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政府は今年の春の叙勲で黒田東彦前日銀総裁が「瑞宝大綬章」を受章すると発表したが、日銀総裁を歴代最長の10年超務めた黒田前総裁は円安基調を生み出したとされている。我が国の受勲は明治8年4月に「勲章従軍記章制定ノ件」が公布され、これが現在の旭日章の基になったもので我が国の勲章制度の始まりとなっているが、以降では明治9年に菊花章が制定され明治21年に瑞宝章と宝冠章また昭和12年には文化勲章が制定されている。今回黒田前日銀総裁が受ける「瑞宝大綬章」は「国家又は公共に対し功労のある方」で「公務等に長年にわたり従事し、成績を挙げた方」が受ける勲章なのだが、その授与基準は「その者の果たした職務の複雑度・困難度・責任の程度等」について評価されるという。 勲章のデザインは古代の宝であった宝鏡を中心に大小16個の連珠を配して四条ないし八条の光線を付し章と綬の間にある鈕には桐の花葉を用いているというが、授与基準によれば「事務次官の職を務めた者」には瑞宝重光章を授与すると定めており、「その者の功労全体を総合的に評価して、より上位の勲章の授与を検討することができる」としたため、事務次官経験者に瑞宝大綬章を授与することもあるそうなのだ。くしくもこの日の外国為替市場外国為替市場の円相場は対ドルで急落し一時1ドルが160円台を付け日銀が緊急介入をしたとみられることから、このタイミングでの受章にネット上では「この人がもらっていいの」とか「『日本を貧乏にしたで賞』かな」などと怒りの声が挙がっているそうなのだ。 「デフレからの脱却」を目指し「黒田バズーカ」と呼ばれた大幅な金融緩和は長期的に続く円安基調を生み出し、後任の植田和男総裁は「マイナス金利政策」の解除には踏み切ったものの黒田前総裁が取ってきた金融政策の大幅な見直しには至っておらず、日銀の決定会合後の会見で植田総裁が円安容認と取れる発言をしたことで34年ぶりの水準となる急激な円安に歯止めがかからぬ状況となっている。円安が生活苦につながっている国民は多く「金融危機」も危ぶまれるような状況下での受章報道に「これは悪いジョークなのか」や「1ドル160円台に値下がりするなかで1番の戦犯に何の冗談だ」・「自国通貨をあえて安く誘導した結果、円安に苦しむ日本。こんなバカをやった黒田がなぜ叙勲」などの声が上がっている。 黒田東彦前日銀総裁は東大を卒業後の1967年に大蔵省に入省しており、1999年に大蔵省の国際部門を統括する財務官に就任して、退官後の2005年からアジア開発銀行総裁となり国際金融の分野で活躍していたそうで、安倍晋三政権のもと2013年に日銀総裁に就任し経済政策「アベノミクス」の一環となった大規模な金融緩和を主導してデフレ脱却を目指した。 日銀総裁在任期間は歴代最長の2期10年と長期だったのだが、異次元緩和は企業業績や株価を後押しする一方で長期的に続く円安基調を生み出し円安を通じ生活負担の増加を招くなど功罪両面が指摘される中、昨年の4月に後任の植田和男現日銀総裁にバトンタッチしており、現在は政策研究大学院大学の特任教授などを務めているという。 金融政策運営でリーダーシップを発揮しその大胆さから「黒田バズーカ」とも称されたが、今回の受章に際して寄せたコメントでは、「私の勤務した財務省だけでなくアジア開発銀行や日本銀行の功績に対する叙勲と考え感謝いたします」と功績を所属機関に帰する気配りをのぞかせたという。黒田東彦前日銀総裁の叙勲を決めた政府のトップが「いま日本においては30年ぶりに経済の明るい兆しが出てきました。大企業だけではなく中小企業そして地方・農林水産業・介護・福祉・建設等様々な分野で幅広く賃上げを広げていかなければならない」などと的外れなことを言って、労働者の祭典であるメーデーに労働者の生活を破壊してきた岸田総理に対して集会に参加していた労働者から「帰れ」などと痛烈なヤジが飛んでいたという。
2024年04月30日
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私たち現代人は身体の疲れよりも脳の疲れのほうがずっと深刻だといわれるのだが、困ったことに身体の疲れと違って脳の疲れは一晩寝たぐらいでは回復しないそうで、それでいて脳の疲れは自覚しにくく放ったらかしにされがちだという。それがあるとき原因不明の体の不調や集中力の低下だけでなく、心の病や幸福感の低下などさまざまな症状となって表れるそうで、それでも放置していると不眠や自律経失調症にうつなどさらに深刻な症状を招くことがわかっているそうで、特に「なんだかパッとしない、動けない」というのも、人がまだ自覚していない脳の疲れのせいかもしれないとされるのだが、その大きな要因の一つとして挙げられるのが過剰な情報収集による脳の「オーバーフロー状態」なのだという。 インターネットの登場により私たちの脳が処理しなければならない情報量はそれ以前に比べて、数十倍規模に増えており、スマホによってそれはさらに加速し四六時中SNSをチェックしたりゲームをしたりと脳は休む暇がないという。また「マルチタスク化」も進んでいて職場では複数のタスクを同時に処理する「マルチタスク」が常態化し、仕事Aについてアポイント入れを進めながら仕事Bの資料を作成し、仕事Cに関する会議に出席して仕事Dの仕込みをするなど「仕事Aをしながら、仕事Bをする」状態が当たり前になっている。日常生活のなかでもマルチタスク化は進んでいて、誰に命じられたわけでもないのに効率を重視する傾向も相まって私たちは「食事しながらスマホを見る」といったことを続け脳に疲れをため込んでいるという。 私たちの生活から「一つのことに意識を集中する」時間が消えてしまった状態を脳科学は「マインドワンダリング」と表現するが、現代を生きている限り「マインドワンダリング」から逃れるのは至難の業で、脳が疲れている直接の原因がこれなのだという。脳科学の研究によると「マインドワンダリング」中の脳はエネルギー消費が激しいことがわかっており、現代人は起きている時間の50%近くを「マインドワンダリング」の状態で過ごしているという報告もあるという。これでは私たちの脳がエネルギー切れを起こすのも当然で、身体の疲れをとる方法ならマッサージやエステにお風呂とたくさんあり、若い人なら一晩眠るだけで身体の疲れはとれてしまうのだが、脳の疲れは「一晩眠れば治る」というわけにはいかないのだという。 意識してケアしないと脳の疲れは蓄積し続けるのだが、一番簡単な方法は歩きながら「マインドワンダリング」を解消する「マインドフルネス」を実践することだという。「歩行瞑想」あるいは「マインドフル・ウォーキング」と呼ばれるがここでは観察することがポイントで、観察するのは足の裏の感覚だとされ、足の裏の感覚に意識を向けやすくするため歩くスピードをぐっと落とし、かかと・つまさきの順で床や地面を離れ足の裏が体重から解放されたときの感触や、空中に浮いた足が移動しかかとから着地して床や地面の感触が足裏に戻ってくる感触を味わうのが対札だという。最初のうちは「かかとがあがった」とか「足が着地した」などと心のなかで唱えながら歩くと感覚を追いかけやすく、仕事の合間に部屋を一周するだけでも効果があるという。 歩行歩行瞑想は気持ちをリラックスさせストレスを解消し気持ちが前向きになる効果が期待でき、その理由のひとつに歩行瞑想により「今この状態」に目を向けることができると、頭がクリアになり自分を俯瞰することができるようになるという。またウォーキングは幸福ホルモンとも呼ばれる「セロトニン」の分泌を促してくれる運動で歩くにつれて心が穏やかになってくるという。もうひとつのポイントは屋外を歩き日光を浴びることもセロトニンの分泌を促してくれるそうで、このようなトリプルの効果で歩行瞑想は気分を明るく前向きにしてくれるのだという。ウォーキングは脂肪燃焼効果や血行促進効果などがあり、続けることは生活習慣の改善にもつながり通勤・通学などの移動時間や散歩の合間などに取り入れるとよいそうなのだ。
2024年04月29日
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定年退職すると生活スタイルの激変は避けられないが、それまで会社の仕事だけの生活をしていた人にはほぼ確実に生じるそうで、そして環境が大きく変わるとメンタルに不調をきたす人がどうしても増えるという。日本の場合会社の中でずっと生きてきた人が多くそれらの人々は、定年になって全く違う世界の中で生活することになるが地域の中でうまく過ごすこともできず、そのような状況にある高齢者が非常に多くなってきているというのだ。「定年うつ」とは仕事一筋だった人が定年退職を迎え急にやることがなくなり、自宅に引きこもって暮らすうちにうつ病になってしまうことで、趣味もなく人間関係のほとんどが仕事に関連したものだったので会社で働かなくなると社会とのつながりが失われてしまうのだという。 最近は定年後再雇用や早期退職の転進支援制度があって、60歳を過ぎたら一様に退職するということはないものの、60歳前後でメンタルの落ち込みを経験する人は少なくないそうで、定年後の再雇用や早期退職による転進支援制度を利用し仕事をする環境が大きく変わり、その環境変化に加齢からくる心身の変化が重なってこれまでにない大きなストレスにさらされがちだという。再就職した先で「これまでのやり方が通じない」という状況に陥ると大きなストレスが生じ、中にはまるで自分自身の存在が否定されたように感じる人もいるという。「人生100年時代」ではできるだけ長く働くことが当たり前になると考えられているが、60歳前後で働く環境が大きく変わりメンタルに不調をきたす人が増えることは知っておくべきだという。 幸せなシニア生活にはさまざまな条件が必要で、それらをすべて満たすのは決して容易ではないのだが、仮に十分な年金で生活できる経済的に恵まれた人でも生活スタイルの変化は避けられないし、電話で誰かと話すことも考えられるが相手の迷惑になる場合もあるし、嫁さんから「週3日は外出して」と言われて一日中電車に乗っていたという人もいるという。コミュニティの集まりに参加してもそこで自分が無視されていると感じて怒ってしまう人もいるそうで、在職中から勉強を続けそれまでの本業以外にできることを見つけ定年後に備えることが必要だが、資格を取り仕事を続けられれば、ミュニケーションもでき充実した生活を送れるのだが、ただし資格を取ることと仕事を得られるかどうかは別のことだという。 60代になる前に、勉強と会社外の人脈を作ることができれば理想的なのだが、コロナ禍で人との接触機会が減ったため高齢者の活力低下現象が増えてきており、この予防のためにさまざまな取り組みが行われていてもコロナで高齢者の「フレイル」が増えたという。「フレイル」とは健康と要介護の中間的な状態で筋力や心身の活力が低下した状態のことを指すが、国際医療福祉大学のグループの調査によると高齢者の「フレイル」の割合は8年前には11.5%だったのが一昨年には17.4%と増加しているそうなのだ。この他にもコロナの影響で「フレイル」が増加しているという報告がいくつもなされており、外出自粛が長期間にわたったため体を動かさなかったり食事が偏ったりなどして体力が低下したのだという。 その「フレイル」を防ぐためには「運動」・「栄養」・「社会参加」の3つが重要で一つでもかけると衰弱が進むとされているが、「フレイル」は対策を講じることによって進行が緩やかになるだけでなく健康に過ごせていた状態に戻すことができるそうだという。「フレイル」によって要介護者が増えるのを予防し高齢者の健康寿命を延ばすために地方自治体も「フレイル」予防に取り組んでいるそうで、体を動かすだけでなく、科学的な根拠に基づいた「フレイル予防」を掲げ身体機能の維持を目指しているそうなのだ。「運動」・「栄養」・「社会参加」という3つの要因は独立ではなく相互に関わり合っているとされ、どれかの要因を変えれば他の要因もその影響で変わるというのだが、最も重要なのは他の人との会話を進めることではないかという。
2024年04月28日
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このところの円安傾向に歯止めがかからない模様で、円相場は今年に入ってからドルに対して16円以上下落している円相場は、外国為替市場で円相場なのだが一時1ドルが157円台まで下落し、1990年5月以来およそ34年ぶりの円安ドル高水準を更新したそうなのだ。市場では円安が加速していることで為替介入への警戒感が一層高まっているが、アメリカの利下げが遅れるという見方が強まっている一方で、日銀の金融政策決定会合で追加の利上げなど政策の変更がなかったことから、日米の金利の差を意識した円売り・ドル買いの動きが強まっていつとされていて、日銀の植田総裁の会見でいまの円安について踏み込んだ発言がなかったことも円売りに拍車をかけたとみられているそうなのだ。 植田和男日銀総裁は記者会見で今後の金融政策運営について「基調的な物価上昇率が2%に向けて上昇していけば、政策金利を引き上げていく」と述べ、円安の進行については「物価上昇に無視し得ない影響が発生すれば、金融政策の判断材料となる」との認識を示している。国債買い入れの減額については「具体的に、いつの時点で、と申し上げられる段階ではない」と指摘し、今回の金融政策決定会合では「(従来の月間6兆円程度で続けることに関して特に反対は出なかった」と語ったという。つまり円安に加え家計は物価高騰により深刻な打撃を被っているなか日本銀行の植田総裁は、金融政策決定会合で現在の政策金利を据え置くことを決め国債買い入れも3月の方針を維持したと発表したというのだ。 米国経済の堅調さから米連邦準備制度理事会の利下げ観測は後退しており、日米金利差を意識した円安・ドル高が進んでいたのだが、日銀の植田総裁はこの歴史的な円安について「基調的な物価上昇率に無視し得ない影響があれば、金融政策上の判断材料になる」との言及にとどめたという。市場では植田総裁が早期利上げの可能性を示唆するとの期待が一部であっただけに東京市場では円売り・ドル買いの流れが加速したが、何を根拠に物価高に「現時点で大きな影響はない」と述べたのかよくわからないという。ただ為替変動が日銀の重視する基調的な物価上昇率に「今後影響が発生するリスクはゼロではない」と語ったおり、今後の政策修正に含みを残しており、政策修正への圧力は強まっているという。 日銀は賃金と物価がそろって上がる好循環を追加利上げの判断材料として重視するが、今年の春闘は大企業を中心に平均5%を超える33年ぶりの高水準の賃上げが実現する見通しとなっており、このため金融業界では日銀の追加利上げは物価変動を考慮した実質賃金がマイナス基調から上昇へ転じることが予想される「夏以降」に実施されるとの見方が有力で、生命保険大手4社はいずれも最初の利上げ幅は0・25%と予想している。明治安田生命保険の運用担当者は年内の実施を予想するが「円安を要因として資源価格上昇などを受けたコストプッシュ型のインフレ圧力が高まれば、場合によっては7月会合で追加利上げの可能性もある」と分析しており、企業向け貸出金利の上昇など経済に大きな打撃を与えると懸念されている。 経済同友会の新浪剛史代表幹事は記者会見において、外国為替市場で円安が加速していることについて、「短期的に事業に与える影響はあまりない」としながらも「由々しき事態。企業の努力の効果がなくなる可能性があり、大変危惧すべき状況だ」と述べ、輸入物価上昇による日本経済への悪影響に懸念を示したそうなのだ。新浪氏は今年の春闘での高い賃上げ率に触れつつ「物価と賃金の好循環が実現しつつあったが、円安がそれを邪魔する可能性がある」と指摘しており、政府・日銀の為替介入に関しては「一時的な効果はあるが、本質的なものではない」との考えを示した上で、「円買いになるために、海外企業による国内投資を拡大するような組織をつくり、環境を至急整備すべきだ」と語ったそうなのだ。
2024年04月27日
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日本の城を訪れると「いつも残念な気持ちになる」と嘆く文化人は多いが、ヨーロッパの旧市街や城は保存状態がいい場合が多いのにくらべ、日本の城がいかに破壊されてしまっているかあらためて気づかされるからだという。私の住む松山市にある松山城跡は松山市役所の北に位置する標高 132mの独立丘陵に「勝山」を中心に所在しており、3層の天守は勝山山頂に位置して全国で12城しかない「現存12天守」なのだが、松山市のシンボルとして市民に親しまれていて、また松山城跡の本丸跡・ 二之丸跡・三之丸跡を含めた全域は都市公園の城山公園となっているが、城山公園のうち堀之内地区は松山城跡の三之丸跡及び西之丸跡に当たる部分であり、広大な緑地空間 を形成し市民の憩いの場となっている。 文献史料や発掘調査より得られた考古資料によると松山城築城前の勝山とその周辺は、縄文時代後期から利用され始め山上は古墳時代後期に墓域等として、室西と南の山麓は弥生時代後期から居住域や墓域として利用されたとされている。松山城の築城は江戸時代初期の慶長7年に賤ケ岳七本槍の一人として有名な戦国武将の加藤嘉明によって起工され、寛永4年に嘉明に代わって入封した蒲生忠知によって完了したとされるが、築城時には大規模な治水工事により城下町を造り当時の居城であった正木城などから石垣や櫓を移したといわれ、約四半世紀にわたって多くの労力が費やされた。その後寛永12年に入封した松平定行によって寛永 19年までに大規模な改修が行われほぼ現在の形となったとされている。 明治維新を迎えた段階で日本には193の城が存在し、城持ちでない3万国以下の大名の藩庁が置かれた陣屋や城に準じる要害を加えると事実上の城の数は300を超えており、天守にしてもその時点で70数棟は残っていたが、明治4年の廃藩置県で城の母体である藩という組織がなくなり旧藩主は華族となって東京への移住を義務づけられると、主を失った城の維持が困難になったところで明治6年に明治政府は日本の城に決定的なダメージを与えた「廃城令」を出したというのだ。300もある城を陸軍省は管轄しきれないため、軍隊の基地として利用できる城と不要な城とに分けることにし、各地の城を細かく調査したうえで陸軍の軍用財産として残す「存城」と普通財産として大蔵省に処分させる「廃城」に分けたというのだ。 結果として「廃城」となった城の建造物は次々と払い下げられそれを受けて取り壊された城も多いというが、「廃城」とされながら犬山城や松山城・高知城のように天守が残された城もある一方で会津若松城は「存城」とされながら、会津藩が戊辰戦争で新政府軍に抵抗したため見せしめとして建物がみな取り壊されてしまったという。これを解釈すれば「存城」といっても保存すべき城という意味ではなかったという。松山城の堀も何度も埋め立てられているが、内郭を取り巻いていた中堀は南側と西側は路面電車を施設するために一部が埋め立てられ、自慢の登り石垣も北側の登り石垣は壊されてしまったという。東側の「土器堀」ももともと松山城の外堀の一部だったが昭和30年に埋め立てられて公園になったしまったという。 外堀は松山城の防備のひとつで土塁と一体的に設けられていたのだが、外堀も埋められたうえ一部残る場所も土塁は崩されている。建造物は広大な三の丸に建ち並んでいた御殿群は火事による消失もあるとはいえ明治初期にすべて取り壊されており、日本の城のいずれも程度の差こそあれこのように無配慮に破壊されていて、これほどまでに全国の城郭が破壊されている主たる原因は明治政府の政策にあったというのだ。ただし松山城の場合は戦後に進駐軍の命令であったにもかかわらず、堀の埋立には市民が大反対して中止させており、この大事件は連合軍占領下の日本歴史上比類のない金字塔というべきだが、今日では風化してしまい事件の真相や過去の偉大な功績とを知る人は極めて少ないという。
2024年04月26日
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コーヒーと健康に関する研究は国内外で多数行われており、コーヒーを習慣的に飲むことでさまざまなメリットがあると考えられていて、少し前までは「カフェインが多くて体によくない」などといわれていたが最近は一変し、体にいいものだというデータが次々と発表されて一躍ヘルシーな飲み物として脚光を浴びてきているという。今まで肩身の狭い思いをしてきたコーヒー好きは上機嫌でコーヒーを周囲にすすめていてアメリカではその消費量も増えているという。公表されたデータのなかには「コーヒーを飲むと、がんにかかりにくい」とか「肝機能を高める」や「脂肪燃焼効果がある」など現代人にうれしい内容も多く、今や「コーヒーは体に悪い」というのは過去の話になったようで、コーヒーによって糖尿病のリスクが低下するといわれているという。 海外の論文では1日3〜4杯コーヒーを飲んでいる人はコーヒーを飲まない人や2杯以下の人と比べて糖尿病のリスクが低下したことが示されており、日本で、コーヒーを飲んでいる人のほうが「まったくまたは、ほとんど飲まない人」よりも糖尿病のリスクが低かったという研究結果があるのだという。またコーヒーによって子宮体がんや肝臓がんのリスクが低下する可能性も指摘されているようだし、肝臓への影響に関しては肝臓がんとも関連の深い肝硬変のリスクがコーヒーによって低下する可能性があるという研究もあるという。さらにコーヒーを習慣的に飲んでいる人のほうが死亡リスクは低いというデータもあり、国立がん研究センターが実施した研究ではコーヒーを飲んでいる人はがんによる死亡リスクが低下したことが分かっているという。 コーヒーには優れた「血液サラサラ効果」があることもわかり、脳血管疾患や心筋梗塞を心配するシニアには朗報となっているし、香りを嗅ぐだけでも血管の若返りに役立つというのですから驚きだという。香りは鼻から脳に入るとリラックス回路を活性化すつが、コーヒーの香り成分に多く含まれるピラジン酸には血小板が固まるのを抑制する作用があるため、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクが抑えられるということのようなのだ。音楽を聴いたりテレビを見たりしてすごす時間などの一杯のコーヒーでしなやかで丈夫な血管が守られ、さまざまな病気が防げるのなら、こんなに楽でありがたい健康法はないというのだが、大量に飲むと消化に必要な胃酸の分泌を活発にすることから胃が荒れやすくなる可能性があるという。 コーヒーの飲み過ぎによるカフェイン依存症の懸念も心配されるが、大量のカフェイン摂取が習慣になっているとカフェインを摂取しなくなることで頭痛・吐き気や大量の発汗といった離脱症状が出ることがあるという。日本ではカフェインの摂取許容量は定められていないが、海外では健康な成人で1日400mgが目安とされている国・地域が多くなっており、これはカフェインの含有量は製品ごとに異なるがカフェイン400mgはだいたいコーヒー4〜5杯分に当たるので目安として知っておくとよいという。カフェインの感受性には個人差があることから、摂取量にかかわらず症状に心当たりがある場合はコーヒーの摂取量を控えることを検討するべきだし、コーヒー以外の飲料も含めて摂り過ぎに気をつけることも重要だという。 健康効果という点ではブラックコーヒーが望ましいといえますが砂糖を入れないと飲めない場合は可能な限り控えめにするか、息抜きタイムに食べる脳に効くおやつを考えるとよいという。そのコーヒーを飲むときのおやつは何がいいのかというと、甘いものにもいろいろあるがそのなかでもおすすめはチョコレートで、チョコレートには糖分のほかに脂肪も含まれているのでダイエットの大敵と敬遠されがちですが、この脂肪が疲れた脳にはいい仕事をしてくれるのだという。糖分を多く含む清涼飲料水を飲む習慣がある人はコーヒーに代えることで、コーヒーの健康効果を得られるうえに砂糖の摂取量も減らせるし、脂肪は消化吸収に時間がかかるように働くのでチョコレートの糖分による血糖値はゆっくりと上がり長い時間保たれるのだという。
2024年04月25日
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胃がんの原因だというピロリ菌は「ヘリコバクター・ピロリ」という細菌の略称で実は発見されたのは割と最近だとされ、西オーストラリア大学のウォーレン博士とマーシャル博士が1979年に初めて報告をしたそうなのだ。そもそも胃酸による過酷な環境下に細菌が生息するとはそれ以前には誰も考えてはおらず胃粘膜に菌が生息し得るという発見は画期的だったという。より重要なことは胃炎や十二指腸潰瘍を有する患者の胃粘膜にピロリ菌がいるという対応を見出したことで、1982年にピロリ菌の分離培養に成功しウォーレン博士とマーシャル博士はノーベル医学生理学賞を受賞することになったそうなのだ。ピロリ菌が感染すると胃炎が起きるというが、内視鏡で観察した場合には「萎縮性胃炎」という特徴的な胃炎を呈すという。 この「ヘリコバクター・ピロリ菌」は胃の粘膜に生育している細菌で、胃の中は胃酸によって殺菌されているので細菌が生きていることはないと考えられていたのだが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素を産生することで胃酸を中和する働きを持っているのだという。ピロリ菌が注目されたのはこの細菌の感染が「萎縮性胃炎」という胃炎の原因となり、そこから胃がんが発生しやすくなることが明らかになったからだというそうです。それ以外にも胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因にもなり、胃の病気の多くはピロリ菌が原因として起こっているのだという。胃がんや潰瘍のすべてではないがその多くがピロリ菌を除菌することにより予防されることも明らかとなり、それ以外にもリンパ腫という血液の病気の一種等もピロリ菌がなることも報告されている。 ピロリ菌が感染すると胃全体が「発赤」と呼ばれる赤くなるのだが、そうしてヒダが太まって胃粘液が増加して粘膜になるという。同時に周囲の粘膜よりも白っぽくなり血管が透けて見えて粘膜が薄くなり「萎縮」した状態となってこれを萎縮性胃炎と呼ばれるのだが、ピロリ菌感染によるもっとも特徴的な変化はこの萎縮性胃炎であり、これを内視鏡医は「慢性胃炎」と呼ぶそうなのだ。胃もたれ・みぞおちの痛み・消化不良などの症状で内科の外来を受診し「慢性胃炎」と診断され処方を受けたたことがある二兎も多いが、この場合は症状をもとに診断した「慢性胃炎」で必ずしもピロリ菌がいるとは限らないという。ややこしい話なのだが同じ「慢性胃炎」でも診断の仕方によってピロリ菌の関与がある場合とそうでない場合があるというのだ。 ピロリ菌感染者で萎縮性胃炎を有している人について検討したところ、食塩を多く摂取している人ほど胃がんの発生が多かったと報告されており、ピロリ菌を除菌し食事は野菜や果物をとり塩分を控えることで生活習慣病や胃がんの予防対策を行う必要があるという。ピロリ菌と胃がんの関係をきちんと証明したのは実は日本人の医師で、現国立国際医療研究センター名誉院長の上村直実医師は1526人の日本人を対象に、ピロリ菌感染者と非感染者に分けて8年間追跡調査を行い、その結果ピロリ菌感染者の2.9%に胃がんが発生したのに対しピロリ菌非感染者からは1例も胃がんが発生しなかったことを根拠に、ピロリ菌は胃がんの原因であると結論づけたという。そしてピロリ菌の関与が証明されれば除菌療法の適応となるという。 最近それ以外に注目されているのが大腸がんに対するピロリ菌の影響で、今年のがんの専門誌に発表された論文によると、アメリカの退役軍人の疫学データを解析した結果としてピロリ菌に感染していると大腸がんになるリスクが18%増加していて、ピロリ菌がいるのに除菌をしないと大腸がんで死亡するリスクが40%も増加することが報告されているという。ピロリ菌の除菌は胃の健康だけでなく全身の健康にとって重要な治療であるそうで、食べる量を少し減らすとおなかへの負担が減りいわゆる腹八分目がちょうどいいのだが、いつもはご飯大盛りにしているけど普通盛りの日やご飯少なめの日を作ってみるのも効果的だという。そして病気になった時に食べる食事は胃腸にやさしい食べ物が多いそうなのだ。
2024年04月24日
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内閣府が行った調査によると日常的に楽しいと感じていることについて「旅行」をあげたシニアは40%以上だそうなのだが、一人旅は自分を見つめ直し新しいことにチャレンジするのにはもってこいだとされていて、「どこに行くか」・「どうやって行くか」・「何を持って行くか」などこれら全てが誰に遠慮することもなく自分の好きに決められるのが最高だという。「ソロ旅なんて不安」とか「ひとりは楽しくない」と敬遠している人も少なくないかもしれないし、ツアーは忙しそうで気が引けるというシニアもシニア専用ツアーだと余裕のあるゆったりした行程スケジュールや、早めの到着で安心して楽しめたり歩く距離の短い観光地や乗り物を利用して歩かず楽しめる観光地などを用意してくれたりとシニアに嬉しい配慮がされているものも多いという。 「旅は非日常を体験するチャンス」だといわれるが、日頃の鬱積したストレスを浄化できるのも旅の醍醐味で、しかもひとりなら本当に自分がしたいことだけをすればいいだけなので、「旅に出て何かを得よう」と気負わずに「いらないもの、凝り固まった常識や習慣を捨ててくる」くらいの気持ちで出かけてみるのもおもしろいという。旅の目的は推し活でもいいし美術館巡りでもいいのだが、お芝居の地方公演を観に行くのも楽しいものだという。私温泉が大好きなので温泉宿に籠もって何もしない時間を過ごすのも最高だと思っているし、「あの話題のレストランに行きたい」というのも立派な理由や旅の目的になるという。また海外などといった遠くへ行くのが不安なら日帰りバスツアーを利用するほか近隣県へのお出かけでもよいという。 私の嫁さんも「好きな映画を観るために巨大スクリーンの映画館に行く」と言って出かけたりしているがこれも立派なソロ旅だし、私の主催するウォーキンググループの女性は美容を旅の目的にして、ホテルでエステ三昧という贅沢な旅をしており、旅の目的などは自分の心が喜べば何でもいいのだということのようなのだ。旅をするにはお金がかかると思われがちだが、シニアにはお得な割引が多く用意されており、事前に情報を集め上手に利用することで限られた予算の中でも快適な旅ができるという。私なら「温泉は日本の宝」ということで、近場の温泉地を訪れ移動のストレスを最小限に抑えつつ、リラクゼーションと美食を楽しみ、自然の中でゆったりとした時間を過ごし地元の新鮮な食材を使った料理を楽しむのが良いと思っている。 ただし旅に完璧を求めてはいけないそうで、旅を楽しむ極意は不便や失敗も含めて面白がることだというが、想定内のことしか受け入れられないなら家にいるのが一番だという。非日常な場所に身を置くとがんじがらめになっていた自分の思考や、変えられなかった習慣などをポイッと手放して日常をリセットできるようになるそうで、そして日々の当たり前に感謝できるのも旅ならではの魅力だという。またソロ旅初心者は添乗員同行のツアーなどが安心かもしれないが、旅慣れた人は飛行機や新幹線などお目当ての宿をそれぞれ予約すればよいという。宿を選ぶ基準は目的地の近くかどうかだが、観劇目的なら劇場の近く美術館巡りならそのエリアにアクセスしやすい場所を選ぶようにすると効率よく動けて疲れ知らずだという。 旅行は単に楽しむだけでなく人生の大切な一部としていわゆる終活にも役立つそうで、人生の後半になってからの旅はこれまでの人生を振り返りこれからの生活をどう充実させるかを考えるきっかけになるという。一人旅では素晴らしい発見や素敵なできごとに出会うことが多々あるのだが、旅は新しい出会いや発見があるだけでなく終活を考える上でも意義深いもので、ただのレジャーではなく自己反省や将来計画、文化的な理解を深めるための手段としても非常に価値があるのだという。もっとも大事なことは予定を詰め込みすぎないことのようで、知らない場所でうっかり道を間違えたり体力が低下して急げなかったりと、若い頃のようには行動できないものと心得てゆったりした計画がお勧めだという。
2024年04月23日
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脂肪肝や糖尿病の予防に最も大切な原則は何と言っても加糖されたものを食事からいっさい排除することだといわれるが、脂肪肝がブドウ糖であるグルコースでいっぱいになってしまいそれ以上にグルコースを取りこめなくなるとインスリン抵抗性が発現するわけなのだが、脂肪肝の決定的な要因は炭水化物だけではなく、砂糖に含まれる果物やテーブルシュガーなどに含まれる単糖のフルクトースと果糖ブドウ糖液糖だといわれている。そしてブドウ糖は体内のどの細胞でも代謝することができるが果糖を代謝できるのは肝臓だけで、フルクトースはグルコースよりも何倍も脂肪肝を引き起こしやすいのだという。そしてフルクトースを単体で摂ることは普通すくないとされるが、加工された食べ物には含まれている場合があるという。 ほとんどすべての加工食品には砂糖が含まれているそうで、砂糖を加えることでコストをかけずに風味や舌触りをよくすることができるからなのだが、何といっても避けるべきはソーダ・アイスティー・スポーツドリンク・カクテル・ジュース・スムージーにコーヒー飲料等味のついた水はほとんどが加糖された飲み物となっている。こうした飲み物には砂糖がたっぷり入っているし、クッキー・ケーキといったデザート類に、マフィン・カップケーキ・アイスクリームにも多く含まれているそうなのだ。調理済みの肉料理のラベルを見てみると加工の過程で使われているソースにはたいてい砂糖が含まれているし、砂糖は調味料やスパゲティのトマトソースにサラダ用のドレッシング・バーベキューソース・スパイスミックスなどにも隠れているという。 外食も然りで料理にコストをかけずに美味しくするのに好都合なので砂糖はたいてい含まれているそうなのだが、果糖といわれるので果物はどうだろうかというと、果物に元来含まれているフルクトースと砂糖に含まれているフルクトースに科学的な違いはないが、違いがあるとすれば量で「毒かどうかは量しだい」なので食べすぎないことが肝心だという。今日では一年中様々な果物が手に入るうえに昔よりも甘くなるように育てられているうえ、ドライフルーツにはたいてい砂糖がたくさん使われているのでレーズンといった果物だけでなく、オレンジといったフルーツの皮などは避けたほうがいいそうなのだ。そして人工甘味料はカロリーの有無に関係なく甘味料はすべて避けるようにアドバイスしているそうなのだ。 高インスリン血症と脂肪肝が肥満をはじめとするメタボリック・シンドロームを引き起こす主因なのだが、食品群のなかで精製された炭水化物が最もインスリン値を高くするそうで、精製された炭水化物の加工食品はこの食品群の小麦・トウモロコシ・ジャガイモなどを使っており、精製された小麦を使って作られるパンにパスタ・マフィン・ドーナツなどは避け、ポップコーンだけでなくフライドポテトやポテトチップスなど精製されたジャガイモ製品などもあまり食べないほうがいいそうなのだ。白米も精製された炭水化物なので少量にしておくべきで、「果糖ブドウ糖液糖」はトウモロコシから作られるがその55%はフルクトースなので実質砂糖と同じで、もはやトウモロコシではないとされていて、多くの加工食品に含まれているがこれは避けるべきだという。 炭水化物を主体にした食生活をしていた社会もかつては多かったがそれでも多くは繁栄してきたわけで、問題は精製する過程にあって炭水化物から天然油脂やたんぱく質を取り除いたものはもはや天然の食べ物とはいえないし、人間の体は炭水化物のみを処理できるように進化してきてはいないのだという。全粒粉や全粒穀物ですら高度に精製されているものが多く問題はこれらの食品に対するインスリン反応だという。精製されていない炭水化物は精製された小麦粉のようなインスリン反応を引き起こすことはないそうで、精製された炭水化物を減らしその分を脂質が豊富な魚・オリーブ油・ナッツ類に置き換えるべきだという。つまり炭水化物にもいいものと悪いものがあってその違いはどこにあるのというと精製と加工だという。
2024年04月22日
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米下院はウクライナ支援に向けた約610億ドルの追加支援予算案を含む4法案の審議を進めるための議案を賛成多数で可決したそうで、これでやっと追加予算案の採決が予定されていて下院通過に向け一歩前進したのだという。採決では全議員431人の7割超にあたる316人が賛成したのだが賛成票の内訳は共和党151の民主党165だったそうで、共和党の保守強硬派などが反対に回ったが「下院を通過する可能性が高まった」と報じている。この4法案は総額約953億ドルの一括追加予算案を分離した下院の修正案で、イスラエル等への盟国などへの支援を強化する関連予算案を含んでおり、共和党の保守強硬派は民主党の譲歩を迫らなかったことに反発しジョンソン下院議長解任を求める動きもくすぶっているという。 共和党のジョンソン下院議長は三つの緊急予算案の内容を公表しており、米メディアによるとウクライナ支援は約608億ドルだけでなくイスラエルへの軍事支援やパレスチナ自治区ガザ地区への人道支援などは計約264億ドルや、台湾への軍事支援や米国の潜水艦産業への支援は計約81億ドルが計上されている。上院で一度可決された緊急予算案に似ているが共和党のトランプ前大統領の意向も踏まえ、ウクライナや周辺国への財政支援約95億ドルを貸し付けに切り替えており、バイデン米大統領もウクライナやイスラエルに台湾への軍事支援を別々に審議するとしたジョンソン連邦下院議長の提案を支持する考えを示しており、「緊急予算案を強く支持する」と述べ上下両院に早期可決を求めたという。 下院では議案審議を進めるため最初に討論時間などを巡る規則を決める必要があり、規則案が可決されたことで調整が難航していた下院での審議が進む見通しが立ち、停滞するウクライナ支援再開に向けた展望が開けたという。それでも共和党の保守強硬派にはジョンソン下院議長の解任を求める動きがくすぶっていて、議長が解任された場合には全ての議案の審議がストップするが保守強硬派も解任動議の採決を求めるまでには至っていないという。これらの緊急予算を成立させるためには上院での可決とバイデン大統領の署名が必要だが、上院は既に下院案に似た内容の予算案を一度可決していて可決のハードルは高くなく、バイデン大統領もこの下院案を支持する考えを表明しているという。 アメリカ連邦議会の下院は数カ月もの膠着を経てウクライナやイスラエルなどに総額953億4000万ドル規模の支援を提供する緊急予算案が可決する見通しとなったわけだが、上院が2月にいったん可決した包括支援予算案を下院本会議では項目ごとに分割し採決するためすべての内容が一度に可決されるとは限らないが、下院の緊急予算案についてジョンソン議長を支援する共和党議員たちに民主党議員たちが加わり本会議での採決に至るよう、下院規則委員会での手続きを通過させたという。さらに本会議で両党の議員たちが賛成316の反対94で最終的な審議と採決を行うと決定したが、この時点で賛成が圧倒多数のため最終的な予算案も可決され民主党多数の上院に送られる見通しになったという。 ジョンソン議長はこれまで党内右派と異なる動きをしてこなかったが、今回は「正しいことを」をするのが自分の目標だとして支援案を採決へと進めたというが、トランプ前大統領派のマージョリー・グリーン下院議員を筆頭とする共和党内の強硬右派からは、ジョンソン議長のこうした動きを受けて議長辞任を求める動きが出たという。下院議長が政策推進に必要な票数を得るのに自分の党ではなく野党議員の支援を必要とする事態は現代の連邦議会では異例で、民主党のハキーム・ジェフリース下院院内総務は記者団に対して、ジョンソン議長が「非常に横暴」な共和党議員をまとめなくてはならず大変な思いをしてきたと述べ、ウクライナ支援案をようやく下院採択に持ち込んだ議長の手腕をたたえているという。
2024年04月21日
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私はお酒も好きなのだがお茶やコーヒーといった喫茶も大好きでコーヒーも1日に1杯は必ずと言って飲むのだが、コーヒーをまったく飲まない人から1日に何杯も飲む人まで幅広い飲用習慣があるし、またコーヒーと健康に関しても様々な報告があるそうで、そのうち「コーヒーの摂取が多い人ほど肝臓がん・子宮体がん・結腸がんが少ない」という報告が国内外から多数あるそうなのだ。コーヒーとがんの関係については平成2年より10年以上にわたる厚生労働省研究班による追跡調査があって、 いろいろな生活習慣とがん・脳卒中・心筋梗塞などの病気との関係を明らかにし日本人の生活習慣病予防や健康寿命の延伸に役立てる研究で、習慣的コーヒー摂取と主要臓器のがんの発生率等の関連調査・研究が行われているという。 その中で大腸がんは我が国では男女ともに2番目に多いがんなのだが、早期の治療により高い確率で完全に治癒するため早期発見だけでなく、がんが治った後の再発予防も重要視されていて、コーヒーをよく飲む人は大腸がんの再発リスクが有意に低くなるとの研究結果が報告されたそうなのだ。多くの研究により「コーヒーの摂取は大腸がんリスクの低下と関連している」と報告されているという。その一方で大腸がん患者の約20~30%ががんの再発を経験すると推測されているにもかかわらず、世界で最もよく飲まれている飲料のひとつであるコーヒーとがんの進行との関係はわかっていなかったという。そこで 「大腸がんの再出現や他の場所への転移」として定義される再発とコーヒーの摂取の関連性が調査されたそうなのだ。 ステージIからIIIまでの大腸がん患者1719人が食生活などについて答えた前向きの研究データを分析したところ、分析の結果コーヒーを1日1杯以下しか飲まない大腸がん患者に比べて1日5杯以上飲む患者は6年の間にがんが再発する確率が32%低いことがわかったそうなのだ。ここでステージIVの患者が除外されたのはがんが治癒していない人が含まれるため再発に関する今回の研究にはそぐわないからだとのことだったというが、しかもコーヒーを飲む習慣とあらゆる死因での死亡リスクとの関連性を分析したところ、1日5杯以上コーヒーを摂取していた人は1杯以下の人より全死因での死亡率が29%低く、またコーヒーの摂取量が2~4杯の場合は38%も低下していたという結果も得たそうなのだ。 つまり、コーヒーの死亡リスク低減効果は2~4杯でピークに達し5杯以上飲むと死亡リスクがわずかに上がっており、このことから研究チームは「コーヒーの摂取量は1日3~5杯が最適と思われ、特に4杯飲むと死亡リスクが最も低くなっていました」と結論づけている。なおこの研究では普通のコーヒーとカフェインレスコーヒーを区別していないそうなのだ。コーヒーと寿命との関連性はさまざまな地域からも報告されているそうで、例えばアメリカで実施された2018年の研究では1日にコーヒーを4杯以上摂取する大腸がん患者は、コーヒーをまったく飲まない患者に比べて全死因での死亡リスクが30%低くなり、ステージIVを含むあらゆる進行度の大腸がんでの死亡リスクは52%低いことがわかっているという。 コーヒーが大腸がんの再発を防止するメカニズムは解明されていないのだが、これまでの研究により主に3つの可能性が提唱されていて、1つ目はコーヒーの強力な抗酸化作用が酸化ストレスから細胞を守る機構を活性化させがんを予防しているという可能性で、2つ目はコーヒーの摂取が腸内細菌の組成を調整しこれによりがんの予防や治療効果が促進されている可能性だという。そして3つ目はコーヒーの摂取が大腸がん患者の肝機能を改善し肝臓への転移の危険因子とされている非アルコール性脂肪性肝疾患を予防することで、大腸がんの転移を防いでいるという可能性だという。大腸から肝臓へのがんの転移は大腸がん患者の約30%に見られ大腸がん患者の死因の半分以上を占めているという。
2024年04月20日
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ゴミ屋敷と聞いてどんなイメージを抱くかというと、よく雑誌やテレビで特集や番組として取り上げられて見たことがある人も多いのだが、一般的には「ゴミ屋敷」とはどういう状態を指すのかというと、「ゴミ屋敷」とは大量のゴミなどの不要物や物品が屋内や敷地内に放置された状態を指し、庭先にも溢れていたり家の前の公共道路まで溢れていたりするので、周囲の人からもゴミが堆積していることがすぐに分かるような状態になっている場合が多いのだという。「ゴミ屋敷」は周辺住民に大きな迷惑や問題を引き起こしており、いたずらによる放火や不審火の不安に害虫の発生や悪臭だけではなく、見た目からくる不快感等の精神的苦痛や「ゴミ屋敷」がある影響でその土地や家屋の財産的な価値を下げてしまうという。 この「ゴミ屋敷」とほとんど近い内容にはなりますが「ゴミ部屋」と言う呼ばれ方をする家もあり、それは外から見ても分からない状態だが玄関を開けると家の中には足の踏み場がない程の大量のゴミや不要物が堆積しており、例えばマンション住まいの場合は庭がなく玄関前は共有スペースだったりするので、外には出ないけれど玄関ドアを開けると床が全く見えなかったり奥まで見通せないくらいのゴミの山になっていたりしているという。「ゴミ屋敷」が生まれる背景には「高齢化」だけでなく「経済的貧困」や「社会的な孤立」等が主な要因としてあるというが、住民が迷惑をして困っていても例えそれがゴミであろうとも「個人のモノ」は「個人の財産」とみなされ自治体の介入は難しくなっていつことにも原因があるという。 ゴミではないけれどもとにかくモノが多い状態の家は「モノ屋敷」とよばれ、部屋中が整理整頓されておらず必要でないモノと必要なモノが混在しており、「ゴミ屋敷」のように天井近くまで積まれている程の物量ではなくとにかく単純に部屋がごちゃごちゃしているイメージで、コレクターに多いのですが趣味で集めたモノが大量にあるケースもあるという。人形だったり楽器だったりビデオやCDだったり漫画だったり、応援する野球やサッカーチームのグッズだったり好きなアーティストのグッズだったりするそうで、これとは別に生活用品をとにかく大量に買っているケースもあって、洗剤やシャンプーや防虫剤やマスクや入浴剤やら生活消耗品が大量にある家も多く、安いとつい買ってしまう買物症候群のタイプに多いのだという。 「ゴミ屋敷」というのは食事の食べ残しや空き缶・ペットボトル・タバコの吸い殻やペットの糞尿などがあふれていて、臭いもきつく文字どおりゴミで部屋が埋め尽くされている家のことだが、一方「モノ屋敷」というのはフィギュアやプラモデル・ゲームやCDやレコードだけでなく、本や雑誌あるいはブランド品など、趣味性の高いものが大量に収集されている家のことで、興味のない人にはゴミと変わらないものを集めていたとしても周囲に迷惑をかけていない限り非難される筋合いはないという。「モノ屋敷」にある着物や食器などその手のものの価値がわかる人は多くないので、自分がしっかりしているうちに同じ趣味の仲間や弟子などに譲るほうが、その相手にとっても着物や食器にとってもどれだけ幸せなことだという。 自己管理ができている人ほど、徐々にモノを減らしていく傾向があるそうで、自分で自分の生活を管理することも歳をとるにつれて徐々に難しくなっていくので、死後のことも見据えて趣味のコレクションなどもだんだん処分していくと生活のストレスが減っていくという。自由に家の中で動けない程のモノが溜まるともはや一人で片付けるのは相当難しくなるので、そんな時は周りの力を借りてモノが原因で病気になったり怪我をしたりする前に、安全に安心して過ごせる為に何とか一人で頑張ろうとせずに周りの助けを借りて整理することが大切だという。老いは誰にでもやってくるもので判断力も記憶力も衰えていくのだが、自分の管理能力の衰えに備えて決められるうちに決めておける人の部屋は比較的モノが少なくシンプルだという。
2024年04月19日
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私は毎晩晩酌を欠かさないのだが、お酒にまつわる空気の変化は日本だけのものではなく世界的な潮流で、確かにお酒には人と人との出会いを演出したり、料理をおいしくいただけたりするといった良い面もあるが、「実は少量でも飲むこと自体に害があるのではないか」と考える人が増えてきたそうで、一般の生活者の実感からもアルコールに関する研究者や医師たちの知見からも、そうしたことが近年課題として浮かび上がってきたという感じだという。昔から「酒は百薬の長」と言われてきているし、「少し飲んだほうが長生きする」などとよく聞くのだが、飲酒には血流を良くするという効果が確かにあるとされてはいるが、お酒好きの免罪符になってきたこの言説には誤りがあることも、今では研究者の間では通説になっているそうなのだ。 世界的医学雑誌ランセットに新たな研究が発表され、それによると「少し飲んだほうが長生き」というのは幻想で、「健康で長生きしたいなら、お酒は少量。ベストはゼロ」ということだという。お酒を減らすというとすぐに思い浮かぶのが「休肝日」で、私を含めて多くの人が健康診断の肝臓に関する数値を気にしながら飲んでおり、肝臓の解毒作用に関与する「γ-GTP」の値が正常範囲なら「肝臓は元気なのだからこのまま飲み続けても大丈夫」とか、「数値が悪くないならお酒を減らさなくてもいいのではないか」と一喜一憂しているのだという。実は肝臓はもともと修復機能が高い臓器で毎日飲酒していても少量であればそれほど傷むわけではないそうで、週に1日か2日お酒を飲まない日を作ることが大事なのは習慣性を断つためだという。お酒を毎日飲んでいると脳の報酬系と呼ばれる神経系が刺激され、飲酒でこの報酬系が満たされる、「楽しい」だとか「気持ちいい」や「幸せだ」といった感覚が引き起こされ、すると脳はしだいにこの感覚を記憶しもっと刺激を求めるようになるのだという。あるいは迎え酒のように「飲まないと気持ち悪いので飲む」というのもアルコールの刺激が切れてしまったために起こる感覚だそうで、お酒を飲むと気持ち悪さがすっと解消されるのでまた飲むといった状態になるとかなりアルコールに対する依存性が高い状態なのだという。お酒を飲み続けていると脳の報酬系が刺激されますますお酒が欲しくなるが、飲酒による刺激が途切れるとこの興奮が元に戻り脳の報酬系は正常化するので脳への刺激をマイルドに保つことができるのだという。 「お酒と一緒に水を飲むと、アルコールの分解が速くなる」よく聞くフレーズなのだが、ところがこれは誤解で減酒の面からいってお酒と一緒に水を飲むこと自体はおすすめだが、飲んだ水の分お酒の総量を減らしやすくなり脱水症状を防ぐことだけができるのだという。しかし水がアルコールの分解を助けるわけではないので、飲む量をセーブできないと飲んだ翌朝に「起きられない」・「頭が痛い」・「吐きそう」といった二日酔いに襲われのだという。つまり飲み過ぎればいくら水を飲んだところでお酒は体に残ってしまい、血中に溶けたアルコールの代謝は主に肝臓で行われ、アルコールが体外に排出されるまでの時間の目安は体重60kgの人を基準とした数値でビール缶1本は約8時間と言われている。 飲んだ後しっかり睡眠をとればアルコールの分解速度が速くなると考えている人が多いと思われるが実はその反対で、睡眠はアルコールの分解速度を和らげ酔いから醒める速度を遅らせてしまうという。時間が経過するという意味ではもちろん意味があるのだが飲んだ後起きているのと眠るのとでは眠るほうがアルコールの分解が進むというのも間違いだという。「たくさん飲んでも二日酔いにならない裏ワザが知りたい」という気持ちは酒飲みに共通の思いなのだが、おいしく飲んで日々のパフォーマンス低下を招かないためにもやはりおすすめは減酒で、二日酔いのときにした方がよいのはとにかく身体を休めることしかなく、二日酔いはつらいがいつか症状がなくなるのでそれを待つしかないということのようなのだ。
2024年04月18日
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国の予算のあり方を議論する財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会では、今後のインフラ整備は人口減少が続くことを念頭に進めていく必要があるとして、能登半島地震の復旧・復興にあたっては、東日本大震災では、東北3県で6500億円余りを投じて地盤のかさ上げ工事などを行ったものの、人口減少などを背景に3割近い土地が活用されていない実態があると指摘し、人口減少社会におけるインフラ整備などをテーマに議論が行われたそうなのだ。財務省の担当者は「能登半島地震の復旧・復興にあたっては、被災した地域の多くが人口減少の局面にあることを念頭に、将来の需要の見通しやインフラの維持にかかる負担が課題になるとして、住民の意向も踏まえつつ集約的なまちづくりを検討すべきだ」と語っている。 審議会の増田寛也分科会長代理は会議後の記者会見で「家の片付けが進んでない地域に、将来の議論をしようと言っても難しい」と指摘したうえで、「地震で甚大な被害が出た地域は、今のタイミングで将来のまちづくりを議論するのは難しいと思うが、復旧状況を見ながら徐々に議論を始めるべきだ」と述べたという。この損得勘定がミエミエの発言に対して石川県の馳浩知事は記者会見で「冷や水をバケツでぶっかけられたような気持ちだ」と憮然とした表情で語ったそうなのだ。発端は財務省の財政制度等審議会分科会で能登半島地震の復興が議題になり、そこで「復興のための無駄な財政支出は避けたい」という発言が財務省の担当者からあったとの報道を聞いた馳知事が激怒したのだというのだ。 能登半島地震発生から3カ月が経つが今なお8000人以上が避難生活を送り、各地で断水も続いていて避難生活が原因と見られる方も含めて244人が死亡しており、輪島市では3人の安否が不明のままとなっている。能登では復興どころか復旧も思うように進んでいないといわれているのだが、財務省の念頭にあるのは「コスト意識」で、東日本大震災の復興事業では地盤のカサ上げ工事などに6500億円余りを投入したにもかかわらず、人口減少を背景に3割近い土地が活用されていないといった負い目からか、被災した過疎地域など採算の合わなそうな地域にはなるべく予算をかけたくないのだろうという意図が見えるのだという。馳知事は「いちいち上から言われたくないのが本音」と不快感をあらわにしているという。 馳知事の会見ではさらに「最初から上から目線でものを言われている気がして、たいへん気分が悪い」としたうえで、「財政上の観点から効率性を目指すのは政府として当然の方針だが、インフラの強靭化を検討していくうえで冷や水をかけられた気分だ」と述べ怒りが収まらない様子だったというのだが、石川県民は意外にも冷静かつ現実的に受け止めているようで、報じたニュースサイトのコメント欄には「税収が少ないのに、巨額のインフラの管理・修繕費は住民サービスの低下を招きます。将来のあるべき珠洲市を考えて、財務省がいうように選択しての重点的なインフラ整備が必要なのではないかと思います」といった意見も多く寄せられており、復興が完成される20年ほど先には人がいなくなる集落がたくさん出てくるともいわれている。 もっとも被災現場の穴水町でボランティア活動を行うNPO法人代表理事の栗田暢之氏は「復興はようやく一歩目を踏み出したといった感じです。水道が通り始めた地域でも、住宅内の水道管が破損して水が出ない家が多い。仮設住宅の数も足りず、仮に入居できても新しい環境になじめるよう、支援が必要です」と語り、「今も被災者は今後のことを落ち着いて考えられる状況になく、復興議論を始める前にまずは生活の再建だ」としている。能登半島地震の復興などについては「能登は復興出来ないのではなく自民党と公明党が復興する気がないからです。自民党の幹事長は領収書無しで50億円使えるのに、生活インフラを復興するという国民生活を支える最低限の事すらしてない」といった意見もあるという。
2024年04月17日
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ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いていてウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けており、大勢の市民が国外へ避難しているそうなのだ。ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシア軍はこの1週間だけで、130機近い無人機や80発以上のミサイル、700発近くの誘導爆弾を使った」と指摘し、ロシア軍による攻撃が激しくなっているとの認識を示しましている。アメリカのシンクタンク「戦争研究所」はアメリカの軍事支援が遅れウクライナの防空ミサイルが枯渇していることに加え、ロシアの空爆の戦術が向上していることでロシアがより効果的に作戦を進めていると指摘しており、ロシア軍が第2次世界大戦の戦勝記念日に向けてバフムトの西側にある拠点の掌握を狙っているという見方を示しているという。 一方で中東ではイランによる大規模攻撃を受けてイスラエルでは戦時内閣の閣議が開かれ、対抗措置をとる方針は支持されたものの時期や規模については意見が分かれているという。イランがイスラエルに向けて多数のミサイルと無人機を使った大規模な攻撃を仕掛けたのだが、イスラエルはアメリカなどの協力も得てそのほとんどを迎撃したとしており、イスラエルではネタニヤフ首相が戦時内閣の閣議を開いて対応を協議したという。関係者の話としてイスラエルのネタニヤフ首相とアメリカのバイデン大統領との電話会談を受けて、即座の反撃については中止が決まったなどと伝えているそうなのだが、イラン側も革命防衛隊のサラミ総司令官が「これ以上の事態の悪化は意図していない」という姿勢をにじませているという。 米議会の共和党議員らはイランのイスラエルへの攻撃に対するバイデン大統領の対応をいち早く批判したものの、ほとんどの議員は政府に軍事的対応を求めることには抵抗しているが、ジョンソン米下院議長はイランの対イスラエル攻撃を受けて今週中にイスラエル支援法案の可決を目指す方針を示してはいるが、その法案にウクライナなどへの支援を盛り込むかは明言しなかったそうなのだ。ジョンソン米下院議長はイスラエルを支援する単独の法案を過去2回可決できなかったと指摘し「今週再挑戦する。現在、法案の詳細をまとめている」と述べているが、ウクライナ支援を巡って依然大きく見解が割れていて、共和党が下院で多数派になって以降は大規模なウクライナ支援策は可決されていないという。 半年にわたって米国の対ウクライナ追加支援予算案の採決を妨げてきたマイク・ジョンソン米下院議長は、ロシアの侵略に対するウクライナの自衛戦争を強力に支援するよう求める大半の米有権者からの巨大な圧力についに屈したようで、米国からウクライナへの新たな援助がようやく実現する公算が大きくなったという。多くの下院議員はウクライナ支援を強く支持。ジョンソン議長が法案を採決にかければ下院で賛成票が70%に達すると予測しているが、トランプ前大統領を支持する下院議員の多くは国内問題への支出を優先すべきだとしてウクライナ支援に反対している。今回検討されている米国下院の法案がイスラエルを支援する単独の法案なのか、それともウクライナへの610億ドルの支援なども含む法案なのかは不明だという。 米共和党のトランプ前大統領はジョンソン下院議長と南部フロリダ州の邸宅マールアラーゴで面会しウクライナ支援などを巡り共和党の内紛が続く議会情勢を協議しており、面会後の記者会見でトランプ氏は自身の影響下にある共和党保守強硬派の反対で審議が滞るウクライナへの軍事支援について、無償供与ではなく「ローン(借款)」であれば認める余地があるとの考えを示している。ジョンソン下院議長が約束どおりにウクライナ支援法案を月内に採決にかければウクライナ支援の実現が遅れても何も起こらないよりはましで、巨額の資金が流れ始めウクライナという国家を滅亡させようとするロシアの残忍な戦争の前線にウクライナ側が死活的に必要とする兵器が多数届き出すだろうといわれている。
2024年04月16日
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埼玉県営プールで業者が開く水着女性の撮影会について埼玉県公園緑地協会が定めた「埼玉県営水上公園 水着撮影会開催許可条件」という新ルールが物議を醸しているそうで、過激なポーズや水着での撮影が行われていたことを受けNG項目を列挙したために全国でも例のない事細かな内容になったそうなのだ。識者からは「ここまで規制が必要なのであれば、そもそも公共施設で認めるべきなのか」と声が上がっているが、発端は昨年度に公序良俗に反しないことを条件に会場を貸し出していたが、埼玉県越谷市の「県営しらこばと水上公園」で行われた撮影会について、県民から「ひわいなポーズをしていた」と苦情があり、過去のイベントで違反があったため埼玉県から委託を受けた公園管理団体が許可を取り消したからだという。 埼玉県の県営プールで民間団体が計画した「水着撮影会」は問題の団体への不許可にとどまらず他団体の水着撮影会の中止を求めたため反発も起き、大野元裕知事が「一律の要請は不適切」と撤回を求める事態となったのだが、公園を管理する埼玉県公園緑地協会は許可に当たり参加者に過激なポーズをさせるなどいかがわしい行為の禁止を求めたという。そこで今年の3月に公益財団法人埼玉県公園緑地協会は令和6年度以降の埼玉県営水上公園における水着撮影会の許可に係る「開催許可条件」を定めるとともに、その許可条件の詳細な留意事項等を示す「開催の手引き」を作成し、出演者に乳首や性器が露出するマイクロビキニといった過激な水着を着用させないことにしたのだという。 この「埼玉県営水上公園における水着撮影会 開催許可条件」や「埼玉県営水上公園における水着撮影会 開催の手引き」を見てみると、「下乳(したちち)、横乳(よこちち)が大幅にはみ出るもの」は不可」とか、「ニプレス・アンダーショーツの着用」といった通常の公共機関の文書では目にしない言葉が並んでいるが、例えばビキニのトップスは「底辺および高さが各10センチ以上」となっていて、根拠は「下着メーカーのホームページから調べた日本人女性の平均的な胸のサイズから覆る大きさ」だと説明しているというのだ。禁止ポーズの「尻の突き出し」や「四つんばい」に「M字開脚」なども図示されており、パンツは「お尻の割れ目が見える」のは禁止だが臀部が大きく露出する「Tバック」はOKだという。 ネットでは「これはOK」などと面白がるように水着写真を掲載する人々も現れたそうなのだが、 埼玉県公園緑地協会によると既に4月から6月の週末は10事業者が計18日間の撮影会の開催を予定されており、ルールについてある会社は「昨年問題になったので仕方ない。事前に出演者に周知し、条件を守るようにするだけ」と話しているという。ただし協会担当者は「モデルの体形は一人一人違ので、判断は難しい」という声もあるという。こういった課題を抱えながらも埼玉県公園緑地協会が水着撮影会を許可し続ける背景には、収入源を失いたくない事情も透けており、埼玉県公園緑地協会によると水着撮影会は過去年間に県営プール3カ所で約120回開かれ毎年1000万~2000万円の収入があるのだという。 遊泳期間外としては釣り堀事業に次ぐ柱で埼玉県公園緑地協会は外部委託ということで埼玉県から公園の管理業務を委託された指定管理者なのだが、自主採算性の立場からも委託先を決める5年に1度のコンペでは「水着撮影会による収益もアピールポイントになる」という。この問題を注視してきた太田啓子弁護士は「驚くほど詳細に禁止ルールを決めたことからも、水着撮影会が女性を性的に扱うイベントだと分かる。民間ならばともかく、県民の福祉目的で造った公園での開催は不適切。埼玉県は、適否を協会任せでなく自分たちの責任で判断するべきだ」と話しているが、埼玉県は「水着撮影は表現の自由の範疇 のもの。公が介入するものではない」として「一律の中止要請は適切ではない」と判断しているという。
2024年04月15日
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血液型とは血球をA・B・O・ABの4種に分類したもので、これまでは主に輸血などに役立てられてきたのだが、ところが近年になって血液型ごとに罹りやすい病気についてもわかってきたという。血液型ごとに罹りやすい病気についてわかってきたその理由は「細胞膜の表面にある糖鎖関係しています」と血液専門医の久住英二医師は言うが、「糖鎖」とはブドウ糖などの糖分子がつながった物質でたんぱく質と結合しやすい性質を持っていて「菌やウイルスに感染するのは、この糖鎖とウイルスや菌のたんぱく質が結合して体内に侵入するからです。しかし糖鎖とウイルスや菌のたんぱく質が結合しない場合もあります。それは糖鎖の形が血液型によって異なるからです」と久住医師は説明している。 つまり血液型のA型の糖鎖と結びつくウイルスや菌はB型の糖鎖と結びつきにくいため、血液型によって罹る病気の傾向が変わるのだというのだ。久住医師は「A型が罹りやすい傾向にある病気のひとつが胃がんです。胃がんの主な原因はピロリ菌。これの除菌が、胃がんのリスクを低減させることは医学的に証明されているので、検査と除菌治療を定期的に行うのがおすすめです。早期発見であれば完治の可能性が高いがんでもあるので、がん検診も積極的に行いましょう」と語り、脂質異常症や貧血などの生活習慣病にも注意が必要だという。そのうえで「生活習慣病は、不規則な生活や食事の内容の見直しで改善されます。魚中心の食事に切り替え、適度な運動を心掛けて体重のコントロールに努めてください」という。 またB型の人は「すい臓がんは見つかりにくく原因も特定されていません。しかし、アメリカの国立がん研究所が発表した研究報告によれば、B型の発症率が高いとされています」というが、すい臓がんの危険因子として挙げられるのは、喫煙・肥満・糖尿病・慢性すい炎などで、これらを避けるような生活をする必要があるという。また「肺の病気にも注意が必要で、長引く咳を放置せずに治療を受ける、インフルエンザなどのワクチンを定期的に接種するなど、肺炎対策も忘れずに」とも語っているし、女性の方には「卵巣がんは、まれではあるが遺伝的要因が発症リスクに関係するので、思い当たる人は婦人科に相談を」という。このように血液型によってかかりやすい病気があるというのだが、血液型によって様々な特徴があるという。 例えば東京医科歯科大学の研究グループは重いけがで救急搬送された人の死亡率はO型が非O型の2倍に及んだと発表しており、これは「血が固まりにくいO型の体質が、要因のひとつかもしれません」としている。また幼児の血液型に関して「血液型は抗体の有無で調べるため抗体が作られる前の乳幼児を検査しても正しい結果が出ません。輸血の際は血液型を検査してから行うので、事前に調べなくても問題ありません」という。私の場合はA型なので胃がんになるリスクが高いとされるのだが、リスク因子を持つ胃の調子が悪い方は是非胃カメラを受けるべきで、食道がんにもなりやすいので施行医は食道も注意深く観察し、症状のない人でもリスク因子を持っている人は検診の胃カメラをうけるべきだという。 最新のデータでは胃がんは男性では3番目で女性では4番目に多いがんとされており、30年前は男女ともに圧倒的に胃がんが多かったので隔世の感があると医師は語っている。減ってきたとは言え5年生存率は男性で67・5%の女性で64・6%とまだまだ治るがんとは言えず、胃がんは50歳前後に急速に発生率があがり、リスク因子として男性はピロリ菌感染による慢性胃炎などが挙げられるという。食道がんや胃がんの手術をすると術後にご飯が食べられなくなることが多いそうなのだが、内視鏡治療で完結すると全く食事への影響はないそうで、早期発見の意義は治る段階で見つけるという事と同時に、治療後に以前と変わらず美味しくご飯を食べられるような状態でいてもらうことなのだという。
2024年04月14日
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厚生労働省が公表している「年就労条件総合調査の概況」によると定年制を取り入れている企業のうち定年を60歳としている企業は全体の72.3%だとされているが、一方で定年を65歳までとしている企業は21.1%なので、現段階では60歳の定年退職は珍しいことではないというのが現実なのだが、日本では65歳までの雇用機会を確保するように定められているため今後は65歳を定年とする企業も増える可能性が少なくないといわれている。また定年後の再雇用とは労働者がこれまで勤務していた会社を定年退職後に再び同じ会社で新たな雇用契約を結んで働くことで、定年後の再雇用は高年齢者雇用確保措置として高年齢者雇用安定法で定められており、希望すれば従業員を65歳まで雇用し続けなければならないという。 なぜ再雇用が制度化されているかというと厚生年金の支給開始年齢が引き上げられたためなのだが、定年後に年金と賃金が発生しない時期に労働者が生活に困窮することを避ける目的があって、定年後の再雇用制度を利用した場合これまで勤めてきた会社で働くことが可能にはなっているが、一方で今までと同じではないことが多々ある点に注意が必要だという。このように60歳を定年としている企業は多くあるわけなのだが、実際に60歳で定年退職をしたあとに働かないのであれば定年退職後の生活は資金面のやりくりを考える必要があり、とくに年金の受け取り開始は繰上げ受給などをしない限りは65歳からのため、60歳から65歳の5年間を過ごせる貯金があったほうがいいといえるそうなのだ。 年金を受け取れる年齢は原則65歳とされていて定年退職後に再雇用を利用して働かないのであれば、受け取り開始までに収入のない期間ができるので注意が必要なのだが、総務省が公表している「家計調査報告〔家計収支編〕」による、世帯主が60~69歳で2人以上の世帯だと消費支出が毎月平均30万6476円で、もし専業主婦の妻と暮らしていたら60歳から65歳の5年間は1838万8560円を退職金と貯金だけで賄うことになり、仮に退職金を1000万円もらったとしても貯金が838万8560円ほど必要となる計算で、そのため60歳の時点で貯金が少ない場合は、65歳まで定年延長をした方が生活に影響があまり出ない可能性もあるが、再雇用以外はシニアの再就職は基本的に難しいのが現状だといわれている。 老齢厚生年金の受給額は厚生年金に加入していた期間が長いほど金額も高くなる点が特徴で、60歳で定年退職すると65歳まで働いたケースよりも厚生年金の加入期間が短くなり受け取れる老齢厚生年金の金額も少なくなるという。これは老齢厚生年金の金額を求める基礎部分である報酬比例部分の計算が「平均標準報酬額×加入年時期で定められている割合×加入期間の月数」で求められるためで、少しでも多く年金を受け取りたい場合は65歳まで働いた方がよく、定年退職の年齢として60歳は珍しいものではなく実際に7割以上の企業が60歳の定年退職を採用している。また、60歳で退職すると繰り上げ受給をしない場合は65歳までは収入がなくなる可能性が高いため余裕を持った貯金が必要だという。 定年後の過ごし方に正解はなく自身の状況や環境だけでなく幸せの考え方によって異なり、 再雇用に関しても再雇用で働く中でやりがいを見つけていくのか、あるいは再雇用を続けながら再就職や独立の道を模索するのかそれは一人ひとりがやりがいをどこに求めるかによって違ってくるという。長くサラリーマンを送った人は定年を迎えて多くの足かせが外れたときには、ぜひご自身が本当に何をやりたいのか何にやりがいを感じるのかを一度じっくり考え自分に合ったセカンドキャリアを選択してみるべきだという。私のように50歳代から自分の専門性を高めるだけでなく、人のネットワークを作るなど早い段階から準備をすることで、さらに定年後のキャリアが充実することは間違いなかったと思っているこの頃である
2024年04月13日
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「指定野菜」に昇格するブロッコリーの購入量は、この10年で2割増えたそうで、調理が簡便で栄養価が高く「いろいろな料理に合わせやすい」と消費者の支持を獲得しており、市場拡大の理由は消費だけでなくスーパーは売り上げを伸ばせる商材として有望視し、農家も安定した収入を見込め作付けが増加と「三方良し」の構図が見えているという。指定野菜とは日本人の食生活にとって重要と国に認められた野菜のことで、「野菜生産出荷安定法」という法律に基づき農林水産省が追加する品目を決めている。指定野菜はほかの野菜と比較して消費量が多いものや多くなると見込まれる重要性の高い野菜を位置づける制度で、現時点では新規に昇格するブロッコリーをはじめ14品目の野菜が認定されている。 これらの指定野菜を毎年作る大規模な産地を「野菜指定産地」と呼ぶそうなのだが、指定産地として認められるにはいくつかの要件があるが、2024年2月現在では全国で873の産地が指定されていてブロッコリーはそのなかのひとつとなっている。今回なぜ指定野菜に格上げすることになったのかということなのだが、ひとつには生産者の高齢化や人口減少などを背景に野菜の出荷量が減少する中、ブロッコリーの出荷量が年々増加傾向にあることが大きな理由とされているそうなのだ。ブロッコリーの需要が高まっている理由としては近年の健康志向の高まりが影響しているようで、総務省の家計調査によると昨年の1世帯当たりブロッコリー購入量は4453グラムと10年前と比べて21%増えているのだという。 ブロッコリーは食物繊維やビタミンにミネラルなど栄養が豊富に含まれていて茹でるだけで食べられるので手軽に栄養を摂れるのだが、調理方法も幅広く炒めたりスープに入れたりとさまざまな料理に利用できるのも魅力で、ブロッコリーは野菜としては珍しくタンパク質が豊富に含まれているという。昨今では美容や健康にストレス解消などを目的に筋力トレーニングを行う人が多く、効率的に筋肉を付けられる食材としても注目されているのだという。ブロッコリーが指定野菜になると私たち消費者の食卓にどのような影響があるのかというと、価格が一定以下に下落した場合に生産者に補助金が支払われることから、もともとブロッコリーは価格の変動が著しい野菜として知られていたが価格変動の差が緩和される可能性が高いという。 熊本県の料理家の廣綱裕子氏はブロッコリーを使ったレシピ動画が370万回以上再生されるほどヒットさせているそうなのだが、利用者は弁当を作る主婦世代や栄養面や健康に興味を持つ50代以上が多いそうで、廣綱裕子氏はブロッコリーを「調理も簡単で栄養価が高い、お弁当の隙間を埋めるにはもってこいの食材。子ども受けも良い」と分析している。スーパーの売り場でも勢いがあって10年間で首都圏の売り上げが4割増加していて「洋菜の中で断トツのナンバーワン」だという。指定野菜に加わることで価格が安定し「しばらく需要は伸びていく」とみており、青果の中で売上高は上位に位置し年間で2割増加を見込んでいるし、ブロッコリーの冷凍・総菜商品も充実していて青果の伸び以上に需要が拡大しているのだという。 ブロッコリーはいまや国民的野菜と呼べるほど食卓に定着し年間通してスーパーで国産の新鮮なブロッコリーが手に入れられるようになっており、需要の伸びに応え国内の作付面積は約1万7200ヘクタールと10年間で26%増加しているという。最も伸び率が高い熊本県内は作付けが5倍近い900ヘクタールに拡大させたそうで、熊本県経済連によるとブロッコリーの価格が安定していたためイ草からの転換が進行していて、発泡スチロールに氷を詰める設備が充実して遠隔地への輸送が可能になり販路が拡大したのも要因だという。また国内では高温期の8月から10月に出荷量が減る傾向で産地は比較的冷涼な北海道と長野が中心だが、長野県は「需要が伸び単価が良くなってきた」とし県内各地で増産を進めているという。
2024年04月12日
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海上自衛隊の大型護衛艦を事実上「空母化」するための改修が一部終わり、戦闘機の発着が可能となった甲板などが報道陣に公開されたそうで、防衛省は海上自衛隊の大型護衛艦「かが」について航空自衛隊のステルス戦闘機F35Bが発着できるよう、大規模な改修を2回行って事実上「空母化」する計画だという。広島県呉市の造船所で行われていた1回目の改修は先月終わっているが、戦闘機が安全に発艦できるよう台形から長方形に形が変わった甲板などが呉基地で報道陣に公開されたのだという。甲板は戦闘機のエンジンから排出される高温の排気に耐えられるよう耐熱塗装も施されたことで戦闘機の発着が可能になり、今後は内部の区画の変更など2回目の改修を行い数年後の完成を予定しているという。 広島県呉市の海上自衛隊呉地方隊は創設70年となるが、旧海軍とともに発展した呉を拠点に国防だけでなく災害支援や国際貢献など活動の幅を広げていて、政府が「防衛力の抜本的な強化」を掲げ、防衛費を大幅に引き上げる中で基地はどう変わっていき、地域との関わりを含めて今後を見通すという。さまざまな種類の艦艇が並ぶ呉の港でひときわ目を引く巨大な護衛艦が海上自衛隊呉基地を母港とする「かが」で、2年前に民間ドックで改修を始め船首は四角形に広げられ甲板にはイエローの線が引かれている。工事は今年3月にいったん完了し 改修は事実上の「空母化」を図るためとも指摘されており、それは短い滑走で離陸し垂直着陸できるステレス戦闘機F35Bの搭載・運用を想定しているからだという。 艦首から艦尾までが平らな「全通甲板」を持つヘリコプター搭載艦として就役した「かが」だが、基準排水量1万9950トンの全長248メートル・最大幅38メートルで内部に格納庫を有し、今回の改修では戦闘機が発着艦できるよう甲板に耐熱塗装を施している。船首を四角形にしたのは気流の発生を抑制する目的だそうで、山口県沖の瀬戸内海などで最大速力などを試したとみられている。海上幕僚監部によると今年4月以降はさまざまな試験をして2次改修に入るわけなのだが、「空母化」は飛行場の少ない太平洋上の拠点としての役割も想定し南西諸島の防衛力強化が背景にあるという。防衛省は陸上自衛隊のミサイル部隊などを相次いで配備するなど「防衛の空白地帯」とされた島しょ部地域の防衛を強化しているという。 宮崎県にある校区自衛隊新田原基地にF35Bを配備し鹿児島の馬毛島に整備中の航空基地内に護衛艦「かが」と「いずも」の甲板を模した発着訓練場を整備するというが、「かが」などへ搭載が想定され米軍との相互運用性も高まる見込み「防空任務の円滑な実施に大きく貢献する」とするとしている。「いずも」は既に米軍と合同で洋上での発着試験を実施済みだし、政府は「必要最小限度の防衛力」のみを認めている憲法を理由に空母を保有してこなかったが、「かが」などの改修については保有できないとされる「攻撃型空母」には当たらないとの立場をとっている。改修費全体として424億円が計上されており、「あくまでも多機能な護衛艦」と説明しているが、設備や機能から運用次第では攻撃型空母になり得ると懸念する声もある。 今回の改修を「かが」の艦長の國分一郎1等海佐は「『かが』の役割は非常に大きく乗員も注目の大きさを感じ任務に備えて訓練に励んでいる。F35Bの運用能力を兼ね備えることになり柔軟性が増す。国民の期待に応えられる活動をしていきたい」と話している。防衛省は「かが」と同型の護衛艦「いずも」についても事実上の「空母化」に向けて甲板に耐熱塗装を施したうえでF35Bの発着試験を行っていて、今年度中に2回目の改修に入りおよそ2年後に完成するとみられているという。「いずも」と「かが」について政府はF35Bで構成する部隊を常時搭載することはなく、憲法上は保有が許されない「攻撃型空母」には当たらないとしているが、ジェーン海軍年鑑では空母の一種の「軽空母」に分類されているという。
2024年04月11日
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米紙ワシントン・ポストは関係筋の話として、ロシアのウクライナ侵攻を巡りトランプ前米大統領がウクライナに南部クリミア半島や東部ドンバス地方のドネツク州とルガンスク州の国境地帯をロシアに割譲するよう圧力をかけることで終戦に持ち込めると周囲に語ったと報じという。共和党のトランプ氏は11月の大統領選で返り咲けばロシアの侵攻を終わらせることができると豪語しているが具体的な方法が報じられたのは初めてで、外交専門家は実際に割譲すればロシアのプーチン大統領を利し武力による領土侵犯を看過することになると懸念を示している。このことに関してウクライナや西側諸国は、これまで領土を割譲すれば武力による領土の変更を認めることになるなどとしこうした和平案を否定してきたという。トランプ陣営の報道担当者は米紙ワシントン・ポストに「トランプ氏の計画に関する臆測は、無知な情報源によるものだ」とする声明を出しているが、トランプ氏はこれまでも非公開の場でロシアとウクライナの双方が「メンツを保ちたいと考えており、解決策も求めている」と述べ、ウクライナの一部地域にいる市民はロシア領になってもかまわないと考えているとの見方を関係者に示したという。事実であればトランプ氏が11月の大統領選挙で返り咲いた場合には、ウクライナを支援してきたバイデン現政権から劇的に政策を転換することになるわけだが、一方で全領土の奪還を目指すウクライナ側がこの条件に応じるのは難しいとみられ、プーチン大統領の武力による領土拡大を容認する案には各国からの反発も予想されている。 このウクライナ割譲案は急に出てきたわけではなく、アメリカの元国務長官ヘンリー・キッシンジャーがウクライナの和平協定の締結にこぎ着けるためにはロシアに領土を割譲するべきだという趣旨の発言を行いソーシャルメディア上で猛烈な批判にさらされていたのだ。キッシンジャーは2年前のスイス・ダボスで開催された世界経済フォーラムで講演した際に、ロシアとウクライナのあるべき戦争終結の姿を提案しており、理想的なゴールは「戦争前の状態」に戻ることだと述べながらもウクライナとロシアに対し、今後2~3カ月のうちに戦争を終わらせるための交渉を始めるよう促していた。そうして各国の首脳に対してロシアとの長期的関係についても配慮するように呼びかけたが、ソーシャルメディアで激しい非難を浴びることになったのだ。 この時にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の顧問を務めるミハイロ・ボドリャクは、キッシンジャーの発言を厳しく非難し、彼は同じようにやすやすと「ロシアによるポーランド、あるいはリトアニアの奪取も許すのだろう」と書き、「塹壕にいるウクライナ国民に、『パニックに陥ったダボスの人々』の発言を聞く時間がなくて良かった。ウクライナ国民は、自由と民主主義の防衛で少々忙しいのだ」とも語っていた。従軍経験者でライターのシャーロット・クライマーも「まともな考えを持つ大人なら、一歩離れて思い出すはずだ。そういえばヘンリー・キッシンジャーは完全に間違った見解を掲げることで並外れた実績の持ち主だった。目先のことしか考えられない男で何度も何度も間違ってきた」と書いていたという。 ヘンリー・キッシンジャーにはノーベル平和賞受賞者にふさわしくない疑惑も多々あって、自身については汚い政治工作や秘密工作などさまざまな疑惑が突き付けられてきたことも記録に残されているそうで、我が国のことではロッキード事件で田中角栄元首相が1976年7月に逮捕された部隊裏で、キッシンジャー氏が巧みな仕掛けでロッキード社の関係文書が日本側に渡されるよう工作していたことが明らかになっているという。キッシンジャー長官は巧みな仕掛けをして「Tanaka」と書かれた文書が日本の検察庁に渡るよう細工が施されていたというのだ。このように自分を売り込むためには他人のことなど考えないような人間だったようで、そのこのところはトランプ氏とよく似ているといわれているそうなのだ。
2024年04月10日
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物価の上昇を反映した2月の「実質賃金」がほぼ2年連続でマイナスとなったそうで、厚生労働省によると働く人1人あたりの物価の影響を考慮した2月の実質賃金は、前の年の同じ月よりも1.3%減り、23カ月連続のマイナスとなったという。 23カ月連続のマイナスはリーマン・ショック前後以来で過去最長に並んだという。現金給与の総額は前の年の同じ月よりも1.8%増え平均で28万2265円と26カ月連続のプラスとなったが、物価の上昇に賃金が追いつかない状況が続いており、林正芳官房長官は会見でこの日発表された2月の毎月勤労統計で「実質賃金」が23カ月連続でマイナスとなったことに関して「昨年を上回る力強い賃上げの動きが中小企業に広がっていくことが重要と認識している」と語ったそうなのだ。 3月までは実質マイナスが続くだろうから24ヶ月で過去最長更新は確実で、さすがに春闘の賃上げで4月にはプラスになるとされるが、電気ガスが更に上がるのは決まっているし、それに伴って商品やサービス価格の値上げも続くとされていて、林官房長官は名目賃金が上昇する中での実質賃金低下は消費者物価の高い伸びを反映したものとした上で、連合の春闘第3回回答集計で全体の賃上げ率は平均5.24%だったなどと指摘している。政府として「中小企業の賃上げを強力に後押しすることで賃金が上がることが当たり前という前向きな意識を、中小・小規模企業も含めて社会全体に定着させていきたい」と述べていて、4月にプラスになった分がどこまで保つか数ヶ月でまたマイナスに転じてしまうのではないかという心配があるという。 厚労省の「毎月勤労統計」によると2020年の実質賃金を100とすると2023年は97.1で、30年前からほぼ右肩下がりで賃金は15.3ポイントも下落しているのだが、ここにきて大手企業だけでなく中小企業にも賃上げの動きは見られるがどうなのかが課題だという。専門家は「企業はこれまで利益の多くを株主への配当に回し、従業員への還元は二の次でした。資本家がリスクを取って企業に出資して、利益を生んだ企業は資本家に還元する。資本主義とはそういうもので株式会社の原点といわれる東インド会社の時代から受け継がれています。商法を改正した日本がグローバル化した以上、仕方ないことです」と語っているが、を利用した中小企業はコロナ禍に耐えたが元本払いと利払いの負担が重くのしかかっているという。 東京商工リサーチの発表によるとゼロゼロ融資を利用した企業の倒産は令和5年度に622件と年度ベースでは過去最多を記録していて飲食や建設関連の倒産が目立っているが、日本銀行がマイナス金利政策を解除したことで企業の資金調達環境が大きく変わりつつあって、特に新型コロナウイルス禍で実質無利子・無担保融資を受けた中小企業にとっては重荷となるとされていて、金利が本格的に復活する前に自力で稼ぐビジネスモデルに転換しないと資金繰りに窮する可能性もあるという。そのゼロゼロ融資返済は今月に入り最後のピークを迎えているにもかかわらず、政府は返済負担軽減のための支援策を6月末で終了し7月以降は経営改善に重点を置いた支援に戻すことにしているそうなのだ。 そこへ追い打ちをかけるのが、日銀の政策転換で、先行きの政策金利について植田和男日銀総裁は「急激な上昇は避けられる」と説明している。ところが、3月の企業短期経済観測調査では3カ月後の借入金利水準について多くの企業が上昇を見込んでおり、「取引先の中小企業では金利上昇が不安要因となり、先々の投資意欲は下がっている」という。内閣府が発表した3月の景気ウオッチャー調査でも中小企業の資金繰り悪化が景気を下押しする懸念が挙がっていて「外貨を稼ぐ業界や大企業は好景気で賃上げされ、庶民は可処分所得が減る二極化が拡大。経団連や政治家や資産家は好景気なので上級国民は庶民の苦労が見えない」と現状を分析しており、賃金を上げる原資など考えられないという。
2024年04月09日
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ふくらはぎの筋肉は歩く・走る・ジャンプをするなど日常生活からスポーツ動作までサポートしている筋肉だとされていて、ジャンプのような瞬発力などが必要な時だけでなく膝と足首の動きに関わる腓腹筋に、歩行やバランス維持など持久力が必要な時など足首の動きに関わるヒラメ筋を総称して下腿三頭筋というが、ふくらはぎの筋肉が収縮することで血液を心臓へ戻す力が働き下半身の静脈血を心臓に送るポンプのような作用があるため、ふくらはぎは全身の血流にも大きな影響を与えており、こうした流れは血流の循環をサポートし心臓に負担をかけずに体全体に酸素や栄養を巡らせるために重要であることから、ふくらはぎが「第二の心臓」と呼ばれる理由はこういった特別な役割に由来しているからだという。 ふくらはぎには筋膜と呼ばれる組織が存在しこれがまるで心臓のようなポンプのような働きを果たしていて、このため「第二の心臓」と表現されるのだが、ふくらはぎは身体の中でも重要視されにくいですがその働きは大きいのだという。座っている時間が長い現代社会ではふくらはぎのポンプ作用が特に重要で、適切なエクササイズやストレッチを通じてふくらはぎを刺激することは結果的に全身に良い状態をするのだという。長時間座っていたり立ちっぱなしで下半身を動かさない姿勢が続けていたりすると足首まわりがむくんでしまうことがあるが、ふくらはぎを動かすことが少なくなると血流が滞りやすく、むくみ・冷え・代謝の低下・コリなどを招きやすく全身の血流にも影響するため注意が必要だという。 下半身には全身の血液のうち約70%が集まるとされているが、心臓に近い上半身の血液は比較的負担が少なく心臓に戻るのだが、下半身の血液は重力に逆らって心臓に戻らなければいけないので多くの血液が集中するのだという。そこでふくらはぎのポンプのようなはたらきが血流にとって大切になり、ここにふくらはぎが「第二の心臓」と呼ばれる理由があるのだが、ふくらはぎは主にヒラメ筋と腓腹筋で構成されており、膝の下から始まってアキレス腱につながる筋肉がヒラメ筋で、そのヒラメ筋に覆いかぶさるように膝上から始まってアキレス腱につながる筋肉が腓腹筋となっている。ふくらはぎのストレッチではこれらの筋肉をほぐしていくそうで、ストレッチのポイントはゆっくりつま先立ちをして限界と思うところで1秒キープうることだという。 ストレッチの運動は「カーフレイズ」と呼ばれる筋力トレーニングのひとつで、血流改善はもちろん脂肪燃焼や筋力アップの効果も期待できるそうなのだが、ふくらはぎには血管だけでなくリンパ管も多く集まっていて運動不足や同じ姿勢が続くと、静脈血や不要な物質が下半身にたまってしまうのでこれらを上半身へ流すことが大切だという。血流が良くなることで「冷え性」が改善されたり不要物質が流れれば「むくみ」を解消させたりすることもでき、下半身の血流が良くなるとその効果は全身にも好影響を及ぼすと言われているそうなのだ。特に立ったまま行うカーフレイズは、ふくらはぎ全体にまんべんなく負荷をかけることができるので、エクササイズを継続すればスラッと引き締まったふくらはぎを手に入れることができるようになるという。 運動をしている時に足がつりやすかったり普通に過ごしていてもいきなり足がつったりした経験は誰にでもあるのだが、筋肉を使わずに凝り固まっていたり血流が滞って温度が低くなっていたりするとどうしても足はつりやすくなるのだという。特に気をつけたいのは「こむら返り」という筋肉の痙攣で、日頃からふくらはぎの運動を続け筋力アップや血流改善を意識していればこの「こむら返り」を防止することもできるのだという。またふくらはぎマッサージを数日続けていると体内に蓄積していた老廃物が分解され排出が促されやすくなるそうで、このとき排泄物の量が増えるとか眠くなるやのどが渇くなどの変化が起こることがあるそうだが、これは巡りがよくなっている証拠で一時的な反応なのだ心配ないという。
2024年04月08日
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ファミリーコンピュータソフトとして「ドラゴンクエスト」が発売されたのが1986年で、ライトノベルの黎明期の1989年8月から角川スニーカー文庫が創刊され「ロードス島戦記」というものが現在のわたしたちの思い浮かべるファンタジー作品の大きな土台となっているという。もちろんそれ以前にも海外からファンタジー小説やファンタジー映画などは入ってきていたが、ゲームとライトノベルというものが80年代後半から当時の子供たちを中心にヒットしていき、現在のカルチャーの中でも定番となっていて、それらが今度は逆輸入的に本国であるヨーロッパ諸国でも日本のカルチャーとして受け入れられているという事実があるが、ゲームや小説において中世ヨーロッパ的な世界観は史実を参考にしているものが多いのだという。 ファンタジーの世界観になじむようにデフォルメされたものが多く、中世ヨーロッパは現在とはまったく異なる社会構造や文化を持っていて神秘的で未知なる時代で、イギリスに限らずヨーロッパが貴族政治によって支配されていた19世紀は、大陸には大勢の貴族たちが跋扈していてドイツ帝国の中核を担ったプロイセンの2万人やイタリアには1万2000人の貴族がいたが、当時のイギリスには爵位貴族は580人と准男爵も856人という具合に、貴族の数は人口のなかでもきわめて少ない比率しか占めていなかったという。それにもかかわらず彼ら爵位貴族だけで国土の実に半分ほどの土地を占有していたそうで、イギリス貴族はヨーロッパの貴族たちと比べても桁違いの大金持ちであったといわれている。 そのイギリス貴族にもついに「たそがれどき」がおとずれることになるが、まずは1870年代から本格化した「農業不況」で、アメリカ南北戦争が終結するや交通手段の急速な発達により、南北アメリカ大陸やオセアニアから大量の安い穀物がヨーロッパ大陸へと流れ、それはロシアだけでなくプロイセンやフランスの地主階級に大打撃を与えるとともに、イギリスにもその余波は及んだという。さらに19世紀末から貴族階級に襲いかかってきたのが不動産を対象とする相続税で、それまでは動産を対象とする相続税はあったものの不動産はお目こぼしにあずかっていたが、1894年の自由党政権の政策により100万ポンド以上の価値をもつ土地を所有する地主には8%の相続税が課せられるようになったというのだ。 こうした情況にさらに追い打ちをかけたのが第一次世界大戦で、当初はバルカン半島をめぐるオーストリアとセルビアの衝突に過ぎなかったものが、様々な問題が重なりついにヨーロッパ五大国のすべてを巻き込む大戦争へと発展したのだ。これら五大国が参戦した最後の戦争はこれより1世紀前のナポレオン戦争にまでさかのぼるが、このときも戦争は断続的にヨーロッパ全土で生じ多大なる犠牲者を出していた。しかしこの時代の戦争は各国の貴族や上流階級からなるプロの陸海軍人と義勇兵が主体であり、極端な言い方をすれば国民の数%程度しか実際の戦闘には関わっていなかったのだという。ところが時代は大きく変わっていてその100年ほどのあいだに兵器の殺傷能力は比べものにならない程までに上がっていたというのだ。 両軍は戦場に塹壕を掘り敵軍が疲弊するのを待ってから前進することになり、戦闘は長期化・泥沼化し「クリスマスまでには終わるだろう」などと楽観視していた将校たちも、4度のクリスマスを塹壕で過ごさなければならなくなったという。戦争が開始したばかりのとき多くの将兵らは機関銃や砲弾で命を落としそうで、特に最初の4カ月だけでイギリスは爵位貴族6人に准男爵16人・貴族の子弟95人・准男爵の子弟82人を失い、戦場に駆けつけた地主貴族階級の成年男子の18.95%にも及んだという。貴族階級の子弟は士官学校の出身者も多くいたため従軍時には年齢に応じて陸軍では中佐以下の将校クラスとなり、彼らは前線で自ら隊を率いて突撃する場合が多く貴族とその子弟に限ると死者は5人に1人という数字になったという。 貴族たちが影響力を減退させたのは経済の側面だけではなく、第一次世界大戦はナポレオン戦争のときのような職業軍人と義勇兵だけの戦争では済まされなくなっており、イギリスでも史上初めて徴兵制を導入して18歳から41歳までの五体満足な成年男子はすべて戦場に向かわされたが、さらに彼らの多くがこれまで担ってきた工場等での労働は女性たちに託されることになり、第一次世界大戦以降はすべての国民がまさに国家総動員体制で戦わなければ勝てない戦争になったという。そして「国を守る」という最大の責務を果たしたのであるから戦後には最大の権利も与えられ、それが選挙権と被選挙権で世界大戦は勝った側でも負けた側でも男女普通選挙権をもたらす重要な契機になり、貴族という特権階級が弱体したのだという。
2024年04月07日
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日本における死因の第1位は悪性新生物すなわち「がん」なのだが、厚生労働省の「人口動態統計年報主要統計表」によると昭和56年からずっと変わらず死因の第1位で、令和4年の全死因における割合は24.6%となっている。さらにその「がん」中での順位というと大腸がんは男性2位の女性は1位と高い位置にあり、人数にすると1年間で5万人以上が大腸がんで死亡しているのだという。一口に年間5万にといっても東日本大震災で亡くなった方の数が約2万人だし、新型コロナウイルス感染症で亡くなった方の数がこれまでの累計で約7万人と考えるととても多いことがわかるのだという。一方で5年生存率と呼ばれる治療の成績は年々よくなっていて直近では平均して70%程度の人が5年以上生きられる病気になっているという。 口から食べたものは消化管を通り消化・吸収されるが、大腸は消化管の最後尾にある1.5mから2mの長さの臓器で、主な仕事は水分を吸収して便の形を作ることであり、最大で1日6Lの水分を吸収できるとされている。大腸は大きく結腸と直腸に分けられ結腸は更に盲腸・上行結腸・横行結腸等に分けられるが、大腸がんとは大腸表面の粘膜から発生する悪性腫瘍の総称となっていて、進行するとがんは粘膜表面から大腸壁の奥深くまで進展し腫瘍のサイズも大きくなるため症状が起こりやすくなるという。大腸がんそのものではお腹の痛みや違和感が出現するはなく、がんが進行して大きくなると腫瘍が便の流れを妨げたり腫瘍から出血を起こしたりして症状として自覚されるようになるが、早期の大腸がんは無症状のことが多いという。 また65歳以上のいわゆる高齢者人口は40年前には10%ほどだったが、一昨年には29.1%となっていて「がん」を発病する割合としては変わらなくても、母数である高齢者の数が増えているので患者数も増加しているのだという。年齢が高い患者が増えると手術や抗がん剤なども利用しにくくなり治療困難となるため大腸がんによる死亡も増えるというわけで、年齢が上がってからかかるがんのことを「天寿がん」と呼んだりもするふぁ、高齢になってからのがんは進行も遅く死因としては「大腸がん」と書かれるが在宅医として多くのがん患者さんを診た医師の経験ではがんを手術で取っても手術や入院の方が体に負担となったり、他の病気で亡くなったりする可能性も高く手術で必ずしも寿命が延びるとは言えないという。 大腸がんによる死亡が減らないもうひとつの理由はがん検診の受診率が低いことだそうで、大腸がんはステージ0やステージ1の段階で見つけて治療すれば、治る可能性の高い病気なのだが、日本では大腸がん検診の受診率が低く受診率は男性で44.5%の女性は38.5%にとどまっているという。日本ではこの20年で1.5倍に増えていることからも大腸がん検診による早期発見が死亡リスクを下げる大きな要因であるといわれており、大腸がん検診に限らずがん検診全体を見ても海外と比べて日本の受診率は低くなっていて、その理由のひとつは医療へのアクセスしやすさの差だという。日本は医療へのアクセスがよく本格的に具合が悪くなるまで病院に行かず、健康な人も予防にあまり興味が持てないという皮肉な状況にあるからだという。 大腸には痛覚がないため早期の大腸がんにはほとんど自覚症状がなく、悪化して腸が完全に閉じるくらいまで症状が進んでしまうとお腹が苦しくて痛みも出てくるが、初期状態では痛みが出たり体重が急激に減ったりというわかりやすいサインがないという。自覚症状が出た頃にはかなり進行していて治療ができない状態になっているというのが、大腸がんが「サイレントキラー」と呼ばれる所以だという。そこで重要になってくるのが「うんこ」だそうで、大腸がんの初期症状は「うんこ」に現れるからだという。これまでは定期的な排便があって食生活の変化など思い当たることもないのに、継続的に下痢と便秘を繰り返すようになった場合には大腸がんを疑ってみて「便潜血検査」を受診するべきだという。
2024年04月06日
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日経平均株価が今月になって4万0109円で引けて史上初めて4万円の大台に乗ったそうなのだが、その後もアメリカの株高や日本企業の業績への期待を背景に上昇が続いている。その一方で実質GDP成長率は2四半期連続でマイナスを記録しており、相場を押し上げているのは引き続き半導体関連銘柄だし、東京外国為替市場で円相場は1ドルが150円前後と引き続き円安水準で動いたことも株価を下支えしているのだという。専門家によると日本経済は停滞局面に入っているそうで、足元では新型コロナウイルス禍が収束した後に生じた経済再開ボーナスが消失したことが原因で、日本経済が停滞しているにもかかわらず株価が高騰している理由は第1がインフレで第2が分配のゆがみだという。 現行の株高は実質賃金の減少が続く中で生活が厳しく投資をする余裕がない人にとって恩恵は乏しいとされているが、日本株の上昇は海外投資家が分散投資先として選んだからで、日本は中長期的な経済の実力を示す潜在成長率は0%台半ばの低水準で推移し足元では先進7カ国で最下位の0.7%にとどまっているという。みずほ証券の小林俊介氏は株高の背景について「企業の利益分配のゆがみ」と分析していて、世界的に株主還元の動きが強まる中で日本企業は働く人への分配を抑え多くの利益を海外投資や配当に回してきたという。そのうえで「労働組合が賃上げをしっかり働きかけることと同時に、グローバルな資本主義の中で株高の恩恵を労働者が受けられる仕組みをつくることも重要だ」と話している。 日本株高を受けて新聞などでは“失われた30年が終わった」という論調が目立つが、安堵するのは間違いで最高値更新は見せかけであり、日本を蝕む根本的な問題を解決しない限り失われた時代は今後も続くという。日経平均株価はインチキだそうで、日経平均株価は東証プライム市場に上場する約1650銘柄の株価や時価総額の平均ではなく、日本経済新聞社が選んだ225銘柄の株価合計を銘柄数で除したものだが、構成銘柄は東京エレクトロンなどの株価の高い「値がさ株」に次々に入れ替えられその影響が強く出る計算方式だという。バブル期と現在の株価を正確に比較するなら本来はずっと同じ銘柄で比べなくてはいけないが、倒産や合併以外の理由でも構成銘柄を入れ替え始め入れ替えを毎年定期的に行っているという。 日経平均株価が初の3万円台に突入したバブル期の頃は証券会社やマスコミは、こぞって「株価はもっと上がる」と煽っていて「6万円台になる」と言い放ったエコノミストもいた。日本は資源のない国だが情報化社会に突入すればそれが追い風になり、日本に世界中の情報が集まって独り勝ちするという論法だったのだ。それは絵に描いた餅で日本中がバブルで浮かれている頃に企業が将来得る利益を現在価値で割り戻す「収益還元価格法」を用いて、日本企業の本当の価値を計算したところ。収益還元価格法の結果から日経平均株価を算出すると1万2000円という数字になったというのだ。その後バブルが崩壊して株価は低迷するのだが、「収益還元価格法」の計算が正しかったことが証明されているというのだ。 今の日本人はバブル期とは違い家は職場に近いほど良くて狭い賃貸で十分だし、別荘を持つ発想はなく近場の温泉地に1泊できれば満足する。たまに観光地に行ってもお金を使わず人がすっかり変わってしまったようだといわれるが、欲を失ったのは消費者だけではなく企業も同様で成長のために借金して投資をする発想が弱くなっており、消費者と企業の低欲望化が「失われた30年」の真因なのだという。政府は消費が伸びないのは所得が少ないからだと言って、企業に賃上げを要請しているがそれは間違いで、政府が最優先で取り組むべき政策は日本人に欲望を取り戻させ、具体的にはお金を使いたい人の邪魔をしないことが大切だというが、我々庶民はもともとから使える金がないのだからその解決が必要なのだ。
2024年04月05日
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私も気になることなのだが、お酒好きの人が健康のために気をつけていることはどのようなことなのかを、酒類小売チェーンストアを運営する株式会社カクヤスがお客を対象に「お酒と健康」に関する調査を実施したところ、「栄養バランスを考えた食事をとる」が最多となったそうで、お酒を飲むときに気をつけていることで最も多かった回答は「飲酒量を調整する」だったという。続けて全回答者に対して「健康を理由に禁酒しようと思ったことはありますか」と聞いたところ、「禁酒しようと思ったことがない」が約半数を占め、「思ったことはあるが、禁酒していない」などが上位を占めたそうで、愛飲家の半数近くはお酒をやめようと思ったことがなくたとえあったとしても実践する人はわずかであることがうかがえるという。 さらに「健康のために、お酒を飲むときに気をつけていること」を全回答者に対して複数回答で教えてもらったところ、第一位は「飲酒量を調整する」で半数以上の人が考えており、「休肝日を設ける」や「水を飲みながら、お酒を飲む」といった回答が上位に並び、禁酒はしないものの休肝日として飲まない日を設けている人は少なくないことがうかがえたという。「健康でお酒を楽しむために普段から心がけていること」を自由回答で答えてもらったところ、「会話など楽しみながら飲む」とか「適度につまみを食べながら」といった「ながら飲み」が多かったほか、「空腹で飲酒しない」や「飲みながらしっかり食べる」・「つまみを健康的なものにする」・「お酒以外に肝臓に負担をかけないようにする」などさまざまな回答が寄せられたそうなのだ。 またお酒を飲んでいると何度もトイレに行きたくなるが、これはアルコールを摂取すると尿の排出を抑える抗利尿ホルモンの分泌が抑制されてしまうからで、体から水分が失われて悪くすると脱水状態になってしまう危険性があるという。体が脱水状態になると肝臓にも悪影響をおよぼすそうで、アルコールは肝臓で有害物質の「アセトアルデヒド」に分解され、脱水状態だとこの有害物質の濃度が高まり肝臓に過度な負担がかかるのだが、アセトアルデヒドは頭痛や吐き気などの二日酔いを引き起こす原因物質なので、この濃度が高まることで二日酔いにもなりやすくなるそうなのだ。そこでおすすめしたいのがお酒と一緒に水を飲むことで、水分を補給することで体内のアセトアルデヒドの濃度が高まらないようにするとよいそうなのだ。 水を飲む量はお酒と同量くらいを目安にすればよく、例えば日本酒1合には180mlの水を飲むようにすることだけでなく、焼酎なら2倍の水割りにすると同時に水分補給もできるし、ウイスキーのチェイサーのようにお酒と交互に飲むようにするのもポイントで、水分を補うだけでなく口の中を洗い流すことで味覚がリセットされお酒をよりおいしく味わうことができるという。水でお腹が満たされて飲み過ぎを防ぐ効果もあって、水を飲むだけで肝臓への負担が減りより快適にお酒が楽しめるという。またお酒には胃を刺激して胃の動きである「蠕動運動」をよくする作用もあって胃が活発に動きはじめるので、どんどん食欲も増進してしまうそうで、その結果お酒を飲みながら食事をすると食べすぎてしまうのだという。 お酒を飲むとまずはアルコールが胃に到達して吸収され、アルコールの影響で全身の血流がよくなり、お酒を飲むと血行がよくなって体が温まるという現象がおこるという。そしてアルコールはある程度胃で吸収されたあと小腸へ流れていき、小腸も血流がよくなっているので吸収力がアップしてしまい、その結果として流れてきたアルコールのほかお酒やおつまみに含まれる糖質をたっぷりと吸収してしまうのだという。同じ糖質量でもお酒を飲まないときよりも飲んだときのほうがより多く糖質を吸収してしまいこれが「飲むと太る」一番の原因だという。脱水が脂肪の形成を刺激することも発見されており、水を飲んでおくと脳から出る「バゾプレッシン」というホルモンが調整され、糖尿病や肥満の予防・治療につながる可能性があるという。
2024年04月04日
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スーパー等で買ってきたお肉はそのまま冷蔵保存していると日持ちしないというのだが、冷凍保存することで冷凍した場合でも1ヶ月ほど長持ちさせることができるという。ただし冷凍肉は解凍する時も重要で、解凍方法を間違えてしまうと肉に詰まっている旨味が流れ出てしまい、美味しさが損なわれてしまうこともあるそうなのだ。解凍環境によっては食中毒のリスクも高まるので非常に危険で、冷凍した肉を解凍し忘れていたという時に調理の過程で解凍させる強硬手段に出ると、当然この方法では均一に熱が通らないのでうまく料理を仕上げることができないという。また冷凍した肉から溢れ出たドリップや水分によって、一緒に調理した食材の旨味もの捏ねてしまうため、残念な仕上がりになってしまいうそうなのだ。 常温で放置することで解凍すると比較的早く解凍することは可能だが、急激な温度差によって「ドリップ」と呼ばれる肉から出てくるピンクの液体が溢れ出し旨味が流れ出てしまうし、夏場や日当たりの良い場所で常温放置していると細菌繁殖によって食中毒症状を引き起こす恐れもあるという。急速に解凍する方法として電子レンジの「あたため」機能を活用して解凍したことがある人も多いそうなのだが、電子レンジのあたため機能ではちょうど良い加減に解凍することは難しく加熱してしまう恐れもあり、急激な温度変化によって旨味が逃げてしまうため調理に使う際に本来の美味しい仕上がりではなくなってしまうことが多いという。つまり誤った方法で冷凍肉を解凍してしまうとおいしさが損なわれてしまうというのだ。 低温でゆっくりと解凍を行うのがベストで、低温で解凍することによりお肉の旨みであるお肉汁もほとんど出さずに品質を保ったまま解凍可能だという。時間がないからといって短時間で解凍しようとして水やお湯をかけたりするとお肉汁が流れ出て、お肉の旨みや風味が損なわれてしまい、室温で解凍すると、表面温度が上昇し細菌の繁殖の原因となるので絶対に避けるべきだという。お肉全体が同じ温度に近い状態で解凍するのがお肉を美味しく解凍するコツで、美味しく解凍する為のポイントはお肉の表面温度を低く保ちながらの最短解凍だという。マイナス2℃程度ですと、解凍後のお肉の状態もよくなり、それには手間と時間がかかるが最もオススメな解凍方法は氷水に浸しさらに完全に解凍するまで適宜氷を追加する方法だという。 冷蔵庫内での自然解凍もお勧めで多少時間がかかるのだがこちらも旨みと品質を保ちながら解凍できる方法だそうで、溶け出てくる血やお肉汁が他の食品に付かないよう2重にビニール袋に入れるかまたは容器に入れて解凍するとよいそうなのだ。時間の目安は1kgあたり約4時間ですがやはり状況によっては差が出てくるので、冷凍お肉の外側と中心部の温度差が少ない状態で解凍されてゆくのでお肉の旨み成分であるお肉汁の流出を最小限に抑えることが重要だとアドバイスしている。お肉全体が同じ温度に近い状態で解凍するのがお肉を美味しく解凍するコツだそうなのだが、どうしても早急に解凍したい場合は電子レンジの「解凍」機能を活用したり電子レンジの最も低いW数で少しずつ解凍したりするしかないという。 そして完全解凍ではなく実は完全に解凍される直前の状態がベストで、一度冷凍されたお肉は解けきるまで解凍してしまうと解凍前の状態より多くのお肉汁が流れ出てしまうので、お肉汁が流出してしまう直前の「少し凍っているかな」くらいの状態まで解凍を行うのが、お肉を美味しく調理できる解凍法だという。解凍中にお肉を触ってみてどれくらいまで解凍されたか確認してみて、解凍したばかりのお肉にいきなり火を通してしまうのではなく解凍が終わったら、5分程室温に置き火を通して調理するのだという。これはお肉の温度と加熱温度に差が大きくでてしまうためお肉が固くなってしまうからなのだが、お肉の旨味を損なわずに調理することで美味しく安全に柔らかくて美味しいお肉がいただけるのだという。
2024年04月03日
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植物に含まれる天然化合物トリゴネリンが筋肉の健康や機能を改善するのに役立つことが、新たな研究から明らかになったそうで、そのトリゴネリンはコーヒー豆に多く含まれていて世界で最も好まれている飲み物とも言われるコーヒーの健康効果が見直されているという。トリゴネリンはアルカロイドと呼ばれる分子で、特にコーヒー豆に多く含まれているが他にもスパイスのフェヌグリークだけでなく大麦・トウモロコシ・大豆といった穀物や豆類に、タマネギ・トマトなどさまざまな植物に含まれているそうなのだ。複数の生物種の血液中のトリゴネリン濃度を調べたところ濃度が高いほど筋力や筋機能が高く、反対にトリゴネリン濃度が低いと加齢にともなう筋肉量の減少や筋力の低下を示すサルコペニアを引き起こす可能性が高かったそうなのだ。 筋肉が老化すると細胞の発電所と言われるミトコンドリアのエネルギー生産効率が低下するとされているが、研究を率いたスイスのジェローム・フェージュ博士は食品から得られる天然分子が細胞の老化の徴候に作用することを発見し、トリゴネリンが加齢にともなう細胞代謝と筋肉の健康維持に役立つことは将来有用な応用につながる可能性があると強調している。健康に対する関心が高まる中でサルコペニアという老化に伴う筋肉の減少や筋力の低下が注目されていて、このサルコペニアは筋肉・筋力・歩行速度の病的な減少や低下を特徴とし、分子や細胞レベルの老化に起因する筋線維の消耗が原因と考えられており、ミトコンドリアの新生が減少や呼吸反応等が低下することで筋肉老化の主な要因となっているという。 研究結果によるとサルコペニア患者の筋肉では補酵素である「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」の減少も確認されていて、この「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」は代謝に不可欠な物質でビタミンB3から生合成されており、最近の研究ではサルコペニア患者と健康な人の血清代謝物を比較したところ、植物や人体内でも「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」と同様にビタミンB3から生合成されるアルカロイド「トリゴネリン」がサルコペニア高齢者の血中で低値であることが判明したそうなのだ。実験でマウスにトリゴネリンを与えたところ「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」の濃度が上昇しミトコンドリアが活性化したそうで、さらにマウスが歳を取っても筋肉の機能が維持されることが分かったというのだ。 トリゴネリンの筋肉老化予防効果については複数の研究で裏付けられていて、サルコペニア高齢者の血清中のトリゴネリン濃度が健康な人に比べて有意に低いことが判明しており、さらに血清トリゴネリン濃度が高い人ほど筋肉量が多くて握力が強く歩行速度も速いことがわかっているという。つまりトリゴネリンは筋肉の量と機能に深く関わっていることが示唆されたそうで、今回の研究で「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」の前駆体としてトリゴネリンが新たに発見されたことによって、「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」代謝に関する理解が深まり、健康長寿や加齢にともなう疾患への応用で、「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」産生ビタミンを用いた介入を確立する可能性が高まったとされている。 研究では1日3杯以上コーヒーを飲む人は1杯未満の人に比べてサルコペニアの有病率が約60%低いことが報告されているが、単にコーヒーを飲んでトリゴネリンを摂取できるかについてはまだ検討の余地があるそうで、コーヒーは心臓や血管の働きを促進するなどさまざまな健康効果があるとされており、他方ではカフェインを大量に摂取すると不眠や頭痛に不安感や落ち着きのなさといった症状を引き起こすこともあるといわれている。ブラックで飲めばコーヒー自体のカロリーはほとんどないが一般的なコーヒー系飲料には砂糖や脂肪が大量に含まれていることが多く、適度に摂取しないとダイエットに悪影響を及ぼす可能性もあることから、トリゴネリンの適切な経口摂取方法を検討する必要があるという。
2024年04月02日
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帝国データバンクによると4月は加工食品を中心に約2800品目の食品が値上げをする大規模な値上げラッシュが見込まれているそうで、さらに電気料金も値上がりすることから家計の圧迫に悲鳴が上がっているという。伊藤ハムは家庭用のハムやソーセージなど220品目を値上げすると発表しており、来月からスーパーなどに納品する価格を2%から25%ほど引き上げるのだという。買い物客は「朝食やサラダでハムは使うが、減らさないと苦しい」とか、「私も今までは家にいたのですが、働き始めて少しでも家計の足しになればと思う」と語っている。また 大王製紙はティッシュペーパーやトイレットペーパーなどを10%以上値上げするし、王子ネピアも来月下旬の出荷分から10%以上値上げするそうなのだ。 紙製品の値上げの要因は原材料価格の高騰やトラックドライバーの時間外労働の規制による物流コストの増大などが挙げられるが、神奈川県川崎市のスーパー川崎港町には多くのティッシュペーパーを持った人の姿があり、70代の男性は 「どのくらい買った」という問いに「5個、いや6個。10個買いたいけど、持って帰るのが大変だから。毎日使う必需品を値上げするというのは、節約のしようがないです」と語っていた。スーパーの統括マネージャー 「ティッシュの売り上げが3月上旬と比べると、2倍近くになっている。お客さんは価格に敏感、安いうちにと買っていく人が多い」という。4月から価格が上がるのは紙製品だけではなくケチャップやソースといった調味料など今年最多のおよそ2800品目が値上げされるという。 単月で2000品目を超える値上げは昨年10月以来だが、前年同月の5404品と比べると48.1%の大幅減だと慰めみたいなことを言っている。一方帝国データバンクは一服感があった原材料高を理由とした値上げについて、候不順などの影響で「再燃しつつある」とも指摘している。私の好きなウイスキーの値上げも相次、サントリーの「サントリーシングルモルトウイスキー 山崎 12年」は1万1000円から1万6500円になるほか、アサヒビールも「ブラックニッカ・クリア」などの価格を引き上げするそうで、菓子では森永製菓が「チョコボール〈ピーナッツ〉」など49品の出荷価格を3.3~18%アップするそうでし、不二家の「カントリマイム(バニラ&ココア)」は内容量が19枚から18枚に減らすステレス値上げを実施するそうなのだ。 春の嵐のごとく吹き荒れる値上げラッシュなのだが、今年に値上げの春の背景には2024年問題があり、近年の物価高に加え物流コストも高くなることになっているという。さらに追い打ちを掛けるのが電気料金の値上がりで、電力大手10社が発表した5月請求分の電気料金は「再エネ賦課金」が引き上げられた影響で前の月に比べて500円前後値上がりするそうで、 50代の女性は 「電気、ガス、水道の中で電気代が一番高い。家計には痛いです」 と語るが、 さらに政府は電気・ガスの負担軽減策について5月使用分の補助を現在の半分程度に縮小し6月以降は補助を終了すると発表しており、これで電気とガスを使う標準家庭は月に1850円分の負担が増えることになり街の人からは悲鳴が上がっているという。 相次ぐ値上げの背景についてファイナンシャルプランナーは「日本でも物価が上がらない時代から上がるようになったのはコロナ過にウクライナ侵攻があったからで、最近日本において物価が上昇する要因は円安に4月からはトラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用されるからだ」と語り、物価高との戦い方を「今、ふるさと納税を始めている人も多いが、日用品を取り扱う自治体もある。ストックできるようなもの、トイレットペーパーや洗剤なども、ふるさと納税を活用して自宅でストックされるのも良い」とアドバイスしている。事実「トイレットペーパー」や「ティッシュ」カテゴリへの寄付件数は年々増えていて約4倍に増加ており、 物価高には少しの我慢と最大限の工夫が打ち勝つ秘訣だという。
2024年04月01日
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