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2026.07.19
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濱口竜介「急に具合が悪くなる」シネリーブル神戸  映画の製作が伝えられて以来、ずっと待っていました。ところが、 カンヌ 主演女優賞 をとったとか、話題が盛り上がってしまって先週の封切り以来、 神戸 でも満員御礼状態で、席が空くのを待っていました。
 で、遂に、見ました。 濱口竜介監督 「急に具合が悪くなる」 196分 大作 でした。 ​
はい、文句ありません!(笑)
エンド・ロール を眺めていて​​
現代資本主義講座やんな、これ!
​ あっという間の 3時間 でした。 集中講義 でした(笑)。茶化しているのではありません。
濱口監督 のお手柄は フランスの人 日本の人 フランス という舞台で出合わせたことでしょうね。映画が描いている、 国境、性別、年齢、価値観、 これを、それぞれ 個別の社会の現実 として描いていたら、ボクはこんなに胸うたれたでしょうか?
「そうはいっても、やっぱりむずかしいよ。」
見終えて劇場を出るときに、ほぼ、同世代の男性が、ご一緒に見ていらっしゃったパートナーらしき女性に、そうおっしゃっている声が聞こえてきて、思わず振り返りました。たしかに、 むずかしい ですね。 
 しかし、路面電車の車中から走っている少年、 智樹君 を見かけた マリー が電車を降りて彼の後を追い、じっと彼の顔を覗き込むように近づいていく最初の出会いのシーンの驚きは 「むずかしい」 でまとめたくないなというのがまあ、 感想その1 でした。

 あのシーンで マリー は何をしたのでしょう。ボクには、あのシーンの マリーの姿 に、人と人を 「個」 として切り離すことで成り立っている 「現代社会」 に対する この監督 のアンチ・テーゼ、​
「人と人が出会うこと」
​が率直に、且つ、美しく描かれていると感じられました。
 で、 感想その2 は、劇中劇、シアターライブに対する 拍手! です。これまでも、繰り返し演劇的場面を映像化してきた 濱口監督 だからできた手法ですね。
 ボクは 長塚京三 という俳優のスクリーンに映る演技が嫌いでしたが、今回、この作品では舞台を演じる 役者の姿 も、孫と暮らす、よろつきながら歩く 老人としての姿 も、心うつ演技で納得させてくれていますね。
 演劇そのものの舞台と観客との距離を、映像化という手法以前に演出的にも引き寄せようとする意図はあきらかで、 マリーと少年との出会い を反復するかのように 「演じる人」と「見ている人」 とを同じ劇的空間に招来しようという劇中劇に、ちょっと興奮しました。 拍手!
その3 は、やっぱり 主演のお二人 とか、 智樹君 を演じた 黒崎煌代くん ベテラン看護師役 マリー・ビュネルさん ですね。 拍手!  この映画は、何だか理屈っぽい展開を、 ジーちゃんバーちゃん をはじめ、登場する俳優さんたちの姿を人間が猫とか犬とかと同じ生きものであるという 自然な存在 として映像化しているところがスゴイですね。
 お互いの足の裏をいじり合い、気持ちよさそうにゴロゴロしている 老人の姿 によって 未来に対する希望を描くことができる という 確信 濱口監督 にあるんですね。 拍手!拍手! でした。 久しぶりに キャピタリズム=資本論 という言葉と出会って、しみじみしてしまいました。そんな言葉を口にすると、今でサヨクとかいう、罵倒の標的ですからね。
 必要性が叫ばれ続けているにもかからず劣悪な給与体系のせいで人手不足に悩む 介護や看護の現場 病者や障碍者 に対する美しいいたわりのきまり言葉がネット上で上滑りする 健常者優先社会 スマホ を覗けば世界の現実は手に取るように見ることができて、わからないことは何でも ポケットの中のAI が教えてくれるという錯覚の中で、 「自己肯定」 とか 「自己責任」 とかいう、 他者不在の世界認識 が蔓延している、一見、 平和な世の中 。​
どこか、おかしい・・・
​ それが、我々の世代が、今、高齢者と呼ばれるようになってたどり着いた現実です。そういう、 「どこか、おかしい」 時代の中で、こんな作品を差し出してくる 濱口竜介監督 に、もう一度、 拍手!
 ようやく、​
濱口竜介はいいよ!
​にたどり着きました(笑)。
監督・脚本 濱口竜介
原作 宮野真生子 磯野真穂
脚本 ルディムナ玲亜
撮影 アラン・ギシャウア
美術 ミラ・プレリ
衣装 カロリーヌ・シュピート
編集 山崎梓
音楽 サミュエル・アンドレイエフ
キャスト
ビルジニー・エフィラ(マリー=ルー・フォンテーヌ 高齢者介護施設介護士)
岡本多緒(森崎真理 劇作家)
長塚京三(清宮吾朗 俳優)
黒崎煌代(窪寺智樹 清宮の孫)
ジャン=シャルル・クリシェ(オリヴィエ)
マリー・ビュネル(ソフィ 看護師)
ロマン・コタール(ダミアン 介護士)
マリー・ドゥナルノー(ロランス)
ガブリエル・ダマニ(ジブリル)
エロイーズ・ジャンジョー(ヴァネッサ)
セフォラ・ポンディ(アディジャ)
ハイディ・ベッカー=バベル(マリオン)
2026年・196分・G・フランス・日本・ドイツ・ベルギー合作
2026・06・26・no123・シネリーブル神戸no391




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 ところで、このブログをご覧いただいた皆様で 楽天ID をお持ちの方は、まあ、なくても大丈夫かもですが、ページの一番下の、多分、楽天のイイネボタンを押してみてくださいね。ポイントがたまるんだそうです(笑)​​
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最終更新日  2026.07.19 12:27:47
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