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2020年06月20日
チェコ語の疑問詞10「どう」2(六月十七日)
チェコ語を勉強していると、意味はわかるけど日本語にしにくいよなあと頭を抱える表現に出会うことがある。その一つが形容詞と数詞を組み合わせた表現で、特に形容詞「starý」を使ったものは日本語にすると「starý」を感じさせる言葉が消えてしまうので、通訳なんかの際に日本語がとっさに出てこなくて変なことを言ってしまったこともある。
・dva roky stará nehoda
・padesát let stará budova
逐語訳すれば、それぞれ「二年古い事故」「五十年古い建物」となるのだが、なんとも怪しい日本語である。自然な日本語にするなら、「二年前の事故/二年前に起こった事故」「建築後50年を経た建物/五十年前に建てられた建物」なんてことになるだろう。これらの日本語を逆に連体修飾節を使ってチェコ語に訳した表現も存在するし、使えなくはないのだが、一番普通に使われるのがこの数詞と形容詞を組み合わせた表現なのである。
・sto metr? vysoká v??
・více ne? sto kilometr? dlouhá ?eka
この二つの場合には、「高さ100メートルの塔」「長さ100キロ以上の川」と、それぞれ形容詞を名詞化した言葉を使えるからとっさの場合でも訳せないと言うことはないのだけど、チェコ語で聞いてもこんなのでいいのかという落ち着きなさを感じてしまう。最近は大分なれてきたかな。もちろんチェコ語でも形容詞を名詞化した「výška(高さ)」「délka(長さ)」という言葉は存在するけれども、
長々と疑問詞とは直接関係ないことについて書いてきたのは、「jak」と形容詞を組み合わせることで、高さや長さなどを、どのぐらいと質問するからである。
・Jak je tato budova stará?
(この建物は建てられてどのぐらいですか?)
・Jak je vysoká tato v???
(この塔の高さはどのぐらいですか?)
二つの文で形容詞の位置が違っているのは、どちらが正しいのか確信が持てないからである。頭の中で読んでみると、どちらも正しそうに思われてしまう。「být」以外の動詞では、こんな使い方をする。
・Jak starou jste si koupil knihu?
(何年ぐらい前に出された本を買いましたか?)
・Jak vysokou v?? plánujete postav?t?
(どのぐらいの高さの塔を建てる計画ですか?)
この二つも語順が違うのは、どちらがいいのか確信がないからである。
副詞にかける使い方だが、日本語では副詞なしで「どのぐらい」だけで済ますことができる疑問文も多い。
・Jak dlouho trvá z Olomouce do Prahy?
(プラハからオロモウツまでどのぐらいかかりますか?)
・Jak ?asto chodíte do školy?
(学校にはどのぐらい通っていますか?)
形容詞の場合とは違って「jak」と副詞は分けることなくセットで使われることで、これらのほかにも、「jak rychle(どのぐらい速く)」「jak daleko(どのぐらい遠く)」などの表現がぱっと思いつく。
派生語は、他の疑問詞の場合と同じように「n?jak(どうにか)」「nijak(どうにも)」「jakkoliv(どうにでも)」なんかがよく使われる。特殊な使い方としては、相手の思いがけない話を聞いて、「Jak to?」と言うことがある。日本語にすると「どうしたの?」「どうして?」というところだろうか。さらに言葉を足して「jak to ?e」とすると、「pro?」と同じような理由を問う表現になる。使い方からすると「jak to ?e」のほうが強い表現ということになるかな。
最後に映画「トルハーク」に出てくる「jak」を使った名言を紹介しておこう。これは疑問詞としての使い方ではないのだけど、関係詞に入る前の導入ということで。
・Jak je ten film drahý, tak je blbý.
ちょっと語順が怪しいし、映画の中ではプラハ方言で形容詞の語末がだらしないことになっていたけれども、正しいチェコ語にしておく。意味は「この映画は金がかかる分だけばからしい」とでもなるだろうか。またまた「トルハーク」でチェコ語の勉強をしてしまった。
2020年6月17日24時。
タグ: 疑問詞
2020年06月19日
シェンゲン復活近し(六月十六日)
ヨーロッパ全体で見ても、武漢風邪の流行は下火になりつつあるとはいえ、まだまだ新規の感染者が出続けている中、チェコ政府は、EUに属する国のほとんどを青信号の国扱いにして、チェコ人はもちろん、EU市民及び、長期滞在許可を持っている外国人に対しても、出入国の制限を完全に撤廃することを決めた。ヨーロッパで最大の被害を受けたイタリアとスペインの二国がすでにこのグループに入れられているのが意外である。
黄色信号の国はベルギーとイギリスで、この二カ国からの入国で、隔離も陰性の証明が不要なのはチェコ人とチェコの長期滞在許可を有する人だけである。つまり、ベルギー、イギリスに在住するチェコ人以外の人には、チェコに入国する際に14日間の隔離か、陰性の証明書の提示が求められるということである。
赤信号の国はポルトガルとスウェーデン、それにポーランドのシレジアが指定されている。これらの国からの入国に際してはチェコ人も14日間の隔離か、陰性の証明書の提示が求められる。不思議なのは、ポーランドは国としては青信号なのに、一地域だけ赤信号で出入国を制限するのは可能なのかどうかということである。ポーランド領のシレジアと直接接しているところの国境でチェックするのは可能なのだろうけど、迂回されたらチェックの使用はない。そのシレジアの国境の通過点でも検問はすでに緩くなっているらしいし。
このカテゴリー分けによる出入国の規制の緩和、撤廃はチェコ側からの一方的なもので、チェコから他の国に行く際に、さまざまな制限がのこっているところは多いから、例のミニシェンゲン圏、オーストリア、スロバキア、ハンガリー以外に行く際には気をつけなければいけない。とは言っても、チェコ政府自体も、この撤廃で外国へ出ることを奨励しているわけではなく、今でも出国はどうしても必要な場合だけに限るように求めているはずだ。
飛行機の便も、プラハからヨーロッパ内の都市への便はかなり運行の再開が進んでいるようだ。各国の出入国制限で需要と供給の関係がどうなっているかよくわからないので、チケットの値段がどうなっているかも予想できないのだけど、武漢風邪以前に比べると手間が大幅に増えているだろうというのは想像に難くない。
とまあ、チェコの出入国制限の現状について、普通の真っ当なことを書いたわけだが、このニュースを聞いて一番気になったのは、実は規制がどうこうという部分ではなく、ポーランド領シレジアの呼称である。日本大使館からきたお知らせのメールには「シレジア・ヴォイヴォデシップ地方」と書いてあって、これにもちょっと驚いたのだが、最初に驚いたのはニュースで聞いた「スレスケー・ベーボツトビー」である。
チェコ語では、国王が治める領域、つまり王国を、「král(王)」から「království」という。同様に、「kní?etství(侯爵領)」「hrabství(伯爵領)」なんて言葉も存在する。だからニュースを聞いたときに、「vévodství」だと判断して、「公爵領」のことなのだろうと理解し、チェコとポーランドに分割されたかつてのシレジアのポーランド側全体が、「スレスケー・ベーボツトビー」にまとめられていると考えた。
そして、ポーランドではすでに王政が存在しなくなって久しいにもかかわらず、行政単位としては、過去の貴族領を基準にしているのかと、ドイツの州も諸侯領が規準になって分かれているところがあるわけだし、そして名称としても、貴族の爵位を基にした言葉を使っているのだろうと考えた。もしかしたら、地方行政の長の呼称もかつての貴族の爵位を思わせるものかもしれない。
ポーランドという国は、共産党支配が終わったあと、共和国なのに国旗に王冠をつけるかどうかを真剣に国会で議論したと言われる国である。熱狂的なキリスト教信者だけでなく、貴族性にノスタルジーを感じる人が多かったとしても不思議はない。などと考えて、一人で納得していたのである。それが念のために確認してみたら……。
そもそも、「vévodství」ではなく、「vojvodství」だった。さらに歴史的なことを考えると、シレジアの領主の爵位は「vévoda」ではなく、「kní?e」である。チェコ語のウィキペディアには、「vojvodství」は現在のポーランドの地方行政単位だと書かれていた。つまり前身が伯爵領だろうが王領だろうが、教会領だろうが、すべて「vojvodství」になっているということなのだろう。そして、「スレスケー・ベーボツトビー」ではなく、「slezské vojvodství」はポーランド領シレジア全域ではなく、その一部分に過ぎないことがわかった。思い込みとは恐ろしいものである。
しかし、とさらに考える。ポーランドの「vojvodství」という言葉も、もしかしたら「vojvoda」という封建領主を指す言葉からできているのかもしれない。同じスラブのユーゴスラビアにボイボディナというよく似た地名があったし、スロバキアの地方区分に使われている「?upa」ももともとはハンガリー王国時代の地方領主だったか、代官だったかを語源にしているというからさ。人を表すのは現在地方知事を意味する「?upan」だったかな。この言葉、チェコ語では
2020年6月16日24時。
2020年06月18日
サッカーリーグ全節終了2(六月十五日)
ヨーロッパリーグに出場する権利を獲得する可能性が僅かに残っている第二グループは次の4チーム。
7位 チェスケー・ブデヨビツェ 43
8位 ボヘミアンズ 1905 42
9位 スロバーツコ 42
10位 ムラダー・ボレスラフ 40
勝ち点は念のために書いたけど、このグループでは重要ではない。まず7位と10位、8位と9位で対戦し、勝ったチーム同士で試合するというプレーオフ形式で行なわれる。この4チームの中で一番勢いがあるのは、再開後の6試合を5勝1敗で終えたボヘミアンズである。第三グループでも下のほうにいたはずなのに、一気に順位を上げた。ボヘミアンズが順位を上げなかったらオロモウツがこのグループに滑り込めるはずだったのだが。
ボヘミアンズは、プラハ第三のチームで、数はスパルタ、スラビアのファンに大きく劣っているけれども、熱狂振りでは負けないのがボヘミアンズのファンである。だから無観客に近い状態での再開は、不利じゃないかと思われたのだが、そんなことはなかった。ボヘミアンズがヨーロッパリーグに出たら、ものすごく久しぶりのヨーロッパのカップ戦出場ということになる。こわいもの見たさで見たいような気もするけど、ホームのドリーチェクのスタジアムは使えないんじゃないかな。
逆に秋の部の途中から一気に調子と成績を上げて昇格直後のシーズンで台風の目となっていたブデヨビツェは春に入って勢いを失った感じである。特に武漢風邪明けの再開後は、選手層の薄さが響いているようにも見える。チームの軸であるベテランのシボクがチームを買収するとかしないとかでもめていた記憶もあるので、その辺も成績に反映されているかもしれない。
第三グループ
11位 オロモウツ 36
12位 テプリツェ 31
13位 ズリーン 27
14位 カルビナー 26
15位 オパバ 23
16位 プシーブラム 21
下位6チーム中、4チームがモラビア・シレジアのチームという残念な結果になった。この順位で終われば、降格ボヘミアのチーム、入れ替え戦シレジアの2チームとなって、モラビアには影響がないから最高の結果なのだが、そこまでうまく行くかどうか。
前節でオパバを逆転して15位に上がったプシーブラムは、最終節でテプリツェに惨敗し、逆転されたオパバは、監督をオロモウツ育ちの元代表のコバーチに変えて挑んだ最終節でブデヨビツェに勝って再逆転した。最下位で降格確定となるのはこのどちらかの可能性が高いと思うのだけど、プシーブラムも監督がホルバートに変わってから勝ち点を稼いでいるし、13位のズリーンぐらいまではまだまだ安心はできなさそうだ。
地元のオロモウツはもちろんのこと、テプリツェも日系企業であることが意識されないぐらいにチェコのサッカー界に溶け込んでいる旭硝子の現地法人が長らくオーナー企業を勤めているので密かに応援している。この2チームには入れ替え戦に回ることなく残留を決めてほしいところである。現時点での勝ち点の差から考えると問題ないと思うけど。
昇格を争う2部は、まだ7試合残しているけれども、最低でも入れ替え戦に出てきそうなのが、現在首位のパルドゥビツェと2位のブルノである。この2チームの勝ち点差は6、2位と3位のジシコフの差は9となっている。4位は1点差でフラデツ・クラーロベー、5位はさらに3点差でドゥクラ、さらに1点差で6位のイフラバが続いている。この辺りまでが現実的な入れ替え戦争いチームということになりそうだ。
入れ替え戦に出場するのは二部の2位と3位のチームなのだが、初年度だった去年は、二部のチームはどちらも敗退して昇格できなかった。その時に、1部のチームが残留することが事前に決まっていて、審判が微妙に(もしくは露骨に)アシストしているなんて批判の声が、負けた二部のチームから聞こえてきた。確かに微妙な判定が多かったし全くの的外れの批判ではないとは思うが、サッカーなんてそんなものだというのも事実である。残留を争った追加リーグでも下位のチームは、上位チームを残留させるための判定が多すぎるといって批判していたし、ビデオが導入されても本質的な部分、不公平な判定が存在するというのは変わらないのである。
ことしはどんな騒ぎが起こるか楽しみにしておこう。
2020年6月16日9時。
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タグ: サッカー
2020年06月17日
サッカーリーグ全節終了1(六月十四日)
五月下旬に再開したサッカーの一部リーグだが、30節まで終了し、最終的な順位を決めるためのグループ分けが決定した。再開から三週間弱で6節開催するというハイペースで、しかも最初の二週間は、火水、土日と週に四日も試合が行なわれ、その合間に二部の試合も行なわれたので、非常にせわしない感じだった。最後の二節だけは全試合同日同時間の開催だったけど。
一昨年まではこの時点で採集順位が決まっていたけれども、去年から試合数を増やすために、最終順位を決めるための追加のリーグ戦を行うことになった。その際、最初の30節で獲得した勝ち点にこのリーグ戦で獲得した勝ち点を追加して合計の勝ち点で順位を決めるため、順位の変動が起こらない可能性も高い。
第一のグループは、全16チームのうち上位6チームが優勝とチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの出場権をかけて5節のリーグ戦を行う。上位3チーム(場合によっては4チーム)が出場権を確保し、4位のチームが最後の出場権をかけて第二グループの勝者と対戦する。
第二グループは、7位から10位までの4チームで、こちらは、ホーム&アウェーのプレーオフ形式で優勝チームを決める。その優勝チームが第一グループの4位のチームとヨーロッパリーグの出場権をかけて対戦する。
最後のグループは11位以下の6チームでリーグ残留をかけて、第一グループと同様に5節のリーグ戦を行う。最下位となったチームは自動的に二部に降格が決まり、14位と15位のチームは、それぞれ二部の2位と1位のチーム残留をかけた入れ替え戦を行う。この辺のことは去年も書いたかな。
我らがオロモウツは、今年は長い間第二グループにいたのだが、再開後に負けが込んで、最終的には11位に終わり、第三グループに落ちてしまった。ただ、最下位のチームとは勝ち点15もの差があるので、自動降格ということにはならないだろうし、入れ替え戦に回ることもないと思う。
追加のリーグ戦とプレーオフは、一週間間を空けて週末から始まるのだが、その前に30節終了時点での順位と勝ち点を整理しておこう。
第一グループ
1位 スラビア 72
2位 プルゼニュ 66
3位 スパルタ 50
4位 ヤブロネツ 49
5位 リベレツ 47
6位 オストラバ 45
秋の部が終わった時点で、2位のプルゼニュに勝ち点16もの差をつけて優勝確実、下手をすれば、追加リーグが始まる前に優勝が確定する可能性もあると言われていたスラビアは、冬の移籍期間にソウチェクを失った影響が予想以上に大きく、春の部が二月に開幕してから勝ち点を落とす試合が多くなり、武漢風邪の蔓延で中断期間に入ったときには、春に入って連勝を続けたプルゼニュに勝ち点8差まで迫られていた。再開後は、プルゼニュとの直接対決を引き分けで切り抜け、オストラバと引き分けた以外は、四試合で勝利を収め、勝ち点6の差で追加の部に突入することになった。
プルゼニュは監督交代が功を奏して、再開後も勝ち続け、スラビアと引き分けた以外は全て勝利した。スラビアとの直接対決は1試合しか残っていないので、それに勝っても逆転というわけには行かない。逆転の可能性はゼロとは言わないけど難しそうである。優勝はすでにこの2チームのどちらかで確定している。
3位に入ったのは、春に入って監督交代してからもなかなか調子が上がらず、再開後、一時順位を7位以下にまで落としていたスパルタ。再開初戦でプルゼニュに完敗したときは、さらに順位を落とすかと心配されたのだが、以後5連勝という、ここ何年かのスパルタでは珍しい好成績でリーグを終え、ヤブロネツやリベレツが取りこぼしをしたおかげで最終的に3位に入った。ただ、2位のプルゼニュと16点の差があるために、これ以上順位が上がる可能性はない。
4位と5位は北ボヘミアの隣接する町ヤブロネツとリベレツの2チームが入った。ヤブロネツは最終戦でボヘミアンズに勝っていれば3位だったのだけど。6位は、最終戦でブデヨビツェとスロバーツコが負けたおかげで順位を落とさなかったバニーク・オストラバ。第一グループ唯一のモラビア・シレジアのチームである。だから、頑張ってほしいとはバニークについては言いたくない。
このグループは、実質的にはヨーロッパリーグの出場権を獲得する3位と、出場権決定戦に出られる4位の座を争うことになる。スパルタとヤブロネツがそのまま3位と4位に入りそうだけど、ヤブロネツはヨーロッパリーグの予選で勝てないから、リベレツが出た方がチェコにとってはいいかもしれない。
ヨーロッパリーグ出場権にかかわるMOLカップは、準決勝と決勝が残っていて、勝ち残っているのは、スパルタ、プルゼニュ、リベレツの3チームとオロモウツである。オロモウツ以外のチームが優勝した場合には、リーグで4位のチームではなく5位のチームが出場権決定戦に出場する可能性もある。オロモウツに住む人間としては、オロモウツの優勝を望みたいところだけど、現状だと期待薄かなあ。
ところで、オロモウツで行われたプルゼニュとの最終戦で、僅かしか入っていなかった観客席から、プルゼニュの外国人選手ボギエルに対して人種差別的な野次が飛んだことが問題になっている。収容人数に制限があってクラブ側で年間パス購入者の中から誰を入れるか決められる試合ぐらい、そんなアホなことをしそうな糞ファンは最初から排除しろよと思ってしまう。これでカップ戦の出場権剥奪という事はないだろうけど、最低でも罰金が科されることになる。財政難に苦しむチームに損害をあたえる糞ファンには、直接的な罰金なり懲役なり処罰を与える時期に来ていると思うんだけどなあ。応援しているのだからという理由ですべてがなあなあで済んでしまうのでは、この国のサッカーに未来はない。
またまた無駄に長くなったので下位のチームについてはまた次回。
2020年6月15日9時。
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タグ: サッカー
2020年06月16日
チェコ語の疑問詞9「どう」(六月十三日)
今日取り上げるのは、昨日の「jaký」の副詞形である「jak」である。「どのように」「どのぐらい」などいろいろな訳し方の必要な言葉だが、副詞なので動詞で表される動作がどのように行われるのか、形容詞で表される状態がどの程度なのかを問うための疑問詞で、ばあいによっては副詞にかけてつかうこともある。
一番よく使うのは、動詞と共に使うもので、特に次の二つの文は、初学のころから、数え切れないほど使ってきた。当時はこんなものだと思って覚えたけれども、後になって知識が増えると何でこんな言い方をするのだろうと不思議に思うこともある。
・Jak se máte?
(お元気ですか/調子はどうですか?)
・Jak se jmenujete?
(お名前は何ですか?)
この二つを無理やり解釈してみると、ます前者は、動詞の「mít se」と組み合わされているが、「se」が自分を意味する再帰代名詞なので、「自分を持つ」と解釈できる。その自分の持ち方がどうなのかを問うのが、この疑問文だと考えることができる。つまり「自分をどのような状態で持っていますか」という意味から、「(持っている体・心の)調子」と問うことになり、状況に合わせた日本語の自然な表現を考えると、「お元気ですか?」にも対応するのだろう。
もちろん、日本語を直訳して、「Jste zdravý?(健康ですか?)」「Jaký je váš zdravotní stav?(健康状態はどうですか?)」なんて疑問文を作ることは可能だし、文法的にも(多分)正しい。しかし、こんなのは挨拶代わりの質問には使えないのである。前者はこれだけ見ると何か皮肉に響くし、後者は面接か何かのときに健康状態を確認するのに使いそうである。
名前を尋ねるほうも、直訳して「Co je vaše jméno?」なんて言いたくなるけどこれは正しくない。使わないけれども無理やり使うとすれば、「Jaké je vaše jméno?」だろうか。いや、使わないか。「Jak se jmenujete?」を使いたくないときには、「?ekn?te své jméno(名前を言ってください)」と言ってしまうからなあ。
とまれ、「Jak se jmenujete?」を解釈すると、動詞「jmenovat」は、「jméno(名前)」からできた動詞で「名付ける」と理解することができる。再帰代名詞の「se」をつけて、「自らを名付ける」と考えても、受身と考えて「名付けられる」と考えてもいいが、「jak」で、どのように自分を名付けているか、どのように名付けられているかを問うと考えればいい。
こんなことを考えたからといってチェコ語ができるようになるとは思わないけれども、よくわからないまま、文法的に納得がいかないまま使い続けるよりは使いやすくなる。その解釈が、真偽の甚だ怪しいいい加減なものであったとしても、自分の頭で考えることが大事で、言語学者じゃないんだから言語学的な正しさなんて何の役に立たないものを求める必要はない。正しいに越したことはないと思うけど、正しさと納得できることのどちらを取るかといわれたら断然後者である。
動詞と組み合わせたもので、よく使うのが「Jak to vypadá?」である。動詞「vypadat」は「見える」という意味だが、「〜が見える」ではなく、「〜のように見える」という形で使い、その「〜のように」の部分を問うのに「jak」が使われる。ただ、直訳した「どのように見える?」という日本語の疑問文から想定されるより、はるかに使える場面は多い。職場だと仕事の進捗状況を聞くのなんかに使うし、学校だと授業が理解できているかや、テストなんかについて使う。スポーツなら試合の状況について聞いてもいいし、日本語だと「どう?」「どんな感じ?」と状況を尋ねるような場面で使うと覚えておくといい。
同じ「見える」と訳される「vid?t」を使う場合には、二人称を使って「Jak to vidíš?/Jak to vidíte?」となる。こちらは「どう見える」ではなく、「どう見る」かを問う疑問である、つまり状況を見て、相手がどう判断しているのか、どう評価しているのか、考え、意見を聞くために使われる。言葉にすると使い分けが難しそうだけど、慣れれば問題ないはず。
もう一つ、記憶に残っているのが、ノバの再放送用のチャンネルで再放送が繰り返され続けているアメリカのドラマ『フレンズ』の登場人物ジョーイの口癖である。日本語版でどんな訳が当てられているのかも、英語でどう言っているのかも知らないが、チェコ語のジョーイは「Jak to jde?」を連発する。
以上の三つは進行中の状況、経過の様子を聞くものだが、結果がどうなったかについて聞く場合には、「Jak to dopadlo?」と「vypadat」ではなく「dopadnout」という動詞を使う。「Jak to jde?」を過去形にして、「Jak to šlo?」を使ってもいい。大切なのは、どちらの動詞を使う場合でも、三人称単数中性形にするということである。これがチェコ語のいわゆる無人称文というのになるのかどうかは、よくわからない。これは知らなくても、特に考えなくても使うのに特に問題のないことである。
余計なことを書いていたら、長くなってしまったので今日の分は動詞との組み合わせだけで終わりにしよう。
・Jak se to ?ekne japonsky?
・Jak se dostanu na nádra?í?
・Jak to má být?
・Jak se to d?lá?
どれもこれも、チェコ語を勉強している一度は見たり聞いたりしたことはあるはずである。
2020年6月14日10時。
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2020年06月15日
チェコ語の疑問詞8「どんな」(六月十二日)
前回で、チェコ語の疑問詞のうち、「k」で始まるものはすべて取り上げたと思うので、今回からは「j」で始まるものである。二つしかないので、長くなっても二回で終わる予定。一つ目は、「který(どの)」との使い分けが難しいこともある「jaký(どんな)」である。大抵は日本語の「どの」と「どんな/どのような」に対応するような使い分けをしていればいいのだが、たまにあれっと思うような例に遭遇する。また述語的に「〜はどうですか」という文にも使われる。
この言葉、見てわかるように、形容詞型の格変化をするし、形容詞的に名詞と組み合わせて使う。関係詞としても使えるので、形容詞の格変化というのも、覚えるのは大変だけど一度覚えてしまえば、その後の学習がものすごく楽になるのである。それはともかく、いつものように例文をいくつか挙げおこう。
1格
・Jaké po?así bylo dnes?
(今日はどんな天気でしたか?)
・Jaké bylo dnes po?así?
(今日の天気はどうでしたか?)
無理やり訳し分けたけれども、どちらもどんな天気だったか質問するときに使うもので、チェコ語では下のバージョンを使うことの方が多いと思う。
2格
・Z jakého jazyka jste p?elo?il tuto knihu?
(どんな言葉からこの本を翻訳しましたか?)
3格
・Jakému kamarádovi posíláte dopis?
(どんな友達に手紙を送っていますか?)
4格
・Jaké máte nejoblíben?jší pivo?
(どんなビールが一番好きですか?)
6格
・O jakém tématu píšete ?lánek?
(どんなテーマについて記事を書いていますか?)
7格
・S jakou japonskou univerzitou spolupracujete?¨
(どんな日本の大学と協力関係にありますか?)
2格以降は、「どんな(jaký)」よりも、「どの(který)」を使った方がよさそうに感じるのは、日本語の影響だろうか。チェコ人に聞いたら、どちらでもいいとか、どちらも意味はあんまり変わらないという答えが返ってきそうだけど、自分では、最初から「jaký」を使うぞという意識を持っていなかったら、「který」を使ってしまうと思う。もちろん、ここに挙げた例文が、文法的な正しさはともかく、チェコの人が普通に使うものであるかどうかについては自信はない。
・Jaké je nejkrásn?jší m?sto v Japonsku?
(日本で一番きれいな町はどんな町ですか?)
無理に直訳した日本語を読んだら、どんなまちって一番きれいな町って言ってるじゃないかという感想を持つだろう。日本語なら「どこですか」と聞くところなので、「kde」を使いたいところである。ただこの手の分で使うと、「どこにありますか」という意味になってしまって、本来の意味とは微妙にずれてしまう。それで、チェコの人はここにあげた、日本人が初めて見たり聞いたりしたら、ぎょっとするような疑問文を普通に使うのである。「どの町ですか」ということで「které」を使ても問題はないはずだけど。
一応、いくつかの選択肢が提示されていて、その中のどれという場合や、提示されていなくても文脈から選択肢が限られている場合には「který」を使って、選択肢の限定がない場合、あらゆるものが対象になる場合には「jaký」を使うのかなと考えている。ただ、最後の例文でも、日本の町ならどこでもいいと言う意味では制限はないが、日本の町の中から選ばなければならないと言う意味では制限があるので、「které」を使いたくなるのである。
この「jaký」からも他の疑問詞と同じような派生語が作られる。「n?jaký(或る)」「nijaký(どんな〜〜も(ない))」「jakýkoliv(どんな〜でも)」「jakýsi(或る)」など、単独では訳しにくいものも多いけど、特別なものとしては「ledajaký」というのがある。京産大の辞書には載っていないのだけど、大抵は否定の「není」と共に使って、普通の一般的などこにでもある物ではなく特別なものであることを示す表現だったと思う。思うというのはそんなによく使う言葉ではないので、確信を持ってこうだと言い切れないのである。
この「jaký」、普段はあまり考えずに使っているけれども、いざ説明しようと思ってあれこれ考えると、本当にこれでいいのかと確信が持てなくなってくる。確信が持てないときには「který」で代用してごまかせることが多いとはいえ、厄介な言葉である。
2020年6月12日24時。
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2020年06月14日
配達もほぼ正常化(六月十一日)
醤油がきれそうになったので、いつもの日本食材のお店に注文することにした。ネットショップというのは、便利な通信販売だと考えればいいのだろうけど、通信販売なんてほとんど使ったことのなかった人間が、ここまで利用するようになるとは、思ってもいなかった。思った以上に使っていると言えば、もともとジャパンナレッジの会費を払うためだけに作ったクレジットカードもそうで、以前は小銭がないなど特別な事情のあるときだけ使っていたのが、最近は逆でお店のトラブルでカードが使えないときだけ現金で払うようになっている。買い物の回数自体が少ないから回数で言えばカードを使うのも少ないのだけど。
クレジットカードでの支払いが増えたのは、武漢風邪の流行で、現金での支払いが一次禁止されていたことも原因の一つとなっている。一定の金額までは暗証番号をいれずにカードを端末にふれされるだけで支払いが終了するから、感染の可能性を下げられるといわれれば納得してしまう。それで毎週のようにコドーでコーヒーを買う際にカードで支払っていたら、それが当然になってしまった。
政府がクレジットカードでの支払いを求めたのには、いわゆる「スマート隔離」政策も関係している。これは感染者の同意の下に携帯電話会社とカード会社に個人情報を提供させて、どこにどのぐらいいたかを確認し、同じ場所にいた可能性のある人を探し出して検査の対象にするというもので、これが稼動したことも、政府が規制の緩和、解除に舵を切った理由の一つになっていたと思う。比較的早い時期から導入が計画されていながら、検証実験に時間がかかって実際に全国的に導入されたのは五月になってからだったかな。
ところで、武漢風邪の流行は、ネットショップの売り上げを大きく伸ばしただけでなく、最近プラハなどの大都市で流行し始めているらしい買い物代行サービスの利用も大きく増やしたようだ。注文しても一ヶ月待ちなんて冗談みたいな話も聞こえてきていた。店舗の閉鎖を余儀なくされた業者のネットショップでは普段設定されている送料無料の最低購入額をなくして買い物しやすくしているところもあった。その結果、郵便局などの配達業者の仕事も大きく増え、人手不足に悲鳴を上げていた。
配達のしかたも武漢風邪によって変わった。一番規制が厳しかったころは、配達の人が、受け取る人に直接手渡すのではなく、アパートの入り口の前、もしくは家の門の前に商品を置いて、電話で受け取る人を呼び出して、少し離れたところから受け取りを確認するという方法が取られていた。もちろん配達の人も受け取る人もマスクをしていなければならならず、後払いで受け取りの際にお金を払う方法も禁止されていた。武漢風邪以前は受け取りの証明のために、サイン、最近は配達の人の持っている端末に指でサインすることが多かったのだけど、そのサインは省略されることになった。
四月の下旬にネットショップで買い物をしたときには、状況が改善されていたので、建物の前に置くなんて配達方法はなくなっていて、普通に手渡ししてもらった。ただ、サインは不要ということだった。以前から配達の効率を上げるために、配達の直前に電話をかけて待っているように連絡が来ていたのだが、それを本人確認の代わりにし始めた考えていいのかな。
それが、最近、またちょっと変わったことに気づいたのは、郵便局から届いた間違いSMSのおかげだった。どうもネットショップで買い物をするときに、電話番号を間違えて登録する人がいるようで、何度か身に覚えのない注文の配達の連絡や、ネット上で注文を確認するようにという連絡が届いていたのだが、二三日前に郵便局から届いた配達のSMSに、受け取りの際に必要となるという暗証番号が記されていたのだ。
どうやってこの暗証番号を使うのだろうと不思議に思っていたら、今回の日本の食材の配達で答が明らかになった。電話をもらって家を出て建物の前で待っていたら、すぐに配達の車がやってきた。うっかりマスクを持ってでるのを忘れたのだが、配達の人もつけていなかったからいいのだろう。暗証番号が必要になるのだろうと、紙に書いて準備しておいたのだが、荷物をどうぞと手渡されておしまい。思わず、これだけでいいのと聞いてしまった。
そうしたら、配達の人は端末が入っているポケットを叩いて、これにサインもらうわけにはいかないんだと言っていた。武漢風邪の流行以来配達の際にサインを求めるのは、単に省略されたのではなく、禁止されているようだ。それで、暗証番号がSMSで届いたんだけどと言ったら、それは本人が不在で代理の人に渡すときに使うんだと言っていた。初めての配達じゃないから本人確認も要らないよなんてことをいっていたかな。こちらは回りはチェコ人ばかりで、配達のお兄ちゃんの顔を覚えていないけど、世にも珍しい日本人への配達ということで記憶に残りやすかったのかもしれない。
今日の夜、配達業者から、今日荷物を受け取ったのでこれから配達に回しますというメールが届いた。これまでは前日の夜に届いていて、明日来ると心構えができていたのだが、今回は届いていなかったので、今日の配達はないものと思っていたら、朝SMSの連絡が来てびっくりしたのだった。ネットショップでの販売が増えて配達業者が人手不足で対応しきれなくなっているということだろうか。これも武漢風邪が社会にもたらした影響のひとつである。
2020年6月12日9時。
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2020年06月13日
永延二年六月の実資(六月十日)
六月はまず、十一日の月次祭と神今食である。この日の『小右記』は残っておらず、『日本紀略』の記事も、行事の名称しか書かれていないのだが、月次祭は年二回、六月と十二月の十一日の昼間に行なわれたもので、夜に行われたのが神今食で天皇が自ら神饌を供え、神と食事を共にする儀式である。神事として内容は新嘗祭とほぼ同じだが、新穀ではなく旧穀を使用した点が異なっている。
十三日には、盗賊藤原保輔の消息が『日本紀略』に記されている。それによると、保輔は、権中納言藤原顕光の邸宅に隠れ住んでいたことがわかり、顕光宅の捜索が行われたという。諸衛の陣で警固が行われているから、この保輔の事件が、先日の占いに出た兵革このとと認識されていたのかもしれない。
藤原顕光は、関白太政大臣だった兼通の子で道長との権力争いに負けたことを怨み、死後悪霊となって道長にたたったといわれる。左大臣にまで昇ったため悪霊左府とも呼ばれたようである。ただ、『小右記』を読む限り、実資の顕光に対する評価はきわめて低く、道長と顕光であれば、道長に天皇に対する敬意が欠けているという批判があったとしても、有能な官人である実資としては道長を支持するしかなかったようにも見える。
この顕光第に追捕の対象となって久しい保輔が潜んでいたというのは、顕光の家内統制がうまく行っていなかったことを示唆するものだろうか。『小右記』に表れる顕光の軽率さを考えると、顕光本人が関係していて保輔を庇護していたとしても不思議ではないのだが、そこまで行くと憶測というよりは妄想になってしまう。
十四日は『小右記』の記事が残っている。まず訪れた丹波守・前紀伊守と共に小野宮に向かい、しばらくして戻ってきたという個人的なことが書かれる。
その後、伝聞で保輔の追捕に関係した人々に褒賞が与えられるべきだという宣旨が下されたことが記される。さらに平維敏から、保輔の父である右馬権頭藤原致忠が左衛門府の射場に連行されたことを知らされる。これが縁座で捕らえられたということなのか、保輔に対する人質の意味を持っていたのかは不明である。前回寛和三年に保輔が追捕を受けたときには父親に息子を出頭させるよう命令が出ていたような記憶がある。
最後に、保輔が今朝早く北花園寺で剃頭し出家し、その知らせを受けた検非違使が捕縛に向かったが闘争を許してしまったことが記される。検非違使はその場に残された衣服などを押収し、法師たちと捕縛したという。
このときは逃走に成功した保輔だが、『小右記』の十八日条に捕縛された事情が伝聞の形で簡単に記されている。それによると、おそらくかつての手下だった足羽忠信の計略で、会いに来たところを捕らえられたようだ。忠信は褒美として左馬寮の馬医という地位を得ている。これが、長年にわたって平安京をにぎわせた盗賊の首領逮捕に決定的な役割を果たした人物に対する褒賞として相応なのかどうかはわからない。
十八日条には、猪隈殿とよばれた藤原尹忠の穢れが実資のところにもうつったため、毎月恒例の清水寺参詣を中止したことが記される。藤原尹忠の穢れがどんなもので、実資の穢れが乙だったのか丙だったのかはわからない。
保輔のその後については、『日本紀略』の十七日条にあって、左獄に監禁されていた保輔が自害したことが記されている。ただし伝説のように切腹したのかどうかは記事からはわからない。また左衛門府の射場に拘束されていた父親の致忠は、「昨日免」とあるから、保輔が逮捕されたのは、前日の十六日以前だということになりそうだ。ここで父親も縁座で処罰していれば、次の犠牲者を出さすに済んだのだろうけれども、平安時代には縁座という制度はなかったのかな。
保輔捕縛の際の功績をあげた足羽忠信の補任については、『日本紀略』の七月三日条に見える。ただし、人名が忠俊となっており、補任された医師の地位も『小右記』の左馬寮ではなく、右馬寮となるなど微妙に情報が錯綜している。
六月も『大日本史料』に立てられた項目自体が少ないのだが、僧関係の項目が三つ立てられている。一つ目は十四日条で、律師雅慶が東寺長者に任じられている。雅慶は宇多天皇の孫に当たる。この後東大寺別当に任じられ、大僧正にまで昇った人物。
十五日条には、『往生要集』で知られる延暦寺の源信が『横川首楞厳院二十五三昧式』というものを作成したことが記される。延暦寺内の念仏結社のための規約だという。
最後は廿六日条で、少僧都清胤が天王寺別当に補されたことが記されるが詳しいことは不明。三件とも実資とは直接の関係はないのでこんなもんでよかろう。
2020年6月日24時。
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2020年06月12日
ミニシェンゲン成立(六月九日)
チェコでは、現在でも毎日数十人の新たな武漢風邪感染者が確認され、感染中の人の数は2300人から2400人の間で増減を繰り返し、なかなか減らなくなっている。その原因はカルビナーのOKDの炭鉱などを中心にした局地的な集団感染で、感染者が全国的に増加しているわけではない。オロモウツ地方でも一時は新規の感染者の増加が止まり、感染中の人の数が50人近くまで減っていたのだが、再び増加に転じて現在は100人に近づいている。これもリトベルの老人ホームで集団感染が発生したことが大きな原因となっている。
大切なのは感染者を出さないことではなく、全国的に無軌道な感染が広がることを防ぐことで、それは十分以上に達成できているので、チェコ政府は規制解除のテンポを挙げることはあっても緩める考えはないようだ。今週の月曜日からはイベントの制限人数が500人以下に緩和され、劇場や映画館などに課されていた販売する座席の間隔を開けるという制限も撤廃された。ただしほとんどの劇場は営業を再開せずに秋のシーズンの準備を進めている。
個性的な俳優たちが所属することで知られるプラハのデイビツェ劇場は、制限のせいで数が少なくなった座席の販売にオークション形式を持ち込んでいた。実際にどのぐらいの金額で落札されたのかは知らないが、この劇場、まだ規制が厳しかったころに、所属するイバン・トロヤンとサッカーのボヘミアンズ1905の縁から、オンラインでサッカーチーム対劇団という試合を実施して入場券を販売して、確か医療関係者に寄付するなんてイベントもやっていた。どんな試合だったのかは見ていないので知らないが、この劇団のことだから一筋縄ではいかないのは当然である。
さて、チェコとスロバキアの国境が完全に解放され、出入国の規制が解除され、武漢風邪流行以前と同様に自由に出入りできるようになったのは、先週の半ばのことだが、週末からはレギオジェットが、月曜日からはチェコ鉄道もプラハとブラチスラバ、プラハとコシツェを結ぶ便を復活させ、両国間の移動が簡単になっている。
さらに、ドイツ、オーストリアとの国境も完全に開放し、規制なしに出入国できるようになったのは週末だっただろうか。ただし、ドイツ側ではいまだに出入国の制限が続いているので、チェコを出国するのは自由でも、ドイツに入国する際には、ドイツ国内の雇用証明や非感染を示す検査結果を提示するなどの必要があるので、スロバキアの国境とは違って完全に自由に出入りできるようになったわけではない。実際にはそれは建前でほぼ自由に出入りできているという情報もあるが、原則として出国は禁止というのがドイツの態度である。
それに対して、オーストリアは、当初6月15日からと言っていたのを、前倒ししてチェコ側と同時に実施した。同時にオーストリア、スロバキア、ハンガリーの三国の国境も相互に開放して武漢風邪流行以前の状態に戻したので、チェコを加えた四カ国の間は、自由に国境を越えて出入りできるようになった。ミニシェンゲン圏の成立である。
レギオジェットから届いたメールによれば、プラハとウィーンを結ぶ便は、6月12日から運行を再開し、7月からはプラハとブダペストを結ぶ便の運航を開始する予定だという。また、夏のバカンスシーズンには、クロアチアへの直行便の運行を計画していて、すでに切符の販売を始めている。これは、チェコなどのミニシェンゲン圏の国が、スロベニア、クロアチアとも、国境の規制を撤廃して移動の自由を認めるように交渉を進めていることを反映している。
他にもチェコ政府では、武漢風邪の流行の状況にもとづいて、信号のように三つのカテゴリーに分けて渡航制限を撤廃したり緩和したりする計画を立てている。チェコが規制を撤廃しても、相手国が撤廃するとは限らないのだが、夏のバカンスシーズンを前に、できるだけ多くの国との間で、出入国の制限を相互に撤廃したいと考えているようだ。これは武漢風邪の流行で壊滅的な状況に陥ってしまった旅行業を支援するためには欠かせないのだろう。
少し前まで、確か政府系の機関が中心になって、今年の夏は国内でバカンスを的なキャンペーンをやっていたが、国内と外国からの旅行者を比較すると、落とす金額が大違いで、特にプラハのような外国人向けのぼったくり価格が横行しているところでは、外国からの観光客なしにはやっていけないのである。日本からの観光客はというと、現時点ではビザなしの観光目的での入国はできないはずである。信号の三色分類もヨーロッパに関してしか発表されていないのでいつから許可されるのか、見通しは立たない。
今後もよほどの全国的な流行が再発しない限り、規制を撤廃して武漢風邪流行以前の状態に戻そうという動きは止まらないだろうから、日本からの観光目的の入国が可能になる日も近いとは思う。ただ、これを機に中国への直行便を廃止して、中国と距離をとる方向に政策変更しないかなと期待したいのだけど、無理だろうなあ。今回はイタリア経由だったけど、次の感染症は中国から直行で入ってきかねない。
2020年6月9日24時。
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2020年06月11日
嵐の季節(六月八日)
今年は久しぶりに雨が多く、水不足の夏は避けられそうだという話はすでに書いたが、六月に入ってからも、一日中雨が降り続けるという日はないが、まったく降らないという日もなかったと思う。そして昨日の午後も雨が断続的に降り続き、雨が降り始めて窓を閉めたら止み、換気のために窓を開けたら降り始めるとうちのがブーたれていた。
その雨は夜になって激しさを加え、一時は雹まで落ちてきた。夕方から遠雷も轟き、日本だったら間違いなく夕立だというところなのだけど、チェコのボウシュカは季節も時間も選ばないし、日中の気温が寒いくらいでも起こることがある。だからといって嵐というのも、台風を知っている人間からすると、大半のボウシュカは嵐と呼ぶには不足である。思い返せば、二年目のサマースクールのときに襲われた夕立は、雨の強さといい、雷の激しさといい、嵐と呼ぶにふさわしいものだった。
昨日のボウシュカはそこまで激しいものではなく、こちらが寝る十二時ごろには、収まっていたから、その後また降りだしたのは確実であるにせよ、大した被害は出ていないものだと思っていた。オロモウツ自体には、モラバ川の水位が上がったぐらいで、取り立てて被害はなかったようだが、今日のニュースによると、オロモウツ地方では大きな被害が出た町があったらしい。
それは、武漢風邪の蔓延でリトベルとともに封鎖されたウニチョフの北にある、シュンバルトという町である。町の中を貫くように流れる小川が大氾濫を起こして、住宅や庭、庭で育てていた野菜や家畜などに大きな被害が出たようだ。道路が陥没している様子も流された。チェコの小さな町の中には、細い小川に沿うように町が伸びているところがあるのだが、小川なので両脇に川原や河川敷などなく、当然堤防もない。
普段は、川幅が数メートルもないような細い川なので、そんなもの必要ないのだが、集中豪雨で上流で降った雨が一気に流れ下ってくると、行き場のない大量の水があふれて川沿いの建物に大きな被害をもたらすことになる。洪水対策はどうしても被害が広範囲に及びやすい大きな川が優先され、それでも遅々として進んでいないのだから、細い水量の少ない川が放置されているのは当然である。その結果、毎年何回か局地的な集中豪雨で局地的な洪水が起こっている。
日本でもゲリラ豪雨とかいって局地的な集中豪雨が原因で洪水が起こることが増えているようだが、チェコの場合には集中豪雨とは言っても日本ほど激しい雨が降るわけではない。最近天気予報で雨量を説明するときに、ミリメートルではなく、1平方メートルに何リットルになるかという形で説明するのでわかりにくいのだけど、こちらで大雨という場合の一日の降水量は、日本なら普通に一時間で降るレベルのものでしかない。日本の大雨並みに一時間に100ミリなんて雨が二三時間降り続いたら、チェコ全土で洪水が発生するに決まっている。
オロモウツ地方では、他にも小さな洪水がいくつか起こっているようで、地方知事が被害総額が5億コルナぐらいに上りそうだと語っていた。大きな被害を受けた町に対して募金活動がすでに始まるなど、官民ともに支援活動が始まっているが、武漢風邪騒ぎで、地方の予算も厳しくなっているし募金もいろいろ行われている中、どこまでの支援があつまるのか心配である。
この日の「嵐」はオロモウツ地方以外にも大きな被害を出していて、ニュースで大きく取り合えげられていたのは、南ボヘミア地方の牧場で起こった、落雷によって三十頭もの牛が死んでしまったという事件だった。牛たちは放牧されていたのだが、雨の中電柱のような柱のところに集まっていたら、その柱に雷が落ちて感電死してしまったらしい。落雷によって地面に電気が流れたときの感電のメカニズムについても解説がなされていた。
それによると、四足の動物の場合には前足と後ろ足の間に大きな距離があるのが問題だという。それは人間でも同じで、雷を避ける場合には、高いところに落ちやすいという性質があるから、しゃがみこむのは当然だが、横になって接地面積を増やしたり、手を着いて足と手の間に距離があるようなしゃがみ方はしてはいけないと言う。
雨が降って水不足が解消されそうなのは、ありがたいのだが、日本の梅雨寒のような肌寒い日が続くのはあまり嬉しくない。せっかく夏向けの長ズボンとか買って暑い夏対策を進めてきたのに、無駄になってしまいそうである。夏物は白っぽいものが多いから、歩くときに水溜りとか多いのは避けたいんだよなあ。雨は夜に降って、昼間は日が照って暖かくなるというのが理想なのだけど、チェコの天気に理想を求めてはいけない。服装の選択に悩まず、本当の意味で過ごしやすい日なんてそんなにないのだから。今年はあまり役に立たなくても今後何年も役に立つと考えればいいか。
2020年6月8日24時。
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