと呼ばれる屋外エスカレーターに乗って、頂上を目指した。

頂上まで、4つのエスカーを乗り継いで上がる。乗り換え場所に銭洗い池、辺津宮、中津宮などがあり、気ままに散策しながら頂上に上がることが出来た。
ソンジェは日本の建築物を、珍しそうに眺めながら歩いていった。

1つめのエスカーを降り、2つめに乗り継ごうと歩いていると、ソンジェは不思議な光景を目にした。
「あれは何ですか?」
葉子はソンジェが指差すほうを見た。

「エマ?」
「そう、願い事を書いて、あのように木につるすの。そうしたら願い事がかなうって言われているのよ」
2人は絵馬が鈴なりになっている木の下にやってきた。
「“むすびの樹”・・・ここには縁結びの絵馬を奉納しているのね」
「縁結び?」
「ええ、絵馬に2人の名前を書いて、この木に結んでおくと別れないって言われているんですって」
葉子の言葉に、ソンジェは目を輝かせた。

新しい絵馬に手を伸ばそうとしたとき、葉子が言った。
「絵馬を奉納するの?」
ソンジェははっとして手を止めた。
『そうだった。いくら今日は恋人同士でいたいと思っていても、葉子さんには家族がいる。僕たちが別れないということは、
周りの人間を傷つけるということなんだ。でも・・・』
ソンジェは葉子を見た。
絵馬に書かれた文字を一心に読んでいる彼女も、自分と同じ気持ちなんだろうと思った。

江ノ島を散策し、土産物屋を見て回った後は、弁天橋を渡って、駅のほうへと戻る。
途中で海岸に出た。
砂浜が心地よい。
ソンジェは葉子の手をとり、砂浜を走った。
波打ち際まで来ると、葉子を抱き上げ、波の上に彼女の体を持ち上げる。
葉子ははしゃいだ声を上げ、ソンジェにしがみついた。
潮の香りと葉子の甘い香りがソンジェを包む。
彼女とこのまま、どこか遠いところへ行ってしまえたら・・・。
ソンジェは葉子を抱きしまたまま、海の向こうを見ていた。

波打ち際でさんざん遊んだあと、2人は砂の上に置かれている流木の上に座った。
「ヨウコッシ、貴女の夢は何ですか?」
「夢?夢なんて見たことないな・・・。毎日の生活で精一杯で。ソンジェさんは?」
「私、利川に行きたいです」
「イチョン?」
ソンジェは幼いころ叔父さんの陶芸窯で、陶芸への夢を育んできたことを話した。
「お金たくさんいらない。夏休みや冬休み、子どもたちに陶芸を教えたい。韓国の文化を伝えたいんです」
「素敵な夢ね」
葉子の言葉に、ソンジェは意を決して言った。
「私、利川に貴女を連れて行きたいです。ソウルに帰ったら、手紙書きます」
葉子は遠くを見たまま答えた。
「ううん、私は利川には行きません。手紙も書かないで」
ソンジェの心がズキンと痛む。
「今日はお別れを言いにきたの。貴方はソウルへ帰るし、私は家族のところへ帰るわ。今までありがとう、とても楽しかった」
『葉子さん、本気なの?貴女は僕がいなくても平気なの?これで本当にお別れする気なの?』
ソンジェは葉子に会うまでに経験した、いくつかの恋を思い出していた。
恋・・・というほどのものではない淡い出来事ばかりだった。
『僕は今までこれほど人を好きになったことがないんだ、葉子さん。でも貴女は僕と別れるという・・・。』
葉子の家族を傷つけたくない思いと、葉子への抑えきれない思慕との間で、ソンジェはどうしていいかわからなかった。

心の中で涙を流すソンジェに同情するように、急に空から雨が降ってきた。
雷まで鳴り出し、すぐに雨は勢いを増す。
ソンジェは葉子をかばいながら、雨宿りができるところを探した。

少し先にボートハウスが見えた。
葉子とソンジェは、雨を避けボートハウスに逃げ込んだ。
葉子は濡れたことをおもしろがり、
「濡れちゃったね」
と笑う。
ソンジェはびしょぬれになったサマーセーターとTシャツを脱ぎ捨てた。
振り向くと、葉子も濡れたカーディガンを脱いでいる。
濡れたブラウスの下から、彼女の肌が透けて見えた。

『葉子さん・・・』
ソンジェは体の芯が熱くなるのを感じていた。
『今日でお別れなんて、本気なの?こんなにも貴女のことが好きなのに。僕はどうすればいいの?どうすれば貴女の心をつなぎとめておくことが出来るの?・・・貴女が欲しくてたまらないよ』

ソンジェはどうしようもなく熱く膨らんでいく葉子への想いを抑えきれなくなり、後ろから彼女を抱きしめた。









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最終更新日  2005/09/01 08:50:52 PM
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