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2017年03月20日

スパルタ迷走(三月十七日)





 一方、同じプラハのライバルチーム、スパルタのほうは、悪循環に陥っている。怪我人続出で結果も出ない最悪の状況からホロウベクという予想外の暫定監督を持ってくることで抜け出したのだけど、春のシーズンの最初の試合でつまずいて以来、低空飛行を続けている。原因の一つは、秋のコーチ陣に、ポジャールという名目上の監督を乗っけて、船頭多くして船山に登る状態にしてしまったことだろうか。
 第二十節でムラダー・ボレスラフにいいところなく負けてしまい、チェコリーグでも春二敗目となったところで、ホロウベクはAチームの監督から解任され、元の職場である下の世代のチームの監督に戻った。若手監督というのは、チームの状態がいいときは問題なくても、状態が悪くなったのを立て直すことができずに解任されることが多いのだけど、ホロウベクも同じだった。ベテランのラファタが監督交代を経営陣に申し出たなんて話もあって、若すぎる監督とベテランの間に何かしら確執があったのかもしれない。今のスパルタは無駄にベテランが多いし。
 スラビアの監督に就任したシルハビーが、大枚はたいて購入したファン・ケッセルの調子が上がらず、チームに合わないとわかると、すぐに先発の座を奪って、冬の移籍期間にポーランドにレンタルで出してしまったのに対して、スパルタは不満分子と化していたコナテーをチームに復帰させた。これが誰の決断かはわからないけど、これもスパルタ迷走の一端を表しているのだろう。

 監督交代の噂はロストフに惨敗したあたりからあったし、元代表監督のブルバや、チェコを離れポーランドで監督をやっていたラータルなんかの名前が挙がっていた。だから、新しい監督が就任したこと自体には驚きは全くない。ないのだけど、人選が何故にというしかないものであるところに今のスパルタのおかれた状況が如実に表れている。
 だって、スパルタの新監督ってラダなんだよ。見出しを見たときには我が目を疑った。スパルタの監督選びって、どうしてこう場当たり的なのかね。シーズン終了まで今の体制で我慢して、ライセンスを取ったホロウベクに任せるのが規定路線かと思っていたのだけど、違ったようだ。ポジャールが名目上の監督の座に座ったのも、監督探しの責任者で、適任者を見つけられなかったから責任を取ったという話もあったなあ。
 ラダといえば、あのブリュックネルの後に代表の監督に就任して散々な結果、選手層を考えても期待はずれの結果しか残せなかった監督である。今シーズンは、途中から最下位に沈むプシーブラムの監督に就任したけど、成績は向上せずに、冬の中断期間に減給の要求を断って契約解除したらしい。そんな監督に今のスパルタを立て直せるのかね。

 そして金曜日の試合では……。これなら監督変えなかった方がましだった。相手は今季好調とはいえ春に入って調子の上がらないズリーンだったのに、負けなくてよかったレベルの試合をやらかしてしまったらしい。これまではホームでの試合は苦戦しながらも何とか勝ってきたのに、一点も取れずに引き分けに終わってしまった。
 後半残り20分ぐらいでズリーン側に退場者が出たが、スパルタ側もバーハとマズフは二枚目のイエローが出てもおかしくない、いや二枚目を出すべき反則をしており、審判もスパルタに配慮したみたいなんだけねえ。まあズリーンには得点できないという問題があるのでスパルタ側に退場者が出ても、引き分けに終わっていた可能性は高いのだけど。

 試合中にフロントに対する抗議と称してもっともコアなファンたちが客席を後にするという挙に出たらしいし、今後もしばらくは迷走が続きそうである。次節はスラビアとのプラハダービーなんだけど、間に代表戦の休みが入るから、多少は立て直せるだろうか。このままだとスラビアがあっさり勝ちそうな感じである。
 もし、スパルタのフロントが本気でチャンピオンズリーグでの活躍を希望しているのなら、選手にしても、監督にしてももう少し考えた補強をするべきだろう。今の中途半端なベテランを集めたチームでは、よほどの幸運に恵まれない限り無理そうである。
3月18日23時。


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