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ディサイション・パワード 第6話「参入」


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ディサイション・パワード 第10話「敗戦」


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ハジマリノ歌 Nova6「宿敵トノ再会」


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ハジマリノ歌2 Story7「二国の基地」


ハジマリノ歌2 Story8「闘技大会」


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2007年02月19日
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テーマ: 小説(1482)
カテゴリ: カテゴリ未分類
ワルキュリア隊とカディスの増援部隊は一度補給の為に街に寄っていた。
「隊長」
「どうした?」
ノルンがトラックの中で作業しながらセレーナを呼んだ。
「通信機の調子が悪いんですよ。ノイズが入るし、通じてないみたいなんです」
「困ったな。それは軍仕様の物だから、その辺でどうにかできるわけではない。仕方ない、第三中継基地に入ったらバレンシアに連絡してもらおう」
「わかりました」
ノルンは作業を止め、外に出た。
「あの戦闘での被害は?」

「両隊合計で戦死者8名、負傷者12名。あとは弾薬などの消耗品くらいです」
「そうか、ご苦労。・・・早く奴らを捕らえて基地に戻りたいものだ」
「そうですね」
その時、二人の前方から買出しに行ったクラウド、アイナ、リカード、リッドの姿が見えてきた。
「君たち・・・、何故俺だけに・・・」
「女の子に持たせる気ですかぁ?」
「俺はまだ子どもですよ」
アイナとクラウドがそれぞれ言った。
「リカードさんも形無しですね」
「君も手伝え・・・」
全ての荷物を持ったリカードを見て、アイナとリッドが笑った。

あの戦闘以後、みなはリカードを遠ざけるよりもむしろ、距離を縮めようとしていた。
あの強さに対する恐怖も多少なりともあったが、力強い仲間の出現に対する喜びのほうが大きかったのだ。
「あっ、隊長。買出し終わりました」
「ご苦労。・・・しかし何故リカードだけが荷物を?」
「今まで力を出し惜しみしていた罰です」

クラウドの発言でリカードはたじたじとなり、セレーナも少し微笑んだ。
リカードは荷物を置き、セレーナと向き合った。
「行きましょう。準備は整いました」
「あぁ、出発だ」
二台のトラックは補給を終えて町を出た。
しかしこの時、もう少し町を出るのが遅ければ、無線が故障していなければ、事態が急速に悪くなることはなかった。

バレンシア本国中央基地の中に、シンの姿があった。
バレンシア国軍最高司令官、ヴィルヘイム=テルのいる部屋へ行く途中だった。
廊下を歩いている時、前からバレンシアの仕官に引率されながら数人の人物が歩いて来ていた。
シンは一度立ち止まり、一礼をした。
そして顔を上げた時、ある人物の顔を見た。
「あれは・・・、ボルドーのハーネス・・・?」
団体の中にいた人物の一人が、ミリアルド・ハーネスだった。
「会談かなにかか。だが・・・」
彼はミリアルドの存在以上に気になったものがあった。
それは、彼の周りにいたボディーガードのような人たちの存在だった。
それらは全員仮面のような物で顔面を覆っていたのだ。
変な奴らだ、と思いながらヴィルヘイムの部屋に向かった。
ノックをし、中に入る。
「失礼します。テル最高指令」
「シンか」
部屋の奥にヴィルヘイムの姿があった。
なにやら探し物をしているらしく、シンに背中を向けたまま本棚をゴソゴソとあさっている。
「パトリオット隊員に相応しいと思われる人物を選抜してきました」
「そうか。あの闘技大会も役割を果たしているようだな」
あの大会は、ヴィルヘイムが提案したものだった。
大会をしながら優秀な兵士を見つけるという意味があったのだ。
シンはそのための監査官、というような立場だった。
「えぇ。今回はこの三人です」
そう言って、シンはデスクの上に三枚の資料を置いた。
ヴィルヘイムは作業を止め、資料を見た。
「なんだこれは。子どもばかりじゃないか」
「はい、確かにみな少年少女です。ですが、実力はその辺の兵士よりも格段と上です」
その資料は、クラウド、アイナ、ミハエルの物だった。
「前代未聞だぞ・・・。まぁこのことはもう少し考えさせてもらう」
「わかりました」
その時、部屋の扉が勢いよく開けられ、一人の兵士が飛び込んできた。
「テル最高司令!!」
「どうした、騒々しい。ノックぐらいせんか」
「それどこれじゃ・・・、テレビを点けて下さい!」
「テレビ?」
ヴィルヘイムは言われるがままに部屋のテレビを点けた。
そこには、バレンシア国王とミリアルド・ハーネスが握手をしている映像が流されていた。
「なんだこれは・・・」
テレビの中でアナウンサーが喋っている。
「これは新しい時代への第一歩となるのでしょうか!今、わが国バレンシア国とボルドー独立王国が同盟を結びました!!現在、各地の基地を襲撃するというカディスの横暴な態度に対しての処置とも言われていますが、現状を打開するに最も相応しい判断だという声が多数を占めています!」
映像はそのままで、音声がアナウンサーからテレビ出演者のものに変わる。
「えー、この同盟締結のきっかけとも言えましょう、カディスとの条約は確実に破棄されるでしょうね」
「そうですねぇ。まぁ、それが当然の判断だと思います」
ヴィルヘイムとシンは驚愕した。
「指令・・・、議会は」
「まだ最終決定はしていない!我々が断固拒否していたんだぞ!!このような強引な手を打ってくるとは・・・」
その時、建物の下の方から銃声が聞こえ始めた。
「銃声!?」
「あぁ、当然だろう・・・。我々が口を割れば全て無駄に終わるんだからな。始末しようってことだろ」
「そんな・・・!?」
シンは愕然とした。
「指令、ご判断を」
そこに、また部屋に入ってくる人物たちがいた。
「指令!ん?シン!」
「貴様、こんな所で何をもたもたしている!!さっさと脱出しろ!!」
それはすでに武装をしたバルドル・ヘルモードとパレ=ロワイヤルだった。
彼らも今、パトリオットに所属するメンバーなのだ。
「バルドル、パレ・・・。あぁ、わかった。指令、非常エレベーターで」
「わかった」
ヴィルヘイムは壁に備え付けられている指紋認証装置に手をつける。
すると扉が開き、エレベーターが姿を現した。
「足音が近づいてきている!急げ!!」
バルドルが叫んだ。
「よし、乗り込んだぞ!お前たちも早く!!」
シンが言い、バルドルとパレもエレベーターに乗り込み、地下へと降りて行った。
「下の状況は?」
「最悪だ。ほとんどやられた。見つけたパトリオットの兵士には逃げるように指示したが」
パレが表情を曇らせながら説明した。
「そうか。だが、お前らが無事でよかった。心強い」
「そんな悠長なことを言っていられる状況でもないぞ。バレンシアから落ち延びられるかどうかも微妙なところだ」
バルドルは三年前より成長しているようだった。
そこにチンッという音がし、エレベーターのドアが開いた。
「急ごう。出口に車を用意させている」
「流石だな、仕事が早い」
ヴィルヘイムに褒められ、パレは少し照れくさそうに笑った。
その時、後方から駆けてくる足音が聞こえてきた。
「マズい、追っ手がもう」
「もうすぐ出口だ、急げ!!」
五人は走る速さを上げ、一気に出口まで駆けた。
その時、一発の銃声が聞こえ、それと同時に同盟の情報を持ってきた兵士が倒れた。
「!?・・・ッ」
だが、彼らに止まることは許されなかった。
出口を出て、そこにはすでに車が止まっていた。
「みなさん!」
「無事か。よし!」
四人はジープに飛び乗り、同時に猛スピードで走り出した。
そして、どうにか本国内からの脱出に成功した。
「・・・私は逃げ出してよかったのだろうか」
ヴィルヘイムが突然そんな事を言った。
「やはりあの場で他の兵士と共に」
「バカな事は言わないでください。今のバレンシアはどうかしています。その状況を打開するために、あなたは一度体勢を立て直そうとしているだけです」
シンが親身にフォローをした。
「・・・そう言ってもらうと助かる」
「必ず元に戻しましょう、バレンシアを」
バルドルとパレは以前にこのような光景を見たことがあった。
「これじゃ三年前のカディスと一緒だな」
「あぁ」
「バルドル!パレ!!」
彼らの言葉にシンが怒鳴った。
「俺たちの行動が間違ってるって言ってるわけじゃない。ただ、手口が似てんだよ。あのオドアケルって総帥の時と」
それを聞き、シンは熱くなった自分を責めた。
「すまん」
「いや、いいんだ」
そう言ってパレがふとバックミラーを見た。
すると、そこには後方からジープで走ってくる三人の人物の姿があった。
「なんだよ、あれ」
パレが振り返って見る。
それにつられて、シンとバルドルも後方に目をやる。
「あれは・・・」
シンには見覚えがあった。
「あの仮面の奴ら・・・、ハーネスのボディーガードだ!」
「なんだと?」
ヴィルヘイムが聞き返した。
「決定か?首謀者が」
「わからんけど、容疑者だね」
「どうする?逃げ切れる保障はないぞ」
シンとバルドルとパレは顔を見合わせ、うなづいた。
「君、安全運転で頼むよ」
「そそ、指令の身になにかあっちゃ困るしね。ちゃんと合流してよ」
「いくぞ!!」
そう言って三人はジープを飛び降りた。
「お前たち!!」
ヴィルヘイムが叫ぶ。
「すぐ追いつきます!構わず行って下さい!!」
シンがそう言って笑顔で返した。
ヴィルヘイムの乗ったジープの姿がどんどん小さくなっていく。
「さぁ、後戻りできないぜ?」
「シン、お前。武器持ってきてるのか」
「もち。いつも腰からぶら下げてるよ。まっ、鎧つけてないから直撃したらマズいかな」
仮面の連中が乗るジープが止まり、全員が降りてきた。
「さてと、覚悟決めようぜ。お互いにさ?」
シンがそう言い、三人は仮面の連中に向かっていった。





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最終更新日  2007年03月28日 14時41分36秒
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