陽炎の向こう側             浅井 キラリ

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あなたへ  あなたの瞳に 


あなたへ  二人だけの記憶


あなたへ  あなたの選んだ道


あなたへ  あなたの胸に


あなたへ  どうして


あなたへ  あの街


あなたへ  幸せ?


あなたへ  久しぶりの声


あなたへ  あなたの名前  


あなたへ  aitai


あなたへ  冬の空


あなたへ  東京の空


2008/09/07
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カテゴリ: カテゴリ未分類
母親は、弘子の体を抱きしめた。

「弘子。」

そう言うのがやっとだった。

「では、お部屋の方へ行きましょう。」

病棟は、病院の中でも古い建物だった。

白い廊下、ベージュ色の壁。

部屋のドアは、のぞき窓がついている。ガラスは、多少、中が見えづらくなっている。

弘子は、個室を与えられた。

10畳ほどの広さだろうか。



ドアを入って左手すぐに洗面台とロッカーがある。

ベッドの向かいにソファが置いてある。

そして、ベッドと窓の間にローラーのついた台の上に小さなテレビが置いてある。

引き出しのついた小さな机といすもある。

森口と看護婦に連れられて母親と弘子は、その部屋の中へと入った。

『1ヶ月、ここが私の部屋。』

弘子は、着替えやタオル、歯ブラシや化粧品の入った鞄をソファの上に置いた。

「では、私は、後ほど。」

そう言って森口は、部屋を出て行った。

「ここに、ナースコールのボタンがありますから。何かあったら、押して下さい。テレビは、プリペイドカードを売店で、買って下さい。今日は、これを使って下さいね。」

そう言って看護婦は、プリペイドカーを弘子に渡した。



弘子と母親は、看護婦の後について行った。

「この白板に、あらかじめ入浴したい時間帯のところに名前を記入しておいて下さい。それから、こちらが洗濯機です。こちらも、使用する時は、名前を記入して下さい。」

「はい。」

「トイレは、一番奥です。就寝時間は、10時ですけれど、それ以降は、トイレに行かれる時は、ナースコールをして下さい。付き添いますので。」

「わかりました。」



「今のところは、ありません。」

「では、お部屋に戻りましょう。一応、面会時間は、3時から8時となっています。」

3人は、弘子の部屋へ戻った。

「それでは、なにかありましたら、呼んで下さい。夕食は、6時です。それまで、休んでいて下さい。」

「いろいろとお世話になります。よろしくお願いします。」

弘子の母親は、看護婦に深々と頭を下げた。

母親は、ドアを閉めるとソファーに置いた弘子の荷物の入った鞄を開けた。そして、着替えをロッカーの中に入れた。そして、化粧道具を洗面台の鏡の前に並べた。

弘子は、ぼんやりとベッドの上に座っていた。

「お母さん、ごめんなさい・・・。」

「弘子、何も言わないでいいのよ。いいのよ。お母さんの方こそごめんなさい。ちゃんと、気がついていてあげなくて。あなたの気持ちをちゃんとわかってあげていなくて。」

母親は、握りしめた弘子の手の上に涙をこぼした。

「お母さん。」

弘子は、力なく言った。

「ここで、先生のおっしゃるとおり、静かに心と体を休めなさい。疲れているのよ。何も考えないで。」

「少し、疲れたわ。休んでもいい?」

「そうしなさい。」

弘子は、ベッドに横になると、すぐに眠りに落ちた。

「弘子・・・。」

弘子は、安心したかのように深い眠りについた。


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最終更新日  2008/09/07 09:33:52 AM
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