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2017年03月04日
チェコにはまれな……いいニュース(三月一日)
ニュースは、週末土曜日のボヘミアンズ・プラハ1905とスロバーツコの試合で、ボヘミアンズのゴールキーパーとディフェンスの選手が衝突して、倒れたキーパーの舌がのどの奥に落ち込んでいて呼吸困難になりそうだったのを、スロバーツコのアフリカ人の選手が、とっさに応急措置をとって舌を引っ張り出したおかげで、キーパーに命の別状はなかったというものである。
ニュース自体はいい。時間差があるのも、どうせ英語のニュース経由での報道だろうから許そう。珍しくチェコで起こった珍妙な出来事ではないニュースが日本でも知られるのは、チェコに住む日本人としても嬉しくなくはない。でもなあ、バーコベックって誰だよ。一瞬ボヘムカに新しいキーパーが入ったのかと思ってしまった。
それはともかく、もう一人の当事者ディフェンスのクルチにも困った。クリチなら知っているけど、あれは十年ぐらい前にボレスラフやスパルタで活躍したフォワードの選手である。起こりうる間違いを考えて、クルフかクロフではないかと予想はつけたけれども、それなりに知名度のあるベルコベツと違って、思い当たる選手がいない。ボヘミアンズの選手はレンタルで来た選手が多いので、出入りが激しくて、よほど印象に残る活躍をしないと記憶に残らないのである。調べたらクルフだった。うーん、知らんなあ。
ベルコベツを救ったコネは、場合によってはコネーとも聞こえるのだけど、日本の記事にはトーゴ代表と書いてあったが、実はコートジボワールの出身の選手である。ただ母親がトーゴ出身だったために、代表としてはトーゴを選んだのだという。タイやポルトガル、ハンガリーなどのチームを経てチェコのスロバーツコに2015年に移籍してきている。
ベルコベツは、退院してすぐにコネにお礼のための連絡をいれ、夕食に招待したらしい。コネももちろんその招待を受け入れて、一緒に夕食をとることは決まっているようだ。チェコに来て二年弱、片言のチェコ語と英語でコミュニケーションをとるのかな。まあ、サッカーという共通言語があるから、何とかなるのだろう。
別の記事では、この事件の別の一面にまで触れられていた。それは、チェコの下品なサッカーファンの間に蔓延する人種差別的な野次である。記事では、野次を飛ばしていて連中の中に、それを後悔するようなコメントを残したのがいるようなことが書かれていた。別人の振りをしているけど、野次を飛ばした本人に違いないと思う。それはともかく、この手のなんだかいい話は信用しないほうがいい。喉もと過ぎたら熱さ忘れるで、しばらく時間が経てばまたぞろ同じような野次を飛ばすに決まっている。
ただ、この手の野次、人種差別的なものだけではなく、人格を攻撃するような野次を飛ばされるのは外国人選手だけではないということは指摘しておきたい。外国人選手への攻撃も原則として相手チームの選手に目掛けて飛ぶのである。もちろん自分のチームの選手であっても、ふがいないミスを連発したり、無駄な退場をしたりすると攻撃されることになる。その際、選手に固定ファンがいない分だけ外国人選手への攻撃がきつくなるという面はある。
もちろんこの手の攻撃的な野次を飛ばす連中は、一部のフーリガンとかウルトラスとか自任している連中が中心であって、大半の観客はサッカーそのものを見に来ているから、ウサ晴らしのように人種差別的な言葉を叫んだりはしない。問題はウサ晴らしにスタジアムに来ている連中の存在によって、スタジアム全体の空気が悪くなり、純粋にサッカーを楽しめなくなっていることだ。子供を連れて行ける環境にはないと言っているサッカーファンもいたなあ。
この手のフーリガン団体とクラブは、チケットの販売で優遇を図るなど、けっこうずぶずぶの関係になっているところもあるのだが、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグの試合で、問題を起こしてクラブが処罰を受けるという事例も増えているから、今後もこのままというわけにはいくまい。
こんなチェコの状況に比べたら、日本のJリーグは、少なくともネット上の記事で読む限り、幸せである。チェコでもスタジアムが家族連れが気軽に出かけられるような場所になってほしいとは思うが、まだまだ時間がかかりそうである。
3月1日23時。