今日、何読んだ?

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2022.07.18
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カテゴリ: 横溝正史

呪いの塔【電子書籍】[ 横溝 正史 ]

 本作は傑作である。
 金田一モノでも由井先生モノでもない。
 しかも金田一モノでよく出てくる岡山の田舎の話でもない。
 そういう意味で本作は金田一モノ、由井モノを抜け出した正史作品として一つの金字塔を打ち立てた作品と言えよう。
 現場は迷路風の階段のあるバベルの塔と名付けられたタワーである。
 ここで高名な推理小説作家が刺殺される。
 その他映画監督や俳優も殺されてしまう。
 関係者は10名くらい。
 だからその中の誰が犯人か、つまりWHO DONE IT?なのである。

 果たして誰が犯人なのかトリックはどこにあるのか。
 そして正史の特徴である身代わり、これが出てくるのか出てこないのかなどなど読み手としての興味は津々としてくるわけだ。
 変わったヤサが公開される。
 それは本作の探偵役である白井三郎の住まいである。
 畳と窓ガラス以外古新聞が敷き詰められている。
 著者に言わせれば、図書館なのだそうだが、そこに本件の謎を解く記事が仕組まれていたのだった。
 白井三郎は推理作家である。
 殺された大江黒潮も推理作家である。
 そこに何らかの繋がりがある。
 これは読み手としての他の読み手に対するサービス的なヒントである。
 さらに示せば、それは二つあって、一つは黒潮の妻ともう一つは白井三郎の部屋の古い新聞記事に出てくる女、これ以上書けばネタばらしになるのでやめておこう。

 どうしても人気作家ゆえ締め切りを迫られて、どうでもいい風な作品まで出していることは、この作家の読み手としてたくさんのものを読んでいることから分かるのである。
 その苦しさの反面、本作のような傑作ができるのであるから、つまり、駄作もまた傑作の原料足り得るということだろう。





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最終更新日  2022.07.18 05:00:10
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