第一次検定問題 [ No.18 ] 〜[ No.28 ] 解答・解説
令和4年6月12日(日)
※ 問題番号[ No.18 ] 〜[ No.28 ] までの 11問題のうちから、 8問題を選択し、解答してください。
[ No.18 ]
墨出し等に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.陸墨を柱主筋に移す作業は、台直し等を終え、柱主筋が安定した後に行った。
2.建物の位置を確認するための縄張りは、配置図に従ってロープを張り巡らせた。
3.通り心の墨打ちができないため、通り心より1m離れたところに逃げ墨を設け、基準墨とした。
4.建物四隅の基準墨の交点を上階に移す際、2点を下げ振りで移し、他の2点はセオドライトで求めた。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
陸墨とは、墨出し作業において、各階の水平の基準を示すための水平墨のことで、一般的に、床仕上りより1000mmのところにするものである。柱主筋にする場合は、 台直し等により位置が動く可能性があり、正確なものとならいため、 陸墨は柱主筋が安定した後に行う。
2.◯
縄張りとは、建物物等の位置を決定するため、 建築物の形のとおりに縄等を張ること、あるいは消石灰粉等で線を引くことをいう。建築物の位置と敷地の関係、道路や隣接建築物との関係等は、縄張りを行って確認する。(建築工事監理指針)
3.◯
通り心の 墨打ちができないときは、割付けの良い寸法(通り心より1m離れたところ等)に 逃げ墨を設け、基準墨とする。
4.×
2階より上では、通常建築物の四隅の床に小さな 穴を開けておき、 下げ振り等により、1階から上に基準墨を上げている。この作業を 墨の引通しという。(建築工事監理指針)セオドライト(トランシット)は用いない。
[ No.19 ]
既製コンクリート杭工事に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.中掘り根固め工法は、杭の中空部に挿入したアースオーガーで掘削しながら杭を設置した後、根固め液を注入する工法である。
2.プレボーリング拡大根固め工法のアースオーガーの引上げ速度は、孔壁の崩壊が生じないように、速くする。
3.プレボーリング拡大根固め工法の杭周固定液は、杭と周囲の地盤との摩擦力を確保するために使用する。
4.セメントミルク工法において、支持地盤への到達の確認は、アースオーガーの駆動用電動機の電流値の変化により行う。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
中掘り根固め工法とは、躯体の中空部にロッドを差し込んで、 先端にアースオーガーをつけ、杭体と一緒に回転させながら掘り進み、所定の深さになったら、 根固め液を注入する工法である。
2.×
プレボーリング拡大根固め工法とは、あらかじめアースオーガーなどによって 杭周固定液(孔壁の崩壊を防止するもの)を注入しながら掘削し、 先端を拡大根固めした後、杭を建て込む。アースオーガーで掘削後の引上げ速度は、 遅くする必要がある。
3.◯
プレボーリング拡大根固め工法の杭周固定液は、 杭と周囲の地盤との摩擦力を確保するために使用する。
4.◯
セメントミルク工法は、埋め込み杭工法に分類されるプレボーリング工法の一種。 掘削液を注入しながらアースオーガーで掘削し、支持層到達後、根固め液を注入し、その後、杭周囲固定液を満たしてから、杭を建て込む。 支持地盤への到達の確認は、アースオーガーの 駆動用電動機の電流値の変化等により行う。
[ No.20 ]
型枠支保工に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.階段の斜めスラブ部分の支柱は、脚部にキャンバーを用い、斜めスラブに対して直角に建て込む。
2.支柱にパイプサポートを使用する場合、継手は差込み継手としてはならない。
3.柱、壁及び梁側型枠のせき板を保持する場合、支保工は一般に内端太及び外端太により構成する。
4.パイプサポートに水平つなぎを設ける場合、根がらみクランプ等を用いて緊結しなければならない。
答え
2
[ 解答解説 ]
1.◯
階段の斜めスラブ部分に用いるパイプサポートは、 脚部にキャンバーを用いて、根がらみを取り付け、 傾斜スラブに対して 直角に建て込む。
2.×
支柱の継手は、 突合せ継手又は差込み継手とすること。(労働安全衛生規則第242条第三号)
3.◯
端とは型枠を補強する部材をいい、 端太には、内側に設ける内端太と、外側に設ける外端太がある。柱、壁及び梁側型枠のせき板を保持する場合の支保工は、一般に 内端太及び 外端太により構成される。
4.◯
パイプサポートに水平つなぎを設ける場合、 緊結金具(クランプ)を用いて緊結しなければならない。
[ No.21 ]
コンクリートの養生に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.打込み後の養生温度が高いほど、長期材齢における強度増進性が大きくなる。
2.湿潤養生期間は、早強ポルトランドセメントを用いた場合、普通ポルトランドセメントより短くできる。
3.打込み後、直射日光等による急速な乾燥を防ぐための湿潤養生を行う。
4.打込み後、少なくとも1日間はそのコンクリートの上で歩行又は作業をしないようにする。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
コンクリート打込み後の養生期間中の 温度が過度に低いと強度発現が著しく遅れる。また、 過度に高いと 温度ひび割れの発生を誘発したり、長期材齢における 強度増進性が小さくなる。
2.◯
早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートの材齢による 湿潤養生期間は、普通ポルトランドセメントより 短く規定されている。(JASS5)
3.◯
若材齢時のコンクリートは、酸や塩化物などによる浸食や、硬化後の物性に悪影響を及ぼす劣化因子の侵入に対する抵抗力が十分でなく、日光の直射や急激な乾燥にさらされると、コンクリート表面に ひび割れが発生し、 耐久性を損なう可能性がある。そのため、 散水等の湿潤養生を行う。
4.◯
コンクリート打込み後、少なくとも 1日間はその上で歩行又は作業をしてはならない。
[ No.22 ]
在来軸組構法における木工事に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.土台の継手は腰掛けあり継ぎとし、継手付近の下木をアンカーボルトで締め付けた。
2.和小屋組の棟木や母屋には、垂木を取り付けるため、垂木当たり欠きを行った。
3.隅通し柱の仕口は土台へ扇ほぞ差しとし、ホールダウン金物を用いてボルトで締め付けた。
4.床束の転倒やずれを防止するため、床束の相互間に根がらみ貫を釘で打ち付けた。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
土台の継手は、 腰掛けかま継ぎとし、 上木となる方をアンカーボルトで締め付ける。
腰掛けあり継ぎ
腰掛けかま継ぎ
2.◯
和小屋組の棟木や母屋には、 垂木当たり欠きをして、垂木を取り付ける。当たり欠きとは、部材取付け部に設ける 切り欠きをいう。
3.◯
通し柱とは、2階以上の木造建物で土台から軒桁まで 1本の材で通した柱のことである。 隅柱は特に引き抜き力が作用するので、 土台へ扇ほぞ差しとし、 ホールダウン金物を用いてボルトで締めとする。
扇ほぞ
4.◯
床束とは、床を支え、 大引きの下部に取り付けられる部材である。床束の転倒やずれを防止するため、床束相互間に根がらみ貫と呼ばれる 床束を固定するための部材を釘で打ち付け、固定する必要がある。
[ No.23 ]
花崗岩の表面仕上げに関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.びしゃん仕上げとは、石材表面を多数の格子状突起をもつハンマーでたたいた仕上げをいう。
2.小たたき仕上げとは、びしゃんでたたいた後、先端がくさび状のハンマーで平行線状に平坦な粗面を作る仕上げをいう。
3.ジェットバーナー仕上げとは、超高圧水で石材表面を切削して粗面とした仕上げをいう。
4.ブラスト仕上げとは、石材表面に鋼鉄の粒子等を圧縮空気でたたきつけて粗面とした仕上げをいう。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
びしゃん仕上げとは、石材表面を びしゃんという多数の格子状突起をもつハンマーでたたいた仕上げである。びしゃんの目数が多いほど綿密な仕上がりとなる。最近は、職人不足等から一般に機械による機械びしゃんが行われている。
2.◯
小たたき仕上げとは、 びしゃんでたたいた後、 先端がくさび状のハンマーで約2mmの平行線状に平坦な粗面を作る仕上げである。きめ細かな仕上げであり、 滑り止め効果がある。
3.×
ジェットバーナー仕上げは、石表面をバーナーで加熱し、それを水で急冷することにより、ジェットバーナーで表面を燃焼させ、 結晶を弾かせることで粗面とした仕上げである。
4.◯
ブラスト仕上げは、石材表面に 鋼鉄の粒子等を圧縮空気でたたきつけて粗面とした仕上げである。 細かな凸凹とした表面となることが特徴である。
[ No.24 ]
とい工事に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.鋼板製谷どいの継手部は、シーリング材を入れ60mm重ね合わせて、リベットで留め付けた。
2.硬質塩化ビニル製縦どいは、継いだ長さが10mを超えるため、エキスパンション継手を設けた。
3.鋼板製丸縦どいの長さ方向の継手は、下の縦どいを上の縦どいの中に差し込んで継いだ。
4.硬質塩化ビニル製軒どいは、とい受け金物に金属線で取り付けた。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
谷どいの継手部は、 60mm程度重ね合わせて シーリング材を充填し、リベットで 2列、互い違いに 千鳥に留め付ける。
2.◯
縦どいの継手は、継手部分で 接着剤を用いて継ぐ、継いだといの長さが 10mを超える場合は、 エキスパンション継手を設けて伸縮を吸収する。
3.×
丸縦どいの長さ方向の継手は、縦どいを流れる水が継手で 漏出しにくいように、 上にくる縦どいを下にくる縦どいの中に、といの直径程度差し込んで継ぐ。
4.◯
軒どいは、とい受け金物に 金属線で取り付ける。また、といの受け金物は、丸軒どいが 所定の流れ勾配となるように、900mm程度の間隔で取り付ける。
[ No.25 ]
床コンクリートの直均し仕上げに関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.床仕上げレベルを確認できるガイドレールは、床コンクリートを打ち込んだ後に4m間隔で設置した。
2.コンクリート面を指で押しても少ししか入らない程度になった時に、木ごてで中むら取りを行った。
3.金ごて仕上げの中ずりで、ブリーディングが多かったため、金ごての代わりに木ごてを用いた。
4.最終こて押えの後、12時間程度を経てから、散水養生を行った。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
コンクリートを打ち込む前に、仕上げ精度が要求される場合には ガイドレール等を3.5〜4m間隔に設置する旨、規定されている。(建築工事監理指針)
2.◯
コンクリート面を 指で押しても少ししか入らない程度になった時に、 中むら取りを木ごてで行う旨、規定されている。(建築工事監理指針)
3.◯
床仕上げ厚が薄い場合は、 金ごて仕上げで、下ずり、中ずり、上ずりを行う。 中ずりの工程で、 ブリーディングが多い場合は、金ごての代わりに 木ごてを用いる。
4.◯
最終こて押えの後、 12時間程度を経てから2〜3日間散水養生を行う旨が規定されている。(建築工事監理指針)
[ No.26 ]
建具工事に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.アルミニウム製建具のアルミニウムに接する小ねじは、亜鉛めっき処理した鋼製のものを使用した。
2.ステンレス製建具のステンレスに接する鋼製の重要な補強材は、錆止め塗装をした。
3.木製フラッシュ戸の中骨は、杉のむく材を使用した。
4.樹脂製建具は、建具の加工及び組立てからガラスの組込みまでを建具製作所で行った。
答え
1
[ 解答解説 ]
1.×
アルミニウムに接する 小ねじ等の材質は、 ステンレス製とする。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 16.2.3(6))
2.◯
ステンレス製建具を使用する場合、 ステンレスに接する鋼製の重要な補強材は、 錆止め塗装を施す必要がある。
3.◯
フラッシュ戸に使用する樹種等について、 木製フラッシュ戸の中骨は、 杉等のむく材を使用すると規定されている。(公共建築工事標準仕様書建築工事編 16.7.2(2))
4.◯
樹脂製建具は、原則として、 建具の加工及び組立てからガラスの組込みまで一貫して建具製作所で行うことで、性能・品質を確保している。(建築工事監理指針)
[ No.27 ]
カーペット敷きに関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.タイルカーペットは、粘着はく離形の接着剤を用いて張り付けた。
2.タイルカーペットは、フリーアクセスフロアのパネル目地とずらして割り付けた。
3.グリッパー工法に用いるグリッパーは、壁に密着させて取り付けた。
4.グリッパー工法に用いる下敷き用フェルトは、グリッパーよりやや厚いものとした。
答え
3
[ 解答解説 ]
1.◯
タイルカーペットは、 剥がすことができる粘着はく離形の接着剤を用いて、床材に張り付ける。
2.◯
タイルカーペットの目地は、フリーアクセスフロア目地と、 100mm程度ずらして割り付ける。
3.×
グリッパー工法のグリッパーは、 壁際からのすき間を均等にとって、床材に打ち付ける。
4.◯
下敷き用フェルトはグリッパーの厚さと同等か、やや厚いものを選択し、敷き込みに当たっては、すき間などのないように 突き付けて敷き込み、フェルトの端部はグリッパーに重ねるようにする。
[ No.28 ]
内装改修工事における既存床仕上材の除去に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。ただし、除去する資材は、アスベストを含まないものとする。
1.ビニル床シートの除去は、カッターで切断し、スクレーパーを用いて他の仕上材に損傷を与えないように行った。
2.モルタル下地の合成樹脂塗床は、電動斫り器具を用いてモルタル下地とも除去した。
3.根太張り工法の単層フローリングボードは、丸のこを用いて根太下地を損傷しないように切断し、除去した。
4.モルタル下地の磁器質床タイルの張替え部は、斫りのみを用いて手作業で存置部分と縁切りをした。
答え
4
[ 解答解説 ]
1.◯
ビニル床シートの除去は、 カッターで切断し、スクレーパー等により他の仕上材に損傷を与えないように行う。(公共建築改修工事標準仕様書建築工事編 6.2.2(1)(ア))
2.◯
合成樹脂塗床材の除去は、 ケレン棒、電動ケレン棒、電動斫り器具、ブラスト機械等により行う。また、下地がモルタル塗りの場合は、 モルタル下地とも、コンクリート下地の場合はコンクリート 表面から3mm程度とする。(公共建築改修工事標準仕様書建築工事編 6.2.2(1)(イ))
3.◯
乾式工法のフローリング張り床材の撤去は、 丸のこ等で適切な寸法に切断し、 ケレン棒等によりはがし取って行う。(公共建築改修工事標準仕様書建築工事編 6.2.2(1)(ウ))
4.×
磁器質床タイルの張替え部分の撤去は、 ダイヤモンドカッター等を用いて撤去部分を 縁切りし、 斫り器具等を用いて撤去を行う。(公共建築改修工事標準仕様書建築工事編 6.2.2(1)(エ))
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