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2017年03月06日

何じゃそれ(三月三日)




 その後、円周率の計算に、3.14ではなくて、3を使うようになったという話を漏れ聞いたときには、笑うしかなかったというか、日本はこれで大丈夫なのかと思ってしまった。授業について行けない、いわゆる落ちこぼれが存在するのは、確かに由々しき問題であるけれども、落ちこぼれをなくすために、勉強の内容を簡単にするというのは本末転倒というか何というか、中国の緑化活動が岩に緑色のペンキを塗って完成というのに通じるものを感じてしまった。

 自分たちの生活にかかわりかねないことで、政府のやっていることがどうしようもなく馬鹿だなあと思ってしまうようなことはいくつもあって、ハッピーマンデー制度なんてのが始まったときにも、考え出した奴の正気を疑ってしまった。月曜日が休みになれば三連休になるから、ちょっとした旅行やリゾートに出かける人が増えるだろうなんて短絡的なことを考えるのは、想像力が欠落しているに違いない。そんなのに出かける人間は、出かける余裕のある人間は、連休なんぞになっていなくても、有休とってでも出かけるものだし、休みになろうが出かけない人間は出かけないのだ。
 仮に、最初は国がそんなことを言っているからとわざわざ出かけるにしても、同じ時に休みが重なるから、日本中から集まった人ごみに嫌気がさして、二度と行くまいということにもなりかねない。休みが重なったときの日本人の特定の場所への集中ぶりなんてのは、ゴールデンウィークの過剰な混雑を見るまでもなく理解できるだろうに。ただの週末であっても、人の多さに辟易させられるのだから、三連休なんてことになれば、推して知るべしである。
 その結果の一つとして、大学なんかでは月曜日の授業は回数が減りすぎて科目として成立しないため、休日だけれども授業をしたり、土曜日に代替の授業を行ったりしているという話も聞いた。ということは、ハッピーマンデーのハッピーには学生を含め大学関係者は含まれていないようだ。それともそんな休日の授業はサボっちまえというのだろうか。休日であっても仕事をしなければならない人たちにとっては、休日勤務で給料が増えるというなら話は別だけど、何の意味もないどうでもいい制度だろう。この制度が導入されてよかったと考えている人たちはいるのだろうか。

 そして、今回、プレミアムフライデーとかいうのが始まったらしい。カタカナで書けば効果がありそうに見えると考えているのだろうか、安直なネーミングで、プレ金なんて略し方には、かつての花金、花木と重なるものを感じる。あれは政府が言い出したことではなかったが、マスコミが使うのに踊らされている人たちを他人事のように見ていた点では変わりはない。今回の制度の趣旨も具体的な内容もよくわからないけれども、結局意味のないものに終わってしまうような気はする。

 チェコに来てよく考えてあるなと思ったのが、小学校から高校までの一週間の春休み(二月なので時期的には冬休みだけど、クリスマス前後を冬休みと考えて春休みにしておく)が地域によって異なっている点である。地方単位で異なるのではなく、同じ地方内でも都市によって、プラハなど市区によっていつ春休みになるかが異なっている。
 これは同じ時期に春休みにしてしまうと、スキー場などに一度に子供たちが集中して対応しきれなくなるので、休みの時期をずらすことによって分散するようにしているらしい。スキー場を訪れる客にとっても、スキー場にとってもありがたいシステムである。親が子供の休みに合わせて休暇をとるにしても、大企業であれば全員一度にということにはならないから、企業にとってもありがたい制度なのかもしれない。
 日本もこれに習って、地域別の休日とか決めてしまえばいいのに。県単位、市町村単位で休日がずれるようなことにすれば、多少は人の集まりを緩和することができるはずだ。固定の祝日ならともかく、移動する祝日なんて、その日でなければならない理由は失われているわけだから、学校ごとにどの日を休みにするか決めさせるのも悪くない。そうすれば授業の回数が足りないから、本当は休みだけど授業なんて、何のために祝日を移動させることにしたのかわからなくなるような事態は避けられるはずである。

 プレミアムフライデーとやらも、金曜日にはこだわらないで、別の曜日でもいいことにしてしまえば、少しはましじゃなかろうかとも思うのだけど、決めた連中が何を求めているかがよくわからないので、何とも言えんなあ。またまたなんじゃそりゃという内容になってしまった。
3月3日20時。


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