陽炎の向こう側             浅井 キラリ

陽炎の向こう側   浅井 キラリ

PR

プロフィール

polarispolaris

polarispolaris

カレンダー

フリーページ

《前作》 この空の下で 1


この空の下で 2


この空の下で 3


この空の下で 4


この空の下で 5


この空の下で 6


この空の下で 7


この空の下で 8


この空の下で 9


この空の下で 10


この空の下で 11


この空の下で 12


この空の下で 13


この空の下で 14


この空の下で 15


この空の下で 16


この空の下で 17


この空の下で 18


この空の下で 19


この空の下で 20


この空の下で 21


この空の下で 22


この空の下で 23


この空の下で 24


この空の下で 25


この空の下で 26


この空の下で 27


この空の下で 28


この空の下で 29


この空の下で 30


この空の下で 31


この空の下で 32


この空の下で 33


この空の下で 34


この空の下で 35


この空の下で 36


この空の下で 37


この空の下で 38


この空の下で 39


この空の下で 40


この空の下で 41


この空の下で 42


この空の下で 43


この空の下で 44


この空の下で 45


この空の下で 46


この空の下で 47


この空の下で 48


この空の下で 49


この空の下で 50


この空の下で 51


この空の下で 52


この空の下で 53


この空の下で 54


この空の下で 55


この空の下で 56


この空の下で 57


この空の下で 58


この空の下で 59


この空の下で 60


優しく抱きしめて 1


優しく抱きしめて 2


優しく抱きしめて 3


優しく抱きしめて 4


優しく抱きしめて 5


優しく抱きしめて 6


優しく抱きしめて 7


優しく抱きしめて 8


優しく抱きしめて 9


優しく抱きしめて 10


優しく抱きしめて 11


優しく抱きしめて 12


優しく抱きしめて 13


優しく抱きしめて 14


優しく抱きしめて 15


優しく抱きしめて 16


優しく抱きしめて 17


優しく抱きしめて 18


優しく抱きしめて 19


優しく抱きしめて 20


優しく抱きしめて 21


優しく抱きしめて 22


優しく抱きしめて 23


優しく抱きしめて 24


優しく抱きしめて 25


優しく抱きしめて 26


優しく抱きしめて 27


優しく抱きしめて 28


優しく抱きしめて 29


優しく抱きしめて 30


優しく抱きしめて 31


優しく抱きしめて 32


優しく抱きしめて 33


優しく抱きしめて 34


優しく抱きしめて 35


優しく抱きしめて 36


優しく抱きしめて 37


優しく抱きしめて 38


優しく抱きしめて 39


優しく抱きしめて 40


優しく抱きしめて 41


優しく抱きしめて 42


優しく抱きしめて 43


優しく抱きしめて 44


優しく抱きしめて 45


優しく抱きしめて 46


優しく抱きしめて 47


優しく抱きしめて 48


優しく抱きしめて 49


優しく抱きしめて 50


優しく抱きしめて 51


優しく抱きしめて 52


あなたへ  永遠


あなたへ  喜び


あなたへ  微笑み


あなたへ  安心


あなたへ  ずっと


あなたへ  あなたの手


あなたへ  あなたの笑顔


あなたへ  永遠の愛をありがとう


あなたへ  最後まで


あなたへ  あなたの瞳に 


あなたへ  二人だけの記憶


あなたへ  あなたの選んだ道


あなたへ  あなたの胸に


あなたへ  どうして


あなたへ  あの街


あなたへ  幸せ?


あなたへ  久しぶりの声


あなたへ  あなたの名前  


あなたへ  aitai


あなたへ  冬の空


あなたへ  東京の空


2009/03/13
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類





家に着くと、理彩は、疲れがどっと出てくるのだった。

『まだ、本調子じゃないみたいだわ。いつになったら、よくなるのかしら。』

理彩は、洗面所に行って手と顔を洗った。

そして、ベッドルームに行き、洋服を脱ぎ、そのままベッドに入り、少し眠った。

30分ほど眠ったところで目が覚めた。

『そろそろ雄太が帰ってくる時間だわ。』

理彩は、着替えてキッチンへ行き、雄太のおやつにほっとケーキを焼いた。

「お母さんどうしたの?ぼーっとして。」



「うん。美味しいよ。久しぶりだね。」

「今日、徹るたちとサッカーしに行くから。」

「あんまり遅くならないようにね。宿題あるんでしょう?」

「分かっているって。もっとある?ホットケーキ。」

「あるわよ。」

「ああ、いい、自分で取ってくるから。」

『あの女性、絶対に、雄太の写真を見て、涙ぐんでいたわ。それに二人ともバラを愛おしそうに見つめていた。あの時、私の手を力強く握ってきたし。あれは、分かっているって言うことを教えたかったのよね。』

雄太が、お皿にホットケーキを載せて理彩の前に座った。

『この子のことを忘れていなかったんだわ。』

理彩は、雄太の顔をまじまじ見るのだった。

「じゃあ、行ってくるね。」



「気をつけるのよ。」



理彩は、それから、週に1度は、あの夫婦の家を訪れるようになった。

それは、理彩にもあの夫婦にとっても当たり前のことのように感じられていた。

いつも、理彩は、自分の両親が好きだった物を作って持って行った。


「こんにちは。」



「そうなんですか。嬉しいです。あ、そうだ、電話番号を教えていただけますか?そうすれば、ご連絡できるし。」

「あ、いいのよ。好きな時に、来てくれれば。連絡してもらわない方が、いつ来るんだろうって楽しみも増すし。ね。」

『電話しちゃいけないのかしら。電話がないのかも。』

「そうですね。雄太の学校が今日は6時間なので、だいたい木曜日がいいかなって勝手に決めていて。」

「あ、そうなのね。雄太君が今日は、6時間なの。」

「これ、今日、お昼にちらし寿司作ってきました。」

「わ、ありがとう。嬉しい。好きなのよ。お父さん。」

「よかったです。味の保証は、ないですけれど。」

「さ、早く、上がって。」

最近では、奥の茶の間に通されるようになっていた。

6畳ほどの部屋だろうか、それほど広くない部屋に茶箪笥があり、真ん中に座卓が置かれていた。いつの間にか、理彩のために新しく赤いカバーの掛けられた座布団が置かれていた。

「ちらし寿司だから、何か、おすましを作るわね。」

「じゃあ、お茶を入れようか。」

理彩が、赤い座布団に座ると、夫婦は、いそいそと台所へ入っていった。

台所と茶の間を仕切っているふすまは開けられたままで、二人の姿を理彩は、じっと見ていた。

『実家に行っていた時みたい。お父さんとお母さんもあんな風だった・・・。』

「ねえ、お豆腐と三つ葉のおすましでいいかしら?」

「すみません。お客様みたいに座っていて。お手伝いします。」

「いいのよ。あなたは、体調が不安定みたいだから。座ってらっしゃい。」

「はい、お茶をどうぞ。」

「ありがとうございます。」

「羊羹があったよね。」

「茶箪笥の中よ。」

「ああ、ここにあった。」

「頂き物だけど、あんまり甘くなくて美味しいよ。」

「私、羊羹好きです。それに、雄太も。」

「あら、男の子なのに、和菓子が好きなのね。お母さんに似たのかしら。」

「そうですね。」

「さあ、さあ、できたわ。頂きましょうか。」

理彩が持って来た、大きめのタッパーの蓋を開けた。

「まあ、美味しそうだこと。綺麗ね。」

「本当に美味しそうだ。」

「ありがとう。」

「こちらこそ、喜んでいただけて嬉しいです。」

「大皿を持ってくるわね。」

大皿に移し替えられたちらし寿司を囲んで三人でとりとめのない話をしながら時間を過ごした。

『これは、夢なの?ここは、一体どこなんだろう。』

時々、理彩は、少し離れた所から三人を見ているような感覚にとらわれるのだった。



人気ブログランキングへ 人気ブログランキングへ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009/03/13 01:09:43 PM
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

コメント新着

polarispolaris @ Re[1]:クロスロード 24(09/24) mkd5569さんへ >朝のブログ更新おつか…
mkd5569 @ Re:クロスロード 24(09/24) 朝のブログ更新おつかれさまです。 秋晴…
polarispolaris @ Re[1]:クロスロード 11(09/11) mkd5569さんへ >朝のブログ更新おつか…
mkd5569 @ Re:クロスロード 11(09/11) 朝のブログ更新おつかれさまです。 いい…
polarispolaris @ Re:遊びに来ました!(09/01) yamabuki777さんへ >さっそく遊びに来…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: