陽炎の向こう側             浅井 キラリ

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あなたへ  永遠


あなたへ  喜び


あなたへ  微笑み


あなたへ  安心


あなたへ  ずっと


あなたへ  あなたの手


あなたへ  あなたの笑顔


あなたへ  永遠の愛をありがとう


あなたへ  最後まで


あなたへ  あなたの瞳に 


あなたへ  二人だけの記憶


あなたへ  あなたの選んだ道


あなたへ  あなたの胸に


あなたへ  どうして


あなたへ  あの街


あなたへ  幸せ?


あなたへ  久しぶりの声


あなたへ  あなたの名前  


あなたへ  aitai


あなたへ  冬の空


あなたへ  東京の空


2009/03/12
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その後もとりとめのない話をした。

理彩には、話の内容は、どうでもよかった。ただ、この場にこの夫婦と一緒にいることが大切だった。

「この辺は、本当に静かですね。少し行くと大きな通りがあるのに。」

「そうね。ここだけ、取り残されちゃったみたいに静かね。住んでいる人たちも年を取っている人が多いから。」

「ずっと、ここにお住まいなんですか?」

「ええ、もう30年近くになるかしら。」

「あの、宮本さんもご近所なんですか?」

「ええ、この前の道をちょっと行った所に住んでいるのよ。」

その時、少し、女性の表情が曇った感じがしたのは、理彩の錯覚だったのだろうか。



「私、両親をお正月に交通事故で亡くしたんです。」

理彩は、自分でも、どうしてその言葉が口から出たのか驚いた。

夫妻の方に視線を向けると、二人は理彩の顔を見つめていた。

そして、妻の方が、理彩の手を両手で優しく包んだ。

「そう。大変だったわね。」

その手に力が入った。

理彩は、その時、この夫婦もあの宮本という女性との暗黙の約束を知っているような気がした。

『あの約束は、この人たちとの約束でもあるんだわ。この人たちも知っているのね。』

理彩は、そっと、女性に視線を向けた。

女性は、穏やかに笑っていた。

「いつでも遊びに来て頂戴。あなたのご両親だと思って。ね。」



「そんなことないわ。いいのよ。」

理彩は、お昼過ぎに夫婦の家を出た。

太陽の日差しが眩しく感じられ、一瞬、理彩は目眩を感じた。

日傘を差すと、後ろを振り返った。

「気をつけてね。また、遊びに来て頂戴。」



理彩は、後ろを振り返り振り返り、その家から離れていった。

夫婦は、いつまでも理彩を見送っていた。


大通りに出ると、一気に雑踏の音が理彩の耳に入ってきた。

『通りを少し入った所なのに、あの家の周りは、本当に静かだわ。人が住んでいないみたい。』

5時間授業で雄太が帰って来るので、理彩は、足を速めて地下鉄の駅に向かった

『暑い。』


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最終更新日  2009/03/12 01:31:18 PM
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