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星の王子さま オリジナル版 / アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ 【本】価格:1080円(税込、送料別) (2017/8/25時点)一回読んでみてください!
2017.08.25
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思ったより長く続いてしまった『友へ』でしたが、ここで学生の皆さんにはいくつかの質問があります。この質問の根拠を示しながら、文章の読み方というか文章との対峙の方法を伝授していこうと思います。特に高校生の皆さんで現国が苦手という人は必読です!そしてそれが他の科目の成績向上につながることだって十分に考えられます。だって結局どの科目も国語(日本語)で学ぶわけですから!では最初の質問です。最後まで読んでくれましたか?おそらく途中で読むのをやめた人もいるはずです。実はそれも狙っていました。別に全員に最後まで読んでもらおうなんて微塵も思っていませんでしたよ!なぜなら途中から読む人が断念する可能性のある[壁]を用意してたんです。後世に残る「名作」といわれる作品の多くにもこの[壁]が用意されている場合が多いです。しかもその[壁]は後々大きな意味をなす重要なポイントだったりします。たとえば代表的な作品を1つ紹介するならば、『星の王子様(サン・テグジュペリ作)』です。皇子様が地球に来るまでに様々な星を訪ねる行(くだり)です。ほとんどの人があそこで読むのが嫌になるのですが、その[壁]を超えた人だけ後で頭を殴られたような衝撃を感じることができるのです!
2017.08.25
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さあ、思いのままに書き綴ってきたけど、そろそろにしとくわ。でも「今回は」・・・と付け加えとくで!もしホンマにあの世っていうのがあって、そこでお前が待ってくれているとしたら、本気でそっちに逝くのも悪くないと思う。その日までちょっと待っといてくれ。それまで俺はこの世に生きて、お前に聞かせる土産話をひとつでも多く用意できるようにせいぜい頑張ってみるわ。笑える話は少のうて、お前に「ホンマにお前らしいな!」って苦笑いされる話が言いうやろうけどな。そんな俺のアホ話を肴に酒でも飲めたら最高やな。そのときはお前も話してくれよ!俺らが会わんようになってからのことを。あるいはホンマに輪廻転生っていうか来世っていうのがあるんなら、もう一回会おうぜ。来世はどんな生物になってるんか知らんけどな。ま、人間ってことはないわ。今地球上には発見されてるだけで約870万種の生物がおるらしい。全部一周せなまた人間にならへんシステムやったとしたら、次に人間に生まれるんは約870万回後やからな。気の遠い話や。それでもかまへんわ。何でもかまへんわ。ホンマに来世っちゅうもんがあるんやったら、また会おうぜ。そして最後に言わせてくれ、得難い友やったお前に、俺はちゃんとこの一言をまだ言うてないねん。お前がこの世に生きていてくれたことに、お前があの頃の俺に声をかけてくれたことに、お前が俺にしてくれた全てのことに、友よ!ありがとう!!!
2017.08.24
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お世話になった人にな、いつかちゃんとお礼を言おう、いつか何かの機会に恩返ししよう、って思いながら生きててな。その「いつか」より先にその人を亡くしてしまうねん。お前と会わんようになってからの約20年、俺の人生はそんなことの繰り返しやった。去年はそんな恩人を2人も亡くした。2人も・・・って思うてたら。お前まで亡くしてたとはな。そやから、俺はお前の生きた足跡だけは消しとうないわ。そやから、俺はこの文章を残す!お前の生きた証を残す!これが、俺のお前に出会えたことへの感謝の気持ちであり、せめて今の俺にできるお前への手向けや。
2017.08.23
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この約20年間、俺は心のどこかでいつかばったりお前に会えると思うてた。この狭い県内で、しかもそんなに離れてない街に住んでる俺らや。どっかで会えると思うてた。そんときに言おうと思うてたんや。あのときの礼をな。つくづく人間が嫌になってたあのときに、お前は俺に、人間は俺が思っているほど捨てたものではないってことを教えてくれた。あんだけ人間に失望して、人間に会うのが嫌やった俺が、人間と言葉を交わすことすら嫌やった俺が、お前に会うのを楽しみにしてたんや。いつの間にか、知らず知らずに・・・。あの時間があったから、俺は99%は諦めていても、1%だけは人間に対する希望を残してみようかと思えた。その気持ちがあったから、今現在なんとか人間社会で生きていけてるんやと思うてる!そやから、いつかお前に会うたときに、「今こんな生活してんねん。」って言うて、あの時の礼を言おうと思うてたんや。そやけど、そやけどな。俺はアホやからな。いっつもしくじるねん。
2017.08.22
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もしかしたら、もしかしたらや。何万分の一、何億分の一にも満たない確率だったとしてもや。この文章を読んで、お前という人間が辿った生き方を知って、勇気をもって、元気づけられて、ともすれば挫折しかけた人生に、新たな、勇気ある一歩を、踏み出せる人間がおるかも知れんやろ?そやからや。その人のために、お前の生きた足跡(そくせき)を残しておくべきやと思うたんや。どや!間違えてないやろ?こう言うてもお前が「そんな大それたことをした覚えはあらへんよ。」って言うのは分かる。その謙遜こそお前がお前たる大きな所以のひとつや。それはそんでええ。そやけどや。これを声高に文章にして後世に残そうとする行為も、俺が俺たる所以のひとつやと思わんか!それに今となってはもうお前がこの文章を止める術もないやろ?生きてる者のある意味特権として諦めて認めてくれ。それでも何とかしたいんやったら、また夢枕に出てきてくれ。それがたとえ幻でも構わんし、幽霊でも構わん。どんな形であれ、俺はもう一回お前に会いたい。ほんまに、もう一回でええ。何秒かでもええ。俺はもう一回お前に会いたい。
2017.08.21
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『人は二回死ぬ。一回目は肉体が滅んだとき、そして二回は誰の記憶からも消え去ったとき。』この言葉に即して考えたら、お前の肉体はは確かに滅んだ。病魔がお前を蝕んだ。そしてこの世を去った。もしお前が存命中にこの事実を知っても、俺には何もすることはできへんかったやろう。ただただ狼狽えてお前に醜態を晒したと思うわ。事実、何も知らんかったとは言え、あんなに楽しい時間を共有したお前に俺は何もすることはできへんかったわ。そやけど!お前が逝ったことを知った今、俺にできることは何かと考えた。できるのは唯一、お前の二回目の死を阻止することやと思うた。お前の生き様は偉大やった。誰からも賛美されることも評価されることもなく、ただただ家族のためにその命を使い続けた。世間から冷笑され迫害されても、ものともせずに生ききったお前のその姿は後世に残すべきやと俺は思う。お前の姪っ子も同じ思いなんや。そやから俺はあの万年筆を彼女に託した!昔っからそうや。人として正しい生き方をしている者は迫害される。他人を平気で踏みつぶして自分だけいい思いをすることを「愛」だとか「幸福」だとか思っている連中はこの世に受け入れられる。そしてここまで書いても、自分に嘘偽りのない厳しい目で自分自身の生き方が前者か後者かを考える人間も皆無やろう。他人の批判や嘲笑はいとも簡単にやってのけるけど、自分の真実を真正面から見つめることのできない連中やからしゃあないっちゃしゃあない!それを分かってても書き残したかったんや。いや、分かってるから書き残したかったんや。
2017.08.20
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そしてお前のことを書き綴ったこのブログ。絶対お前は「やめてくれ!」っていうやろな。そやから俺もどうしょうか考えたんや。俺なりにな!けどやっぱり文章として残しておくことにした。ひとつは俺自身の備忘録や。これからどんどん歳をとっていって「あのときどんなんやったかな」なんて思い出すことも多くなるやろ。そんで思い出せんことも多くなるやろ。ある歌人は歌った。『忘れっぽいのは素敵なことです。そうじゃないですか?悲しい記憶の数ばかり飽和の量より増えたなら、忘れるよりほかないじゃないですか?』と。悲しい記憶を忘れ去ることはときには必要かも知れんわ、確かに!でも俺にとってお前との思い出は悲しい記憶とは違う。何があっても忘れとうない思い出なんや。あの頃、毎日のようにあの居酒屋で、会う約束もしてないのに会うて、他愛のない、でも心地よい話をしながら酒を飲む!あのときはあんまり感じてなかったけど、今思えばもうあんなに幸せな時間は訪れんような気がするわ。だからや。残しておきたかったんや。この文章の中で、俺らのあの時間は永遠に続くで!そしてもうひとつは、ある偉人が残した言葉に起因してる。
2017.08.19
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あの夢、去年のゴールデンウィークのある早朝に見た夢。あれは5月5日の6時6分やったと思いたい。いや、そう思うとく!あのときお前は最後に俺に会いに来てくれたんやと思うとく!「思うのは自由でただや!」お前がよう言うてた言葉のひとつやったな。でもな。俺はあの夢でひとつ気づいたことがあるねん。俺はたまに、俺がジョンでお前がフレッチなんか、または俺がフレッチでお前がジョンなんか、どっちやろうってな。そやけどあの夢で分かったんや。お前はすでにチャンやったんやな。お前はこの世から、この世界から姿こそ消したけど、どこかで生きてるんや。そう考えたらあの歌の歌詞にある不思議な一節に説得力が生まれる。「確かにムサシは死んだのさ」死んだことを確認せなアカン所以がそこにある。そやろ?お前の思いだけは少なくともまだ生き続けてるやん。そやから!お前はチャンや。そやから!お前はたいした男や。
2017.08.16
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ともかく、お前は抗った。無力で非力やったかも知れんけどな。剣も羽根もない。でも負けへんかったな。よう考えたらハチのムサシやって死んだかもしれんけど、負けたって確証はないで。お前の最後の様子を聞いたとき、俺はヴァルジャンを思い出したわ。彼も世間から、社会から踏みつけられた!その理由は『貧しい』というだけや。でも生きた。抗って生きた。でも常に世間や社会の迫害が潰えることは無かった。その中で彼が結局守り通したのはコゼットやった。コゼットを守るためにマリウスも守った。ユゴーを愛読したお前は奇しくもその代表作の主人公のような人生を歩んだ。お前にユゴーを勧めたのはお前のお父さんやった。意思は受け継がれるってことか?でも分かってるで。お前はヴァルジャンのマネをしたわけとちゃう。まねようと思ってできることと違う。そやから、どう考えても、だれが何と言おうと、お前は偉大やったぞ!それでもお前の生きた足跡(そくせき)を嘲り笑う奴らはおるやろう。多いやろう。殆どの人間がバカにして笑うやろう。お前は言うやろな。「笑わせといたれ」って。「いちいち腹立てるな」って。「お前は何でも正面から受け止め過ぎて感情的になり過ぎる」って。あの居酒屋でお前によう言われたわ。そこも今思えばお前の偉大さのひとつなんやろうな!でも俺のそんなところも俺の偉大さやって思わんか?・・・思わんよな。俺も思わへんわ。笑うてまうな。なんかな、今の今になって、今頃になって、もう一回でええからお前と話がしたいわ。お前と酒を飲みたいわ。
2017.08.15
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ある詩人は詠んだ。『見上げれば天、我が足地に着きて背に羽根無し!』俺らはいつも地べたを這いつくばる。それでも天を仰ぐ。格言は言う。『居の中の蛙大海を知らず、されど空の深さを知る!』・・・知りたいから天を仰ぐ。羽根がないから地べたに這いつくばって天を仰ぐ。ある偉人は言った。『誰かの悲しみ、誰かの不幸の上にある幸福は偽りである。』事実、地べたを這いつくばって生きる俺らを平気で踏みつけて喜ぶ連中は多い。多すぎる!お前の心や思いをあざ笑い踏みつけた連中は、今どこかで家族を持ち、人生を謳歌している。その足元に多くの人たちを踏みつけながら、自分たちだけ笑顔で生きている。そういった連中こそが軽々しく口にする。「愛」だとか「恋」だとか!その言葉の意味も知らずにや。知ろうともせずにや。俺はそんな連中に言うてやる。声を大にしてな。「足元を見てみろ!その死屍累々の足元を見てみろ!それがお前らの言う愛であり恋なんや。その曇った目を見開いて刮目しろ。その停止した頭脳でちょっとだけでも考えてみろ。こんなつもりは無かった・・・なんて言い訳はさせへんぞ。よかったな!笑顔で恋愛に生きてよかったな!でも1つだけ断言しといたる。お前らは間違っても笑顔でこの世を去ることはできへん。苦しみもがいて泣き叫びながら逝けばええんや。お前らの生き方はそんな生き方や!よかったな。」俺がこんなことを言うたら、お前はあのときのように「そんなん言うなや。もっと気楽にいかなアカンで。」って笑うやろな。でもな。やっぱり誰かが言わなアカンのや。
2017.08.14
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決定的な違い!それは、お前は負けなかったってところや。お前はしっかり家族を守った。それは勝や。お前が守った妹さんは今家族を持ち、今日も幸せに暮らしてる。今日もあの家庭には笑顔があふれているはずや。お前の死闘を知っている旦那。お前の思いを受け継いでいる娘。そしてお前の死闘も思いも知っている母親。そうやってお互いを思いやり、敬意を抱き合っている家族に何の付け入る隙がある?あの家族に笑顔がある限り、お前は勝利し続ける。焼かれて落ちたかも知れへんけど、お前は負けへんかってんぞ!それともうひとつ。俺らはハチやない。だから羽根がない。俺たちは羽根もなく、地べたを這いつくばりながら、この理不尽で無慈悲な社会や世間にあがなわなアカン。しかも剣すらない。そやから、俺らはアリかも知れん。
2017.08.13
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お前がどんな思いであの歌詞のメモを見ていたのかは、今となっては分からへん。でもあの時期に歌詞を正確に知りたかったんやから、妹さんの結婚が決まったあの時期やから、自分の戦いが終わった気持ちとあの歌詞がリンクしたんか?勝手にやけど、そう考えたら納得できる部分が多いわ。お前は父親を失ってから、妹に寂しい思いをさせないようにできる限りのことをした。お前も寂しかったのにや。お前は本当に心から寂しかったからこそ、妹にはそんな思いをさせたくなかったんやろう。そして母親をも失った。お前はひとりとなった。ひとりで戦った。妹を守るために!お前が戦わざるを得なかった相手は、結局は世間というか社会というかとてつもない相手やった。それはハチの身でありながら、お日様に戦いを挑んだムサシの姿を彷彿とさせる。そして、お前は死んでしまう。お前も焼かれて落ちたんかも知れん。この我々人間の世の中というか社会っていうのは、要領よく上手に自分中心に立ちまわることができる連中には生きやすい。他人のことなんか考えてるふりをして微塵も考えない。直接的であれ間接的であれ他人を踏みつけて他人をあざ笑って生きていくことのできる人間には生きやすい。そやからこの世の中というか社会は、理不尽極まりない。真っ直ぐに生きようとする人間にはこれでもかというほど冷酷で残酷な仕打ちをする。そやけどお前は立ち向かった。戦いを挑んだ。ここまでは、あの歌詞とお前の人生はリンクしてるかも知れへん。でも!でも、決定的に違うところがあるぞ。
2017.08.12
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あの歌は確か俺らがまだ小さい頃の流行歌。はっきり覚えてないのも無理はない。『ハチのムサシは死んだのさ』平田隆夫とセルスターズの歌や!・・・ハチのムサシは死んだのさ畑の日だまり土の上遠い山奥 麦の穂がキラキラゆれてる午後でしたハチのムサシは向こう見ず真っ赤に燃えてるお日様に試合を挑んで負けたのさ焼かれて落ちて死んだのさハチのムサシは死んだのさお日様仰いで死んだのさ高い青空麦畑いつもと変わらぬ午後でしたハチのムサシは死んだのさ夢を見ながら死んだのさ遠い昔の恋の夢ひとりぼっちで死んだのさハチのムサシは向こう見ずお日様めがけて剣を抜き戦い敗れて死んだのさ焼かれて落ちで死んだのさハチのムサシは死んだのさ確かにムサシは死んだのさやがて日は落ち夕暮れに真っ赤な夕日が燃えていた・・・子供の頃は歌詞の意味なんかよう考えたこともなかったけど、高校の時にこの歌は俺の心にひっかかった。なんでムサシは太陽に戦いを挑んだんやろ?ただの自分の実力も分からない自信家?負けることが分かってたのに戦った?お日様って何の比喩?ハチのムサシって何の比喩?お前もあのときこの歌がひっかかってたんやろ!深い話はせんかったけど。日記のノートに張り付けてあったあのメモは何回も何回も見られた痕跡があるって姪っ子が教えてくれた。お前、何回もあのメモを見てたんやな。
2017.08.11
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帰りの車の中で、俺は一人歌を口ずさんだ。そうや、あの歌や。お前と毎日のように酒をくらってたあの時期のある日やったな。居酒屋を出て自販機でお前はあのコーヒーを、俺はお茶を買って、酔い覚ましと言いながら、しばらく話をしてから別れるのが定番やった。そんなある夜にお前はある歌の歌詞を正確に思い出せないと言った。俺はその歌詞を書いてる本を持っていたので、翌日歌詞をメモ用紙に書いてお前に渡した。お前はそれをたいそう喜んで、自販機の光を頼りに何回も歌ったな。まさかお前があのメモ用紙を日記ノートに張り付けていたとは知らんかった。というか、姪っ子に言われなかったら俺はすっかり忘れたまんまやったわ。お前があのときなんであの歌詞を正確に知りたかったんかは俺には分からへん。でも、今となっては何か意味があるような感覚に陥ってしまうわ。そやけどその感覚はあくまで結果論に起因してる。俺らの嫌いな結果論や。そやけどな!もしお前があの歌の内容を自分の人生に重ねてたとすれば・・・ちょっとちゃうぞ。
2017.08.10
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「これは君が持っておくべきやと思うから託すわ。」といってあの万年筆を渡した時、あの子は涙ながらに喜んでくれた。俺はその後「頼むで!」って言うただけやけど、あの子は、「はい。私、おじさんのことみんなが忘れないように語って伝えます。」っていうてくれた。俺が多くを語らんでも、分かってくれたんや。さすがはお前の姪っ子やな。そうこうしてたら電車の発車時間になった。俺は用意しておいた荷物にならない程度のお土産を手渡した。妹さん母娘は丁寧にお礼と別れの言葉を俺にくれた。俺は何も言うことができんで無言で2人と握手した。2人は、また来るときは必ず連絡をくれるって言うてくれた。俺もそちらにいくときは必ず連絡することを約束した。ドアが閉まり、電車がゆっくり動き出した。丁寧にお辞儀をする妹さん。明るく手を振ったかと思うと、万年筆の入った箱を指さして「任せておいて!」と言わんばかりに自らの胸を拳でトントンと叩いて満面の笑顔を見せる姪っ子。俺は両手を振って、二人の姿が見えなくなるまでホームに立ち尽くした。
2017.08.09
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あの子は分かってるよ!今の幸せな生活があるのはお前のおかげやって。今は母親としてお前の妹さんが全力であの子を守って支えてる。でもそのお母さんの存在を支え続けたのはお前やってことを分かってる。そしてその幸せな生活が続くことをお前の両親が願っていることも察してくれてる。ほんで、その思いが詰まっているのがあの万年筆なんや。誰が名付けたんやろな!万年筆やなんて。俺はその名前に望みを託す。お前のお父さんの思い、お前のお母さんの思い、お前の思い、それをあの万年筆と共に引き継いだあの子は、またその思いを後世に伝えてくれるよ。お前という人間がいて、その家族を守るためだけに命を全うしたこと!そしてそのお前がやってきたこと全てにお前のご両親の願いが込められてたこと!その事実が、あの子の子供に、またその子らに、語り継がれていくんや。あの万年筆と共にな!そのリレーが何万年後も続くことを俺は願う。それくらい語り継がれるべき生き方をお前はしたよ。だから、俺は別れ際の駅のホームであの万年筆をあの子に託したんや。
2017.08.08
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朝食を終え、少しお土産を購入した2人を駅まで送った。互いのこの2日間のお礼を言い合った後、俺は妹さんにちょっとしたプレゼントと旦那さんへの手紙を。そして姪っ子には、あの万年筆を手渡した。一瞬2人とも驚いた様子やったけど、姪っ子ちゃんは涙ながらに喜んでくれたわ。あれは俺には背負いきれんよ。お前のお父さんと、お前の思いがこもった品やもん。ほんの一夜、ほんの一夜だけでも俺の手に渡ってくれただけでもありがたい気持ちでいっぱいや。この上ない光栄や。あれを形見分けにって俺に託してくれた妹さんの気持ちにも本当に感謝してるんやで。でもな。姪っ子に託したで!お前も分かってくれるやろ。俺はお前に出会えただけで十分や。お前と過ごせたあの楽しい時間があっただけで十分や。それにあの万年筆は、どう考えてもあの子の手元にあるべきやから!
2017.08.06
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翌朝、ホテルのロビーで待ち合わせた俺たちはまず朝食を共にした。もちろんお前の話が中心やったけど、明るい雰囲気の時間が過ぎた。だってそやろ?俺ら3人はつい前日に始めて会って、その後ほとんどお互いの泣き顔しか見てないのも同然や。別れ際くらい明るい表情でいたいと思うのが人情ってもんやろ。特にこのとき姪っ子が饒舌やった。学校での話。今まで読んだ本の話。物心ついてお前とはじめて会ったときの話。お前の日記の話。あと、俺が日記で読んで想像していた通りの人間だったこと。まあどんな人間だと想像していたかは分からんけどな。あの子の話を聞いてたらなんかこっちまで未来が開けてくるような気がするわ。あの子の話を聞いて、あの子の笑顔を見て、やっぱりあれは彼女に渡すのがベストやと思った。
2017.08.05
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翌日の朝、俺は2人が宿泊したホテルに向かった。2人を最寄りの駅まで送るためと、渡したいものがあったんや。1つはお前の義弟さんからの手紙の返事。郵送してもよかったんやけど、何かな、妹さんに手渡したかったんや!あの手紙は、妹さんから手渡されてこそ義弟さんが読む意義が生まれる内容やねん。8月になった今もあの手紙の判事は来てない。それでええ。あの手紙にすぐに返事を書くような男やったら、お前の妹さんの旦那として失格や。しっかり読んでくれたんやと思うよ。さすがやな!それももうひとつ。姪っ子ちゃんにも渡したいものがあったんや。そうよ。あれよ。
2017.08.04
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2人が話したいであろうことを聞き出すだけ聞き出した後は、大家さんを中心に楽しい会話が続いた。おそらく俺らが泣いてきましたと言わんばかりの泣き腫れた顔をしてたから、大家さんがわざと楽しい雰囲気にしてくれたんやと思うわ。お前もあれ以上俺たち4人がしくしく泣いているところは見とうなかったやろ!そしてまた4人で会う約束をして、俺は大家さんを家まで、そして妹さん母娘をホテルまで送り届けた。別れ際に俺は妹さんから一通の手紙を受け取った。妹さんの旦那さんからやった。帰宅後読んでみた。最初は丁寧な挨拶と、今回どうしても仕事の都合が許さずこちらに来られなかったことのお詫びが書かれていた。その後はいろんなことを書いてくれてたけど、お前になり代わり、いや、なり代われるかどうか分からんけど、無力かも知れんけど、とにかく命がけで妹さんを守るって書いてたぞ!せやけど、お前はそれを聞いたら言うたやろな。「俺も無力やった」って。そうや。そうやねん。お前だけやない。俺らはホンマに無力や。人間なんてホンマに無力や。そやけどお前は全力やったんや!お前の義弟はそれを受け継ぐって言うてるんや。お前の生き方は彼にも受け継がれていくんやな。やっぱりお前はたいした男やで!
2017.08.03
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あの人は、とにかくお前の妹さんと姪っ子の話を聞く!ホンマに絶妙に2人が話したいであろうことを聞き出す!聞いて聞いて聞き倒す!しかもその全てを聞き流すことなくしっかり受け止める。基本的には2人を安心させる返事をするが、ここぞというときはしっかり教え諭す。そこには深い優しさが込められているので、だれもがその意見を受け入れることができる。そして何よりこの1年間、大家さんがいかに2人のことを気にかけてきたかが伺えるその話の内容に感服したわ!日記によると、お前と大家さんはいつも他愛のない話をしながら酒を酌み交わしていたらしいな。大家さん本人も、「あの子とはいっつもどうでもいいような話を肴に呑んでたよ。」って言うてはった。それがお前にとって心地よかったんやな。分かるわ。それと安心しろよ。妹さんが言うてたわ。「父が他界したときも、母のときも、いろんなことをお兄ちゃんが1人でしてくれたんです。」「だから私はお兄ちゃんのときに何をどうしていいか全くわからなかったんですけど・・・大家さんがいっぱい助けてくれたんです。」って。あの人はこれからもお前になり代わり、2人を支えてくれるぞ。そやから、何も心配せんでええよ。
2017.08.01
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