訳文生成できないといっても、訳文生成のプロセス自体はエラーもなく完了します。ただ、生成されたファイルを Word で開くと、ファイルが壊れているというエラーが表示され、修復するオプションを選んでも空白のファイルが表示されるだけでした。
タグのエラーはない し、 コメントも入れていない し、 表示フィルターのハイライトも使っていません 。いろいろ考えているうちに、前にも巨大な PowerPoint ファイルで訳文生成できないことがあったのを思い出し、そこで試してみた方法が、
プロジェクトを新しく作成して、新しいファイルで作業し直す
です。これで、いったんは訳文生成できるようになりました。作業し直すといっても、すべて入力し直すわけではありません。既訳をメモリに保存し、新しいファイルにそのメモリを当て直します。多少の手間はかかりますが、訳文生成できないのであれば仕方ありません。
しかし、これでも「いったん」解決しただけで、しばらく作業を続けているとまた訳文生成ができなくなりました。その後、さらにプロジェクトを作り直してみたり、正常に訳文生成できていたときのバイリンガル ファイルをバックアップから戻してみたり、原文のバイリンガル ファイルも一緒に戻してみたり、といろいろ試しているうちに、1 つの法則に気づきました。
訳文生成が 1 回失敗すると、もう二度と正常な生成はできない
です。新しいプロジェクトを作成した後、1 回でも訳文生成が失敗すると、その後はバックアップからファイルを戻しても、メモリを当て直しても、何をしても、もう二度と訳文生成はできません。プレビューもできなくなります。しかし、これは裏を返せば、
「訳文生成」さえしなければ、プレビューはできる
ということでした。プロジェクトを作成した後、一括タスクの「訳文生成」は使わず、「訳文の表示」([ ファイル] > [ 印刷 & 表示] > [ 表示方法]、Ctrl+Shift+P)のみを使うようにします。「訳文の表示」では Word で訳文ファイルが表示されるので、そこで [ 名前を付けて保存] をすれば訳文生成と結果的には同じになります。
「訳文の表示」機能は、Trados 画面内のプレビュー画面から表示するプレビューとは別の機能です。詳しくは、こちらの記事「 訳文の表示を使ってみる 」も参考にしてください。「訳文の表示」と「訳文生成」は別機能なので、細かいところまで見ると作成されるファイルには違いがあるかもしれません。が、今回は次善策として使いました。
今回は以上です。なぜ訳文生成できないのか根本的な原因はわからないままですが、自分の納品ファイルが作成できたところであきらめました。訳文生成できない問題は本当に困ります。ただ、ここに書いた「訳文生成が 1 回失敗すると、その後は二度と成功しない」という現象は、今回のプロジェクトに限った現象です。私の経験からすると、巨大な Office 文書に特有の現象かと思いますが、実際のところはよくわかりません。普通は、訳文生成が失敗しても、エラーを解消して再挑戦すれば、正常に処理できるはずです。(たぶんね。)
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