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先日新聞広告で現在医療の9割は無駄で無意味、もしくは害になると書かれた本の広告が載っていた。書いたのは内科医である。その本をまだ読んでいないので本の内容についてコメントするのは控えるが、このテーマについて日頃感じていることを書かせて頂く。親兄弟とか、親戚の人が病気で死ぬのに直面し、それを救えるようになるために医師を目指したという人は多い。しかし、それを目指して医師になっても実際には助けられる病気は限られていて、無力感を味わっているのが現実ではなかろうか?外傷や骨折、抗生物質が効いてくれる肺炎、心筋梗塞、糖尿病、胃・十二指腸潰瘍、胃がんや、大腸がん、乳がん、子宮がんなど比較的に治り易いがんの一部等は、医学医療の進歩によって医学の恩恵に浴しているが、著者の言う90%かどうかは分からないが、他のかなりの医療行為は無駄であったり、役立立たずであったり、却って害を与えているかもしれない。その一つに抗がん剤がある。必死の研究がなされているが、現状では完全に治してくれるものはまだない。僅かな延命効果はあっても副作用に苦しめられることが多い。予防注射も種痘ワクチンのように地球上から天然痘をなくした素晴らしいワクチンもあるが、必ずしもインフルエンザをブロックできないインフルエンザワクチンもあるし、子宮頚がんワクチンのように副作用で多くの児童生徒が苦しめられている例もある。医学の名まえがあれば全て良いとするのではなく、果たしてそれは有効で、害はないのかを常に考えていく必要があると思う。もう一つ重要なのは病気になったら医者に診てもらえば治るという考え方である。これは間違いで治るものもあるかもしれないが治らないものの方が圧倒的に多いのである。従って病気にならないように各人が食事や生活習慣などを健康的にしていく必要がある。野菜・果物をたくさん食べる食事とか、毎日少しづつでも運動するとか、タバコをやめるとか、ストレスを溜めないとか、生活習慣を改めることこそ重要と考えられる。従来の医学医療は、病人がいた時、その人に薬を飲ませたり手術したりして病気を治すことを行うプロフェッショナルであった。しかし上で見てきたように一旦発病してしまった病気で直せるものはわずかしかない。それなら病気にならないようにするにはどうしたらよいか?を考えることが重要だと思う。今後の医学医療はこちらにシフトしていくと思う。そうなると医師と一般人の垣根はなくなる。お互いに力を合わせて、いかに病気にならないようにするかを学習しあい、実践努力していくことになるのではないかと予想している。
2013.05.31
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NPO法人日本胃がん予知・診断・治療研究機構 理事長の三木先生が5月18日付で本年4月に日本がん検診学会が、三木先生たちのABC検診は従来のバリウムによる胃のX線検診に代わる物ではなく、胃検診には従来のバリウムによるX線検診は必要であるとの声明を出したことに反論声明を出した。胃のバリウム検診は巡回バスなどで1度に多数の人が検診を受け、その中で要精密検査になった人が胃カメラなどを受けて胃がんの早期発見、早期治療をするシステムで多くの胃がん患者さんの命を救ってきた実績がある。しかし胃がんの原因がピロリ菌であると分かった現在、放射線被爆の問題もあるレントゲン検診を従来のように行うのは労力、費用、効率の点からも間違いで時代に即した検診に切り替えて行くべきであるというのが三木先生達の言い分である。三木先生達のABC検診と言うのはバリウム検査はしないで、血液検査で簡単にできるピロリ菌検査と、ペプシノーゲン検査(胃粘膜の萎縮の程度が分かる)を行い、ピロリ菌陽性の人にはピロリ菌の除菌治療を行い、発がんの可能性が強い人には定期的に内視鏡検査で経過観察するという方式である。レントゲン検診はがんを見つけるという検診だったが、ABC検診はあらかじめ胃がんの原因であるピロリ菌を退治してその後必要な者には内視鏡検査を勧める方式でいわば胃がんにかからないように予防活動することになる。私もそうだが、昔一生懸命レントゲン検診をしてきた者にとっては、自分たちが命を賭けて努力し、築いてきたレントゲン検診を、もう昔の方法で新しいABC検診に切り替えるべきであるとする三木先生達の主張に我慢できなくて、ABC検診反対と述べたのだと思うが、昔のノスタルジアに浸っている場合ではない。私も人一倍レントゲン検診に携わってきた人間だが、胃がんに関する新しい事実も明らかになった今、自分たちが心血を注いできたからと言ってそれを守ろうと言い張るのは全体観からみて間違いだと思う。
2013.05.29
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日本医師会雑誌5月号に独協大小児科の有阪治さんが、小児の栄養に関して、いくつか興味あることを書いていたので紹介する。アメリカの穀物協会の報告書「Food2040」に2040年の日本では食品の70%以上が家庭の台所を使わないで外で調理されたものになると予想しているとのことである。今でもスーパーに行くと何でも売っており、私も家内がいない時にはそれを買ってきて食べるが、一人暮らしの人は殆どそれに近い状態で、2040年なんて待たなくてもすぐそうなるのではないかと思えた。これは一見、食生活が豊かになったように見えるが実際には栄養の極端な偏りによる肥満や痩せの増加、生活習慣病の低年齢化や痩せすぎ妊婦が出産する低体重児の増加などが問題になっており、栄養を考えながら家庭で料理を作ることの必要性を述べている。米を中心に魚や肉、野菜、海草、豆腐などの多様な副食を組み合わせて食べる日本食は栄養バランスに優れており、健康的で推薦できるとしている。ファーストフードなどの加工食品は高エネルギー、高脂肪、高果糖、低繊維、低乳成分という共通の欠点があるとのことである。動物性脂肪の過剰摂取は血中の遊離脂肪酸を増加させ、メタボリックシンドロームを促進する。子供の時の食習慣は大人になっても続くので3歳頃から低脂肪、低果糖、高繊維を心がけた食事を食べさせることが将来の健康につながる。子供も大人も、喉がかわくと最近は水ではなくお金を出して清涼飲料水やスポーツドリンクを飲むが、それらに含まれる果糖はブドウ糖とは異なり、筋肉で利用されずに肝臓に取り込まれ、解糖系の制御を受けずに肝臓内で動脈硬化形成に働くリポ蛋白の産生を促す。とのことである。ここのところを読んで、「果物ならいくら食べても太らない、糖尿病にもならない」と言っている人たちのことを思った。果糖はリポ蛋白の産生を促進すると有阪さんははっきり書いており、果糖の過剰摂取は肥満の原因にもなるし、糖尿病の原因にもなりうると思った。果物には果糖以外に様々なビタミンや酵素も含まれており、よい健康食品には違いないと考えるが、摂りすぎは肥満や動脈硬化の原因になるので、食べ過ぎないように注意する必要があると思った。
2013.05.28
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昨夜中日ドラゴンズ山本昌投手(47歳)のドキュメンタリーを衛星放送でみた。ドラフト5位で中日入団、4年間ずっと2軍暮らしでものになりそうもないのでクビにされかけたが当時の星野監督と球団の好意で1年間アメリカの2軍で訓練を受けてきてそれでもダメならクビと1年間クビを猶予してもらった。そこである指導者とめぐりあいスクリューボールを教えてもらった。もともと山本は玉が速くなく、この程度のスピードなら使い物にならないとクビにされかけたのだが、球に回転を加えると球が遅くてもファールになったり凡打になったりすることを教えてもらったのである。どの投手の球も大なり小なり回転しているが、山本は1秒間の回転数をアメリカ投手平均より5回転多くできるようになって日本に帰ってきた。回転が加わっているので打者の手元でぐっとのびて、実際の球速よりかなり速く感じられて打者を手玉にとって、それから中日のエースとして君臨し今日までに215勝をあげている大投手になった。投手なら球が早くなければだめ、打者なら遠くに飛ばせられなくてはだめと普通思ってしまうが、球が遅くても大投手になることができたのである。ダルビッシュは球が速いだけでなく回転力もあるのでアメリカ打者をきりきり舞いさせているが、球が速いだけの投手はよく打たれる。ヤクルトの五十嵐やよしのりがその例だ。彼らは160Km出したともてはやされたがそれだけでは勝ち星は積み上げることができなかった。よしのりは今故障中で再起できるか分からない。コントロールも大事といわれ打者の打ちにくいところに投げなくてはいけないと言われるが、それだって回転のない球なら軽々と飛ばされてしまう可能性がある。バットをへし折るのは速い球だけでなくボールの回転力でも折ることができるのである。球が遅くてダメだと思っている人、速く走れなくてダメだと思っている人、力がなくて相撲や柔道で少しも強くなれないと思っている人、山本選手に学ぼうではないか! 球が遅くても生き残れる方法はあったのである。必死に努力していればきっと何かのアイデアが浮かぶはずだ。球が遅いからダメだと諦めないで工夫しながら努力を続けてもらいたいと思う。
2013.05.28
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35年前甲府に家を作り、父母が同居したがその時南アルプス市の実家から持ってきた芍薬で今も毎年春になると咲いている。本日は午後から市内の中学校の教員の健康診断に行ってきた。待っているあいだに会場にあった教師向けの道徳教育の参考書をチラチラと読ませてもらった。今は小学校3年から中学3年まで毎週1時間道徳教育の時間があるとのことである。道徳教育というと愛国主義の復活だとか言って反対する人もいたが、参考書に書かれた内容をみて、今の我が国の道徳教育は健全で素晴らしい内容だと思った。国によってはその昔帝国主義の日本が自分たちの国を攻めてきて、国民を辱めたり苦しめた。その恨みは絶対忘れてはならないと徹底的に教えている国がある。よその国のことなので他国の我々が、とやかく言う事ではないかもしれないがそれでは子供たちが可愛そうだと思う。人間のあるべき姿や道徳を教えなくて憎しみや、復讐を教えている。情操豊かな子供を育てることを最初から放棄しているように思える。教育とは何か?の原点に立ち返ってもらいたいと思う。少し前までの我が国の教育も、それら外国の教育に同調するかのように、かっての日本は悪い国で近隣諸国に筆舌に尽くし難い苦痛を与えてきた。それを反省しなければならないということばかり教えていた時代があった。日本は悪い国でそんな国に生まれて不幸だ。希望が持てないという若者もいた。今日読んだ参考書ではその反省はもちろん必要だがそのことだけを教えるのではなく、日本には偉大な先輩たちがいて、偉大な文化や伝統を築いてきたし、戦後いち早く民主主義を取り入れて持ち前の勤勉さで世界第一の経済成長を成し遂げた底力等は世界に誇っていいし、国際スポーツ大会でも多くの名選手が活躍しており、日本人の様々な素晴らしい点なども書いてあった。嫌な国だ、悪い国だと思って人々が成長することは悲しい。周りの国々に振り回されないで、本物の日本人、世界人を育てるべく学校の先生方に大いに頑張ってもらいたいと思った。
2013.05.27
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肺がんや頭頚部がんなど粘膜のがんに対するワクチンは鼻腔内など粘膜への直接投与が有効で、筋肉内や皮下注では同等の効果が得られないとの研究成果がパリ第5大学・仏国立衛生医学研究所のEric Tartour 教授らによって発表された。がん治療用ワクチンはCD8陽生Tリンパ球など特定の免疫系細胞を刺激し、腫瘍を攻撃、縮小させる目的で投与されるが、教授らはワクチンを筋肉内投与と鼻腔内投与で比較したところ上記の結果が得られたとのことである。ワクチンによって産生誘導されるCD8陽生Tリンパ球は粘膜に投与された場合のみ接着分子インテグリンの一種であるCD49aを発現し、これにより腫瘍内へワクチンが侵入できるが、筋肉内ではそれが発現しないから効かないとの結論を得た。大変有用な研究だと思うが、これはまだマウスを使っての動物実験での成績で、人間に応用できるまでにはまだまだ時間がかかると思われる。
2013.05.26
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カーネーション今日は嬉しい知らせが入った。長らく子供のなかった甥に今度子供が生まれることになったとのことである。両親の喜びいかばかりかと思う。親戚で集まると殆ど孫の話題になる。そこばかり孫がいなくてどれほど願っていたか計り知れない。よその孫をわが孫のように可愛がっていたが自分のところに孫が生まれるとなると最高の喜びではないかと思う。願い事はいろいろある。子供が生まれますようにとの願い、息子や娘が結婚しますようにとの願い、希望の学部合格を目指して何年も浪人して合格を願っている場合、国会議員になれますようにとの願い、アイドルになれますようにとの願い、ある資格が取れますようにとの願い、スポーツや芸能の技が上達しますようにとの願い、病気が治りますように等、それらは必死で願っても必ずしも叶わない願いである。今度のこともそれを必死で願っている人達は大勢いる。叶わない人たちのことを思えば自分たちだけ叶って申し訳ないが、とにかく嬉しいことで心からお祝いしたい。国会議員になって国のために尽くしたい。その気力もあるし、勉強もしてきて能力もある。必死で願ってきてもその願いが叶うのは極めて、極めて希で殆どの人は候補にもしてもらえないし、候補で出ても当選は並大抵のことではない。何万、何十万と言う人は夢叶わずに散って行くのである。夢が叶うのはほんの一部の人だが、夢が叶う人もいるのである。いつか夢が叶うかもしれないという希望をもって願い続けようではないか。
2013.05.26
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イソトマ今侵略か否かの問題や従軍慰安婦問題などで世界の中で日本が孤立し、仲間はずれにされようとしている。これは個人としても同じことで、仲間はずれされたら、いじめられたと感じ、苦痛である。国としても多くの国から非難されたり、仲間はずれを示唆されたりすると動揺する。私には腕力がなく人一倍非力である。人を貶めたり、いじめたりする気持ちはない。非常に弱々しい人間である。それゆえ他人の非難や仲間外れには敏感であった。その中から掴んできた確信がある。「周りが何を言おうとも自分が正しいことをしていれば、火でも、嵐でも、暴力でも、何がこようが怖くない。死んだって怖くない」である。正しいことというのが問題で狂気であったり盲信であったり、無知だったりしたら社会に害毒を与えるので常に何が正しいかはチェックしなければならない。このことは国際間においても同じである。韓国が中国がアメリカが何を言っても恐れることはないのである。自分が正しいと思うならば何も外野にふりまわされることはない。我が道をひたすら歩めばいいのである。外国がこう言った、ああ言った等歯牙にかける必要はない。問題は自国が天地神命に誓って正しいことをしているかである。そのことについては常に内省し学習を深め努力していく必要がある。個人が友人と付き合う時の基本である相手を思いやる心は国際間にあっても同じである。自国の悪口を言っている国の人と会う時は、「こんちくしょう」という気持ちが湧くものだが、それを抑えて笑顔で相手のことを思って対話していく姿勢が必要だと思う。
2013.05.26
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庭で携帯で撮影した満月家に帰ってきたら東の空に煌々と満月が輝いていたので思わず携帯電話で撮影した写真が上図である。満月は一点の曇りなく輝いていたが人々の心は必ずしも皆このように雲りなく輝いているのではないだろうと思った。今、朝ドラ「あまちゃん」でも主人公天野あきが、まさに失恋しているのにまだ気がつかない状況にある。失恋したとわかった時どういう状況になるのか気の毒で見ていられない。ブログにコメントをくれた若者もしばらく前に失恋して中々その苦しみから抜け出せなかったが愛車(自転車)を磨いたり、乗り回しているうちに次第に元気を取り戻しつつあるとのことである。男でも女でも失恋しない人はいないのではないかと思う。失恋が怖いから恋をしないと言っていた人がいたが、それは間違いだと思う。それでは怖い思いをしたくないのが目的になってしまう。恋の成就が目的で、その途中で失恋という苦しみを味わうが、それは来るべき新たな恋の成就のための試金石なのである。こんな苦しみは自分だけで、自分はだめな人間だから失恋してしまったのだと思う人がほとんどだが、あとで振り返ってみればそうではなかったと気づくものだ。人が成長するために必ず通らなければならない通過点なのだ。そこを通過して一回りも、2回りも大きくなって新たな出会いに遭遇するのだ。原理はその通りだが若い当事者にとっては想像を絶する苦しみで死にたいとまで思う。それほど大きな生命の経験だったのだ。あきが失恋からどのように立ち直っていくかは脚本を書いているクドカンの胸三寸にあるが、生易しいものにはならないだろう。広い世間にはたった今失恋したという人もいるかもしれないが、あなただけが経験することではなく、ほとんど皆が経験してきたことで。貴方が悪いわけではなく、貴方がダメで魅力ないから失恋したのではないことを認識してもらいたい。じっと耐えて下さい。時とあなたの成長が必ず解決してくれます。失恋になってしまったけど恋ができたことを大いに誇りに思ってください。
2013.05.24
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庭のカルミア京都の学会に行ったついでに京都タワーに行き、そこの1階にあるコンピューター手相相談を受けてきた。それは生命線、知能線、感情線、運命線、・・・健康線等10本の線をコンピューターで分析して診断してくれるもので300円だった。その結果は「あなたは常識的知識の豊かな人で、人あたりもよく、あらゆる面でバランスのとれた誠実なタイプで男女を問わず尊敬される。また協調性の高い人なので人望も厚く、社会では着実に成功の道を進む運勢です」とでた。「男女を問わず尊敬される」と出たが家内からはよくけなされているし、一般の人からも馬鹿にされていると思うことはあるが尊敬されていると思ったことはない。最も自分は尊敬されていると思っている人がいたとすれば、きっとそれはおぞましい人だと思う。自分は尊敬されているとは思っていないが、コンピューターがそのように診断したとするなら、そのことも参考にしてあまり自分を卑下しないで生きることも大切だと思った。コンピューター診断の後に、コンピューターがアドバイスも書いてくれた。それによると「誠実で勤勉な努力家ですが、人の良いところがあり、信じやすく騙されやすい傾向がある。特に金銭面には注意。人間性は強い人ですが、社会での仕事面には、もう少し積極さと、冒険心を育てれば、一層の成果が得られる」とのことだった。確かに自分が正しいと思ったことでも積極的に発言しないことがあり、ジメジメして進歩しないで後退していることもある。冒険心はあるが周りの人の思惑を気にしてそれを封印していることもある。信じやすく騙されやすいとのことで、このコンピューター診断だって皆に適当に書いてあるのかもしれないのに、それを私のことだと信じてしまっているのかもしれないが、積極性がないことと冒険心がないことは当っていると思った。これを期に、運命を切り開くために、もっと積極性を出して行こうと思った。
2013.05.22
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すい臓がん、胆道がんなどと並んで根治治療が難しいがんに肺がんがあります。肺がん治療の現状について日本医師会雑誌4月号の「肺がんの診断と治療ー最近の話題」の中の埼玉医大教授 萩原弘一さんが書かれたレジメを中心に紹介したいと思います。肺がんには小細胞癌と非小細胞癌(腺癌、大細胞癌、扁平上皮癌)があり、小細胞癌は抗がん剤、放射線治療に高い感受性を示し、放射線と早期の同時併用化学療法が標準治療法となっており、3年生存率が向上している。小細胞癌は脳転移の比率が高く、限局型小細胞癌で完全に奏効した症例の50~70%は脳に転移して再発するとのことで、予防的に全脳放射線照射が推奨されている。非小細胞癌については現在ほとんど遺伝子検査が行われており、変異EGFR遺伝子陽性の場合は、EGFRチロキシナーゼ阻害薬でがん細胞は急速に死滅、増殖停止する。しかしそれが陰性のガンにはこのEGFRチロキシナーゼ阻害薬は効かない。変異EGFR遺伝子陽性で、EGFRチロキシナーゼ阻害薬が効くケースでもがん細胞は根絶できないので一定期間が過ぎると耐性が出てがんが再発してくる。それでも生存期間はかなり延長することができるようになったので、今後の進展を期待している。EGFR遺伝子変異検査の体制は十分に整備され、肺がん全例で遺伝子変異検査が行われるようになり、そのようなことができるようになったのは肺がんが最初とのことである。EGFRチロキシナーゼ阻害薬の一つイレッサで生存期間の延長が見られても約5%に薬剤性肺障害が出現し、その死亡率も高い。そのことでイレッサをめぐる薬害訴訟として大きな社会問題になったが薬害として補償の対象にはならなかった。こうして見てくるとまだまだ発展途上の段階で、完全、もしくはほとんど完全に治癒するまでには至っておらず、根治はまだはるかかなたにある。病気にならないように心がけるのが第一だと思う。喫煙が最も大きな要因と言われている。思い切って禁煙を決意してもらいたい。
2013.05.21
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ブルースター京都の学会の帰りに新幹線の中で「ドクターサロン」という雑誌を読んできた。動脈硬化や脳卒中、心臓病と最も関係が深い悪玉コレステロール(LDLコレステロール)の治療法について筑波大学の島野 仁先生が対話形式でその具体的治療法を述べていた。脂質異常症の治療の原則は、食事療法あるいは生活習慣の改善です。それだけでよくなる人は多いですが、努力してもどうしても目標値に届かない場合に薬を使うことになりますがそれでも食事療法は基本で、それができていないと薬もあまり効きません。食事療法ではまず総カロリーを控える。つまり食べ過ぎない。次にコレステロールの多い食品を控える。主として鶏卵、魚卵を控える。次に動物性脂肪(飽和脂肪酸)を控える。肉より魚を多く食べて下さい。それから腸管を掃除する働きのある野菜とか繊維成分を多く取ることによってコレステロールの吸収を減らします。それから運動も大事です。運動は中性脂肪を低下させ、善玉コレステロールを増やします。一言にまとめますと、悪玉コレステロールを下げるには食べ過ぎないことで特に動物性脂肪は控えめにして、野菜を多く食べて毎日30分くらいの運動をする事です。それほど難しいことではなく、既に多くの方が実践していることと思いますが、あなたももしコレステロールが高いならば上記を実践してください。
2013.05.20
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ハクチョウソウ(白蝶草)国会議員(党首や知事や市長も含め)は一般人とは全く違う。国や市政について絶大な権力を付与されていて自分の思うように討議したり運営したり出来る。選挙の時は「有権者は全権者で一番偉い立場です」などと言われるので自分の方が国会議員より偉いと思ったことがある人もいるかもしれないが、いかなる立場の民間人も国会議員より偉い人はおらず、天と地の開きがある。学術研究も医療も教育も経済も全て最終的には彼らに委ねられており、彼らがどのような決断をするかによって我々の生活は決まってくるのである。人間は様々に考える。価値観も違う。居酒屋でも様々な話が出る。今回の橋下徹共同代表の慰安婦問題についての発言内容などもそのようなところではよく聞く。しかし一般人が発言するのと党首とか市長が発言するのとではその意味合いが全く違う。国内、外国を問わず国会議員などの要人の発言は大きな問題を引き起こす。私たち一般人は何を言っても、逆立ちしたって国際問題にまで発展させてもらえることはない。私は国会議員達の自分達に対する認識が間違っていると思う。彼らは自分たちを一般人に毛の生えた位の存在で一般人とそれほど違わないと思っているのではないかと思う。全然違う。法的にも対外的にもマスコミ的にも一般人とは天と地ほどの開きのある特別な存在であるとの認識が欠けていると思う。国民のため、市民のため、世界平和のために皆様の手足となって粉骨砕身して働きますと言って選ばれた人たちである。まぐれで選ばれた人もいるかもしれないが、選ばれたということはすごいことである。私は彼らは神になったと思ってもらいたいと思っている。人類のため、世界平和のため、人々の健康や生活向上のために常に祈り、願いながら行政を行ってもらいたいと思う。自分の発言は一般人としての発言とは全く違う。常に人々の幸せと世界平和を念頭に置きながら、ある意味では神の心で発言してもらいたいと心から願っている。
2013.05.19
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アマリリス今回は学会報告から少し離れてニューヨーク・タイムズに女優のアンジェリーナ・ジョリー(37歳)が乳がん予防のために両乳房を切除したことを投稿したことについて書きます。今は血液で遺伝子を調べることができて彼女の遺伝子は乳がんになる確立が87%、卵巣がんになる確率が50%と診断された。彼女はがんになる心配を抱えているより乳房を切除する選択をして、本年2月から4月までかかって仕事しながら乳房切除、再建をしてもらって今は清々しい気持ちだと述べており、多くの女性も遺伝子検査を受けて、乳がんになる確立の高い人は乳房切除したほうがよいと訴えている。乳がんになってから切除するのでなく、遺伝子的に高い確立の人は前もって切除してしまうとは随分勇気のある行動だと思った。すい臓がんは発見された時にはすでに手遅れのことが多く、早期発見、早期治療が当てはまらないがんである。乳がんを予防するために前もって切除してしまった女優さんが現れたことにより、今後すい臓がんになる可能性が高い遺伝子を持つ人の中にはがんが発症する前にすい臓を摘出する人が増えるかもしれない。
2013.05.17
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今日も学会関連です。京都に行ってホテルに泊まり食事を食べたり買い物をしたりしました。至れり尽せりで恐縮しました。学会から帰ってきて病院で診察するとき、旅先で受けた親切をお返ししなくてはと思い、自堕落な気持ちを押さえ込んで、できるだけ親切に対応するように心がけました。今朝の「日本全国8時です」の担当は月尾嘉男さんでした。今日の話は観光についてで、世界産業の中で観光産業の占める割合は家電製品より上でパソコンなどのオフィス製品に次ぐ世界第二位の巨大産業とのことでした。しかし日本の観光産業は世界でも最下位の方で、金銭的にも、観光客数でも国民の人口比にすると非常に少ないとのことでした。それは日本には名勝地などの観光資源がないからでしょうか。それはあるとのことで10位前後に入っており、日本国内での移動の便利さも上位に入っていますが、日本にくる交通の便や日本での生活費や物価などが高くこれが最下位とのことでした。しかしお客をもてなす精神やその実践力はダントツ1位とのことでしたが総合力では物価高等があり、最下位でした。今回は京都旅行でしたが北海道に行った時も旅先で親切にしてもらい感銘を受けました。外国人もきっと同じように感じていると思いますが、観光客の数は世界最低とのこと。受け入れ態勢を充実させて日本の良さをアッピールして多くの外国人にきてもらい大いに日本を知ってもらいたいと思いました。
2013.05.16
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チロリアンランプ今回も学会報告します。表題は我が国のピロリ菌研究の第一人者、浅香正博先生の特別講演の演題名である。浅香先生はかねてからピロリ菌を除菌すれば胃がんは撲滅できると主張してきたが、ピロリ菌胃炎に対して7日間薬を飲んで除菌する治療法が、ずっと長い間保険治療の対象から外されてきた。それを保険適応にしてもらうべく、ひたすら努力をしてきた結果、本年2月21日に念願の保険適応が認められ、今後日本から胃がんが無くなっていくだろうとその喜びを語っていた。しかしここにくるまでは並大抵の道のりではなく、それが認められるのを関係者と共にずっと願い続けてきたが、その行く末は遥か彼方にあり、ずっと呻吟してきた。所が今回、公明党参議院議員、秋野公造氏がピロリ菌と胃がんの関係を深く理解してくれて、国会活動をしてくれた結果、思いの外に早く、このような結果がもたらされたと心から感謝していた。その感謝の気持から秋野氏の特別講演の枠を組んでもらい、その座長を自ら勤めたのである。参加者は驚いた。日本内視鏡学会総会の特別講演講師が特定政党に所属する参議院議員なのである。よく学会の会長が認めてくれたと思うし、反対する者も多かったと思う。でも浅香先生の気持は伝わってきた。誰に何を言われてもいい。よしんばそれによって今の自分の地位がなくなってもいい。ずっと願い続けていつ認められるか分からない懸案事項を秋野さんのお力で実現することができた。感謝の気持を何らかの形で示したかったのだと思う。世の中には多くの学者や研究者がいる。彼らの中には人類や国民のために本当に有益な研究成果を出している人達もいる。しかしその研究成果が国会議員の目にとまり、国会で論議され採用されなければ何の役にも立たず埋もれてしまう。国会議員は研究者達にとっては神様みたいな存在である。いくら自分が素晴らしい研究をしても認めてもらえなければそれまでである。今回保険適用されたことは画期的なことで、今後次第に日本から胃がんがなくなって行くことが考えられる。その功労者として浅香正博先生、秋野公造氏の名前は永遠に銘記されることと思う。
2013.05.15
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大手鞠今日も学会報告を書くつもりだったが昼読んだ話があまりに感動的だったのでそのことを今回は書こうと思う。その前に何回目かの学会報告に付録みたいな形で付け加えようと思っていた肛門についての話を書かせていただこうと思う。以前日本ではこんなにウオッシュレットが普及しているのにアメリカでは殆ど普及していない。日本の性能の良いウオッシュレットをアメリカに売り込めばすごく儲かると書いたが、未だにアメリカにウオッシュレットが普及していないのをみて世界の7不思議の一つだと思っていた。今回学会に参加してその疑問が解けた。ある下部消化管に関する講演の中でアメリカ人の肛門は日本人と異なり、排便後汚れない構造になっているとのことだった。それならウオッシュレットの必要がなく、普及しなかった理由が分かった。感動的な話というのは「心に残る医療」に応募して厚生労働大臣賞をとった秋田久美さんが書いた作文である。一人っ子で7年前に母親を亡くし、父子ふたり暮らしをしていたが、2010年6月、それまで糖尿病性腎症で人工透析していた父親が糖尿病性壊死で右足を切断しなければならなくなった。その後義足をつけて一旦退院できるところまできたが、途中から食欲が全くなくなり点滴だけの生活で体力は次第に衰えていった。その頃秋田さんの結婚が決まり、父親と3人で暮らすことになるため車椅子の生活でも支障がないよう家を改築した。でも父親の体調は一向に良くならなかった。娘一人残して逝ってしまうことをすごく心配していた父親は婚約の知らせをすごく喜んでくれた。昨年7月「9月に結婚式を挙げることになったがその日には父に外出許可してもらえるか」と医師に訊ねたら、「かなり厳しいですね」の返事だった。もう残された時間はないと思った彼女たちは急いで入籍してそれを病院の父親のところに報告に行くと、看護師さんから呼ばれ、「結婚式へのお父さんの出席は難しい現状だが、あなたたちさえよければ、お父さんが意識のあるうちに病院で結婚式を上げてやりたいがどうですか?」との話だった。その申し出にびっくりすると同時に皆の深い愛情を感じて大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちた。2週間後に迎えた病院結婚式会場となったリハビリルームにウエディングドレスを着て看護師さん手作りのブーケを手に向かうと多くの入院患者さんたちが祝福してくれた。会場では素晴らしい装飾とリハビリ用マットで作ったバージンロードまで準備され看護師さんたちによるフルート演奏があり、ケーキ入刀までさせてもらった。父親への手紙を読み、父親を囲んで皆で記念撮影をしてもらった。それから1ヶ月後父親は天国へと旅たったがあの結婚式は生涯忘れられない。その病院始まって以来の初めての試みだが大成功で父親にも娘にも入院患者さんにも大きな感動を与えたが、誰がそれを考え、最初に言い出して実行に移したのか考えた。よくそれだけの時間と皆の団結が得られたものだと感心した。おそらくその娘さんの父親を思う一途な気持ちが看護師さんたちの心に響いたからだと思うが、よくここまでできたとほとほと感心した。
2013.05.14
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学会場に向かう参加者達医学会なのにロボット?? 驚かれる方も多いと思われるが、今回の学会では春馬会長の破天荒な構想で高橋智隆さんのロボットの話が学会の特別講演1に組み込まれたのだ。ある時春馬さんがテレビを見ていて高橋さんが自分でロボットを組み立てるのをみて感動し、自分がいつか会長になったら高橋さんの特別講演を組み込むのだの夢を持つようになり、この度長年の夢を実現させたとのことである。高橋さんは京大工学部卒で、現在ロボ・ガレージ代表取締役、東大先端研特任准教授をしているが、ロボットを自分ひとりで木を削り色を塗って制作しているとのことである。この間10万円位で売り出したロボットの実演をしてくれたが、座ってといえば座るし、歌ってといえば歌うしすごい性能を持っていた。それをドライバー1本で各自で組み立てるのだがもうすでに10万台売れたという。ロボットというと掃除をさせるとか介護をさせるとか人間の手先として奴隷みたいな役割をするものとの認識をしている人がいるが、高橋さんはそれは違うと言っていた。友達として人間社会に加わってくるもので、テレビをつけてとか掃除をしてくれなどと頼む場合でも一方的にさせるのではなく、友達付き合いの中でしてもらう関係でないと長続きしないし、ロボットの進歩もないと言っていた。ロボット技術では日本は世界の最先端を走っている。あと15年もすると日本人ほとんどがロボットを持っている時代が来るだろうと予想していた。それにはロボットを奴隷と考えるのではなく友達と考える思考法が普及している必要があると述べていた。動画で見せてくれたが彼が手作りしたロボットを囲んで子供たちが色々話しかけて楽しそうに会話しているのをみて、彼の言う15年後のロボット共存社会は本当に来るかも知れないと思えた。
2013.05.13
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学会会場の京都国際会議場昨日と今日、目いっぱい学会に参加させていただき、すごく勉強になり感動しています。夜遅く帰ってきたので今晩はあまり詳しく書けないので何回かに分けて書かせて頂きます。まず最初は大腸カメラの実技セミナーに参加しました。大腸カメラは苦しいものとの固定観念を与えてしまっているほど大変な検査ですが「S状結腸を通過させるには決して押さないで右下を目指して右に回すだけで入っていくようにして下さい。押したら痛いですからそれは絶対ダメです」の指導は今度は身に入りました。今まで何度も本を読んだり講習会に出たりしていましたが、結局同じことを学んでいたのですが身についていませんでした。今度は午前中全ての時間を使っての講習でしたから絶対身についたと確信しました。その後、昼の弁当を食べなからセミナーを聞くランチョンセミナーに参加しました。安倍総理がその病気だということで俄然有名になった潰瘍性大腸炎についての講義でした。病気が治まっている時も薬は飲み続けないと再発するとのことで2000mgを朝夕に分けて飲むのが通常でしたが、それでは飲まない人が30%位出て、結局再発する人が出ている。それで試しに2000mgを1日1回投与にしたら飲み忘れる人もなく、面倒くさがる人もなく、殆どみなさんが飲んでくれて再発率も低いとの発表でした。薬は1日3回飲むものと3回に分けて処方されていた時代が長かったですが、何も3回飲まなくて1回でよく、1回の方が2回、3回に分けるより確実に飲んでくれる割合が高くなり、効果も大きいことが潰瘍性大腸炎でも示されたので、今私が外来で診察している患者さんも次回からは1回服用に切り替えようと思いました。
2013.05.12
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これから京都で行われる日本消化器内視鏡学会に参加してきます。今外来を終わったばかりで食事も食べていませんが汽車の時間に間に合うかと必死で急いでいます。日曜日に帰って来ます。
2013.05.10
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テッセン風疹が流行しているとのことで、外来に風疹ワクチン接種を希望して来る人が時々いる。風疹そのものの症状は大したことはないが、妊娠中の女性が風疹にかかると胎児に影響が出るとのことで関心が高まっている。まず風疹とはどういう病気か見ていきたい。ウイルスによって起こる病気で吐く息や咳などを通じて感染するが麻しんなどに比べて感染力は強くない。風疹ウイルスに感染後、14~21日の潜伏期間があり、発熱と同時に全身に赤色の細かな発疹が出る。発熱はたいてい37度程度のもので(まれに高熱になることもある)、発疹も発熱も通常は3日ほどで消える。 耳のうしろや首筋のリンパ節が、発疹が出る前の数日前から腫れるので、発疹とリンパ節の腫れがあった場合は風疹の可能性が高い。いずれにしても3日ほどで治ってしまうが、妊婦が感染すると50%位の確率で子供に何らかの影響がでると言われているので、注意が必要だ。妊娠してからは予防注射は受けられないので、妊娠する前に風疹ウイルスの抗体があるか確認してもらい、予防注射を受けておいた方がよい。抗体検査が面倒なら、抗体があるところに予防注射を打っても特別な害はないので、子供の時に予防注射を受けていない人もしくは受けたかどうか不明の人は予防注射を受けておいた方がよいと思われる。
2013.05.09
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庭のバラいまアメリカに行っている6歳の孫はすごいらしい。アメリカの新学期は9月なので9月から小学1年生の予定だが、飛び級の試験を受けていきなり2年生からスタートするかもしれないという。言葉がわからない東洋人の子が幼稚園のクラスに入ってきて1~2年の内に言葉を覚え今ではクラス内で先生役になって30分くらい赤と黄色を混ぜれば橙色、赤と白を混ぜればピンクなどの講義をしているという。自分は十何倍も年輪を食い経験も積んでいるのに外国語のところで未だにお話にならない。英語で講義をするどころか向こうの人達が話すのを聞き取れないし、質問されてもその意味が分からない。情けない。その孫と自分とは天と地の違いで全く関係ない間柄だと思える。でもよく考えてみたら彼女の遺伝子の4分の1は私からのものなのだ。馬の血統を見る時、その馬の親の能力以上に祖父母馬の能力の有無をみると聞いたことがあるが、人間の子供も4分の1ずつ祖父母から遺伝子を受け継いでいる。結婚する時は親を見て嫁に行けなどと言われるが、確かに婿さんは父親から50%、母親から50%の遺伝子を受け継いでいるので親は重要だが、祖父母も25%づつの遺伝子を提供しているので、重要になってくる。今回の孫の例では、孫が優秀なのは祖父である私の遺伝子4分の1が行っているからであろうか?違うと思う。祖父母は4人おり、各人が4分の1づつの遺伝子を提供している。4人の内どなたかが優秀だったのだと思う。少なくとも優秀さの遺伝子は私からではないと思う。4人の祖父母が4分の1ずつの遺伝子を提供するが、その祖父母一人一人にはさらに4分の1づつ提供している祖父母がいる。従って私らの世代を通過してもっと先の祖父母から受け継いでいる素質かもしれない。人間の能力は遺伝だけでは決まらなくて教育や努力によっても左右される。でも遺伝の影響もあるので自分の祖先についても時々は思いを致すことも有意義だと考える。(本稿の参考文献「親からのDNAで人生は決まるのか?」鳥影社)
2013.05.08
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クチナシの花姉と義兄が入院しているリハビリテーション病院にお見舞いに行ってきた。姉は左半身麻痺で左足が使えず、左手も棍棒のように曲がっている。でもリハビリの人が色々訓練をしてくれていた。義兄は嚥下障害や歩行障害があるが、訓練で少し歩けるようになってきたとのことである。エレベーターの中で理学療法士に「休日なのに大変ですね」と声をかけたら「患者さんは365日リハを必要としています。リハは1日も休むことはできないのです」と答えてくれた。そういえば私がお見舞いに行けるのは祝日、日曜、土曜の午後などで一般病院は休業日である。所がこのリハ病院では日曜も土曜も全く変わりなく、リハビリが行われていた。患者にしてみればありがたいことだが、彼らの休日はどうなっているのかと思った。恐らく代休などがあり、休みの日をずらして日曜も勤務しているのだと思うが、頭が下がった。私の病院にも理学療法士はいるが、言葉や手足が不自由な人達をじつにきめ細かく介助してくれていて心から感謝している。り・ハビリテーションとは機能回復の意味だが、簡単に機能は改善しない。悪化することもある。その中でしんぼう強く機能訓練してくれている理学療法士に心より感謝するものである。
2013.05.06
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家内が友人から分けてもらった枝を挿し木して育てた紅バラ母の命日は5月11日だがその日京都の学会に行っていて不在なので少し早いが、母のお墓参りに行ってきた。母には孝行らしいこともできなくて後悔しているが、それでいて自分の願いを叶えて下さいとお願いしてきた。帰ってきて長島、松井の国民栄誉賞の授与式を観た。安倍総理が彼らの輝かしい活躍と彼らが国民に与えた計り知れない影響力を讃えていたが、本当にそうだなと思った。松井が小学校3年の時父親が「努力することが才能である」と書いて息子に渡したら、彼はそれ以来ずっとそれを勉強部屋に貼って勉強したり、野球のすぶりをしていたとのことだった。松井は体力や運動神経など天賦のものもあったかもしれないが、あれだけ、ずば抜けた成績が残せたのは父親の教えに忠実に、ひたすらひたむきに努力を積み重ねてきた結果だったのだなと思った。長島はあまりに偉大で、有名なので、テレビで松井のようには紹介してくれなかったが、長島の華々しい活躍の姿は脳裏にくっきり写っている。彼も天賦の才能に恵まれていたが、あれだけの輝かしい成績が残せたのはたゆまない努力の結果だと思う。多くのアスリート達が、彼らを見習い、素晴らしい成績やパフォーマンスを示してくれることを願っている。
2013.05.05
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遂に富士山がユネスコによって世界文化遺産に推薦されることになった。喜ばしい限りだ。自然遺産として申請して何回か却下されたあと方針を変えて文化遺産として申請するようになってからも中々推薦されなかった。富士山はその美しさや高さから日本一の山であることに異存を唱える人はいないと思う。世界から見ても高さでは富士山より高い山はいっぱいあるが、このように整った形の山は他にない。世界遺産に絶対ふさわしいと思う。それなのにそれより劣る景観や建物がどんどん採用され、富士山は却下され続けてきた。それでもくじけないでずっと申請し続けてきた関係者の努力と忍耐に心より敬意を表したい。それにふさわしいと思っても、ずっと却下され続けるとやっぱり無価値だったのかと思ってしまうことがある。でも本当に価値があれば、いつかはこのように評価される時がくることが示され、同様な境遇にある人達への良い励みになったと思う。やはり富士山は我々の希望の山である。益々どっしりと輝いて頂きたいと願っている。写真は今朝2階のベランダから写したものである。今朝自宅から写した富士山本日はみどりの日で休日なので蓼科の聖光寺境内の千本桜を見に行ってきた。甲府はとっくに桜は咲き終わっているが、そこでは今日が満開で千本なのか何百本なのか分からないがすごく沢山の桜が咲いていた。甲府の桜より花びらが少し小さくて色も少し薄い感じだった。5月4日の蓼科の千本桜の開花その後ナマステに行ってインドカレーを食べて帰ってきた。ナマステは1時半の予約時間にきちんと入店着席したが、カレーが出てきたのは3時で1時間半待たされた。でも美味しかったので許されるかなと思った。
2013.05.04
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庭のアーチに絡まって咲いている蔓バラ先ほど病院の当直から帰ってきたところである。午前零時頃22歳女性が下血しているとのことで救急外来を受診した。小児麻痺か先天異常か分からないが生まれた時から言葉は喋れず歩行障害もあり、障害者として22年間生きてきた。本が読めたりテレビが観れる訳ではなく、何の楽しみがあるだろうか?と思った。おまけにてんかんや睡眠時無呼吸症候群があり、6年前から夜間は陽圧呼吸器をつけて寝ているという。それでも障害者施設でそれなりに暮らしていたが、昨日の昼頃からてんかん発作が止まらなくなり、夜間になってタール便が出ているとのことで当院を受診した。顔面蒼白、頻脈、血圧低下あり、消化管出血が疑われた。血がどこから出ているのか分からず、脈は早いし、血圧が下がっているし、かなり重症で万一のこともあるかも知れないと両親に告げたが、よく理解できないようだった。食事は全介助で父親が食べさせてきたとのことだが、その子にかける両親の愛着は並々ならないものだった。今度の入院でもずっと付き添いするという。「口も聞けない、食事も自分では食べられない、病気ばかりしていて手のかかる我が子、寿命が来てくれればご両親も楽になるだろうに」とふっと思ったが、それはさもしい私のような人間が考えることで両親は障害のある我が子をどこまでも大切に思い、再度元気にしてやりたい気持ちが溢れていた。今日から4日休みが続くが、自分も休み返上して毎日その子のために毎日病院に行く覚悟をした。でも母親が看護師に「この病院では休み中は胃カメラ検査などしてもらえないでしょうね」と言ったとのことなので、少しでも可能性のある病院で診てもらいたい気持ちが強いと判断して山梨大学第一内科(消化器内科)に電話してみた。てんかんとか認知症とかの合併症があり、大変だが、胃カメラ位はできるから送って下さいとのご返事を頂いた。おかげで私の連休が復活した。その代わり医大の先生方の肩にかかって行くことになった。ありがたかった。大学病院で患者さんを受け入れてくれた時にはほっとして心から感謝の気持が湧いてくる。今日から連休なのに重症で難しい患者さんを受け入れてくださり、本当にありがとうございました。
2013.05.03
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今から166年前の1847年に出版された英国の女流作家シャロッテ・ブロンテが書いた長編小説「ジェーン・エア」をやっと読み終えた。毎日少しづつしか読めなかったので随分長い期間がかかってしまったがようやく読了できてほっとしている。ジェーン・エアが生まれるとすぐ相次いで両親が亡くなり、孤児になった彼女は伯母に育てられるが、意地悪な伯母は実子と差別して事あるごとにいじめて惨めな幼少時代を過ごす。やがて孤児院の送られ、そこでしっかり勉強して孤児を教える教師にまでなり、期待されていたが、家庭教師になるべくその学校を退職してMrロチェスターの館で9歳の女の子の家庭教師として就職した。その子はMrロチェスターの知り合いの女性の子でその母親が死んでしまい彼が育てていた子である。その家の主人Mrロチェスターは精神障害者の奥さんがいたがその屋敷の3階に家政婦付きで隔離して結婚を隠していた。MRロチェスターは40歳、ジェーン・エアは19歳だが結婚を申し込まれ愛し合うようになり結婚することになったが結婚式の当日奥さんがいることがバレてショックのあまり彼女は着の身着のままでその館をこっそり抜け出し見も知らぬ遠いところに流れ着いて助けてもらった家で生活を始めた。その家は3人の兄妹で暮らしていたが、しばらくして奇遇にも彼らはジェーン・エアの従兄弟だったことがわかる。兄のSt ジョーンは牧師で教導師だが、ヒンズー語を学びインドに行く準備をしており、ジェーン・エアに結婚して一緒にインドに行こうと迫る。彼女はいとこ同士だし愛し合っていないからと断り続けるがSt ジョーンは執拗に迫る。そのような時Mrロチェスターが自分を呼ぶ声が聞こえたような気がしてさがしたがいなかった。でも彼に会いたい気持ちが高ぶり3日3晩馬車に乗ってMrロチェスターの館に来てみたら館は昨年秋に家事で燃えてしまい、狂人の奥さんは焼け死に、彼女を助けようとしたMrロチェスターは、左手を失い両目をやられて完全の盲目になってしまい別荘に引きこもっていた。そこに彼女は行ってMrロチェスターを見かけるがこちらからは見えているのに彼の方からは見えない言い知れぬ悲しみを感じた。やがてその彼と愛を確認し合って結婚するが、彼の手足となり、本を読んでやる彼の目となり、これほど緊密な夫婦関係は目の見える夫婦では得られない幸せだと感慨にふけっているところで終わった。孤児として言うに言われぬ苦しみの少女時代を過ごしたが、最後には幸せになれてよかったなと思うが、相手が狂人の奥さんがいることを隠していた人であり、目の見えない障害者だが、お互いが愛し合っていれば目が見える者同士の結婚より何倍も幸せであるとのことで、障害があるなしは幸せとは全く関係がなく、愛し合っているか否かが最も重要であることを教えられた。
2013.05.02
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胃がんは主に萎縮性胃炎の粘膜から発生するが、その萎縮性胃炎の原因として加齢やピロリ菌が挙げられている。原因はピロリ菌だけではないが大きな要因を占めるのでピロリ菌を退治(除菌)すれば萎縮性胃炎を予防し、胃がんの予防にもなるとして本年2月22日からピロリ菌陽性の慢性胃炎にも除菌に保険適応OKになった。ありがたいことで政治家に感謝したい。除菌すると胃がんになる率が3分の1に減ると言われているが60歳以上ならそれまでに既にピロリ菌が悪さをしていることがあり、半分位に減り、それ以上ではその効果はもっと下がると言われている。若い人では3分の1以上減るとのことである。従って除菌は完全ではないが副作用などの危険も少なく極めて有効な予防法と言える。子宮頚がんはパピローマウイルスの感染が引き金になると言われている。そのウイルスのワクチンを打てばパピローマウイルスの感染を予防できて子宮頸がんも予防できるとして税金で接種できるようになった。これも政治家が国会で決めたことだがこちらは極めて問題が多く、彼らは本当に国民や子女のことを思って決めたのか理解に苦しむ。そのワクチンで子宮頸がんを起こすとされるウイルスのタイプの感染を何10%か減らすことができるとしているがほとんど減らせるほどの数字ではない。そのウイルスに感染したとしても子宮頸がんにつながるのはほんの数%である。しかもそのワクチンで多くの重症副作用症例の報告がなされている。必ず子宮頸がんにならないという保証もない危険なワクチンを国がお金を出して奨励するのは大変危険で早急に再検討する必要があると考える。
2013.05.02
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