立花 本庶さんの研究チームが発見したPD─1は、免疫細胞の表面にあって免疫細胞に「攻撃ストップ」を命じるブレーキのような働きを持つ分子です。
免疫は暴走して自分の臓器や神経を攻撃しはじめることもありますが、そうならないようにブレーキ機能がついているわけですね。
本庶 そうです。
私たちの研究では、がん細胞は免疫細胞からの攻撃にさらされると、このブレーキを
踏む分子(PD─L1)を出したり、他の未知の仕組みで免疫細胞の攻撃をストップさ
せることがわかりました。
がん細胞が免疫細胞による攻撃をはねのけ、際限なく増殖を続けることができるのは
免疫細胞の監視を逃れる仕組みを持っているからなんですね。
治療をはじめて四カ月で完全にがんが消えた。
今ではゴルフまでして元気そのものです。
効く人には非常によく効くのです。
立花 逆に言うと効かない人には効かない?
本庶 そうです。
さきほどの二〇一四年の論文を見ても、七〇%の人は一年を超えても生き続けたけれ
ど、三〇%の人は一年以内に亡くなっているわけですから。
立花 ただ、効く人には長く効くわけですね。
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