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最近気にかかっている地元垂水の 「流泉書房」
という本屋さんが、毎日 「今日は何の日」
という小さな記事を、お店の前の小黒板に書いて掲げていらっしゃいます。
ちなみに、昨日の 8
月 5
日
は、 かの 岩波茂雄
が神田神保町に 「岩波書店」
という 「古本屋さん」
を開いた日だと載っていました。
あの 岩波書店
が古本屋さんから始まったというのは、 夏目漱石
の周辺にオタク的関心のある人なら、知られた事実ですが、街を通りかかる、普通の本好きの人が初めて目にすると、やっぱり、ちょっと面白いとおもうです。
そんなことを考えながら、 「流泉書房」
のフェイスブックの記事をシェアとかしたりするのが、最近の楽しみなのですが、今日は 8
月 6
日
で、ボクが思いついたのがこの絵本でした。
丸木俊「ひろしまのピカ」(小峰書店)
こっちが 裏表紙
です。女の子が抱えているのは 「灯篭」
ですね。
で、本文の最後のページは 8
月 6
日
、 広島
で行われる 「灯篭流し」
のこの絵です。
まいとし 8 月 6 日がくると、ひろしまの 7 つの川は、とうろうであふれます。
ちよちゃん、とみちゃん、おにいちゃん、おかあさん、おとうさん・・・・・。
それぞれ、ピカでしんだひとの名まえをとうろうにかくのです。
川は、ぱあっとあかるくなります。
ひろしまの 7 つの川は、
火の川のながれとなります。
ゆらり、ゆらりと、海へゆくのです。
ピカのとき、ながれていったひとのように
いまは、とうろうがながされてゆくのです。
みいちゃんは、とうさんとかきました。
もうひとつのとうろうには、つばめさん
とかいてながしました。
もうかみが白くなったおかあさんは
いいます。 7 つのままのみいちゃんの頭をなでながらいいます。
「ピカは、ひとがおとさにゃ、おちてこん」
丸木俊
は北海道生まれの人です。 2000年
に亡くなって 20年
経ちます。夫の 丸木位里(まるきいり)
とともに 「原爆の図」
を描いた人です。
1981年
に出版された、 黒柳徹子
の 「窓際のトットちゃん」
という本の挿絵で、1974年に亡くなっているにもかかわらず、ますますファンが増えた いわさきひちろ
の先生です。
「ねこのごんごん」(福音館書店)
という傑作絵本の書き手、 大道あや
は義理の妹です。
「ねこのごんごん」
は、また、そのうち案内します。
「ひと」のしたことに「ひと」が苦しむ
ということを描いているのは、 石牟礼道子
との共作 「みなまた海のこえ」(小峰書店)
でも同じですね。
戦争も公害も 「ひと」のすること
です。原子力発電所の事故も、地震という自然災害のせいのようにいいつのりますが、もとはといえば 「ひと」のしたこと
の結果です。 「ひと」のしたことに「ひと」が苦しむ
ということは、 「ひと」のちから
でなくすくとができ
るはずです。ジージはそう思います(笑)。
追記2020・08・07
「ねこのごんごん」
の感想を書きました。題名をクリックしてみてください。
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