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2020年12月15日

動詞のまとめ——応用〈いんちきチェコ語講座〉(十二月十二日)




 ということで予告通り受身から。番号は通番にしておく。


?E 動詞の受身1
動詞の受身2
 動詞の受身形は原則として文中では述語として使われるのだが、その際、過去形と同様に、主語に合わせて動詞「být」の人称変化形と、性、単複によって決まる語尾を組み合わせて使うのだが、違いは、過去形では必要のない三人称の場合も、動詞「být」の人称変化形が必要になることである。
 受身形は、原形から作ることになるのだが、「n」で終わるものと、「t」で終わるものに大別することができる。これもある程度規則的に判別できるのだけど、例外も多いのが難点である。「n」で終わるもののほうがはるかに多いので、受身は「n」というイメージがこびりついているのが、いざ「t」で終わる受身が出てきたときには困りものなのだが、そこはもう慣れるしかない。


?F 動詞の受身追加
 受身形に形容詞硬変化の長母音の語尾をつけることで形容詞化することができるという話。必要以上に詳しくならないように気をつけたつもりだが自信はない。また受身形からつくる名詞についても簡単にふれた。これについては使い方も含めて改めて書いておいたほうがよさそうである。


?G もう一つの受身
 動詞の受身形を使わない受身、いわゆる再帰受身について。他動詞の人称変化形と再帰代名詞の4格「se」を組み合わせることでつくる受身である。主語は当然三人称になることが多いのだが、ついつい実際にその動作をする人に合わせて一人称にしてしまうことがある。文法的には大して難しくないのだが、わかっていて間違うという意味ではたちが悪い。「言われている」とか受身形を使う受身にはしにくいし。その反面、使役的な意味を持つチェコの動詞から自動詞を作るのにもこの受身が使えるのは、ありがたい。「驚かす」という意味の動詞を、「se」を使って受身にすると「驚く」という意味になるのの類である。


?H 仮定法1
 動詞の過去形を使う表現に仮定法がある。チェコ語で仮定法と聞いてすぐに頭に浮かぶのは「kdyby」と「by」に動詞の過去形を組み合わせたものである。「by」と過去形だけで婉曲表現として使うこともある。この二つの言葉は主語に合わせて人称変化させる必要があり、過去形のほうも必要な語尾を付けなければならない。この辺は過去の文を作るときと共通なので、そこまで大変ではないと思う。


?I 仮定法2
 最初は「kdyby」と「by」を使った仮定法の中でもちょっと特殊な、古文の文法用語で言えば「反実仮想」とも呼べるものについてである。本来の動詞に加えて「bývat」の過去形を使い、動詞の過去形が二つ並ぶことになる。さらに「být」の過去形も加えて三つ並ぶのもあったかも知れない。とっさには使えないけど、事前に準備して使えたときには嬉しくなるものの一つである。
 後半は、動詞の人称変化形に「-li」をつける形で表現する仮定法について。話すときには「li」まで続けて呼んでもいいが、書くときには人称変化形との間に「-」を忘れてはいけない。人称変化させると「-li」の前の部分が変わる、つまり語尾が変わらないというのがどうにも落ち着かないので、自分では滅多に使わない。


?J 仮定法3
 同じ動詞の人称変化をそのまま使う仮定法でも、動詞につけるのではなく、文頭に独立した単語としておくことで仮定法になるというもの。「jestli」は、もともとは「jest」に「li」がついたものだと思うが、現在では一語化して文頭、もしくは仮定法の節の最初に使われる。同じような使い方をするものに「pokud」がある。
 「jestli」には「〜かどうか」という意味での使い方もあるので、それについても最初の部分で簡単にふれてある。


?K 目的を示す「aby」
 動詞の過去形を使った表現の一つとして、「〜するために」という目的を表す「aby」を取り上げた。人称変化の仕方も過去形につける語尾も「kdyby」「by」を使う場合と共通なので、それほど難しくはない。だからなのか、あまり詳しく勉強した記憶がない。


 応用編はこのあたりにしておこう。残っているのは読者を選ぶものばかりなので、文法マニア向けということで別にまとめることにする。

2020年11月13日16時30分。










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