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これは、新玉ねぎのポタージュ・スービーズ風。スービーズというのは、18世紀のフランスの軍人で、ルイ十五世、十六世のころの人物。そのスービーズが玉ねぎ大好きだったそうで、ソース・スービーズ(玉ねぎ入りのクリーム系ソース)やピュレ・スービーズ(米などでつないだ玉ねぎのピュレ)などにその名を残している。まあ、もっとも本人が作ったのではなく、お抱えの料理人に作らせたんでしょうけどね、、。 このポタージュは、うちの畑の新玉ねぎの途方もない甘さを生かそうと思い去年か一昨年考えたもの。玉ねぎは荒く切って、バター少しと鍋に入れて塩も少し入れ、蓋をしてかなり弱い火で2時間くらいゆっくり火を通す。玉ねぎが完全に透明になるくらいですね。もちろん絶対に色づけてはだめです。そうやって玉ねぎ自体の水分でスエ(汗をかかせるように火を通すという意味)すると、極限まで甘みが引き出せるんです。この時点で味見をすると砂糖がみりんか蜂蜜でも入っているか?というくらい甘い!FJ屋のMLKYみたいですよ(笑) そこに生米を少しと、薄い鶏のブイヨンを加えて、きっかり18分煮ます。米は、とろみ付けのためです。入れすぎると重くて下品になるので、量は少なめが肝要。ここのところが、ピュレ・スービーズの応用です。18分煮たらミキサーにかけてシノワで漉します。これで仕込みは終わり。 仕上げは、鍋でスービーズを温め牛乳少しで伸ばして塩で味を調えます。器に盛り付け、荒挽き黒胡椒を少し挽き、サルディニア島産極上オリーヴオイルを少し垂らして出来上がりです。もっとクラシックに生クリームやバターを使ってもいいのですが、玉ねぎの甘みを生かすにはこのくらい軽いほうが私の好みです。 玉ねぎのスープと言うと、オニオングラタンが有名です。サンク・オ・ピエでも人気メニューですが、この白いポタージュも結構美味いものですよ。
May 29, 2012

6月7月のご予約限定メニュー、「サンク・オ・ピエ初夏のコース」の内容が決まりました!Cinq au pied.Menu de commencement d'ete 2012サンク・オ・ピエ初夏のコース(6月7月限定メニュー)¥5600(お一人様)ご予約限定メニューです!2名様より承ります。2~3日前までにご予約ください。Fondant de foie gras , consomme geleeフォアグラのフォンダン、コンソメ・ジュレ添えSaumon roi de Nouvelle Zelande marinee au KOBUa facon de CARPACCIO a l'huile aux algue de mer昆布〆にしたニュージーランド産キングサーモンのカルパッチョ仕立て、磯の香りの海苔のオイル風味でEscargots de Bourgogne en cocotteブルゴーニュ産"本物!"エスカルゴのココット焼きTAGLIATA de cote de cochon de MANGALICAa la vieille Balsamico et Parmigianeハンガリーの国宝!マンガリッツァ豚の背肉の長時間ローストをイタリア風タリアータ仕立てで、熟成バルサミコとパルミジャーノチーズ風味Mousse au fromage blanc de Normandieavec fleur de sel et poivre noir , avec compote de framboisesLangue-de-chat du chefノルマンディー産フロマージュ・ブランのムースを2種の風味で、カマルグ産フルール・ド・セルと黒コショウ、フランス産フランボワーズのコンポートシェフ風猫舌(ラング・ド・シャ)添えCafe de SAKAMOTO pour Cinq au piedou the 2painsさかもとこーひー、サンク・オ・ピエ初夏のコースのためのブレンドのマリアージュ又は紅茶2種のパン フォアグラのフォンダンです。冷製のフォアグラのプリンみたいなものです。もちろん甘くはないです。トロリとろけるコンソメジュレと食べると美味いです。 サンク・オ・ピエ初登場のニュージーランド産のキングサーモンを昆布〆にしたカルパッチョです。ニュージーランド産のキングサーモンは、南極海に面した清涼な海で養殖されていて、薬物や成長ホルモンなどは一切使用せずに自然に育てられています。ノルウェーやタスマニアのアトランティックサーモンと比べると、健康に良いといわれるオメガ3脂肪酸(EPA、DHA、リノレン酸)が、2倍から3倍も多く、まさに鮭の王様というわけです。伊勢湾で採れる香りのよいハバ海苔を使った海藻オイルの風味で召し上がっていただきます。 エスカルゴは、初夏が旬。フランスのワインの名産地ブルゴーニュでブドウの葉っぱを食わせて育てた本物!のエスカルゴです。11周年記念コースでも使いましたが、評判良かったですね。 豚鼻の羊という風情のユニークな豚、マンガリッツア豚が、久々の登場です!ハンガリーの固有種で、最も原始的な品種と言われ、イベリコ豚とも近い品種の豚です。赤子の時は縦じまのウリ坊で、まるでイノシシその物ですが、大きくなると画像のように長い毛がまるで羊のようです。一度絶滅に近い状態になったところをハンガリーが国を挙げて保護と繁殖に努力して、近年やっと輸出できるほどになったんです。ハンガリーでは、国宝ということになっています。 シェフスペシャルコースでも常時食べることはできるのですが、今回はイタリア風にタリアータ仕立てにしてみました。 シェフ得意の長時間ローストでしっとりと焼き上げたら、薄切りにして皿いっぱいに盛りつけます。ゲランドのフルール・ド・セル(塩)をパラリ、黒胡椒を軽く挽いて、ガーリック風味のオリーヴオイルをひと匙、サルディニア島産の極上オリーヴオイルをひと匙それぞれ回しかけ、熟成バルサミコをポタポタ垂らします。仕上げにパルミジャーノ・チーズの薄削りを散らします。あとは、温野菜の付け合わせも、、、 薄切りにするので、とても食べやすく、味付けもあっさりしていて、初夏にはぴったりですね。ワインもあっさりと軽い赤が合いそうです。 デザートは、本場ノルマンディー産のフロマージュ・ブランを使った軽やかなムースです。通常、チーズは乳酸菌やレンネット酵素などで凝乳させた後、水分を抜いてから加塩して整形後、熟成させるわけですが、フロマージュ・ブラン(白チーズ)やフロマージュ・フレ(生チーズ)と呼ばれるものは、凝乳と脱水だけで終わりです。凝縮されたヨーグルトといった感じで、穏やかな酸味とクリーミーなコクが魅力で、チーズが苦手という方でも大丈夫かもしれません。 これを使って、軽くホイップした生クリームと合わせた甘み控えめの軽いムースにしました。カマルグの上質な塩フルール・ド・セルと荒挽きの黒胡椒を振ったものと、オーソドックスに木イチゴのコンポートを添えたものを2種類、それに猫舌クッキー、ラング・ド・シャ(ラング・ド・シャは猫の舌という意味です)を添えます。 デザートには、また“さかもとこーひー”の坂本さんが素晴らしいコーヒーを用意してくれるでしょう。先ほど、お願いのメールを出しました。何しろ、4月5月のコースの「花梨のヴィネガーと蜂蜜のグラニテを添えたイチゴのスープ仕立て」とさかもとこーひー専用ブレンドの驚異のマリアージュは、大好評でしたからね! 先日来た、わが友クリヤマコトも「これはすごいねぇー!」と喜んでいました。 サンク・オ・ピエ初夏のコースは、ホームページからご予約ください。ご来店お待ちしております。
May 24, 2012

ブログ更新すっかりサボってしまいました。申し訳ありません。どうも時間がなくて、、、、。マダムが、畑の様子を撮ってきてくれました。 これは、胡瓜。 ジャガイモ。 空豆はもうすぐですね。 スナップエンドウは今が盛りです。 絹さや。 スナップエンドウ。 このところ、ランチが妙に忙しい日が多く、少し早出したりしていたので、なかなかキーボードに向かう時間がとれませんでした。それと、6月からのメニューを考えるのが珍しく難航してまして、、、まあ、もうだいたい決まりましたが、、、。 土曜日は、またクリヤマコト夫婦と商社マンのA夫婦が来てくれて、いつもの仲良し6人組で盛り上がりました。特に音楽の話が本気でできるクリヤマコトとの語らいは楽しいです。ジョージ・ラッセルのリディアン・クロマティック・コンセプト(ジャズ演奏の高度な音楽理論)の話とかちょっと出たりして、楽しかったです。
May 21, 2012

予約帳の先週のページを見ると、ほとんど真っ黒で、、。ゴールデンウイークはおかげ様で結構忙しかったです。定休日の昨日は、すっかり脱力してボーっとして過ごしてました。竜巻のニュースばかり見ていました。去年の震災以来、自然の猛威に対する人間の無力さを実感します。被害にあった方々が少しでも早く平穏な日常に戻れますように、、、。 連休最後の6日に、さかもとこーひーの坂本夫妻がご来店でした。料理は4月5月のコース。生ハム、フォアグラとアーティーチョークに熟成バルサミコソース、イカ墨リゾットのホタルイカとボッタルガ添え、フランス産雛鶏のローストと来て、最後にこの花梨ヴィネガーと蜂蜜のグラニテを添えたイチゴのスープ仕立てとさかもとこーひーのこのデザート専用ブレンド。 あまりの見事なマリアージュにこーひー作ったご本人が、一番驚いていました。(笑)坂本さんがブログに書いてくださいました。 いつも、サンク・オ・ピエのデザートに合わせて絶妙なこーひーを作ってくれるのですが、今回のは特に評判が良かったですね!イチゴという酸っぱいものにさらに花梨のヴィネガーの酸味ですからね、、、。どう考えても普通はこーひーが合うわけないんです。それが、デザートを食べて、こーひーを一口飲むと、不思議とイチゴや花梨ヴィネガーや蜂蜜の余韻が膨らみ、こーひーの余韻も残ります。これが紅茶だと、一口で余韻が断ち切られてしまって、味覚がリセットされてしまいます。だから余韻の楽しみがない。 このデザート、実は花梨のヴィネガーを興味本位で買ってしまったことから始まったんです。1リットルで¥6000もする高級ワイン並みの値段なんで、「いったいどんな味なんだろう?」と思って、どうしても味が知りたくて購入してしまいました。花梨と言うと果実酒かジャムくらいなもので、まさかのヴィネガーですからね。ワインヴィネガーに花梨を漬けこんで作ったというのならだいたい想像はつくんですが、花梨で作った醸造酢ですからね。ついつい好奇心に駆られてしまったわけです。 味を見ると、花梨独特の品の良い果実味があって、酸味も柔らかく、醸造による複雑なアミノ酸的旨味もあって、実に魅力的なんですが、なかなか使い道が思いつきませんでした。4月5月のコースを考えていたら、「そうだ、蜂蜜と合わせてグラニテにしよう!それなら、下にイチゴのスープ仕立てで決まりだな!」と、ある日突然思いつきました。すぐにレシピを書いて、作って見ると一発で決まりました。花梨のヴィネガーと蜂蜜の甘みと香りがバランスよくてばっちりです。それにしても、さすがにこれに合わせるこーひーは無理だろうな、、、?と思ってもみたんですが、、、でも坂本さんなら、作っちゃうのかな?と思ってお願いしたら、この見事なこーひーが届いたんです。味を見たら思わず笑っちゃいました。 あるお客さんにそんな風にデザートのレシピを考えたという話をしたら、「モーツァルトの作曲みたいじゃないですか!」と言われました。たしかにモーツァルトの楽譜には全く修正の跡がなく、どんな曲も一気に書かれたそうです。モーツァルトの父にあてた書簡集を見ても本人が、一幅の絵を見るように曲が出来て、あとはそれを暇な折に書きとめるだけということをさりげなく告白していますが、本当だとしたら驚くべきことですよね。まあ天才の天才たる所以ですね。さかもとさんも、お風呂に入りながらブレンドが思いつくときがあるなんて言ってましたから、まるでアルキメデス? 天才モーツァルトには遠く及びませんが、私も坂本さんも長年の精進で、こんな仕事ができるようになったんでしょう。それに、このところのさかもとこーひーとサンク・オ・ピエのコラボは、世界でも例がない試みで、、、お互い良い刺激でありとてもいい勉強になります。これからも楽しくやっていきたいものです。坂本さんよろしくお願いします。
May 8, 2012
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