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8月28日は、何の日だったでしょう。昨日起きたことは?45年前に起きたことは?米大統領選、オバマ氏指名受諾演説 結束、変革を訴える【デンバー(米コロラド州)=小村田義之】米民主党の大統領候補に指名されたバラク・オバマ上院議員(47)は同党全国大会最終日の28日夜(日本時間29日午前)、当地のフットボール競技場で指名受諾演説を行った。米史上初のアフリカ系(黒人)大統領をめざすオバマ氏は、政策目標を「アメリカの約束(promise)」として説明し、「米国をチェンジ(変革)する時だ」と訴えた。 (中略)28日は米国の黒人公民権運動の指導者だった故マーティン・ルーサー・キング牧師が首都ワシントンで「私には夢がある(I have a dream)」と訴えた歴史的な演説から45周年の記念日。会場ではキング牧師の当時の映像も流された。 (asahi.com 2008年8月29日11時39分)I have a dream.いい言葉ですね。キング牧師が抱いたような崇高な夢も、スケベ心丸出しの夢も、夢は夢。どうせなら、とびきりステキで、カラフルな夢を思い描きたいものです。私の夢ってなんだろう。なんだったんだろう。ハリウッド映画で描かれた世界、たとえば『ジュリア』の戯曲作家や『ソフィーの選択』の小説家や『大統領の陰謀』の新聞記者に憧れて、タイプライターのキーを叩いて文章を作る人になりたいという子どものころの夢はかないました。自分の家を持ちたいという夢もかないました。子ども時代の他愛ない夢も、もっとベタベタの現実的な夢もかなった。願えばかなうということを知った。でもまだ、終わりじゃない。私にはまだ、他にやるべき「仕事」がある。この記事↓を読んで、熱い思いが胸にこみあげてきました。60年代の夢、今に キング牧師と活動したルイス議員民主党全国大会の初日、会場となるデンバーの屋内スタジアムで、小柄なアフリカ系(黒人)政治家が、舞台を見つめていた。 あと数時間で、全米から数万人の参加者が集う。この壮大な政治集会の主役、オバマ上院議員(47)も、まだ姿を見せてはいない。 「この時を、彼らと一緒に過ごしたかった。殴られ、撃たれ、殺された彼らと」 ジョージア州選出のジョン・ルイス下院議員(68)の脳裏に浮かんでいたのは、共に公民権運動を戦った今は亡き仲間たちだった。「45年前とはまるで違う世界に思える」 1963年、20万人以上が参加して人種差別撤廃を訴えた「ワシントン大行進」で、23歳のルイス氏は演壇に登った。同じ舞台に立った故マーチン・ルーサー・キング牧師が語ったのが、世界史に残るあの名演説だった。 〈私には夢がある。かつての奴隷の子と奴隷所有者の子が、兄弟のように同じテーブルにつく夢が〉(asahi.com 2008年8月29日) 最近、「次代を担う若い人」と自分を切り離して考えることが多い。そういう年になったのかなあと寂しい半面、私も結構、逞しいなと思ってみたり。若い人の前にはまだたくさん仕事が残っていますね。世界から戦争をなくすことも、その1つ。実現が期待されている「夢の新技術」も、まだまだたくさんある。仕事というと、有効求人倍率とか、失業率といった数字をすぐに思い浮かべ、ニートや新卒無業、ワーキングプア、日雇い派遣といった雇用・労働のネガティブな側面ばかりがクローズアップされる今日このごろですが、私たちの先祖が遣り残した仕事、手付かずの仕事、志半ばで挫折した仕事はまだまだたくさんあるなあと思うのです。テロリストに殺されてしまった伊藤和也さんも、夢を抱き、その実現のために「仕事」をしにアフガニスタンへ行ったのでしょう。志半ばで斃れた和也さんは、どれほど悔しかったことか。「子どもたちに明るい未来を」「いつでも安心して暮らせる社会を」「飢えのない社会を」「戦争のない社会を」私たちが棄ててはいけない、あきらめてはいけない夢は、まだまだたくさん残っているのだなあと思うのでした。
2008年08月30日
人生に残業はない。寿命が決まっている。もしも神様に「200年でも300年でも好きなだけ生きていいですよ。さあ、がんばっていきましょうね。嫌になったら、自己申告してください。いつでもお好きなときに心臓を止めてあげます」なーんて言われてもかえって困るだろうな。それじゃまるで、無期懲役のような人生だ。長くてもせいぜい100年ちょっと。60過ぎたら仕事をペースダウンして、70過ぎたら病気にならないように日々、好きなことに打ち込んで楽しみ、80過ぎたら若い人に説教垂れたり毒舌ぶちまけてからかって楽しみ、90過ぎたら仙人のごとく霞を食って生きていく……なーんて計画を立てられるのも寿命があるから。考えてみれば、期限というのは、ありがたい。期限があるから計画があり、計画達成できれば人生は楽しい。つねに達成できなくても、失敗や挫折を得て反省し、そこから学ぶことは大きいから。「残業」について考えていたら、そんな境地に至ってしまいました。さあ、今日も締め切りを守るためにがんばりましょう! 賃金割増率:50%に 月60時間超の時間外労働自民、公明両党は28日、現行は一律25%の時間外労働の賃金割増率について、月に60時間を超える部分は50%とすることなどで大筋合意した。長時間労働を強いる企業に負担増を求め、労働時間短縮を図るのが狙いで、日本経団連も容認する構え。与党は野党とも協議したうえで、国会で継続審議となっている労働基準法改正案を超党派の議員立法で修正、9月12日召集予定の臨時国会で成立させる方針だ。(中略)◇ことば 時間外労働の賃金割り増し現行の労働基準法は通常の1時間当たり賃金に25%割り増しした賃金を支払うよう定めている。政府が提出した改正案は(1)月に45時間以下の部分は現行法と同じ25%(2)月に45時間を超え、80時間以下の部分は25%に労使で合意した割増率を加える(3)月に80時間を超える部分は50%割り増し--などの内容で、自民、公明両党は政府案の80時間を60時間に修正することで大筋合意。毎日新聞 2008年8月29日 2時30分残業が月間60時間というと、1週あたり15時間、1日あたり3時間。それ以上、残業する人は、企業にとってコストのかかる迷惑な存在になるわけですね。人の1.5倍の生産性を上げられる人なら±ゼロになるけれど、人間の体力には限界があるので、それほどの集中力をもって長時間労働すれば過労死あるいは短命になるのは必然でしょう。そもそも生産性の高い有能な人は、あまり残業せずにさっさと仕事を終えて、会社以外の場所で仕事以外の楽しいことで明日の鋭気を養い、ますます高く能力発揮し、高い生産性を上げるべく準備をするわけですね。あるいは心身のケア、家族や地域のケアをして、リスクを未然に防ぐか最小化すると。時間に対する意識って、とても重要ですね。そんなことを、あの有名な佐々木常夫さんの講演を聞いて思いました。佐々木常夫さんとは……1944年秋田市生まれ。6歳で父を亡くし、4人兄弟の次男として母の手ひとつで育つ。1969年東大経済学部卒業、同年東レ入社。自閉症の長男に続き、年子の次男、年子の長女が誕生。妻は肝臓病が元で入退院を繰り返す中、うつ病も併発し、何度か自殺未遂をする。43回もの入院をした妻も最近は少し回復。すべての育児・家事・看病をこなさなくてはならない過酷な日々の中でも、仕事への情熱を捨てず、大阪・東京と6度の転勤、破綻会社の再建やさまざまな事業改革に全力で取り組み、2001年、東レ同期トップで取締役となり、2003年より東レ経営研究所社長。経団連理事、内閣府や総務省の審議会委員、神戸大学経営学部講師などの公職も歴任する以上、著書『ビッグツリー』にあるプロフィールから引用しました。この方の時間活用術がすばらしい!会社で与えられた仕事は事業再建、経営企画といった重い任務ばかり。しかも少しでも早く帰宅して幼い子どもの世話や、うつ病の妻の看病、自閉症の子どものケアをしなければならない。課長時代、自分は6時に帰宅すると宣言し、むだな会議はすべて省き、文書は要点のみ簡潔な表現を要求し……それで成果を上げて最速で昇進していった。精神的に追い詰められていたでしょうに、ここまでやり遂げるとはすばらしい。ここまでポジティブになれるとは!自殺未遂でかろうじて助かった長女が運ばれた病室で書いたという手紙文がすばらしく、講演会場のあちこちから嗚咽が漏れ聞こえてきて堪らず涙で目がぐしゃぐしゃになってしまいました。最後に笑える話を。その佐々木さんのブログに、愉快なエピソードが書かれていました。山田さんの職場感「なんでダラダラ働いているのか」さて、(経済産業省勤務の)山田(正人)さんは1年間育休をとって職場に復帰し、今でも水曜日、金曜日は定時退社している(月、火、木は奥さんの当番)。そこで見た役所の仕事のやり方への感想が面白い。「残業を当然の前提にした仕事の進め方と密度」「家庭責任を負わない者につかまる不快感」「チームワークがもたらすアンチ・ワーク・バランス」、要は一言で言うと「なんでダラダラ働いているのか」という感想と怒りである。私が彼の上司なら、育休のときの得がたい経験と周囲の抵抗の中で自分の行き方を貫徹した勇気を大いに評価し、責任あるポストに付けたいと考えるのだが。(注)山田正人氏には「経産省の山田課長補佐、ただいま育休中」(日経新聞社)という著書がある。 この「密度」は、骨粗鬆症のようにスカスカな密度ということでしょうね。そう考えると笑っている場合でもなく、かなり恐ろしいな。
2008年08月29日
ウルリヒ・ベックの『危険社会』(1986年)には、次のように書かれているそうです。「人々は伝統的なしがらみからは開放されたが、自分の運命は自分で切り開けと要求されるようになった。そして労働市場という荒波に放り出されてしまった」(p138)「社会の不平等は個人の不平等としてかたづけられ、社会システムに問題があることは隠されてしまう。同様に個人が病気になっても、その病状しか見えず、社会の危機が認識されない」(p140)「労働市場という荒波」という言葉が胸に迫りますね。何もかも設備が揃った「海に浮かぶホテル」のような大型客船に乗れる人もいれば、「泥舟」と知っていても乗らねばならない人もいる。なけなしの木っ端をかき集めてイカダをつくり、文字通り「板子一枚下は地獄」の覚悟で荒海へ漕ぎ出す人もいる。いつか帰れる母港があればいいけれど、どこにも行くあてがなく漂流する人もいる。そんなことを思わされます。キャリアカウンセラーやキャリアコンサルタントは、港で乗船者に情報提供したり、あっせんをする旅行業者なのか、荒海へ漕ぎ出す手前の水先案内人なのか、トラブルが起きたときの海上保安員なのか、船が燃料切れになったときの補給船なのか……。私の場合はやはり、軸足はジャーナリストにあるのだろうと思いました。「社会の危機」の認識ができ、社会に向けて警告を発することができるかどうかが勝負です。さて、今日の気になるニュースは、毎日新聞から。働けど:'08蟹工船/5 日雇い、漂泊10年厚生労働省が昨年、派遣会社10社を対象に行った調査結果によると、契約が1カ月未満の短期派遣労働者は1日平均約5万3000人、日雇いは同約5万1000人。短期派遣労働者の月平均就業日数は14日、平均月収は13万3000円だった。 厚労省の有識者研究会は、禁止業務への派遣や不正天引き、労災多発など問題が多い日雇い派遣の原則禁止を報告書に盛り込んだ。この報告書をたたき台に労働者派遣法の改正案がまとめられ、秋の臨時国会に提出される予定だ。NPO「自立生活サポートセンター・もやい」の湯浅誠事務局長は「今日明日を生きるため、人間的な諸権利を放棄するまでに追い込まれるのが派遣労働者。希望を失い、自分を大切に思えなくなるのが問題」と指摘している。また、連合本部は「日雇い労働者は、派遣先が頻繁に変わるため、緊張を強いられストレスをためやすい」として労働相談窓口(0120・154・052)の利用を呼びかけている。毎日新聞 2008年8月27日 東京朝刊「人間的な諸権利を放棄するまで」人を追い込む派遣労働。こんなものが存在すること自体、やはり何か社会の危機を表しているのではないかと思います。日本国憲法第25条の条文が思い起こされます。「1.すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。 2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。 」私の旧知の憲法学者である遠藤美奈さんが、東京弁護士会開催のシンポジウムにおいて、「憲法第25条=生存権に関する今日的意味」について繰り返し強調されていたことが思い出されます。「憲法に25条がおかれたことの意味-生存権に関する今日的考察」(季刊社会保障研究41巻4号、2006年)25条は生存権の定義であると同時に、その保障のために国の努力義務を隣に明示していることが注目に値すると思います。国は日雇い派遣に代表されるワーキングプアの問題に対し、今後どのような対策を立てて、人々の「社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進」を図ろうとしているのでしょうか。この秋の臨時国会に、労働者派遣法の改正案が提出される予定であり、その内容として、日雇い派遣や30日未満の短期派遣の原則廃止と、登録型派遣から常用型派遣への移行を促す努力義務が課せられることについてはすでにこのブログにも書きました。その根拠となったのが、労働者派遣制度の在り方を議論する厚生労働省の研究会(座長・鎌田耕一東洋大教授)の報告書であり、「日雇い派遣の禁止を検討すべきだ」と勧告する内容になっています(7月28日発表)。「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会報告書」について豪華客船に乗っている人たちには、泥舟や頼りないイカダに乗っている人の気持ちは分からないかもしれない。けれども、豪華客船だって、港に立ち寄らなければ燃料切れになり、タイタニック号のように氷山に衝突して沈没という危機に見舞われるかもしれない。私たちは皆、労働市場という荒海に放り出されているのです。この人生という航路の安全と安楽のために――個人の主体性と幸福追求の権利(憲法13条)、生存権(同25条)、労働権(同27条)、職業選択の自由(同22条)、教育権(同26条)を守るために、国はあらゆる手立てを講ずる義務があるわけです。そこで、これらの個人の生活と労働にまつわる諸権利を統合した「キャリア権」という概念が提唱されたことがありましたが、現在はその議論は下火になっていますね。ただ、不平等を個人の問題として片付けないために、社会の不平等を是正するために、重要な根拠となる考え方であると思います。関連する情報として、過去に私が調べた内容を貼り付けておきます。 「キャリア権の議論は、働く人の一生(ライフ・キャリア)に大きな位置を占める職業キャリア(職業経歴)を法的に位置づけ、概念化しようとする試みであり、これを核に労働法全体の意義を見直そうとする流れである。キャリア権(職業に関する狭義のもの)は、人が職業キャリアを準備し、開始し、展開し、終了する一連の流れを総体的に把握し、これら全体が円滑に進行するように基礎づける権利である。法的根拠としては、個人の主体性と幸福追求の権利(憲法13条を基底とし、生存権(同25条)、労働権(同27条)、職業選択の自由(同22条)、教育権(同26条)などの憲法上の規定を職業キャリアの視点から統合した権利概念である。キャリア権は、性格的に、理念の側面と具体的な基準の側面とを合わせ持つ。理念の面では、例えば、雇用対策法や職業能力開発促進法等において、労働移動の活発化や求められる職業能力の急激な変化等の新たな事態に対応したキャリア支援策の根拠づけとして議論を深めていく必要がある。また、基準の面では、教育訓練、配置転換、出向等の場面での援用やパートタイマーのキャリアアップやキャリアについての男女機会均等を進めていく論拠となることが考えられる。もっとも、現状では理念の域を大きく出ていないところであり、就労請求権(具 体的に仕事に就かせるよう請求できる権利)や配置・転換・出向などを律する基準としてただちに効力を持つものではない。今後、上記のように、キャリア形成を促進する雇用政策を促進していく根拠づけや、実務上や解釈論において、個人の職業上の諸問題について、キャリアの視点で捉え、法律的に磨かれていくことが望まれる」※厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書(2002年7月31日)
2008年08月28日
だれだって年をとる。だれだっていずれ死ぬ。でも、その間に長い人では十年以上にわたって介護される年月があるかもしれない。幸運な人は在宅で、そうでない人は施設で。親の介護と無縁でいられる人は少ないだろう。介護は私たちみんなの関心事であるはず。介護する側になっても、される側になっても、不愉快で、苦しく、つらい経験はしたくない。だから、介護技術、介護予防技術のさらなる発展を望みたいし、プロ意識と高度な専門知識・技術をもつ優秀な人材が安心して介護現場で働けて満足のいく報酬とやりがいを手にして欲しいと切に望む。小学生も、中学生も、高校生も、大学生も、ぜひ一度、介護現場に触れて欲しい。お年寄りが幸せな老後を送っているのかどうか、その表情と体の状態を見て欲しい。そして、企業で働く老若男女もぜひ一度、介護現場でのボランティアを経験して欲しい。自分の親が介護される立場になったときのこと、自分が介護される立場になったときのことをイメージして、五感を揺さぶられるような経験をしてほしい。私は今回、たった2か所だけれども介護施設の取材をしてみて、人生観が音を立てて変わり始めるのを感じた。サービスの受け手になるか、供給側になるか、その両方を体験することになるかもしれないが、介護の仕事はみんなのものだという意識をもつべきだと痛切に感じた。で、今日2番目の気になるニュースは……フリーター、介護業務に雇えば1人あたり50万円助成 厚労省方針介護人材確保のため、厚生労働省は、フリーターや定年退職した人など、介護業務の未経験者を雇った介護事業主に、1人あたり50万円を助成する制度を導入する方針を決めた。2009年度予算の概算要求に42億円を盛り込んだ。 人手不足が深刻な介護事業について、多様な人材の参入と定着を促す。1事業主あたり3人を限度に、新卒者以外で採用した未経験の介護労働者が半年以上定着した場合に25万円まで、1年以上定着した場合にさらに25万円まで助成する。人手不足の背景には、介護事業所の人事制度や昇給制度の整備、研修が不十分なことが多く、将来に不安を抱く労働者が多いことも指摘されている。このため、事業主が人事、昇給制度を改めたり、未経験者への研修を行ったりした場合に100万円を上限に一部を助成することも決めた。(2008年8月27日 読売新聞)厚生と労働の役所を合併した効用かなあと思う。違法行為を繰り返す悪徳事業者を摘発してつぶすことも大切だが、それ以上に、事業の育成を助けることも厚生労働行政の重要な仕事でしょう。そして、雇用の安定(フリーターの側からすると正社員として定着すること)と職業能力開発支援は相互に関係が深く、厚生労働省の昨今の重要施策のひとつです。第8次職業能力開発基本計画(2006年度~2010年度)の中でも、「職業能力開発施策は、職業安定施策とあいまって雇用対策の一環をなすものであり、密接な連携が必要である」とされています。ちなみに、いま、介護労働者の能力開発や待遇がどうなっているかについての調査データを見つけました。教育研修の実施状況、職員の資格取得状況、平均年齢、平均勤続年数、平均給与などのデータがあり、非常に興味深い内容です。平成19年度 介護労働実態調査結果について(財団法人 介護労働安定センター)III.訪問介護員、介護職員に対する教育・研修の状況
2008年08月27日
これからしばらくは、毎朝4時起きで仕事をします。アフター5には仕事以外にやるべきこと、やりたいことが山ほどあるので、どうしても早起きしないと間に合わなくて。早起きの友は、NHKニュースと朝刊、ネットの速報ニュース、そして脳に栄養を与えるための甘いお菓子です。和菓子とくにアンコが大の苦手なので、あまり甘くないビスケット類やキャンディーが頼りなんです。労働関係で今日の最重要ニュースといえば、やはりコレ↓でしょう。日雇い派遣「30日以内」禁止...厚労省が派遣法改正案厚生労働省が臨時国会に提出する労働者派遣法改正案の素案が26日、明らかになった。原則禁止となる「日雇い派遣」の期間を「30日以内」とするほか、同じグループ会社に派遣する「グループ内派遣」(専ら派遣)については、8割以下に規制する方針。素案は、28日の労働政策審議会の部会に示される。同省は部会での議論を経て、10月上旬までに改正案をまとめたいとしている。(2008年8月27日03時06分 読売新聞)朝日新聞の報道は、切り口が異なっていました。派遣の「常用型」化促進 厚労省方針 企業に努力義務厚生労働省は26日、登録型派遣で1年以上働く労働者について、雇用期間の定めのない「常用型派遣」や正社員などに転換させることを、派遣元企業に努力義務として課す方針を固めた。秋の臨時国会に提出予定の労働者派遣法改正案に盛り込む方向で、28日に開かれる審議会の部会で提示する。(中略)26日明らかになった骨子案によると、派遣元は登録型派遣で働く人について、1)常用型へ転換するか直接雇用する2)常用型への転換を促すための教育訓練などを行なう3)派遣先に直接雇用される前提で一定期間働く「紹介予定派遣」に切り替えるのいずれかを実施することが求められる。(朝日新聞 2008年8月27日)労働者派遣というと、最近では悪い側面ばかり強調されて報道されていますが、登録型派遣のフリーな働き方にメリットを見出している人も少なくないようです。そういう人は必ずしも常用型への転換や正社員への転換を望んでいないかもしれません。それにしても、2)の教育訓練が盛り込まれることは大きな意義があるのではないかと思います。派遣労働や短時間雇用のデメリットあるいはリスクは主に次の3つであると思われます。1)雇用調整の対象になりやすい(いつ職を失うかわからず、不安定である)2)入職後の能力評価の仕組みがないので、昇進・昇格・昇給を期待できない3)能力開発の機会を得られない(自助努力ですべてカバーしなければならない)今回の改正で、1)については常用型への転換や日雇い派遣の禁止によってカバーされ、3)については前述の派遣元に課された教育訓練努力義務によってある程度はカバーされるかもしれませんね。派遣労働で働く人が、どんな点にメリットを見出しているのかについて知る助けになりそうなWEBサイトを見つけましたので、ご参考までに↓ 冊子の配布もしているようです。はけんWorking 2008 WEB人材派遣会社の団体がつくるPR媒体ですから、良い面ばかりが強調されているかとは思いますが、働く人のナマの声を届けていることには違いないので、まずは一読する価値がありそうです。また、同じく社団法人日本人材派遣協会では派遣労働者に対する人材開発についての調査報告書も、送料のみ着払いで配布しているようなので、興味のある方はぜひ、取り寄せてみてください。平成19年度厚生労働省委託事業「派遣労働者等に係る能力開発・キャリア形成プロジェクト報告書」
2008年08月27日
雇用環境が悪化しています。雇用悪化 派遣・中小社員「最初に切られた」とりわけ、正社員に比べ企業の人員調整の対象になりやすい派遣社員や、経営が苦しい中小企業の社員ら、弱い立場の労働者にしわ寄せが出始めている。 (中略)厚生労働省が7月、全国の中小企業(従業員300人未満)4412社を対象に実施した緊急調査では、原油高などで賃金調整や雇用調整に踏み切った企業は全体の12.5%に上った。内訳をみると、希望退職の募集(3.3%)や解雇(3.4%)はまだ少ないが、賞与や賃金を切り下げた企業は57.0%。従業員の過不足感を示す雇用DIは正社員はマイナス(不足)だが、派遣社員はプラス(過剰)で、非正社員の再契約停止が17.8%に上っている。(asahi.com 2008年8月26日0時44分)間もなく7月の失業率が発表されますが、先月発表の6月の失業率は4.1%。これは2006年9月以来の悪い数字です。完全失業者数は前年同月比で二十四万人増の二百六十五万人となりました。 就業者数は、前年同月比四十万人減の六千四百五十一万人。〇三年二月(五十五万人減)以来の減少幅です。このうち、性別では男性が三十九万人減少し、雇用形態別では自営業主・家族従業者が四十六万人減少しました。燃料や原材料の高騰による中小・零細企業の経営悪化で、男性の業者が失業に追い込まれていることが分かります。(しんぶん赤旗2008年7月30日)中小企業が置かれている状況のきびしさが伺えます。厚生労働省が行なった緊急調査「原油等資源価格の高騰等に伴う事業活動及び雇用面への影響について-公共職業安定所によるヒアリング結果(平成20年7月実施)-」の内容をもう少し詳しく見てみると……。厚生労働省は29日、原油など原材料費の高騰が中小企業に及ぼす影響に関する調査の結果を発表した。4月に続く2回目の調査。「収益を圧迫している」と答えた企業は「やや圧迫」と「大きく圧迫」を合わせ、前回調査比9.1ポイント増の83.2%にのぼった。(中略) 収益に関して「やや圧迫」との回答が46.8%で前回に比べ1.2ポイント減る一方、「大きく圧迫」は10.3ポイント増の36.4%に上った。産業別では、ガソリン高騰の直撃を受ける運輸業が最も深刻に受け止めており、「やや圧迫」29.1%、「大きく圧迫」66.6%を合わせると、前回比7.7ポイント増の95.7%に達した。収益圧迫への対策(複数回答)は(1)「人件費以外の経費削減」66・5%(2)「商品などへの価格転嫁」34・5%--の順で、それぞれ前回比7・1ポイント、3・3ポイント伸びた。(毎日jp 2008年7月29日 20時05分)今後、雇用がどうなるかについては、企業をめぐる経営環境と採用計画しだいです。採用計画については、厚生労働省が近頃発表した「平成19年企業における採用管理等に関する実態調査」からうかがい知ることができます。要点は(続く)
2008年08月26日
高いのはガソリンだけでなく、あらゆるジャンルについて生きるためのコストが高くなってきているのではないかなあと感ずる今日このごろです。コストの単価が高くなっているとしたら、コスト削減だけでは限界があり、あとはいかに生産性を上げるかでしょう。いま、大企業では在宅勤務を新たに導入するとか、適応範囲を広げるといった動きが活発化しています。その主なねらいは、育児・介護の負担を理由とした離職予防のようですが、それだけではなく、メンタルヘルスや本人のキャリア指向性開発、ワークライフバランスを勘案したうえで、長期的展望に立っての生産性向上施策と位置づけられるのではないでしょうか。少子高齢化で労働力人口の激減が心配される中、企業としては1人でも優秀な人材を確保したい。そして、その能力を最大限に成長させ、活用し、ロスを防ぎたいわけです。そのためには、人材教育、メンタルヘルス対策、そしてワークライフバランス施策が非常に重要になってきているということでしょう。 在宅勤務拡充相次ぐ、富士通、全社員2万8000人、全日空、本格導入へ。 在宅勤務制度の主な導入例▽NEC 7月から全社に拡大。始業・終業時にパソコンのカメラで上司に報告▽NTTデータ 2月に本格導入。全社員が原則月8回を限度に利用できる▽全日本空輸 内勤社員を対象に2009年度から本格導入へ▽松下電器産業 2007年から間接部門の約3万人を対象に導入▽マツダ 育児・介護に携わる社員は所定労働時間の25%を限度に利用可能[8月23日/日本経済新聞 朝刊]上記企業リストを見てお気づきの方も多いとは思いますが、いまのところ在宅勤務を大々的にに導入している企業の大半は、在宅勤務についてのインフラやソフトの開発業務に関連する分野ばかりです。次は住宅メーカーが導入し始めるのではないかな? 在宅で勤務するといっても、そのスペースを家の中に確保できるのかという問題もありますよね。在宅勤務のために広い家やマンションを買う?それは簡単ではないでしょう。いっそのこと土地家屋を含め生活費全般が安い地方へ移住する?在宅勤務は、またの名を「テレワーク」と言いますが、個人のワークライフバランスと地域活性化を結びつけた「短期移住型テレワーク」なんていう試みも始まっているようです。「短期移住型テレワーク」実証実験に参加富士通ワイエフシー(横浜市、代表取締役:宮浦完次)は総務省が実施する「短期移住型テレワーク(在宅勤務)」の実証実験に下記の内容で協力いたします。富士通ワイエフシーからは2名の社員とその家族が北海道内(それぞれ石狩管内当別、函館市内)に8月中(自:8月8日、至:8月30日)の2週間滞在し、滞在先での職住一体型の在宅勤務を実施するとともに、家族による地域交流イベントへの参加などを実施いたします。 《実証実験概要》豊かな自然が広がり、生活視点での都市と地方の交流を促進している北海道に、テレワークを活用することにより、家族とともに短期移住する実証実験を実施。実施主体 : 総務省協力 : 北海道庁、関係各市町村 など実施期間 :2008年7月20日から2008年8月31日(うち、富士通ワイエフシーの参加期間は2008年8月8日から2008年8月30日まで)《実証実験のねらい》ワークライフバランス(仕事と家庭の調和)の実現 心身の充実、家族とのつながりの強化地域活性化 短期移住受け入れ地域の活性化企業の福利厚生充実と生産性向上の両立 労働効率を維持しながらメンタル面でのケアを実現計画的労働により労働そのものの品質を向上子どもの教育、体験、成長 いつもとは違う自然あふれる場所で、家族と長期間過ごすことによる情操効果環境への貢献(低炭素化社会実現) テレワークによるCO2排出量削減に向けたモデルケースとしての効果
2008年08月25日
労災に遭う派遣労働者が増えているというニュースに触れ、「これでは日本の労働安全対策はン十年前に逆戻りではないか」ということを書きましたが、その「ン十年前」に当てはまる数字が私にはよく分かりませんでした。それが今日、分かったような気がします。非常に大雑把ではありますが、労災問題のみならず労働法、労働者の搾取、労働疎外、生活保障、労働分配率――すべてをひっくるめて感覚的に言うと、働く人の人権問題は80年前に逆戻りしているのではないか。その間、進歩があったようで根本的にはなかったのだということに気付かされるのです。そこでクイズです。ざっと80年前、1929年に何があったでしょうか。 だれもが思い浮かぶのは、世界恐慌でしょう。そしてもう1つ、最近のニュースというか社会風俗に直結するある出来事がありました。それは……プロレタリア作家・小林多喜二が小説『蟹工船』を発表した年だったのです。新潮文庫の『蟹工船』は、今年だけで50万部という空前の売れ行きです。私も読もう読もうと思いつつ、まだ手が出ていません。恥ずかしい。急がなくては。いま、なぜ、『蟹工船』がこれほど読まれているのかについては、さまざまな記事が書かれています。ブームのきっかけとなったのは、毎日新聞に掲載された作家の高橋源一郎と雨宮処凛(かりん)の格差社会をめぐる対談(1月9日付朝刊)だったそうです。雨宮さんが「『蟹工船』を読んで、今のフリーターと状況が似ていると思いました」と発言。これに高橋さんが「偶然ですが、僕が教えている大学のゼミでも最近読みました。そして意外なことに、学生の感想は『よく分かる』だった」と応じる、という内容。 この対談後、東京・上野の大型書店が、平積みにしてポップやパネルを使って販促を仕掛けると、多いときで週に80冊も売れるヒットとなり、他の大型書店が次々と追随、ブームに火が付いた。下地もあった。「ワーキングプア」と『蟹工船』の労働者の類似性にいち早く着目した白樺文庫多喜二ライブラリーは一昨年11月、大学生や若年労働者をターゲットに『マンガ蟹工船』(東銀座出版社)を出版。増刷を重ね、発行部数は1万6000部に達した。(産経ニュース2008.5.14 07:46)いま、『蟹工船』に絡めて毎日新聞が興味深い記事を連載しています。過酷な労働現場を描いた小説がこれほどの共感を集める現象は、経済大国・日本の迷走ぶりを象徴しているようだ。痛みを伴わずには働けない、働いてもなかなか報われない厳しい現実を、「蟹工船」の一節を交えて伝えたい。(毎日新聞「働けど:’08蟹工船(1)」 2008年8月19日 東京朝刊)連載第1回目のこの記事には、ある派遣労働者の過酷な実態が紹介されています。「9月いっぱいで辞めてください。正社員を入れるそうだから」。人材派遣会社のこの言葉、何度聞いただろう。契約は11月6日までのはずなのに。昨年8月中旬、埼玉県に住む狗又(いぬまた)ユミカさん(34)は「首を切られた」。11年間で11社目。勤務先が変わる度に傷つき、自分には能力がないと落ち込む。そんなとき、地元の漫画喫茶で「マンガ 蟹工船」(東銀座出版社)を手にとった。原作はプロレタリア文学作家、小林多喜二(1903~33年)の代表作。カニを取り缶詰にする船の労働者が、過酷な労働に怒り立ち上がる戦前の物語だ。「周旋屋に引っ張りまわされて文無しになってよ」「周旋屋=雇い主と求職者との仲立ちを業とする者たち」と注釈のついた漁師の一言にくぎ付けになった。周旋屋を派遣会社に置き換え、「私のことだ」と思った。 周旋屋がなぜ、現代に蘇ったのか。そのいきさつは、労働者派遣法が成立する前の時代から働いている人であれば、ある程度、分かっているはずです。そして規制緩和の流れの中で、「改正」という名の「改悪」が行なわれてきた過程も……。ただ、正社員などの安定雇用に就いている人や、人材ビジネスで儲けているわけではない人々には、あまり興味のない問題であり、この法律が内包していたダークサイドには気付かなかったのでしょう。1986年に労働者派遣法が施行されたとき、すでに私はフリーランスのライターとして働いていました。それからしばらくして、派遣労働やアルバイトを転々とする「フリーター」は「組織に拘束されない自由な働き方」などともてはやされ、とくに女性に人気がありましたが、すでにその当時から「安易に人材派遣という働き方を選んでもいいの?」と疑問を呈する本が、ある女性弁護士によって書かれていました。その本とは、『フリーターで大丈夫?』(松尾道子著、ゆうひかく選書、1990年刊)本棚の奥のほうから引っ張り出してみました。序文の言葉を引用します。「フリーターだからといって会社から軽く扱われたり、約束していた賃金・待遇が守られないのはおかしい。フリーターだって一人前の労働者。労働者としての権利があるんだから、それを主張して守らないとダメ。何かトラブルがあると、「まあ、いいや。転職しよう」と逃げていない?でも、逃げるのは最後の手段。その前に、この本で法律を身につけて、会社にちゃんとモノを言ってみようネ。法律って、みなさんの味方になることもあるんだヨ」逃げていると、いずれ袋小路に追い込まれる。そうなる前に、法律という武器を手に取り、社会や経済についての知識をもって羅針盤としよう。そんなメッセージをこの本は伝えていたように思います。このような自助、自立の方法論がなぜ、若い世代へと伝承されて行かなかったのか、悔やまれてなりません。でも、『蟹工船』が読まれているということに、ある種の救いも見出せます。『蟹工船』の次に何を読むべきか。どんな選択肢があるのかについて、今後、アドバイスができればと思います。鎌田慧さんの『自動車絶望工場』などは、いかがかな?
2008年08月22日
人材派遣をテーマにした講義で聞いた話です。従業員が何万人もいる某大手企業の人事担当者に、その大学教授が「御社では何人ぐらいの派遣労働者が働いているのですか」と尋ねたら、「わかりません」との答え。さらに続けて言うことには、「恐らく、全社の人数を把握しているところはどこもないでしょう。工場単位で1日に何人の派遣スタッフが入っているかもわからないかもしれません」。「なぜ、把握できないのでしょう?」「人件費として人事部で把握しているわけではなく、物品費のような変動費扱いで各部門任せになっています」これには驚きました。派遣労働者は、ヒトではなくモノ扱いなのか?派遣元の会社別に「ひとやまナンボ」で計算しているわけか。ひとまず冷静に、帳簿上のことだからと大目に見るとしても、派遣労働者の福利厚生や教育研修つまり未来への保障が正社員に比べてひどく劣ることは事実。いってみれば、同じ会社の中に一等社員と二等社員が働いているようなものですね。そんな派遣労働者の待遇に不満であるなら、努力して正社員を目指せばいいと言われるのかもしれませんが、目指している途中で大ケガをして重い障害を負ったり、命を奪われてしまったら何にもなりませんね。そんなことを思わせるニュースを目にしました。派遣労働者の労災、急増 厚労省まとめ 派遣労働者の労災が、製造業への派遣解禁後に急増していることが21日までに、厚生労働省調査で分かった。派遣が解禁された2004年(1、2月は未集計で10カ月分)の被災者は667人だったが、07年は5885人に上った。厚労省は現在、労働者派遣法改正の検討を進めているが、今回の調査結果が議論に影響を与える可能性もある。 厚労省安全課は「製造業など事故に遭う可能性の高い職場に派遣労働者が増えたことが急増の背景にある」と調査結果を分析。「派遣先や派遣元には安全教育などの対策を進めてもらいたい」としている。 (NIKKEI NET 8月21日16:00)安全教育が不十分なまま現場へ送り込まれ、労災事故に遭遇した派遣労働者が増えているということでしょう。いままで製造現場における安全教育に地道に取り組んできた人たちは、このニュースに触れてどのような感慨をもつのでしょうか。「これではン十年前に逆戻りだ!」といったところでしょうか。中央労働災害防止協会の方などにお話を聞いてみたいものです。
2008年08月21日
私は「言葉の職人」でして、しゃべりと書きの両方で生活の糧を得ております。で、「しゃべり」仕事のほうの最近のヒットは、「目指せ!瀬戸内寂聴」と「私は無冠の帝王だから」というフレーズ。アドリブですが、これはウケました。「目指せ!瀬戸内寂聴」といっても、いまから大作家を目標にするのはおこがましい。狙うところは、生涯現役です。誰の介護も受けず、願わくばPPK(ぴんぴんころり)で大往生。死の前日まで、文章を書き続けることができたら最高に幸せです。ただ、誰にも養ってもらわずに天寿を全うできるかどうかは、非常に怪しい。何の後ろ盾もなく、パトロンもいないし、大手有名企業に所属した経歴もない。受賞歴もないし、資格だって大したものを持っていない。自称「無冠の帝王」ですね。こう言って笑ってもらえるうちが花で、同情されたり、哀れまれたりするようじゃ、おしまいですね。何が怖いって、これから年をとって病気になり、体に障害を負ったり、ボケたりすることがいちばん怖い。高齢者の施設で大勢の認知症患者を目の当たりにして、心底、思いました。だって、私を介護してくれる人なんて、誰もいないんだもん。なるべく福祉のお世話にはなりたくない。とはいえ体がポンコツになってしまったら、自助努力すらできなくなる。老いても健康であることが最高の社会貢献という言葉をある医師から聞きましたが、まさにそのとおりだと思います。脳の病気を防げるものなら防ぎたい。「健脳法」に効果があるなら、いまのうちから実践したいと切に思います。高学歴、生涯独身、仕事一筋の人生というのは、脳の健康にとっては非常に高リスクらしい。そんなニュースを見て、ますます震撼とする思いでございます。日本の高学歴女性、高い脳卒中リスク 厚労省研究班欧米では女性の学歴が高くなるほど脳卒中にかかる危険性が減っていくとされるが、日本では逆に、高卒よりも短大・大卒の方が脳卒中にかかる率が高かった--。厚生労働省研究班が女性約2万人を対象にした調査で明らかになった。米専門誌ストローク電子版に掲載された。 欧米に比べて女性の社会進出にともなう制度などが未整備だったため、ストレスがかかっていたのではないかと推測している。 大阪大学の本庄かおり特任助教(公衆衛生学)と磯博康教授らが調べた。対象は岩手、秋田、長野、沖縄の4県に住み、90年に40~59歳だった女性2万543人。このうち約7割の1万4744人が働く女性だった。最終学歴で中学、高校、短大・大学の3グループに分け、12年間の生活習慣や脳卒中などの病気を調べた。この間、451人が脳卒中を発症した。 高卒を基準にすると、脳卒中の発症率は短大・大卒が1.4倍、くも膜下出血は2.2倍だった。働く女性の中で比べても1.5倍になった。欧米では中卒、高卒、大卒の順で発症率が下がるが、日本では、短大・大卒で再び跳ね上がるU字型を描いた。 また、短大・大卒の働く女性の中で「母親」「妻」「娘」など家庭での役割が一つと二つ以上の場合で差が出た。役割が一つの場合は、高卒の働く女性に比べ2.6倍の発症率だったが、二つ以上の場合は1.1倍にとどまった。本庄さんは「仕事でストレスがあっても、家庭での役割が精神的によい効果をもたらしたのではないか」と話している。(木村俊介)8月14日朝日新聞脳卒中や、脳血管障害は高い確率で後遺症を負ってしまうから、恐ろしい。予防するには、やはりストレスをためずに、上手に解消することと、ここには書いてないけれども、食習慣にも左右されるでしょう。具体的にどんな予防法を日々、実践すればいいのかを知りたくなり、amazonで本を探してみたところ、次の3冊が面白そうだなと思って、とりあえずショッピング・カートに入れたところです。『認知症を防ぐスーパー健脳食』植木 彰(監修)講談社 (2008/5/10) 『いつまでも「老いない脳」をつくる10の生活習慣 』石浦 章一 (著) ワック(2008/02)『まじめをやめれば病気にならない 』 安保 徹(著) PHP研究所 (2007/12/14) うーん、我ながらババァくさい選択だこと!ま、面白そうなネタを発見できれば、メンタルヘルス関係の「しゃべり」の仕事にも「書き」の仕事にも応用できそうだから……なーんて思っておりますの。うふふ。
2008年08月19日
……そんな話は、ありませんけれど、先日、訪問した特別養護老人ホームで働く介護職員の中にはジャニーズ系の若くてかわいい男性が何人もいて驚きました。何しろ、揃いのユニフォームが格好いい。黄色いシャツにカーキ色のチノパン。オムツ交換のときに着用するらしい割烹着風のエプロンは薄いベージュ、食事のときのエプロンはもう少し色の濃さが違う同系色、女性が着用するスカーフはココア色と、カラーコーディネートがオシャレです。若いだけあって、動きはキビキビしているし、報告のときの話しぶりもテキパキしていて信頼できます。お年寄りも、「若い人に介護されるほうが嬉しいらしいのよ。羨ましいほど」と、ある妙齢(?)の看護師さんが言っていました。職場環境、働き方、教育方法、キャリアプランを変えたら、定着率が上がってきたと責任者が話していました。頼もしい。待遇のほうはどうなんでしょうか。介護保険制度上、施設に入る介護報酬には限度があるため、大手企業のホワイトカラー並みを期待するのは難しい。新聞報道ではベテランでも「せめて月収で手取り20万円ほしい」といった悲痛な声が紹介されています。一方、いまや看護師は非常に好待遇です。急性期病棟における看護師配置基準が変わって以来、多くの大学病院は高額の初任給を提示して新人看護師の獲得のために必死になっています。ちなみに、労務行政研究所の調査によると、今年4月入社の初任給は、東証1部上場企業の平均で大学卒が20万4333円(前年度比0.7%増の1500円)だったそうです。看護師の初任給はどれぐらいかというと、ネット上に某大学病院の求人案内が公開されていました。大学卒(新卒)の看護師で、初任給20万4,000円、諸手当が6万7,800円、年収が457万100円だそうです。高給ですね。では、介護職員の平均収入はどの程度かというと、これから厚生労働省のほうで調査を始めるとの報道がありました。人材難は深刻...厚労省が調査へ介護職の人材難解消のため、介護保険から事業者に支払われる介護報酬を来年度の改定で引き上げることを検討している厚生労働省は13日、引き上げが介護職の給与アップに反映されるかどうかを検証する方針を決めた。改定前後の給与額を調べ、事業者が引き上げ分をどの程度、人件費に振り分けているかをチェックする。来年度予算の概算要求に、調査費約1億円を盛り込む方針。(2008年8月14日 読売新聞)待遇が悪ければ「なり手」が足りない。だからといって、インドネシアなり、フィリピンから大勢来てもらえればそれでいいのか?量が満たされれば、質はどうでもいいのか?介護サービスの質を向上させるには、介護職員として働く人の質すなわち知識、技術、意欲が向上することが前提になります。しかし、現実には介護職員の報酬も社会的評価も低い、低過ぎるのではないか。介護福祉士という国家資格は、介護サービスの質的向上を目的として創設されたものであり、専門学校ばかりでなく、4年制大学にも養成課程が設けられていますが、最近、入学者が大きく減少しているとのこと。中には定員割れの大学もあり、来年から募集停止になるところも……。介護福祉士、養成大8割定員割れ...低賃金などで敬遠介護福祉士を養成する全国の4年制・短期大学で、養成課程入学者の定員割れが相次いでいることが、読売新聞の全国調査でわかった。回答のあった大学の8割で今春入学者が定員割れとなり、ほぼ半数で定員充足率が50%を下回っていた。 各大学は、介護職が「低賃金・重労働」といわれることや、コムスン問題の影響を指摘。養成課程から撤退する学校もあり、介護保険を支える人材の不足が深刻化しそうだ。介護福祉士は、高齢者や障害者の介護を行う国家資格で、全国で約64万人いる。介護保険の導入に伴って各大学が介護福祉士の養成課程を開設し、国の指定養成施設の大学は全国で約150校にのぼる。調査は4年制・短期大学計80校を対象とし、うち51校が回答。51校の同課程入学者は2005年春の3273人をピークに3年連続で減少し、今春は05年より30%少ない2266人。42校で定員割れが生じ、25校で定員充足率が50%以下となった。(2008年5月4日 読売新聞)この記事の別バージョン(?)は、最後にこう結んでいました。「看護師や保健師、助産師のいわゆる三師レベルまで持っていくのは難しいかもしれないが、まずは職業認知度や社会への貢献度を普及することが大事ではないだろうか」難しいかもしれないけれども、介護の専門資格者も「三師」レベルの資質、社会的評価、待遇を獲得することを目標にしていって欲しいものです。それだけの社会的ニーズがあり、ポテンシャルがあるのではないかと私は思います。世の中の多くの人は知らないようですが、実は日本における看護師の資質的向上ぶりは目覚しいものがあります。全国各地に4年制の看護大学あるいは看護学部が続々と設けられ、多くの卒業生を輩出しています。指導教官は、以前のように医学部出身者や医師ではなく、看護の修士課程や博士課程を修了した人ばかり。その多くは、臨床経験を経て、そのときに蓄えたお金を学資にして進学した人たちです。志を高くもってキャリアアップするルートが拓かれていて、お手本になる先輩が数多くいるということがすばらしい!修士課程を終えて、特定分野における高度な専門性を生かして現場に戻る看護師も数多くいます。医師による診断、薬の処方、治療、手術といった仕事とは異なる、看護という独立した分野の専門性を確立し、プライドとやりがいを獲得しています。世の中の多くの人は、看護師を医師のアシスタントとしか見なしていませんが、それは大きな間違いです。同様に、介護の分野にも、医師や看護師にはできない仕事があり、そこには医学や看護学にはない独自の専門性が発揮されてしかるべきだと私は思います。とくに生活支援の観点からすると、確かに医師や看護師は、身体状況についての知識や技術については豊富かもしれませんが、生活者個人の経済、社会、思想信条、人生観、価値観に応じた個別支援ができるかというと、それは難しい。しかし、人間は、体の部分だけを切り取ってケアされるものではありません。心もあれば、魂もある。総合的であり、有機的であり、連続的な存在としての人間をケアする方法論は未だに発達途上です。「寝たきり」がつくられ、一度オムツを当てられたら二度と取れなくなり、ひどい褥創が「仕方ないこと」と見なされ、認知症で問題行動のある人は縛られたり拘束され、女性の施設入所者にはオシャレする自由がなく一律に短髪の「施設カット」が施され……。高齢者の尊厳を守り、最期まで自分らしく生きられるように支えるのだという崇高な職業倫理をもった介護専門職が多く輩出されることを願って止みません。介護に携わる人の高度な専門性を国が評価し、「介護師」という資格が創設される日の遠くないことを祈るばかりです。
2008年08月18日
ある高齢者施設で目撃したシーン。食堂で朝食を終えた高齢者は、その大半が車いすの利用者であり、エレベーター前に行列を作って静かに順番を待ち、居室のある2階または3階フロアへ上がっていく。自室に向かうかと思いきや、彼らは介護スタッフの詰め所のカウンター前のスペースに集まってきた。30人近い車いすの人たちがカウンターのほうを向いて整列し、お互いにおしゃべりするでもなく、笑顔もなく、怒りの表情もなく、ただうつろな目を向けてレクリエーションが始まるのを待っている。いつまでも。この静けさ、整然とした秩序が私には恐ろしかった。もちろん、お年寄りたちは丁寧にケアされている。床ずれを防ぐために、数分おきに車いすの座位を変えるのだという。低反発クッションなども使われている。おしゃべりが聞こえてこないのは、認知症が進んでいる人が多いからだろうか。それにしても静か過ぎる。不満がないから問題行動がなく、おとなしいと見ることもできる。それでいいのか?自分の老後について考えさせられた。私にとって、施設での秩序正しい集団生活は耐え難い苦痛を伴うだろう。自宅で孤独死したほうがましだと考えるかもしれない。子どもも配偶者もいない私にとって、孤独死はかなり高い確率で訪れるであろう未来だ。高齢者の尊厳という言葉が使われる。以前に比べれば、虐待や拘束、放置がなくなり、どの施設でも高齢者は丁寧にケアされているように見える。身体状態の個別性に応じたケアもなされているが、精神状態についてはどうだろうか。施設の中の高齢者は、それぞれに多様な人生を生きてきた。人生観、価値観、好き嫌い、得手不得手が全部違う。それなのに、施設の中の秩序に嵌め込まれて、息苦しくないだろうか。管理という言葉を忌み嫌う私の特異な感性がそう感じさせるだけかもしれないが、施設の生活には救いがない、希望がないと私は思った。ただ、海外に目を向けてみれば、希望の持てる道すじがあることを知った。それは、オーストラリアで行なわれている、ダイバージョナルセラピーである。 入居者が最後まで自分らしく生きられるよう支えているのがダイバージョナル・セラピスト(DT、直訳すると気晴らし療法士)と呼ばれる職員たちだ。 施設は食事や排泄(はいせつ)など、ただ必要なお世話をすればいいだけではない。DTは入居者それぞれの人生観や、これまでの歩み、趣味などを尊重しながら生きがいにつながる活動をともに探すのだ。「どんな状態の人でも何かできる。老いて失われていた自尊心を取り戻してもらうのです」。DT16年のカリーン・ステントンさん(49)は話す。(中略) <入居者の権利とダイバージョナル・セラピスト(DT)> 1985年に連邦政府が策定した「高齢者施設入居者の権利と責任の憲章」には尊厳と敬意をもって扱われる権利や、家庭的な環境を提供される権利など、22項目が明記されている。 この憲章に基づいた施設への認定監査で心身両面の全人的なケアが重視されるようになり、DTの役割が大きくなった。現在、ほとんどの高齢者施設に1~2人配置されている。 40年代、レクリエーションを専門とする作業療法士と赤十字とが共同で戦争の負傷兵に対する精神的なケアを行ったのが活動の始まりとされる。76年にはオーストラリアDT協会設立。会員は約3千人。国の資格ではないが専門の教育機関で2年かけて養成する。 日本でも02年にNPO法人日本ダイバージョナルセラピー協会(大阪市、芹澤隆子理事長)が発足した。以上、朝日新聞2006年12月7日大阪朝刊より ダイバージョナルセラピーの実際については、介護ジャーナリスト・田中元さんによるこちらの探訪記をご覧ください。
2008年08月16日
育児休業を取得する女性は増えていますが、介護休業のほうはどうなのでしょうか。小学生向けの新聞にも、こんな記事が出ていました。にゅーす交差点:生活 介護のための離職増加 家族(かぞく)の介護(かいご)や看護(かんご)のために仕事(しごと)を辞(や)めたり、転職(てんしょく)した人(ひと)が06年(ねん)10月(がつ)からの1年間(ねんかん)で14万(まん)4800人(にん)に上(のぼ)ったことが総務省(そうむしょう)(国(くに)の役所(やくしょ))の調査(ちょうさ)で分(わ)かりました。過去(かこ)10年(ねん)で最(もっと)も多(おお)い数字(すうじ)で、男性(だんせい)の割合(わりあい)も伸(の)びています。育児(いくじ)・介護休業法(かいごきゅうぎょうほう)では家族(かぞく)に介護(かいご)が必要(ひつよう)な際(さい)、通算(つうさん)93日(にち)の休業(きゅうぎょう)を取得(しゅとく)できますが、実際(じっさい)は困難(こんなん)で、介護(かいご)の負担(ふたん)が働(はたら)き盛(ざか)りの雇用(こよう)をおびやかしている姿(すがた)が浮(う)き彫(ぼ)りになっています。毎日小学生新聞 2008年8月13日さらに詳しい記事は、こちらに載っています。介護のために仕事を辞めたり、転職したりする人がこれほど多いとは驚かされます。介護休業は法律で認められている労働者の権利ですが、諸事情があってこの権利を行使できず、会社を辞めるか、職場を変えるかのどちらかを選択しなければならないという現実があるのです。では、介護休業の取得率は、どのぐらいなのか調べてみました。 常用労働者に占める介護休業取得者の割合を見ると、2005年において、女性は0.08%(2002年0.08%)、男性は0.02%(同0.03%)となっている。 「平成18年版 厚生労働白書」より。この調査は3年に1度行なわれるらしいので、来年になれば2008年のデータが発表されるでしょう。それにしても、過去3年間で取得率の数値がほとんど動いていないとは!また、育児休業取得率と比較してみてあまりにも数値が低いことに驚かされます。通算93日ですら休めないのか、通算93日程度の休業ではどうにもならないので取らないのか。どちらなんでしょうか。おっと!この「93日」をクイズのネタにすれば良かったですね。うっかり忘れちゃったので、本日はクイズお休み。 さて、私自身、老人介護の大変さを目の当たりにする機会を得ました。先日、ある特別養護老人ホームと老人保健施設を取材したのです。衝撃の体験でした。このときから私の人生観が、まるで音をたてるかのように、ガラリと変わり始めました。
2008年08月15日
いきなりクイズです。( )の中に入る数字はなんでしょう。Q.就労している女性の約( )割が第1子出産を機に退職している 正解は、7割です。意外に大きい数字であることに驚かれたでしょう。学校を卒業して就職しても、女性はいまでも結婚退職する人もいれば、大半が第1子出産時に退職してしまい、残るのは2割か3割というのが現実です。ワーキング・ウーマンであり続ける人は社会の中では少数派で、女性の大半は専業主婦として子育てに何年か専念した後、パートのオバチャンとして企業社会に復帰してくる。それが現実ですね。しかし、今後の少子高齢化の進行で、働く人の数がどんどん減っていく。それでは日本経済が立ち行かない。国家としても税収が減り、保険料収入が減る。国民は「低負担高福祉」を望んでいるが、現実にはあり得ない。北欧型の「高負担高福祉」を選ぶのか、弱肉強食社会であるアメリカの「低負担低福祉」を選ぶのか、その真ん中の極めて難しい「中福祉中負担」の方向性を目指すか、いずれかを選択しなければならない。「低負担低福祉」で金持ちだけが豊かな老後を送れる社会でいいはずはない。となると、労働力が低下する中で社会保障のための個人の負担増は止むを得ない。それでいいのか?国としては、「女性に働き続けてもらわないと困る」状態に来ているのではないでしょうか。女性も稼ぎ、世帯収入が増え、男性が育児・家事参加することにより、経済的にも質的にも「家庭福祉」のパワーが増すことによって、少子化のみならず高齢化の問題を受け止めるキャパシティが広がり、長い目で見れば解消されていく……そんな未来図を国としては描いているのではないかという気がします。今年の7月に発表された「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会報告書」のサブタイトルは、「子育てしながら働くことが普通にできる社会の実現に向けて」とあります。いまは「子育てしながら働くこと」が普通にできていない。多くの女性は「仕事を続けたかったが仕事と子育ての両立の難しさで辞めた」と考えている。育児休業中は良いが、育児休業後に両立を続けられる見通しが立たないと考えている。では、国としては、今後、どのような方向性で両立支援を行なうべきか。そのための「基本的な考え方」が、この報告書の中に書かれています。要点を挙げると、・育児休業からの復帰後も継続就業しながら子育ての時間確保ができる働き方の実現⇒全ての企業の労働者が育児期に短時間勤務が選べるようにする必要・父親も子育てにかかわることができる働き方の実現⇒父親の育児休業取得などの育児参加を促進する必要・労働者の子育て・介護の状況に応じた両立支援制度の整備⇒労働者の子育て・介護の状況はさまざまであり、状況に応じた利用しやすい制度とする必要子育てや介護をしながら働くことが普通にできる社会への転換(父母と子が接する時間も多く取れるようにする)以上の「基本的な考え方」を実現するための方策としては、・育児休業後の短時間勤務及び所定外労働免除・在宅勤務の普及促進・子の看護休暇を子どもの人数に応じた制度とする・配偶者が専業主婦(夫)であっても夫(妻)が育児休業を取得できる中立的な制度にする・出産後8週間の父親の育児休暇取得促進・父母ともに育児休業を取得した場合の育休期間の延長・子どもが病気やケガのために一定期間の療養を要する場合には、再度の育児休業の取得を認めるべき・介護のための短期の休暇制度の創設・正社員以外の期間雇用者の休業の普及促進などが掲げられています。以上を増税なしに実現し得るか?少なくとも企業については物心両面の負担増が目に見えていますね。個人に対しては生活習慣(ライフスタイル)の調整、意識改革(男女共同参画意識の推進)といった要請がかかっていますね。少子高齢化、低成長の社会においては、国だけで福祉を支えきれない。企業福祉力、家庭福祉力と国家および地域による公共福祉力の三者の連携と協働が不可欠になっていると今さらながら痛感させられます。人はひとりでは生きられない。家族というチーム、企業というチーム、地域というチーム、国家というチームに所属し、その中で自分の役割を果たし、助け、助けられることにより、個人の尊厳を輝かせて生きていくことができる。私はいま、「チーム」という言葉が示す価値の重要性を再認識しているところですが、みなさんは、いかがでしょうか。今後の日記では、先日、私が特別養護老人ホームを取材したときに感じたことを踏まえ、介護と仕事の両立について考えてみたいと思います。
2008年08月14日
引き続き育児休業のお話です。育児休業取得率(平成19年度) 女性89.7% 男性1.56%同 (平成17年度) 女性72.3% 男性0.50%この数字だけを見ると、女性については育児休業を望めばだれでも取得しやすくなったかに見えますが、本当にそうでしょうか。この数字の中には、「仕事か子どもか」の二者択一に迷って仕事を選択した人や、子どもを選択した人は含まれていないのです。昨日の日記では、「仕事をあきらめて子どもを選んだ」女性について書きましたが、今日は「子どもをあきらめて仕事を選んだ」女性について考えてみたいと思います。こんな話を聞きました。「子どもは欲しいけれど、いまは産めない。なぜかというと、いまは、とてもやりがいのある仕事を与えられていて、これを手放すのが惜しいから。妊娠・出産となると、どうしても仕事を休むか、ペースダウンしなければならないので、他の人への気兼ねもあるし、評価が落ちるかもしれないのが気がかりだから」成果主義の競争社会の厳しさをうかがわせる言葉ですが、なるほど、その気持ちもよく分かります。ただ、疑問も湧いてきます。・40年近い会社員人生の中で、妊娠や育児でペースダウンするのは、たかだか1年か2年。その差は、それほど大きく評価や昇進に直結するのか?・人間の成長の度合いには個人差がある。伸びの傾斜が緩やかな人もいれば、停滞期があってもちょっとしたきっかけで爆発的に伸びて先行者を追い越せる人もいる。その成長力の差を生かせるような評価・活用の仕組みが企業の中には存在しないのだろうか?・大学教員や外資系企業のエリートの間ではサバティカル休暇のような長期休暇の慣行が当たり前になりつつある。会社員の男女も育児経験という貴重な人生経験をもつことにより、リフレッシュすると同時に「人間力」を高めて、より高い生産性を発揮する潜在能力を獲得できるのではないだろうか。・育児の負担をすべて女性が担うのは無理があり、何より不公平ではないだろうか。男性も育児を分担し、休業を取ることによって、過当で不公正な競争が改められるのではないだろうか。 そんな疑問を抱きつつ、では、男女共同参画においては日本の遥か先を行く北欧社会では、男性の育児休業取得率がどのようになっているのかについて調べてみました。 ( )制は、育児休業の一定期間を男性に割り当てる制度です。1993年に世界で初めてノルウェーでスタート、95年にスウェーデンに広がりました。これらの国では、( )制が、女性の働く権利を保障すると同時に、育児に携わる父親の権利を保障する制度として歓迎され、定着してきています。 ノルウェーの育児休業は年々期間が伸び、54週間(賃金8割保障)または44週間(同10割保障)になっています。そのうち6週間は( )制によって、父親に割り当てられています。父親が育休を取らなかった場合には、育休期間が短くなる仕組みです。制度開始の翌94年の男性の取得率は40%でしたが、いまでは90%に増えています。「しんぶん赤旗」2007年7月21日の記事より。 以上は、ノルウェーおよびスウェーデンにおいて、男性の育児休業取得率を高めるばかりか、出生率の向上にもつながった、ある画期的な制度についての説明です。この制度はなんと言う制度でしょうか。日本でもいま、少子化対策の切り札になるかもしれないと、この制度の利点を取り入れて、わが国における男性の育児休業取得率向上につなげようとしています。 答えは、パパクォータ制度。「クォータ(QUOTA)」とは、「割り当て」を意味します。 もうひとつ、興味深い記事を引用しておきましょう。 スウェーデンでは70年代、女性の社会進出が顕著になり、出生率は70年1.9、80年1.7と減り続けた。政府は74年、180日の休業に所得保障をする育児休業制度を始め、数年おきに休業日数を増やしたが、減少傾向は止まらなかった。 このため95年、育休制度に所得の8割保障と「450日休業のうち1カ月は父親が取るべきだ」と付記。以降、父親の育休取得率は伸び、97年に10%になった。それでも出生率は改善せず、99年と00年は過去最低の1.5を記録。政府は更に02年、育児休業を480日※に増やし、「うち2カ月は父親が取るべきだ」とした。 こうした施策の結果、06年には父親の育休取得率が2割を超え、呼応するように、出生率も06年1.85まで回復した。ちなみに、日本での男性の育休取得率はわずか0.5%だ。 ※現在は480日の休業のうち390日について、所得の最大80%が国の予算から支払われる。 以上、毎日新聞2008年1月30日朝刊より。
2008年08月13日
育児休業の取得率、男女とも大幅上昇 厚労省調べ 朝日新聞2008年8月9日 育児休業の07年の取得率が、2年前と比べて女性は17.4ポイント増の89.7%、男性は1.06ポイント増の1.56%と、大幅に向上したことが、厚生労働省の調査で分かった。女性は14年度までに達成するとしていた目標値80%を上回った。男性は目標値10%を大きく下回っている。 調査は、全国の約1万事業所を対象に実施し、6160事業所から有効回答を得た。事業所の規模が大きいほど取得率は高く、30人未満では65.3%に対し、500人以上では94%に上った。 前回調査した05年に、企業の子育て支援を促進する次世代育成支援対策推進法が施行され、独自の育児支援策を設ける企業も増加。厚労省は「育児休業の仕組みが社会的に浸透したのでは」と見ている。 以上の報道は、厚生労働省が発表した「平成19年度雇用均等基本調査」結果概要に基づくものです。2年前にも同様の調査を実施しており、それと比べると、男女ともに育児休業取得率は大きく増加しています。平成19年度 女性89.7% 男性1.56%平成17年度 女性72.3% 男性0.50%この数字を、どのように評価すればいいでしょうか。まず、押さえておきたいポイントは、女性の育児休業取得率とは、「結婚・出産後も働き続けている女性のうち、勤務先に育児休業の申し出をして取得した人の割合」を示します。育児休業取得率が上昇していると聞くと、「出産後も働き続ける女性が増えている」と早合点しがちですが、必ずしもそうではありません。「出産後も続けたい」あるいは「続けられる」と思った人だけが続けているのであって、「出産後は続けたくない」とか「続けられない」と思って会社を辞めてしまった人は、このデータの中には全く含まれていないのです。女性の労働力率、すなわち働く人の割合は概ね上昇していますが、すべての年齢について上昇しているわけではなく、また、未婚か有配偶かで比較した場合、40歳未満の有配偶女性の労働力率は依然として低いレベルにあります。ここでクイズです。総務省統計局「労働力調査」(平成19年度)によると、20歳~49歳の各年齢階級別の労働力率を未婚か有配偶かで比較すると、以下のようになっています。20~24歳 未婚女性72.6% 有配偶女性42.9%25~29歳 未婚女性90.9% 有配偶女性50.7%30~34歳 未婚女性89.5% 有配偶女性( )%35~39歳 未婚女性87.8% 有配偶女性55.8%40~44歳 未婚女性86.0% 有配偶女性67.7%45~49歳 未婚女性78.1% 有配偶女性73.7%( )の中に入る数字は、次のどれでしょうか?a. 38.7% b.40.7% c.45.7% d.49.7% e.52.7%以上6つの年齢階級グループについて分析してみると、20~24歳は、中学・高校の既卒者と短大・4年制大学の新卒者及び既卒者が含まれるグループです。ここの女性全体の労働力率は69.5%で、10年前と比較すると4ポイントぐらい減っています。新卒無業者や大学院進学者の増加がその主な原因と考えられます。25~29歳は、未婚女性・有配偶女性をあわせた労働力率が75.8%にのぼり、女性のライフサイクルの中の最初のピークになっています。縦軸(y軸)に労働力率、横軸(x軸)に年齢階級をとったグラフでは、女性の労働力率の推移はM字を形成することが知られていますが、この年齢階級がM字の左肩に相当するわけです(ただし10年前は20~24歳がM字の左肩でした)。未婚女性の労働力率90.9%という数値の高さに驚かされますね。30~34歳になると、女性全体の労働力率が64.0%と急激に下がり、ここがM字の谷に相当します。第一子出産後、仕事を辞めて専業主婦という生き方を選択する女性が増えるため、女性全体の労働力率が下がると考えられます。35~39歳も、同様にM字の谷間の時期に相当します。全体の労働力率は64.3%。ただし、有配偶女性の労働力率が若干上昇する傾向が見られます。いわゆる「育児に手がかからなくなった」女性がパートあるいは正社員として、仕事にカムバックするケースが徐々に増えてくる年代です。40~44歳になると、有配偶女性の労働力率は67.7%まで上昇し、谷底から山へ向かう勢いが強くなってきます。女性全体の労働力率は72.0%で第2のピークまでもう少し。45~49歳で、女性全体の労働力率が75.6%と第2のピークに達し、M字の右肩を形成します。有配偶女性の労働力率は73.7%に達し、未婚女性と大差なくなります。今回は、ここで正解をお示ししておきましょう。30~34歳の有配偶女性の労働力率は49.7%ですから、正解はc.です。 このまま少子高齢化が進むと労働力人口は確実に減り、2017年には440万人、2030年には1,073人も減少すると推測されています(2006年の労働力人口6,657万人との比較)。ただし、若者、女性、60歳以上の定年退職者の労働力率が現状よりも高くなれば、2017年の減少は101万人、2030年の減少は477万人に抑えられるという見方もあります。女性に関しては、M字の谷間を形成している人たち、すなわち、結婚や出産を理由に仕事を辞めてしまった女性たちが辞めずに仕事を続けることによって、少子高齢化による労働人口減少リスクをある程度までは抑えられるわけですね。あと約10年後の2017年の時点で、もしも労働力人口が440万人減ったとすると、1人あたりの平均年収を300万円と低く見積もったとしても、440万人分では合計13.2兆円もの「稼げるはずのお金」が失われることを意味するわけですね。育児休業取得率の上昇は、女性の意識のうえでも、職場環境のうえでも、育児休業がとりやすくなっていることを意味しているのではないでしょうか。子どもができても仕事を続けたいと思う女性が今後さらに増えて、いったん仕事を辞めてしまった女性が1日でも早く再就職することによって、少子高齢化による社会・経済的ダメージを小さくすることができるでしょう。ここでいきなり論理を飛躍させると、日本の将来は、女性にかかっていると言っても過言ではないのです。高齢者の就職を考えた場合も、平均寿命の長さでいえば、高齢者人口は女性のほうが確実に多いということを忘れてはなりません。女性が、労働力の量と質の両方を左右するのではないでしょうか。質の面でいえば、男性と女性が協力し合い、どちらかに過重労働の比重が掛かりすぎることなく、ともにワーク・ライフ・バランスを実現することによって、自分も、パートナーも、子どもも、家族全体がQOLを追求できる。会社のみならず、地域社会とのネットワークを築くことについても、女性のほうが長けています。健康で幸せな生活を続けていくには、自分ひとりの力では難しいし、核家族の小さなパワーでも頼りない。助け、助けられ、助け合う協力関係を、職場で、地域で、社会全体で築いていかないと、日本の未来はお先真っ暗でしょう。そして、若い女性の問題。若い女性のなかでアルバイト、パート、派遣社員といった不安定な職に就く人の多くは、「仕事は結婚までの腰掛け(ひまつぶし)」と思っていたり、「女の人生なんて、どうせ結婚相手によって変わるんだから、女性にキャリアなんて必要ない」と思っているのではないでしょうか。それは大きな間違いですね。他人任せでは、自分らしい人生を切り開いていくことは難しいでしょう。
2008年08月12日
今夜は大阪泊です。新幹線の大幅遅延にも負けず、ロシナンテPCを引き連れ、やってきました大阪へ。明日は某老人保健施設の取材です。私のメインの仕事はジャーナリスト、専門分野で言えば厚生労働ライター、もう少し哲学的に言えば生老病死ライターです。昨日に引き続き、最低賃金改定をめぐるニュースを追いかけてみました。このホテルは、全室インターネット接続OKです。さくさく……日経新聞と赤旗の報道姿勢のあまりの違いに愕然としたのでした。まずは日経から引用。賃金の下限である最低賃金について、時給687円の全国平均額を15円程度引き上げることで決着した。最低賃金と生活保護との逆転解消を目指す改正最低賃金法により、来年度も2ケタの引き上げが続く見通し。低所得者の生活の下支えになるが、物価も上昇しており消費拡大効果は限定的とみられる。生産性向上や価格転嫁が進まないと中小・零細企業の雇用に悪影響を与える懸念もある。NIKKEI NET 2008.08.06 7:00a.m.お次は、「しんぶん赤旗」。途中からの引用なので、説明が足りない部分は( )で補いました。時給七百円台に乗るとはいえ、年収にしても百五十万円にもならず、時給千円に到達するには二十年もかかる計算です。百円以上もある大都市と地方の格差をさらに拡大することになりかねません。 (生活保護水準との)逆転現象も最大五年かけて解消するとしており、速やかな解消が求められる法改正の趣旨にも反しています。小委員会で労働側はナショナルミニマム(最低生活保障)をめざして本年は五十円程度の引き上げを主張。指標とする生活保護基準には、県庁所在地の基準を使うことや所定内労働時間を用いるなど必要生計費を反映させるよう求めました。これに対し使用者側は、原油高などで中小企業の経営が苦しいとして大幅引き上げに反対。生活保護基準には県平均値を使い、勤労控除を除くなど生活保護水準を抑え込みました。生活保護との逆転現象は十二都道府県、かい離も最大八十九円にとどまりました。全労連などの試算でも、あるべき生活保護水準は時間額千円から千二百円となり、全都道府県で四百-五百円も下回っているのが実態です。不十分な生活保護基準を抑え込むのではなく、低すぎる最低賃金を引き上げることこそ求められます。経営側は中小企業の経営悪化を理由に大幅引き上げに反対しますが、経営悪化は最低賃金のせいではなく、家計より大企業のもうけ優先の失政が招いた景気低迷や親企業による単価の切り下げなど不公正取引にあります。政府の労働経済白書でも、中小企業の厳しい経営環境の背景として「消費を初めとした国内需要の伸びの低迷、大企業の利益志向の強まりがある」と指摘し、「中小零細企業における賃金の改善」などを打ち出さざるをえなくなっています。最賃引き上げこそ内需を拡大し、中小企業の経営難を打開していく力になるものです。最賃引き上げのたたかいは地方の最賃審議会に移ります。物価高騰による生活危機を打開するためにも大幅引き上げは急務になっており、生活できる最低賃金めざすたたかいはこれからです。(深山直人)しんぶん赤旗 2008年8月6日(水)なんという目配りの違い。あえて視点の違いとは言いません。日経報道はいかにも日経らしいが、労使双方に気を使うあまり、結果的に思考停止状態に陥っていますね。しんぶん赤旗のほうは、もっぱら労働者の視点ですが、抉るようにどこまでも深い。報道たるもの、こうでなければ、いけません。単なる発表資料の焼き直しに終わっていない。背景取材や調査をきちんと行った痕跡が見られます。やはり、世の中はひとつの視点だけで見ていては分からないものです。じっとしていたら、人間は360度の視野は得られませんが、目と首を動かせば200度超の視野が得られるし、自分が動いて時間を味方につければ360度の視野も得られる。とはいえ、確固たる立脚点は必要でしょう。昔の人は「根拠地」なんて言葉も使いました。おっと、新幹線車中で飲んだムニュムニュムニュのおかげで、すっかりハイになっているかもしれません。クイズはどうしようかなあ……。Q1.従来の最低賃金の矛盾点が一部の人材派遣事業者に悪用されていましたが、その手口は、どのようなものだったでしょうか。いわば「格差の便乗」というか「悪用」です。ちなみに改正最賃法では、この法の抜け穴が完全に塞がれています。Q2.今年の7月1日から最低賃金法が改正されました。改正のポイントはいくつかありますが、そのひとつが罰則規定の強化です。地域別最低賃金を下回る賃金を払った場合の罰金の上限額は、2万円から( )万円に引き上げられました。( )の中に入る数字は何でしょうか?
2008年08月06日
08年度の最低賃金引き上げの目安額を決める中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は5日、最低賃金(現行時給平均687円)の引き上げ目安額を全国平均で15円程度と決めた。今年7月、「生活保護との整合性に配慮する」とした改正最低賃金法が施行され、最低賃金と生活保護費との乖離(かいり)額を目安に加えたため、最低賃金は初めて700円を超えるとみられる。以上、毎日新聞(8月5日西部夕刊より) ここでおさえておくべきポイントは、・最低賃金はなぜ、なんのためにあるのか。・最低賃金は、どうやって決まるのか。・現行の最低賃金の額は妥当か、それとも安すぎるか。・欧米の水準に比べ、日本の最低賃金は安いか、高いか。以上の解き明かしをする前に、まずはクイズです。Q1.改正前の最低賃金の全国平均は687円でした。最低賃金の額は、都道府県によって異なります。最高額は東京都の739円に対し、最低額は618円ですが、これはどこの県の最低賃金でしょうか(2県あります)。Q2.欧米でも最低賃金が決められていますが、いずれも日本よりも高い水準になっています。アメリカの最低賃金は、2009年7月までに時給( )ドルに引き上げられることが決まっています。ちなみにイギリスは5.25ポンド(1,172円)、フランスは8.44ユーロ(1,428円)となっています。( )の中に入る数字は何でしょうか?(2008年7月22日朝日新聞朝刊の記事より作成) 【昨日のクイズの答え】a.32 b.40 c.8 d.36 e.三六(さぶろく)
2008年08月06日
東京都が仕事と生活の調和(ワークライフバランス、WLB)に取り組む中小企業の認定を始めるそうです。名づけて「いきいき職場推進事業」。仕事と生活を両立しながら、いきいきと働き続けられる職場の実現に向けて優れた取組を実施している中小企業を、東京都が10社程度認定し、認定企業には取組内容を紹介するPR用DVDの作成や「いきいき職場東京大会・交流会」(21年2月実施予定)で取組を紹介するなど、広く公表します――とのこと。 取組企業募集の概要1 応募対象 都内に本社または主たる事業所を置き、常時雇用する従業員の数が300人以下の企業、社団法人、財団法人等2 応募部門長時間労働削減取組部門 年休取得促進部門 育児・介護休業制度充実部門 多様な勤務形態導入部門 http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2008/07/20i7t500.htmさて、ここでクイズです。「長時間労働削減」という言葉がありますが、この「長時間労働」というのは何時間以上のことを示すのでしょうか。そのことの意味を考えるために、設問を用意してみました。一緒に考えていきましょう。Q1.労働基準法の第(a. )条には労働時間に関する規制があります。「使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について(b. )時間を超えて、労働させてはならない。使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について(c. )時間を超えて、労働させてはならない」それぞれの( )の中には何が入るでしょうか?Q2.Q1に定める1週間あるいは1日あたりの労働時間のことを「法定労働時間」といいますが、この枠を超える「時間外労働」も認められています。どのようなときに認められるのでしょうか。労働基準法の第(d. )条には、次のような条文があります。「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合においては(中略)その協定で定めるところによって労働時間を延長し、又は休日に労働させることができる」ここでいう「協定」のことを、一般に(e. )協定と言います。それぞれの( )の中には、何が入るでしょうか? 先日、私が講師を担当した、あるセミナーの冒頭でクイズ形式の講義をしたところ、結構、好評でした。というわけで、この楽天日記においても、しばらく「ニュース&クイズ」の形式で書いてみようかな……なんて企んでおります。クイズを解くうちに、ニュースの背景や真相が分かる、だから時事問題にもっと関心を持てるようになり、本人が気付かないうちにライフキャリアについての意識が高まると同時に、ライフキャリアの質を高める方法についての知識が得られる……ご大層ですが、マア、そんな風にできたらいいなと思います。長時間労働についての設問は、メンタルヘルスの問題も絡めて、さらに続けていく予定です。
2008年08月05日
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