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幼幻記


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幼幻記2 あーちゃんのハイヒール


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幼幻記5 福島行きの汽車の中で


幼幻記6 氷水(こおりすい)


幼幻記7 焼きみそおにぎり


幼幻記8 仔猫とチョウマ


幼幻記9 結い髪


幼幻記10 傷つけた写真


幼幻記11 パパのおしゃれ


幼幻記12 母の笑顔


幼幻記17 命日


幼幻記18 安寿と厨子王


幼幻記 19 祖母の生誕100年 佛光寺


幼幻記 20 ホットカルピスの味


2006年01月31日
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はじめちゃんの東京騒動記



第822回


第66回 ●劇画の世界 その2



はじめちゃんの東京騒動記 第66回 ●劇画の世界 その2



この日は学校が終わると、井上と佐藤、渡辺は早足で、中学校から5分ばかりの渡辺清の家に集まった。
二階の清の部屋で三人は寒さに震えながら頭を寄せ合った。
「いいかい、マンガを描く道具は……」
と言って、井上は新聞広告の裏に書いて説明をした。
ひとつ道具を説明すると渡辺は質問を繰り替えした。
佐藤は静かに聞き入っていた。
説明が終わると渡辺は早速、道具を買いに行こうと言い出した。

同じクラスの丹野の姉が勤めている相川文具店に行くことにした。

「清くん、お金は大丈夫かい?」
「ああ、大丈夫さ!修ちゃんの分も立て替えておくぐらいは持ってきたから」
と言って、1000円札をポケットから取り出した。
「清は金持ちだなあ……」
と佐藤はニヒルな笑いを浮べて羨ましがった。

あいにく丹野の姉はいなかった。
井上は以前に丹野の姉から道具を揃えてもらった経験がある。
ペン先やペン軸、製図用インクに墨汁、そして模造紙のある場所がわかっていたので、まごつくことなく渡辺と佐藤にその場所を案内して買い物を勧めた。

冬の夕方はすぐに暮れる。
外は暗くなっていた。
店内の電気の明るさが一層増して感じた。


そのたびに歩く人々は飛び上がって汚れた雪を除けようとする。
三人はなぜか興奮して歩いていた。
渡辺だけがひとり話続けていた。

翌日、学校が終わるとすぐに渡辺の家に集まることにした。
井上の班が掃除当番のために遅れていた。

渡辺はそれを傍で見ながら佐藤を励ましていた。

井上が渡辺の家に着いた頃は、佐藤は下書きを終えていた。
「井上、ここまで描いた。
 我ながらよく出来た!
 さあ、後はお前が手を入れて直してくれ。
 遠慮はいらないから、どんどん直してくれよ」
佐藤は信頼しきった目で井上を見て言った。

「ああ、修ちゃんがそう言うなら遠慮しないで直させてもらうよ」
井上は4Bの鉛筆で、デッサンの多少違うところに線を新たに描き足していった。
それを真剣に見ている佐藤と渡辺だった。

「線の流れが違うぞ……」
渡辺が言うと、佐藤は続けてこう言った。
「ウン、確かに違うね。描き慣れている線だ。
オレの線とは違うなぁ。
それに線が堂々としていて、線が生きているようだ!」



(文中の敬称を略させていただきました)
はじめちゃんの東京騒動記●第66回 完 


つづく 第67回にご期待下さい!!






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最終更新日  2006年02月05日 19時22分44秒
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