全31件 (31件中 1-31件目)
1
競争が激しい現在の市場環境ではどうしても「勝ち残るためには、他人を蹴落としてでも…」というような気持ちになりがちなのだが、ハーバード大学が75年間をかけ268人の男性を追跡しIQや飲酒の習慣だけでなく、家族との関係などあらゆる角度から研究した結果が公表されているというのだ。ハーバード大学の「どのような男性に将来性があって、仕事で成功するのか」という大規模でかつ長期におよぶ研究結果によると、「周囲の人と暖かな人間関係を築ける人」があらゆる意味で成功し、子供をそうするためには親が幼少期に子供としっかりとした関係を築いたり、スキンシップをしたりすることが重要ということで、赤ちゃんのうちからスキンシップをたくさんしておくことを推奨しているそうなのだ。 一般的には「頭が良ければ成功しそう」というイメージがあるのだが、このハーバード大学の研究によれば仕事での成功とIQはあまり関連がないようなのだ。具体的にはIQ110~115の男性の間とIQ150以上の男性を比較しても収入の差はほとんどないという結果が発表されているというのだ。しかし「暖かな人間関係を築けているか」という検証項目について高得点だった男性58人の年収は、平均して年間14万1千ドルと高く、強い相関関係があるという結果となっているというのだ。また「暖かな人間関係」を築けている男性はそうでない男性に比べ、専門的分野で成功を収めた人が約3倍もいたとのことなのだ。確かに成功も規模が大きくなればなるほど多くの人の協力を得る必要が出てくるのだ。 また年齢が上がるにつれて人的なパフォーマンスよりも、チームを率いて成果を出すマネジメント能力やリーダーシップが重視されるようになるので、多くの人が協力してくれる「暖かな人間関係」を築ける能力の方が、IQや個人的な能力の高さよりも重要度は増していくと考えられるそうなのだ。「パワー・オブ・タッチ」という本の記載事項でも、器の大きいひとほどIQが低くIQが高いひとほど器が小さいってデータがあるというのだ。実際にそれはあたっているそうでIQ150位あると結果まで一瞬で見通せるから会話もIQ低い人間と噛みあわず、時間の無駄とか面倒だとか思って省いてしまうことが多いというのだ。また合理性が強すぎて一般的にはせっかちに見えたりするというのだ。 ハーバード大学が75年間をかけ268人の男性を追跡しIQや飲酒の習慣だけでなく、家族との関係などあらゆる角度から研究した結果によると、幼少期の母親との関係と年収の相関関係について、幼少期に母親と暖かい関係を築けていた男性は、そうでない男性と比べなんと年収が平均8万7千ドルも高いそうなのだ。「対人関係の第一歩は母親との関係」と言うそうなのだが、子供の頃の母親との関係は大人になった時の人間関係や健康にも大きく影響し、それによって年収にも差が出るということがこの研究結果から示唆されている。さらに幼少期に母親との関係が乏しかった男性は、高齢になってから認知症にかかりやすいという傾向も報告されているそうなのだ。 乳児から幼少期のお子さんがいる女性は、お子さんの未来に大きく影響することを意識し、ぜひお子さんとのふれあいの時間を確保するべきだと言っている。男性は忙しいとどうしても子供とのふれあいは少なくなりがちですが、子供の将来にとって両親との関係は大きな影響を与えることから、なるべく時間を割き、子供と暖かなふれあいの機会を設けるべきだというのだ。子供が女の子の場合は父親との関係が恋愛に影響を与えるそうで、「愛情があって触れてくる男性とそうでない男性」の見分けがついて、子供が女の子の場合父親が乳幼児から愛情を持って触れていると、「愛情があって触れてくる男性とそうではない男性とを区別できるようになる」とのことなのだ。
2014年08月31日
コメント(0)
私の住んでいるマンションでもやっと大規模修繕が完了したのだが、経年劣化した建材や設備などを新築時の状態まで戻すのが「リフォーム」で、これに対して新たな設備を設けたり内装を一新したりすることで、新築時よりも機能やデザイン性を向上させるのが「リノベーション」と分類されるのだが、マンションの改修ではほとんど一般用語と化した「リノベーション」なのだ。そこでは「リノベーションに新規参入した建築設計者や施工者が、想定外のクレームを受ける例が増えている」という話を耳にしているのだが、特に改修工事などの経験が無い新築工事の担当者では何を言われているのかもわからずに進むことは多く、区分所有のマンションの住戸をリノベーションする際にトラブルに巻き込まれる例も報告されている。 特にマンションでの「リノベーション」には必ずと言っていいほど近隣住民から苦情が出て、近隣交渉が長引くことも多いとのことだった。「3日程度で工事が終わるかと思っていたら、2週間以上も続き、戸境壁を解体したり土間を広げたりすると知って驚いた」と、次々と苦情を言いに来るなど、マンションの住民側が「リノベーション」の意味を把握していないことが原因で、クレームにつながる例も多いというのだ。ストック活用が重要視され国は中古住宅の流通促進に取り組んでおり、これまで新築住宅の設計しか手掛けていなかった建築設計者や施工者が、マンションの大規模改修等に関わる機会も増えるだろうが、その際は「リノベーション」ならではの設計・施工前の留意点を確認しておく必要があるというのだ。 マンション住戸の「リノベーション」では管理規約に即した設計や工事でないと管理組合に認められないことから、規約を細部までチェックするのは当然のことなのだ。私のマンションでも施工会社に管理規約だけでなく、管理規約以外の別紙や契約書の欄外までチェックして施工計画書を提出してもらったのだ。マンション住戸の「リノベーション」で特に発注者からの要望が多いのが床をカーペットからフローリングに変更する工事なのだが、階下への騒音や振動を恐れてフローリングへの変更を禁止しているマンションは多いのだ。私の住んでいるマンションは管理規約で「フローリング禁止」をうたっているのだが、管理規約に「フローリング禁止」という条項がないからといって安心できないというのだ。 フローリングへの変更を含め規約に即した内容の設計と工事内容を管理組合に報告すると、「フローリングへの変更は管理規約の別紙で禁止している」といった指摘をされることがあるというのだ。何度か同様の経験を踏んだので管理規約以外の規定まで確認し、「フローリング禁止ではない」と確信していたら、実は購入時の契約書の欄外に「フローリング禁止」という注記が書かれていたケースもあったそうだ。もっと対応に苦慮するのが管理規約で「躯体への穴開けや打ち込みは一切禁止」とされているケースだというのだが、リノベーション会社の役員は「躯体への打ち込みなどが禁じられると、壁下地や天井下地などを変更するといった大掛かりな間取り変更などがやりにくくなる」と嘆いているのだ。 通常的な工法だからと言う理由でアンカーなどを打ち込み、鉄筋などを切断してしまうケースも多いのだと思うのだが、戸境壁への釘打ちができないという原則は、そう記載しないとエスカレートした改造があるからだと思うのだ。いずれにしても改修工事の内容は共用部に触れてしまうことがある場合、管理組合の承認を義務づけることが現実的だと思っている。それと「リノベーション」を施工する建設会社が構造的な安全を保証するのであれば別の話で、事前のレントゲンでの確認や構造体の強度確認を行って、打ち込みするものの適切な施工管理などを行えば特段の問題になることは無いと思っているのだ。単に人気が下がるなどの理由で条項を外すと言うのは危険な行為だということのようなのだ。
2014年08月30日
コメント(0)
広島豪雨災害は発生から1週間以上が過ぎ犠牲者は70人を超えたそうなのだが、被災地ではいまも6万世帯の15万人を対象に避難勧告・指示が出ており、ライフラインも復旧しきっていないというのだ。ピーク時6900戸が停電した安佐南区・安佐北区ではなお250戸で停電が続いているし、安佐南区を中心に219戸が断水中だというのだ。そして被災地近くを通るJR可部線の可部―緑井間は運転を見合わせたままだ。広島県は今後も土石流が発生する恐れがあるとして、上流に土砂が崩れた現場には捜索活動などでの2次災害を防ぐため、ワイヤを張って土塊の移動量や土石流の発生をサイレンで知らせるセンサーの運用を順次始め、崩れた土砂の状態を監視しているというのだ。 今回の土石流災害では土石流の発生から遅れたとは言え避難勧告・指示が発令され、安佐南区と安佐北区で6万3千世帯の約15万人が対象となっており、そして1282人が避難所に身を寄せ親戚や知人の家に避難している人もいるのだ。災害から1週間以上がたち住民たちの疲労も限界に近づいているわけなのだが、広島県や広島市がその被災者を対象に半年間無償で貸し出す公営住宅入居の抽選会が行われ、157戸に対して284世帯が申し込んだそうなのだ。避難勧告を出した場合には避難所を設ける必要があって、広島市では12カ所を開設しているというのだが、避難生活が長引けば職員の人件費や食事の費用もかさむわけなのだが広島市は避難解除には慎重に見極める構えだ。 「もう少し時間をいただきたい」広島市の松井一実市長は、避難勧告・指示が長引く可能性を記者会見で示唆したそうなのだが、雨量などを基にした発令基準と比べ解除の基準はあいまいで、いったん解除して二次災害が起きれば行政の責任を問われかねないのだ。災害対策基本法によると発令と解除を判断するのは市町村長だということなのだが、松井広島市長は少しでも危険性があれば避難勧告を出すべきだという議論のなか、「解除は容易ではない」と慎重な姿勢をみせている。内閣府のガイドライン案も気象庁などが出す土砂災害警戒情報の解除を基本とし「慎重に判断を行う必要がある」との表現にとどめているのだが、今回の警戒情報は被災日当日に解除されているのだ。 広島市の水防計画は「現地の状況や今後の気象予報などを勘案し、避難の必要がなくなったと認められる時に解除する」と定めるだけで、基準を具体的に示せない理由について内閣府の担当者は「解除後にゲリラ豪雨などで災害が起きた場合に責任が生じる懸念がある」との見方を示している。82人が死亡した3年前の紀伊半島豪雨では、奈良県十津川村が全村に避難勧告を出したのだが、一部では避難指示の解除までに1年半かかり、避難住民はその間仮設住宅で生活したというのだ。この時は地滑り対策の補修工事を終えた時点で安全と判断したというのだが、避難生活が長引けば生活再建が遅れるだけでなく、避難した住宅への空き巣の被害も心配しなくてはならないのだ。 広島市で起きた土砂災害の発生直後から災害が起きた原因や今後の対策などについて、現地調査を行っている研究者で作る調査団が会見を開き、「山を切り開いた宅地開発の在り方について再検討していく余地がある」という考えを示しましたというのだ。この調査団は広島市で起きた土砂災害の原因や被害状況などを検証することで、今後の都市計画について提言しようと土木学会と地盤工学会に所属する研究者が緊急に設置したもので、災害が起きた翌日から現地調査を始めているというのだ。今回の被災地は昭和40年代にベッドタウンとして大規模な宅地開発が急速に進んできたとしたうえで、「山と平野部が押し迫ったところでの宅地開発については再検討する余地がある」という考えを示したそうなのだ。
2014年08月29日
コメント(0)
夏の日といえば仕事が終わって冷たいビールをゴクッと一杯やって、のどを潤すのが私の日課なのだが私は酒が大好きでけっこう飲む方だと思っていることもあって、この季節のビールはたまらないのだ。酒を飲むと言ったら事務所等での「飲みニケーション」となるのだが、一般的に行われている人間同士でのコミュニケーションの形式の一つで、酒を飲むとコミュニケーションの合成語だというのだ。非公式コミュニケーションに詳しい北陸先端科学技術大学院大学の教授の西本一志氏は、「人間は普段、1.5人分ぐらいの考え方ができますが、潜在的には4.5~5人分の考え方が眠っています。飲酒はその『タガ』を外してコミュニケーションを活発にし、はじけたアイデアを生む可能性を秘めています」と言うのだ。 飲みニケーションは主に会社員などの人間同士での間において行われている事柄で、会社等の多くの集まりの場において集っている人間が互いに距離を置いていたり、打ち解けることができていなかったりした場合には、共に居酒屋などといった場に出向き酒を飲むことで、酔った勢いで互いが馴れ合ったり親密な会話ができるようになったりするということを目的として行われているのだ。多くの企業での中には飲みニケーションを行うということを奨励しており、これを行うための手当を支給したり補助を行なったりしているというところも存在するのだ。一方で「飲みニケーション」の場で部下に説教をしたり、行きたくないと思う者を強制的に参加させたりするということがパワハラであるなどと否定的な見方も存在するというのだ。 純粋にプライベートで楽しむ酒は何も問題ないのだが、ビジネス上の酒宴や接待であるいわゆる飲みにケーションは、ベンチャー企業の経営者にとってけっこう重大なテーマとなるようなのだ。昔ほどではないのだが酒宴の席で契約が決まることが少なくないようで、お酒を媒介に打ち解けて相互理解が深まり信頼が増していく。ビジネスの世界にはこうした文化が根付いているのだとつくづく実感する場面も多いそうなのだ。私の所属している建設業界では契約に至るまでに酒宴が催されるケースが多く残っており、まず信頼関係の構築から出発しないと取引にならず、円滑な人間関係を築く潤滑油としての酒宴の効能は否定できなくて、酒宴の回数が多くなる傾向にあるように思えるのだ。 日本の会社で当たり前に存在する飲み会や花見といった日本独特の会社文化は、なぜ日本社会に存在しているかというと、非公式コミュニケーションに詳しい北陸先端科学技術大学院大学の教授の西本一志氏は「必要だから残っている」と断言している。また「日本人は古来より和を大切にする国民性です。昔から社長さんは社員を『家族』と考え社員同士みんな仲良く、家族のようなあたたかい関係を築こうとしてきました。昔から日本人はお酒を飲んで騒ぐのが大好きな国民なので、『お酒を利用しながら良いコミュニケーションを取ってみんなで仲良くしよう』というのが、飲み会文化が生まれた基本的な考え方です」といっており、職場でみんな仲良くしましょうというのは延々と続く日本の文化のようなのだ。 では残業はどういった文化なのかというと、日本では自分の残業だけではなく「上司が帰るまで帰れない。よって残業せざるを得ない」という話もよく聞くのだが、「これもみんながいるから自分もいる」という日本人独特の横並び意識だというのだ。日本人にとって会社は家族であり共同体であるので一人だけ抜けるというのは難しく、いくら法律でサービス残業を禁止にしても一向に残業が減らないのはこういった背景があるからだということのようなのだ。日本企業の家族意識が残業にまで及んでいると言うことのようなのだが、好き嫌いは別として残業や飲み会が日本の社会に必要なために今でも残っているのだとしたら、このシステムから逃れることは出来ないということのようなのだ。
2014年08月28日
コメント(0)
今の若者を過酷な労働を昇給で引きとめようとするのは時代錯誤だといわれているのだが、私の所属している建設業ではゼネコンと呼ばれる超大手でも、若い者がどんどん辞めていくといわれているのだ。建設会社や建設コンサルタント会社に勤務する人の年収が、これまでの減少傾向から昨年度は増加傾向に転じたことが分かったそうなのだが、ただし残業時間も増加傾向にあるというのだ。一方で発注機関といわれる役所に勤める公務員等は、年収・残業ともに減少傾向だったそうなのだ。昨年度の年収について前年度との比較を尋ねたところ、建設コンサルタント会社に勤務する人の30%が「増えた」と回答し、「減った」と回答した人の割合を21ポイント上回ったそうなのだ。 建設会社に勤務する人も「増えた」が「減った」より15ポイント多い28%だったことから、建設産業内では発注者である公務員以外は、賃金上昇への変化が見て取れるそうなのだ。年収の増減を勤務先の規模別に見ると増えた人の割合は規模が大きくなるほど高くなっており、賃金の改善が大手から始まっていることが分かるそうなのだ。建設業の賃金改善の傾向は今年度も続きそうで、帝国データバンクが発表した「企業の賃金動向に関する意識調査」によると、建設業で「今年度に賃上げを見込んでいる」と答えた企業の割合は約5割で、全業種で最も多かったそうなのだ。残業時間に関しては発注機関に勤務する人が減少傾向で、建設コンサルタント会社や建設会社の社員は増加傾向となっているようなのだ。 前年度からの増減を尋ねたところ発注機関に勤務する人は24%が「減った」と回答し、「増えた」の10%を大きく上回った。前回調査では「増えた」と回答した人が「減った」を10ポイント上回っており状況が一変しているようなのだ。建設コンサルタント会社は「増えた」が「減った」を9ポイント増加し、建設会社は「増えた」が「減った」を7ポイント上回った。この傾向は前回調査もほぼ同様で長時間労働の常態化を物語っているというのだ。残業や長時間労働が増える理由について業務量の増加や人手不足を挙げる声が多く、「人材不足と急激な業務量の増加で『ノー残業デー』や『20時以降の残業禁止』といった社内ルールを守れない」といった意見が多く寄せられているそうなのだ。 このほか「書類作成業務の多さが残業を余儀なくさせる」とか、「評定点向上のために労力をかけると労働時間が長くなる」や、「特定時期に入札が集中すると、応募書類作成のため、ほぼ毎日残業となってしまう」など、評定点制度や発注時期の偏りの問題を指摘する意見も数多くあったそうなのだ。さらにこうした厳しい労働環境が建設業のイメージ悪化や人材の流出につながり、さらなる人手不足に残業増加を招いていると嘆く回答者も複数あったというのだ。転職に関する意識調査の転職希望者のうち、発注機関や建設コンサルタント会社に勤務する人は同業への転職を希望する傾向が強いのに対し、建設会社に勤務する人の中には建設業界から抜け出したいと考えている人が比較的多いことが分かったそうなのだ。 転職の意思がある人が最も多かったのは建設コンサルタント会社で、35%が「転職したい」または「機会があれば転職したい」と回答しており、建設会社に勤務する人では26%が転職の意思を示したそうなのだ。発注機関に勤める人の転職希望は少なく「転職したいとは思わない」が85%を占めたそうで、やっぱり公務員は楽だということのようなのだ。転職を考えている人を対象に希望する転職先を尋ねたところ、建設コンサルタント会社に勤務する人は同業の「建設コンサルタント会社」が27%で最多で、次いで多かったのが「建設関係以外」で24%だった。 建設コンサルタント会社から自治体などへの人材流出が問題視されることが多いが、希望先として「公務員」を挙げた人は10%とそれほど多くはなかったそうなのだ。
2014年08月27日
コメント(0)
昨年度の実質成長率は大盤振る舞いの追加財政や消費税の駆け込み需要の影響もあって2.3%にもなっていたそうなのだが、その結果私の所属いている建設業だけでなく、多くの業種で急に人手や設備が足りないということになったというのだ。過去20年の景気回復のパターンを振り返ると輸出が伸びると生産が増え、家計所得が向上して消費も回復する。そして企業の業績も回復し設備投資も増えるというものだった。しかし今回はこの回復パターンの起点になるはずの輸出が伸びておらず、原因として総需要不足だけではなく供給能力も低下していたというのだ。つまり潜在成長率が0.3%しかないのにその8倍も成長したものだから、人手不足などが一気に顕在化したというのだ。 これまでであれば世界の景気が回復すれば日本では、電機・情報技術の分野で景気が回復していたというのだが今回はそうなっておらず、その原因は部材の生産も半導体を作らなくなったことで減少おり、電機関係ではデフレの影響下で過剰なストックを国内で積み上げてしまった反省から、国内の生産能力を大幅に減らしているからだというのだ。例えば薄型テレビの生産能力はリーマンショックを経て大きく減っており、「ガラケー」と呼ばれる日本独自の携帯電話の国内生産もスマートフォンの登場でほとんどなくなっているというのだ。北米では日本車が売れているのに輸出が伸びないのは、日産自動車やホンダがメキシコに工場を作るなどしたことから、国内生産が落ちているからだというのだ。 部品についても中南米から買う割合が高まっており、これは東日本大震災後、国内のサプライチェーンが分断されて生産に影響が及んだことから、部品の生産拠点を分散しようという動きが加速したというのだ。その結果日本での生産は増やさず海外生産を増やすという流れになったそうで、一時的に円安になっても生産を増強しようという機運は高まらないというのだ。 そもそも海外に生産を移転するのは国内で安価な労働力を調達できなくなったからで、マクロ的に見ればモノの生産からサービスへと労働力が移動しているのに、このマクロ的な流れを一時的な円安で変えるのは難しく、賃上げで名目所得は増えているのに円安でインフレになっていることから、実質所得は昨年後半から減っていつそうなのだ。 昨年後半から消費増税の駆け込み需要で電気製品のような耐久財の消費が伸びる一方で、食品や衣料といった非耐久財の消費は弱かったとされているのだが、非耐久財の消費が弱かったのは円安で実質購買力が減っていたからなのだ。しかし耐久財の駆け込み需要があって全体として見ればそれが目立たなかったのだが、実際には消費税増税の駆け込みも反動減も前回の消費増税の時よりも大きかったといわれているのだ。今は円安でも輸出が伸びないうえに実質所得も減っていることから、物価高ということで円安のデメリットが目立っていつのだ。今の日本経済には円安よりも円高の方がメリットは大きく、実質所得が減っているのは消費増税の影響だけではないというのだ。 民間で設備投資計画の見直しが相次いでいるといわれているが、小売企業が人手不足や資材の高騰によって出店計画を下方修正していることなどはその典型で、この一因は政府の公共投資が人手不足に拍車をかけていることにあるというのだ。政府の公共投資が労働力を抱え込んでしまっており、政府がやるべきことはむしろ公共投資を抑制して抱えていた労働力を民間に解放し民間投資を促進するべきだという意見もあるのだ。名目賃金は上がったとしても実質賃金は下落して、まさに景気悪化とインフレが同時に進行するスタグフレーションの状況になっているということなのだが、資本ストックの原資となる国民純貯蓄なんとかしなくては潜在成長率が上がらないということのようなのだ。
2014年08月26日
コメント(0)
国土交通省は建設業の女性技術者・技能者を5年以内に倍増させることを目標に、この夏までにアクションプランを作成するというのだ。国土交通省では全国で初めての取り組みとして女性や若手技術者が建設業に入職しやすい環境を整備するのが目的に、週休2日が確実に取れる工事や子育てしやすい環境を整えた工事を試行するそうなのだ。試行の一つとして毎週土曜と日曜の2日間は原則として工事を止め、週休2日を確実に取得できるようにする「週休2日・工程調整綿密対応工事」を実施するというのだ。この試行工事では元請けの社員だけでなく下請けの社員も週休2日とする方針なのだが、具体的には入札段階において週休2日で施工することを明示するというのだ。 契約時に週休2日を前提とした施工計画を確認し、施工に着手した後は情報共有システムを利用して発注者と施工者が施工状況の情報を常時共有するというのだ。天候や地域住民への対応などで土日に仕事をする必要が生じた場合には、振替休日を設定し平日に工事を止めるというくらい徹底するそうなのだ。施工に問題が発生した場合は週休2日の確保に影響が生じないように両者で工程を綿密に調整することまで決めているというのだ。建設業の女性技術者・技能者を5年以内に倍増させることのもう一つの試行は、「子育てしやすい職場環境対応工事」で子供を持つ技術者が子育てしやすいように、発注者が工事現場の環境づくりを支援する工事なのだ。 これは元請けの技術者を対象に家事や育児などで現場を離れる場合に、仕事を引き継ぐ元請けの別の技術者を「現場補助員」として配置できるようにするものなのだが、現場補助員を配置した場合は発注者への報告が必要というのだ。そして配置した実態が確認されれば発注者がその実費を負担することにしており、さらに子育て支援に必要な施設・設備などは協議のうえで実費を設計書内で計上できるようにするというのだ。例えば仕事を早退して子供の学校での三者面談などに出席する女性技術者が、更衣室やシャワー室を必要とするケースが協議で認められた場合は、発注者が実費を負担するころになるというのだが、これらの工事も今年度に5件程度に採用するそうなのだ。 ただし子供のいる技術者の配置を入札の参加要件にはしていないことから、試行工事であってもこれらの対応が必要ない可能性もあるというのだ。他には若年者の雇用対策として体育会系学生の新卒採用に注力する方法も考えられており、入社後も社内外のスポーツチームで競技を続けられるように、活動費や休暇取得を支援する「アスリート採用」を進めるというのだ。東日本大震災を契機に土木系学科への入学志願者が増えており、若者からの人気低迷が懸念されていた「土木」だが、ここにきて大学関係者からそうした声が聞かれるようになったそうなのだ。首都圏の大学ではここ数年は志願者数が増加傾向にあり、昨年度は4割近く増えた大学もあったというのだ。 ところが土木工学を学んだ学生が志望する就職分野は変わってきているそうで、各大学に共通しているのが「公務員」人気の高まりだというのだ。ある大学の土木系学科で主任を務める教授は、学生たちの就職に対する意識について、「新入生にアンケートすると、全体の8割以上が公務員を志望したのには驚かされた」と話しておりというのだ。私は行政技術職の仕事は面白いとは思わないのだが、土木をはじめ建設関係の学科を今春卒業した学生たちの就職先を業種別に見ると、公務員が3割超と一番多くほぼ同数で建設業が続くそうなのだ。以前は建設業と建設コンサルタントが全体の3分の2を占め、公務員は6分の1ほどだったが、ここ数年は公務員の割合が高くなっているというのだ。
2014年08月25日
コメント(0)
私も事務所では何人もの部下を持つ身なのだが、目指すべきは部下一人ひとりが自ら課題を発見して積極的にチャレンジし、勝手にぐんぐん成長していく「ポジティブサイクル」と言われている状態なのだ。上司の役割はこの「ポジティブサイクル」を生むための環境づくりだそうで、多くの企業で研修を行っているそうなのだが、これらの研修でよく出る質問の1つは「部下が自分から動かない。どうしたらよいでしょうか」というものだといわれている。私の所属している建設業でも競争の激化や現場が抱える問題が複雑化したことで、チームの総合力がますます問われる時代になってきたことから、現場であれこれ手を打っている監督も沢山いるのだが、中には何も考えずに現場を回そうとしている監督もいるのだ。 管理職の研修でも「部下の課題意識を刺激し、自ら成長しようとする意識を育てよう」とする際に個々の部下がやるべき仕事や役割・期待について、上司と部下の間で共有し合うことはもちろんのことメンバー同士の関係性をケアし、チーム力を育てる視点も忘れてはならないとされているそうなのだ。管理者による主体的な働きかけがないのに部下が変わることはなく、真剣に悩みあれこれ手を打っている管理者も沢山いるが、中には「念力や超能力」に頼っている方もいるそうで、部下一人ひとりのキャラクターや強みに合った仕事を与えて成長を促そうという気持ちは残念ながら見えてこず、自分では何もせず遠くから部下を眺めながらため息をついてばかりの管理者たちがいることも事実なのだ。 部下の悪口を誰かに言っていたりため息をついたりする暇があるのなら、自ら動いてもっと部下とコミュニケーションをとることが大切だそうなのだ。エスパーでない限り「念力や超能力」で部下は動かせないし、前向きな人材は前向きな環境でつくられるというのだ。部下の発言に対してはオープンな気持ちで聞く姿勢を意識して、できるだけ否定的な言葉を使わないようにすることも必要だというのだ。たとえ意見が違うとしても「ダメだ、ダメだ」とか「ありえないよ」など否定反応をすると、部下は萎縮し話は発展しないし、次にまた意見をしようというチャレンジ精神を失せてしまいそうなのだ。最も重要な要素であり部下に強く影響を与えるのは「人格」で、手本として示すべきなのは「仕事の能力」だけではないということなのだ。 会社員は「そこにいること自体が仕事」なんだということも認識することも必要で、部下を批判し文句を言うだけでは問題の責任を自分以外の何かに押しつけているだけで、状況は何一つ好転しないのだ。ただ自分自身の責任として引き受けて、前向きに解決策を見出そうとすれば必ず状況は変わってくというのだ。何より管理職が前向きな姿を示すことは「どんな状況でも解決策を見出す」という格好のお手本になるというのだ。結果的にチームのパフォーマンスも向上するし、目の前の仕事の中から面白さを見いだせるようになるまでには、量の蓄積と時間による熟成の両方が必要で、大事なのは管理職自身が常に自分自身を高めようとする向上心を示すことだのようなのだ。 作業の数をこなしていくと仕事の中に自分が「面白い」と思えるポイントが見えてくる。すると仕事に対する意欲がわき創意工夫できるようになるそうなのだ。仕事に追われるままだといつまでたってもレビューの習慣は定着しないことから、プロジェクトが終わるごとにできればチーム全員で集まる機会を設けてメンバー同士で一緒にプロセスを振り返るようにすることもひつようだそうなのだ。変わろうとする意識を見せることは重要で、実際にはなかなかすぐに実践できなかったとしても、「よし、今までできていなかったことを明日から始めるぞ」と宣言するだけでも部下にはいい影響を及ぼすというのだ。たとえ不完全であっても自分自身を成長させようという気持ちが伝われば部下はついてくるものなのだ。
2014年08月24日
コメント(0)
「特定秘密の保護に関する法律」いわゆる秘密保護法とは、漏えいすると国の安全保障に著しい支障を与えるとされる情報を「特定秘密」に指定し、それを取り扱う人を調査・管理してそれを外部に知らせたり外部から知ろうとしたりする人などを処罰することによって、「特定秘密」を守ろうとするものなのだ。「特定秘密」の対象になる情報は政府が言うには「防衛」・「外交」・「特定有害活動の防止」・「テロリズムの防止」に関する情報だというのだが、これはとても範囲が広くて曖昧で、どんな情報でもどれかに該当してしまうおそれがありそうなのだ。「特定秘密」を指定するのはその情報を管理している行政機関ですから、その気になれば何でも「特定秘密」になってしまうということは決して大袈裟ではないのだ。 行政機関が国民に知られたくない情報を「特定秘密」に指定して、国民の目から隠してしまえるということも可能なのだが、秘密保護法には「特定秘密」を取り扱う人を調査し、管理する「適性評価制度」というものが規定されていることも問題なのだ。調査項目はローンなどの返済状況だけでなく精神疾患などでの通院歴等、プライバシーに関する事項を含め多岐にわたっており、対象も秘密を取り扱う人というのは国家公務員だけではなく、一部の地方公務員や政府と契約関係にある民間事業者で働く人も含まれているというのだ。その上これらの本人だけではなくて家族や同居人にも調査が及ぶこととなり、広い範囲の人の個人情報が収集・管理されることになるというのだ。 しかもこの批判の多い特定秘密保護法は、初めて作られた原案に関する政府内の協議で、情報漏えい事件が少ないことなどが理由で、「法の必要性である立法事実が弱い」と内閣法制局に指摘されていたことが分かったというのだ。成立当時から特定秘密保護法には「立法事実がない」と法律家から批判されているのだが、政府内にも同様の異論があったことになるというのだ。この立法事実とは法律を作ったり改正したりする際にその必要性を根拠づける事実のことで、法律が憲法に違反していないかどうかを裁判所が審査する際、その有無が判断基準の一つになるというのだ。これは大手新聞社が特定秘密保護法案の作成過程を探ろうと情報公開請求した文章で分かったというのだ。 特定秘密保護法は民主党政権下で実質的な法案作りが始まったのだが、きっかけは尖閣諸島沖で海上保安庁の巡視船が中国漁船に衝突された事件の録画映像が、自衛官からネットに流出したことからなのだ。素案を作って防衛・外務・警察庁など関係省庁に提示して意見を求め、各省庁からの要求を取り入れたり断ったりしながら条文を調整する一方、月に1~3回程度のペースで内閣法制局に素案や資料を持ち込み、憲法や既存の法律との整合などについて指導や助言を受けて修正したというのだ。政府から開示された文書で確認できるだけでも法制局との協議は40回以上行われており、その協議は課長級の中堅官僚である参事官が主に担ったそうなのだ。 情報公開請求し開示された約4万枚の公文書では、法案の内容について政府内部でも議論があったことが記録され官僚たちの「ホンネ」も透けて見えるというのだが、国民の基本的人権を侵害しないよう戒める規定のことである「訓示的規定」について、法の危うさを政府自身が認識し批判をかわすために、「訓示的規定」を法案の素案に入れていたというのだ。「いずれ特定秘密だらけになり、国民の知らない間にあらゆる物事が決まる社会になってしまう」と主張に対して、「知る権利や報道の自由への配慮」や「第三者機関の設置を検討」という文言うぃ述べてはいるが、有識者は「典型的霞ヶ関用語。本気でやるなら『義務』と書く。官僚たちは始めからそんな気はない」と批判している。
2014年08月23日
コメント(0)
土砂崩れが発生し大きな人的被害の出ている広島市北部の現場付近では、わずか3時間で平年の1カ月分を大きく上回る雨が降ったそうなのだが、広島地方気象台は同じ場所で次々と積乱雲が発生し、豪雨が集中する「バックビルディング現象」が起きた可能性が高いとみているそうなのだ。気象庁などによると湿った空気が入り込んで積乱雲が作られ、同じ方向に風が吹いて次々と直線上に並ぶと局所的な豪雨をもたらすとしており、風上の積乱雲が建ち並ぶビルのように見えることから、「バックビルディング現象」と呼ぶそうなのだ。広島工業大の田中健路准教授は「バックビルディングに間違いないだろう。前線に湿った空気が流れ込み、次々と積乱雲が生まれたのではないか」と分析している。 バックビルディング現象は風上側の同じ場所で次々と積乱雲が発生して風に流され、ビルの背後に別のビルが立つように積乱雲が1列に並ぶことからこう呼ばれるのだが、積乱雲は雨を降らせると消えるがこの現象が発生すると風下で雨が降り続けるのが特徴だというのだ。平成24年の九州北部豪雨や昨夏に山口・島根両県で発生した豪雨の原因とされ、湿った空気が同じ場所でぶつかり合う状態が続けば日本全国のどこでも起こり得るというのだ。広島地方気象台によると今年の8月は台風12号と11号の影響などで雨の日が多く地盤が緩くなっていたというのだが、安佐北区では19日の午前11時から20日の午前8時までに243ミリを記録し、4時すぎには1時間あたり99・5ミリの猛烈な雨を観測していたのだ。 気象情報会社ウェザーニューズは「バックビルディング現象で、同じ地点に相当量の雨が降った」とみているのだが、前線に向かって南西からの湿った空気と南からの湿った空気が九州・四国間の豊後水道でぶつかり、広島方面で活発な雨雲が発生したというのだ。広島地方気象台では「これほどの雨量は想定できなかった。現在の技術ではバックビルディングが起きる場所や時間を予測するのは困難だ」としているが、広島市の安佐南区や安佐北区を襲った局地的な豪雨は、暖かく湿った空気が流入し積乱雲が連続的に発達する「バックビルディング」と呼ばれる現象が原因と分析している。また現場周辺は広島型花崗岩が風化してできた「マサ土」と呼ばれる地質が広がっているのだ。 広島型花崗岩が風化してできた「マサ土」と呼ばれる地質は水分を多く含むと強度が一気に落ちる特徴があり、岩手大の井良沢道也教授は「広島市に広がるマサ土は、砂に近い地質で水を含みやすい」と指摘する。広島市では3年前の6月にも多数の死者を出した土砂災害が発生しており、土砂災害防止法制定の契機となった。井良沢教授は「8月に降り続いた雨の影響で地中に水分が多く含まれていたところに急激に大量な雨が降ったため、一瞬で崩壊したのでは」と分析している。広島市の土砂災害で広島市役所の金山健三危機管理部長は、「避難勧告を出すのが遅かった」と話し市役所をはじめ行政の対応が不適切だったことを明らかにしたというのだ。金山健三危機管理部長は「今まで経験したことがない急激な雨量と、同時多発の土砂災害が発生していることを考えていなかった」と話したそうなのだ。 土砂災害があった広島市安佐南区では広島市役所も、河川氾濫の恐れを知らせる防災情報メールや防災無線で注意喚起していたが、避難勧告が出たのは土石流が始まっていた午前4時半だったというのだ。広島市が開設した避難所には約450世帯の1000人以上が避難しているそうなのだが、体育館や公民館で毛布や弁当を受け取り畳の上に横たわるなどして不安な日々を送っているそうなのだ。ここの件で広島市役所の金山健三危機管理部長によると、市役所安佐南区等の土砂災害の危険性がある地域だと認識していたが、「効果のある避難勧告を出せなかった」と反省の弁をのべていたのだ。
2014年08月22日
コメント(0)
国土交通省の「国土のグランドデザイン」によれば、2050年には現時点で人が住んでいる地点の63%で人口が半分以下に減るという結果が出ているそうなのだ。少子化が進み高齢者が亡くなると人口そのものが減る地域が拡大し、人が減れば地元経済も衰退し働き口をなくした若者が大都会に流出する悪循環に陥るのだ。新藤義孝総務相は閣議後会見で「極めてショッキングな数字だ」と感想を述べたというのだが、その上で「人口そのものが減る地域が拡大していく問題の根本である出生率を改善しなければならない」と述べ、少子化・子育て支援などの政策を充実していく考えを強調し、「消滅」の危機にさらされている地方を立て直すため政府が本腰を入れ始めると語ったそうなのだ。 新藤義孝総務相は「過疎地で新しい取り組みがあれば、転居してくる人が出てくる。自治体を形成できる活力が維持できるかは、まだ努力の余地がある」と指摘して、情報通信技術などを活用した地域活性化の成功事例を増やしていくことに意欲を示したというのだ。また安倍首相を本部長とする「まち・ひと・しごと創生本部」を9月にも発足させ、秋の臨時国会に地域支援のための関連法案を提出する方針だというのだ。少子化や人口減少をただちに止める秘策はないとされていることから、人口の将来推計を見る限りすべての地域が「消滅」の危機から脱することは難しく、いまだに地方の立て直しというと「地域経済の活性化には大型公共工事の増額しかない」といった旧来型の対策を求める声がなくならない。 総務省は20万人以上の「地方中枢拠点都市」を軸に周辺自治体が協約を結び連携する構想を描いており、国土交通省も複数の都市を鉄道や高速道路で結ぶ「高次地方都市連合」構想を持っているそうなのだ。国土交通省は過疎集落にも目を向け歩ける範囲に商店や診療所を集める「小さな拠点」も提唱しているのだ。これらに共通するのは地方が生き延びるには、ある程度の都市規模が必要との視点である。いま問われているのは一時的な景気浮揚策ではなく人口減少や高齢化に耐え得る社会への作り替えで、具体的方策としては拠点となる都市を定め人口集積を図ることで、政府は「国土の均衡ある発展」といった幻想を振りまくことをやめて何十年も先の社会を見越しての対応を取る必要があるというのだ。 しかしこうした一部の自治体に人口を集める構想には、人口を送り出す周辺自治体の抵抗が強く「切り捨て」にされるとの警戒なのだ。地方の存続には若者をつなぎとめ大都市に出た若者を呼び戻すことが必要なのだが、美しい景観や伝統・文化の掘り起こしなど街の魅力を高めるだけでなく、最重要ポイントは若者が働きたくなる職場の創出だとされている。安定した仕事がなければ若者は定着できないことから、企業誘致だけでなく起業支援や地域ブランドの育成も急がれるのだ。人口を大きく減らす自治体が十分な行政サービスを続けることは困難で、現状の市町村の線引きを乗り越え拠点都市と役割分担してネットワークを構築することが、結果としてより多くの自治体や集落を存続させることになるのだ。 第2のポイントは市街地の「にぎわい」で、街に活気や刺激がなくては若い世代を引きつけることは難しい。「国土のグランドデザイン」によれば3大都市圏を除く地域では、10万人以上の都市を核とする「30万人都市圏」に百貨店や映画館・大学・救命救急センターといったサービスが存在さすことが地域の発展に寄与するというのだ。見方を変えればこの規模を割り込むとサービス内容によっては企業が撤退を検討し始めるということで、いかに「30万人都市圏」をつくるかが地方生き残りの目安の一つともなりそうなのだ。「にぎわい」は若者の雇用確保とも密接に関係しており、大型商業施設や病院などは若者の雇用の場で、これらが撤退や倒産に追い込まれたのではそこで働く若者たちが職を失うというのだ。 ポイントの3つ目は子供を産み育てやすい環境の整備で、次世代が生まれなければ一時的な人の寄せ集めに成功したとしても再び減ることになるのだ。14歳以下の子供の数は1633万人で33年連続の減少しており、主要国では最低水準で少子化に歯止めがかからない状態は改善される様子もないのだ。拠点都市を「ミニ東京」のごとく膨張させたのでは人のつながりは希薄になり、子育てと仕事を両立させることもできない。大都会では味わえない「ゆとりある暮らし」を選択できるようにすることが新たな魅力となるというのだ。今後若い世代は全国的に減ることから「消滅」の危機を乗り切るには、大都市はもちろん地方都市同士の「若者争奪戦」にも勝利しなければならないのだ。
2014年08月21日
コメント(0)
TVの討論番組だったのだが現代は驚異的な人手不足の時代となっているそうで、それでも人々の実感は「職がない」ということのようなのだ。人手不足の分野は介護・育児・建築などで職がないのは事務というもとでまるっきり分野が違っているそうなのだ。建築や医療などでのアルバイトの需給がひっ迫しており、流通などの配送トラックの運転手も不足しているのだ。医療等を除くこれらのアルバイトはほとんどが男子のアルバイトであり、女性のアルバイトの主力である事務職は求人が0,2倍程度で余ってしまっている。アベノミクスでは女性の活用と言っているが女性が建設や配送トラックの運転手でもしてくれれば事情は変わるのだが、女性はそのような作業はやりたがらないのだ。 討論番組でも「発展できる分野で発展したらいいじゃないか」という意見がでたが、「いや、もう社会の『底』が抜けているのだ」という報告がなされていた。ここでいう「底」とは命と生活に直結する大切な分野で低賃金の領域のことだというのだ。ここを支えてくれていた人たちが少子化で手薄になり、海外から労働力を調達せねばならなくなったというのだ。「こどもの日」を前に総務省がまとめた人口推計による、14歳以下の子供の数は1633万人となり、33年連続で減少しつづけているそうなのだ。政府や地方自治体は少子化対策を掲げるが総人口に占める割合は12・8%で、調査を始めた昭和25年から1300万人以上減っており、一向に歯止めがかかっていない実態が浮き彫りになったというのだ。 都道府県別のデータをみると14歳以下の子供の割合が最も高かったのは沖縄の17.6%で、最低は秋田の10・9%だったそうなのだが、子供が前年より増えたのは東京と沖縄だけで青森県や福島県等で減少率が2%を超えているというのだ。全国の子供の数はこの1年で16万人減ったことになるそうなのだが、そうなると世界レベルで高齢化問題を抱える国たちの間で介護職外国人の争奪戦がもう始まっている。そのうえ多くの若い女性を雇用してきたデパート等も次々閉店して、銀行や証券会社の女性職員も店舗が次つぎ閉鎖されて、窓口業務も派遣の中年女性に切り替えられ、女性の活用を呼びかけても事務職は限られてきて女性向けの雇用の場は少なくなってきているのだ。 それくらい若い女性が稼げる職業が減ってきており、特に地方では若い女性の職場が無く若い女性がいなくなれば世代の交代も進まず限界集落となってしまうというのだ。国会や地方議会でも女性議員の少なさが問題になっているが、欧米に比べると女性議員の数も会社の経営幹部にも女性は少ないのがじつじょうなのだ。女性登用を成長戦略に掲げる安倍政権でも女性たちは管理職になる前にまず「子を預けるところがない」から、登用の御旗を冷めた目で見ているということのようなのだ。子供を預ける前に移民政策をどうするかというような巨大な政治的課題のハードルがあるなら、それが閣議決定する前に子産み期を逃す女性の冷め方たるや異常なくらいだということなのだ。 少子化で社会の底が抜けたというより少子化で子供を大事にするあまり、社会の底になんか出したくない家で箱入り息子にしている大人のほうの問題だというのだ。大人が命と暮らしを支える低賃金という領域を放置した結果のツケを被っているにすぎないのだ。命と暮らしを支える領域が社会の「底」という位置もおかしいし、その部分が低賃金”という値打ちも失礼このうえないということなのだろう。まずそこが高い評価を受け高収入の領域にならない限り、親は箱入り息子を家から出さないし女性は無償労働に舞い戻ることもない。移民政策の閣議決定も遠いだろう。つまり、穴はふさがらない。「そして誰もいなくなった」じゃないが、失しなって初めて知る値打ちというのがあるということなのだろう。
2014年08月20日
コメント(0)
コンクリートは押される力には強い一方引っ張られる力には弱いという特性があって、この問題を解決するため19世紀になるとコンクリートの内部に鉄筋を配置した鉄筋コンクリートが開発されたのだ。1867年のパリ万博に鉄筋を配置した植木鉢を出品したことが記録されているのだ・鉄筋を配置したコンクリートの登場によりそれまでにない形状の建築物を建設することが可能になったのだが、その一方で内部の鉄筋の劣化という問題を抱えることになってしまったのだ。これによりコンクリートは経年劣化し寿命は数十年から数百年に短くなってしまったというのだ。100年は耐えられるとされたコンクリートも骨材に使われた海砂の塩分で内部の鉄筋が腐食するなど、高度成長期のコンクリートの耐久性は100年に満たないとされているのだ。 老朽化したコンクリート建造物を建て替えると言っても短期間で一気に進められない以上、倒壊の危険度が高い順に優先順位をつけて着工するしかないのだが、鉄筋コンクリートは置かれている環境や材料・製造方法が千差万別で、それによって老朽化の進み具合が大きく変わってしまうのだ。鉄筋の腐食はまだ進んでいないもののコンクリートの塩分濃度が高まってきている鉄筋コンクリートに対して、脱塩処理を施すことで老朽化の進行を抑制し鉄筋コンクリートを延命させることが重要になってくる。鉄筋コンクリート内部の環境を調べ老朽化の度合いを判定することができるセンサーを使って、塩分濃度をリアルタイムに計測しながらコンクリート内部の塩分を完全に外部に排出できるようにする技術が重要なのだ。 定期的に塩分濃度を計測し脱塩処理を実施すれば、既存の鉄筋コンクリートであっても建て替える必要がなくなるというわけだ。鉄筋の腐食の進み具合とコンクリートの塩分濃度と水素イオン指数であるpH との相関関係を明らかにしたことのメリットの1点目は、制御型の脱塩処理が可能になったことで、2点目は鉄筋コンクリートに最適な鉄筋を開発できたことなのだ。1点目の脱塩処理とは鉄筋コンクリートの中の鉄筋にマイナスの電流を流すことで、塩分つまりマイナスに帯電している塩素イオンを鉄筋コンクリートの外に排出し、コンクリートの塩分濃度を下げるというものだ。コンクリートには無数の小さな穴が空いており、塩分はこの穴を通じてコンクリートの内部に入り込んでくるといわれている。 鉄筋に電流を流すだけで簡単にその穴を通じて塩分の下である塩素イオンを外部に排出させることができる。これまでは、コンクリートの塩分濃度を計測することができなかったため、どれくらいの強さの電流を、どれくらいの時間流せばよいかが分からなかったそうなのだが、制御型の脱塩処理システムとしてコンクリートの塩分濃度を高精度で計測し、脱塩できるようになったことから社会インフラの長寿命化と安全性の確保既存の鉄筋コンクリートの長寿命化技術が確立されてきたそうなのだ。また鉄筋の腐食が一気に進むコンクリートの塩分濃度とpHのしきい値に対して、しきい値を超えても腐食しない鉄筋の金属組成を割り出すことで、鉄筋コンクリートに最適な鉄筋が開発されたそうなのだ。 いまでも高い耐腐食性を示す既存の鉄筋としては「ステンレス鉄筋」があるが、コストが従来の鉄筋の約10倍と用途が限られていた。また従来の鉄筋の表面にエポキシ樹脂などのプラスチックを塗装することで腐食を防止するという「塗装鉄筋」も開発されているが、曲げると塗装がはがれてしまったり建設工事中に紫外線に当たることで劣化してしまったりするという問題があったのだ。今回開発された鉄筋コンクリートに最適な鉄筋は「塗装鉄筋」並の単価で「ステンレス鉄筋」級の効果が期待できるというのだ。将来的にはこの耐腐食性の高い鉄筋を使うことで、沿岸部であっても、100年でも200年でも老朽化しない鉄筋コンクリートが実現できるようになり、老朽化しないという鉄筋コンクリートの早い実現に大いに期待したいのだ。
2014年08月19日
コメント(0)
発注者・設計者・施工者が一堂に会する「三者会議」の開催や「ワンデーレスポンス」の導入など、受発注者の関係は以前に比べれば良好になってきているといわれているのだが、昔は工事のことを「請けて負ける」と言っており、語源は「荘園で農民が領主から土地をあてがわれて耕作し、年貢負担の義務を負う」ことだというのだ。そんな事もあって受注者は日ごろから発注者に対して多くの不満を抱いており、私の読んでいる業界紙でも受注者の生の声を取り上げているのだが、その理由も「工事の一時中止に伴う追加費用を支払ってもらえない」とか、「現場条件が設計と異なっていても設計変更に応じてくれない」・「会計検査院の指摘を気にして代替案が認められない」などというのだ。 不満の根源は発注担当者個人の資質にあることもあれば制度や慣習にある場合もあって、後者について解決の一助になると期待されているのが、今年5月の「公共工事の品質確保の促進に関する法律」通称「品確法」の改正だといわれている。法律の目的に「担い手の中長期的な育成および確保」が加わり、受注者が適正な利潤を確保できるように発注者が配慮する内容となっているからなのだ。「改正品確法」に基づき国が年内の作成を目指している「運用指針」にある程度具体的な方策が示される予定だというのだ。「改正品確法」によって発注者の無理難題が少なくなり、受発注者間の関係改善が進むのかあるいは形だけで終わってしまうのか注目していくべきだと業界紙でも書いてあるのだ。 ここ数年で発注者からの工事一時中止の指示が増えており、受注者の責任によらない形で工事の中断が頻発しているという声もあって、中止に伴って生じる追加費用を十分に認めないケースが非常に多いのだ。あまりにもひどいので「契約を解除するしかない」と、高速道路会社の工事を多く手掛ける建設会社からこのような意見が業界紙に寄せられたそうなのだ。工事一時中止は工事請負契約書に記載された発注者の権利で、受注者の責任に帰さない理由で施工不能となった場合は発注者が現場を止められるのだ。代表的な要因に用地買収や申請協議の遅れ・自然災害の発生などがあるのだ。これまでは発注者の落ち度で工事の中断を余儀なくされても受注者は黙って受け入れるのが従来の姿だったのだ。 ところが今年の1月に発注者にとって前代未聞の出来事が起こったそうで、繰り返される工事一時中止命令で受注者が契約を解除するトラブルが発生したというのだ。今までの「仁義なき甲乙関係まん延する片務契約では、追加費用の支払いが十分に認められずに倒産する会社が現れるなど事態は一向に良くならない。発注者を訴えて裁判で勝つしかない」ということのようなのだ。公共工事標準請負契約約款が改正されそれまでの「甲」・「乙」という表現が、「発注者」・「受注者」に変更され、契約約款が1950年に作成されて以降請負契約の片務性の是正は進んでいるが、約款に基づいて現場レベルで受発注者の対等な関係が構築できているかと言えば私の経験からも「甲乙対等」という原則の実態は異なっている。 特に契約変更をめぐる対応ではそのいびつな関係が著しく、そうした受発注者の関係を見つめ直す訴訟が地方裁判所で繰り広げられているというのだ。責任逃れや能力不足に当事者意識の欠如等多くの発注者に共通する問題で、余計な仕事が増えたり請けた工事が赤字になったりすることも相当数あるというのだ。あるアンケート調査で建設会社や建設コンサルタント会社の社員に、「あなたは今後も、この発注者と一緒に仕事をしたいですか」と聞いたところ、受注者にとって発注者は仕事を提供してくれる上客なのに、仕事をしたくないと言う受注者の割合が多かった順に並べたランキングでは、トップ10の発注機関に対して受注者の4~6割が「仕事をしたくない」と答えたそうなのだ。
2014年08月18日
コメント(0)
今月は毎週週末には大雨が降っているのだが、今週末も前線に湿った空気が流れ込んでいる影響で、近畿や東海、北陸などでは激しい雨が降っているようなのだ。京都市では断続的に激しい雨が降っていて1時間には、62mmの非常に激しい雨が観測されたというのだ。京都市右京区では河川の氾濫のおそれがあるとして700世帯に避難指示が出されているのだが、京都市周辺の局地的な豪雨は暖かく湿った空気が通常よりも多く前線に入り込み、大気が不安定な状況で同じ地域に積乱雲の流入が集中したためとみられるというのだ。京都御苑の周辺では道路が冠水し付近の住宅地が床下浸水したほか、市バスも通行できなくなりダイヤが大幅に乱れたそうなのだ。 京都市内を南北に縦断する鴨川でも河川敷が一時水没するほど水位が上昇したし、大量の雨水が下水道管に流入した影響で少なくとも市内6カ所でマンホールから雨水が噴出した。噴出した下水道管は広範囲から流入する幹線管渠で地下6~10メートルを通っており、京都市上下水道局は管内が密閉構造のため急激に流入した雨水が管内の空気を押しだし、マンホールを持ち上げて路上に水を噴射したというのだ。マンホール周辺のアスファルトも引きずって路面が隆起した場所もあり、京都市上下水道局は「これほど多数で噴水状になったことはない」という。大雨等により下水道管内等の水位が急激に上昇するおそれのあるときは下水道管内等での作業を行わないこととなっているそうなのだ。 そのような状況の中自宅前で土のうを積む作業をしていた会社員が、鉄砲水に足をすくわれ用水路に転落して流され、警察などの捜索でおよそ2時間後に近くの用水路で沈んでいるのが見つかり病院で死亡が確認されたそうなのだ。我々は作業中において大雨等により河川等の水位が急激に上昇する恐れが生じたときは、直ちに作業を中止し労働者を安全な場所に待避させることとしており、河川内等で作業を行う労働者に対して大雨により急激に水位が上昇する場合がある場合の待避方法についてあらかじめ周知しているのだが、なくなった人はそのような業の常識も知らずに、大雨で河川の氾濫のおそれがあるとして700世帯に避難指示が出されている中土のうを積む作業をしていたというのだ。 兵庫県でも激しい雨が降っていて川西市では砂防ダムで土砂崩れが起き、土木作業員が巻き込まれその後病院で死亡したというのだ。川西署によると工事現場付近の斜面が幅約20メートル高さ約30メートルにわたって崩落し、その土木作業員はひざから下が土砂に埋まり身動きがとれない状態で、近くにあった木の枝を揺らして助けを求めていたそうなのだ。休日と大雨ということで工事をしていなかったが、その土木作業員は家族に「重機を移動する」と言って出掛けたというのだ。1人で山に入るのを見ていた付近の神社の宮司が不安に思い、消防団に連絡し地元の消防団員に約40分後に救助されたが、発見時は膝から下が埋もれており搬送の時点では意識があったというのだが死亡したそうなのだ。 私もこれまで多くの災害時に現場に出ていった経験があるのだが、そのような状態で一番頼りになるのが作業員さんたちなのだ。道路建設や維持修繕だけでなく河川の治水など土木工事の中にはどうしても重機等ではできない作業があるし、機械化が困難な工種など人力で行う必要のある作業が数多く残っており、このような時に手作業でコツコツと工事を施工してくれるのが土木作業員なのだ。そうは言っても作業内容は特殊なものではなく人力による比較的簡易な作業が多いのだ。そこで体力があり他人との協調性があれば勤まる職種なのだ。工事では裏方の存在ではあるのだがどうしてもなくてはならない作業であり、建設工事の円の下の力持ちと言える存在なのだ。
2014年08月17日
コメント(0)
住宅会社が抱える職人不足の悩みに応えるものとして、建設労働組合が組合に所属する職人を派遣する「労働者供給事業」が注目を集めているのだ。建設業の労働者派遣は労働者派遣法第4条で禁じられているのだが、これに対し厚生労働大臣の認可を受けた労働組合に派遣手数料を無料にすることを条件に労働者の派遣を認可しているのが、職業安定法第45条に基づく「労働者供給事業」のだ。法律上は派遣ではなく供給と呼ぶのだが、「全国建設労働組合総連合」が東日本大震災で木造応急仮設住宅をつくるために労供事業の認可を審査煎直後に受け、全国にいる組合員500人以上を福島県に供給したことから、これをきっかけに労供事業への関心が各地の労働組合に広まったのだ。 「全国建設労働組合総連合」が「労働者供給事業」を行うのは、今のところ災害時などで大量の職人が必要な場合に限るとされていたのだが、「仕事はあるが職人が見つからない」とか「大工を社員募集しているが応募が来ない」といった今の状態でも「労働者供給事業」をはじめようとしているのだ。埼玉土建一般労働組合は2012年7月に「労働者供給事業」の認可を取得し労働者の供給を行っているが、埼玉土建で労供事業の労働者として登録している組合員は6月末時点で約700人だといのだ。埼玉土建の場合労働者の質を保つため、給先が労働者を評価する仕組みを取り入れ、資格要件を満たす労働者を増やすため技能講習会を開き資格の取得も支援している。 千葉土建一般労働組合は本部と全支部で2013年11月に「労働者供給事業」の認可を取得しているのだが今年中に供給実績をつくることを目標に掲げている。労働組合が労供事業に取り組もうとしている理由は複数あって、建設会社から職人紹介の依頼が増えていることや、仕事の激減や急増に翻弄されている組合員に少しでも安定的な仕事を確保する必要があることを目的としているのだ。厚生労働省の調査では建設技能労働者の有効求人倍率が7倍を超え高止まりしていることが明らかになっており、躯体工事の職を探す人の7倍の求人があることを示しているのだ。建設技術者の倍率も4倍に迫っておりいずれも近年最高水準で建設業界の人手不足がデータで裏付けられているのだ。 労働者の日給は条件によるが年収600万円を確保できる金額としており、それより高い日給で雇用され続けている職人や供給先に気に入られて正社員になった職人には、低い賃金で休みが取れない厳しい労働環境のままでは、組合員となる若年技能労働者が減少するばかりという危機感もあるというのだ。労供事業は一般的に労働組合と供給先である建設会社の間で労働者の賃金や労働条件や要求する技能レベル・資格要件などを取り決め、両者で供給契約である「労働協約書」を結んで、それに基づいて供給先と労働者が「雇用契約」を一定期間結ぶというのだ。労働者は請負のように自分の裁量で仕事をこなすのではなく、供給先の指示に従って社員のように働くというのだ。 労働者と建設会社は請負で契約を結ぶのが一般的だが「労働者供給事業」では建設会社と労働者が期間限定で雇用契約を結ぶというのだ。一般的な労働者派遣事業との違いは労働組合と労働者が雇用関係ではなく組合関係になることと、供給先と労働者が指揮命令関係と雇用関係を同時に持つことなのだ。供給先は要求する技能レベルを持つ労働者を必要なときに必要な人数確保でき、要求レベルに満たない場合は交代を求めることができるのだ。あくまで雇用契約なので供給先は労働基本法を順守して労働者に休日を与え残業代を支払う必要があって、雇用期間が一定以上の場合は供給先に雇用保険や労災保険・社会保険の加入が義務付けられるというのだ。
2014年08月16日
コメント(0)
駐車場を都市の周辺部に集約し中心部では歩いて暮らせる街づくりを進めることが検討されており、そのためマンションやオフィスなどの付置義務駐車場は、建物の敷地外にまとめて置くことを認めることになるようなのだ。国土交通省は自治体の条例のひな型となる「標準駐車場条例」を改正し、今月に都道府県と政令指定都市に通知したというのだ。これは改正都市再生特別措置法が施行されたことを受けての措置なのだが、附置義務駐車場とは都市における自動車の駐車のための施設の整備に関し必要な事項を定めることにより、道路交通の円滑化を図りもつて公衆の利便に資するとともに、都市の機能の維持及び増進に寄与することを目的としている駐車場法によって決められる駐車施設をいうのだ。 都市部の円滑な交通に付与するための駐車場法上の駐車場の分類には、主として都市計画駐車場・届出駐車場・付置義務駐車場・路上駐車場などがある。駐車場法の第20条に基づき定められた地方公共団体の条例により、一定規模以上の建築物の新増設の際に義務として整備された駐車場施設を附置義務駐車場というのだ。国土交通省では「標準駐車条例」を通達し地方公共団体による条例規定を促進しているのだが、現在では199都市で駐車条例制定されている。駐車場の基準というのは道路構造令の自動車駐車場の設置ますの大きさを参考として設置することになっており、ラック等特殊な装置を用いる機械式駐車場の場合には使用する装置の構造図が必要となるそうなのだ。 国土交通省は自治体の条例のひな型となる「標準駐車場条例」を改正に関する技術的助言も通知し、併せて駐車施設の適正化に関する手引きを公表したのだ。改正都市再生特別措置法は市町村が主体となって都市機能の集約を推進できるようにするもので、市町村が「立地適正化計画」を作成し病院や福祉施設・商業施設などを集約する「都市機能誘導区域」や、住宅を誘導する「居住誘導区域」を設定できるものとなっている。駐車場についても集約化や中心部の外への配置を可能にする「駐車場配置適正化区域」を定めることができることになっているそうなのだ。この「駐車場配置適正化区域」では駐車場法の2つの特例を受けることができることにしているそうなのだ。 1つは建築物に設置を義務付けている付置義務駐車施設の集約化で、改正都市再生特別措置法では都市の周辺部に設ける「集約駐車施設」を、自治体が立地適正化計画に盛り込むことができるとしており、標準駐車場条例でも集約駐車施設の運用法についてより具体的に明記されているようなのだ。付置義務駐車施設の設置の仕方については、それぞれの建物内や敷地内だけでなく集約駐車施設内に設置することを認める方法と、集約駐車施設内だけに設置を義務付け建物内部などへの設置を認めない方法なのだ。どちらを選択するかは自治体に委ねるとされてはいるが、建物内部への設置が認められなくなればマンションやオフィスの設計にも影響を与えることになるのだ。 国交省の担当者は「自治体が『中心部になるべく自動車を入れない』と判断するなら、後者を選ぶ方法もある。それぞれの街づくりの方向性に合わせて選択してほしい」と話しており、技術的助言では集約駐車施設の整備主体について、開発によって付置義務を負っている建築主や自治体が担うとしているのだ。民間事業者が付置義務台数以上の駐車施設を整備して余剰分をほかの建築主に貸し出す方法も認め、既存の建物に関して条例への適合は求めないが付置義務の台数を集約駐車施設へ移動させ、建物内部の駐車場を他用途へ改修することは認めるというのだ。また事務所施設に対する付置義務基準も緩和しており、事務所施設で2~3割引き下げ必要な駐車台数が少なくできるというのだ。 道路以外に設置する「路外駐車場」の規制については、駐車場法では駐車面積が500m2以上の有料駐車場について都道府県知事などへの届け出を義務付けているが、改正都市再生特別措置法では市町村が独自に面積を設定し、有料か無料かは問わず市町村町への届け出を新たに義務付けるというのだ。届け出を受けた駐車場によって自動車と歩行者の交錯が増加するなど、市町村が定めた基準に合致しない場合は勧告し改善を促すことができ、市町村長は駐車場の適正な配置に向けた誘導が可能となっている。市町村長には勧告した事業者に対して「代替地取得のあっせんに努める必要がある」としているのだが、国交省の担当者は「条例のひな型をどう周知していくかが今後の課題だ」と話しているのだ。
2014年08月15日
コメント(0)
近年に起こっている記録的な豪雨に例年にない数の台風だけでなく、今年の夏も極端な大雨のオンパレードで記録を塗り替えている。いまさらながら防災とは災害による人的・物的被害を防ぐことで、東北地方の大震災で被災が大きかったが、その対象となる災害は地震ばかりではないといっていいだろう。大雨や落雷に突風などの気象に関する情報は、むしろ地震よりも身近な防災情報とされているのだが、今年の夏も私の住んでいる四国地方を中心に、極端な大雨のオンパレードで記録を塗り替えている。公的機関の気象庁はともかく民間企業の天気予報会社は、独自情報を出すためには観測機器への設備投資が膨大になるのだがけっこう利益が出ているそうなのだ。 民間企業の天気予報会社の大手である「ウェザーニューズ」の起源は、ある海難事故にあるといわれており、今から40年くらい前に当初大阪港に向かう予定だった貨物船が、到着直前になって港が混雑して荷揚げが10日間遅れることが分かったというのだ。しかもその間船を港に係留しておくだけで滞船料が2000万円も余計にかかることから、その時貨物船の担当商社マンが全国の港の情報を集め、福島県の小名浜港なら1日待つだけで荷揚げができると知ってその貨物船を小名浜に向かわせたというのだ。ところがここで誰もが思いもかけなかった事態が起こり、その貨物船が小名浜に到着した直後に「爆弾低気圧」がこの一帯を襲い、貨物船は防波堤に叩きつけられて大破・沈没してしまい乗組員15名が命を落としたというのだ。 その時の商社マンだった「ウェザーニューズ」の社長である石橋氏は「なぜ、こうした強力な低気圧の情報がどこからも提供されないのか」と悩んだというのだ。当時は爆弾低気圧を予測すること自体難しかったこともあったのだが、一方で日本にはまだ『航海する船のための情報』といった現場でリアルタイムに使える気象情報の提供を行っているところがなかったのだ。商社マンだった石橋氏はこうした海難事故をなくしたいと決意すると同時に、本当に使える天気予報はビジネスにもなるはずだと考え、そこでアメリカの「オーシャンルーツ」という会社に注目し商社をやめて単身飛び込んだというのだ。この「オーシャンルーツ」は航海する船舶のために天気予報を含めた海路のコンサルティングをしている会社だったのだ。 アメリカで「海難事故を予防するための気象情報の提供」というビジネスのノウハウを吸収し1986年に日本で「ウェザーニューズ」を設立し、あらゆる方面で『実際に使える天気予報の情報を広く人々に知らせる』ことを創業者が目指したというのだ。そこでは身近なわかりやすいサービスの担当部門として、コンビニやスーパーなど小売業の店舗ごとに、その売り上げ情報と天気の情報を組み合わせている部門等を設立するなどして、そのマーケットは現在のように大きく広がったというのだ。そこでは単に「夏物のこのビールは今夏の総売り上げからみて成功でした」などという大雑把なレベルではなくて、「このアイスは、これくらいの気温と湿度の場所でよく売れた」などと詳細な分析ができるというのだ。 民間企業の天気予報会社である「ウェザーニューズ」顧客は、イベント業者のような民間企業だけでなく自治体にも及んでいるそうなのだ。もっとも大規模な災害などに備える地域防災計画といった自治体の取り決めは、どうしても気象庁の発令する注意報や警報がベースになっている。それでも「ウェザーニューズ」の情報力が武器になる場面はあって、役所が弱い「横の連携」を実現するコンサルティングを行えるというわけだ。被災を本当の意味で防ぐ情報は上からの天気予報とのギャップがあって、私もそうなのだが自分の身の回りで大雨や落雷が起こりそうだったら、知りたいのは「いま、私はここにいて大丈夫なのか」という情報ということを伝えていく方針だといっているのだ。
2014年08月14日
コメント(0)
コンクリートの歴史は古代ローマ時代にまでさかのぼるとされているのだが、神殿や競技場・水道橋といった大規模な建造物にコンクリートが用いられていたのだ。そのように歴史のあるコンクリートもいつ起きても不思議でないと言われる首都直下型地震や南海トラフ巨大地震の発生が危惧される中、2012年12月に起こった笹子トンネルの天井崩落事故を機に、老朽化したトンネルや橋に建物の補修や建て替え工事が急がれている。最近になって「国土強靭化」が叫ばれるようになりってきているのだが、30年くらい前から関係者の間ではすでに高度経済成長期に建てられた鉄筋コンクリートの中には、「コンクリートが危ない」ということでかなり深刻な状況にあるものが多いという認識で一致されていたのだ。 老朽化した建造物を建て替えると言っても短期間で一気に進められない以上、倒壊の危険度が高い順に優先順位をつけて着工するしかないのだが、鉄筋コンクリートは置かれている環境や材料の品質に製造方法が千差万別で、それによって老朽化の進み具合が大きく変わってくることから、築年数や外見からだけでは判断するのが難しく優先順位を決めることが非常に難しかったのだ。それから私の専門分野である土木では鉄筋を使わないケースもあり、土木と建築ではコンクリートのスランプが全然違うのだ。これは生コンクリートの流動性の違いで、打設時に土木は硬いコンクリート建築は柔らかいコンクリートを使います。鉄筋だらけの狭い空間の建築では柔らかいコンクリートでないと施工が出来ないからなのだ。 鉄筋コンクリートが老朽化する最大の原因はコンクリートの内部に埋め込まれている鉄筋の腐食つまりサビとされている。コンクリート自体は岩石と同じなのでそのままであれば100年でも200年でも老朽化することはないとされている。鉄筋の腐食はコンクリート内に浸み込んだ海水や雨水によって引き起こされ、鉄筋は腐食すると体積が膨張することにより、内側からコンクリートが押されてひび割れが発生するのだ。さらにそのひび割れから鉄筋コンクリートの内部に海水や雨水が入り込むと、その結果鉄筋の腐食が助長されるという悪循環に陥るのだ。純水であれば鉄筋は腐食しないはずなのだが、腐食を引き起す最大の要因は海水の塩分と酸性雨といわれているのだ。 日本の都心部はいずれも海に面した平地にあるため建造物の多くが、海風によって運ばれてくる塩分にさらされているのだ。塩分がない環境でも最近の近隣国の環境汚染に起因する酸性雨などによってコンクリート内部のpHが下がることで、鉄筋の腐食が徐々に進行していることが分かってきているのだ。コンクリートの塩分濃度と水素イオン指数(pH)がある値を超えると鉄筋の腐食が一気に進むということなのだが、逆にそのコンクリートの塩分濃度とpHの値を超えない限り、鉄筋の腐食はほとんど進行しないことも分かったというのだ。この結果から鉄筋コンクリートに直径約1ミリ深さ数十ミリの小さな穴を開けて、その中にセンサーを挿入するだけで簡単にコンクリート内部の環境を調べることができる技術が開発されたというのだ。 開発されたのは鉄筋コンクリート内部の環境を調べ老朽化の度合いを判定することができるセンサーなのだが、このセンサーを使えばコンクリートの塩分濃度を計測し、水素イオン指数であるpHを計測するものだ。その原理自体は以前から知られていたがこれまで安定的に計測できるセンサーは存在しなかったのだ。今回高精度かつ安定的に計測できるセンサーを開発されたというのだが、鉄筋コンクリートの老朽化の度合いを判定する際にコンクリートの塩分濃度とpHがしきい値を超えなければ、内部の鉄筋の腐食はそれほど進んでいないと推測できるため『安全』となり、その値を超えていれば鉄筋の腐食が非常に進んでいると推測できるため、『危険』と判断できるというのだ。
2014年08月13日
コメント(0)
測量は「測天量地」から生まれた言葉だといわれており、「天を測り、地を量る」とは北極星を観測して地図の基本となる北方向を定め、租税の基礎となる土地の測量をしたことを指すとされている。私も現場で工事のための測量をよく行うのだが、一般に「測量」という言葉から抱くイメージはおそらく街角で三脚から測量機械を覗きこんでいる測量マンの姿だろう。ところがこの40年間に測量技術はどの産業界と比べても突出した技術革新を遂げており、特に1972年に米国が打ち上げたランドサット1号は最初の地球観測衛星で、ここから遠くから手に触れないで電磁波を感知する技術である「リモートセンシング」と呼ばれる、新しい学問領域である送料技術が次々に登場したとされている。 測量は空間情報工学に進化し先端技術を駆使した新しい学問に成長したというのだが、東北地方の大震災で誰もが知っているように、大地震とその後では地球が変動し水平方向にも上下方向にも大きく動くのだ。大地震の前にもわずかながら動きがありそれを前兆として測量技術で予測可能なことはあまり知られていないのだ。動いている地球の上では動いている地球は測れないたており、これは動いている新幹線のなかで新幹線の速度や移動距離を測れないのと同じなのだ。そこで地球の外を周回している測位衛星の登場となるのだが、測位衛星は一般的に「GNSS」と呼ばれており、私たちなどがよく利用している「GPS」とよばれる全地球測位システムはそのうちの1つにはいるのだ。 この動く測位衛星によって地球上に固定された「電子基準点」と呼ばれる受信機で、正確な三次元座標を測量することができ、現在の測量技術はこうした動く地球を測量する高度な先端技術に支えられているのだ。1970年代の初めに確立した地理情報システムである「GIS」は、数値化された地図情報や位置情報を駆使して行政やマーケテイングの改善に役立つようになっているし、また1990年代に発達したデジタルカメラを利用したデジタル写真測量は、安価で効率的な三次元測量を可能にしているのだ。軍事技術として開発された衛星測位は1993年に米国で全地球測位システムが運用されその実用化が一気に進み、いまやすべてのケータイやカーナビにGPSが搭載されている。 現在ではロシアの測位衛星システムである「GLONASS」の運用も開始され、「GPS」と共同で利用できるまでに発達している。1999年の国連宇宙会議では衛星測位の一般名称を「Global Navigation Satellite System(GNSS)」としたのだ。さらに軍事技術だったレーザー計測装置は姿勢計測装置とともに航空機に搭載されて、地形の三次元座標群を瞬時に提供でき三次元地図の作成に利用されるようになったのだ。地上に設置されたレーザー計測装置は様々なモニュメントを三次元計測でき、これらの先端技術は従来の「測量」という概念では包括できなくなってきたことから、国際的に新たに「Geo-informatics(空間情報工学)とか)」、「Geo-spatial Information Technologies(地理空間情報技術)」と呼ぶようになっているのだ。 地理情報システムである「GIS」はいまや政府や自治体の行政を効率的に行う上で必須になっており、たとえば宅配会社・運送業・配送会社では効率的な荷物の積み下ろしになくてはならない技術となっているのだ。「GIS」と「GNSS」と組み合わせればバスやタクシーの運行情報をスマホに配信することも可能となるし、災害時の避難に役立つハザードマップは今では「GIS」なしでは描けないとされているのだ。スパイ衛星が民生化されて高分解能衛星画像が取得できるようになり、いまや40cmの地上分解能の画像が宇宙から取得できるし、雨天でも夜間でも地上を探査できるレーダー技術も1mの分解能の画像が得られるというのだ。そこで「動く地球の測量」の研究を続けその成果として地震予測を行っているというのだ。
2014年08月12日
コメント(0)
総務省が発表した住宅・土地統計調査によって空家が820万戸に達したことが明らかになり、全国的な人口減で世帯数の伸びが鈍化した今も住宅建設は続いており、地方だけでなく都会部でも空家問題にも直面していることから、国土交通省は全国で増加する「空家」の実態調査結果をまとめたというのだ。ストック重視の住宅政策の推進が求められる中既存の住宅ストックとして重要な役割を果たす空家の実態を把握し、今後の住宅政策の展開の検討に資する基礎資料を作成することを目的とするため、昭和55年度よりほぼ5年毎に実施しているそうなのだが、東京・大阪圏の887調査区で現地踏査を行い外観や腐朽・破損の有無・内部設備の状況・建築時期・空家となった要因などを調べた。 空き家を所有している人の1割強が郵便物のチェックや防犯状況の確認など空家の管理を日ごろしていないとされているのだが、空家所有者は「単独個人名義」が74.7%を占め最も多く、地域別では東京等の都市部では法人が19.4%あり、また「地方部」では「単独個人名義」が79.0%を占めておりそうなのだ。それぞれ他地域に比して多い空家の個人所有者では年齢が「60歳以上」が56.5%で最も多く、就業形態では「無職や年金受給者など」が29.1%や「賃貸住宅経営を含む自営」が21.0%と多くなっている。空き家総数の増加量もさることながら問題視すべきなのは空き家のなかの「その他の住宅」の割合が、前回調査した平成20年住宅・土地統計調査の35.4%から38.8%へと増えている点なのだ。 この調査でいう「その他の住宅」とは「転勤・入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や、建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅」などなのだが、大まかに表現すれば「利活用されず持ち腐れになっている住宅」という言い方がされているのだ。所有意識と利活用意識のバランスが崩れて、結果的に使いこなせない住宅を抱え込んでいる「過食症」のような状態なのだ。不動産会社は空家の増加を「固定資産税の仕組みが一因と言われています」と説明しており、古い家屋が建つ土地を売却するには更地にする必要があるが、解体費用がかかる上、建物がなくなると固定資産税が6倍に跳ね上がるかとから、すぐに売る必要がない所有者側にとっては「高く売れなければコストをかけにくい」というのだ。 日本では住宅に関して愛着が薄く知識がない状態で所有意識だけが肥大したため、不安にさいなまれ結果として不幸になっている人たちが多くいるというのだ。外国特に欧米では我が家という感覚が発達しており、外国人は思ったより家に関して愛着があって自宅のインテリアの仕様等にもその愛着に裏付けられた行動があるというのだ。自ら塗った壁や日曜大工で作り付けた本棚の説明等語らずにはいられなくなるそうなのだが、日本では築20年未満で取り壊しなどをされた「短命住宅」では、知識の源泉となるプロとのコミュニケーションがなく、築10年以上の戸建て住宅の約6割の住まい手には住宅について相談できるプロがおらず、その8割以上は相談相手がいると安心できるのにと考えているというのだ。 国土交通省の調査では住戸の維持管理ということになると、「定期的に自らもしくは関係者が見回り点検」が34.1%と最も多く、次いで「専門管理業者に委託する」が28.0%で、ほとんどが何らかの点検を行っているというのだ。空家問題の重要な点は所有者が明確でなく、居住者がいない建物を「空家」というそうなのだ。居住地から遠くにあり管理が難しいことなどが理由の空家は「不審者が侵入したり不審火が起きたりする恐れもある」と危惧している。そこで国土交通省は賃貸をしやすくするなど空き家解消に向けた指針をまとめる方針なのだが、不動産関係者は新しい需要を掘り起こすために、住宅地でも介護施設などの事業所を建てやすいように規制緩和をしないと、根本的な解決は難しいといっているのだ。
2014年08月11日
コメント(0)
今年は第一次世界大戦開戦から100年という、節目の年だそうなのだが、第一次世界大戦については第二次世界大戦に比べて学校でそれほど深く学ぶこともなかったことから、「1914年にボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで、オーストリア皇太子夫妻がセルビア人青年に暗殺され、オーストリアがセルビアに宣戦布告したのがきっかけで始まった」ということくらいしか学校では教わったことくらいしか覚えていないのだ。そして「古い戦争の思想のもとに始められた第一次世界大戦は、機関銃や航空機、戦車をはじめとする新しい大量殺りく兵器の出現や戦線の全世界への拡大により、開戦当時には予想もしなかった未曾有の犠牲をもってようやく終了した」ということも学んでいる。 昨日のTVで第一次世界大戦開戦から100年という背景を掘り下げていたのだが、今の不安定な国際情勢の本質を知る大きな手がかりになるといっていたのだ。その一例として番組では第一次世界大戦をはさんでドイツとフランスは3回死闘を繰り広げており、すなわち「普仏戦争」・「第一次世界大戦」そして「第二次世界大戦」という3度の大戦争だというのだ。普仏戦争はビスマルクとナポレオン三世の互いの思惑が発端だし、第二次世界大戦はヒトラーという狂信者の登場によるものだとされているが、第一次世界大戦は一番戦争に至った経緯が良く分からない戦いだというのだ。なぜサラエボの銃声でフランスとドイツが死にもの狂いで戦わなければならなかったのか。 その出来事がなぜ1914年の時点で既に約600万人の兵士を動員するほどの大規模な戦争へと発展したのか今一つ腑に落ちないことが多というのだ。現代でも「すべての近代の問題は第一次世界大戦に端を発している」という人がおり、この第一次世界大戦によって封建制度が完全に終演を迎えドイツ・ロシア・オスマントルコ・オーストリアとハンガリーという4つの世界帝国が消えたというのだ。また共産主義の台頭ということでロシア革命が勃発したのも第一次世界大戦が影響しているし、また現在でも紛争が続いているパレスチナ問題の種がまかれたのも第一次世界大戦だというのだ。そして国家の総力戦という概念が初めて生まれたのも第一次世界大戦だというのだ。 これまでの戦争では戦勝国は戦費や戦争による損失の全部または一部を敗戦国からの賠償金によって取り戻すことが通例だったが、参戦国の殆どが国力を出し尽くした第一次世界大戦による損害は、もはや敗戦国への賠償金程度でどうにかなる規模を遥かに超えてしまっていたというのだ。しかしながら莫大な資源・国富の消耗とそして膨大な死者を生み出した戦争を人々は憎み、戦勝国は敗戦国に報復的で過酷な条件を突きつけることとなったそうなのだ。戦争論の古典であるクラウゼヴィッツの「戦争論」に代わるものとして、今までと違って政府と軍隊だけの戦いではなく、人類が経済や科学技術など国力のすべてを総動員して戦った初めての世界戦争だというのだ。 この第一次世界大戦自体は欧州中心の戦いだったので、第二次大戦に比べて日本には関連が薄いように思えているのだが、日本の国土における実害こそなかったものの我国にも極めて大きな影響を与えたというのだ。国際間の同盟関係が互いに複雑に入り組んでおり、複合的な戦争だったというのだが、日本もアジアにおけるドイツの利権を狙って日英同盟をベースにドイツに宣戦布告したのだが、開戦に際してイギリス政府からの要請を受けて連合国側として第一次世界大戦に参戦したのだが、当時の内閣総理大臣の大隈重信はイギリスからの派兵要請を受けると御前会議にもかけず、議会における承認も軍統帥部との折衝も行わないまま緊急会議において、要請から36時間後には参戦の方針を決定したというのだ。
2014年08月10日
コメント(0)
ミッドウェー諸島近海を西よりに進んできたハリケーンが、東経180度を超えたことで台風第13号になったというのだ。ハリケーンや台風・モンスーンにサイクロン、これらはどれも熱帯低気圧を持ちそういった意味では同じ気象現象なのだ。ではその呼び名の違いが出てくる理由はということになるのだが、それは発生した地域によるというのだ。ハリケーンと台風は気象現象としては同じものなのだが、発生した地域などで区分けされているのだ。同じ北太平洋で発生しても東経180度を境にアメリカ大陸側では「ハリケーン」ですが、日本側では「台風」と呼ばれるというのだ。「ハリケーン」として発生しても東経180度を超えて西へ進んでくると、今回のように「台風」と呼び方が変わるというのだ。 国際区分で台風は太平洋や南シナ海で発生した最大風速が34ノット 以上のモノをさすとされているのだが、日本で発生した熱帯低気圧の強いものが台風と呼ばれるのはそういう訳だ。大西洋北部・太平洋北東部・太平洋北中部等つまりアジア付近以外の太平洋で発生したものをスペイン語で暴風の神が語源の「ハリケーン」というのだ。インド洋北部・インド洋南部・太平洋南部・オーストラリア付近で発生したものを「サイクロン」といった具合なのだが、ちなみに世界一般的に日本で台風と呼ぶものやハリケーンはサイクロンに内包されるのだ。これはサイクロンが低気圧全般をさす一般的な俗称だからなのだが、北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風にはサイクロンが用いられている。 気象庁では毎年1月1日以後に最も早く発生した台風を第1号とし、以後台風の発生順に番号をつけているのだが、一度発生した台風が衰えて「熱帯低気圧」になった後で再び発達して台風になった場合は同じ番号を付けるというのだ。台風として北太平洋の東経180度を境に日本側で発生した場合、発生番号順だけでなく日本ほか14カ国等が加盟している「台風委員会」の加盟国などが提案した名前があらかじめ140個用意されていて、そこから発生順に名前が付けられるというのだ。台風には従来米国が英語名による人名を付けていましたが、北西太平洋または南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府間組織である台風委員会は、平成12年から固有の名前を付けることにしたのだ。 平成12年の台風第1号にカンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」の名前が付けられ、発生順にあらかじめ用意された140個の名前を順番に用いてその後再び「ダムレイ」に戻るのだ。台風の年間発生数の平年値は25.6個ですので、おおむね5年間で台風の名前が一巡して台風の名前は繰り返して使用されるのだが、大きな災害をもたらした台風などは台風委員会加盟国からの要請を受けて「永久欠番」ではないが、その名前を以後の台風に使用しないように変更することもあるというのだ。また発達した熱帯低気圧が東経180度より東などの領域から北西太平洋または南シナ海の領域に移動して台風になった場合には、各領域を担当する気象機関によって既に付けられた名前を継続して使用するというのだ。 このため加盟国などが提案した140個用意されている名前が付けられない台風もあって、今回の台風13号はハリケーンとして誕生したので、名前はアメリカ気象局がつけた「ジェヌヴィーヴ」のままだというのだ。本来なら中国が提案した「フンシェン」という意味が風神 となるのだが、発生がハリケーンで名前が「ジェヌヴィーヴ」そのまま使われるそうなのだ。これにより台風委員会が次に用意していた「フンシェン」という名前は、次の台風に命名されるため見送りとなって先送りになったそうなのだ。ちなみにアメリカ気象局ではハリケーンが発生すると、あらかじめ作成した名前の一覧表から順番に選んで割り当てるのだが、用意されている名前は男性や女性の名前となっているそうなのだ。
2014年08月09日
コメント(0)
人手不足が深刻だといわれている私の所属している建設業なのだが、政府は外国人や女性の登用だけでなく、退職した自衛官を活用する検討を始めたみたいだ。現役時に重機や大型車両などの運転資格を取得した自衛官を、即戦力となる技能労働者として雇用するよう促すというのだが、近く国土交通省と防衛省が日本建設業連合会など業界団体へ申し入れを行う予定だというのだ。防衛省は建設業界での人材不足などを受け自衛官を含む退職者の建設業界への再就職自粛措置を約8年ぶりに解除するというのだ。さらに退職後も予備自衛官などを務める元自衛官については、予備自衛官が不足している問題への対策として、再就職先の建設会社に予備自衛官訓練への参加をお願いするというのだ。 建設業界で技能労働者などの不足が深刻化するなかで、日本建設業連合会も今年度の事業計画に予備自衛官の活用を盛り込んでおり、政府も「建設業界から退職自衛隊員の入職を求める要望も寄せられている」として、幹部職員以外の職員については今月以降の退職者を対象に建設業界への再就職の自粛措置を解除するというのだ。ただし幹部ではなくても退職前の2年間に工事発注部署にいた技官などの職員については、官製談合を含む汚職といった問題もあることから解除の対象外とするというのだ。そのほかの職員も再就職先の建設会社で防衛庁への営業活動に携わることは自粛するように通達するそうなのだ。これを受けて国交省は防衛省とともに建設業界に対して退職自衛官の受け入れを要請する方針だ。 防衛省では防衛庁時代に外局の防衛施設庁を舞台として、飛行場や基地の工事を巡る官製談合事件が発覚したのだ。そこでその年の6月から再発防止策として元職員の建設業界への再就職を制限する措置を実施してきたのだ。建設工事の発注業務に携わっていた幹部職員は建設会社への再就職を退職後5年間は自粛し、幹部ではなかった元職員も談合事件に関連した建設会社への再就職は自粛すべきものとしてきたのだ。自粛の対象には大手だけでなく中堅のゼネコンが含まれていたことから、任期制を含む自衛官の退職者数が昨年度で約8千人にのぼり20歳代での退職者も多いにもかかわらず、自衛官から建設業界への再就職者数は300~400人程度にとどまっているというのだ。 防衛省は談合の再発防止に向けた環境整備が整いつつあると判断し、退職自衛官の再就職先確保と建設業界の人手不足に対応するため近く自粛を解除することにしたというのだ。 建設業界では東日本大震災の復興需要や、景気回復による民間需要の増加に東京五輪に向けた関連施設の準備などで人手不足が深刻となっており、女性や外国人技能労働者の活用を進めているが即戦力となる人材の確保は急務となっているのだ。私の事務所でも数人の元自衛官の人が働いてくれているのだが、在隊時に建機のオペレーターの免許を取得したり、災害派遣などで活用した経験を持つ元自衛官は建設工事の実務への貢献が期待されるし、業界内では「自衛官は技術も仕事ぶりも信頼できる」と歓迎する声が多いのだ。 一方で防衛省では退職後も非常時に任務に当たる予備自衛官などの不足が問題となっているのだが、自衛官は高位の将官を除くと一般的に50歳代以下で定年や任期満了を迎えて退職するのだ。その元自衛官の一部は年間5~30日の訓練を受ける予備自衛官や即応予備自衛官となり、普段は民間企業の社員などとして生活しながら有事には召集を受けて自衛隊を支えているのだ。しかしながら防衛省によるとこの予備自衛官などは定員の約7割しかいない状況だというのだ。そこで防衛省は予備自衛官を増やすため国土交通省は防衛省と連名で、備自衛官などを雇用した建設会社に対して総合評価落札方式の入札で加点評価する等の、予備自衛官などの雇用促進を依頼する通知を出したそうなのだ。
2014年08月08日
コメント(0)
「2050年までに世界人口の70%は都市部で生活するようになる」と言われている中で、私が住んでいる松山市もコンパクトシティ政策をとっているのだが、このコンパクトシティとは何かというと「定義が曖昧で論争の的になることも多いが、近年、都市戦略にとり入れられることが増えている概念。高密度で近接した開発形態、公共交通機関でつながった市街地、地域のサービスや職場までの移動の容易さが主な特徴。健全で理に適った都市開発モデル」と言われているそうなのだ。私もまちづくりの会合等に参加しているのだが、世界規模で持続可能な街作りが課題になる中で、都市の空間を経済発展と環境保全といった視点をもって、いかに有効利用するかが問われているとされているのだ。 郊外の開発を極力控える一方で街の中心部に「ヒト・モノ・カネ」の機能を集約する「コンパクトシティ」の先行事例として世界で注目されているのが米国のポートランドという都市なのだが、約30年かけて街作りを地道に進めたことが功を奏した格好だ。現在は「米国で最も住みたい街の1つ」に選ばれ、若者を中心に400~500人の移住者を毎週迎え入れているそうなのだ。不況に喘いだ時代に一次産業から半導体を軸とするハイテク産業を集積すると同時に、市内中心部をコンパクトに再開発することで街に活気が戻ったというのだ。なるべく都市の中心部に人を集めて生活した方が効率的な公共サービスを引き続き提供できるほか、良好なコミュニティ形成などにつながるという考えが市民全体に浸透しているそうなのだ。 ポートランドはオレゴン州の最大都市で人口は60万人弱なのだが、中心部から車を約1時間走らせば海や山の壮大な自然にたどり着くことから、堅苦しい東海岸のライフスタイルに嫌気をさした人々が移住し始めたというのだ。もともと自由を尊ぶ文化が根付いた都市で過去にゲイを公言しながら市長に当選した人物もいるというように、この街の自由な気質の一面を物語っているのだ。林業を主力産業にしていたが不景気で住宅市場が低迷し、経済活性化と自然保護が喫緊の課題となり、米国でも画期的な「都市成長境界線」と呼ばれる概念を導入したというのだ。これは人口予測を基に開発できる領域を明確に線引きする政策で境界線の総距離は320キロにおよんでいるのだ。 市民は基本的にその領域内で生活することが義務付けられる。衣食住が「20分圏内」で完結できるよう都市開発を進めた結果、都会と自然が共存する住みやすい街として全米から移住者が相次ぐようになったというのだ。一般的に米国の中間層は車を利用して郊外に住むことが多いが、クルマ社会から公共交通機関を軸とする歩きやすい街作りに転換したのだ。そもそも郊外の暮らしを愛好していた市民にとっては有難迷惑な話で、堅苦しい東海岸のライフスタイルに嫌気をさした人々が移住し始めたまちだったのだ。1本の道路を境に左は住める地域で右は住めない地域に区分されていると、住める地域には住宅・スーパーなど生活インフラがなんでも揃うが住めない地域は手つかずの自然や農地が広がるばかりだというのだ。 何しろ住居地区の線外であればそこに住みたくてもかなり住みにくい暮らしを強いられ、例えば水道という基本的な公共サービスが提供されず、井戸水をくみ上げて生活するしかないという具合なのだ。強制力が伴う境界線を定めたことに市民の反発はなくはないが、住民主導の議会が5年ごとに境界線を見直すというのだ。コンパクトシティ戦略は、市民にとって最大公約数となる「効率化」を追い求める一方、一部の人の生活する「権利」を奪い取る非情さも内包する。ただ、こうした痛烈な措置を講じなければ、都市は無駄な拡散を続け、将来の人口動態に見合う街作りを進められないのかもしれない。人口減少社会に突入した日本も各地域が長期的な視点に基づいて都市開発の戦略を練る必要性があるということなのだ。
2014年08月07日
コメント(0)
ピクトグラムは一般に「絵文字」・「絵単語」などと呼ばれ、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号の一つであるとされている。地と図に明度差のある2色を用いて表したい概念を単純な図として表現する技法が用いられ、一見してその表現内容を理解できることを目的として、日本語のわからない人にも情報を伝えられるなど年齢や国の違いを越えた情報手段として有効とされている。このピクトグラムはアメリカ運輸省が統一化し、アメリカ国内の空港整備のために開発した公共的な機関で使われたのが最初で、現在では世界的に空港または交通機関・公共機関等で使用されている。案内用サインとしてピクトグラムが社会に浸透するまで約10年がかかったそうなのだ。 我が国においては1964年の東京オリンピックの開催時に外国語によるコミュニケーションをとることができ難い当時の日本人と外国人の間を取り持つために、国際的デザイナーだった勝見勝らによって開発されたのが始まり、1970年には「男女」のピクトグラムが大阪万国博覧会にトイレのサインとして利用されたそうなのだ。当初はこれが「トイレ」のサインであることを理解できる人は少なく、その横に「便所」と張り紙がされたという逸話が残っているのだ。そしてこのピクトグラムは駅などの交通施設やデパートなどの商業施設・観光施設・役所などの公共施設といった不特定多数の人々が利用する施設の案内に使われ、2002年サッカーW杯の開催を契機として「案内用図記号」としてJIS化されたそうなのだ。 案内用図記号104 項目がJIS 規格化されそれまでは施設ごとにバラバラに使用されてきたピクトグラムは、これにより交通施設・観光施設・スポーツ施設・商業施設等の国内諸施設に使用される案内用図記号の標準となったそうなのだ。標準化された「案内用図記号」としてピクトグラムは様々な場所で使われるようになってきていたのだが、今回の改正は国際標準化機構の発行するISO7001(図記号・般案内用図記号)の追加発行を受けたものだそうなのだ。JIS改正ではこのほか交通弱者として「高齢者」・「障害者・けが人」・「内部障害者」・「乳幼児連れ」・「妊産婦」を優先すべき設備や席を示す図記号の10点が追加され、バリアフリーの観点から明確なビジュアルの充実を図ることにしたそうなのだ。 日本国内の各施設等においてばらばらに使用されていたピクトグラムを標準化し、現在のところ国内では「標準案内用図記号」として、国土交通省の交通エコロジー・モビリティ財団が設置した一般案内用図記号検討委員会により125項目を「標準案内用図記号」として決定されてはいるのだが、ピクトグラムは場合によって表示内容を変更することができるそうなのだ。不特定多数の人々が利用する施設内の案内標記には、積極的に外国語併記にあわせてピクトグラムを使用することが推奨されており、日本政府観光局も訪日外国人旅行者が見やすく・分かりやすく・利用しやすい表示や案内板について、国際標準化機構規格のピクトグラム等を紹介しながら外国語標識の普及 を推進している。 そして今年には「靴を脱いでください」といった外国人観光客向けのピクトグラムが日本工業規格に追加されたのだ。経済産業省は今月に発表した「案内用図記号」を改正したもので、特定の外国語で話せる人がいることを示す「コミュニケーション」の記号も併せて追加し、観光分野の図記号を標準化することによって安全・安心な旅を提供する環境を整備し、外国人観光客の誘致につなげるというのだ。この「靴を脱いでください」の図記号は、旅館などの入り口に設置することを想定しており、たたみ文化や靴を脱いでくつろぐといった文化を、海外に理解してもらう狙いもあるというのだ。経産省産業技術環境局国際標準課の担当者は「2020年東京五輪を見据え日本のおもてなしの心を示したい」と語っているのだ。
2014年08月06日
コメント(0)
型枠大工のなかでは「ワンコイン大工」という自虐的な言葉も飛び交っていた時には、多くの専門工事会社は職人を抱えるのに四苦八苦していたのだ。今でこそその時の反省から社会保険の加入を公共事業の入札条件にしているが、社会保険の加入などの経費が専門業者の重荷になっていたのだ。そこで独立させて下請けとして使うというあしき習慣が繰り返され、ある型枠の専門工事会社の社長は「2010年までは何とか社員として抱えて社会保険をかけて来たがもう限界だった。3分の2の社員に一人親方になってもらった。申し訳ないけど余裕がない」と打ち明けていた。一人親方とは会社に所属しないフリーランスの職人のことで、保険にも入れず給料は日給制といったそんな職人が増えていったのだ。 建設需要の低下とともに職人の数が減るのはある意味で健全なのだが、ただし残ったのが有能な職人であるとは限らないのだ。職人を雇用せずに仕事を請負う一人親方や日雇い労働者を使って施工する会社や、手を抜くことで安い単価をカバーしようとする会社がはびこっているからなのだ。一人親方とは建設業などで職人等を雇用せずに自分自身と家族などだけで建設業等を行う事業主のことで、もともとは職人をまとめて仕事ができる能力をもっているという職階をしめしていたのだ。しかし現代においては社会保険に未加入等労務管理上の問題として取り上げられることが多く、社員教育や福利厚生を手厚くする会社が損をして「安かろう悪かろう」の会社が生き残る代名詞として使われるようになっているのだ。 私の所属している建設業の例でいうと、職人には「見習い・職人・一人親方・親方」といった4つの職階があって、見習いとして職人への道へ足を踏み入れたのち技術を習得し職人となる。その職人が独立し職人を雇入れ企業としての体裁を構えている段階が親方で、単に技術に習熟しているだけでなく会社を経営し工事を差配するといったマネジメント業務をこなすことが求められるのだ。一人親方は親方のひとつ手前の段階で職人として一人前になったのち、親方の元から独立した段階が一人親方と呼ばれるのだ。職人としての技能を持ってはいるが、独立はしても自身の職人はまだ抱えていない状態で、大工職の場合はこの「一人親方」になるまでには10年かかるといわれている。 この一人親方という形態が成り立つのはその存在が業務の性格にあって、一人親方は職人として雇われる場合もあるし、あるいは職人グループを率いて工事を差配できるとみなされていることから、必要な時だけ職人と共同でまとまった工事を請け負う場合もあるのだ。これは建設工事には短期的に多数の職人が必要になる工程があり、その場合も他の業者ないし職人個人を応援に呼ぶシステムが確立していたのだ。専門技能を要求されることや仕事量が工期を通じて一定していないことが、一人親方ないし小規模業者に対するニーズになっているのだ。また労務に対して賃金が支払われているのではなく、仕事の完成に対して報酬が支払われていると判断されているのだ。 何年も修行をして一人前になる職人の世界で、職人も高齢による引退も進み工事キャパを維持するだけでも本当に大変となってしまい、景気に翻弄されコストカットが続き食うための仕事とともに、職人の誇りが失われてしまった状況となってしまったというのだ。職人が増えない理由はこの先建設の仕事に将来性を見いだせない社会状況にあって、不動産会社等の利益のための犠牲になっていたともいえるようなのだ。今は賃金を上げても有能な職人が集まらないことが問題なのだが、労務費が上昇の一途をたどっているのは長年にわたって単価が下がり続けた反動でもあるのだ。そして売り手市場の追い風を捉え多くの専門工事会社が職人の待遇改善を行うことなのだ。
2014年08月05日
コメント(0)
TVでの特番だったのだが、宮城県内のある専門工事会社に電話がかかってきたのは、建築現場での生コン打設予定日の約1週間前だった。「大工が足りないので何とか工面してくれないか」との打診だった。その専門工事会社はちょうど1つの山を越えたばかりだったので、型枠大工を5人ほど送り出したのだ。そこは公共建築物の躯体工事で複数の専門工事会社から集められた型枠大工が急ピッチで型枠を組んでいた。生コン車を予約した日はもう目前でそんな状況では誰もが「もう間に合わない」思っていた。ある程度は予想できた事態で材料の加工段階から型枠大工が足りなかったのだ。15人いれば足りる現場だったが型枠材の加工に手いっぱいで必要な人数を集められなかったというのだ。 業者の担当者が同業他社に電話をしても「うちも余裕がない」と断られており、型枠大工を5人ほど送り出した専門工事会社の社長も「うちの大工が出向いた時点で既に手遅れだった」と振り返っていた。本当なら打設の1週間前なら6割の型枠が組み上がっていなければならない現場なのに、応援に入った時にはまだ4割しかできていなかったからだ。現場は型枠を支えるパイプやコンクリートの中に入れ込む鉄筋などが複雑に入り組んでおり、人数を増やせば増やすほど作業効率は落ちることもあって、結局は打設予定日までに型枠を組み終えることはできなかったのだ。追い打ちをかけたのは生コン車の不足で、型枠が組み終えられなくても2~3日後に再予約できれば工程の遅れはわずかで済んでいたのだ。 しかし台数が減って需要過多になっていた生コン車を予約できたのは約10日後で、先の社長は「恐らく工期には間に合わないだろう」とため息をついていた。この現場は特殊な例ではなく、城県全体で型枠大工が不足していたのだ。同じように打設予定日に間に合わなかったり帳尻合わせに追われたりした現場は多かったのだが、それが大震災前の2月時点で表面化していなかったのは、工程の遅れを何とか取り戻したからだったのだ。型枠大工の業界団体である日本建設大工工事業協会の宮城支部が大震災前に会員企業向けに実施したアンケート調査は不足感を定量的に表している。平成21年に仙台市内で1568人いた型枠大工は平成22年には1202人に減少しており、1年で366人減っていたのだ。 日本建設大工工事業協会宮城支部の支部長は取材に対して「不足感が表れたのは10年8月ごろからで、公共工事・民間工事ともに少しずつ仕事が出始めたら、職人が集められない現象が起こった。ほかの会社に電話してもどこも同じ状況だった。急激に仕事が増えたわけではない」と話ししていた。なぜ型枠大工が足りなくなったのかというとそのメカニズムは、リーマンショック以前は建設需要と必要な職人数がほぼ一致していた。発注に波があるので時期によっては職人数が過剰だったが、単価が比較的高く専門工事会社は職人の雇用を維持できていたのだ。それがリーマンショックによって建設需要が一気に冷え込み、国土交通省によれば約48兆円あった建設投資は3年間で5兆円以上減少したのだ。 建設投資の急激な減少に伴って民間工事を中心に建設会社の価格競争が激化し、安値受注のしわ寄せが専門工事会社に及んだというのだ。収入が下がったことで多くの型枠大工が転職したり引退したりしてしまったのだ。職人が減った段階で建設需要が徐々に戻り始め、少し仕事が出たとたんに職人不足が露呈したというのだ。TVで取材していた仙台市の躯体工事はちょうどこのころ行われていたというのだ。職人を取り巻く環境はリーマンショック前に比べてかなり悪化しており、専門工事会社の経営者や業界団体の役員が指摘していたのは賃金の大きな低下だったのだ。「元請け会社の安値受注が影響していた」と複数の経営者が過去の実態を口をそろえて語っていたのだ。 単価の一つの基準である公共工事設計労務単価は1990年代後半から下がり続け、2011年2月時点では1996年比で71%まで下落していたのだ。しかもリーマンショックで職人の単価は暴落し日本建設大工工事業協会の会長は取材時に「一時は50%近く単価が低下した」と話していたのだ。今でこそ職人不足の深刻化によって公共工事設計労務単価は年々上昇しているが当時はそうではなく、型枠大工のなかでは「ワンコイン大工」という自虐的な言葉も飛び交っていたというのだ。これは1m2の型枠を組む職人の労務単価が500円だったことから付けられたのだが、「1m2当たり500円だったら日給1万円未満。これでは食えない」と嘆き、もう「未来がない」と思って多くの職人が転業してしまったのだ。
2014年08月04日
コメント(0)
天気予報の技術はかなり進み予報の精度は向上しているそうで、それでもなお気象学の世界にはナゾが存在しているというのだ。そのナゾのひとつが台風の予想ということなのだが、台風の発生等が精度よく予測できるとすれば第一に防災情報になるとされている。私も仕事の関係で気象予報士の資格を持ってはいるのだが、天気予報予想は仕事ばかりではなく、レジャーや旅行計画などの面でも役立つし、ボランティア活動においてもかなり有益な情報と成り得るのだ。先週から私の住んでいる四国地方に大雨を降らし続けている台風12号は、暴風域が消滅し大型ではなくなったが速度が遅くをゆっくりと北上中で、九州の一部がいまだに強風域内となっているのだ。 この台風12号を取り巻く雨雲のため徳島県や高知県だけでなく私の住んでいる愛媛県でも猛烈な雨で、四国沖では台風沿いの暖湿流と太平洋高気圧沿いの暖湿流が合流し、積乱雲が連続的に発生して大雨を降らせ続けており、雨量が急増すれば特別警報の発表基準に達する可能性があるというのだ。この台風12号の特徴は中心から離れた場所で大雨のおそれがあるという点なのだが、台風12号の動きが更に減速してしまい四国地方は南から暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が非常に不安定となって激しい雨が降っている。徳島県美波町付近では1時間に約120ミリの猛烈な雨となったことから、徳島県阿南市に避難指示を出し徳島市などで避難勧告が出している。 四国地方への暖湿気の流れ込みは収まる気配がないことから、四国地方では明日の夕方まで局地的に大雨となる見込みで、九州北部も明け方にかけて雷を伴った非常に激しい雨の降るおそれがあるというのだ。昨日らの降水量は多い所では1時間に120ミリの雨が降ったとみられているのだが、これは記録的短時間大雨情報というのだ。これは特別警報ほどではなくとも「猛烈な雨」が観測された場合に「記録的短時間大雨情報」が発表されるというのだが、これは数年に一度程度しか発生しないような大雨を観測した場合に発令されるもので、該当地域で災害の発生につながる事態が生まれていることを意味し、今の状態ならこれからも短時間の激しい雨に警戒が必要だというのだ。 私も事務所で待機しているのだがPCで雨雲の動きなどを見ているのだが、大雨による土砂災害発生の危険度が高まったとき市町村長が、避難勧告等を発令する際の判断や住民の自主避難の参考となるよう、都道府県と気象庁が共同で発表する「土砂災害警戒情報」も発表されているようなのだ。それと今回TVでよく使われている「1時間に100ミリ」の雨とは、気象用語では「猛烈な雨」に分類され、「猛烈な雨」とは1時間当たり80ミリ以上の大雨のことで、一番雨量が多くて災害の危険性が高い状態だというのだ。気象庁では「恐怖を感じるような雨」とも表現しているそうなのだが、これまでの大雨で地盤の緩んでいる所があるので、土砂災害に警戒が必要なことから今日は事務所泊まりになりそうなのだ。 今後の24時間雨量は多いところで私の住んでいる四国地方は400ミリが見込まれ、多くのところに避難指示や避難勧告が発令されているようなのだ。実際に避難している住民は「床上まで来たことはあるけど、こんなのは初めて」と話していたのだ。今回の台風12号の被害も道路や鉄道の通行止めが行われているのだが、本格的な被害調査は雨が止んでからとなるので明日から少しは忙しい日が続きそうなのだ。天気予報の技術はかなり進み予報の精度は向上しているが今回の台風がこのような被害を起こすと予想されておらなかったことから、天気予報等も今後の技術発展に期待をしながらも、現実的には出来るだけ正確な情報を伝えていかなければということになるのだろう。
2014年08月03日
コメント(0)
私はコンビニで食品を買ったりしないし外食もあまりしないので関係は薄いのだが、外食産業大手の日本マクドナルドが中国製鶏肉商品の販売をやめたことが波紋を呼んでいる。サラ・カサノバ社長は決定に当たり「お客さまに提供する食事、またブランドに対する信頼が何よりも大切」と強調した。問題が長引けば前社長から託された経営再建への影響は避けられないため中国外しで幕引きを図った形だというのだ。日本マクロナルドで販売している「チキンマックナゲット」を製造していた中国の「上海福喜食品」で、消費期限切れの鶏肉を混入させた「チキンマックナゲット」を製造した問題の発覚したことから、日本マクドナルドには、消費者から原料原産地表示を求める電話が相次いだというのだ。 この中国製鶏肉商品の販売をやめた日本マクドナルドの決定を聞いて、コンビニのファミリーマート関係者は驚きの声を上げたそうなのだが、ファミリーマートも上海福喜から調達した「ガーリックナゲット」などを販売してきた以上、強い対応を迫られるのは必至だからだ。しこで日本マクドナルドが「中国外し」を決めた日に、ファミリーマートも中国の取引先に厳格な品質管理を求める方針を明らかにしたというのだ。日本マクドナルドも最初から中国製の排除を決めていたわけではないみたいで、当初は中国の別工場とタイに切り替える方針を打ち出していたというのだ。しかし消費者からの問い合わせが1430件に上り、「中国で作っていることが不安を呼び、信頼が傷つく事態を放置できない」とタイ製への一本化に踏み切った。 今回の事件で消費者の不安が高まっているのは事実で、フライドチキンを中国から調達するモスバーガーにも上海福喜の問題が明るみに出た後に、「安全性は大丈夫か」といった問い合わせが寄せられたというのだ。日本マクドナルドの判断に対し老舗外食企業の幹部は「お客さまの圧力が相当強かったのだろう」との見方を示していたのだが、製造国を切り替えるだけで問題が解決するわけでもないという指摘もされており、モスバーガーを運営する会社の幹部は「タイでも同様の問題は起こり得る」と指摘しているのだ。ベトナムから輸入した冷凍シシャモに毒性の強い薬剤などが混入されたことや、日本国内でも昨年末に冷凍食品から農薬が検出されるなど食の安全を揺るがす事件は枚挙にいとまがないというのだ。 同様の事態を防ぐには「チェック体制を強化するしかない」と話しているし、大手牛丼チェーンも「問題は国ではない。安全性をどう保証するかだ。中国からの調達を急にやめる必要はない」との立場で両社とも切り替えに否定的だった。それでも消費者の不安は募るばかりで、ある主婦は「中国の食品工場の映像を見ると、安い食品は怖いなと心底思った。外食でも産地を知りたい」と話し、原産地表示のないファストフード店の利用を控えるといっているそうなのだ。外食産業での原材料の名称や産地など表示する義務はなく、表示した場合のガイドラインを農水省が設けているだけだ。消費者庁は加工食品の栄養表示の義務化など、新しい食品表示法の施行に向け基準について詳細なルールを決めているというのだ。 ただ加工食品の原料原産地表示は議論の先送りが続き、外食の原産地表示は検討にも入っていないというのだ。外食の業界団体である日本フードサービス協会は「法律で表示義務が課せられれば、中小の飲食店の負担が大きく実効性が伴わない。企業の自主性に任せるべきだ」と義務化には反対の立場を貫いているそうなのだ。消費者からの「中国外し」を求める圧力が強まる可能性も否定できず各社は神経をとがらせている。外食産業は消費者の低価格志向に応えるため鶏肉加工品だけでなく多くの食材を中国に依存しているが、その一方でマクドナルドが中国製を切ったのも「お客さまの声が多かった」ことが決め手になった。各社は、安全と安さの両立という困難な課題に直面しているのだ。
2014年08月02日
コメント(0)
夫が原因で妻が体調不良を起こす現象で「夫源病(ふげんびょう)」とは、医師の石蔵文信氏が命名したもので読んで字のごとく「夫のなにげない言動や存在そのものが妻にとって大きなストレスとなって、体調不良の原因になる可能性がある」というのだ。中高年から始まる体の変調に対しては「無理をせず、自己の生活を楽しむ」と発表したところ、全国の主婦たちから「私も!」との声が殺到したそうなのだ。「夫源病」の症状は頭痛や肩こり・倦怠感・気分の落ち込み・便秘や下痢・めまいや耳鳴りなどさまざまで、これらの状態で脳波を調べ「脳過敏症候群」という判断で無ければ「夫源病」の疑いが強くなるそうなのだ。そして「良い妻」・「良い母親」であろうとする良妻賢母タイプが要注意だそうなのだ。 主婦の場合誰にでも旦那への不満はあるとされているのだが、それがストレスになってしまうほど不満を抱えている場合は危険だというのだ。世の妻たちはどれくらいストレスにさらされているかということなのだが、今年の2月に新聞社が全国の主婦687人に調査した結果、97.7%が「ストレスがたまっている」と回答したそうで、1番多かったのが「対人関係のストレス」で全体の半数以上となっており、さらにそのストレス源が「夫」と答えた人が48.5%もいたというのだ。全国の半数近くの主婦が「夫」がストレス源と回答ところで、原因となる夫のタイプには傾向があるそうなのだが、最も危険なのが外では愛想が良いのに家では不機嫌というタイプの「外づらのいい夫」だというのだ。 私は違うのだが「家事を手伝わない夫は困る」なんて言っている現代において、自分の身の回りのことさえしない旦那さんもけっこういるそうで、服は脱ぎっぱなしで片付けるのは奥さんというだけでなく、食卓でもリビングでも自分の目の前にあるものさえ奥さんに取らせる、お風呂に入っても石けんがないとかタオルがないといちいち奥さんを呼んで、まるで旦那の付き人のような奥さんも「夫源病」になりやすいそうなのだ。ほかにも「ありがとう」・「ごめんなさい」などの感謝の念を表さない夫や、自称「イクメン」で家事の手伝いや子育てを自慢する夫に、「養ってやっている」という気持ちが強い上から目線のタイプなど、見渡せば夫婦間の問題となる事象の原因の大半は夫にあるというのだ。 もっともこの「夫源病」に対して「暇な人間ほど掛かる病気だとしか思えない。フルで仕事していると、夫の発言くらいで精神やられないから、もっと世界を広げたほうがいい」と言う意見もあるというのだ。「夫源病」の解決策を命名者の石蔵文信医師に尋ねると、それはズバリ夫に改善点を伝えることだそうなのだ。「あなたも仕事で疲れているのはわかるけれど、自分で出したものは元の場所にしまってくれるとうれしい」など、上手に伝えて気分よく要求に応じさせるのがコツだというのだ。それから「男って優しいものでどんなに馬鹿にしても、わがままいってもいじわるしても笑ってくれる」と考えることも大切で、それと同時にイラッときたら溜めずにその場で指摘するのも大事だそうなのだ。 そんな悩み多き主婦が頼りにしているのはということを先の調査で、「よき相談相手になってくれると思う人」を聞いたところ母親や友達についで一番多かったのが夫だというのだ。イラッとされつつも実は頼りにされる一面もあって世の夫の実態もなかなか複雑なようなのだ。「夫婦の間でもコミュニケーションは大切でそのためにはまずは会話をして本音を言える関係を築いておくということのようなのだが、石蔵文信医師も「胸の中にためておくから病気になってしまうのです。それでも手に負えない場合は妻が小旅行や夜の外出などすることで、夫婦間にほどよい距離を置くのもひとつの方法です」というのだ。妻を夫源病にするのも救うのも全国のお父さん次第なのだろう。
2014年08月01日
コメント(0)
全31件 (31件中 1-31件目)
1