陽炎の向こう側             浅井 キラリ

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あなたへ  微笑み


あなたへ  安心


あなたへ  ずっと


あなたへ  あなたの手


あなたへ  あなたの笑顔


あなたへ  永遠の愛をありがとう


あなたへ  最後まで


あなたへ  あなたの瞳に 


あなたへ  二人だけの記憶


あなたへ  あなたの選んだ道


あなたへ  あなたの胸に


あなたへ  どうして


あなたへ  あの街


あなたへ  幸せ?


あなたへ  久しぶりの声


あなたへ  あなたの名前  


あなたへ  aitai


あなたへ  冬の空


あなたへ  東京の空


2009/03/19
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理彩が出かけた後、リビングの電話が鳴った。

何度か繰り返し、電話が鳴ったが、誰もいない家にその音は響くだけだった。

「お母さん、お留守のようだね。携帯電話の番号分かる?」

「はい。」

「じゃあ、掛けてくれる?」

「はい。」

雄太は、担任教師から、受話器を渡され、理彩の携帯電話の番号を押した。

でも、電話から聞こえてくるのは、呼び鈴の音だけで、理彩は、電話に出なかった。



雄太は、学校に来て、38度近い熱を出してしまっていた。

3時限目が終わったところで、また担任教師が保健室に来た。

「どうでしょうか?」

担任は、保健の先生に尋ねた。

「風邪だと思うけれど。熱が高くならないうちに帰った方がいいわね。」

担任は、理彩の携帯と自宅に電話したが、やはり、応答がなかった。

「出ないわね。」

雄太は、理彩に電話が通じないことに腹が立っていた。

『何で、出ないんだよう。』

「今日、お母さん、どこかに出かけるとか行っていなかった?」

「別に・・・。」



教師は、緊急連絡先の欄に書かれている雅史の携帯電話に電話を掛けた。

「はい。山村です。」

「あ、私、山村雄太君の担任の大木ですけれど。」

「いつもお世話になっています。」

「こちらこそ。あの、お宅とお母様の携帯にお電話したのですが、お出にならないので、お仕事中、申し訳ないのですが、お父様の携帯にお電話させていただきました。



「雄太は、風邪でしょうか?」

「ええ、少し、咳も出ているようなので。」

「妻と連絡が取れないのですね。こちらから、連絡を取ってみます。折り返しお電話します。念のために、学校の電話番号を教えていただけますか?」

雅史は、学校の電話番号を聞くと、一旦、電話を切り、机を離れて廊下に出た。そして、理彩の携帯に電話した。

何度か目に、理彩が電話口に出た。

「もしもし、あなた?」

「理彩。どうしたんだ?」

「え?何が?」

「学校から何度も君に電話が行っているはずだよ。」

「そうなの?気がつかなかったわ。ごめんなさい。あなたにかかってきたの?」

「ああ、雄太が、8度の熱を出したそうだ。迎えに来て欲しいって、担任が。」

「分かったわ。ごめんなさい。」

「理彩、今、どこにいるんだ?家にも掛けたけれど、出なかったって。」

「あ、あの、今、世田谷の実家に来ているの。片付けものをしていて、電話に気がつかなかったわ。すぐに学校に電話して、雄太を迎えに行くわ。」

「大丈夫かい?」

「え?何が?」

「いや・・・。」

「じゃあ、学校に電話するわ。」

「ああ、じゃあ、頼んだよ。」

理彩は、携帯を切ると、学校に電話を入れた。

理彩は、あの夫婦の家に行く前に世田谷の実家に寄っていた。

母親が、編みかけていた雄太のセーターを取りに来ていたのだった。

理彩は、そのセーターと残りの毛糸を紙袋に押し込むと、雨戸を閉めて、駅に小走りで向かった。



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最終更新日  2009/03/19 12:18:03 PM
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