実地試験 解答・解説
問題1
あなたが経験した 建築工事のうち、あなたの受検種別に係る工事の中から、 品質管理を行った工事を1つ選び、工事概要を具体的に記入したうえで、次の 1.から 2.の問いに答えなさい。
なお、 建築工事とは、建築基準法に定める建築物にかかる工事とし、建築設備工事を除くものとする。
イ.工事名
ロ.工事場所
ハ.工事の内容
新築等の場合:建物用途、構造、階数、延べ面積(又は施工数量)、
主な外部仕上げ、主要室の内部仕上げ
改修等の場合:建物用途、主な改修内容、施工数量(又は建物規模)
ニ.工 期 (年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場
ヘ.業 務 内 容
1. 工事概要であげた工事で、あなたが実際に担当した工種において、その工事を施工するにあたり、施工の品質低下を防止するため、特に 留意したことと何故それに留意したのか その理由及びあなたが 実際に行った対策を、 工種名をあげて 3 つ具体的に記述しなさい。
ただし、「設計図どおり施工した。」など施工にあたり行ったことが具体的に記述されていないものや、品質以外の工程管理、安全管理などについての記述は不可とする。
なお、工種名については、同一の工種名でなくてもよい。
解答試案
施工の品質低下を防止するために留意したこと、
その理由及び実際に行った対策とその工種名
例1)
工種名:場所打ちコンクリート杭工事
留意したこと:杭長(支持層貫入 1dかつ1m)以上の確保(d=杭径)
理由:杭長が不足し杭が支持層に達していいないと、杭支持力が低減するため。
実際に行った対策:
・支持層と杭掘削長の確認
・アースドリルの先端トルク値及び掘削長の確認
・ドリル先端付着土とボーリング標本の照合確認
・スライム処理後検尺テープによる掘削長計測
例2)
工種名:鉄筋工事
留意したこと:ガス圧接の品質確保
理由:鉄筋継手部が不良の場合、構造耐力が保てないため。
実際に行った対策:
圧接部位に適合する圧接技術有資格者による圧接と行うとともに、技量付加試験を行った。
例3)
工種名:コンクリート工事
留意したこと:密実なコンクリートの確保
理由:コールドジョイントやじゃんか等は耐久性低下や強度不足となるため。
実際に行った対策:
コンクリート打設を連続して行うと同時に、バイブレーターを用い適切な人数の作業員を配置した。
例4)
工種名:アスファルト防水工事
留意したこと:ルーフィングシートの着実な施工(重ねしろ100mm以上の確保)
理由:施工不良に伴う施工後の漏水防止ため。
実際に行った対策:
アスファルトルーフィングの継ぎ目(縦、横とも)を確実に100mm以上の重ね合わせること、併せてドレイン回りでは増し張りを確認した。24時間以上、水張り試験を行った。
例5)
工種名:タイル工事
留意したこと:剥落防止
理由:外壁タイルの剥落による第三者災害の防止のため。
実際に行った対策:
密着張りの張付けモルタルは、1回当たりの塗り付け面積を2m 2
以内とし、ヴィブラートをかけ、モルタルがタイル厚さの1/2以上はみ出るまでの施工を確認した。
例6)
工種名:内装工事(長尺シート張り)
留意したこと:適切な継ぎ目処理による平たん性の確保
理由:床シートに凹凸があると、歩行の支障や汚れの原因となるため。
実際に行った対策:
長尺シートの継ぎ目部は、ビードを盛り上げて溶接し、冷却後平滑に削り取るのを確認した。
2. 工事概要であげた工事及び受検種別にかかわらず、あなたの今日までの工事経験に照らして、品質の良い建物を造るために品質管理の担当者として、工事現場においてどのような品質管理を行ったらよいと考えるか、品質管理体制、手順又はツールなど 品質管理の方法と そう考える理由を、 2 つ具体的に記述しなさい。
ただし、2つの解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、また、上記1.の「実際に行った対策」と同じ内容の記述は不可とする。
解答試案
品質管理の方法とそう考える理由
例1)
品質管理の方法:
設計図書の内容を十分に理解した上で、施工計画書、各種施工要領書の作製を行い、それに基づいいた確実な施工を実施する。
理 由:
施工計画書、施工要領書により、品質管理目標や施工手順が明確化され、作業員に説明する際にも理解が得られやすくなり、施工品質の確保、向上につながる。
例2)
品質管理の方法:
施工者の定めた品質管理基準により施工し、施工後は品質を目視、試験等で確認する。
理 由:
品質管理基準をもとに工程ごとに具体的目標を明示して施工することで、良好な品質が確保できると考えたため。
例3)
品質管理の方法:
作業員用に工程ごとの品質基準を作成し、毎日の打ち合わせ時に確認することを徹底する。
理 由:
当日の作業での品質基準を目標に、作業が進み、品質を確保することができる。
例4)
品質管理の方法:
重要工程については、QC工程表を作成し、実施する。
理 由:
管理項目、管理値、注意事項、検査方法等を明示することにより、明確な作業を実施することができ、良好な品質を確保することができる。
例5)
品質管理の方法:
重要な工事については、重点管理項目を設定して、重点管理を実施する。
理 由:
管理項目、管理値、注意事項、検査方法等を明示することにより、明確な作業を実施することができ、良好な品質を確保することができる。
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