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初めて読む作家です。読み始めて驚きました。新しい作家の新しい文章です。70歳前後で、小説とかお好き方が、これを読んで「面白い!」にたどりつくためにはかなり苦労されると思います。作家の名前は 大田ステファニー歓人
、作品は「 みどりいせき」(集英社)
です。
みどりいせき って?さあ、なんでしょう。お読みになればわかりますとか、確約できません。とりあえず、書き出しです。
語りて は 桃瀬くん 、高校生の男の子です。 春 は季節のことじゃなくて、女の子(だと思う)の名前です。あれは春のべそ。まぁ、そんなわけないし、もしそうなら、みんないつか死ぬ、ってことくらい意味わかんないし、わかんないものはすこし寝かせたい。けど今は眠っている場合じゃないし、ってなると、目が赤いのも鼻すすったのもたぶん春の方に吹いてった風のせいで、だって強い気流が砂ぼこりを巻きあげたんなら普通に目に入ったんだろうし、その汚れを落とすための涙が鼻へまわったんなら自然にすするし、流れた雲が太陽を隠して、ふと顔に影が落っこちたんなら表情だって見づらくなんだろうし。それはきっとそう、こじつけなし。とぼしい状況判断からのがちな名推理に理解あるにょーぼ役のつとめのひとつなのです。(P3)
おわかりですね。顔の前の左手がふるえてる。春がぼくを見ている。両腕をあげて春が振りかぶった。軸足は怪我してないから根を張ったような体幹で右足を持ちあげる。ぼくは唾を飲み込む。上体がひねられ、腕が振られた。球はぼくの左手へ吸い込まれるようにグンと迫り、次の瞬間、人差し指と親指の付け根の水かきを弾いて鼻っぱしらに直撃した。(P209)
ああ、野球小説か・・・そうなんです(ちがいますけど)。 最初のシーン は ピッチャーの 春 を見ている にょーぼ役の 桃瀬くん のこころというか内面の様子で、 200ページ かけて、ようやくボールが投げ込まれ、キャッチャーの 桃瀬くん が弾くんです。
追記
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