蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

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2005/09/17
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カテゴリ: 韓流ドラマ&映画
<懐かしい日本の皆さん、お元気ですか。僕は今韓国で兵役についています。6週間の基礎訓練が終わり、勝利(スンリ)部隊に配置されました。とても辛い訓練の日々で、風呂に入る体力も残っていません。規律も厳しく自分の時間はほとんどありません。そんな中で僕はよく日本のことを思い出します。親切にしてくださった皆さんのことを。僕はまだ、自分の夢を忘れていません。いつか、利川(イチョン)の美しい風景の中で自分の窯を持ち、作品を作り上げたい。いつか僕の作品を皆さんに見てもらいたい。心からそう思っています。また会う日まで。チョン・ソンジェ>

ソンジェは安岡の陶芸教室に宛てた手紙の封をした。
その手紙を一回り大きい封筒に入れ、学生時代の友人宛の住所を書く。彼にだけは葉子とのことを話していた。宿舎から直接日本に手紙を出しづらいため、友人に送ってもらうのだ。
葉子との恋を話したときの友人の反応は複雑なものだった。彼はぽつりと言った。「ソンジェ、僕も日本人に対してはいい感情は持っていない。でも君のことは信じている。君が愛した人なら、きっといい人なんだろう。人のものを奪うどころか、自分のものさえ人に分け与えてしまう君が、それほどまでに愛した人なんだから。僕は君への協力は惜しまないよ」

ソンジェが兵役についてから、数ヶ月が過ぎていた。
慣れない訓練は予想以上にきつく、毎晩就寝時刻には泥のように眠った。
しかし週に何回かは、こっそり起きて手紙を書く。家族宛に書くときもあるが、ほとんどが葉子に宛てたものだった。彼女に直接出すわけにはいかない。出せない手紙がどんどん増えていく。それでもたまには安岡の陶芸教室に送る。もちろん安岡への感謝の気持ちもこめながら、葉子が目にすることを祈って手紙を出していた。
自分が葉子を忘れることはないが、葉子には家族がいる。ソンジェとのことを、もう思い出にしてしまっているかもしれない。仕方がないと思うときもあるが、軍事訓練がきついときなどは、葉子を想い、彼女も自分のことを考えていて欲しいと切実に思う。
『葉子さん、この厳しい訓練が終わったら、日本に行ってもいいかな?母は許してくれないだろう。実際にいけるかどうかもわからない。でも貴女に会えるかもしれないという希望がなければ、この訓練を乗り越えられないよ。貴女との甘い思い出を想い、再び貴女を抱きしめるという夢がなくては・・・。』


その日も厳しい訓練を終えて、ソンジェは基地にある宿舎に戻ってきた。
男ばかりがたむるする部屋は、人いきれでむっとしていた。
ヘルメットを磨いていた仲間の一人が、ソンジェを見つけて声をかけてくる。
「ソンジェ、今日お前を訪ねて女がきたらしいぞ」
「え?」
「日本人の女だって。お前の女か?」
ニヤニヤ笑いながら問う仲間に、
「そんなんじゃないよ」
と答え、ソンジェは窓辺に行く。
「葉子・・・?」
心の中はさざめいていた。


「こんにちは、お元気ですか」
「ああ、ソンジェくん。私は元気だよ。君は元気?」
懐かしい安岡の声だ。ソンジェは安岡の温かい瞳を思い出した。
「はい。私、今軍隊にいます」
「ああ、軍隊か。大変だね。体壊していないだろうね」

「はい。大丈夫です」
「当分、陶芸のほうは出来ないね。でも君ならいつかきっとすばらしい作品を作ると信じているからね」
「ありがとうございます」
葉子のことが聞きたいが、ソンジェはしばらくためらっていた。
「何か私に用事でも?」
安岡の問いにソンジェは切り出した。
「あの、ここに日本人の女の人が私を訪ねてきたそうなんです」
「え?」
安岡が絶句した。
「でも私いませんでした。・・・・・葉子さんですか?」
「ああ・・・たぶんね」
やはり葉子なのか。
「どうして葉子さんがソウルに来ているんですか?葉子さん、どうかしたんですか?」
ソンジェは葉子への想いがとめどなくあふれてくるのを感じていた。
「いや・・・君が元気かどうか知りたかったんだろう。別に会いに行ったわけじゃないと思うよ」
「葉子さんが元気ならそれでいいです」
「彼女は元気にやっているよ。だから君も頑張って、ね」
「はい、ありがとうございます」

電話を切ったが、さまざまな想いは振り切ることが出来ない。
どうして葉子がわざわざソウルに、しかも自分のもとへ来たのか。
夫と平穏に暮らしているのなら、どうして来ることがあるだろう。
安岡の言葉を信じないわけではなかったが、葉子に何か異変があったような気がして、ソンジェは不安だった。
『葉子さん、会いたい・・・。貴女の顔が見たい。遠く日本と韓国とに離れているのなら我慢も出来る。でも貴女はここまで来てくれたんだ。この町のどこかにいるんだ。今すぐ宿舎を飛び出して、ソウルの町中貴女を探して歩きたい。貴女の姿を一目見て、もし許されるなら、抱きしめたい。葉子さん・・・』







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最終更新日  2005/09/17 03:42:09 PM
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