使っているバージョンは SDL Trados Studio 2017 SR1 です。 2015 もまだ使える環境ではあるのですが、フラグメント一致の便利さに慣れてしまったので、なかなか 2015 に戻る気にはなれず、何か改善の方法がないものかと考えていました。
いくつか設定を変えることで、ようやく普通に耐えられる動きになったので、今回はその方法を紹介したいと思います。
「あいまい一致の修正」を無効にする
これまで「あいまい一致の修正」を有効にしていたのですが、ちょっと違うなぁと感じる修正が多かったので、思い切ってこの機能は無効にしました。私の今回のプロジェクトでは、この変更の効果が最も大きかったように思います。
「あいまい一致の修正」はプロジェクトの設定で無効にできます。
[ プロジェクトの設定] -> [ 言語ペア] -> [ すべての言語ペア] -> [ 一致の修正]
[ Match Repair の使用] が表示されるので、[ エディタ] の設定を [ オフ] にします。
デフォルトでは、[ エディタ] はオン、[ 一括タスク] はオフです。
用語集を減らす (用語集ファイルの数と、登録されている用語の数)
まず、用語集そのもののファイルの数を減らしました。今回のプロジェクトは翻訳会社さんから支給の用語集だけで 4 つもあったので、いつも使っている自作の用語集は外し、支給された用語集だけにしました。
さらに、用語集の中の用語も減らしました。今回の用語集は主に UI だったので、同じ用語が複数含まれていました。この重複した用語を削除しました。
MultiTerm で重複を削除する方法がないものかと少し探してみたのですが、結局見つからず
今回は、用語集の元データが Excel ファイルで支給されていたので、Excel の機能で削除 *1 して、用語集を作り直しました。
これで動きが速くなったのかどうかは微妙ですが、「用語認識」の画面に用語が重複して表示されることがなくなったので、見やすくなりました。
分節を確定したときの検証を無効にする
メモリや用語集の読み込み以外にも、分節を確定したときの動作が遅いと思ったのでこの設定を変えました。
[ ファイル] -> [ オプション] -> [ エディタ] -> [ 自動化] で、[ 手動で分節が確定されたら次の操作を行う] の [ 分節の検証を有効にする] を選択解除します。
これは、分節を確定したタイミングで毎回検証を実行するという機能ですが、私はわりと好きなので普段は有効にしています。ただ、今回は動きが遅く耐えられなかったので無効にしました。実際の効果は微妙かもしれませんが、「用語検証」だけはかなり影響があるのでは?!と思いました。用語集の設定にもよりますが、「用語検証」を無効にする *2 だけで少し速くなるような気がします。
今回は以上です。2017 SR1 は便利なのですが、やはり少し動きが遅いように思います。「フラグメント一致」はそれでも使いたいですが、「あいまい一致の修正」はそこまでして使う効果はないかなぁ、というのが今のところの私の印象です。
なお、今回のケースは日->英の翻訳で AutoSuggest が便利に機能することが前提の話です。英->日の場合は苦労して 2017 SR1 にこだわる必要はないかもしれないです。
リボンで [ データ] -> [ 重複の削除] と選択すると下図の設定画面が表示されるので、「重複」と判断する列を指定します。
この例では、「備考」だけ選択を解除しています。これで、「備考」の値が違っていても「重複」と判断されます。結果は、1 行目と 2 行目の「Change」と「Edit」が残り、3 行目の「Change」だけが削除されます。
ちなみに、Excel ファイルから用語集への変換には、SDL MultiTerm Convert を使いました。この辺りの詳細は、また後日、機会があれば。
注記*2:検証機能は 3 種類あり、それぞれ別々に有効無効を切り替えられます。
[ プロジェクトの設定] の [ 検証] で、使用したい検証だけを選択します。デフォルトではすべて有効になっていますが、不要なら選択を解除します。
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