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今回オージー5種、フランス2種のメルロを飲んで色々なメルロがある事を再認識しました。
元々メルローは単一で人気のある高級葡萄ではありませんでした。
19世紀の終わりにはフランスでは、ブルゴーニュのピノノワールやシャルドネ、ボルドーのカベルネ、セミヨンが高級ワインの葡萄として地位を確立していました。
この時代のメルローは雨に弱いカベルネの補完的な葡萄としての地位しか無かったのです。良いボルドーは90~70%をカベルネを主体として作られていました。1920年代位からポムロールやサンテミリオンでメルローの栽培が盛んになって戦後ペトリュスが有名になって一躍ポムロールのワインに人気が集まります。しかし本物のメルロー主体のワインは人気の為高価で実態はあまり知られること無く、メルローと言う葡萄のイメージは一人歩きしているように思います。
通常のメルローのイメージはカベルネが渋いので飲みやすいマイルドなカベルネタイプの葡萄と思われている様です。コクがあって飲みやすい赤ワインと言うイメージでしょう。
実際にはポムロールのメルローのイメージは一言で言えば「滋味」です。血液分やトリュフの香りと言った複雑で魅力的なワインです。
カベルネが凛とした剛速球の様なワインとすれば、メルロは淫美で官能的なワインです。その為大変高価なワインになってしまいました。
今回飲んだオージーのメルロはそう言う意味では非常に健康的なワインで、柔らかなカベルネの域を出てはいない様に思います。もっともそれぞれに個性的で料理に合わせやすいワインが多く、これはこれで別の世界として人気があるのが分かります。
日本も粘土質土壌が多いのでメルロの栽培は成功しています。まだ滋味があるワインは少ないですが、探すと見つかります。
滋味のあるメルロが増える事を祈っています。
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