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2021年04月04日

これはプラハかベルギーか(四月朔日)



国会図書館オンライン で、古いチェコ関係の記述を探して遊んでいたら、『建築写真類聚』という本に突き当たった。写真集、もしくは図版集というべきもので、解説はもちろん、刊行の事情を説明した前書きも後書きも、場合によっては目次、奥付さえなく、写真と図版が簡潔なキャプションつきで並んでいるだけという書物である。
 編集は建築写真類聚刊行会で、出版社は建築関係の本を多く手がけていたと見られる洪洋社。第一期の第一冊が、大正9年というから、1920年に刊行され、以後巻をついで、1943年の第十一期まで刊行が続いたようである。各巻には、例えば最初の巻の「玄関」のように、テーマが設定され、それに沿った写真が類従されている。

 その 第一期の第13冊 が、「劇場建築」の写真が収められた巻となっていて、そこにあれ? と言いたくなるキャプションの着いた図版が3枚あるのだ。順番に、「チェッチ国立劇場配景(白国プラグ)」「チェッチ国立劇場配景(白国プラグ)」「チェッチ国立劇場観覧席(白国プラグ)」で、その次には「独逸劇場配景図(白国プラグ)」というのもある。

 さて、問題は「白国プラグ」という表記である。「白国」というと普通は、「白耳義」と表記されたベルギーのことを指す。「プラグ」と表記しうる町がベルギーにあるのかも疑問であるし、「チェッチ国立劇場」と訳せる劇場があるのかもわからない。
 逆に「プラグ」をプラハのことだと考えると、「チェッチ」は、普通は英語の発音にあわせて「チェック」と読まれるものを、誤って「チェッチ」と読んだものと考えることができる。昔、たしか川原泉の漫画で、本来「アーク」と発音される英語の言葉を、「アーチ」と読むものだと思い込んでいて、作中に使用した後、英和辞典で発音を確認して愕然としたなんてことが描かれていたのを思い出す。「Czech」の最後の「ch」を「チ」と読んでしまったのかな。
 ただし、当時のチェコスロバキア、もしくはボヘミアを「白」という漢字で代表させた例は、発見できない。官報などでもすべてベルギーを指している。チェコスロバキアの略称として「致国」というのは見かけたことがあるけれども、これも一般的に使われていたものではないようだ。

 幸いなことにこの写真集はインターネット公開されているので、収められた写真を見ると、「チェッチ国立劇場」は、プラハの国民劇場の外観に似ているように思われる。念のためにセズナムの地図で国民劇場を探して現在の写真を表示させて見たら、間違いなく同じものだった。現在では日本では国民劇場という呼称が定着してしまっているが、当時は国立劇場と訳す人もいたのだなあとちょっと感心してしまった。
 それなら、もう一つの「独逸劇場」に相当するものも、プラハにあるはずである。20世紀初頭に存在した劇場だということから、あたりをつけた最初の候補、駅の近くの国立歌劇場が、大当たりだった。劇場の歴史を確認すると、もともとは、プラハ市内のドイツ系の住民たちが建てたのがこの劇場だった。それで「独逸劇場」と呼ばれていたのである。

 念のために収録された写真の国ごとの配列を確認すると、フランスのパリから始まり、イギリスを経てロシアに向かい、その後、ドイツ、オーストリア、ハンガリーを経て、「白国」と並んでいる。「白国」のあとは、スイス、オランダと続いているから、この写真集における「白国」はベルギーではなく、チェコスロバキアのことだと考えてよさそうだ。ベルギーならオランダの前後に入るはずだしさ。いや、普通に誤記、誤植と考えるのが自然か。

 それにしても、こちらが想定していない表記が使われていると発見するのは難しいなあ。チェコスロバキアのカタカナ表記に関しては、入念に探してきたつもりだけど、見落としもまだ結構ありそうだ。
2021年4月2日24時30分。










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