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大宮は年の暮れになりますと、この若君お一人のためにいそいそと正月の御衣装の用意をなさいます。若君は、たいそう立派に幾組もお仕立てなさるのを見るにつけても、六位であることが厭でたまらず、「一日の儀式には参内しないつもりですのに、どうしてこんなに用意なさるのでしょう」と申し上げます。大宮が、「そのようなことを言ってはなりませんよ。若いくせに、気力のない年よりのような事を言うのですね」と仰せになりますので、「年はとっていませんけれども、すっかり希望が断たれたような気がいたします」とひとりごちて、べそをかいていらっしゃるのでした。大宮は『きっと姫君の事を思っているのでしょうね』と、可哀想にお思いになりつい涙ぐんでいらっしゃいます。けれども、「男というものは、取るに足りない身分の者であっても気位は高く持つものだそうですよ。あまりめそめそしてはいけません。何をそんなにくよくよと塞ぎこんでいらっしゃるのでしょう。縁起でもない」と仰せになります。「いいえ、姫のことではございませぬ。私が六位だと、人が侮り軽んじるような気がしてならないのでございます。『しばしの我慢』とは存じますが、参内しますのも物憂いのでございます。故・祖父宮がご存命でいらしたなら、戯れにも人に軽蔑されるようなことはなかったことでございましょう。大臣は何の遠慮もいらぬ親におわしますが、ひどくよそよそしく私を遠ざけておいでですので、気軽にお近づき申す機会もございません。二条院では、花散里の君の御元へおいでの時に対面できるだけでございます。花散里の御方こそお気の毒に存じます。それにつけましても、私の母上がご存命でいらしたならば、このような目には遇わなかったと存じまして」と、涙を隠していらっしゃる様子がひどく哀れですので、大宮はほろほろと涙をこぼしてお泣きになります。
November 30, 2012
若君は内大臣の姫君に御文さえ差し上げないままなのですが、惟光の娘よりずっと恋しく思いますので、気になってなりません。時がたつにつれ『たまらなく恋しいあの姫君に、また逢えるのだろうか』とばかり思うのです。大宮の御元へは、何となく気が進まないのでお出でになりません。姫君が住んでいらしたお部屋や、いつも遊び慣れた所ばかりが思い出されて、お里の大宮邸そのものが厭になり、二条院の東院に籠っていらっしゃいます。源氏の大臣は若君を、二条院の西の対の主人でいらっしゃる花散里の君にお預けになるのでした。「大宮もお歳でいらっしゃいますから、お隠れあそばされてから引き取るよりも、今のうちにお傍に置いて後見なさいませ」と申し上げますと、仰せの通りになさるご性質でいらっしゃいますので、若君を可愛らしくお思いになりお世話なさいます。若君が花散里の女君をちらりと拝見して、『お顔立ちはあまりきれいではいらっしゃらないようだけれど、こんな並以下の人さえも父上はお見捨てにならぬのだな』と思うのです。そして、『私に辛い思いをさせるうつくしい姫のお顔をいつも思い出しては恋しいと思うのも、本当はつまらない事かもしれない。これからは花散里の君のように性質の柔和な人を好きになろう』と思うのですが、さりとて又、『向かい合っても見る甲斐のない不器量な女というのも、相手がいかにも気の毒だ。父上はこうして長い間関係を持っていらっしゃるけれど、花散里の御方のお顔立ちやご性質が御心に適うとご覧になって、程度な隔てを置いて、何くれとなくお世話なさるのも分かるような気がする』と、ませた事を考えては、我ながら気恥かしくなるのでした。祖母の大宮は出家しておいでですのにまだたいそううつくしく、こちらでもあちらでもうつくしい女人ばかり見馴れていらっしゃいますので、『女はうつくしいものだ』と思いこんでいらしたのですが、花散里の君はうつくしからざるお顔立ちな上にやや女盛りを過ぎた感じで、痩せて御髪も少ないご容姿ですので、こうしてけちをつけたくなるのでした。
November 29, 2012
娘の兄で童殿上する者が常にこの若君にお仕えしていますので、いつもより睦ましくお話しなさって、「妹の五節は、いつ内裏へ参るのだ」とお尋ねになります。「今年中には、と聞いておりますが」と申し上げます。「たいそう可愛らしい顔をしていたので、無性に恋しい。いつも見馴れているおまえが羨ましいよ。そうだ、私に会わせてくれないか」と仰せになりますので、「滅相もない。私ですら見ることができないのでございます。父上は男の兄弟であるというだけで私どもを遠ざけます。ましてあなたさまに、どのようにしてお目にかけることができましょう」と申し上げます。「ならば、文だけでも渡してくれないか」と御文をお渡しになります。童は、『このような文使いはせぬようにと、父上から厳しく言われているのに』と困ってしまうのですが、何としてもと仰せになりますので断り切れずに持って参りました。五節は、年の割にませていたのでしょうか、若君の御文に心が惹かれたのです。緑色の薄様の料紙で趣味の良い色合いの一重ねに、筆跡は未熟なものの成長が楽しみに思える文字で、「日影にも 知るかりけめや乙女子が あまの羽袖に かけし心は(日の光にもはっきりお分かりいただけたでしょうか。あなたさまが天つ羽衣の袖を振って舞った姿に、すっかり魅了されてしまった私の心を)」と書いてあります。それを二人で見ていますと、父・惟光が不意にやってきました。二人は叱られるかと怖ろしく途方に暮れて、御文を隠すことを忘れてしまいました。「どうした、その文は」と取り上げますので、二人は顔を赤らめています。「怪しからぬ事をしたものだ」と叱りますと兄は逃げ出しますので、呼び止めて、「これは誰の文なのだ」と問います。「源氏の殿の冠者の君から、しかじか仰せいただいた文でございます」と応えますと、打って変って笑顔になり、「何と可愛らしい若君の好き心であろう。おまえたちは若君と同い年だが、ひどくたわいないというのに」など若君を褒めて、母君にも見せるのです。「もしもこの若君が、少しは娘を一人前に認めてくださるのなら、宮仕えさせるよりは若君にたてまつろうではないか。源氏の殿の女君たちへの処遇を見ると、ひとたびお見染めになった人をご自分からはお忘れにならぬようだから、まことに頼もしい。明石の入道のような幸運に与るかも知れぬぞ」と言うのですが、惟光の言う事には誰も耳を貸さず、宮仕えの準備を急ぐのでした。
November 28, 2012
若君は、惟光の娘が目に留まるにつけても近づこうとなさるのですが、娘の方はひどくよそよそしい態度で近寄せませんので、少年の心には何となく気恥かしく、言葉もかけられぬままため息をつくばかりです。惟光の娘の見目形は若君の心に深く残って『姫に逢えぬ辛さの、慰めにしたいものだ』と思うのでした。舞いが終りますと、舞姫をみな内裏にとどめさせ給いて、そのまま宮仕えするようにとの帝のご意思なのですが、この度は一旦お里に退出させます。中でも近江の守・良清の娘は辛崎へ、摂津の守・惟光の娘は難波の祓えに、それぞれ競って向かいました。按察大納言も、あらためて娘を宮仕えに参らせる旨奏上なさいます。内大臣の弟・左衛門の督(かみ)は、舞姫ではない娘を宮中にたてまつりて非難されたのですが、その娘も内裏に留め置きなさいます。津の守・惟光は、「我が娘を、典侍(ないしのすけ)の欠員のあるところに」と申しますので、源氏の大臣も『労に報いて、そのようにしてやろう』とお思いになります。若君はそれをお耳になすって、ひどく残念に思うのです。『私が物の数にも入らぬ若年で、六位という低い身分でなかったなら、惟光の娘を所望したのに。私のこの気持ちを娘に伝えられずに終わってしまう事がひどく悲しい』と、格別深い執着心ではないものの、引き裂かれた姫との悲恋に加えて涙ぐまれる折々があるのでした。
November 27, 2012
若君は六位の浅葱色の袍が厭でたまらず、人と会うのも物憂くお思いで、五節の舞見物にかこつけて直衣姿で参内なさいます。まだ幼さの残る端正なお顔立ちでいらっしゃるのですが、年令の割にはませておいでで戯れ歩いていらっしゃいます。帝から始めたてまつり、公卿殿上人たちからの御覚えは並々ではなく、世にも珍しいほどの人望なのでした。舞姫が参内する儀式では、それぞれが華美を尽して着飾っていますので、いずれとも優劣がつけ難く、見る人は「源氏の大殿と按察大納言殿の舞姫がすばらしい」と褒め騒ぎます。ほんにこの二人はたいそう可愛らしいのですが、おっとりとしていかにも可憐という点では、やはり大殿の舞姫には及ばないように見えました。上品で今風に華やかで、惟光の娘とはとても見えないほどに仕上げた様子などが世にも珍しいほど可愛らしく、そこが褒められるのでございましょう。今年の舞姫たちはいつもより少し大人びていて、このまま宮仕えするようにとの仰せがありましたので、舞姫たちにとっては特別の年なのです。源氏の大殿が参内なさって舞姫をご覧になる折、昔心惹かれ給いし筑紫の五節の舞姫の姿をお思い出しになって、辰の日の夕方に御消息文をお遣わしになります。御文には、どのような事が書かれていたのでございましょう。「をとめ子も 神さびぬらしあまつ袖 ふるき世の友 よはひ経ぬれば(かつて天つ乙女でいらしたあなたさまも、いまではお歳を召してしまったことでしょうね。あなたさまが袖を振って舞ったあのころの、古い昔の友である私もこんなに年をとったのですから)」過ぎ去った年月を数えてふと筑紫の五節をお思い出しになり、心に浮かんだ懐かしさを抑えることがおできにならないところは興味深く思えるのですが、今ではそれも空しくはないでしょうか。五節からは、「かけていへば 今日のことゝそ思ほゆる 日蔭の霜の 袖にとけしも(五節に託して言いますならば、それはまるで今日の事のように思われるのでございます。昔、日蔭のかずらをかけた舞姫の私があなたさまにお逢いして、霜がとけるように心を許したあの日の事が)」とお返事があります。舞姫にちなんだ青摺りの紙に目立たぬように筆跡を紛らわし、墨付きも濃く薄く草体のかな文字を多く混ぜて書いてありますのも、大貮の身分の娘にしてはなかなかだと見ていらっしゃいます。
November 25, 2012
大学の君は気が塞いでお食事も喉を通らず、ひどく気落ちして書物も読まずにぼんやりと横になっていらっしゃいましたが『気晴らしにでもなろうか』と起きだして、二条院内を人に紛れて歩き回っていらっしゃいます。若君の容姿は立派で魅力的で、落ち着きがあり上品でいらっしゃいますので、若い女房たちは『何て素敵な方』と拝見するのです。源氏の大臣は用心なすって、紫の御方のいらっしゃるあたりには、御簾の前にさえお近付けになりません。御自身は継母でいらした藤壺の宮に横恋慕した経験がおありだったからでしょうか、たいそうよそよそしくなさいますので、女君にお仕えする女房たちも距離を置くようになるのですが、今日は人ごみにまぎれて西の対にお入りになってしまったのでございましょう。舞姫を御車から鄭重に下して、妻戸の間に屏風などを立て巡らせて臨時の御座所を設けてありますので、そこをそっと覗いてご覧になりますと、舞姫が疲れた様子で物に寄りかかっていました。ちょうどあの恋しい姫君と同じくらいの年令ですが、いますこし背丈が高く、身体つきや可愛らしいところなどは姫君より勝っているようにさえ見えます。暗くてはっきりは見えないのですが、全体の雰囲気が姫君に似ていて、思い出さずにはいられない様子をしています。心移りするという訳ではないのですが、ただならぬ気持になってご自分の衣の裾を引いて衣擦れの音をおたてになるのですが、舞姫は訳が分からず不思議に思っている様子です。そこで出し抜けに、「あめにます 豊岡姫の宮人も 我がこゝろざす しめを忘るな(天にまします天照大御神にお仕えする舞姫のあなたも、私の注連の内にいらっしゃるということをお忘れにならないでくださいね)ずっと以前からあなたのことを思っていたのですから」と仰せになります。若く魅力的な声なのですが、舞姫にはそれが誰とも見当がつかず、何だか気味が悪く思っていますと、化粧をするといって御世話役が近くに来て騒がしくなってきましたので、ひどく残念に思いながらそこを立ち去るのでした。
November 22, 2012
源氏の大臣が差し出される舞姫には、今は摂津の守で左京の大夫を兼ねている惟光の朝臣の、容姿がたいそううつくしいと評判の娘をお召しになります。惟光は分不相応で迷惑に思ったのですが、「按察大納言は側室腹の娘をお出しになるのに、あなたが大事な娘を差し出したところで、何の恥かしいことがありましょう」と、周囲の人に責められますので、いずれ内裏にたてまつるならば舞姫でも女官でも同じことと思うのでした。舞いの稽古は里で十分教え込み、娘の付き添いの女房を厳選し、当日の夕方に二条院に参らせました。源氏の大臣の所でも、紫の女君や花散里の御方々にお仕えする童・下仕えの優れた者を比べていらしたので、選ばれた者たちは相応に誇らしげです。帝が事前に舞姫をご覧になるかもしれませんので、前稽古として源氏の大臣の御前を通らせて付き添い役をお選びになります。ところが皆とりどりにうつくしく、誰ひとり劣る者がありませんので、お決めになることが難しく、「もう一人の付き添い役を、この中からたてまつるとしようか」と、お笑いになります。挙措や態度に深いたしなみのある人を選ぶのでした。
November 21, 2012
若君は一人取り残されてひどくばつが悪く胸が塞がり、自分のお部屋でお寝みになってしまいました。そのうち御車が三つばかり、前駆の声も控えめに大急ぎで出て行かれる気配がしますので、若君はいたたまれないお気持ちになります。大宮の御前から「こちらへいらっしゃい」とお言葉があるのですが、狸寝入りして身動きもなさいません。涙ばかりが流れて止まらず泣き明かして、霜がたいそう白く降りた早朝、急いで二条院にお帰りになります。『泣き腫らした目を人に見られるのは恥かしいし、大宮が私をお引き留めなさるであろうから、一人になれる所に』と、大急ぎで大宮邸を後になさるのでした。誰のせいでもなく自分のしたことを心細くお思い続けになります。空の気色もひどく曇り、あたりはまだ暗いのでした。「霜氷 うたてむすべる明けくれの 空かきくらし 降る涙かな(霜や氷がひどく凍てつく明け方の暗い空。その空を曇らせて降る雨は、まるで私の涙のようではないか)」★ 源氏の太政大臣邸では、今年の新嘗祭に五節の舞姫を朝廷にたてまつります。格別準備なさることはないのですが、その日が近くなりますと舞姫に付き添う童女たちの装束の準備を急がせなさいます。東の院にお住いでいらっしゃる花散里の御方には、参内する夜の者たちの装束の用意をおさせになります。源氏の大臣は全体の準備をなさり、梅壺中宮(斎宮の女御)からは、童・下仕への分を過分に奉納なさるのでした。去年は藤壺中宮崩御の諒闇でこの儀式が停止になり、張り合いがなくて寂しかったのですが、その反動のように今年は殿上人の気持ちもいつもより陽気に思える年ですので、舞姫をたてまつる家々では互いに競ってたいそう立派に、贅を尽くしていらっしゃるようなのです。公卿からは姫君の父・按察大納言と内大臣の弟・左衛門の督が、受領分では、今は近江の守で左中弁となった良清が舞姫をお立てになります。皆この五節の舞姫を女官として内裏に仕えさせるべく、我が娘をたてまつるのでした。
November 20, 2012
お互いに気恥かしく胸がどきどきして、何も言えずお泣きになります。若君は、「内大臣のお仕打ちがたいそう辛いので『いっそ諦めてしまおう』と思うのですが、あちらへいらしたらあなたが恋しくてたまらなくなることでしょう。今まで少しは逢える機会のあった日々を、どうして逢わずにいたのかと思うと、悔やまれるのです」と仰せになる様子も、たいそう少年らしくいじらしいので、「私もきっと、恋しく思うことでございましょう」と仰せになります。「私を『恋しい』とお思いくださるのでしょうか」と、若君がお聞きになりますと、姫が少し頷き給う様子も幼げなのです。やがて日が暮れ灯火が灯り、内大臣が内裏より退出していらしたようで、仰々しく先払いする御前駆の声が聞こえてきます。大宮邸の人々は、「それ、内大臣のお帰りであるぞや」と怖じ騒ぎますので、姫君はひどく怖ろしく、震えていらっしゃいます。若君は、『そんなふうに大騒ぎなさるなら、いっそ騒がれてやれ』と、腹をお決めになって、一途な恋心から姫君をお離しにならないのです。姫君の御乳母が参ってお探したてまつるのですが、お二方の様子を見て、『まあ、何と言うことをなさる。内大臣殿のおっしゃる通り、大宮がご存知ないことではなかったのだわ』と思いますと堪え難く、「やれやれ、思い通りにならない世の中ですこと。殿のお嘆きは今さら申すまでもないけれど、姫の継父・大納言殿には、この事をどうご報告したものやら。どんなにご立派な若君であっても、最初の婿君が六位ふぜいとは、何とも情けない宿縁ですわね」と呟くのがほのかに聞こえます。お二方はそのすぐそばの屏風の後にいましたので、乳母の嘆きが聞こえたのです。若君は『私を無位といって馬鹿にした』とお思いになると世の中の無情が恨めしく、姫君への恋心も少し醒める心地がします。「乳母の言葉をお聞きなさい。くれなゐの 涙にふかき袖の色を 浅みどりにや 言ひしをるべき(紅の血の涙で深く染まった私の袖の色を、浅緑色だと侮辱していいものでしょうか)恥かしい」と仰せになりますと、姫君、「色々に 身の憂きほどの知らるゝは いかに染めける 中の衣ぞ(わが身の不運をいろいろに思い知られますが、私たちはどのように定められた仲なのでございましょう)」と言い終わらないうちに殿が邸にお入りになりましたので、姫君は仕方なくご自分のお部屋にお帰りになりました。
November 18, 2012
大宮は、「あなたの父君は私を恨んでいらっしゃるけれど、あなたは私の気持ちを、分かってくださいますね。こちらにいらして、私にお顔を見せてくださいまし」との御文を差し上げましたので、ご立派な衣装をお召しになって祖母宮のもとへお渡りになりました。姫君は十四歳におなりです。まだ一人前とは言い難いのですが、たいそうおっとりとして物静かでうつくしい様子をしていらっしゃいます。「今まで私の傍からお離しすることなく、明け暮れ心の慰め相手として慈しんで参りましたのに、行ってしまうとは何と寂しいことでございましょう。余命いくばくもない私でございますから、あなたさまの将来を見届けることができようかと悲しく思って参りましたが、今更私を見捨てて何処へ行っておしまいになるのかと思いますと、ほんとうに悲しいのでございます」と仰せになって、泣き給うのです。姫君は、若君との事を思いますと気恥かしくてお顔を上げることがおできにならず、ただ泣くばかりです。若君の御乳母の宰相の君が出てきて、「私は姫君も若君も、同じようにご主人とお頼み申して参りましたのに、こうしてあちらへお移りになるのは残念なことに存じます。内大臣殿が別のご縁談をお考えになるとしても、従いなされませぬよう」など囁きますので、姫君はますます恥かしくお思いになってお返事もなさいません。大宮は、「さあ、もうそのように厄介なことを申されますな。人の持って生まれた宿世というものは、それぞれに定め難いのですから」と仰せになるのですが、宰相の君は、「いいえ、内大臣殿は若君を『半人前』と侮っていらっしゃるのでございます。たとえ今はそうでも、他の人と比べて我が君が劣っていらっしゃるかどうか、他所の人にお聞き合わせあそばされるとよろしいのですわ」と、腹立ちまぎれに言います。若君は物陰からその様子を見ていらっしゃいましたが、人に見咎められるにしても何でもない時ならただ辛いだけですのに、今はひどく心細くて涙を押し拭っていらっしゃる様子です。宰相の君はひどくお気の毒に思い、大宮にあれこれお取り繕い申して、夕暮れ時の人紛れにお二方をお会わせ申し上げるのでした。
November 17, 2012
折しも若君がやって参りました。『もしや姫君に逢えるかもしれぬ』と、このごろでは始終お顔をお出しになるのでした。ところが今日は内大臣の御車がありますので、気が咎め、ばつが悪くなって、そっとご自分のお部屋にお入りになりました。左少将、少納言、兵衛の佐、侍従、大夫などという内大臣の御子息たちもみなこちらに集まっていらっしゃるのですが、大宮は御簾の内へのお出入りをお許しになりません。左兵衛督(さひょうえのかみ)、権中納言などは内大臣の異腹でいらっしゃいますが、故・太政大臣が継子でも分け隔てなさいませんでしたので、今でもねんごろに大宮邸をご訪問なさいます。それで自然、その御子たちも大勢お越しになるのですが、この若君の気品にはとても及びません。大宮は若君をこの上なく可愛がっていらしたのですが、ご学問のために二条院に移り住んでからは、この姫君お一人だけをお傍から離さず身近で大切にご養育なすっていらしたので、ひどくがっかりしていらっしゃいます。内大臣は、「今から参内いたしまして、夕方、姫をお迎えに参ろうと存じます」と、行ってしまいました。道すがら、『今さら仕方のない事なのだから、むしろこちらから穏便に言いなして、二人の結婚を許すべきであろうか』とお思いになるのですが、やはり気持がおさまりませんので、『若君の官位がもう少し昇進した時に、その時の愛情の程度を見定めて、改まった縁談と言うことにして結婚を許す事にしよう。二人によく言い聞かせ注意するとしても、同じ住いでは見苦しいことが起らぬとも限らぬ。大宮が厳しくご意見なさることもあるまい』とお思いになって、女御の所在なさを口実に、大宮にも北の方にも穏便に言い繕って、姫を自邸にお引き取りになるのでした。
November 15, 2012
大宮はひどく気落ちなさって、「たった一人の娘が亡くなりまして後、ひどく寂しく心細く思っておりましたが、嬉しいことにこの姫君をお預かりいたしましてからは、私の命ある限りのかしずき者として、明け暮れにつけての老いの辛さの慰めにと思って大切にお世話して参りました。それなのに、意外にも他人行儀な御心でいらっしゃるのは、薄情ではありませんか」と申し上げますと、内大臣はかしこまって、「私は心に思う事を正直に母宮に申し上げたまででございます。他人行儀とはどういう意味でございましょう。内裏にお仕えする弘徽殿女御が、中宮の御位に着けない事を嘆いておりますので、里に退出させたのでございますが、ひどく所在なく鬱々としておりますのがお気の毒で『せめてご一緒に御遊びなどしてお慰めしては』と存じまして、少しの間呼び寄せたのでございます」さらに、「今まで大宮が大切にお世話くださり、立派にご養育くだすった御恩を、決して忘れはいたしませぬ」と申し上げます。固くご決心なさったからには、お留め申されたところで思い直されるようなご性分ではありませんので、ひどく残念にお思いになって、「人の心ほど思うようにならず切ないものはございませぬ。子ども心にせよ私に隠し事をするなんて、何と厭わしいことをなさる。それはそれとしても、内大臣も思慮分別をわきまえていらっしゃるのに、私を恨んで姫をつれて行ってしまうなんて。あちらに住んでも、ここより安心ということはないでしょうに」と泣きながら仰せになるのです。
November 11, 2012
内大臣は腹をお立てになったまま、あれきり大宮邸には参上なさらず、大宮をひどく恨んでいらっしゃいます。北の方にはこのような事件があったことなど、素振りにもお見せになりません。それでも何となくいつも不機嫌なご様子で、「中宮が格別ご立派なお支度で内裏にお入りになったので、我が弘徽殿女御は悲観していらっしゃるようだ。可哀想なのでお里下がりさせて、ゆっくり休ませてさしあげようと思います。立后は叶わなかったが、夜昼ずっと帝にお仕えしていらしたのだし、女房たちも気持のゆるむ暇がなく気疲れして苦しいとばかりこぼしているようですから」と仰せになって、俄かにお里下がりをおさせになります。いつも帝のお傍にお仕えする御方でいらっしゃいますから御許しも難しいのに、内大臣が駄々をこねるようになさいますので、帝も仕方なく思召していらっしゃると、無理やりお迎えに上がるのです。「里邸では退屈なさるでしょうから、こちらに姫君をお呼びして、ご一緒に音楽の御遊びなどなさいませ。大宮にお預けしておりました姫は何の心配もないのですが、あそこにはひどく詮索好きでませた人がいまして、同じ邸内で親しみ馴れ合うのに相応しからぬ年令になっておりますので」と申し上げて、大急ぎで姫を自邸にお移しになります。
November 10, 2012
小侍従という女房は姫君の乳母子なのでした。姫はご自分の独りごとを若君がお聞きになったとお思いになると恥ずかしく、思わず夜具の中にお顔を引き入れるのですが、幼いくせに恋をしているなんて、なかなか隅に置けなくはないでしょうか。乳母たちが姫の近くに臥していましたので、身動きなさると目が覚めないかと気が気ではなく、お二方とも音をたてずにじっとしたままです。『さ夜中に 友呼びわたる雁がねに うたて吹きそふ 荻のうは風(真夜中に、はぐれた雁が侘しい声で友を呼びながら渡って行く。私の心の哀しさを増すように、荻の上をひどく風が吹いていく)秋風は身に沁みるな......』と思い続けながら大宮のお部屋に戻って、ため息ばかりついていらっしゃいます。『もし大宮のお目が覚めて私のため息をお聞きになったら』とお思いになると恥ずかしく、一晩中寝返りを打ちながらお過ごしになりました。翌朝は何となく気恥かしくて、早くお起きになってご自分のお部屋で御文を書いていらっしゃるのですが、小侍従にも会えず、かといって姫君のお部屋にも行けませんのでお胸がつぶれるようなお気持ちになります。姫君は、父・内大臣からお諫めをお受けになったことばかりが恥かしく『これからどうしたらいいのかしら。人は私をどう思うかしら』とお考えにもならず、いつものようにあどけなく可愛らしく、女房たちがご自分たちの噂話をする様子をご覧になっても『疎ましい』とお思いにならないのです。ご自分たちのことで大騒ぎになっている事にもお気づきにならず、お世話役の女房たちが厳しく注意申しますので、御文を通わせることがおできになりません。もう少し大人びた女君であれば、しかるべき隙を作り出しもしましょう。若君はといえば、姫君よりいま少しお歳下でいらっしゃいますので如何ともし難く、姫君に逢えないことがひどく口惜しいと思うばかりなのです。
November 9, 2012
こんなふうに騒がれているとも知らず、若君がやって参りました。先夜も人目が多くて姫への恋心をようお話しできませんでしたので、いつもより恋しくおなりなのでしょうか、夕方おいでになったのでした。大宮は、いつもなら何を置いてもにこにこと歓待なさるのですが、今夜は生真面目な様子で、「あなたの事で内大臣が恨み事をおっしゃっておいででしたよ。奥ゆかしくもない事をなさって人に心配をおさせになりそうなので、私は心を痛めております。このような事を申し上げたくはないのですが、あなたがご存知なくてはと思いましてね」と申し上げますと、はっと思い当る事がありますのでお顔が赤らみます。「何事でございましょう。静かな所に籠っておりますが、学問以外は人と交る機会もございませんので、私をお恨みになる事などないと存じますが」とて、たいそう恥ずかしそうにしていらっしゃいますので、大宮はしみじみと可愛くまた気の毒で、「せめてこれからはお気をつけなさい」とだけお話しになって、紛らわしてしまいました。若君は、『これからはきっと、文などを通わせるのも困難になろう』とお思いになると、ひどく悲しいのです。お食事もなさらずにお寝みになってしまわれたようなのですが、気もそぞろです。女房たちが寝静まったころ、姫のお部屋の中障子を引いてみますと、いつもは特に掛け金をかけることなどしないのに、今夜はしっかりと閉めてあって人の気配もしません。若君はひどく悲しくなって障子に寄りかかっていらっしゃいますと、姫君も目を覚ましていらっしゃいました。風が竹をそよそよと鳴らす音に、遠くで雁が啼き渡る声がほのかに聞こえます。姫君は無邪気な子ども心にも、何となく思い乱れていらっしゃるのでしょうか、「雲井の雁もわがごとや」と、古歌を独白なさる気配が若々しくて可愛らしいのです。若君はそれをお聞きになるとひどくもどかしくおなりで、「ここをお開けください。小侍従はおりませぬか」と仰るのですが、静まり返ったままで音もしません。
November 8, 2012
大宮はたいそう可愛くお思いの御孫たちの中でも、幼くして母を亡くされた若君を格別可愛がっていらっしゃるからでしょうか、このような恋心があったにつけてもいじらしくお思いになり、内大臣が思いやりもなく、とんでもない事のように仰せになるのを、『どうしてそんなにひどい事をおっしゃるのでしょう。もとより姫君を大事にお思いになることもなく、大切にかしずいてお世話しようともなさらなかったではありませんか。私がこうして大事に育てたからこそ、春宮に差し上げようとお思いつきになったのでございましょう。されど、春宮妃が叶わず普通の人の宿世があるとしたら、この若君より他に夫として勝る人がいるものでしょうか。容姿・立ち居振る舞いに始まり、並ぶ人などないのですから、この姫君が足元にも及ばないような高貴な身分の方の婿にも、と思っていますのに』と、若君可愛さからでしょうか、内大臣を恨めしくお思いになるのです。もし大宮のこの御心内をお見せ申したなら、内大臣はどんなに母・大宮をお恨み申されることでございましょう。
November 7, 2012

我が家特製のマロン・シャンテリー。シュガーフリーにしたので、栗だけのあっさりとした甘味になった。ミントの葉も、庭のフレッシュ・ハーブ。甘味が物足りないかもしれないけれど、この季節の贅沢な一品。最近店の仕事も忙しく、なかなかブログを更新できない。相談のお客様には病気の原因とメカニズム、適用する漢方薬の作用、服用方法などを説明するのだが、ご購入いただいた後も、店頭でお話しした事を再びお手紙に書いて、お送りする。書くことは苦にならないしむしろ好きなので、文章作業は私の仕事に大いに役立ってくれていると思う。仕事は相談や販売だけでない。薬袋(やくたい)はパソコンから印刷して自分で袋張りして作る。ハンコはコピーすればいいのだが、上海で買った朱肉(印泥)のすてきな暗紅色がコピーではうまく発色してくれないので、手提げの紙袋に一枚一枚手押ししている。一般薬やドリンク、化粧品、サプリメントなどはもちろん扱っていない。純粋な漢方方剤だけで営業している薬局は、珍しいかもしれない。ミシンで洋服を縫っていた時、うっかり右手の人さし指に針を刺してしまったのだが、消毒薬もなければ絆創膏もなくて、近くのドラッグストアに駆け込んだことがある。饗応夫人が心配して、いろいろ塗り薬を持ってきてくれた。ところで、漢方薬は慢性病にしか効かないと思う人が多いが、実は急性の怪我、ドアに指を挟んだとか、足に物を落としたという時に服用する特効薬がある。これを投薬すると、腫れや痛みが早く引く。爪が剥がれそうな時も、剥がさずにすむ。ただし早目にしかも大量に服用しないと効果がみられないので、あまり売る機会がないのが残念だが。
November 5, 2012
内大臣が姫君のお部屋を覗いてご覧になりますと、事情も知らずたいそう可愛らしいご様子でいらっしゃいますので、不憫にお思いになります。「幼いとは言いながら、これほど無分別でいらしたことも知らず『人並みに入内させよう』と思った私こそ、姫にも増して愚か者であったことよ」と、お仕えする御乳母たちをお責めになるのですが、申訳のしようがありません。「男女の仲というものは、帝が限りなく大切にかしずいていらっしゃる姫宮でも、つい過ちをおかす例が昔物語にもあるけれど、それは二人の気持ちを知って取り持つ女房がいるからこそ起きるのでしょう。でも、このお二方は私たちが仲を取り持つどころか、大宮の御もとで長い間一緒に暮らしていらしたのですもの」「それに、私たちが大宮を差し置いてまでお二方をお離し申し上げるなど、とてもできませんわ。今まで大宮にお任せして参りましたが、一昨年あたりからははっきりと別々のお扱いをなさるようになって、ほっとしておりました」「幼いとはいえ人に隠れて色めく人もいらっしゃるようですけれど、若君はいささかも乱れた所がおありでなくて、とても考えられませんでしたわ」と、女房たちはお互いにため息をつきます。「よし、この事はしばらく内密にしておこう。やがては世間に知られようが、せめて今は嘘だと言い繕っておくれ。今から私の邸に姫をお引きとり申そう。ああ、大宮のお気持ちが恨めしい。そなたたちだって、いくら何でもこうなってよいとは思わなかったであろう」と仰せになりますので、お気の毒とは思うものの嬉しいことを言ってくださったと思って、「まあ、とんでもございません。姫君の継父・按察大納言殿がどうお聞きになるかと思いますと、気が気ではございません」「いくら若君がご立派でいらしても臣下筋でいらっしゃいますれば、どうして婿君に御迎えできましょう」と、口々に申し上げます。姫君はあっけらかんとしたご様子で、父・内大臣が様々に説き聞かせなさるのですが、さっぱり埒があきません。ため息をおつきになって、「どうしたらこの姫の将来が立つものか」と、信頼できる女房たちにだけこっそり相談なさって、それでもやはり母・大宮を恨んでいらっしゃるのでした。
November 4, 2012
血縁のない立派な家から、婿君として華やかに迎えられることこそ良いのです。血縁のある者同士が睦み合うのはよろしくないと、源氏の大臣もお耳になさればきっとご不快に思われましょう。二人を結婚させるにしても、母宮が『婿君としてお迎えしたいが』と、私に正式にお知らせくだすった上で、特別に体裁を整え、多少は世間からも一目置かれる官位であってこそ、婿君として迎え甲斐があるというものでございます。それを、幼い子どもたちの好きなようにさせて、母宮はそれを黙認していらっしゃるのですから、つくづく情けないのでございます」と申し上げます。大宮は露ほどもご存知ない事でしたので、すっかり呆れて、「内大臣がそのように仰せられるのは無理もないことでしょうけれど、私は二人のそのような気持ちを少しも知らなかったのでございます。もしそうであれば私こそ、あなたにもまして悲しく思います。それなのに私が同罪とは、何とひどい事をおっしゃるのでしょう。姫をお預かりいたしました時から格別心にかけ、あなたさまがお気づきにならぬことにも留意いたしまして『立派にお育てしよう』と人知れず思って参りました。まして可愛さに目がくらみ、一人前にもなっていない年齢の二人を縁付けようなど、思いもよらぬことでございます。それにしましても、一体誰がこのような事をお耳にいれたのでございましょう。取るに足らぬ人たちの噂を信じて、厳しい態度でお叱りになることはよろしくありませんし、何と言っても噂話しでございますから、姫の名折れとなりましょう」と仰せになりますと、「これは単なる噂話などではございませぬ。姫にお仕えする女房たちが、蔭では嘲笑しているのですぞ。それが口惜しくてたまらないのでございます」とて、お帰りになってしまいました。事情を知っている女房たちは、内大臣にひどく同情するのです。また、先夜蔭口を言った老女房たちは、他の女房たちにもまして気が動転して「どうしてあんな重大な話をしたのかしら」と悔やみ、互いにため息をつくのでした。
November 2, 2012
毎年の事だが、秋になると庭の始末に忙しい。花は次々に咲き終わり、枯れたラベンダーと菊を残すばかりになった。毎日拾った栗もイガが落ちるだけになり、朝のゴミ捨て時の楽しみがなくなったのが少し寂しい。実の大きさは大小さまざまあるものの、一週間のうちに3キロを超えるほど収穫した。これをきれいに水洗いして冷蔵庫で一週間ほどねかせると甘味が増す。栗ご飯はもちろんだが、蒸して半分に切りスプーンで取りだした中味に、砂糖とラム酒を加えてホイップした生クリームをトッピングし、ミントの葉を飾ると、とてもおしゃれでおいしい洋菓子になる。しかしこれからはイガと、果てしなく舞い落ちる落葉の始末が大変なのだ。庭に大きな穴を掘り、そこに落葉やイガを土と交互に入れて踏み固めて処理するのだが、先ず穴掘りに一苦労する。何せ庭が球根だらけなのだから、シャベルを入れるたびに土と球根を分別しなくてはならず、なかなか捗らない。私は数年かかって、それまで母がほったらかしにしていた庭のクロッカスやチューリップ、ヒヤシンスや水仙などの球根、それに取ってもとってもしつこく出て来る「ヤマイモ」を、根気よく退治したのだが、それでもまだ根治していないようで、たまにヤマイモの小さな葉が出ているのを見つけることがあり、植物のケナゲな生命力にはほとほと参ってしまう。今年は薔薇と栗の枝を払ったので、それを1メートル程度の長さに切って束ね、ゴミの日まで栗の木の根元に立てかけておいた。赤い鬼灯の実はかわいいのだが、このままにしておくと来年根と実の両方から増えるので、引っこ抜いてゴミ袋に回収しなくてはならない。毎年秋は庭仕事に追われるのだが、植物が片付けられてきれいになっていく庭を眺めるのは楽しい。私は母と違って、庭に花など咲いていなくても一向にかまわない。木だってさくらんぼと栗だけで十分だ。花よりも一面芝生のほうがすっきりすると思うのだが、聞くところによると、芝生も管理が大変なのだそうだ。何につけ手入れは必要なのだから、こうして黙々と冬支度に励むしかない。そういえば昨日の朝、雪虫が飛んでいた。もうじき雪が降るだろう。冬タイヤへの交換も予約しなくては。
November 1, 2012
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