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2022.06.10
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カテゴリ: 横溝正史

殺人鬼【電子書籍】[ 横溝 正史 ]

 正史は作中
 ​
 ふんだんに血を流しゴロゴロするほどの死骸を将棋の駒を動かすようにおもちゃにして見せた。
 それが受けた。
と書いている。
 これが正史の当時の偽らざる流行作家としての考えだったと推察する。
 それはともかく本作は短編で、戦争帰りの傷痍軍人が義足をつけてコツコツコツコツと歩きまわることから、怖がる人頻り、そうして知り合った人妻とミステリー作家の短い話だ。
 一体正史は長い話の方がきちっとしたストーリーを生み出すことができるのだろうか。
 それはともかくほんの80ページほどの話の中で、話が飛ぶ飛ぶ、その上あーた、金田一耕助先生までお出ましになるんですよ、サービス精神満点だ。
 それにしても正史は、本作において冒頭のような考えを表しているとともに、日本国における500人に1人の死因が殺人だとする。

 正史はそんなことを考えながら創作していたんだね。
 本当に恐ろしいことを考えながら書いていたのだねえ。
 いずれにしろ本作は今までにないテンポの早い話で、コツコツコツコツ義足人間は加奈子という女の元夫、今の夫は賀川と言いその賀川には正妻がいると言う独特の血的シチュエーションがあり、それに八代竜太というミステリー作家が絡んで、金田一先生も出てきて、最後は八代と加奈子が九州に逐電するのであるが、はっきり言ってミステリーミの字もない。
 ミステリーと言うには動機、機会、方法が必要である。
 果たしてどこに動機があり機会があって方法があったのか。
 まあそれでも横溝正史を研究する者にとってはこの作品は実はとても参考になる作品ではなかろうか。
 少なくとも正史は先ほどから書いているとおり、死骸がゴロゴロとか日本における死因で殺人も結構な数になっているなどの根本的なスタンスを明らかにしているわけで、そのようなイデオロギーのもとに書かれているのが正史ミステリーたということであり、なぜに彼の作品にこうも死体が出てくるのかということが垣間見えたような気がした。





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最終更新日  2022.06.10 05:56:24
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