蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

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2005/09/26
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カテゴリ: 韓流ドラマ&映画
恭一が書いたメモをのぞきこんで、佳織が顔を曇らせる。

「さあ、わからないけど、僕一度見てきます」
ソンジェの顔を心配そうに見上げていた佳織は
「大丈夫かしら?あの人の下で働かない方がいいんじゃない?」
と言った。
「ダイジョウブですよ。ちょっと見てくるだけですから」
そう答えながらもソンジェはそこで働くようになる気がしていた。
働き口があるだけでもありがたいのだ。

もちろん就労ビザを持たずに日本で仕事をすることは違法である。しかし韓国を出るときには、このような状況になるとは予想がつかなかった。
短期滞在から就労ビザに変更が出来ないわけではないが、かなり難しいと聞く。変更するにはソンジェ側の問題もあるが、雇用先の会社の財政状況がよくなければ就労ビザは取得できないのだ。資金が潤沢な会社に就職できる可能性は万に一つだ、とソンジェは思った。
このまま指をくわえていれば、ソンジェと佳織、そして宗太が暮らしていけなくなるのは時間の問題である。なんとしても仕事を見つけ、金を稼がなければならない。
ソンジェはもう一度、恭一の書いたメモを見た。
『ゴールド・デビル、どんな店なんだろう・・・』

数日後、ソンジェは夕食を済ませてから「ゴールド・デビル」に向かった。
佳織は不安そうな顔をしたままだった。

ソンジェの住むマンションから新宿・歌舞伎町にある「ゴールド・デビル」までは、それほど離れていない。
『これなら遅くまで働いていて終電がなくなっても、車で帰らずに済む』
宗太の寝顔を思い浮かべながら、ソンジェは微笑んだ。

歌舞伎町の雑踏の中を歩く。夜はまだ更けていないが、これからはじまる狂乱の時間を楽しもうとする人々が、ぞくぞくとこの町に集まり始めていた。

そういえば、以前恭一とこの町に来たことがある。恭一が葉子から金をせびり取った夜だった。懐があたたかくなった恭一は憂さ晴らしに新宿に行こうとソンジェを誘った。
葉子と約束した時間に間に合わなくて落ち込んでいたソンジェは、珍しく恭一に同行した。
恭一がソンジェを連れて行こうとした店。それは金で男の欲望を満たす場所だった。ソンジェはそういう店だとわかると顔を染め「僕は、女の人を自分の欲望のはけ口にしたくありません」と言って逃げだした。
『そう、今でも僕は女の人を自分の欲望のはけ口にしたいとは思わない。愛しているからこそ抱きしめたいんだ。そして一つになりたいと思うんだ』
葉子の顔が浮かぶ。江ノ島での熱い抱擁を思い出した。今でも彼女の柔らかい体の感触が手に残っている。ソンジェは立ち止まり、自分の両手を見つめた。この手で愛する葉子を抱きしめ、愛撫した。

見つめていた掌を握りしめ、ソンジェは歩き出した。

「ゴールド・デビル」は歌舞伎町の雑居ビルの中にあった。1階にあるビルの入り口には、けばけばしく光る紫色の看板が置かれていた。
『ここか・・・』
ソンジェは不安げにビルを見上げた。

階段を上って店に着いた。そっとドアを開けてみる。
「いらっしゃいませ」
若い男の声に、ソンジェは驚いた。
「あの・・・金田恭一さんは・・・いらっしゃいますか?」
おそるおそる若い男に聞いてみる。
「なんだ新入りか?あぁ、店長だったら奥の部屋にいる」
「どうも、ありがとう」
ソンジェは奥の部屋に入っていった。
「恭一さん・・・?」
部屋には机と椅子が置かれ、恭一が座っていた。
「おう、ソンジェ。来たのか。どうだ、いい店だろ?」
「あの・・・ここは何の店なんですか?」
恭一はニヤリと笑ってソンジェを見た。
「お前のルックスだったら、やる気さえあれば、かなり稼げる店さ」
「え?」
「金持ちの女たちをいい気にさせて、ガッポリいただくのさ」
ソンジェには見当もつかなかった。
「お前、その年でまだ女を知らねぇのか?なんならいい女を紹介してやろうか?そういうことから教えてやらねぇと、ここでは勤まらねえからな」
「どういうことですか」
「ここは女をもてなす店、ホストクラブなんだよ」
ソンジェの脳裏に葉子の笑顔が浮かぶ。
『葉子さん・・・』






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最終更新日  2005/09/27 12:58:06 AM
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