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「子供時代」
という童話のような絵本のような作品を読んで、 現代ロシア文学を代表する作家
だということを、まあ、実に遅ればせながら知って、最新作 「緑の天幕」
に仰天した リュドミラ・ウリツカヤ
ですが、続けて読んだのが、この 「ソーネチカ」(沼野恭子訳・新潮クレストブック)
でした。 ウリツカヤ
の作家としてのデビュー作のようです。
なんという悲しみ、なんという幸福感翻訳家の 柴田元幸 が初版の腰巻に載せたホメ言葉です。
さすが柴田元幸!というか、 「お上手」 としか言えない 一言批評 です。
赤ちゃんなのか子供なのかわからないような幼いときから、ソーネチカは本の虫だった。気の利いたことを家族にいうのが得意な兄のエフレムは、いつもお決まりの冗談をくりかえしたものだ(もっとも、兄が初めて口にしたときにはもう使い古しといった感じだったけれど。)「本ばかり読んでるから、ソーネチカのお尻は椅子みたい、鼻は梨みたいになっちゃったんだ。」(P4)
夜ごと、梨の形をした鼻にスイス製の軽量メガネをかけて、ソーネチカは、甘く心地よい読書の深淵にブーニンの暗い並木道に、ツルゲーネフの春の水に、心を注ぐのだった。(P133)
なんという幸福感!でしたね。「なんという」が、ただの感嘆でも、疑問でもないところが凄いんですよね。
「なんという悲しみ」としかいいようのない 女性の一生 です。
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