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ワインの栓について書いておきましょう。
これもよくワイン会で質問がある問題です。
ワインは密閉するべきか、密閉しないべきか・・・実は両方イエスなのです。
最も良いのは最初の一月間ある程度空気を通して、その後完全密閉になる栓が理想です。
そしてその理想の栓が天然コルクです。
逆にスクリューキャップは還元硫黄臭が抜けないので、コンクールでも問題になっています。
ワインを横に寝かせておくとコルクは徐々に密閉度を高めて行きます。1年経つと完璧なスクリューキャップと変わらない密閉性を持ちます。
立てて置くと空気の通過量は減りません。その為横にして寝かす必要があるのです。
天然コルクの欠点はブッショネです。これは以前は5%と言われていましたが、最近のコルク栓は改良が進み2%まで減って来ています。今後は新しい技術が出来たのでもっと減って小数点以下になるでしょう。
もう一つのコルクの欠点は経年劣化です。
最初は密閉性が高いのですが、15年から20年位でワインを吸ってスポンジ状になってしまいます。完全にスポンジ状になると液漏れが始まり、ワインの古酒化が始まります。
20年毎にコルクを変えれば良いのですが、難しい問題です。
20年経ったら真空パックでもしますか・・・・
コルク栓は値段が高いのも欠点の1つです。
スクリューキャップの利点は安い事、栓を開けるのが楽な事、空気を通さないので常温保管でもワインが傷まない事です。
欠点は還元臭が抜けない事、適度な酸化がしない事です。
その為赤ワインやシャルドネには向かないとも言えます。ソービニヨン・ブランやヴィオニエには向きます。
それは同じ白ワインでもトロピカル系のメタカプタン由来の酸化を嫌うワインと柑橘系・リンゴ系のテルペン化合物由来の酸素が必要なワインで栓に求める要求が違うからです。
後は空気の残留量が多い事です。コルクの様に満量充填に近い様な栓は出来ません。空気が多いので酸化が継続します。大手は窒素ガス充てんとか対応しています。
後はリサイクル問題もあります。金属の部分が瓶に残ります。
合成樹脂のコルクの欠点は空気の通過量が変化しない事です。
コルク栓は最初の30日位は空気をある程度通しますが、寝かせて置けば、その後はほぼ完全な密閉状態を15年位保ちます。合成は同じ量の空気を通し続けます。ですから高級ワインには不向きです。
結論を言うと2~3年で消費される赤ワインは合成コルク、2~3年で消費される白ワインはスクリューキャップが良い様です。
ある程度熟成が必要なワインは天然コルクが一番です。
これはコストを考えての事です。
コルクを使うのは自然破壊になると言う人がいますが、それは大きな間違いです。コルクは植林です。そして木の幹を使っているのでは無く木の皮です。コルク樫はドングリも取れます。豚や猪の良い餌です。コルク産業が無くなれば、山や岡は荒れてしまいます。
ボルドーでは1500円でも10年寝かせて美味しくなる赤ワインがあります。そう言う意味では値段ではなく品種やマーケッティングで栓に何を使うか決めるのが良いと思います。
この手の研究はここ数年盛んです。カリフォルニアのマクマニス・ファミリーの安いワインは赤は合成コルク、白はスクリューキャップと使い分けています。
賢いメーカーが増えていますね。
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