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2017年12月15日

日本代表頑張った——ベスト16(十二月十二日)





 試合開始から、1点、2点リードされる展開が続いていたけれども、どちらも点を取るのに苦労しているような印象をうける得点経過だった。前半の終了間際に一度逆転したようだけれども、追いつかれて前半は10−10で終了した。
 チェコ代表ですら、両チームの得点がともに30点を越えるようなハイスコアの点の取り合いになると、背の高い選手をそろえた北ヨーロッパのチームに対しては圧倒的に分が悪いのである。日本代表が長身のオランダ代表に勝つとしたらロースコアの守りあいに持ち込むしかない。その意味では、試合は日本代表のペースだったと言ってもいいのだろう。


 直接試合の様子を見ていないから何ともいえないのだけど、運がよければ勝てたのかもしれない。大事な試合で、常に追いかける展開にしてしまった試合の入り方に反省があるにしても、最後の最後まであきらめずに、点差を開かれずについていって、前半も後半も同点に持ち込めたのは、すばらしい。こんな追い詰められてから強い日本代表なんて、見たこともないぞ。

 上位進出をかけた大事な試合、それがグループステージであっても、になると、慎重になりすぎるあまりプレーが消極的になって、序盤で決定的な差をつけられてそのまま惨敗するか、最後に帳尻合わせのように追い上げて、見た目だけは惜敗するというのが関の山だったのに。それから、中盤まで善戦はしても、後半に力尽きて一気に点差を開かれるというパターンも多かったなあ。
 ここに書いたハンドボールの日本代表に対するイメージは、90年代までに培ったものだけど、2000年代に入ってからも、ここまで世界選手権やオリンピックで特に目立った成績を残しているわけでもないことを考えると、大きく変わったとも思えない。今回の、日本代表にとっては大成功といえる結果を第一歩として、更なる強化を進めていってほしいところである。日本を離れて久しい元日本のハンドボールファンが、再び心の底から応援できるようになるぐらいまではさ。

 念のために監督とか選手の名前を確認したら、選手は基本的に日本人で、一時期のように帰化した選手に頼るということはしていないようだった。ただ、監督は外国の方のようで、日本に合う監督をうまく見つけることができたということなのだろう。サッカーやラグビーもそうだけれども、外国人監督だからといって、それがそのままチームの強化につながるわけではないのである。
 チェコでも、バレーボールやバスケットの代表が外国人監督を迎え入れていたことがあるけれども、それがうまくいって成績が向上したこともあれば、反対にまったく機能しなかったこともある。帰化選手も当たり外れが多いようだし。ハンドボールでも昔はいたのかなあ。ロシア系、ユーゴスラビア系の名前の選手はいるけれども、チェコで生まれ育ったという場合も多いからよくわからない。
 日本代表は女子の強化はうまくいっているようだが、男子のほうはどうなのだろう。こちらも外国から監督を迎え入れるというニュースを読んだ記憶がある。その後の試合については、チェコにいるとまったく情報が入ってこないので何とも言えない。

 話を今回の世界選手権に戻そう。ベスト16に進んだ国の中で、ヨーロッパ以外の国は、日本と韓国の2チームだけ。世界レベルでの強豪であり続けている韓国の進出はある程度予想されていたけれども、日本の進出は大きな驚きであったに違いない。その結果、ブラジルを押し出してしまうことになったのは、まあしかたがないことである。
 勝ち点では日本よりも多い6を獲得しながらグループ4位となった韓国は、ベスト16の試合でCグループで全勝だったロシアと対戦した。この試合では、前半負けていた韓国が、後半に追いつき30−30で延長にもつれ込んだ。延長は6−5でロシアが制し、合計36−35で準々決勝に進出した。日本か韓国のどちらかが準々決勝に進出してくれればよかったのだけど……。

 ちなみに、日本が勝ったモンテネグロは、Dグループ1位のセルビアに勝って準々決勝に進出した。いやはや、よくもこんなチームに勝てたものだと感心してしまう。次の対戦相手はフランス。日本代表の健闘を印象付けるためにも、頑張ってほしいところである。バルカンのチームは嫌いなんだけど、
この試合だけはモンテネグロを応援することにする。
 オランダ代表が準々決勝で対戦するのは、我らがチェコ代表である。そうなると、日本代表云々なんてことは言っていられないから、チェコを応援するに決まっている。ノルウェーやスウェーデンよりは組しやすい相手ではないかと想像できるので、チェコ代表がグループBで4位に終わったのは実は最高の結果だったのかもしれない。
2017年12月12日22時。








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