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2021年04月30日
このごろチェコで見ないもの(四月廿七日)
問題は、ってこともないけど、その牛乳の入っているものが、日本でよく見かけた底が正方形の直方体の上部に三角の屋根がついているような形の紙パックでも、こちらでよく牛乳に使われる底が長方形の直方体の牛乳パックでもなく、ビニールパックだったことだ。最近はとんと見かけなくなったが、こちらに来たばかりのころは、スーパーの牛乳売り場にこの手のビニールの袋にパックされた牛乳が積み上げられていたものだ。最初に見たときには驚きのあまり呆然としたのを覚えている。
レトルトパウチのような形を変えるとは言っても破れにくいものではなく、つめで引っかけば穴が開くようなビニールだったので、取り出しの際に誤って破ってしまって、売り場の床がこぼれた牛乳でべとべとしていることもよくあった。自分では買ったことはないけれども、少なくとも容器の分だけコストが下がるわけだから、値段も普通の牛乳よりも安かったにちがいない。当時は今以上に安いものを求める人が多かったのだ。
最近見なくなったといえば、その牛乳一気飲みが披露されたような視聴者が登場して自分にできる芸を見せて、場合によっては商品がもらえるという番組もなくなったような気がする。これは、「スーパースター」のような、オーディション番組がはびこり始めた影響かもしれない。歌が中心の「スーパースター」以外にも、ダンスやら何やらいろいろな芸を披露して優勝したら大金がもらえるというタイプの番組は、一回二回で終わるだろうと思っていたら、毎年のように繰り返されている。全く興味はないけど。
食品関係で見なくなったものとしては、1コルナのロフリークがある。こちらに来たばかりのころは、どこのスーパーマーケットもロフリーク1本の値段を1コルナ前後に抑えることに腐心していた。チェコの朝食には欠かせないロフリークも、できるだけ安い店を探す人が多かったのである。安いロフリークに引かれて買い物に来た人たちが他の商品も買うことを期待してロフリークの価格を低く維持していたのだと考えられる。チェコで一番安いパンであるロフリークの値段が集客を左右していたのである。
それが、流石に1コルナでは販売し続けられなくなったのか、少しずつ値段が上がるようになって、今の値段がどのぐらいかは知らないが、以前のように価格を抑える努力をしているようには見えないし、広告の真ん中にロフリークの値段が書かれるようなこともなくなった。チェコの人たちもロフリークの値段だけで買い物に行く先を決める愚かさに気づいたものと見える。自分でもチェコに来たばかりのころは、典型的なチェコのパンだというので、毎日のように朝食に食べていたのだが、最近は全く食べなくなった。
最後にもう一つ、見かけなくなったものとして蝿をあげておこう。蝿が全くいなくなったというのではない。飲み屋やレストランで、屋内はそこまで多くなかったと思うけれども、屋外のザフラートカの席でビールを飲んでいると、ビールに蝿が寄ってきて大変だった。口をつけていないときはジョッキの上に手や物を置いて蝿が張り込めないようにしておかないと、蝿入りのビールを飲むことになりかねなかった。もちろん、どの店でもというわけではないけれども、そんな店が多かった。
それが、衛生環境の改善の結果か、殺虫剤をぶちまけたおかげか、屋外の席にいても蝿にたかられることはほぼなくなった。たくさんの変化のなかで、これだけはもろ手を挙げてよかったと言える。昔はよかったとぼやいてばかりいる懐古趣味の老人にはなりたくはないけれども、今の世の中で悪いほうに向かっているように思われることは少なくない。よくなっていることもあるから、トータルにすれば、善悪相殺ってことになりそうだけど、人の世の営みというのは早々は変わらないということかな。
2021年4月28日24時30分