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政府は原油価格や物価の高騰にガソリン補助金の拡充や生活困窮者支援などを柱とする緊急対策を決定したが、原油価格高騰対策にエネルギーや食料などの安定供給対策・中小企業対策・生活困窮者対策の4つを柱として国費およそ6兆2000億円を投じるという。岸田文雄首相は今回の総合緊急対策の一環として5兆円の新型コロナウイルス感染症および原油価格・物価高騰対策予備費等の確保や、6月以降の燃料油価格の激変緩和事業を内容とする補正予算を今国会に提出成立を図るという。いかなる事態が生じても国民生活を守り抜けるよう万全の備えを取るというがエコノミストたちからは総スカン状態で、今年7月に行われる参議院選挙を優先させたため抜本的な構造改革がおろそかになっているというのだ。 緊急対策は4本柱で構成されていて原油価格高騰対策としてガソリンの小売価格の目標を172円から168円に引き下げて、石油元売り各社への補助金を1リットルあたり最大25円から35円に引き上げをおこない、エネルギー・原材料・食料などの安定供給として電気自動車などへの集中的な導入支援するという。中小企業対策として原材料費上昇を価格転嫁できるよう支援し、実質無利子・無担保融資を9月末まで延長して生活困窮者への支援として低所得の子育て世帯に子ども1人あたり5万円給付だという。批判が集中したのが原油価格高騰対策で石油元売り各社への補助金による値下げ幅で、トリガー条項を上回る水準になっていて時期も9月末まで延ばし選挙向けのアピールとしか思えない」いう。 需給ギャップというものがあって内閣のいまの推計だと昨年の10月~12月期で17兆円の需要不足だというが、いま経済対策を考える場合は第1四半期で考えなければならず、1月~3月はおそらく国内総生産は下がるという。内閣府の推計は天井が低いようで内閣府の数字を取ってみても、20兆円以上は必ずあるといわれていて専門家によると25兆円ほどあると思われているという。そうすると総需要は6兆2000億円では足りないわけで話にならないというレベルだという。経済対策としては簡単だそうで非常に単純なケースなのだが、エネルギー価格が上がる原材料価格が上がる個別の価格が上がるというと、そこに掛かっている税金を安くするという単純なことだけで解決するというのだ。 需給ギャップは政府がデフレ脱却を判断する際に重視する指標の一つなのだが、マイナスの場合需要が供給を下回っていることを示し物価が下がりやすくなる。エネルギー価格を下げるためにトリガー条項の凍結解除などガソリン税の減税を行い、そして個別の原材料価格が上がったときには個別物品消費税・軽減税率などで、それを適用するというだけなのだが経済対策はそういうものでしかないという。ガソリン価格もガソリンの減税をせず補助金でやろうとするでしょう補助金でやろうとするから隔靴掻痒というかなかなか届かないというのだ。それなのに財務省のある幹部は「選挙前のバラマキありきで、大義名分はこじつけだ。歯止めがきかなくなっている」と憤りを隠していないという。 政府と日本銀行との間の政策の齟齬も問題視しているが、「政府が物価高対策を出す一方、日銀は十分に上がらない物価を底上げする強力な金融緩和を続ける。インフレ対応で大幅な利上げを構える米国との金利差が広がるのは自然な流れだ」と指摘し、「岸田政権には持続性と整合性を満たした総合的な戦略を求めたい」と結んでいる。物価上昇の痛みを政府が緩和しようとすることには限界があって政府が行うべき対策は行き過ぎた円安を止めることで、相場をコントロールすることは無理なので日銀の金融緩和の姿勢を再考してもらうということになるという。原材料の価格上昇によって起こるインフレが続くなか金利を上げるのは間違っているとして、燃料高などに対しては財政支出で対応していくべきだと政府は語っている。
2022年04月30日
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政府の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」はゴールデンウィーク後に感染が急拡大した場合の対応として四つの考え方を示したそうなのだが、感染対策と社会経済活動のどちらをより重視するかで分けた2案と保健医療体制を維持するか軽減するかの2案を組み合わせたものとなっているという。分科会ではオミクロン株の別系統で感染力が強い「BA.2」の流行を前提に「まん延防止等重点措置」などで社会経済活動を制限し感染者の抑制方法と、法に基づく制限を講じない方法に整理するとしている。また感染者を特定の医療機関で隔離・診療することや、保健医療体制の負荷を軽減するために地域の医療機関や在宅での診療を優先する方法を示し、制限が最も厳しいものから最も緩いものまでの4案が示されたという。 対策についての分科会での論点ということでは簡単に言うと2つのパートがあるそうで、1つ目は国のほうが今日出した大型連休における感染拡大の防止をどうするかという話があり、国から出された大型連休の呼び掛けを実践してほしいとしている。基本的には直ちに「まん延防止等重点処置」を適用する状況にはないということで、これから呼び掛けの中心は3つの柱として「基本的な感染対策を徹底」・「日常生活の積極的な検査の活用」・「若者含めたワクチンの3回接種」という、この3点に尽きるのではないかとしている。規制の問題がずいぶん社会的な課題になっていることにかんしては、規制前に3回目の接種をしていない人は、なるべく検査を受けてやってくださいということにつきるのだという。 今後の感染拡大時の対策について5月の連休後に急速な感染拡大が生じた場合いかに対処するかということでは、「医療の体制を強化すれば、もう感染は大丈夫なんじゃないか」といったいろんな意見があるが、そうした中感染者数の高止まりというのがあるという。それから「BA.2」の割合では「もうほとんどBA.2になっている。5月になればほとんどそうなると思います。 それから、大型連休を通しての接触機会の増加というのがあって、大型連休でも、今までも恒例行事によって感染が拡大するという傾向があった。こうした状況がありますので、医療逼迫につながるような感染拡大の可能性っていうのが否定できない。危機管理の要諦ですから、最悪というか、こういう状況も考えて対策を打つ必要がある」としているという。 分科会の尾身茂会長は「今日はキックオフ」と述べさらに議論を深める考えを示したが政府と専門家による水面下での綱引きがあったという。このことに関して栃木県宇都宮市にあるインターパーク倉持呼吸器内科院長の倉持仁医師は「新型コロナウイルスはとても賢いウイルス。第1波から第6波まで変異する中で、感染者の年齢層や症状も変わってきました。ウイルス側から言わせれば、“変えてきたとも言えるかもしれません。第5波までの感染状況と社会の動きを踏まえて、私が臨床医として、クリニックでどのようにコロナ患者の治療にあたってきたかを訴えてきたが、今まで訴えてきた医療現場の現実から提案した感染症対策は5年後、10年後でも変わらず有効だと考えています」と反論しているという。 政府のこれまでのコロナ対策は今後の形に残る仕組みやルール作りにつながっていないとしたうえで、「いろんな問題点がある中で、いちばん大きいのはそもそもコロナを問題だと思っていないのが根幹にあると思います。本当にまずいと思ったら、ちゃんと対策をするはずで、結果的に検査体制や保健所機能、検疫体制、医療アクセス、薬やワクチン開発、隔離など、パンデミックから2年以上たつ今に至っても、ウイルスに対抗する有効な体制づくりができていないんです」とし、「早期に変異株の特性をつかむ医療研究体制をいまからでも作るべきです。治療さえ早くできれば新型コロナウイルス感染症は死なない病気ですから。」として政府のこれまでのコロナ対策は、今後の形に残る仕組みやルール作りにつながっていないと語っている。
2022年04月29日
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ロシアによるウクライナ侵攻は第二次世界大戦後の国際秩序を根底から覆したが、ロシアのウクライナ侵攻を機に日本でも自国の安全保障環境を問い直す議論が活発化しており、核大国であり、国連安全保障理事会の常任理事国による暴挙は「国連の機能不全」を白日の下にさらし、日本は安全保障政策の抜本的見直しを迫られている。核共有や敵基地攻撃能力といった問題提起がなされ、安倍晋三元首相は「日本の誇り」で侵攻開始から2か月以上過ぎたウクライナの惨状を踏まえて憲法前文の問題だけでなく、憲法9条への自衛隊明記の重要性や国家意思を示す意味もある防衛予算増などについて語っているが、ネット上では<誰から笑われるの>とか<あなた自身が世界の笑いもの>と呆れる声が続出だ。という 国防の最前線に立つ自衛官は「世界は核戦争を考慮した時に軍事的に動かない米国の姿を見てしまいました。米国が国際秩序を維持する役割を果たすというみんなが信じて疑わなかった前提の一つが崩れたのです。もちろん中国もそれを見ており、中国が台湾を軍事的に併合する場合一番の懸案事項は米国の軍事介入で、核戦争をチラつかせたら米国は動かないということが明らかになったのは中国に大きな影響を与えることでしょう。実際のところ米国は台湾有事に際しては軍事介入すると思います。台湾の目の前には沖縄があるわけです。沖縄には海兵隊の主力部隊がいます。その目の前で火が吹いて「洞ヶ峠を決め込む」なんていうことを米国がやれば、同盟のネットワークに対する信頼は地に落ちます」という。 ただ日本にとって怖いのは中国が核戦争をチラつかせればいけると今回のウクライナ戦争を見て誤解する可能性があるということだという。米国は台湾に関して軍事介入するともしないとも言わない「曖昧戦略」をとっているが、力による現状変更を試みようという感情を引き起こさせないために米国は軍事的に介入するということを明確にした方がよかったという。アメリカ議会上院の外交委員会で注目の公聴会が行われ、テーマは「アメリカの今後の台湾政策」だったそうなのだが、国務省のクリテンブリンク次官補と国防総省のラトナー次官補という外務・国防の対中政策の責任者が2時間近くにわたって議員からの質問に答え、中国からの圧力が強まる台湾の現状をバイデン政権はどう認識しどう対処していくつもりなのかを語ったという。 最大の焦点となっているアメリカは有事の際に軍事介入してでも台湾を防衛するつもりなのかどうかだということでは、公聴会の冒頭に外交委員会の委員長を務める民主党のメネンデス議員は「中国は攻撃的なレトリックを強めており、台湾海峡は一つ間違えれば世界に壊滅的な被害を与える戦争になる可能性がある場所の一つだ」と語っている。問題は日本が米中対立の最前線に立ったということで、しかも日本は中立ではなく明確に米国側に立っていることだと自衛官は言う。冷戦中は世界の安全保障の最前線はヨーロッパで、日本もソ連と対峙はしていたがあくまで第二戦線・第三戦線という位置づけだったという。そして今回のウクライナ侵攻と関連付けられ台湾有事はより危機感を持って語られるようになっているそうなのだ。 専守防衛の定義は防衛白書で「専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けた時に初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神に則った受動的な防衛戦略の姿勢をいう」規定がなされているが、反撃能力」へと改称する提言案を自民党が「反撃能力」と改称している敵基地攻撃能力を巡っても自民党は核保有を政府に求める方針で、安倍元首相もあちこちに顔を出して日本の領土内に米国の核兵器を置いて共同運用する「共有政策」や、敵の中枢攻撃能力の保持を「基地に限定する必要はない。向こうの中枢を攻撃することも含むべきだ」との見解を示した主張しているそうなのだ。
2022年04月28日
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総務省の「労働力調査」によると非正規社員は2,064万人で雇用者全体が5,620万人に占める割合は36.7%となっているが、おおよそ3人に1人以上は非正規社員ということのようで、さらに細かくみていくとパート・アルバイトが1,455万人で、契約社員・嘱託社員が388万人の派遣社員が140万人となっている。年齢・男女別にみていくと男性では若年層と高齢者層でパート・アルバイトが多く55~64歳で契約・嘱託社員が多くなり、これは60歳で定年退職を迎えたのち雇用形態を変えて再雇用というケースが多いためだという。一方女性は45~54歳をピークに山型を描いていて結婚・出産を経て仕事に復帰する際に、正社員よりもフレキシブルな働き方ができる非正規社員をあえて選んでいる人が多いと推測されている。 そのなかには積極的に非正規社員を選んでいる人もいれば仕方なく非正規社員という人までさまざまだが、やはり正社員との給与差が気になるところだという。ただ望んではいないが非正規社員でいる人の場合やはり正社員と非正規社員との給与差から、なんとか正社員になりたいと考えているという。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると非正規社員の平均月収は23万2,000円で手取りではおよそ18万円ほどだという。また賞与含めた推定年収はおよそ300万円だが、正社員の平均月収は35万3,000円で手取りにすると27万円ほどとなっていて推定年収は522万円ほどになるという。つまり正社員と非正規社員の間には手取りでおよそ10万円の年収で200万円以上の給与差が生じているというのだ。 正社員でなくても年収300万円もあるんだと考える人もいるかもしれないが、これは定年退職を迎えたのちに契約や嘱託として再雇用されている人たちも含むものだし、また自由を望みあえて正社員にならずそれでも高給を実現している非正規社員も含むので、平均値は実情よりも高くなっていると推測されているそうなのだ。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」で非正規社員の給与分布をみていくと中央値は19万5,600円で手取りにすると15万円程度となっている。平均値よりも随分と手取り額が低くなっているがこれが実際に近いイメージだと考えられているそうなのだ。一方で月収60万円以上という「高給取り非正規社員」が0.9%いて、非正規社員の100人に1人は正社員含めてもまさに勝ち組と呼ばれる給与水準だという。 よく物価高は「良い物価高」と「悪い物価高」という言い方がされるが今回は後者のほうで、良い物価高は企業の業績アップで賃金が上昇しその結果消費も増加し物価も上昇するというまさに好循環だが、悪い物価高は石油などの資源高騰がおきその結果製造コストがアップとなり原材料が高騰して物価が上昇するというのだ。つまりコスト主導の値上げで生活を圧迫することから「悪い物価高」と呼ばれている。多くの人は買い物の時に値上げを実感する程度で済むがやはり収入がおぼつかない人にとっては一大事で、つまり年収200万円以下で昨今の物価高の直撃を受けている人が470万人近くいるわけで、そうして「どのようにして生きていけばいいのか」という瀬戸際に追い込まれる人も珍しくないというのだ。 年収200万円以下というと月換算、およそ16万円となるが、手取りにするとわずか13万円ほどにしかならないという。その人のライフスタイルによるが家賃を払い光熱費を払って残ったお金で食料を買うという生活をするにはあまりに厳しい給与となっている。このような苦しい現実から脱却するために正社員へと望むわけだが、今回の「悪い物価高」の悪人は誰かと言うと本来なら高給を貰えるはずの派遣から搾取している派遣会社と既得権を手放さない正社員だというが、国も正社員化を後押ししていて正社員は増加傾向にあるという。しかしいまの40代である氷河期世代のように十分なキャリアはないけど年齢は管理職相当という人の正社員への道はあまりに険しいものがあることから、早急な物価高対策が望まれているというのだ。
2022年04月27日
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ロシアによるウクライナ侵攻開始から2カ月となるが、英国防省はロシア軍がウクライナ東部で攻勢を強めているものの過去24時間で主要な成果は上がっていないとの分析結果を公表したそうなのだ。ロシア軍は第2段階の軍事作戦に入ったとしているが、英国防省はウクライナ側による効率的な防空・沿岸防衛でロシア軍は制空・制海権を確立しておらず、東部2州で侵攻が鈍化していると指摘しているという。ウクライナ軍の抵抗でロシア軍は目標変更を迫られ戦力は25%減となったとの分析もあるという。それでもウクライナ経済の損失は侵攻前の国内総生産の3倍超にあたる5649億ドルとの見通しとなっているが、ロシアは東・南部を制圧するまでは停戦に応じない構えで被害はさらに拡大しかねないという。 主要金融機関が加盟する国際スワップ・デリバティブ協会は今月満期のドル建てロシア国債を巡り「潜在的なデフォルト」と認定しているそうだが、ロシア中央銀行は欧米から資産凍結されているため、ドルで支払う術がないに等しいこともあって、ロシアが元本と利子をドルではなく自国通貨のルーブルで埋め合わせドル払いの約束を反故にしたからだという。金融ジャーナリストは「今月上旬には、大手格付け会社がロシアを『部分的デフォルト』と認定していました。来月4日までの支払い猶予期間中にドルで払えなければ、契約違反で正式にデフォルトとなる見通しです。期限までに支払えば、デフォルトを回避できる可能性はありますが、そもそもドルで支払いたくても、経済制裁を受けているので支払えないでしょう」と語っている。 もはやドルで債務の返済を行う意思がないロシアなのだが、主要格付け各社はロシア債の格付け評価を取りやめているのだが、海外投資家向けの債券発行の窓口が閉まっている状態なのでロシアは海外から資金を調達できないという。中国やインドなどが制裁の抜け穴になっているとの指摘もあるが、そうした親密国がロシアから石油や天然ガス等を買うことはあってもロシア国内に投資を続けるかは疑問だという。国際金融市場から締め出されたロシアは鎖国経済にならざるを得ないとされている。ロシアのシルアノフ財務相は西側が国債をデフォルトに追い込もうとすれば法的措置を取るとの考えを示しているが、ロシアの外貨建てのデフォルトは、ロシア革命で帝政が崩壊した1917年以来ほぼ100年ぶりになるという。 ロシアはドルでの債務返済を続け国債のデフォルトを回避することで国際的な信用を維持するよりも、ルーブルを支えることでロシア経済の混乱を抑え国民が政権への批判を高めないようにすることを優先しているといわれている。ドル建て国債のデフォルトを回避することを優先するのであればロシア政府は輸出で稼いだドルを温存しそれを債務の利払いにあてるはずだというが、実際には輸出企業が得た外貨の8割をルーブルに換える措置を続けていて、それはルーブルを買い支えるためだというのだ。海外投資家の間で既にロシア政府の信頼性は地に落ちていて、外貨建て国債の償還・利払いを当初からルーブルで行うと宣言したことや、海外投資家が保有するロシアの証券の売却を阻んだためだといわれている。 そのような中でウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は記者会見で、ロシア軍が南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所に残るウクライナ部隊や民間人を全滅させれば、ロシアとの停戦協議を打ち切ると警告したそうなのだ。またロシアが占拠した南部ヘルソン州などで親露派の「人民共和国」樹立を一方的に宣言するための「住民投票」を実施した場合にも停戦協議を中止すると通告したそうなのだ。そのウクライナのヘルソン州では住民投票が今月中にも実施される可能性が取り沙汰されているという。プーチン大統領はこれまで2度ほど大きな決断をしているが、1度はキーウ攻略を諦めもう1度はアゾフスタリ製鉄所の無理攻めを諦めて包囲に切り替えたことなのだが、また大きな決断を行うこともあり得るという。
2022年04月26日
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私のような年金受給者にとって関心が高いのは「日本の年金制度で老後の生活は大丈夫なのか」ということなのだが、法政大学の小黒一正教授は「年金財政の健全性をチェックする主な指標として所得代替率という値が利用されているが、この定義にはいくつもの重大な問題点がある」という。最近では「悪い円安」とか「物価上昇」が話題となっているが、庶民にとって「生活苦」につながる、もう1つの重大な変化が起きているのをご存じだろうか。それは「年金支給額の引き下げ」で、今年の4月から公的年金の支給額は0.4%引き下げられていて、「マクロ経済スライド」の発動こそ見送られたものの年金額の引き下げはこれで2年連続となっていて、しかも8年前の0.7%に次ぐ大幅引き下げになっているといのだ。 少子高齢化が進み年金引き下げが続く中年金制度が本当に維持できるのかと国民が不安に思うのも当然だが、昔は60歳から年金が貰えて金額も多かったのに今は何とかギリギリ生活出来るかどうかになっているという。大手新聞社が行った世論調査でも「年金制度に不安」とした人は現役世代の72%にも上っている。年金制度が維持可能かどうかを、5年に1度検証する仕組みがあってそれが「財政検証」だが、直近の「財政検証」は4年前に行われていて、この年は「老後資金2000万円が不足」とした金融審議会の報告書を当時の麻生財務大臣が前代未聞の「受け取り拒否」し大きな話題となったのだ。その財政検証において公的年金は今後も持続可能という結論になっているが本当にその説明は正しいのかというと疑問だという。 法政大学の小黒一正教授によると「財政検証」には政府による数字のゴマカシの疑念があるそうで、「財政検証では、年金財政の健全性をチェックする主な指標として所得代替率という値を利用しています。制度上の所得代替率とは、モデル世帯が受け取る年金額が、現役世代の所得の何パーセントにあたるかという数字として定義されています。所得代替率が50%を割った場合、給付水準や負担のあり方を含めて、制度の見直しを行うことが法律で定められています。所得代替率はそうした重要な指標なのですが、この所得代替率の定義が巧妙であり、できる限り高い値として算出されるように定義している形跡が見えかくれするのです」と語り、一部の裕福な世帯を例に挙げて議論していることを問題視している。 しかもモデル世帯の定義にも問題があって「モデル世帯とされているのは夫が40年間働いたサラリーマンで妻は40年間ずっと専業主婦という世帯です。しかし、現実を見れば、もはや、これがモデル世帯ではないことは明らかです。雇用の流動化が進み、年功序列で定年まで働くケースは減っています。また、女性の社会進出も進み、共働き世帯が増えています。そんな中、夫が終身雇用、妻が専業主婦という世帯をモデル世帯とするのは、現実的に無理があります。もっと現実に即したモデル世帯を設定すべきです」という。そのうえで小黒教授によるとそもそも「本当の所得代替率はもっと低い可能性がある」というのだ。それは現役時の所得は社会保険料の控除後に対して、年金支給額は総額となっているからだという。 要するに分母は少なめに分子は多めにして割り算の結果がより大きくなるように仕組まれた所得代替率ということなのだ。これでは当然ながら所得代替率は実際よりも高めに出てしまうが問題はこれだけにとどまらず、法政大学の小黒一正教授は「分母と分子の世帯人数が異なっていることも大きな問題です。分母は現役男性1人の平均月収ですが、分子は夫と妻の2人になっています」というのだ。なんと2人分の年金と現役世代1人の所得とを比べているというのが所得代替率の定義なのだという。これが計算方法としておかしいのは子供でもわかるkとなのだが、こうした数字のトリックが堂々とまかり通っているというのだ。日本の本当の所得代替率はどのくらいかというと、35%から40%にしかならないという。
2022年04月25日
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黒田東彦日銀総裁はコモディティー価格の高騰によりインフレ率の一時的な上昇が予想されるものの、日銀は現在の積極的な金融緩和を「粘り強く」継続すべきだと述べたという。モディティ物品の価格は一般にその市場全体の作用で決定され、十分に確立した現物商品は市場で積極的に取引される。コモディティの広範な入手可能性は一般的に利益率の低下につながり価格以外の要因の重要性を低減させるという。コモディティという言葉は15世紀に英語で使われ始めていて「快適さ、利便性」というフランス語から来ているが、なおも遡るとこのフランス語はラテン語から派生しており、「適合性、利便性、優位性」を意味するそうで、「然るべき」とか「適切な方法、時間、または条件」や「利点、利益」とさまざまな意味を持つという。 日銀の黒田総裁はコロンビア大学での講演で日本のインフレ率は短期的には上昇すると予想されるが、それは主にコストプッシュ型のため持続性に欠けると指摘したが、4月以降に一過性の要因からインフレ率は2%程度に加速する可能性があるものの、サービス価格の伸びが弱いため物価上昇圧力は米国ほど広がっていないと述べたという。日本のインフレ期待はまだ適度に固定されているように見え中長期的なインフレ期待が上昇する兆しはないとも指摘したうえで、原油高によるガソリン価格の上昇など供給ショックによる物価への「直接的影響」に対しては、金融政策では対応しないとの基本方針を示したという。米国で懸念されているような賃金と物価のスパイラル的な上昇が日本で起こるとは想定していないとしたそうなのだ。 また「日本の需給ギャップはマイナスであり、安定的に2%の物価目標を達成するにはまだ長い道のりがある」とし、経済が過熱する懸念はないとも言及し、「現在の状況における日銀の役割は現在の金融緩和を粘り強く継続することであり、極めて明確だ」と言明したという。資源価格上昇の2次的波及によりインフレ予想が高まる場合は金融引き締めで対応する必要があるケースもあり得るとしたが、現在のような供給要因に基づく資源価格の上昇が賃金と物価の持続的な上昇に直ちにつながる可能性は高くないと述べ、日本では需要がけん引する国内インフレ圧力が弱いため他の海外中銀と異なり、日銀は経済の安定を優先するか物価の安定を優先するかというトレードオフには直面していないとしたそうなのだ。 日銀の黒田総裁は資源の大部分を輸入に頼る日本ではディマンド・プル型のインフレ圧力は弱いとし、「今回のような供給要因に基づく資源価格の上昇が、賃金と物価の持続的な上昇に直ちにつながる可能性は高くない」と語ったという。日本の個人消費は新型コロナウイルス感染がパンデミックとなる前の水準をいまだに取り戻せていないとし、景気の過熱」懸念すべき状況にはないと述べたそうなのだ。同時に「現在の日本経済が、さらなる追加緩和が必要なほど脆弱な状態にあるとも考えていない」と語ったそうで、インフレ対応のため積極的利上げ姿勢を見せる米連邦準備理事会や欧州中央銀行など他の海外中銀と一線を画し、これからも積極的金融緩和策を継続する意向を示したそうなのだ。 鈴木財務相は安倍政権が日銀と結んだ2%の物価目標達成に向けた共同声明について、岸田政権発足時に延長を確認したと改めて述べているが、為替について「私の不用意な発言が影響を与えてはいけないので言及しない。介入をどうするかを含めコメントは控えないといけない」と述べたという。それでも為替の安定が重要との認識を改めて示し円安の進行を含め経済への影響に「緊張感を持って対応する」と語ったという。鈴木財務相はイエレン米財務長官と米首都ワシントンで会談しているが、対面での会談は初めてなのだが、先進7カ国が開催した財務相・中央銀行総裁会議で円安の進行に触れ、20年ぶりの円安ドル高水準となった為替相場を巡って日米の政策協調を話し合う可能性があるとした。
2022年04月24日
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長い人生を楽しむためにいつまでも若々しくいたいものだが、ある調査では60歳以上の約9割の人が自身の体の老いを感じていると回答しており、具体的には「バランスを崩して転びかけた・転んでしまった」とか、「階段の上り下りが辛い」・「膝が痛むようになった」など日常生活のさまざまな場面で自身の老いを感じているという。一方で同世代と比較して自分の方が若いと思う瞬間を聞いたところ「運動している時」とか、「食事の時」や「仕事をしている時」などが多かったそうなのだ。心身ともに健康であるためには体力維持を維持することも重要で、運動する人や食欲旺盛な人などは自身の若々しさを実感するようなのだが、同世代の人よりも元気にいつまでも健康でいるためには無理のない運動を継続していくべきだという。 年齢を重ねれば体力低下が起こるのは事実なのだが、体力の定義として学術的に一般的なのは「ストレスに耐えて、生命を維持する体の防衛能力」と「積極的に仕事をしていく体の行動力」だといわれており、要するに健康に生活するための体力と運動をする体力の2つの意味が体力という言葉に含まれているという。健康的に生活するための体力とはたとえば感染症など病気に対する抵抗力なので、ほかにも精神的なプレッシャーなどに対するメンタルの強さ、意志や判断力をキープする力などもこれに入るという。運動をする体力は簡単にいうと体力テストや身体測定で数値化できる能力のことで、たとえば持久力や瞬発力・筋力などで、身長や体格もこの運動をする体力として扱われるそうなのだ。 体力低下には2段階あると考えられていて、体力の水準は男女の差はなく6歳頃から向上を始め、運動をする体力を総合的に評価すれば1段階目の体力低下が始まるのは男女いずれも20歳からだという。男性は17歳ごろで女子は14歳ごろが体力のピークとなり、20歳をすぎると緩やかに衰えていくという。体力に直結する筋肉量は男女ともに20~40代は維持されアスリートの中には30歳代でキャリアのピークを築く人は多いそうなのだ。少なくとも衰えらしきものがみえないケースは多々あるというが、この体力に直結する筋肉量も50~60歳代に急激に衰えだしこの2段階目の体力低下が来るのは避けようがないというのだ。しかし日ごろの運動などによって個人差が大きく出るのも2段階目の衰えだという。 また自身の若さを実感する瞬間として「運動している時」が1位となっているが、どのような運動をしているのだろうかという調査結果によると、50~70代の回答はいずれも「ウォーキング」がトップで、ウォーキングは体ひとつで手軽に有酸素運動ができることが魅力だという。有酸素運動は体脂肪がエネルギーとして利用されるため肥満解消や血液中の中性脂肪の減少に血圧や血糖値を改善する効果が期待できるという。しかも有酸素運動は筋肉を動かす時間が長くなるほど体脂肪をエネルギーにする比率が高まるとされ、目安として運動を継続して約20分後から脂肪燃焼効果が高まるが20分以内の運動でも脂肪燃焼の効果はあるため、連続時間にこだわらず短時間でも積み重ねて1日で合計20分以上を目指すのがいうという。 また低栄養という体の中のたんぱく質が不足している状態を表す用語があって、低栄養になる原因は食欲が低下したり仕事や家事が忙しすぎたりして食べる量が減ることによって起こるという。たんぱく質が不足しているのは体を動かすエネルギーが足りていない状態で、筋肉や内臓などに必要なたんぱく質が届かなくなり、そのため体重が減り骨格筋の筋肉量や筋力が低下してしまうという。元気が出ないと感じることも多くなったり免疫力が低下して病気にかかりやすくなったりすることも低栄養が引き起こす症状だという。低栄養の対策は食生活を変えることなのだが、食欲が低下して食事量が減るのが低栄養の主な原因である場合は、1日3食の習慣を守りたんぱく質や摂取エネルギーが不足しないようにするのが大切だという。
2022年04月23日
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少し下火にはなったが全国で猛威を振るう新型コロナウイルスのオミクロン株で、イギリスでは「オミクロンXE」と呼ばれる新たな変異株が出現したという。感染力がステルスオミクロン株を上回る可能性があって専門家は強い警戒感を示しているが、海外から日本に入国した人から「XE」と呼ばれるオミクロン株BA.1とBA.2の組替え体が初めて検出されたことが発表されているという。この「XE」とはどういった特徴を持つウイルスなのかというと、オミクロン株BA.1とBA.2の組換え体「XE」は今年の1月にイギリスで初めて報告され、日本でも第6波の主流であったBA.1より感染力が強いとされているBA.2、そしてBA.3に分かれたというのだ。しかも現在では新たにBA4とBA5まで分類され確認されているという。 組換え体は2種類以上の変異株に同時に感染することで感染者の体内でそれらの遺伝子が混ざり合って発生するもだが、新型コロナウイルスはヒトだけでなく動物にも感染することがあるため動物の体内で組み換えが起こることもあるという。複数の変異株が同時に流行している状況下における新型コロナウイルスの組換えは珍しいことではなく、新型コロナウイルス感染症の流行が始まってからいくつかの組み換え鯛が確認されているそうなのだ。日本でも昨年の10月にアルファ株とデルタ株の組み換え体が見つかっているという。しかしこれまではこれらの組換え体が他の変異株よりも感染力が強く拡大したという事例はなかったそうで、オミクロン株同士の組替え体は「XE」以外にも世界中で報告されているという。 イギリス保健安全保障庁の解析では「XE」はBA.2と比べて12.6〜20.9%感染力が強いとされているが、1月に最初の症例が報告されてからこれまでに1100例程度の報告数なので、オミクロン株が世界で最初に見つかってから世界中で爆発的に広がったときのような凄まじい広がり方は今のところはしていないという。「XE」の感染力についての評価は現時点ではまだ確定的なものではなく今後の評価が待たれるのだが、同様に「XE」に感染した人の重症度やワクチンによる予防効果については十分な情報がないという。BA.1とBA.2の組替え体であることからモノクローナル抗体という治療薬の有効性は低下していると考えられているが、レムデシビル等の抗ウイルス薬の有効性はおそらく変わらないと思われているそうなのだ。 この「XE」が検出されたとしても私たち一人ひとりにできる感染対策は変わらないそうで、手洗いや3つの密を避けマスクを着用するなどの感染対策をこれまで通りしっかりと続けることが重要だという。特にマスクを外した状態での会話が感染リスクとなりやすいことから、会食や職場の昼食時などは黙食・マスク会食を心がけるようにするべきだという。ゴールデンウィークを控えこれから人の移動が多くなるが大人数が集まっての会食は避けるようにするだけでなく、高齢者や基礎疾患のある方においては新型コロナワクチンのブースター接種で重症化予防効果を再び高めることが重要だという。ただしワクチンだけで感染を防ぎ切ることは困難でワクチン接種後もこれまで通りの感染対策は続けるようにするべきだという。 ところが感染拡大防止の鍵となるワクチンの3回目接種は若い人たちの間で進んでいないそうで、岸田首相は記者団に対し新型コロナワクチンの若者への3回目接種を促進するために国が費用支援を行う考えを表明している。岸田首相は「ワクチンの種類にかかわらず3回目を早めに接種してほしい」と述べた上で、若い世代の接種を進めるために自治体と大学などが連携し予約に空きのある自治体の大規模接種会場などを活用して、学生への集団接種を促す考えを示したという。その上で生じた費用については国が支援することを表明しており、岸田首相はさらに「可能な限り日常生活を取り戻すために、若い世代の人も積極的にワクチン接種を進めて、ワクチン接種証明などによる取り組みに参加してほしい」と呼びかけたという。
2022年04月22日
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今月に入って多くの食品が値上げされたばかりだが、その波が「外食産業」にも訪れていて、熱々のハンバーグでお馴染みのレストラン「びっくりドンキー」ではすでに値上げした店を除くの店で価格が変更になっており、人気のいちごミルクは25円値上げだし他にもイカのから揚げが乗ったマーメイドサラダなどサイドメニューを中心に17品目で25円から50円上がっている。その理由は原材料価格や人件費などの高騰で、こうしたなか日本の通貨である円の下落に歯止めがかからず円相場は一時1ドルが129円となり、およそ20年ぶりの円安ドル高水準となっているという。このような実におよそ20年ぶりの円安水準では今後も海外から輸入する商品がさらに上がることが予想されているという。 先月中旬までは1ドル115円前後で推移していやのだが、この1カ月の間で10円以上円安が進んでいて、鈴木財務大臣は「輸入品等が高騰しているが、それに応じて価格に十分転嫁できないとか、買う方でも賃金がそれを補うようなところに伸びていない環境で、『悪い円安』ということが言えるのではないか」と話している。この円安で家計の負担は増すばかりだというが、大阪市阿倍野区のスーパー「フレッシュマーケットアオイ」ではニュージーランド産のゴールドキウイが1玉200円と通常の1.5倍ほどの値段になっているという。内田寿仁社長によると、外国産の輸入食品の値上げが4月に入って堅調だと嘆いているが、売り場には客に向けて「輸入フルーツ相場が高騰しています」という張り紙もしているという。 このスーパーでは今月に入ってからキウイやグレープフルーツにアボカドの価格がそれまでのおよそ1.5倍になっており、アメリカ産の牛肉もおよそ1.3倍に値上がりしているという。原材料価格の高騰が続くなか消費者生活に直結する食品分野で値上げが相次いでいて、上場する食品主要メーカー105社における価格改定計画を調査した結果、今月までに累計6167品目で値上げの計画があることが分かったという。このうち、6割超にあたる4081品目では今月になって値上げしており、今年に入って食用油や小麦粉だけでなく大豆に砂糖など主原料系の高騰は周辺商材へ急速に波及しているという。直近でも冷凍食品や醤油・食肉加工品・水産練り製品・豆乳・菓子などで原材料高を価格へ反映させる動きが急増しているという。 食品分野別に値上げとなった品目をみると最も多いのは加工食品で2909品目だといい、全体の47%を占めていて値上げ率平均は12%だという。加工食品ではハムなどの食肉加工品からカマボコなどの水産加工品など幅広い品目で値上げがみられ、小麦や油脂などの原材料調達価格高騰に加え原油高でラップなど包装材価格高騰を価格に反映したケースが多かったという。次いで多いのは調味料の1311品目で値上げ率平均は9%となり、加工食品の品目と合わせると値上げ全体の約7割を占めている。調味料ではドレッシングやマヨネーズを中心に特に食用油の価格高騰による影響が目立ち、特に菜種油はマヨネーズやドレッシング類など調味料の原料として使われるためこれらの品目を中心に値上げが相次いでいる。 これまで食品メーカーでは大多数が値段を据え置いたまま内容量を減らす「ステレス値上げ」でコストアップに対応してきたが、世界的な食料品相場の上昇に加え原油価格の高騰に伴う物流費や原材料費の値上がりに、為替でも急激な円安傾向が続くなど全方位でコスト増加が続き、企業努力で吸収可能な余力を超えていることが価格への転嫁をせざるを得ない背景として上げられている。帝国データバンクが実施した調査では飲食料品メーカーの7割超が1年以内に値上げすると回答しており、食料品の価格高騰はロシアによるウクライナへの軍事侵攻の収束を問わず一過性ではないとの見方も強いなか、コスト上昇分を売価に反映させる形で今後も各種品目で値上がりが続く可能性が高いとみられているという。
2022年04月21日
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東京外国為替市場で円安ドル高が進み円相場は一時1ドルが128円台前半をつけたことについて鈴木俊一財務相は、閣議後記者会見で「為替の安定が重要で、急速な変動は望ましくない」と指摘し米国などの主要各国の通貨当局と緊密な連携をとる考えも強調したという。円相場はニューヨーク外為市場で一時1ドル128円台をつけた流れを引き継ぎ約20年ぶりの円安ドル高の傾向が続いている。鈴木財務相は「最近の円安の進行を含めて、為替市場の動向だけでなく、経済に対する影響に関して緊張感を持って注視している」と強調したという。一方でさらなる円安阻止に向けた為替介入などの具体的な対応については「これまで先進7カ国などで合意された基本的な考え方で対応していきたい」と述べるにとどめたという。 日銀の黒田総裁はこのところの円安について「かなり急な為替変動だ」と述べたうえで「急速な円安の場合はマイナスが大きくなる」と述べ、急速な円安が中小企業や家計に与える影響について注意深く見ていく考えを示したという。この中で日銀の黒田総裁は「最近の円安は1か月ほどで10円ぐらい進んでいて、かなり急速な為替の変動だ。過度に急激な変動は、不確実性の高まりを通じて経済にマイナスに作用することも考慮する必要がある」と述べ、そのうえで「輸入価格が上がれば家計の負担が増えるほか輸入価格の上昇を転嫁できない中小企業の収益が減少することになり、急速な円安の場合はマイナスが大きくなる。企業の業種や規模、それに経済主体によって影響が不均一なことに留意が必要だ」と述べている。 一方で黒田総裁は「円安は日本経済全体としてはプラスだという評価を変えたわけでない」と述べ今の物価上昇はエネルギー価格の上昇が主な要因であり、家計の実質所得の減少や企業収益の悪化を招くおそれがあるとして、今の金融緩和を続ける姿勢を強調したそうなのだ。20年前の円安じきに何があったのかを調べた記事が載っていたのだが、特に大きな出来事があったわけではないそうなのだが、当時の日本の債券市場では格付会社による日本国債の格下げの可能性が意識されていたそうなのだ。20年前の4月に財務省は欧米の格付け会社三社に対して日本国債の格付けに関する異例の「意見書」を出しており、それは黒田財務官名で送付されていて現在の黒田日銀総裁が財務官であった時代だというのだ。 その日銀の黒田総裁がここにきても「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」との見解を示しており、緩和に向けた傾斜角度が維持されることで利上げを急ぐ米連邦準備制度理事会との金融政策の方向性の違いがさらに顕著となっており、これにより円安が急ピッチで進む格好となっていることからある意味「黒田ショック」ともいえる現象かもしれないという。この円安には日本の経常収支の赤字慢性化リスクも一因となっているが、主因は日米の金利差拡大にあるのは間違いがなく、日銀がマイナス金利政策の解除などを急がなければいずれ3.5%あたりまで格差が拡がることが予想されている。米国債利回りは市場で決定されるため絶対は言えないもののいずれ3%あたりまで上昇してくることが予想されているからだという。 このように日銀が頑として異次元緩和の姿勢を改めない限り日米金利差は長期・短期ともに開く一方となり、さらにドル円のチャート上も130円あたりまで節目らしい節目がなくドル買い円売りが入りやすくなっているという。ここにきての急速な円安ドル高の背景には円買いドル売りをしていた投資家がストップロスなどからそのポジションの巻き戻しを入れてきたことが主因ではないかといわれるが、そうでなければこのようなスピードの円安は考えづらいのだが、それを誘い出す仕掛け的な動きも当然入っていたという。国際会議でも円安ドル高についても話合われるかもしれないが、すでに欧米の中央銀行が正常化に向けて姿勢を修正しており、日銀の現在の緩和の姿勢が本当の意味で理解されることは難しいという。
2022年04月20日
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自由市場モデルを目指した大胆な規制緩和と市場重視型改革を必要としているというが、そうした従来の社会通念は2つの点で間違っているそうで、ひとつはプラスになる改革を阻んできた原因だとみなされている日本国内の政治的制約を過大評価していることだという。実のところこう着状態にある米国政治と比べると日本政府はかなり多くの改革を行っており、構造改革支持者が構造改革による経済的利益を著しく過大評価している点も問題だという。つまり日本はかなり多くの構造改革を行ってきたが、経済の活性化をもたらさなかったというのが評論家の見立てで、自由市場型経済モデルの追随や経済における政府の役割の縮小を目指す改革を行ったけれど経済パフォーマンスの強化につながらなかったというのだ。 政府レベルでも企業レベルでもプラスになる改革ばかりではなく、多くの変革がなされたとはいえすべてが良い変革というわけではなかったというわけで、第2次安倍政権が始まると日本政府の改革傾向は主に規制緩和の方向に向かっていき、規制緩和から働き方改革や働き手・消費者としての女性の活躍・牽引による経済活性化を図るウーマノミクスへと移行を目指したというのだ。1つ目は規制を緩め労働コストを削減しようとするもので、2つ目は規制を改善し労働生産性の向上を目指すものだったという。ところが規制を緩め労働コストを削減は政府の役割縮小を図りすぎたことによって、労働者を犠牲にして企業の利益を上げるという利益増と賃金引き下げを図った改革に特化してしまったというのだ。 日本は賃金や福利厚生などの労働コストを減らすことで利益増を目指す一方が利益を得た場合もう一方が同じ分だけ損をする「ゼロサム改革」となってしまい、日本政府は労働市場改革の下非正規雇用や解雇を除く雇用調整などについて企業のフレキシビリティーを高め、その結果企業は社員を解雇せずに労働コストを減らすという日本独特のやり方による労働コスト削減の道を探ったというのだ。これは短期的に見ればそう悪くないアイデアだと思われたのだが、長期的には非常に大きな弊害が生じたという。企業が組織再編に当たって正社員の賃金を抑え派遣労働者を増やして正社員の割合を減らしたことは変わりゆく経済に適応する一助になったかもしれないのだが最終的にはマイナスの影響をもたらしたというのだ。 賃金抑制はマクロ経済の足かせになり賃金が下がれば消費も陰り経済成長も鈍化することから格差拡大は経済成長の足を引っ張るという。つまり高レベルの格差は経済成長にとって必須のものなどではなく成長をむしばむものだったという。格差が大きくなれば消費も鈍化し経済停滞を助長してしまうのだが、格差拡大については労働市場の規制緩和が1つの要因だといわれている。ただしそれが唯一の要因ではなく高齢化という人口統計上の変化や経済成長の鈍化もあったのだが、人口が減り人手不足になるのは明らかなのに賃金が上がらないのは不可解で、そもそも人員過剰から人手不足に転じる時期が大方の予想より遅かったのも日本経済が停滞していたからだというのだ。 従来の日本型雇用制度には大きな強みは長期勤続が前提のため企業が従業員研修に投資することだったのだが、企業と働き手の間には忠誠心があり労使関係も比較的良好な協調関係にあったという。日本の製造業が生産性の高さと高品質のモノづくりを誇っていた背景には労使関係の良好さがあったというのだ。また男性が大半を占める正社員と女性が大勢の非正規労働者の待遇には給与や福利厚生雇用の保障などの点で実に大きな格差があるが、格差が小さくなれば生産性が上がり働き手の幸福感も増すという。正社員と非正規労働者の格差を埋める働き方改革により、男性が圧倒的に多い正社員と女性が大半を占める非正規労働者の格差を縮小すべきで、正社員を増やせば生産性も上がるという。
2022年04月19日
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物価高を抑えようとするとき「物価の番人」である中央銀行は金利を引き上げ世の中に出回るお金を減らす「金融引き締め」をするのが常道だとされているが、日本より激しいインフレに悩む米国や英国が相次いで利上げを決めたのもそのためだという。コロナ禍とロシアのウクライナ侵攻を受け物価の上昇と景気低迷が同時に進む懸念が強まっているが、日本銀行はインフレ対策より景気対策を優先していまの大規模な金融緩和を続けることを決めたそうなのだ。ところがさらなる物価上昇を招き逆に景気を落ち込ませる可能性もあって、日銀自体もジレンマに陥っているようで、長期金利の上昇を抑えるため指定した利回りで国債を無制限に買い入れる「指し値オペ」を実施すると市場に通知しているというのだ。 日銀は市場にこうメッセージを出すことで金利を抑える姿勢を強く打ち出したわけだが、これを受け金利が低い円よりも金利が高いドルの方が運用益などを得られるとみた市場で、円売りドル買いが加速してしまい、日銀の思惑とは裏腹に肝心の長期金利はむしろその後再び上昇に転じ日銀が上限とする0・25%まであっさりと上がってしまったという。この1年で急速に進んだ円安がコロナ禍からの回復をめざす日本経済にも影を落とし始めているという。輸入に頼る原材料費の高騰に拍車がかかり値上げを避けてきた飲食店などの体力も限界に近いとされ、円安効果も手伝いかつては「爆買い」目的の中国人観光客らでにぎわっていた東京・銀座も見る影もなく、輸出や観光業が受ける円安の恩恵も以前ほどではないという。 来年以降も円安傾向が続くとの見方も多く「悪い物価上昇」への懸念が強まっていて、3月の消費者物価指数は前年より8・5%上昇し約40年ぶりの高水準となっている。上昇幅は2月を上回り止まらないインフレ圧力が改めて確認されたという。急激な物価上昇を抑えるため利上げを進める米国と金利を抑え込む日本の金融政策の違いから、外国為替市場ではこの1カ月で約10円の急速な円安ドル高が進んでいるが、米国の消費者物価指数は昨年5月に5・0%の上昇を記録して以降上げ幅が加速している。コロナ下での原油高や人手不足に世界的な供給網の乱れなどが主因だったが、ロシアのウクライナ侵攻が加わりガソリン価格の高騰が顕著になっているし、半導体不足の影響を受ける自動車なども値上がりしているという。 こうした状況をうけ米連邦準備制度理事会は連邦公開市場委員会で約3年ぶりとなる0・25%の利上げを決定しており、次回5月の連邦公開市場委員会でも上げ幅を2倍の0・50%に広げ更に流通するお金を減らす資産圧縮に踏み切るとの見方も出ているという。一方で日本銀行は長期金利の上限を0・25%に抑える方針を維持していて日米の金利差が拡大し、金利の高いドルを買って円を売る動きが強まり1ドル=126円台と約20年ぶりの円安ドル高水準をつけている。自民党は物価や原油の高騰に対応するためガソリンへの補助金の継続などを盛り込んだ緊急対策の提言を取りまとめているが、都内のレストランで会食した岸田総理と高市政調会長らは自民党の提言などについて意見交換をしただけでという。 日本と欧米の金融政策の違いが鮮明になってきているが、日銀は新型コロナウイルス対策の支援を縮小しつつも半年延長し大規模な金融緩和は維持することを決めている。一方で英国利上げを決め米国も緩和縮小を加速し利上げをする見通しを示しているという。欧米が新型コロナウイルスの非常時対応を終えようと動くなか日本だけが取り残されようとしており、物価上昇圧力は強く個人消費が令和2年7月以来となる全9地域での引き下げを記録したという。地域経済のさらなる低迷が懸念されるわけなのだが、日銀は金融政策決定会合で来年3月に期限を迎える新型コロナ対応の中小企業の資金繰り支援について、来年9月まで半年間延長する4回目の延長だけは決めたそうなのだ。
2022年04月18日
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財務省は財政制度等審議会の分科会で新型コロナウイルスに対応するための医療提供体制の強化やワクチン確保などに16兆円の国費が投入されたと明らかにしたそうなのだ。しかも投入された国費の多くを日本医師会が受け取っているそうで、形だけ病床を確保するだけでコロナ患者を受入れせずとも確保費用として国から多額のお金がもらえるからだという。このことは地方自治体などが運営し853病院と最も数が多い公立病院の合計の収益はコロナ前では980億円の赤字だったがコロナ過では1251億円の黒字になっていることも指摘されたそうなのだ。コロナ禍前の売り上げよりもらえて潤った」という経営者も数多くおり、働かずとも多額の補助金を受け取って悠々自適に暮らす飲食店関係者もいて問題となっているというのだ。 財政制度等審議会の分科会長代理の増田元総務相は会合後の記者会見で「初期に財政出動を行うのは当然だが、証拠に基づいて柔軟に方向を変えていくことは必要だ」と強調したというのだが、国費16兆円のうち4割近くを占めたのが緊急包括支援交付金だという。新型コロナ患者の受け入れのために病床を確保した病院への補助金や医療従事者への慰労金支給などに充てられており、全国140の病院を運営する国立病院機構の決算では計576億円の経常黒字が計上されていたそうで、財務省幹部は「国公立病院には現預金や有価証券の積み増しも見られる。費用対効果の検証が必要」と指摘し、今後は感染拡大前に比べて減収となった分を補填する形に改めるなど支援のあり方を見直すよう求めたという。 新型コロナウイルスに足しするワクチンの確保や接種にかかる費用は計4・7兆円だったが、1~4回目接種用のワクチン確保には2.4兆円が支出され計8億8200万回分を準備されたそうなのだが、財務省は新型コロナウイルスのワクチンについて国が負担する購入費用は全国への配送料などを含めて1回当たりの平均で約2700円と明らかにしたという。これとは別に医療機関に支払う接種費用が1回当たり平均3700円程度と説明しており、財務省によるとファイザー・モデルナ・アストラゼネカ・ノババックスの4社から計8億8200万回分の購入を決め2兆4千億円の予算を計上しており、単純に割り算すると1回当たり約2700円となる。接種費用は希望者への2回接種がほぼ完了した昨年11月末時点で算出しているという。 ワクチンの確保や接種には4.7兆円の予算が使われていて、自治体や企業が実施する集団接種の会場設置費用なども国が負担しているが、財務省の審議会は新型コロナの収束後に向けワクチンの接種費用の負担を国から地方自治体に変更する議論を求めたという。財務省は「総人口と接種回数のかけ算を大きく上回る購入となっている」と指摘し、有効期限切れによる廃棄につながらないよう求めただけでなく、国民1回のワクチンの購入費用として約2700円と接種費用で約3700円が使われコストが高いと指摘している。 さらにコロナ収束後に向けて今の国の全額負担から地方自治体の負担に変更する議論をまずすべきだとしたが、地方の負担となった場合は自己負担となる可能性もあというる。 そのうえ事業者向け給付ではすでに多くの詐欺や不正が明らかになっており、コロナ禍で影響を受けた人や企業を支援するため国が設けた給付金には不正受給が相次いでいる。有罪判決を受けた経済産業省の元職員2人のほかにも公務員やメディア関係者が詐取したケースがあったとされ、経済産業省は返還を働きかけ警察は事件化を進めているという。広くこうした予算の費用対効果を検証する必要があるわけだが、新型コロナ対策に充てる地方創生臨時交付金を巡ってはモニュメントや公用車など関連性が見えにくいものに使われる「目的外使用」が相次ぎ感染状況などに応じて適正な金額を配分するよう求めている。大規模な支出に対して費用対効果の検証が必要な項目もあることから見直しを含めた対応を迫られるという。
2022年04月17日
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10年ほど前に商用ドローンが登場し私の現役最後あたりでは建設現場のインフラ点検として橋梁点検に使われていたのだが、最近ではスポーツ競技や秘境を上空から撮影しTV放映するといった使われ方もごく普通になっている。そして離島や山間部などに日用品や医薬品を輸送するドローン物流が注目されているそうで、過疎化する離島に向け海を越えてドローンで荷物を配送する「ドローン物流」の商用化が始まったというのだ。無人物流サービスの開発を進める「かもめや」は昨年の8月から瀬戸内海の粟島へ定期航路を開設したそうで、香川県三豊市や民間企業などと連携しながら進める「かもめや」のドローン物流は、離島だけでなく半島の沿岸部の買い物弱者の解消が第一の狙いだという。 そのような中で国家戦略特区となっている私の住む愛媛県の今治市でドローンを使って医薬品を離島に配送する実証実験があったそうなのだが、全地球測位システムを使って薬の自宅到着までを確認した国内初の実験という。 これは保険薬局を運営する「クオールホールディングス」とドローン物流を手がける「かもめや」と行ったそうで、ドローンは今治市の来島海峡大橋たもと近くを離陸し村上海賊の拠点の一つでもあった来島へと約600メートルを飛行して無事到着したそうなのだ。ドローンを飛ばしたかもめや社長の小野正人氏は、海を越えて離島へ荷物を配送する新たな挑戦について「海を越える長期定期航路を開設したのは世界初」と語っているが、商業サービスとして本格的に運行を始める予定だという。 へき地等の患者に薬剤を提供する手段については、当該へき地等における医療提供の観点から十分に検討を行うことになっているが、医師又は歯科医師から交付された処方箋により調剤された薬剤をドローンにより配送する場合は、内閣官房と厚生労働省に国土交通省が定めた「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」の内容に沿ってドローンの事業計画を策定することとされており、当該事業計画の策定にあたっては「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」に適合して実施することについて、実証事業対象地域の自治体における医務・薬務主管課に報告するとともに、当該地域の医療関係者・医師会・薬剤師会等の関係団体に事業計画を報告し緊密に連携することになっている。 薬を運ぶ容器は位置とともに内部の温度も刻々とドローンの基地に伝わる仕組みで温度管理が可能な容器を使用しており、過疎高齢化が進む離島や山間部への無人配送が期待されているそうなのだ。医薬品医療機器法では医薬品は薬剤師である医療従事者が対面で渡すことを義務付けているが、今治市は「国家戦略特区として、規制改革への材料を集めることができれば」と地元の了解を得て実験にこぎつけたという。実験を行った保険薬局を運営する「クオールホールディングス」とドローン物流を手がける「かもめや」は今年度前半にも医薬品のドローン定期輸送を始める考えだが、薬剤の発送後患者に授与されるまでの間は配送状況を把握できるようにする必要があるため医療従事者を介在させた配送になるという。 今回の実験では使用されたドローンは自動で飛行するそうなのだが、ドローンは航路がプログラムされていて全地球測位システム受信機で受け取った位置情報に基づいて飛ぶという。現在使っている機体の飛行速度は10m/秒というが、発着場にはマーカーシートと呼ぶQRコードのような模様が描かれたシートを敷いてあるそうなのだ。ドローンに付けたカメラがこのマーカーを読み取り着陸場所を決めるそうで、わずか数センチのずれで着陸できるという。ただし太陽光が強くて反射がきつい時などはマーカーをうまく読み取れずドローンがさまよってしまうことがまれにあるころから、そんな場合は近くで待機しているスタッフが自動運転から手動運転に切替えてドローンを着陸させるという。
2022年04月16日
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英国のボリス・ジョンソン首相はウクライナを電撃訪問し首都キーウをウォロディミル・ゼレンスキー大統領と並んで歩いたという。ウクライナ大統領府が公開した動画には両首脳が重装備の護衛に守られながらプレシャーチク通りから独立広場まで閑散とした街を歩く様子が捉えられているそうで、ロシアによる侵攻以来先進7か国の首脳がキーウを訪問したのはジョンソン首相が初めてだという。ある男性は感動した様子でジョンソン首相に「私たちにはあなたが必要です」と訴えると、ジョンソン首相は「支援できることを光栄に思います。あなた方にはゼレンスキー氏という素晴らしい大統領がいます」と返したという。ジョンソン首相はゼレンスキー大統領の勇敢さがキーウ周辺からのロシア軍の撤退につながったと称賛したという。 ロシア軍が撤退したキーウ近郊ブチャなどで民間人の遺体が発見されたことについてジョンソン首相は「戦争犯罪」だとし、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の評判は「永遠に汚された」と非難している。またジョンソン首相はウクライナに侵攻しているロシア軍による民間人の虐殺疑惑に「中国はウクライナ南東部や首都キーウ近郊のブチャで行われていることと本当に密接な関係を持ちたいのか」と述べロシア寄りの姿勢を保つ中国政府を批判したという。中国はブチャでの虐殺疑惑の浮上後もロシアへの非難を避けているが、ジョンソン首相は「中国は本当にプーチン体制を支えていくのか。中国にとって日増しに難問になっているという印象だ」とも述べ、中国非難の高まりで中国の立場も一層危うくなっているとの認識も示したという。 またオーストリアのネハンマー首相はモスクワを訪問してロシアのプーチン大統領と会談したといわれるが、2月下旬のロシア軍によるのウクライナ侵攻後プーチン大統領と欧米の首脳による対面形式の会談は初めてだという。ロイター通信によると、ハンマー首相は声明で「プーチン氏との会談は、非常に直接的かつオープンで厳しいものだった」と説明したうえで、「戦争は双方に敗者しかいない」として、プーチン氏に対しウクライナでの戦闘終結を訴えたことを明らかにしたという。オーストリアのネハンマー首相はウクライナの首都キーウでゼレンスキー大統領と会ったばかりで、ロシア・ウクライナ間の停戦交渉の進展と首脳会談の実現を促したい考えだとされ、中立国として危機打開に向けて仲介外交に乗り出した形となっている。 オーストリアは軍事同盟に入らず武力紛争に関与しないことを掲げる永世中立国で、ネハンマー首相は政界に入る以前は軍人なだけに率直にコミュニケートしたという。オーストリア政府が発表した声明によると会談は非常に厳しく率直な雰囲気で行われたそうで、ネハンマー首相はプーチン大統領に「戦争犯罪に関わった者は責任を問われなければならない」と伝え「ウクライナで人々が命を落としている間は制裁が続きより厳しくなるだろう」と警告したという。ロイター通信によるとオーストリアのネハンマー首相は声明でロシアのプーチン大統領との会談で停戦や人道状況改善の糸口を探ろうとしたが「友好的な会談ではなかった」と表明しており、ロシアとウクライナの危機打開に向けての仲介外交に進展がなかったとしている。 このようにロシアのプーチン大統領を説得できる政治家はいないみたいなのだが、今こそ欧州から遠く離れ北大西洋条約機構に加盟しておらず、ウクライナをめぐる「欧米vsロシア」の対立とは一線を画すことのできる日本の出番のはずだという。しかも27回の首脳会談を重ねた安倍晋三元首相を特使に推す声が高まっており、世界平和の回復のためにその人脈を駆使する時ではないのかと感じるのは至極当然だったという。ところが安倍元首相当人にその気はさらさらないということで、プーチン大統領に駆け寄って欧米との仲介を担う役回りを自ら封印したというのだ。安倍元首相は何のために今のような重大局面でまったく役に立たない首脳外交をプーチン大統領と個人的親交を重ねていたみたいなのだ。
2022年04月15日
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円安が大きく進む中財界からも懸念の声が出ている中で、日銀の黒田総裁は「円安は全体としてみると日本経済にプラス」と言い続け、円安をもたらす金融緩和の修正はまったく考えていないというのだ。恩恵を受けるのは一部企業だけでしわ寄せで生活が苦しくなるのは国民で、円安で利益を上げるのは海外でビジネス展開をするグローバル企業と輸出型企業に輸入品と競合する国内メーカーだという。海外に資産を持つ企業はそれを円評価する際に円安の分だけ資産評価が大きくなり、対外純資産が世界一の日本はその恩恵を受けるがそれは一部の企業のものだという。トヨタなどの輸出企業も円安で手取り額が大きくなり利益となるが、日本人にとっては購買力の低下で輸入品や海外旅行は高くつき生活水準が低下すというのだ。 裏を返せばこれら企業は円高の時に業績が苦しくなり政府・日銀に円高是正を強く求めていたこともあって、日本のメディアはあたかも円高は日本全体にマイナスであるかのように報じ中には「円高デフレ」とまで言う向きもあったという。実際には超円高となったプラザ合意の時だけでなく、1ドル80円割れとなった時でも円高デフレにはならずプラス成長で景気は拡大を続けており、円高でも国民総生産の中の輸出は減らずむしろ円高で個人消費が増え内需が拡大して景気を支えていたのだ。つまり円高デフレは実体のない「フェイク・ニュース」だったわけだったという。それでも円安はプラスという材料になったのは日銀などが利用する銀行のリスク管理行動を現実に即 してモデル化したマクロ経済モデルの存在だといわれている。 マクロ経済モデルよると外生的要因として為替を円安にすると実質国民総生産は増える結果となるが、これは輸出数量が増えて生産増となる一方で輸入コスト増となり輸入が減って国内生産にはプラスとなるためだという。その一方で日本は円安で海外に安売りをして数はこなしても採算の悪化から所得が増えない「ただ働き」を余儀なくされるというのだ。例えば円安が進んだ昨年の実質国民総生産は1.6%成長だったが、所得面から見た実質国民総所得は0.4%成長にとどまっており、国民総生産ベースでわずかながら成長をしても円安で国富が海外に流出、国民所得が増えない状態が続いているというのだ。また輸入では約7割がドル建てなのに対し輸出ではドル建ては49.5%で円建てが37%余りあるのも一因だという。 貿易収支がこのところ大幅な赤字で問題視され続けているのだが、コスト高となる輸入が為替差益を得る輸出よりも大きくなっていて貿易赤字分は円安でマイナスとなっているという。昨年1年間の貿易収支は1兆7,000億円の赤字だったのだが、特に円安原油高が進んだ昨年後半では2兆5,000億円弱の赤字となっているというのだ。円安で利益を上げた企業は労働者に還元せずに内部留保を積み上げる一方、輸入コスト高分は企業が負担する分もあるが大半は価格転嫁して国民の負担となっているという。年間85兆円の輸入に対して為替が10%円安になると8.5兆円の所得が海外に持っていかれそのコストを国民が負うことになり、これは大幅増税されたのと同じことだといわれているのだ。 安倍政権以来為替は円安気味となり海外の投資家は当初こそ株高期待で日本買いをしていたそうなのだが、円安が続けば日本投資はリスキーとなってしまい海外資本が入らなくなれば投資の減少が日本経済の足かせとなるというのだ。それに円安が全体としてプラスなら大幅通貨安のロシアやトルコ・アルゼンチンはさぞ利益になっているはずなのだが、現実は通貨安で高インフレとなり経済危機となっている。幸い日本にはまだ対外純債権があり相対的に物価が安定しているので購買力平価は円高地合いを示唆しており、これを信じて日本に投資する人もまだまだ多いという。それでも無理に金融緩和を続けて世界のインフレを輸入しつづけていると取り返しがつかなくなることから、政府・日銀は頭を冷やしてよく考える必要があるという。
2022年04月14日
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北欧のフィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構の加入に近く踏み切る可能性が出て来たそうで、複数の北大西洋条約機構当局者は米国のTVの取材に応じ両国の加盟に関する議論はロシアによるウクライナ侵攻以降極めて重大な意味合いを帯びるようになったと明かしたそうなのだ。米国務省の複数の高官もこの問題は先週開かれた北大西洋条約機構外相会議でも取り上げられたとしており、フィンランドとスウェーデンの両国外相もこの会議に加わっていたという。また北大西洋条約機構当局者は両国の加盟問題の議論が出てきたことはウクライナへの侵攻が北大西洋条約機構の同盟関係を再活性化させたり、一体感を強めたりするだけの結果をもたらしたことを意味すると指摘しているという。 このことはロシアのプーチン大統領が侵攻で狙っていた北大西洋条約機構拡大の阻止とはまさに正反対の事態が到来したことになるのだが、プーチン大統領はウクライナへの侵攻前にロシアの安全保障を脅かすとして北大西洋条約機構による東方への拡大や新規加盟の中止を要求しているが、北大西洋条約機構ウクライナへの支援を強化し新規加盟国を迎え入れることを準備する状況になっているという。 フィンランドの元首相はスウェーデンを含めた2国の北大西洋条約機構加盟に関する国内世論はウクライナ戦争が続くにつれ顕著な変質を見せたと説明しているし、フィンランドのマリン首相は「今後の数週間内」に北大西洋条約機構加入の問題を話し合う見通しとし「夏の盛り前」には道筋をつけると述べているという。 スウェーデンのアンデション首相は先月末の会見で北大西洋条約機構入りの可能性を否定しておらず、安全保障政策の分析を進め5月末までにはまとめる予定となっているという。スウェーデン政府当局者はこの問題に関して政府の立場を明らかにするとした。フィンランド政府当局者は北大西洋条約機構の集団防衛の保障をやたらに求めて加盟を願っているわけではないと主張し、ロシアのウクライナ侵攻はフィンランドに根本的な問題の再考を強いる結果になったとしている。ロシアとの関係は以前と同様のものにはなり得ないと強く認識しており、フィンランドは長大な国境線をロシアとの間に持っているが、一部の北大西洋条約機構加盟国の間ではロシアが攻撃に踏み切る可能性も取り沙汰されているとしている。 もっともロシアがウクライナに注力している間は隣接する中立国であったフィンランドに侵攻する余力はないといわれているが、ロシア大統領府のペスコフ報道官は北欧フィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構に加盟すれば、ロシアは独自の措置で「状況をリバランス」する必要があると述べ、北大西洋条約機構と対峙するロシアの西方圏の安全保障の態勢をより高度な水準にせざるを得ないと強調したそうなのだ。そのうえでペスコフ報道官は英国のTVに対しこれら2国が北大西洋条約機構に加盟することになれば、「ロシアの安全保障の観点から、われわれの西部地域をより洗練する必要がある」としたそうなのだが、核兵器使用を検討するような実存的な脅威とは見なさないとも述べたという。 北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長はスウェーデンとフィンランドが決断したのなら加盟は容易だろうとの見解を表明しているが、両国は長年北大西洋条約機構と共に働いてきていて軍の相互運用や軍に対する民主的な統制などの問題で北大西洋条約機構の基準に合致していると述べたという。ただ北大西洋条約機構の東方拡大を警戒するロシアは両国の動きに神経を尖らせていて、ストルテンベルグ事務総長も両国が北大西洋条約機構の保護下におかれる前にロシアによる報復がある懸念についても言及している。また予定されている北大西洋条約機構外相会談では対戦車ミサイルなど最新鋭兵器の追加提供などについても協議される見通しでウクライナのクレバ外相も部分的に出席する予定だという。
2022年04月13日
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ロシアのウクライナ侵攻を受け防衛費や軍事費を増やす国が相次いでいるが、北大西洋条約機構は昨年度の年次報告書を発表し、全体の7割を占める米国を除く欧州各国とカナダの国防費の合計が前年比3・1%増加して7年連続で増額したという。ロシアによるウクライナ侵攻を受け欧州諸国は国防支出の拡大を急いでおり、国防費総額のさらなる増額が予想されているそうで、国内総生産比で1%台を維持してきたドイツは2%以上にすると発表している。東アジアでは中国の軍事費が日本の防衛費の5倍超に達するが、日本も今年末までに防衛費の増額や装備・戦略の拡充を検討している。大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長は「ウクライナ侵攻は、防衛への投資の必要性をさらに浮き彫りにした」と指摘している。 軍事的な威圧を強める中国に対峙するには防衛費を国内総生産比2%に拡大する必要があるとの認識を示した自民党の安倍元首相だが、「当初予算で6兆円を超える額を確保すべき」との考えを示していた。安倍元首相はウクライナ情勢など緊迫する国際情勢を念頭に、「当初予算で6兆円を超える防衛費を確保すべき」との考えを表明したという。今年度の防衛費はおよそ5兆4000億円で増額を求めた形なのだが、 安倍元首相はこれまでに「中国が軍事費を急激に増やしており、南シナ海や東シナ海で一方的な現状変更の試みを行っている」などと、強い危機感を示しており、防衛費の増額を求めた背景にはこうした中国の動きやミサイル開発を進める北朝鮮が念頭にあるとみられている。 安倍元首相は「ロシアのウクライナ侵攻でドイツですら防衛費をGDP比2%に引き上げる決断をした。日本も2%に拡大する努力をしていかなければならない」と語っているが、安倍元首相の発言に対し野党側からは「いきなり数字だけを述べるのは、国民に対して不誠実だ。防衛は国民の理解のもとに体制を整備する事が最も求められる」と批判の声が上がっていた。岸信夫防衛相は北大西洋条約機構が防衛支出の指標として加盟国に適用する対GDP比2%について「指標として一定の意味がある」との考えを示している。政府は防衛支出の指標としての対GDP比の位置付けについては明確にしていないが、NATOは安全保障関連経費を含めた独自基準を適用しており、加盟国は対GDP比2%以上の達成で合意しているという。 岸防衛相は「NATOという民主主義国家の集まりが安保環境を維持するために各国の経済力に応じた相応の国防費を支出しているという点で、GDP比は指標として一定の意味がある」と述べ、その上で「防衛省としては現下の安保環境に対応できるように防衛力を抜本的に強化できるよう必要な予算をしっかりと確保していきたい」とした。日本の防衛力は質量共に相当強化の必要があるのは間違いないとしている安倍元首相は、対GDP比について「ドイツ同様、日本も防衛費をGDP比2%以上に増やすよう加速していく必要がある」との考えを示している。ロシアの軍事侵攻について「ウクライナの戦い抜く意思を見誤った結果」と分析した上で「日本は自国防衛の覚悟を示す必要がある」と強調しているという。 また安倍元首相は「今回の出来事も、あのウクライナが祖国を守るために強靱に戦い抜いていくという意思を、ロシアは見誤った結果、起きたのだろうと、こう思います。日本はしっかりと決意を示していく必要があります」としている。安倍元首相は講演会でも「日本は自国を防衛する決意と覚悟を示す必要がある」と強調し、そのうえで中国から軍事的圧力を受けている台湾をめぐって「台湾有事は日本有事であり、アメリカも台湾防衛の意思を示すべきだ」と述べ、アメリカは台湾に対するあいまい戦略を転換すべきだとする考えを示している。また防衛費の増額とともに日本が開発した武器などを輸出できないなら生産などのコスコが高くなって割に合わないので、武器輸出や共同開発の制限を大幅に緩和する必要があるとも語っている。
2022年04月12日
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岸田首相は会見でロシアからの石炭や機械類に一部の木材にウオッカなどの輸入を禁止する措置を来週、導入すると発表したそうで、岸田首相はロシアからの輸入禁止措置として「機械類・一部木材・ウオッカなどを来週禁止する措置を導入する」と明らかにしたという。また金融制裁のさらなる強化策としてロシアの最大手銀行・ズベルバンクとアルファバンクの資産凍結を発表し、さらに400人近くのロシア軍関係者や約20の軍事関連団体について新たに資産凍結の対象とするという。このうち石炭の輸入についてロシア産石炭は全体の輸入から見れば一部で代替調達しやすいとの見方もあることから、「早急に代替策を確保し、段階的に輸入を削減することで、エネルギー分野でのロシア依存を低減させる」と述べたそうなのだ。 また日本とロシア両政府がロシアの川で生まれたサケ・マスに関する漁業交渉を始める方向で調整しているそうで、来週中には日本の排他的経済水域内での漁獲量を優先して決めたい考えだという。ウクライナに侵攻したロシアに各国が厳しい経済制裁を科しているが、日本は自国の権益を確保するには交渉の必要があると判断したわけなのだが、ロシアは制裁に反発していて交渉は難航する可能性があると複数の日本政府関係者が明らかにしている。日本とロシアは毎年春にサケ・マスの漁獲量などを巡って交渉しているが、日本の排他的経済水域内での最盛期は4月~5月ごろとされ期限が近づいており、根室などの漁船が出漁するサケ・マス流し網漁は解禁日が間近に迫ったにもかかわらず出漁が不透明となっている。 政府はこれまでプーチン大統領の資産凍結などの制裁に踏み切っているがエネルギー分野の制裁には慎重だったのだが、岸田文雄首相がロシア産石炭輸入の禁止や外交官追放を決断したのはロシアが侵攻したウクライナで多数の民間人殺害などが明らかになり、日本として先進7カ国と結束しロシアに一層厳しい対応を取るためだという。ロシアの対抗措置が想定されるうえエネルギー分野の制裁は非資源国である日本にとって国内経済や国民生活への痛みを伴うことから、岸田首相は影響緩和に向けた対策とともに国民の理解を得る努力が必要になることから、「ロシアの非道な侵略を終わらせ、平和秩序を守るための正念場だ。国民の理解と協力をよろしくお願いする」 と国民に協力を呼びかけたそうなのだ。 日本が輸入する天然ガスのうち「サハリン2」からの調達が約8%を占めているが、他国のプロジェクトとすぐに長期契約するのは難しく、需給に応じて売買する「スポット取引」は量が不足しているという。東京ガスの内田高史社長は「ロシア産の代替で全部スポットから買おうとしても、物理的に不可能」と断言しており、東京ガスと「サハリン2」との契約は2031年まで残っていて調達を取りやめた場合でも代金を支払う契約になっているといい、「仮にそうなった場合は、国がどうするか考える必要がある」との見解を示したという。天然ガス価格の高騰でガス料金は上昇が続いているが、ガス料金には原料価格の上昇分を料金に転嫁できる制度があるが消費者の負担を抑えるために上限が設けられているという。 東京ガスの内田高史社長は「上限を超えた分は全部我々の負担になり、経営にも相当大きな影響が出てしまう」と語っており、対ロ制裁で日本を含む西側諸国が調達に動けば市場価格が上昇し国内の電気料金などの値上げにつながる恐れがあるという。それでも外務省関係者は「多数の民間人が殺害されたキーウ近郊のブチャでフェーズが変わった。エネルギーも何かしないといけないというムードになった」と打ち明けている。なお日本とロシアの経済関係は日本の輸入や輸出総額に占めるロシアの割合は1.0%台にすぎず強いものではないことから、日本がロシアに経済制裁を課してロシアが報復措置をとっても経済関係が強かった欧州諸国ほどのマイナスの影響は受けないといわれている。
2022年04月11日
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ロシアによるウクライナ侵攻は膠着状態を迎えていてロシア軍は首都キーウからは撤退し攻撃を東部に集中させる方針に転換しつつあるという。その中で元駐ウズベキスタン大使の孫崎亨氏は「ロシア側からしたらどのあたりが最低限の停戦、終戦の落としどころになるのか」と質問されると、「東部の自決権を認めてもらうのが第一条件ですね。というのは国連憲章第一条が民族の自決権を守るということが大原則になっている。だからウクライナにおけるロシア人に、自分たちの政治体制を決めさせるということは国際水準からいくと、めちゃくちゃなことを要求しているわけではない」と答え、ロシアはすでに東部はルガンスク・ドネツク州について独立した国と宣言しており、自決権を守るという形では現状より後退していることになっているという。 孫崎氏は東部が自決権に基づいてロシアに一体になるか独立するか選挙をすれば7~8割がロシア系であることから結果的にウクライナに戻る選択をしないだろうと推測し、その上で「なぜロシアが後退するかといえば、もうこの戦争は勝てないんですよ、ロシアは。最新の地対空ミサイルあるいは対戦車ミサイル、こういうようなものが出てきて、この威力を明確にロシアが分かった以上、戦争を継続することによって、ウクライナを支配できることはないということは分かったと思います。だからもしもこれで戦争がずっと続いていけば、勝ち目のない戦争を続けることなんですよね」と話していて、当初の目的を達することはできないから最低限はどこだということになるかということでその最低限が東部だということのようなのだと語っていた。。 そのような中でロシア外務省によるとセルゲイ・ラブロフ外相はウクライナとの停戦協議に関しウクライナ側から新たな提案を受理したと明らかにし、トルコでの前回協議の内容から「逸脱している」と批判したという。ウクライナ側はロシアが併合した南部クリミアについて「15年かけて協議する」との方針を撤回し首脳会談に委ねる意向を示したそうで、ロシア軍による民間人の虐殺疑惑が明らかになりウクライナ側が態度を硬化させた可能性があるという。ラブロフ外相は停戦協議の継続に意欲を示したが「ロシアの主張や要求を全て網羅した我々の提案を推進する」と述べたという。またウクライナの安全を保証する枠組みについてロシアが実効支配するクリミヤ半島は適用の対象外にするという文言が抜け落ちているなどと語っている。 ラブロフ外相はウクライナ側がさらなる条件を提示する可能性があるとして「こうした動きは容認できない」とコメントしているが、ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は停戦協議に関し「我々抜きでの解決はあり得ない」と述べ参加を求めているそうなのだ。ウクライナ軍によるとロシアは東部ドネツクとルハンスクの領土を完全に支配する準備に集中しており、ロシアのプーチン大統領は計13万4500人を新たに徴兵する大統領令に署名したそうなのだ。 こうした中アメリカのバイデン大統領はロシアを経済的にさらに孤立させるための新たな制裁を発表しているが、停戦交渉を考察する前に心得ておくべきことがあるとして、「いかなる停戦交渉であれ、合意事項を確実に実施しなければ実効があるものにならない」という。 つまり停戦合意されたとしてもロシアはこの合意を骨抜きにしかねないということのようで、この前提に立って今回の停戦交渉をみると今回の停戦合意では残念ながら実効があるものになるとの期待は持てないという。現在のウラジーミル・プーチン大統領が取る姿勢も「合意はすれども実行せず」や「他国や国際社会の言うことに耳を貸さず」ということで、今回のウクライナ侵攻はブダペスト覚書を完全に無視したその典型と行為だと言えるという。他方マリウポリに言及しないことには「この地はどれだけのコストを払おうと、いかなる手段を使ってでも奪取する」という冷徹な狙いが隠されているという。そして米国防総省はウクライナでの戦争についてどのくらいの期間継続するのか把握するのは「不可能」だとの認識を示しているそうなのだ。
2022年04月10日
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クライナは独自の対戦車ミサイル「スタグナP」を製造していてロシアの装甲車に対して効果的に使用されているが、東欧チェコがウクライナに対し旧ソ連製の戦車を提供したと地元テレビ局などが報じたという。ロシアによる侵攻開始以来ウクライナのゼレンスキー大統領は欧米諸国に対して戦車や戦闘機など高性能兵器の提供を繰り返し求めていたが、国外からの戦車の提供は初めてとみられている。チェコのテレビ局によるとT72型戦車や歩兵戦闘車をウクライナに提供したそうで戦車が鉄道で輸送される動画も公開したという。米紙ウォールストリート・ジャーナルによるとチェコは十数台の戦車をウクライナに提供しており、旧ソ連製の戦車はすでにウクライナ軍が操縦に習熟していてすぐに実戦で使用できる利点があるという。 アメリカと欧州諸国はロシアの侵攻と戦うウクライナ軍を支援しているが、英政府はロシア軍の侵攻下にあるウクライナへの軍事支援を話し合う多国間会合を主催し支援拡大で合意しているという。防空・沿岸防御のための兵器だけでなく長射程砲の提供が検討されており、ウォレス英国防相は会合後にテレビ番組でロシア軍がウクライナの都市部に対し遠方からの砲撃を強化していると指摘したうえで「これに対抗するにはより射程の長い砲がふさわしい」と述べたそうなのだ。これまでに米欧からウクライナに供与されたのは携帯型の対戦車ミサイルなど射程の短い兵器が多いが、装甲車両の提供や訓練などでも支援を強化する方針が決まっているそうで、会合には米国や日本・韓国など30カ国以上が参加しているという。 ポーランドの国境付近で旧ソ連製とみられる戦車が運ばれる様子を撮影されているが、ウクライナに提供される可能性があってウクライナと国境を接するポーランドのメディカで複数の戦車がポーランド軍の車両で運ばれる様子を撮影したという。 その形からポーランド軍が所有する旧ソ連製のT72型戦車とみられ、ワシントンポストなどはウクライナ軍を支援するためアメリカ政府が北大西洋条約機構の各国を通じて旧ソ連製の戦車を提供すると報じていて、今回撮影した戦車もウクライナ軍に提供される可能性があるという。T72型戦車はウクライナ軍が使い慣れている戦車と操作方法がほぼ同じで即戦力になるとみられ、ウクライナでの戦闘で破損した軍備品の修理を各国が請け負うことも検討しているという。 そればかりかオーストラリアのモリソン首相は地雷にも耐えられる同国製の輸送防護車をウクライナに供与する方針を明らかにしており、近く数台をC17輸送機で届けるとシドニーで記者団に語ったそうなのだ。米国防総省のカービー報道官は記者会見でウクライナへの武器供与を継続する方針を表明したおり、「複数のルートがある」と語り、ロシア軍がウクライナ西部で攻勢を強めても補給路をすぐに遮断される可能性は低いとの見方を示している。カービー報道官は「最も迅速で効率的な方法でウクライナに最大限の支援を続けていく」と強調したという。ロシア軍はポーランド国境から約20キロメートルに位置するウクライナ西部の軍事演習所を攻撃しているが、米欧からウクライナへの武器供与ルートを遮断する狙いとみられている。 また米国防総省高官は記者団に対してウクライナの軍事演習所への攻撃をめぐりロシアの爆撃機がロシア領空から長距離巡航ミサイルを使ったと指摘したそうなのだ。これは制空権を争っているウクライナ上空では撃墜される恐れがあるためリスクを避けるためロシア領空から攻撃を仕掛けたとみられているが米国防総省のカービー報道官は在ポーランド米軍の態勢に変更はないとも説明している。ウクライナのコルスンスキー駐日大使も会見で、国と英国から「最新鋭」の兵器が提供されると述べロシアの攻撃に対する防衛能力が高まるとの認識を示し、 「ロシアは空軍・戦闘機・ミサイルで依然優位に立っている」とし、「領土と領空を防衛するための最新鋭の兵器が米英から届き始める見込だ」と述べている。
2022年04月09日
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アルコールは体内で分解・解毒され二酸化炭素や水などに形を変えて排出されるのだが、この分解・解毒作業の大半を担っているのが肝臓で、一度に大量のアルコールを吸収すると肝臓に大きな負担がかかってしまうためできるだけ吸収量を減らしたいという。居酒屋でお酒を飲むときは料理も合わせて注文することが多いのだが、そんなときには食物繊維が豊富な品を選択するのがオススメだという。食物繊維は消化されにくく長い時間胃や腸にとどまるためアルコールの吸収効率を下げる働きがあるのだが、食物繊維が多い食材といえばキャベツとトマトで、特にアルコールの血中濃度を3分の2~半分ほどまで減らすと言われるトマトや、アルコールの分解酵素を活性化するビタミンUが含まれているキャベツがオススメだという。 ほかにもきのこ類や豆類だけでなく海藻類にこんにゃくなどは食物繊維が豊富で、メインの品を頼む前にこれらの食材を使った料理を食べておくのが理想的だという。またお酒を飲む前にヨーグルトやチーズなどの乳製品を食べておくのも有効で、乳製品にはアルコールの分解を助ける善玉物質が含まれているので肝臓の仕事を減らし負担を軽減できるというのだ。また蓄えていた脂肪を糖質に戻しエネルギー源を確保している糖代謝と呼ばれる脂肪と糖質の変換作業は肝臓が行っているのだが、アルコールの分解で忙しいときに糖代謝という仕事が加わると肝臓に大きな負担をかけてしまうので、これを避けるためにもお酒を飲んでいるときに糖質の多いおつまみを食べるのはやめるべきだという。 糖質の多いおつまみの定番どころで言えばフライドポテトなどが挙げられるのだが、健康的なイメージがある野菜の煮物も要注意だという。いも・にんじん・れんこんなどでんぷんの多い食材のほか砂糖やみりんといった調味料が使われているため糖質が高くなりがちだという。おつまみとして食べられることも多い寿司も危険度は高めで、ひとつひとつは少量ですがお茶碗1杯を超えるお米を食べていたということもあるので注意が必要だという。締めのラーメンやお茶漬けなども注意が必要で、お酒を飲むときはこれらのメニューを控えたほうがよいそうなのだ。ぽっこり出たお腹を「ビール腹」というように「お酒を飲むと太る」というのは常識だが、ビール500ミリリットルのカロリーは約200キロカロリーでご飯一膳分のカロリーに匹敵するという。 新型コロナウィルスの影響で「おうち飲み」を楽しんでいる方が増えているが、様々な種類のお酒を時間の制限なく楽しめるのは魅力的なのだが、中には思ったよりも深酒をしてしまい体調を崩す人も多いという。運動不足な上に酒量が増加したことにより太ってしまったり様々な健康数値に悪影響が出てしまったりする人が増えているそうで、しかしアルコールに含まれるエネルギーの多くは熱量として放出されることがわかっており、体内に蓄積されにくいとも言われているそうなのだ。各国の研究によってアルコール摂取量と肥満に関連性がないこともわかってきており、糖質は体を動かすために必須のエネルギー源である中性脂肪に合成され血中に放出されるが、消費されなかった中性脂肪は内臓脂肪や皮下脂肪に蓄積されてしまうという。 果糖やコーンシロップなどの甘味料が含まれたお酒を何杯も飲んだり糖質たっぷりのおつまみを食べたりすることで、中性脂肪が大量に合成され肥満の原因となるわけだという。また最新の研究で判明してきたお酒の新事実がたくさんあって、例えば驚きなのが「休肝日は不要」というものなのだが、医師によれば「1日単位でアルコール量を決めるのではなく、1週間単位でアルコールの摂取量を管理するのが理想」だと語っている。確かに休肝日の翌日に我慢した反動でたくさん飲んでしまったらまったく意味がないそうで、そのため1週間単位でアルコールの摂取量を管理するのが合理的だという。なお二日酔いはアルコールの分解が終わらないために起こる現象なので脱水症状は二日酔いの間接的な原因とも言えるという。
2022年04月08日
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ロシアのウクライナ侵攻を受けて日本はアメリカなどと同様にロシアを非難する立場を取っていてこれが世界の主流の流れと言えるが、その中でロシア寄りの発言を繰り返しているのが日本維新の会の鈴木宗男参議院議員なのだ。鈴木宗男参議院議員氏はもともとロシアと関わりの深い政治家として知られており、地元の北海道の選挙区が北方領土を抱えているためライフワーク的に取り組んできたとされるが、かつてはロシアから天然ガスのパイプラインを引く大胆な計画を提言したこともあるという。現在は日本の維新の会から参院選へ出馬して9年ぶりに国政復帰を果たしているが、野党議員の立場でありながらロシアと深い繋がりを持つため安倍晋三元首相の北方領土返還交渉にも影響力を及ぼしたと言われているのだ。 その鈴木宗男参議院議員がロシアのウクライナ侵攻についてウクライナの首都キーウ近郊の町ブチャで見つかった多くの一般市民の遺体が見つかり、ロシア軍による大量虐殺と国内外の多くの報道機関が伝えていることに関して、「テレビから、ロシア側、ウクライナ側の主張、映像が知らされるが、なにが真実で、なにが正しいのか、受け止めに躊躇してしまう」としてロシア報道はフェイクニュースと報じていることに対して理解を示しているという。そのうえで鈴木宗男参議院議員は20年前のいわゆる「ムネオバッシング」を想い起して「目に入るメディアによる時には印象操作とも思える場面場面に、何とも言いようのない虚しさが去来した」とかたっただけでなく、ウクライナの市民が武器を持って戦っていることに避難までしているという。 鈴木宗男参議院議員といえば自民党の衆議院議員時代に様々な汚職疑惑が明らかにされ裁判で実刑判決が確定している。議員を失職し収監されたが現在も国策捜査であり冤罪であると主張しているのだ。しかもプーチン大統領の孤立化とロシアへの経済制裁に反対の立場を取っていてこちらも日本政府のスタンスとは異なるものとなっている。岸田政権は欧米側に立つことを選択、まずロシアを世界的な金融決済の枠組みである「SWIFT」から排除することや、プーチン氏を含むロシア政府関係者の資産を凍結することへの支持を表明している。またその後もロシアの金融機関を対象とした資産凍結などの金融制裁だけでなく、半導体などの汎用製品の対ロ輸出を制限する経済制裁などを含む追加制裁を発動している。 そして2月の記者会見では「ロシアとの関係をこれまで通りにしていくことは、もはやできない」と語っており、そこにはロシアへの敵対意識があることは明確だといわれている。それに対して鈴木宗男参議院議員は「日本はロシアの非友好国となってしまった。日本政府の敵対姿勢はロシアを激怒させている」と非難してロシア側に理解を示したうえで、日本の行動が北方四島問題の解決に必ずや影響を及ぼすとの認識を示したという。こうした一連の発言を受けネット上では「なんで鈴木宗男はこんなにロシアびいきなんだろう」とか「この時期にロシア擁護するのか」といった声が聞かれており、ロシアと深い関わりを持ってきた鈴木宗男参議院議員のあえて世論の流れに逆行するかのような振る舞いは物議を醸しそうだという。 日本維新の会といえば元大阪市長で弁護士の橋下徹氏が、キーウ近郊でロシア軍が市民を「大量虐殺」したとウクライナのゼレンスキー大統領が訴えていることに関して、「一般国民はまず逃げる、退避する」ことが重要だと訴えたうえで、「結局生き残るのは政治家」と非難したそうなのだ。TVの番組でウクライナ近郊のブチャで一般市民の多数の遺体が確認されたことからゼレンスキー大統領がロシア側を強く非難したことを取り上げると、「ウクライナの戦闘員には敬意を表しますが、戦闘員と一般国民は別」と語り、「結局生き残るのは政治家とか戦争指導者たち」と指摘したという。またロシア軍のウクライナ侵攻に関連してウクライナのゼレンスキー大統領を「能力がない」と批判したそうなのだ。
2022年04月07日
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三重県の鈴鹿サーキットで行われたカーレース場で昨年に引き続きシーズンフル参戦するのはトヨタ自動車が開発する水素エンジン車で、CO2を排出しないほか既存のガソリンエンジン車の技術を応用して開発できるなど脱炭素社会へ向けたクリーンな車として注目されているそうなのだ。エンジンの性能をガソリン車並みにまで鍛え上げてきたほか今シーズンからは新たに別のカーボンニュートラル燃料で走る車も投入するなど燃料の選択肢を広げながら脱炭素へのチャレンジを加速させているという。脱炭素へ向けた取り組みとして自らドライバーとして参戦する豊田章男社長はレース前の会見で「意志ある情熱と行動に共感いただいた多くの仲閒の方々に、あらためて感謝申し上げたい」と語っている。 水素は電気を発生させる燃料電池のとして利用できるだけでなく燃料として直接燃やすこともでき、燃料電池は水素を酸素と結合させて電気を取り出しているのに対し燃焼によって酸素と結合させ熱エネルギーとして取り出すのが水素エンジンの原理で、エンジン自体の仕組みは通常のガソリンエンジンとほぼ変わらず、空気と水素を混ぜて圧縮しそこにスパークプラグで火を付ければ爆発的な燃焼が起こるという。化学の授業でも試験管中に水素を発生させアルコールランプに近付けて燃焼させる実験が行われている。ガソリンや軽油は炭化水素がさまざまな分子構造で混ざり合っているモノで水素と炭素をそれぞれ酸素と結合させているのだから、水素エンジンは燃料から炭素をなくして水素だけを燃やしている状態だという。 ひとつめの課題は燃費で新型車に搭載されている高圧タンクの容量を増やしているのだが、今回のテスト走行の状態で距離にして50kmごとに水素を充填するためのピットインが必要だったという。ガソリン車だとタンク容量で実燃費でも600kmくらいは走れるからレースマシンとはいえ現時点で燃費は15倍程度悪いというのだ。ただしガソリン車もサーキットで全開走行すれば燃費は半分くらいになるそうなので、実際には7~8倍といったところだろうが燃料電池のほうが圧倒的に効率は高いという。ふたつめの課題は「排気ガス中の有害成分のひとつである窒素酸化物の排出をどう抑えるか」だという。水素エンジンは酸素をすべて水素と結び付けられれば理想的だが実際にはそこまで緻密に制御することはまず不可能だという。 そして長期に渡る使用を考えると「水素脆性」の問題がみっつめの課題で、水素は閉じ込めておくのも難しい物質だ。大抵のモノは通り抜けてしまうほど水素分子は小さいという。そのため水素を扱う配管にはニッケル系の特殊な金属を使い継ぎ手にも特殊なシールや断面形状を用いるなど特殊な処理が必要になっている。さらに水素は金属内部に入り込んで脆くしてしまう水素脆化を起こすそうで、燃料系は問題ないとしてもエンジン内部に残留した水素がエンジン部品に浸透することでやがて水素脆化を起こし部品の強度が低下して壊れてしまう可能性があるというのだ。ただしこのあたりは耐久レースを走ることで部品の耐久性や対策しなければならない部品を見つけることもできるかもしれないという。 今回新たに水素を作る仲間として手を挙げたのが山梨県で、これまで提供されてきた福島・浪江町で作られた水素に加え甲府市で作られた太陽光由来の水素も提供されることになったという。山梨県が主体となって東京電力ホールディングスや東レと連携して製造した水素がトヨタの水素エンジン車に使用されているちう。山梨県の長崎幸太郎知事は「今回のレースに完全CO2フリーのグリーン水素を提供しています。太陽光あるいは再生可能エネルギーからグリーン水素を作る。この仲閒に入れていただきましたこと心から感謝を申し上げます」と語っているが、官民の垣根を越え着実に広がってきた仲間づくりも行われており、目指す脱炭素社会の実現に向けその輪はさらに広がるとみられている。
2022年04月06日
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私が現役のころは「低賃金重労働」とか「3K職場」などといわれていた建設業界なのだが、ゼネコン大手各社が4月に入社した新入社員となる総合職の初任給を相次いで5000円引き上げることが明らかになったそうなのだ。清水建設の5000円引き上げは4年ぶりで鹿島建設は3年ぶりとなるという。大林組や竹中工務店も同額を上乗せするそうなのだが、建設業界では今後コロナ禍で遅れていた事業再開などが見込まれ人手確保に力を入れており、他業界との人材争奪戦は激しさを増していることもあって円滑な確保につなげる狙いがあるという。特に採用難といわれるのがデジタル技術を生かした新たなビジネスモデルを考え実装まで担える「デジタル人材」だが、あらゆる業種でデジタル人材争奪戦が繰り広げられているという。 スーパーゼネコン4社の3月期連結の業績予想は4社とも減益を見込んでいるが、売上高は4社そろって増収見込みだけに資材価格の高騰や受注競合などの影響が厳しさを増している。それなのに清水建設は今年の春闘で社員給与を平均3%以上引き上げると発表しているそうなのだが、鹿島建設・大成建設・大林組も3%超引き上げる見通しでゼネコン大手4社は賃上げで足並みをそろえる形となるという。基本給を底上げするベースアップを行うかは今後の労使交渉で検討するが実現すれば18年以来の実施となるという。建設業界は人手不足が慢性化していて人手確保へ待遇引き上げが急務となっており、政府が公共工事の入札で3%以上の賃上げを行う企業を優遇する方針を打ち出している。 このこともゼネコン大手の動きを後押ししているわけなのだが、人手不足を背景に建設業界で人件費が上昇しているため国土交通省は公共工事の賃金の基準となる労務単価を全国平均で2.5%引き上げている。労務単価の引き上げは算出方法が大幅に変わった平成25年度以降、10年連続となっているが、労務単価は公共工事の工事費の見積もりに使われ建設労働者に支払われる賃金の基準となるもので毎年見直しが行われているが、これについて国土交通省は全国平均で今よりも2.5%引き上げて一日当たり2万1084円としている。建設業界で人手不足が続き人件費が上昇している実態を踏まえたほか、新型コロナの感染拡大で工事や入札が滞り、の影響で賃金水準が下がることがないよう配慮したということのようなのだ。 斉藤国土交通大臣は「製造業などのほかの産業と比べて建設業の賃金水準はまだ低い。政府の最重要課題として賃上げに向けた取り組みが進む中、公共事業の労務単価の引き上げが、現場の技能労働者の賃金引き上げにつながる好循環が続くよう、官民で取り組んでいきたい」と述べている。建設業界ではコロナ過の影響が厳しく、日本より先に新型コロナ感染が広がった中国やアジアなどの海外工場が操業停止や港湾荷役がストップすると、たちまち建材や部材などサプライチェーン寸断の影響が日本に押し寄せ、今度は日本でも感染拡大が本格化し三密回避で工期が長期化していくとコロナ禍で予定していた工事の中止も増え、コロナ破たんでは建設業が倒産廃業等の1割を占めているといわれている。 それでも建設業の人材不足は著しいようで、特にデジタル人材を渇望するのが土木工事の分野とされていて、ブルドーザーなどの建設機械を無人化して自律運転させ人員をかけずに現場作業を遂行するシステムの開発には欠かせない人材だという。建設機械を自動運転するシステムの開発や現場作業のデータを基に作業効率の把握やボトルネックの発見だけでなく、改善策の提示といった仕組み作りにデジタル人材が生み出すコードが欠かせないという。そのため土木工事の現場における人手不足や職人の高齢化などを考えると、デジタル人材をどう確保するかが建設業界が生き残っていくための課題となっており、定期昇給などを中心にベースアップも検討し建設業界の人手不足改善に向け社員の処遇改善を図っているという。
2022年04月05日
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野菜は天候などの影響で育ち方が変わるものなので収穫量によって常に価格は変動しているのだが、実は農林水産省は野菜の価格について聞き取り調査をしており、東京都中央卸売市場に出荷される野菜について例年と比較した価格の見通しを毎月発表しているという。今月での野菜の価格動向についてにんじん・はくさい・キャベツがお買い得に買える見込みで、にんじんは一部の地域で冷え込みの影響を受け生育が遅れ気味になっているもののおおむね良好に生育中だという。はくさい・ほうれんそう・レタスは気温の低下により生育が遅れ気味だが、キャベツはおおむね順調に育っているが一部の産地で寒さの影響を受け生育が停滞しており、ねぎは気温の低下に伴う葉の枯れや生育不良が起こっているという。 北海道産のジャガイモは干ばつなどの影響を受け成長が遅れ小玉傾向になっていて、鹿児島県でも玉付きが少なくなっており、出荷数は平年を下回り価格は平年より高くなるという。たまねぎも主産地である北海道で干ばつが続いた影響で生育が遅延傾向で小玉傾向だが、3月を通して出荷数は平年を下回り価格は平年より高くなりそうで、北海道産の不作に加え代替となる輸入も供給が不安定化していて市場価格は過去5年平均の2倍だという。流通業者は国内外で代替先の確保に奔走しているが難しい状況だそうで、値段が上がっているジャガイモは例年のこの時期4個入で150円から160円のものが215円だし、玉ねぎはこれまで5個入りが215円だったのが値上がりしたため、個入りを215円になっているという。 国内外からタマネギを調達する関東の商社は「ここまで調達が大変な年は、この10年で初めてだ」だと近年にない環境の厳しさに不安を募らせているが、「まん延防止等重点処置」が全面解除となり業務加工筋から今後注文が増える見通しで、「需要回復は喜ばしいが、心配が先に立つ」と漏らしている。タマネギの価格は昨秋以降上昇が加速しているが、各地区大手7卸のデータを集計した日農平均価格は先月が1キロ185円と過去5年平均の2倍を付けていて、統計のある過去15年間でも断トツの高値だという。北海道産の干ばつによる不作に輸入品の不安定化が拍車を掛けており、財務省の貿易統計では輸入価格は昨年9月の1キロ50円から急上昇し12月は前年比3割高の70円で年明け以降も高値が続いているという。 玉ねぎは炒めもの・煮物・サラダなど様々な料理に活躍する野菜で高くなると家計に響くそうなのだが、玉ねぎはまとめて収穫し大量に貯蔵したものを市場に流しているので、北海道が不作だと長期間高いまま推移してしまうという。輸入業者は「米国産も干ばつや物流遅滞で代替できない」と話しているが、こうした事態を受け関東の業務系スーパーでは見慣れないオランダ産が店頭に並んだという。仕入れ担当者は「調達が計算できない米国産の代わりに仕入れた。品質は良く反応はまずまず」という。また「中国産は多くが皮をむいて輸入されるが、皮付きの注文が増えている」との声もある。国内産の佐賀産も遅れ気味で5月の大型連休前後に早生がピークを迎える見通しだが、「生育は1週間から10日ほど遅れている」と話している。 モノの値段は需要と供給のバランスで決まるのだが、野菜の需要は基本的に一定なので市場に出回る供給量が増えると自然と値段は下がるという。具体的には生育が順調であれば静岡県産の玉ねぎは約1500トン増産されているそうで、佐賀県産は1000トン市場に出回る予測で流通量がかなり増えてきえいるという。さらに今月になると佐賀県産は約6000トン流通するのでそのくらいになると価格はかなり落ち着いていると考えられているそうなのだ。玉ねぎは他の野菜と比べて比較的鮮度が長持ちすることから、使い切れる量であれば大袋で買って涼しい場所で保存しておくのがおすすめだそうで、大きさと数をチェックしお得な大袋や徳用ネット入りを選ぶとより安く買うことができるというのだ。
2022年04月04日
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私は毎晩晩酌を飲んでいるのだが、今は安くて手っ取り早く酔えるようにと「ウィスキーのビール割り」を飲んでいる。今ではコロナ過ということもあって外で飲むことはなくなったのだが、店ではハイボールを飲むことが多かったのだ。私が毎晩呑んでいるビールとウイスキーを合わせる「ボイラーメーカー」はアメリカ生まれのカクテルなのだが、「ボイラーメーカー」というユニークな名の由来には諸説あって、アメリカで発電用ボイラーの建設作業を行っていた労働者が手早く酔っ払いたいがため缶ビールのなかにバーボンウイスキーを入れて飲んだという説なのだ。「ハイボール」はウイスキーをソーダで割ったカクテルでいまでは飲食店のアルコールメニューの定番となりメーカー各社からはさまざまな種類の缶入りハイボールが販売されている。 さて「ウイスキー・ソーダ」と「ハイボール」はどちらもウイスキーのソーダ割りのことだが両者には微妙な違いがあるそうで、「ウイスキー・ソーダ」という言い方はバーテンダーであっても飲み手であっても頑ななこだわり多少の緊張感があるようで、ベースのウイスキーは何々でレモンの有無といった明確な自己主張があるという。では「ハイボール」のほうはというと、こちらには何でもミックスしちゃえ的ないわゆるカクテルとしての響きがあるという。カクテルブックの「ハイボール」の項を見ると興味深く「ジン・トニック」も「ボイラーメーカー」もハイボールとして語られているのだが、「スコッチ&ソーダ」は記述がふるっていて飾り付けなんか邪道でウイスキーとソーダ水のみといったようなことが書かれており、「ハイボール」の中でも別格とされている。 さてウイスキーのほのかな甘みとすっきりとした飲み口の「ハイボール」はウイスキーほどアルコール度数が高くないので、今では私のように居酒屋やバーで「とりあえずビール」ではなくて「とりあえずハイボール」の人も多いという。この「ハイボール」の名前の由来は諸説あるがふたつの説が有力なのだそうで、ひとつめのルーツは19世紀のアメリカ開拓時代に鉄道ではボールが上がったら進行で下がったら停止を意味するボール信号機が主流だったのだが、列車に指示を送っていたところある鉄道員がバーボンを飲みながら列車を待っていてボールが上がるたびにバーボンをソーダで割って一気に飲み干していたそうなのだ。転じてウイスキーのソーダ割りが「ハイボール」と名付けられたと伝えられたという。 そのほか列車が途中停止する際の合図に先端にボールが付いた棒を掲げていたことも由来のひとつで、合図後に停車した列車内では乗客にウイスキーのソーダ割がふるまわれ、そこから「ハイボール」と呼ばれるようになったとも言われている。日本で「ハイボール」が生まれたのは戦後間もない1950年代だが、当時の洋酒ブームも手伝っておしゃれな飲み物としてハイボールも広く浸透していたそうなのだ。やがてウイスキーの飲み方はロックや水割りが主流になったのだが、ブーム再来までハイボールが日の目を見ることはなかったという。第二次ハイボールブームが起こったきっかけは、軽い飲み口のハイボールが日本人好みの料理やつまみと相性がよく、料理の味をひき立てる食中酒として親しまれるようになったからだという。 ちなみに海外でいう「ハイボール」は「スピリッツ」と呼ばれる蒸留酒やリキュールをソーダ・コーラ・ジュースなどで割ったカクテルのことをさすのだが、割り材の役割はあくまでもフレーバーを加える程度でウイスキーのロックやストレートのアレンジに近い飲み方になるという。海外ではアルコール度数の強いカクテルを飲みながらしっかりした味付けの料理をつまむのが主流なのだそうだが、和食をはじめ日本人の手にかかれば中華料理もイタリアンもさっぱりした味付けになるので、家庭でハイボールをつくる際はグラスもウイスキーも常温の状態で氷とソーダのシンプルな素材を使い、個性が強いシングルモルトのウイスキーより割り材によく馴染むブレンデッド・ウイスキーのほうが使い勝手がいいそうなのだ。
2022年04月03日
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政府が物価高騰を受けて4月末をめどに策定する緊急経済対策をめぐり与党の溝が目立っているそうで、自民党は財源として令和4年度補正予算を編成せず新型コロナウイルス対策として確保する予備費で対応する構えだが、公明党は一定の財源を確保するためあくまで今国会で補正予算を成立させるよう主張している。経済対策は夏の参院選を戦う武器となるだけに摩擦が続けば選挙にも影を落としそうだといわれるが、自民党から今年度予算の予備費で対応すべきだとの発言が相次いだのに対し、公明党の山口代表は補正予算を今国会で成立させるよう重ねて主張し、補正を先送りして夏の参議院選挙の前後に財源が不足したら「政権の責任につながる」と強くけん制したという。 政府と自民党は今回の対策では補正予算を組まず第2弾の対策として夏の参院選後に補正を編成する考えだが、自民党の麻生太郎副総裁は麻生派例会で緊急対策は迅速さが肝要だとし、「まずは予備費を活用する」と強調すると、岸田派の会長代行である根本匠衆院予算委員長は記者団に「国会の会期は決まっている。国対的な感覚からすると補正は厳しい」と述べたそうなのだ。それに対して公明党の山口代表は党会合で今年度補正予算を今国会で成立させる必要があるとの考えを改めて示したそうなのだ。その上で「4月末に補正の方向性を示せば、他の法案成立を含め、会期を延長せずとも、補正の成立を図ることは十分可能だ」と述べ政府・自民党をけん制したそうなのだ。 緊急経済対策はロシアによるウクライナ侵攻などに伴う原油や物価の高騰に対応するため岸田首相が指示しており、政府・自民は主な財源として今年度予算の新型コロナ対策の予備費5兆円を充てる意向だが、ただ公明党は新たに補正予算を組み大がかりな対策を講じることができる環境づくりを求めていて参院選でアピールする狙いも透けるという。一方で自民党の高市早苗政調会長は記者会見で「今すぐ補正予算を編成する必要があるとは思っていない」と強調したという。過去最大規模の107兆6000億円の4年度予算の執行が始まった直後でもあり、「まずは予算の早期執行に全力を挙げるべきだ」と語っているが、自民党が補正予算に慎重なのは参院選を前に6月15日までの今国会会期を延長しにくい事情もあるという。 緊急経済対策に関する自民党内の調整は高市政調会長に委ねられることになっているが、ガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」の凍結解除や5000円支給の調整は茂木幹事長が担っていて、高市政調会長はほとんど関与できず岸田首相や茂木幹事長への不満を募らせていたという。ところが風向きが変わったのは5000円支給がきっかけで、党内手続きを飛ばして突然打ち出されたことや、これまでの給付金に比べて少額なことに党内で批判が続出。世論の評価も芳しくなかった。茂木幹事長を中心に考案された年金生活者への5000円支給が党内から不評を買ってしまい、岸田首相が従来の党政務調査会の手続きを尊重する姿勢に転換したことから高市政調会長は早速検討を開始するなど意欲的だという。 岸田首相は党内論議を経た上で緊急対策に盛り込む方針に修正し高市政調会長への配慮を鮮明にして役員会で「党が採用する議案は政調会の議を経る」と明記した党則の一節を読み上げる異例の対応し一連の問題の軟着陸を図ったそうなのだ。高市政調会長は政調の会議で「党所属議員の知見を結集し、政府に効果的な政策を打ってもらうよう議論するのは意義がある」と強調しているが、高市政調会長は衆院選公約で随所に「高市カラー」を盛り込む一方で岸田首相側の修正要求に反発した経緯があることから、独走を懸念する声もくすぶっているという。このような自民党内のいざこざに対して公明党幹部は「危機的な状況なのに勘違いしている」といら立ちを隠さないという。
2022年04月02日
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ロシアのプーチン大統領はロシア産天然ガスの代金を今月以降はロシアの通貨であるルーブルで支払う必要があり、従わない場合はガス供給契約を停止するとの法令に署名したと明らかにしたそうなのだ。先進7カ国は「エネルギー代金の支払いは、契約に基づきユーロもしくはドル建てしか認められない」としてルーブル建てでの支払いを拒否しており、日米欧に対するガス供給が停止される可能性が高まったという。ウクライナ侵攻に端を発した西側諸国とロシアの対立はエネルギーの安定供給を脅かす事態に発展しているが、ロシアの中央銀行が外貨取引を規制されたためルーブル建ての現金収入を必要としているが、ルーブルの支払いに応じればその資金は戦争遂行に使われる恐れがあると指摘がなされている。 ドイツ政府は国内の企業や各家庭に対しただちにガス使用量をできる限り減らすよう呼び掛けたそうで、ハーベック経済相は声明で「今のところガスの供給不足には陥っていないが、事態の深刻化に備える必要がある」と述べたという。現在の備蓄は貯蔵可能量の約25%で欧州連合は天然ガスの約40%をロシアからの輸入に頼っている。特にドイツは欧州最大のロシア産ガス消費国となっている。欧州連合の対ロシア制裁ではエネルギー産業への新規投資が禁止されたが、ロシアからの原油・天然ガスの輸入は対象外となっており、プーチン大統領は天然ガス代金をルーブル建てのみとする構えを示しているが、ドイツのハーベック経済相は「受け入れられない」とはねつけ主要7カ国もこの立場を支持しているという。 欧州諸国はウクライナへの侵略を対してロシア産ガスの消費を最大66%削減する方針だが、代わりの調達先を確保するのは難しくロシアからの供給が途絶えれば不況は避けられないとの見方が強いといわれている。ドイツの「早期警戒」は3段階の最初のレベルで、今後事態が悪化すれば「警報」さらに「緊急」のレベルまで引き上げる可能性があるという。ドイツのヘベシュトライト報道官によると欧州がロシアから購入する天然ガスの代金について、プーチン大統領は「欧州の輸入業者にとって契約条件の悪化にはつながらない。これまで通りユーロで支払われ、制裁対象となっていないガスプロムバンクに振り込まれることになる」と述べたそうで、ガスプロムバンクが受け取ったユーロをルーブルに交換するという。 日本も液化天然ガスの輸入の8%をロシアに依存しており、供給が途絶すればエネルギー確保に影響を受けそうだが、日本政府はロシアが天然ガスの取引の代金をルーブルで支払うよう要求したことは認められないとして、日本企業が対象になった場合は受け入れないよう要請する方針を明らかにしている。松野官房長官は現時点で日本の天然ガスの輸入について「ロシア政府による一方的な契約変更は認めることができず、日本企業に関してはこのような一方的な要求は受け入れないよう要請する方針であります」としており、ルーブルでの支払い対象となるかは明確ではないとした上で仮に対象になった場合は主要7か国の合意に則り日本企業側に拒否するように要請する方針を明らかにしたそうなのだ。 ロシア産の天然ガスを巡っては極東サハリンの資源開発事業「サハリン2」に三井物産と三菱商事が参画しているが、国際石油資本のシェルは撤退すると発表している。岸田総理は「自国で権益を有し、長期かつ安価な液化天然ガス安定供給に貢献しており、エネルギー安全保障上極めて重要なプロジェクト」と強調し、「各国それぞれの事情に配慮し、持続可能な代替供給を確保するための時間を提供することになっている」としてエネルギーの安定供給の上で重要な事業との見解を示していた。萩生田光一経済産業相も国会で「将来的にはお付き合いするのが難しい国になることは否定できないものの、ロシアから一斉に引き上げることが制裁につながるかどうか冷静に考えなければならない」と答弁しているそうなのだ。
2022年04月01日
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