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日銀が発表した9月の短観でも企業の景況感は10年ぶりの高水準だというように、景気の回復ぶりを伝えるニュースばかりが並ぶのに我々にはなぜ実感に乏しいのだろう。景気が良くなって企業の生産活動が活発になれば、求職活動している人が職にありつきやすくなるため失業率の分子である失業者が減って失業率が下がるとされている。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは企業の売り上げが伸びていないことが問題だと指摘し、「伸びているのは、企業の収益性です。それは設備投資や人件費の抑制、原油価格の低位安定などによって実現したもので、肝心の売り上げの伸びは昨年までの4年間で平均1.5%にとどまり低迷したままです」と分析している。 収益重視では賃上げに進まないのだが、人口減少や働き手が不足しているから失業率が低下していると思われがちであるがそれは間違いで、なぜなら人口は減っていても労働力人口は増えているためであるというのだ。実際に昨年度度の失業者数の減少を要因別にみると、就業者数は73万人増加しているが労働力人口も57万人増えており、結果として完全失業者数が16万人の減少にとどまっている。つまり人口が減少していても労働参加率の上昇により労働供給は増えているのであるということのようなのだ。アベノミクスが始動する5年くらい前から円高・株安の是正などにより企業の人手不足感が強まったが、一方で労働参加率の上昇により働ける人も増えているのであるというのだ。 この背景には高齢者の雇用延長や世帯収入を増やすべく働く女性が増えたことがあって、労働組合内にも「ITバブル崩壊以降、多くの企業が雇用の確保か賃金の上昇かという選択を迫られるなかで労働者側も『雇用が確保されるなら賃上げされずとも仕方ない』と容認に傾き、その流れが依然として続いています。近年は人手不足により完全雇用に近い状態と言われますがこれは偽りで、実態は職探しは容易にできてもいい仕事には就けない。労働の単純化やマニュアル化によってワークシェアリングが進んだ結果、賃金は上がらず、購買力も高まらないままです」というのだ。好景気を実感するには賃金上昇が一番だがそのために雇用確保を犠牲にできるかというのが容易な選択ではないとされている。 失業者とは「就業を希望して実際に求職活動をしている人」のことなのだが、失業率が下がっていても楽観視できないことがあって、なぜなら昨年度の失業者は202万人まで減少したが、その中でも非自発的な離職者つまり辞めたくないのに会社を辞めざるを得なくなった失業者が依然として55万人以上も存在しているといのだ。そして完全雇用の経済学的な定義の一つが非自発的な離職者が存在しないことからすれば、日本経済は依然として完全雇用とは言えないということなのだ。そして非自発的な離職者が多数存在しているということは企業からみれば賃金を上げなくても働きたい人がまだいるということで、失業率が下がっても賃金が上がりにくい理由の一つとなっているというのだ。 つまり就業を希望していても何がしかの理由から就業活動をしていない人は含まれず、実際に就業環境が厳しくなると求職活動をあきらめてしまう人は増え、つまり実際の労働需給の状況を見るには非労働力人口に含まれる就業希望者の動向にも注意が必要なのだ。働きたくても求職活動をしていない人がどの程度存在するかを見るべく、総務省「労働力調査」の詳細結果を確認すると、今年の4~6月期時点で200万人程度の完全失業者の約2倍となる372万人の就業を希望しているが求職活動をしていない人が存在することがわかるという。そして非求職の理由別にみても「適当な仕事がありそうにない」が102万人で、「出産・育児・介護・看護のため」が105万人存在し依然として潜在的な労働供給の余地があることがわかるという。
2017年11月30日
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会社員にとってボーナスは待望のものなのだが気になる今年の冬のボーナス事情が各所から発表されている。企業規模や業種によって変わってくるボーナスは業績とも大きく関わるといわているがどのように予想されているかというと、東証一部上場の従業員500人以上で主要21業種大手251社を調査対象とし、集計ができた74社の今年の冬ボーナスの妥結状況では、全体の平均は91万6396円で前年比1.19%減となっているというのだ。冬ボーナスは3年前が5.78%増だったというのに一昨年は3.13%増となり、昨年は0.84%増と例年アップはしてきたものの上昇率が下がってきていたというのだ。そして今年になって減少に転じてしまったそうなのだが、実はこの兆候は今年の夏ボーナスの時に予想できてはいたというのだ。 経団連は「2017年末賞与・一時金大手企業業種別妥結状況」の第1回集計結果を発表しているが、このうち妥結に至っているのは13業種の111社で37社は平均額が明らかでないため集計からは外されているという。製造業72社の平均は92万1907円で同じ対象企業の昨年実績と比較すると1.22%のマイナスだったという。また非製造業2社の平均は66万7858円で昨年から0.73%減となっている。これら74社の総平均は91万6396円で昨年の92万7420円から1.19%減少したことになるというのだ。業種別に妥結額を見ると前年を上回ったのは「食品」と「非鉄・金属」に「硫安を含む化学」の3業種で、「食品」の加重平均妥結額は91万6256円で昨年の87万7678円を4.40%上回り全業種の中で伸び率トップととなっている。 中小企業も含めた東京都内の民間労働組合の冬ボーナス妥結状況なのだが、みずほ総合研究所が発表した今年の冬季ボーナス予測によると、今年の年冬の民間企業の1人当たりボーナス支給額は37万4350円と、3年ぶりの増加となる前年比1.1%増と予想されているという。こうした支給総額の伸びは3年前の冬以来のこととなるそうで、雇用契約に基づいて決まって支給される定期給与のうち残業などの時間外労働に対する給与である「所定外給与」を除いた金額を「所定内給与」と呼んでいるが、人手不足感が根強い中小企業ではこの所定内給与が小幅ながらも増加する見通しとなっているという。またみずほ総合研究所は支給月数と連動する傾向にある売上高経常利益率は改善しているとの分析をしているそうなのだ。 支給対象者に関しても人手不足感が根強い中小企業では人材を確保するために正社員化や非正社員の待遇改善といった施策がとられていることから今後も増加が続く見通しとなっているというのだ。今年に入ってからも正社員化の動きが顕著であることから、結果として民間企業の支給総額の予想値は前年比3.6%増の16兆490億円という大幅に伸長した数値になっているそうなのだ。この予測では国と地方を包括した公務員のボーナス支給額は、前年比3.5%増の78万9334円になるという。国家公務員の支給額が増加したのは今年の人事院勧告で月例給が前年比0.15%の増額となったことに加え、ボーナスの年間支給月数が前年の4.30月から4.40月に引き上げられたことが起因しているという。 さらに地方公務員についても「国家公務員に準じて給与を決定する自治体が多いため、月例給・ボーナス支給月数ともに増加する見通し」なのだという。業種別の平均金額なのだが全体の平均は75万2189円で前年比0.04%増となっており、大企業の調査は下げているが中小企業を含めると少し良い状況のようだとされている。3年前は大企業の支給額が増加していたがやっと中小企業が上げに転じてきたようだというのだ。私の所属している建設業は7.07%増だそうなのだが、建設業は前年の調査でも15.2% 増だったという。驚異的に伸びているのがわかるというが特に東京都の調査ということで、、東京オリンピック関連で人員不足などが影響しているのかもしれないと分析されている。
2017年11月29日
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所得税改革を着手すると口を開けば「増税するのか」と疑心暗鬼が広まるが、政治家はこれを恐れてか所得税の抜本的な改革に踏み切ることを避け続けてきた。その結果は所得税制で所得格差を是正する機能である所得再分配機能が弱まり、旧態依然の仕組みが放置され新しい働き方には控除が適用できないなどのひずみが現れている。所得税をいくら払うかという計算は課税前の収入から所得計算上の控除と、人的控除や医療費控除に社会保険料控除といった実費控除が含まれるが差し引かれ、残った金額が所得税の課税対象となる課税所得となり、これに税率がかけられて算出されたものが税額だ。さらにその算出税額から、住宅ローン控除などの税額控除が差し引かれて実際に支払う所得税額が求められている。 「給与所得控除」と「公的年金等控除」でいうと、給与所得控除と公的年金等控除が所得税制でどのような位置づけになっているかでは、われわれが得た課税前の所得であるところの専門用語の「収入」では、何の控除もなしにいきなり所得税が課されるわけではないとされている。特に給与収入と公的年金等収入にはそれぞれ独自の控除が設けられており、それが給与所得控除と公的年金等控除となっているのだ。「給与所得控除」は平たく言えば働いて稼ぐのにいろいろと経費がかかるから、その経費を概算で収入から差し引いて所得税の負担を軽減するというものである。「公的年金等控除」も同様に収入から経費を控除することによって所得税の負担を軽くする狙いがあるとされている。 ただ公的年金を受け取るのに働いて稼ぐときにかかるような経費は、実際にはほとんどかかっていないのに公的年金でも給与所得と同様な概算控除が認められている。確かに公的年金等控除は標準的な年金以下の年金のみで暮らす高齢者世帯に配慮を行うための所得税軽減措置というのが公式的な見解だが、所得税制では給与所得控除と同じく所得計算上の控除という位置づけになっているのだ。政府・与党は来年の税制改正で会社員らの給与から一定額を差し引いて税負担を軽くする「給与所得控除」を、高所得層を中心に縮小する一方で全ての人に適用される「基礎控除」を拡大する調整に入っているが、高所得の会社員にとっては増税となるが企業に属さずに働く個人や低所得層の税負担は軽くなるという。 自民党税制調査会は非公式幹部会合を開き終了後記者団に対し「所得税改革の基本的な構造については共有した」と話し控除見直しの検討に入る意向を示した。会社員らに対して必要経費を認め収入から一定額を差し引いて税負担を軽くする給与所得控除額は現在最低65万円だが、年収に応じて増加し年収1000万円を超えると220万円で頭打ちとなる。政府・与党はこの給与所得控除の控除額を年収にかかわらず一律に減らし、上限額の220万円の引き下げも検討している。この見直しで得られた財源で全納税者を対象にした基礎控除の控除額を、現行の一律38万円から引き上げるという。会社員の給与所得控除は縮小するが高所得層以外は基礎控除の控除額の増額を同程度にして負担増を避けるよう調整するという。 所得税改革が必要な1つの大きな理由は所得再分配機能の回復で、政府税制調査会の「経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告」にも明示されている。そうみれば公的年金等控除の最低限を給与所得控除と同じ65万円に引き下げる形で控除を見直すということは、所得再分配機能の回復という方向に逆行することになるからありえないとされている。働き方の多様化で企業に属さないものの請負契約などで会社員と同様の働き方をしている個人が増えているが、これらの人は給与所得控除を受けられず不公平感が指摘されているというのだ。基礎控除の控除額拡大は請負契約の個人や低所得層の税負担を軽くするのが狙いだが、負担増となる高所得層の反発も予想されるというのだ。
2017年11月28日
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衆院予算委は安倍首相が所信表明演説で強調した北朝鮮情勢への対応や、幼児教育の無償化なども論戦のテーマになるはずなのだが、与野党協議の結果で質問時間の配分は従来の「与党2対野党8」から今回は「与党5対野党9」とすることで合意しており、衆院予算委の質問は与党5時間に野党全体で9時間となり従来に比べて与党が多く確保し与党の質問配分が多くなっている。自民党の田村憲久政調会長代理はTVの討論番組で「売却の手続きが非常に不透明だったことは確かだ」と認め、森友問題を「自民党もしっかりと追及する」と明言しているわけなのだが、自民党としても前の閉会中の委員会審議のように政権を持ち上げるような質問ばかりするわけにはいかないという事情があるという。 会計検査院の報告書を受けて政府は国有財産の処分手続きを透明化する再発防止策を発表し野党の追及をかわす予定だが、野党は先の通常国会に続き学校法人「森友学園」問題で安倍晋三首相を追及する方針だという。質問時間の配分を巡って与党に押し込まれただけに安倍首相らから新たな答弁を引き出せるか正念場の論戦になる一方、「丁寧な説明」を約束した安倍首相もその本気度が問われている。森友学園への国有地売却問題では会計検査院が約8億円の値引きの根拠になったごみ撤去費について「十分な根拠が確認できない」との報告書を国会に提出しており、野党は値引きを「適正だった」としてきた過去の政府答弁との整合性や売却の経緯に関する文書の廃棄などをただすというのだ。 立憲民主党の長妻昭代表代行は会計検査院の報告に関連し国有地売買の交渉当事者の財務省について、「官邸とかいろいろなところの意向を忖度したと考えるのが自然だ」と述べ、予算委員会で解明する考えを示し「徹底的に解明しないと第2、第3の問題が続きかねない」と指摘している。共産党の笠井亮政策委員長は森友学園が開校を目指した小学校の名誉校長を一時務めていた昭恵首相夫人の証人喚問を求めているし、希望の党の長島昭久政調会長は森友学園との交渉記録が残っていなかったことを問題視し「前代未聞だ」と非難した。民進党の足立信也政調会長は公文書の適正管理に向けた公文書管理法改正案を来年の通常国会に提出する考えを明らかにしている。 自民党の田村憲久政調会長代理は「最も分かっている首相が説明する。しっかり質問してもらいたい」と語ったが、安倍昭恵夫人の証人喚問には「政治家以外の招致は慎重であるべきだ」として消極的な考えを示している。公明党の石田祝稔政調会長は「国民から疑念を持たれているので、政府は説明責任を果たしてもらいたい」と語っている。与党は安倍首相の妻昭恵氏や加計学園理事長らの国会招致に応じるつもりはなく、しかも野党間には森友問題で温度差が出始めているみたいで、安倍首相に恩を売りたいそぶりの日本維新の会の下地幹郎氏は森友問題について、森友学園前理事長らの公判が控えていることを念頭に「国会で審議しても表立ったことは出てこない」と語っているという。 学校法人「森友学園」への国有地売却問題で会計検査院が「値引きの根拠が不十分」などとする報告書を公表したことを受け、政府・与党は苦しい立場に追い込まれている。会計検査院はごみの量が過大に推計された可能性を指摘した上で、「適切と認められない事態があった」と報告したことから、今後は「適正な価格で売却した」という答弁では逃げ切れなくなっていることから不備があったと早々に認めた方がいいと自民党幹部は危機感をあらわにしている。今国会の会期は12月9日までなのだが野党は参院文教科学委にも安倍首相の出席を求める構えだが、野党が新たな切り口を提示できなければ世論の風向きが変わる可能性はあるとされることから衆参両院予算委の4日間が事実上のヤマ場になるとされている。
2017年11月27日
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佐川国税庁長官と全国税労働組合との団体交渉があったそうなのだが、その団体交渉の冒頭に全国税労働組合の執行委員長が「佐川長官の理財局長時の森友事件に関わる言動に国民から批判があり、職員は批判の矢面に立たされている。現場で苦悩する職員へ、何らかの言葉を発するべきだ」と、佐川国税庁長官の理財局長時代の国会答弁を基とした納税者からの批判の矢面に職員が立たせられていることを指摘しましたところ、「職員の皆さんが高い使命感を持って職務に精励していることに感謝申し上げる。事務の簡素化、効率化に務めながら、職員の健康にも配慮し、明るく風通しのよい職場を作りたい」というだけで、全国の税務担当職員に謝る姿勢は見られなかったそうなのだ。 また委員長が「法定外資料の提出をお願いすると納税者から『来年からは提出しない。税務相は信用できない』と言われたり、消費税無申告事案の調査で領収書がない仕入税額の否認では『おたくのトップは認められるではないか』と言われていたりしているというと、佐川国税庁長官は「納税者からさまざまなご意見が寄せられていることも承知している。特に年明け以降ご苦労をおかけする」と、全国税労働組合との団体交渉の冒頭で「一言申し上げたい」と切り出したという。国税庁長官就任時の恒例だった記者会見も開かず動静の伝えられることのない佐川国税庁長官だが、税務署の職員たちは納税者の反発にさらされている件には、税務現場に自身が悪影響を与えているという自覚はあるようだという。 国民から税金を徴収する国税庁の権力は絶大なものがあるだけに、公平性が最も求められるのが国税庁であったり財務省であったりするわけなのだが、その国税庁のトップが森友学園への値引き6億円を「記録がない」とか、「記録は破棄した」・「電子データも復元できないシステムになっている」では、納税者である国民が納得できないのは当たり前だし、国税庁職員の税務調査にも「税務調査されても知らぬことと貫けばいいということを、佐川長官様が国会で身をもって教えてくれた」などと納税者から言われ、税務調査等に支障が出てくるのも当たり前だというのだ。このことに対して佐川国税庁長官は言うに事欠いて「明るく風通しのよい職場を作りたい」とか、「今後とも適正な職務に努めてほしい」だけ回答したそうなのだ。 今年の7月の佐川国税庁長官の就任直後から各地の税務署には「書類を廃棄したと言えば許されるのか」とか、「あなたに適正・公平な行政を語る資格があるのか」などといった苦情が寄せられてきたそうなのだが、年明けには確定申告が始まることもあって税務職員が新たに逆風にさらされる可能性があることから、全国税労働組合の執行委員長はこの状況を踏まえ佐川国税庁長官が初めて出席した団体交渉の席で「現場で苦悩する職員へ何らかの言葉を発するべきだ」と迫ったそうなのだ。佐川国税庁長官は回答を避け「明るく風通しのよい職場を作りたい」などと語るのみで、森友学園の件には直接言及せず国会と同じく「問答無用」の姿勢を崩さず陳謝もなかったそうなのだ。 国税庁長官という昇格人事に対しても疑問視する声があり、佐川国税庁長官は長官就任時の恒例だった記者会見を始めマスメディアの取材を避け続けている。それでも全国税労働組合との団体交渉からは逃げるわけにいかなかったみたいで、代理出席を許さない団体交渉にそれだけの重みを持たせる活動の積み重ねが全国税労働組合にはあるということだろう。それでも全国税労働組合の書記長は「何を聞いてもやり取りがかみ合わないのは国会と同じ。来年の確定申告ではさらに苦情が寄せられ、現場が混乱する恐れもある。引き続き追及したい」と話しているという。もっとも大手新聞社の取材には国税庁国税広報広聴室が「所管行政に関わらない事柄について答える立場にない」という談話を出したのみだったという。
2017年11月26日
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2月の衆院予算委員会で当時の財務省の佐川宣寿理財局長は値引きの根拠について「適正に時価を反映した」などと説明しており、3月の参院予算委では当時の国土交通省の佐藤善信航空局長が「算定した国土交通省大阪航空局に見積もる能力を有する職員がいた」と語るなど政府は一貫して対応に問題はないとの主張を展開し、安倍晋三首相も3月の参院予算委で「ディスカウントは当然だ」と強調したがこうした発言の根拠は大きく揺らいでいるのだ。会計検査院はゴミ等の混入率の算定を「合理性がない」として31.7%に圧縮し、深さも「十分な根拠が確認できなかった」と切り捨てている。その上で埋設ごみの量は6196トンか1万3927トンとし「いずれも政府の算定とは大きく異なる」と結論付けたのだ。 この学校法人「森友学園」への国有地売却問題で会計検査院から約8億円の値引きの根拠を「不十分」と指摘されたことを受け政府は、国有財産に関する管理処分手続きの見直し案を公表して幕引きを急いでいるというのだ。ところが値引きを「適正」とか「合理的」と正当化してきた政府答弁は残っており、発言した関係者の責任が厳しく問われそうだという。政府は検査院の報告書公表からわずか2日間で、売却価格の客観性確保や行政文書の管理徹底などを盛り込んだ見直し案をまとめ素早い対応で問題に区切りを付ける構えだという。また政府がこれまでの答弁の「非」を認めないのも野党に追及材料を与えたくないためとみられるが、国会での野党の質問はまだまだ続きそうだというのだ。 森友学園に国有地が8億円余り値引きされて売却された問題で会計検査院が国会に報告した調査結果を巡って野党の追及が続いているが、菅官房長官は「会計検査院の報告では今後の国有財産の管理処分を一層のこと適切に行うことが必要であるといったことが指摘されている。財務省と国土交通省で今回の報告書の内容を十分に精査したうえで、速やかに国有財産処分に関する見直しを行いさらに適切に対応する。これが政府の考え方だ」と国会で答弁したうえで、「こうした指摘を受けたことは政府として真摯に受け止めてですね、これまでの答弁とこの検査報告との関係についてはですね、関係省庁でまず、その内容を精査したうえで、適切に対応させて頂きたい」と語っていた。 ところが会計検査院が森友学園への国有地売却額について値引きの根拠が不十分だと国会に報告したことに対して麻生財務大臣は「今後、国有財産の管理処分について手続き明確化図り、例外は極力、作らない」としたうえで、今回の森友学園問題についてもう一度検証することはあるのかという問いには「今のところ、ありません」と回答しているのだ。森友側と国側の具体的なやり取りや処分費用単価などの資料がないため、会計検査院から文書管理について改めるよう指摘を受けたことに関し麻生財務大臣は、「行政文書の管理、説明責任を確保することなど、見直しを行う」と説明したという。財務省は来月から国有財産の管理処分や文書管理の見直しについて有識者会議を開き来年にも見直しを行う方針だという。 森友学園への国有地売却価格を会計検査院が「十分な根拠が確認できない」と報告したことについて、石井国土交通大臣は閣議後の記者会見で、友学園への国有地売却価格の算定は「限られた時間のなかで行われたぎりぎりの対応だった」と釈明したうえで、会計検査院の報告について「重く受け止めている」と述べたという。今後同じようなことがある場合には見積もりにかける時間を十分に取るだけでなく、見積もりの手続きを明確にして文書の保存や管理を適切に行うといった対策を行うという。さらに、安倍総理大臣への忖度があったかどうかについて石井大臣は「政治的な配慮はなかったと理解している」と否定し、会計検査院の報告を受けて国土交通省はこの件では再調査は行わない方針だというのだ。
2017年11月25日
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環境省は東京電力福島第1原発事故で発生した福島県内の指定廃棄物の最終処分場の施設を加増しているが、施設の準備工事と搬入路の改良工事は先月に完成させ今月には搬入を始めるための環境が整えたと地元にも説明していたという。環境省は東京電力福島第1原発事故で発生した1キロ当たりの放射性セシウム濃度が8000ベクレル超10万ベクレル以下の福島県内の指定廃棄物などを、埋め立てる同県富岡町の最終処分場に廃棄物の搬入を始めたというわけなのだ。指定廃棄物の最終処分場稼働は全国で初めてで、フレコンバッグに包まれた放射性廃棄物を積んだトラックは楢葉町北部の田園地帯に設けられた新たな搬入路を通り最終処分場に到着したというのだ。。 中川雅治環境相は閣議後記者会見で「安全確保を大前提に、地元住民との信頼の構築に全力で取り組んでいく」と述べているが、施設の埋め立て可能容量は約65万立方メートルで、内訳は福島県内で生じた放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8千ベクレルを超える汚泥や焼却灰などの指定廃棄物のうち10万ベクレル以下のもの約18.2万立方メートルと、原発事故で避難指示が出た周辺11市町村で発生した災害がれきなど約44.5万立方メートルに、周辺8町村の生活ごみ約2.7万立方メートルだという。埋め立て地には遮水シートが設置され埋め立て地で発生した浸出水の処理施設には放射性セシウムを除去する設備があり、濃度が基準を満たしていることを確認してから川に放流するという。 環境省は富岡町と楢葉町に処分場受け入れを要請し、処理費用は国が負担し1カ所に集約せずとも廃棄物の減量を図るとしてきた。福島県や富岡町と楢葉町から了承を得たが処分場隣接の両町の4行政区のうち、楢葉町の1行政区とは一部住民の反対で安全協定が未締結になっているという。一昨年9月の避難指示解除後の帰還し農業を再開するなどして生活再建に取り組んできた楢葉町の近隣住民には「処分場近くのコメの値段がどうなるか不安」といった懸念も根強く、有識者からは「ライブカメラで施設内の状況を見られるようにしてほしい」などと要望があったという。処分場周辺に反対する住民の姿はないが自宅の裏山に処分場が位置する農家の女性は「搬入開始は残念です」と語っている。 環境省は稼働した大熊町側の施設に加え双葉町側の施設も年内の稼働を目指すなど順次施設を増やす方針だが、最終的に計画する施設のうち用地が確保できたのは4割で福島県内各地の仮置き場の解消には時間がかかるという。汚染土壌などは推計で最大約2200万立方メートルに上り、一部の建設予定地への先行搬入を始め30年以内に県外に搬出して最終処分する予定だが処分地選定のメドはたっていないという。中間貯蔵施設の面積は最終的に約1600ヘクタールを計画されており、用地交渉は9月末までに地権者2360人のうち1139人と契約し、面積は約624ヘクタールと39%にとどまっているが、地域の復興や住民の帰還で汚染土壌の仮置き場の早期解消が期待されるがなお課題は多いとされている。 福島県以外で保管量が多い栃木県や茨城県に宮城県等の5県でも国が処分場を整備して処理を進めることになっているが、過去に建設に向けた調査候補地が示された多くの県で地元の反対で調査入りすらできていないという。茨城県では1カ所に集約せず現状のまま保管を続ける「分散保管」を容認する方針を示し地元側と合意しているが、宮城県等では環境省と地元自治体の協議が続き見通しは立っていないそうなのだ。環境省は放射性物質の自然減衰によって濃度が1キロ当たり8000ベクレル以下になった場合指定を解除し、市町村などが一般ごみと同様に処理できるルールも新たに設け、東京都や神奈川県などでも指定解除を申請するなどして既存施設で放射能廃棄物処理を進める方針という。
2017年11月24日
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大富豪のビジネスに関係するおもしろい考えとしては公私混同というのがあるそうで、例えば最初にビジネスをスタートするときにお友達相手からスタートする方が多いという。これは大企業が最初のサービスとか製品を子会社とか従業員に買わせたりすることに近いというのだが、これは真摯な批判がなされることや、製品等のサービスが充実するなどそれなりに効果があるのではないかといわれている。公私混同といえば、欧米の大富豪は遊びに行ったついでに仕事をすることが多いというが、お友達とよくゴルフに行く方がいるんですが、遊びに行っているのかなと思ったら新しい事業展開の話し合いをするとか、さまざまな要望を聞いておくとかミックスされているケースが多いというのだ。 彼ら大富豪が特殊なのはやりたい仕事を選べるし嫌な仕事を任せられる人がいることで、サラリーマンは嫌な仕事でも言われたら請け負わなければならず、そこは賃金をもらいながら働きそれによって出世等が行われる人の宿命ということなのだ。そこには得意や不得意があるがある組織のボスも苦手なことやできないことに嫌いなことはあるわけで、それは部下にやらせて部下は忖度で動くというのだ。そもそも森友・加計学園問題と呼ばれている一連の疑惑が与野党間の対決的な争点となったきっかけは、安倍晋三総理が衆議院予算委員会の答弁で「私や妻が関係していたということになれば、もう私は総理大臣も国会議員も辞めるということは、はっきりと申し上げておきたい」 と断言した時点にさかのぼると言われている。 この森友・加計学園問題など本来は安倍首相夫人を巻き込んだよくある公私混同の問題ないしは、文部科学の認可行政にまつわるよくある不透明な行政上の瑕疵に過ぎなかった話で、それが2月の国会答弁で安倍首相の進退を問う疑惑に格上げされることになったといわれているのだ。安倍首相が2月の段階で昭恵夫人による学園への寄付の真意や、学園の設立への関与についてそれなりの事情説明なり陳謝なりをしていれば、安倍首相周辺のちょっとした「脇の甘さ」の問題として決着していたかもしれないのだし、国有地が不当に安い価格で払い下げられていた問題にしても、関係した官僚や政治家がしかるべき情報を開示したうえで当時の事情を説明していれば、何人かの役人のクビと引き換えに決着する事件だったというのだ。 加計学園の事件でも疑惑の当事者である安倍首相のお友達とされる学園長が参考人招致を拒絶するのみならず世間から姿をくらまし、もう一方の当事者であった当時の文科省次官が情報をリークすればその元次官について世にも不自然な下半身不祥事が全国紙に暴露され、そうしている間にも認可前の新設学部の建設工事は停滞することなく進められ、最先端の獣医学に寄与するという建前にもかかわらず大学院設置へのロードマップは明示されず、四国地方に獣医師が不足しているという開学理由を裏切るようにして、韓国での留学生募集が始められていることが明るみに出てきているし、安倍晋三首相の国会での所信表明演説では学校法人「森友学園」と「加計学園」問題への言及がなかったことも批判されているといった具合だ。 国会答弁を嫌って安倍首相が内閣改造をした後の臨時国会を冒頭解散したり、新たに始まることになった解散後の国会の質問時間の割り振りを変更したりする理由には、当然のことながらならないということなのだ。つまり「何かがおかしい」と多くの人々が感じていることがらについて、まったく説明が為されていない点がおかしいわけで、このおかしさという現象はこの森友・加計学園問題が浮上した当初の疑問のおかしさよりも巨大な疑惑に成長しているのだ。だからこそ本来は文部科学行政上の些細な不祥事であったこの話題は、政権担当者のリーダーとしての資質に疑いがあるという試金石に変貌しているということになってしまったというのだ。だからこそ認可された今治市の獣医学部には注目が集まっているというのだ。
2017年11月23日
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安倍首相は臨時国会の所信表明で加計学園疑惑に一切触れず、衆院選前は「私の友人が関わることだから疑念の目を向けられるのはもっとものことだ」として、国会等では丁寧に説明すると話していたのに衆院文部科学委員会の審議は堂々巡りに終わったという。安倍首相の意向が働いたのか解明されず性善説の言い訳ばかりか、それどころか一部の与党議員の質問内容はマスコミ・野党批判だったという。あるジャーナリストは「委員会は質問する場所であって演説する場所ではありません。与党は質問時間を増やせと言っておきながらとんでもない話です。安倍首相は加計孝太郎理事長を国会に呼べばいい。ゴルフに誘えば来る人なんですから。それとも来られては困るのか」と憤慨していた。 憤慨しているということでは「タダで市有地をあげて施設整備にかかるお金も半分出してあげてそこまでして私立大学を建てにゃいかんのかと思う。疑惑が晴れないまま開学させるなんて今治市民はバカにされとる」と今治市内で建設業を営む代表は憤っている。大学建設の仕事は1つも入ってこず工事を請け負うことができた市内の同業他社はごく少数でそれも期待したほど儲かるレベルではないという。この建設会社の代表は工事のため学校用地に出入りする岡山ナンバーのトラックを見るたび、「情けない気持ちがこみ上げる」日々を送っているという。工事が本格化する前は「地元の業者をできるだけ使ってほしい」という要請が今治市議から今治市の担当課に出されていたというのにだ。 林芳正文科相は加計学園が国家戦略特区制度を使って、愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画を認可し来年4月の開学が決まったが、地元の建設会社代表は「認可を受けるずっと前から工事は進んどって、最初からこうなると決まっていたとしか思えない」と言い、「最初は今治に大学が来るのはええことじゃなあとみんな言いよった。でも工事業者を選ぶのは加計学園だから市内の業者は1社を除きほとんど選ばれなかった。メインは岡山県の業者で今治市の業者に与えられたのは生コンクリートを打ち込む作業ぐらい。儲けの出ない所を現場に近い地元業者に任せたんだと思う。どれだけ国民から疑惑の目が向けられても工事が止まることはなかった。外観上は完成に近く市内の業者は不思議に思っている」とまで語っている。 今治市は加計学園に大学用地を無償提供するほか、施設整備費として最大96億円を供出するとしている。今治市選出の愛媛県県議は「そのうち32億円は誰が出すか決まっていない」と打ち明ける。「今治市は最大64億円までしか出さないと市議会答弁で約束しており、残りは愛媛県に出してもらうつもり。愛媛県知事は加計学園を支援するつもりはないが、愛媛県と友好関係にある今治市を支援する気はあるというスタンスです」とも話している。我々県民の血税が今治市を経由して加計学園につぎ込まれるのであれば、結局は加計学園に税金を使うことになるというのだ。その県議によると今治市民は獣医学部新設について「ようわからん」とか、「勝手にやっとる」などと思いつつも表立って怒りの声をあげる人は少ないという。 私も愛媛県の建設業界で40年以上飯を食ってきた人間なのだが、県内の業界の事情通に聞いた話では「地元大手の工務店が工事を受注した岡山市の建設業者に話をしに行って、元受けである岡山の中手ゼネコンと、新居浜市に本社のあるその工務店と、菅良二今治市長に近い今治市の建設会社で共同企業体を組む条件で交渉したが、どうやら請負金額で折り合いがつかなかったという。ところがその後菅市長に近い今治市の建設会社だけが単独で交渉し下請けに入ったそうで、そのとき菅今治市長が『その建設会社を必ず使ってほしいと言って押し込んだようだ』との噂が流れた。菅今治市長は認めていないが地元建設会社は選挙で応援するなど物心両面で菅市長を支援していることで有名な業者です」というのだ。
2017年11月22日
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金融広報中央委員会は今年の「家計の金融行動に関する世論調査」の結果を発表したが、1世帯当たりの金融資産保有額の平均は前年比73万円増の1,151万円と、2年ぶりに増加しているが、中央値は前年比20万円減の380万円と4年ぶりに減少している。金融商品別の構成比をみると預貯金等は前年比1.2ポイント減の54.1%だが、有価証券等は前年比1.9ポイント増の18.0%となっており、「金融資産を保有していない」と答えた世帯は前年比0.3ポイント増の31.2%と過去最高を更新している。更に銀行等の預貯金口座または証券会社等の口座に残高がない世帯は前年比1.1ポイント増の14.1%に増加しており、安倍政権での金融緩和や財政政策をテコに景気は回復したとされるが「実感は乏しい」との指摘は多いという。 安倍政権が最も強調したのは「デフレからの脱却」と「経済の好循環」で、その実現のため登場したのが「金融政策」・「財政政策」・「成長戦略」の「三本の矢」からなるアベノミクスだった。そんな失敗ではないかとされる言われているアベノミクスに関して、身内である自民党の岸田文雄政調会長が衆院本会議の代表質問で、安倍晋三首相に「アベノミクスをはじめとする政策の先に、どんな社会や目標を見ているのか」と、日本の将来像を問いかける場面があったそうなのだ。ポスト安倍を狙う岸田文雄政調会長は「野党や国民に上から目線で臨んでは信を失い、まっとうな政治も行えない」とクギを刺したうえで、「今の安倍政権には短期的なビジョンしかないと遠回しに言ったもの」と言われている。 第一の矢つまり日銀による異次元緩和が的を外したのは明白で、物価上昇率は9カ月連続でマイナスとなり、「2年程度で物価上昇率2%」はかすりもしなかった。第二の矢の財政政策は毎年のように何兆円という経済対策が打ち出されたが効果は持続していない。法律に盛り込まれた消費増税を理由に2度も延期しなければならなかった事実は、好循環が起きていない証しに他ならないというのだ。安倍首相は有効求人倍率の上昇や雇用の増加を成果として強調するが、数字の改善が雇用の改善とは限らないとされ、高齢化に伴う介護要員の需要増や建設・運輸業界の人手不足が有効求人倍率を押し上げているだけで、経済構造の変化が高賃金の雇用を生み人々が希望の職を得るという望ましい姿はまだ遠い状態だという。 アベノミクス最大の罪は重要な課題を先送りし将来世代に回すツケを一段と膨らませたことだと言われているが、今年度末の国と地方を合わせた長期債務は1094兆円となる見込みで、安倍政権発足時から約160兆円増えているという。アベノミクスの理論的支柱とされた経済学者の浜田宏一内閣官房参与は、かつて日銀の金融緩和だけで経済が立ち直ると考えたがそうならなかったと誤算を認めたうえで、原因を財政政策の踏み込み不足としもっと強力な財政のテコ入れと金融緩和を組み合わせる必要があると説いている。こうなると一段と借金は増えるが経済学者の浜田宏一内閣官房参与は「国の借金であれば消費者金融などとは違って返済期限もなく、将来世代に繰り延べすることもできる」と指摘しているそうなのだ。 安倍首相は衆院選後に初めて開いた経済財政諮問会議で「3%賃上げの実現を期待する」と経済界に5年連続で賃上げを要請したそうだが、長期政権が確実になったことを踏まえて経済界への圧力を強める考えだとされている。しかし今年の春闘の賃上げ率が4年ぶりに2%を割り込むなど企業の慎重姿勢は根強く3%の賃上げが実現するかは見通せない。安倍首相は「『人づくり革命』を断行する」と述べ、幼児教育・保育などの無償化を進める方針も示したそうなのだが、教育費の負担軽減を通じて少子化に歯止めをかけるとともに、子育て世代の消費を底上げするのが狙いだという。消費税増税は遅くとも来年度前半までに判断する必要があり、それまでに増税で腰折れしない力強い経済を実現することが求められるというのだ。
2017年11月21日
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今年は皇太子殿下が私の住む四国地方に来られることが多く、皇太子ご夫妻は香川県まんのう町の県満濃池森林公園で開かれた第41回全国育樹祭式典に出席されたそうで、皇太子殿下は式典で「緑を守り、育んできた技術や文化を次の世代に引き継いでいくことは、私たちに課せられた大きな役割」などとあいさつしたという。この後に皇太子妃雅子さまとともに天皇・皇后両陛下が昭和天皇の名代として出席した植樹祭で植えたヒノキなどの枝切りや施肥をし、皇太子殿下は高松市内のイサム・ノグチ庭園美術館を訪問して地元産出の石などで創作した彫刻家のノグチ氏の作品を鑑賞したそうで、雅子妃殿下は香川県農業試験場で香川県特産のうどんやオリーブの食味・香りの検査などを視察されたという。 皇太子ご夫妻は「第20回全国農業担い手サミット」の開会式出席などのため高知県に来たそうなのだが、当初は午前に羽田空港を出発する予定だったのが台風21号の影響で午後の出発に変更になったという。それでも南国市で最先端の生産技術を取り入れてパプリカを栽培する「次世代型ハウス」を訪問し、温度や湿度の自動管理など生産性を高めた技術についての説明を聞きながらハウスの中を熱心に見学したそうなのだ。皇太子さまは「第20回全国農業担い手サミット」の開会式で「皆さんが地域のリーダーとして、農業・農村の発展に日頃から意欲的に取り組まれていることを大変心強く感じます」などとあいさつしたそうで、開会式には全国から農業者ら約1800人が参加し表彰式も行われたという。 私もボランティアとして参加していたのだが、第17回全国障害者スポーツ大会「愛顔(えがお)つなぐえひめ大会」の開会式が松山市上野町の県総合運動公園ニンジニアスタジアムで行われ、国内最大の障害者スポーツの祭典が幕開けした。愛媛で開かれるのは初めてで皇太子殿下が出席された開会式では、愛媛県選手団約200人が雨の中入場行進する各都道府県や20政令指定都市の選手団を出迎えて大歓迎していたのだ。最後に愛媛県選手団約50人がスタジアムを1周し愛媛国体から引き継いだ炬火を炬火台に点火し、愛媛県の選手が力強く選手宣誓する姿に感動を覚えたものだった。残念ながら雅子さまは来県されず皇太子殿下だけの「おひとり公務」に臨まれている姿を拝見させていただいたのだ。 愛媛県に来県されなかった雅子様だが10月最後の週末は、愛子さまが通われる学習院女子高等科で恒例の文化祭『八重桜祭』が開催されその席に出席されたという。関係者によると「終日雨でしたが、台風を吹き飛ばすくらい校内は活気に溢れていました。各教室では書道や華道の作品が展示されていたほか、愛子さまは高校3年生のダンスパフォーマンスなどをご覧になったそうです」と語っている。2日間にわたって行われた文化祭には雅子さまも両日足を運ばれ、初日は14時前に到着され17時過ぎにお帰りになり、二日目は13時頃から16時頃まで滞在されたという。着実にお出ましの機会が増えていることから、1年半後には皇后となられる雅子さまへの期待は日を追うごとに大きくなっているそうなのだ。 文化祭2日目の日に天皇皇后両陛下は豪雨の中「全国豊かな海づくり大会」の式典行事に出席されたばかりか、7月の集中豪雨の被災地訪問のため福岡県を訪れられていたそうで、年間300件を超える公務は80才を超えられている天皇・皇后両陛下にとって大きなご負担であることは明白だろう。それに対して雅子さまのご公務の数は50件前後に留まっているそうなのだが、無理をされ病状が後戻りしてしまうことに不安を覚える声も聞こえているという。香川県や高知県でのご公務も大切なのは理解しているし、愛媛県に来られなかったという判断は理解もできるが、その期間に私的外出として愛子さまの文化祭にしかも2日間とも足を運ばれたことには、私は愛媛県人として納得しがたいものがあるのだ。
2017年11月20日
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多くの企業は50歳前後の社員に対し「どのようなセカンドキャリアを描くか」についての研修をよく行っているが、そこで感じるのは多くの人が定年後のことを考えていないという事実だという。定年退職したら、やることがない」という人は公的年金額がそこそこ多く退職金と現役時代に貯めたお金で生活費の不安がないからだといわれている。60歳または65歳で定年退職した後は25年から30年あるいはもっと長い人生が残っているが、この時間は何もしないで過ごすには長すぎるといわれており、家でぼんやりしていたら病気になってしまうとさえいうのだ。やることを見つけて何かをすべきなのだが、まず生活費の不安がないならお金目的ではない仕事をすることを考えるとよいという。 少子高齢化で働き手が徐々に減っていく社会環境だし、何となく景気がよくなっているらしく人手不足気味なので、高齢者も働き手に加わることの社会的意義は大きいという。今の60代や70代は元気だから働く体力・気力は十分にあるはずで、退職するまでの仕事で培った経験を活かした仕事でもいいし、全く新しい仕事にチャレンジするのもよしだという。働き方は現役時代のようにバリバリでなくてもかまないし、週に2日でも3日でも早朝の2~3時間でも仕事をすれば、生活にメリハリができてやりがいや生きがいも生まれてくるというのだ。仕事で空いた時間やどうしても仕事はしたくない場合は、趣味・習い事といわず家事分担や地域活動にボランティア活動などに費やすのもよいというのだ。 そう考えていても実際に定年を迎えると思っていたほど楽しめない人が多いのも事実で、ある人は定年後に地元に帰り趣味であるゴルフ三昧の日々を送ろうと、ゴルフ場の会員権を買ったのだがそのうちに「ゴルフが難行苦行のようだ」と言うようになったそうなのだ。その人にとってゴルフは会社の仕事があるからこそ成り立つ趣味だったということで、仕事の合間にあくまで「気晴らし」として楽しんでいたのでそれだけになるとしんどくなったというのだ。定年後に趣味の釣りにますますのめりこみ毎日夢中になっている人もおり、自分の趣味が気晴らしのものか本物なのか定年になるまでわかりづらいですが、単なる気分転換の趣味だったと気づいてから初めて次のステップに進む方も少なからずいるという。 定年になってからまったく新しいことを始めても会社員として培ったレベルまで上げることはほぼ不可能で、趣味・習い事はこれまで続けてきたことをさらに極めるとか、時間ができたらやりたいと思っていたことや全く新しいことでもなんでもかまわないという。趣味・習い事の内容にもよるが初心者でも10年続ければ他人に教えられるようになり、新しい夢や世界が広がるかもしれないというのだ。家事分担は定年退職して家で夫婦が一緒にいる時間が長くなると妻の家事の負担が大きくなるからで、料理好きな奥さんなら喜ぶかもしれませんが夫に毎日3食用意するだけでも大変だというのだ。そこで1食は夫が作るとか掃除は夫が担当するなど、夫婦がストレスを感じなくて済む分担方法を相談して決めるとよいというのだ。 地域活動は町内会や祭りの役員を務めるとかサークル活動に参加するなど会社人間だった人が地域に馴染むいい機会になるというが、もし妻が先に亡くなって夫が1人になったとき地域に馴染んでいれば孤立しないで済むというメリットもあるという。私もボランティアガイドをはじめ多くのボランティア活動をおこなっているのだが、ボランティア活動というのは子ども相手から高齢者相手まで幅広くあるといわれている。とにかくやる気さえあれば「やること・やりたいこと」は際限なく出てくるそうで、あとはやる気スイッチを押すだけだというのだ。どこにやる気スイッチがあるかわからないのでいろいろチャレンジしてみることが大切で、年齢を経るごとに働き方を変えていくのがベストだというのだ。
2017年11月19日
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通勤は面倒なものとなのだが私も現役中は1時間以上かけてJRで職場まで通勤していたが、アメリカの平均通勤時間は往復50分で中にはもっと長い時間をかけて通勤している人もいるそうなのだ。ちなみに日本の平均通勤時間は1時間10分で東京圏に限れば1時間45分だと言われており、多くの人々は通勤時の電車やバスの待ち時間に乗車時間は避けては通れないものだと感じているというのだ。新たな調査では通勤時間が私たちの健康を害し仕事の満足度を低下させる可能性があることを改めて示唆しているというが、この通勤時間等の調査はイギリスの西イングランド大学が行ったもので、5年以上にわたって通勤がイギリスの会社員2万6000人以上に与えた影響を分析した結果だという。 イギリスではこの20年間で1日の往復の平均通勤時間は48分から60分に増え7人に1人が少なくとも2時間を費やしているそうで、研究者らは全体的な生活満足度には該当しないものの通勤時間が1分増えるごとに仕事とプライベート両方の満足度が低下し、ストレスが増えメンタルヘルスが悪化することを発見したそうなのだ。しかし全ての人が同じというわけではないそうで、徒歩もしくは自転車で通勤する人はバスや電車通勤の人に比べプライベートに対する不満が少ないという。最終的に仕事の満足度については1日の通勤時間が20分増えると給料が19%減ったのと同程度のネガティブな影響が及ぶといい、つまり満員電車で立っている時間が長いほど不快に感じているというのだ。 また極めて退屈でつまらない状態で長時間移動しているほど、給料が下がったのと同じくらい不快に感じるというわけなのだが、この研究の責任者で交通分野のキロン・チャタージー博士によると、人はより高い給料のためならより長い通勤時間も受け入れがちだが、それは最終的に満足度を高める傾向があるという。「これは、通勤時間が長くなっても、収入が増えることで、通勤のネガティブな側面が完全に相殺されるのかという興味深い疑問につながる」とキロン・チャタージー博士は言う。その研究は実際に働くよりも通勤がストレスになりうると示した複数の研究結果を支持するもので、通勤時間が長くなるほど一般的に仕事や生活に対する満足度は下がるだろうとこの記事を紹介した雑誌記者は報じているそうなのだ。 ハーバード・ビジネス・レビューに寄稿したある研究チームの論文によると、人はより高い収入が得られると思うと通勤時間を軽く見る「通勤者のバイアス」と呼ばれる現象に陥りやすくなるという研究結果を公表している。論文ではこの研究チームがアメリカの会社員を対象に行った、2つの仕事のどちらかを選択させる調査に触れ、「1つ目の仕事は、年収6万7000ドルで、通勤時間は50分。2つ目の仕事は年収6万4000ドルで、通勤時間は20分」という選択の結果によると、回答者の84%が給料は高いが通勤時間も長い1つ目の仕事を選んだという。これを踏まえて研究チームは1つ目の仕事を選んだ回答者が、この仕事を選択することで具体的にいくら収入が増えるのか計算できるかどうか調べたそうなのだ。 この調査の参加者は実際に計算ができたそうで、答えは通勤時間1時間につき12ドルという結果になったそうで、全体的に見るとバス・電車通勤の人は徒歩・自転車通勤の人に比べより不満を抱えているそうなのだ。研究チームは「被験者の回答は、調査の参加者がより長い通勤時間がもたらす心理的・感情的・物理的コストを十分に理解できていないことを、よく反映している」と書いている。そして職場近くへの引っ越しや転職による通勤時間の短縮は長すぎる通勤に対する分かりやすい解決策だとしている。しかし通勤時間をより楽しく過ごし仕事の満足度を維持する方法は他にもあって、例えば通勤仲間とのおしゃべりやいつもとは違う交通機関の選択も役立つという結果が出ているそうなのだ。
2017年11月18日
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多くの企業が最高益を更新し人手不足も深刻。となれば給与は上がるのが道理だが、一向にその気配はない。企業は儲けたお金をまず株主に配り残りは内部留保にしているのだが、なぜ企業は社員に還元しないわけを実際に企業の担当者は賃上げについてどう考えているのか聞いてみると大手機械メーカーの人事部長は「リーマンショック以降、経営サイドから総額人件費管理を徹底するように強く言われています。業績が向上した場合はその分をボーナスで社員に還元するものの、給与は通常の定期昇給以外は増やさない方針をとっています。また、名ばかり管理職のポストを減らし、もらいすぎている中高年世代の人件費を抑える一方で、20代の若手社員の給与は増やすなど調整しています」と語っている。 人事部としてはもっと社員の給与を増やしてやりたいという意向はあるが、「経営サイド」はなかなか首を縦に振らないようなのだ。この人事部長は「今の日本企業の株主分配比率はドイツやアメリカに比べても低く、個人的には株主配当を増やすのはしかたがないとしても、もう少し内部留保を給与に還元してもよいと思います。でも、経営陣の間にはリーマンショックの時の業績不振やその後にリストラを余儀なくされたことが頭にあり、内部留保をできるだけ残しておかないと不安でしょうがないようです」と語っている。確かにバブル期以降の不況や2000年初頭のIT不況にリーマンショックと東日本大震災後の不況に見舞われ、賃金を上げること対する経営者の警戒心は相当強いということのようなのだ。 しかも企業内唯一の賃上げ勢力である労働組合が雇用を優先し、賃上げに消極的な姿勢を続けてきた経緯もあるという。日本の労働組合に深く根付いた行動様式があるからで、とりわけ春闘の相場形成を主導する自動車・電機などの民間の大手組合は、自らの企業の雇用維持を最優先して賃上げ要求を抑制する行動をとってきたというのだ。2度の石油危機と大リストラ攻勢に臨んで大手の産業別労働組合は、政府の悪政インフレを避けるための総需要抑制政策に協力する形で賃上げを抑制する代わりに雇用維持を優先する方向に転換したというのだ。この行動様式にはその背後に余りに強すぎる正社員だけの長期安定雇用があって、労使協調路線が組合運動の主導権をとるようになり連合結成に繋がったというのだ。 そうであれば人手不足の時代だからこそ転職して自ら賃金を上げるしかないわけだが、ところが残念ながらこれもあまりいい状況とは言えないとされている。活況を呈する転職市場でも賃金は上がっていないというのだ。会員登録数600万人というエン・ジャパンの転職サイト「エン転職」の求人企業が提示する年収の増減率は今年の9月は前年同月比97%と下がっているそうで、業種別でもほとんどの業種で低下し流通・小売は84%だし、運輸・交通や物流・倉庫は87%と皮肉にも人手不足感が強い業種ほど下がっているそうなのだ。前年より年収が上回っているのは好調の不動産・建設・設備のみとなっており、その理由のひとつは全体の求人数に占める「未経験者歓迎」案件比率の増加だという。 未経験歓迎案件比率は3年前では52%だったが今年の9月には75%となっているそうで、職種別では営業系80%に技術系でも電気・電子・機械が66%というだけでなく建築・土木が57%を占めているというのだ。未経験者の採用比率が高まっていることに加えて下限年収を下げるケースが多く、35歳以上のミドルでも平均で前職の年収の100万円程度下がるのが一般的だというのだ。人手不足の影響で大手企業を中心に積極的な採用に動いているが、特殊なスキルや経験の持ち主は別として全体的に企業が採用時の年収を引き上げているわけではないというのだ。全体の賃金が上がらない状況がしばらく続くとしたら後は個人の努力で社内評価を高めてキャリアアップするしかなく、私たちは今そんな時代に生きているというのだ。
2017年11月17日
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新聞やテレビで「労働基準監督署」による取り締まりが報じられる機会が増えているそうで、その「労働基準監督署」で28年にわたり労働基準監督官を務めた特定社会保険労務士の八木直樹氏によれば、いま労働基準監督署が注目している労働問題は長時間労働だという。「労働基準監督署は違法な働かせ方をしていないか、事業場ごとに日頃からチェックしており、労働基準監督署が扱う労働問題の範囲は残業代の未払いや、過労死の労災認定・企業から学生バイトまで非常に幅広い。そのなかでも社会的な変化のなかで、とくに大きく取り扱われる問題が出てきています」というが、労働基準監督官は麻薬取締官などと同じ特別司法警察職員で意外と知られていないが、捜査では警察官と同等の権限を持っているというのだ。 「労働基準監督署」で28年にわたり労働基準監督官を務めた特定社会保険労務士の八木直樹氏は「取り扱うのは、労働関係の法令に関する案件のみで、窃盗犯などには権限は及びません。しかし労働問題については、逮捕、捜査、捜索差し押さえの権限を持っています。監督官は行政指導のみならず、捜査・逮捕もできるのです。ほとんどが書類送検で、逮捕件数は多くはありませんが、違法行為をした人物の逮捕令状をとり、検察に身柄を送検することもあります」というのだ。「労働基準監督署」でやはり多いのは労働者側からの相談や情報提供で、その件数は年々増え続けているという。ただの相談で終わることも多いが法令違反となれば捜査や立ち入り調査となり、法令違反と労働問題は大きく2つに分けられるという。 「労働基準法」・「労働安全衛生法」など労働者の基本的な権利を守る法律には「刑事罰」が用意されており、「賃金・労働時間といった一般的な労働問題と、怪我や職業病、健康障害といった労働安全衛生法に基づく問題への対応があります。私が労働基準監督署に勤めはじめた30年前には、日本の労働問題は製造業や建設業、運送業などの労災や、化学物質による健康被害などが中心でした。しかし、ここ十数年で、派遣切りや名ばかり管理職などの問題が顕在化して、前者のウエートが大きくなっています」という。長時間労働と健康問題は隣り合わせの問題なのだが、労働安全衛生法に関わる問題についても目を光らせており、なかでも従業員の健康管理について指導が増えていくだろうと八木氏は指摘している。 過重労働事案であって複数の支店において労働者に健康障害の恐れがあるものや、犯罪事実の立証に高度な捜査技術が必要となるもの等に対する、労働基準監督官の特別チームを「過重労働撲滅特別対策班」といい、平成27年から厚生労働省の労働基準局監督課に新設されている。「過重労働撲滅特別対策班」の構成員は労働基準監督官で、違法な長時間労働を強いる企業のなかには、パソコンに保存された労働時間のデータを改ざんするなど悪質なケースも多いという。それに対応するための高度な捜査技術が必要となってくるため、専門機器を用いてデータの解析を行い、過重労働が認められる企業などに監督指導や検査を行っているそうで、過重労働による健康被害を防ぐための取組みが行われているというのだ。 ここ20年くらい労働者の二極化が進んでいるといわれるが、それは正規雇用と非正規雇用の問題で、たとえば銀行であれば支店長から末端の行員まで皆が直接雇用の正社員という時代は遠い昔のことで、労働人口のピークだった1995年から派遣社員などの非正規雇用が増え続けいまでは日本の全労働者のおよそ4割が非正規になっているという。非正規雇用の人たちが抱える低賃金や派遣切りといった個々の問題が拡大し、同一賃金同一労働や最低賃金引き上げといった課題の解消が叫ばれている。その一方で正規社員は長時間労働を強いられ裁量労働の名を借りた過重労働で倒れる人が生まれている。正規雇用と非正規雇用どちらもどんどん不幸な状態に追い込まれているというのだ。
2017年11月16日
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持ち運びやすく手軽に食べられお腹もしっかり満たされるというなんとも便利な日本のソウルフードのおにぎりで、私もウォーキングの時など昼ご飯用に作って持っていくのだ。その味はシンプルだからこそ握り方ひとつで変わるもので、絶妙な技を体得して美味しいおにぎりを作ってみたいものなのだ。日々のお弁当やレジャーはもちろん夜食やおやつにも重宝するおにぎりなのだが、だれでもおいしいおにぎりを食べると思わず頬がほころぶというのだ。上手に握るとおにぎりは冷めてもおいしいのが特徴で、持ち上げても崩れないのに口に入れるとホロッと崩れるような、おいしいおにぎりを握るのって意外と難しく、そんなプロの技でおうちのおにぎりをもっとおいしくする方法がITCに載っていたのだ。 行楽シーズンや年末人が集まるこのシーズンにおいしい握り方のコツが掴めたらおにぎりの出番ももっと多くはずで、まずおいしいおにぎりを握るコツは4つあるというのだ。第一点は「ご飯を炊く時は水加減を控えめに」ということで、ほかにも「 炊き上がったご飯を切り混ぜる」とか、「ほどよい塩加減」に「熱いうちに頑張って握るって力加減は優しく」というこの4つのコツをつかむとおいしいおにぎりになるというのだ。ご飯の炊きあがりは「やや固め」の仕上がりになるように水加減を通常より少なめで炊くのがおすすめで、固めに炊くことで後にご飯を切る時にご飯がつぶれたりダマになったりするのを防いでくれるというのだ。お米の種類やその時の気温に合わせて吸水時間を調節しながら炊き上げるのもおいしくするコツだという。 ご飯が炊きあがり蒸らしを十分に済ませたらご飯をバットや大きめのお皿などにあけ、これは平らに広げることでご飯の間に残っている余分な水分が飛びやすくなり、そして米粒が離れるようにしゃもじを縦に使ってご飯を切っていくというのだ。ご飯を切ることによって炊飯器の中で密着していたお米に空気の層が生まれ握った際にふんわりとした口あたりになるという。ご飯を切るイメージがしづらい人もお寿司屋さんが寿司桶でご飯を切っている様子をイメージしてみてご飯を斬るといいそうなのだ。ご飯に斜めに切れ目を入れるようにしゃもじをサッサと動かし、この時ご飯を混ぜないように注意しないとご飯にねばり気が出てしまうことから、混ぜるのではなくあくまで切ることを意識して少し冷ますといいというのだ。 おにぎりを握るには手に塩をつけて三角形に整えるのだが、いきなり手にもって三角形に握るのは難しくてもこれで三角形になるためのガイドができるようにするという。迷いがちなのは「塩加減」なのだがどのくらいの塩の量が適正かというと、「付けすぎ」か「それとも足りない」と気になったら、手を軽く濡らしたあと指2本もしくは3本の指の腹に塩をつけて、手になじませるといいという。少し多いかなと感じるかもしれないくらいが塩は手になじんで程よくおにぎりに付くというのだ。塩加減はお好みによって調節して真ん中に具材を入れ、まわりのご飯をかぶせてゆっくりと握るというのだ。握るときに無駄な圧力を加えないで済むし、衛生面の観点からおにぎりを握る際ラップを使用することもあるという。 ご飯の熱が冷めないうちに素早くおにぎりを握るとよく、はじめはちょっと熱いがそこを頑張って握ると美味しいおにぎりができるという。氷を入れた冷水をボウルに用意して手を冷やしながら握ると良いが、既に冷めているご飯でおにぎりを握る際は人肌程度に温めてから握ると良いというのだ。握る時は赤ちゃんの手を握るようなイメージでふんわりと握り、ご飯は冷めると固くなるためギュッギュッと強く握るとおにぎりが冷めた時に固くなってしまうという。温かいご飯をふんわり握ることが冷めてもおいしいおにぎりを握るコツで、握ったおにぎりは慌てずに粗熱をとるため置いておき、表面が乾いたらのりを巻いて完成で、握った後にしっかり冷まして湿気を逃しておけばラップでもアルミ箔でも問題はないという。
2017年11月15日
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私の住んでいる松山市はあまり大きな事件が起こったりしないのだが、昨日の午後に松山市内で「車に当て逃げされた」との110番通報が複数あった。ここまでなら大した事件ではないのだが通報された逃走車はパトカーなど数十台に追われながら、車の走行が禁止されている市中心部の商店街を走行するなど約50分間走り続けたというのだ。愛媛県警松山東署によると数十台の捜査車両で追跡したそうなのだが、運転していた40代の男は警察官の制止を振り切って逆走や信号無視を繰り返し県庁や商店街のアーケード内を暴走したという。逃走車は松山市のシンボルである松山城を取り囲むように走る国道11号や国道196号などを逃走し、許可無く車が入れない大街道商店街にも侵入したという。 逃走中この車は追跡するパトカーとのカーチェイスを起こし、逃走車は路面電車が走る大通りやアーケード街を暴走したそうで、そればかりか道路を逆走したり看板などに衝突したりしたほか、自転車に乗った60代女性と接触したがこの女性は軽傷だという。つまり信号無視や逆走して物損事故などを1時間近くにわたって繰り返し付近は一時騒然となったというのだ。愛媛県警は道路交通法違反の「転回禁止」の疑い等で、運転していた今治市立花町3に住む会社員の在間亮平容疑者を現行犯逮捕したが、「いろいろなストレスがあり自暴自棄になった」と容疑を認めているというが、驚いたことにこの逃走車の後部座席には逮捕された在間容疑者の母親が乗っていたというのだ。 愛媛県警松山東署によると車から降りて他人の車に乗り込もうとしていた在間容疑者を駆け付けた署員が取り押さえたが、車に遭遇した女性は「振り返ったら車が勢いよく来て怖かった。自転車も置いてあったが、うまくよけていた。カーチェイスがまさかここであると思わなかった」と驚いていたという。原付きバイクに乗りながら逃走車を見たという大学生は「道路を逆走し、白バイとパトカーに追われていた。信号無視もしていた。時速80キロ以上は出ていたと思う」と語っており、松山市役所前で逃走車両を目撃した女性は「南堀端駅から市役所前のカーブで逆車線に入っていった」と話しているという。この事件を目撃した観光客も「私たち関東からの観光客だが、渋谷でそういうのをこの前見たのでとても怖いと思った」と証言しているそうなのだ。 この逃走車はなんと南堀端にある愛媛県警本部近くの交差点では自転車の60代女性と接触しけがを負わせているが、目撃した男性は「ぶつかった瞬間は車のスピードが落ちたが、車に乗り上げた女性が落ちると、よけるように再びスピードを上げて逃走した」と証言し、車側の信号は赤で「男は前一点だけを見ていて、ぶつかる瞬間まで気付いていなかったという感じだ」と話している。逃走していた今治市の会社員在間亮平容疑者は最初の事故から1時間くらいたってJR松山駅に近い大手町1丁目の県道で捜査員に確保され、道路交通法違反容疑で現行犯逮捕されたという。現場にいた男性は「自らドアを開けて運転席から出てきたところを、すぐに数人の警察官が取り押さえた。あっという間に捕まった」と振り返っていた。 在間容疑者が松山市大手町1丁目のUターン禁止場所付近で車を降りたところを駆け付けた署員が取り押さえたが、在間容疑者が運転していたシルバーの乗用車は傷や凹凸のほか、フロントバンパーが外れた状態で左前部のタイヤがパンクしたまま走行していたというのだ。 愛媛県警松山東署は当て逃げや女性へのひき逃げの疑いでも調べているが、後部座席には在間容疑者の母親が乗っていたことから、母親にも当て逃げや女性へのひき逃げの疑いで事情徴収をしているそうなのだ。暴走車は追跡を逃れながら当て逃げやひき逃げを少なくとも4件繰り返し、このうち自転車に乗った女性が救急車で病院に運ばれたが軽傷ですんでいるそうで、暴走がすごかった割には人的被害が少なかったという。
2017年11月14日
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米海兵隊が運用する輸送機オスプレイの重大事故について10万飛行時間当たりの発生率が先月末時点で3.27となり、日本政府が把握する中で過去最悪だったことが防衛省への取材で分かったそうなのだ。沖縄県宜野湾市にある米軍普天間飛行場に配備される前の約1.7倍となっているそうで、他の航空機を含めた米国海兵隊全体の事故率2.72も上回っているというのだ。このクラスA事故率とは「10万飛行時間あたり」の「被害総額が200万ドルを超えるや死者を出した」割合を示す数値で、沖縄で何度も起こしている事故もほとんどがクラスAに該当するという。それなのに防衛省が作成した資料では「海兵隊は、事故率を航空機の機体の安全記録を代表する指標として重視」と紹介しているのだ。 米軍は航空機事故を三つに区分しており、死者や200万ドル以上の損害が出た事故を最も深刻な「クラスA」、重度の後遺症となる負傷者が出た場合や50万ドル以上の損害が出た事故を「クラスB」、軽傷者か5万~50万ドルの損害が出た事故を「クラスC」に分類している。しかも沖縄県が普天間飛行場周辺と伊江島で実施した低周波音調査の結果では、防衛局が示す環境保全の目標値を超過していることが確認されているというのだ。低周波音については明確な環境基準はないが専門家は「影響は深刻で、問題視すべきだ」と指摘している。ハワイでは米軍が住民の求めに応じ空港での訓練計画を取り下げているが、オスプレイ配備をめぐっては沖縄と他地域との「二重基準」も指摘されているというのだ。 米海軍安全センターがまとめた事故評価報告書で米海兵隊航空機の今年の米会計年度の10万飛行時間当たりの重大とされるクラスA事故率が、過去10年間で最高の4・51件に達していることが分かったという。発生件数は7件で昨年12月に沖縄県名護市安部の沿岸で垂直離着陸型輸送機MV22オスプレイが大破した事故も含まれているというのだ。機種別にみるとオスプレイ1件のほか最も多かったのが戦闘攻撃機FA18で3件、次いで大型輸送ヘリコプターCH53が2件とステルス戦闘機FA35の1件となっているそうなのだ。政府は米軍普天間飛行場にオスプレイを配備する際に「MV22は一貫して海兵隊航空機の平均を上回る安全記録を示している」などと説明して沖縄県や宜野湾市などに理解を求めているのだ。 菅義偉官房長官は記者会見で米海兵隊が運用するMV22オスプレイの「クラスA」に分類される重大事故の割合が海兵隊機全体の事故率を上回ったとの一部報道について、「事故率は承知していない」と述べた上で「事故率だけで機体の安全性を評価するのは適当でなく、あくまで目安の一つだ」との認識を示したそうなのだ。政府はオスプレイのクラスAの事故率について「政府としても、これをMV22の安全性に係る説明に用いてきた」と明示した質問主意書への答弁書を閣議決定しているという。日米地位協定には「公共の安全に妥当な考慮を払う」とされているが、事故原因が解明されないまま再発防止策を公表することもなく、原発再稼働と同じ論法で安全性は米国任せでしかない状態なのだ。 沖縄の海兵隊はプレスリリースで、在沖縄米軍トップのニコルソン四軍調整官のコメントを発表しているが、「日本国民にとって、私たちがMV-22の安全性と信頼性に対する最大限の確信を共有し、理解してもらうことは大切なことだ」というのだ。米軍は機体の安全性を強調するが大破した機体の回収はまだ終っていないし、日米地位協定に基づく海上保安庁の捜査協力にも応じておらずそんな中での飛行再開決定という。米軍や再開を容認した日本政府に対し「原因究明は進んでいない」とか、「早すぎる」などの大きな反発が生まれている原因が判明しないまま事故につながった空中給油訓練が再開されており、飛行中止を求める沖縄県の訴えは届かず地元の不安は高まるばかりとなっているという。
2017年11月13日
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コンビニ業界大手のファミリーマートが24時間営業の見直しに着手しているそうなのだが、ファミリーマートは2016年9月にサークルKサンクスと統合し、両ブランドの合計で全国約1万7800店を展開している。ファミリーマートはこのうち深夜帯の来客が少ない数店舗で、深夜から未明にかけての深夜営業をやめ、「売り上げはどれだけ減るのか」とか、「人件費や光熱費などの経費はどれほど浮くのか」など経営への影響を検証するというのだ。それによって人手不足や出店競争で激化する客の奪い合いによりコンビニ加盟店の経営状況が苦しさを増していることに対応するそうなのだが、「いつでも開いている」ことを他業態にない利便性として訴えてきた業界のなかでは極めて異例の試みとされている。 コンビニ業界では最大手のセブン-イレブン・ジャパンが1974年に国内1号店を開業し、1975年には24時間営業を開始し少しずつ全国へと広げてきたという。ファミリーマートも1980年代前半には大半の店舗が24時間営業に切り替わっており、現在では鉄道駅構内やオフィスビル内を除いた約95%が24時間営業店となっている。ファミリーレストランなど他業界では数年前から24時間営業を見直す動きが広がってきているのに、コンビニ業界で見直しの機運が広がらなかったのはコンビニ店舗のほとんどが「株式会社セブン-イレブン・ジャパン」や、「株式会社ファミリーマート」といったチェーン本部の直営店ではなく、本部とフランチャイズチェーン契約を結んだ独立事業主が運営しているからだというのだ。 大手チェーンの場合本部は売上高から商品原価を除いた粗利益の一定割合を、経営指導料という形で加盟店から受け取っているというのだ。つまり商品が売れさえすれば人件費が増えようが減ろうが原則として本部収益には影響しないシステムとなっているという。このためある加盟店オーナーにいわせれば「深夜営業でいくら経費がかさんでも、まんじゅう1個でも売れれば本部は黒字」という構図となっているという。このためチェーン本部は人件費の上昇や深夜の店員確保が難しくなっているといった社会情勢の変化について頭の中では理解していながらも、店舗売り上げの減少に直結する深夜営業の見直しについては、経営指導料が減少するということで及び腰であり続けてきたというのだ。 深夜帯はアルバイトやパートが集まりにくく人件費もかさむため各社業績の重しとなってきているというのに、セブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長は仮に営業時間を午前7時~午後11時に変えれば店全体の売り上げは3割落ちる」と説明し、24時間営業の見直しについて「社内で議論したことはない。加盟店からもそんな声は全く出ていない」と強調している。ローソンの竹増貞信社長もインタビューで「ローソンだけが24時間営業をやめると、客が他のチェーンに流れてしまう」と慎重姿勢を崩さなかったという。そのうえ深夜帯のコンビニでは検品や品出し・清掃など接客以外の作業も行われていることもあって、この点もチェーン本部からみた深夜営業継続の理由の一つだとされている。 24時間営業をやめた場合に消費者にとっての利便性は損なわれてしまため、身近な店舗が深夜営業している便利さと安心感は大きく、「社会インフラ」として消費者の支持を得てきたコンビニが24時間営業を単純に縮小すれば、業界の衰退は免れない。そこでファミリーマートは店員不在の時間帯には店外に設置する自動販売機で商品を買えるようにする「実質24時間営業」という代替案も検討しているという。すでに神奈川県の一部店舗では自販機設置に向けて土地所有者と交渉しているもようだそうで、業界全体では右肩上がりのように思えるコンビニも加盟店の収益性は伸び悩んでいるとされ、売り場の担い手たちの苦境を放置すれば遅かれ早かれ消費者の生活に欠かせない「社会インフラ」は崩壊しかねない状況だという。
2017年11月12日
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多くの企業が最高益を更新し人手不足も深刻という報道もなされているし、政府に至っては安倍首相自ら賃上げを先導しているとなれば給与は上がるのが道理だが、一向にその気配はないという。上場企業の今年度上期決算では軒並み最高益を更新する企業が続出し、その多くは来年3月期決算では過去最高水準の収益を達成する見込みとなっている。好業績を背景に企業の採用意欲も旺盛で、9月の有効求人倍率は1.52倍と1974年以来の高水準で推移し正社員も1.02倍に達し、求人数の拡大は働く人の選択肢が増えることで離職・転職を促進されているというのだ。総務省の労働力調査でも昨年の転職者数は一昨年より8万人増えて306万人となり、10年前と比べると320万人以来の高い水準となっている。 人手不足も深刻で9月発表の日銀短観では大企業はリーマンショック前の人手不足のピークを越え、中小企業はバブル期の1992年以来の水準に達しているという。大手企業が最高益を更新し人手不足がこれだけ高まっていれば誰もが給与も上がるだろうと考える。ところが給与の上がる気配はないし来年も上がる見込みは薄いという。厚生労働省の賃金構造基本統計調査では一般労働者の賃金はアベノミクスが始まった2014年は前年比1.3%増の29万9600円で一昨年の1.5%増の30万4000円と微増傾向であった。しかし昨年は30万4000円と前年と同じ賃金にとどまっている。企業は利益を上げているのに給与が上がらない事実は「労働分配率」の低下からも確認できると言われている。 労働分配率とは企業が稼いだお金から「労働者に支払った報酬」の割合で、厚生労働省労働政策担当参次官室が作成した資料によれば、アベノミクスによる景気回復期においてもなお下がり続け一昨年はついに62%と今世紀になって最低になっている。国税庁調査の昨年の給与所得者の平均給与は約422万円と前年比0.3%増で一昨年の1.3%増を下回っているというのだ。うち正規労働者は前年比0.4%増の約487万円で、非正規労働者は0.9%増と伸び率は大きいが正規の半分以下の約172万円にすぎないという。昨年の3月期決算では上場企業の純利益が前の期に比べて21%増の20兆9005億円に達したが、昨年の春闘の賃上げ平均額は定期昇給込みの5712円と賃上げ率は前年よりも低い1.98%と低迷している。 企業の儲けはどこにいっているかというとひとつは企業利益の蓄積である「内部留保」で、もうひとつは株主配当などの「株主等への分配」であるという。内部留保は毎年積み上がり昨年度は406兆2348億円と過去最高を更新している。また株主等分配率は上昇し続けており、昨年の株主への配当金の総額は20兆円を超え純利益に占める割合は40%を超えている。つまり給与を抑えて内部留保と株主への分配に回しているという構図で、給与を上げるには内部留保を取り崩して給与に回すか株主への分配率を引き下げるしかない。政府もため込んだ内部留保を賃金に回すように要請しているが経済界の抵抗が強く、そのうえ経営に対する株主の力が強くなり株主への利益還元への圧力も年々高まっているという。 みずほ総合研究所の徳田秀信経済調査部主任エコノミストは「株主から配当を増やせという圧力が高まり、株主への分配比率が上昇しています。それでも今の日本企業の株主分配比率はドイツやアメリカに比べても低く、今後も上昇は避けられないでしょう」と指摘している。残された手段は内部留保を賃金に回すことだが、内部留保率を下げていく余地はあるが、ストックで見ると日本企業の株式資産など比率は欧米企業より低く、欧米並みにエ株式資産等を増やしていくとなるとまだしばらくは内部留保比率を下げにくいというのだ。労働分配率が下がりやすい傾向がしばらく続くみたいで、企業は株主への配当を抑えるつもりはなくしばらくは内部留保から賃金に回すことは考えてもいないというのだ。
2017年11月11日
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デフレ化が進みモノの値段が下がる一方で経済状況が変化するにつれ、高額商品の需要も伸びてきているという。最近は「高級業態」か「激安業態」に二極化し中間層がいなくなっている現代において、本当の原価が気になる人は多いと考えられている。食品や衣料品など知っているようで知らない身近なモノから、DNA検査などの想像がつかないモノまで本当の値段とその理由を徹底紹介する本も発売されている。激安を売りにする店や高級を売りにする店では総菜やお弁当で価格の二極化が進んでいる。高級な製品である常温で保存できる自家製ソーセージは国産のフレッシュな豚肉を使用し、ドイツ岩塩で味付けするだけでなく天然の羊腸に詰めて作り燻製用木材は本場ドイツからブナの木を取り寄せているという。 ファストフードチェーンにも広がる価格の二極化がすすんでおり、東京都江東区にある総菜店「キッチンDIVE」は激安がウリで、お弁当も200円弁当から始まったという。次から次へと揚げられるコロッケはジャガイモがたっぷり入ってアツアツだが、その値段が驚きで揚げたてコロッケ5個入りがわずか50円で1個10円という破格の値段だというのだ。フライやトンカツも1つ10円で狭い店内はお客さんで満員御礼だという。20代会社員「メンチカツとトンカツとか7パックで75円ですね」とか、30代会社員の「10円は怖いぐらい安いです」という意見や、20代大学生は「けっこう安いし量も多くておいしいんで」と語るが、トンカツ弁当やハンバーグ弁当など約5種類のお弁当が200円で、毎日約200個作りほぼ完売しているという。 他にも総重量1キロオーバーにもかかわらず555円のお弁当もあり、2つ購入したご家族は「家族4人で食べようかなと。安いの魅力ですね」と語るが、家族4人で食べると1人あたり約280円となり驚くくらいの低価格で販売している。「キッチンDIVE」の宗石慶太さんは「200円弁当でご来店のきっかけになっていただいて、それから1キロ弁当を買っていただく方が多い」と語っているが、200円弁当などでお客さんの購買意欲をかき立て、利益が出やすい1キロ弁当を買ってもらおうという計算された戦略だという。食の激戦区である築地に今月オープンしたばかりの総菜店「刷毛じょうゆ 海苔弁 山登り」はスタイリッシュな厨房で、この店で売れている商品が「のり弁“海”」は1080円だというのだ。 安くて手頃なイメージののり弁がここでは1080円なのだが、のりの一大産地である有明海の初摘み高級のりの上に箱からはみ出さんばかりの巨大なサケが乗り、「家庭料理の最上級」をコンセプトに手作りにこだわったこのお弁当は2店舗で1日600個近くも売れているという。お客さんは「のり弁なんですけど、のりもおいしいし、高いので毎日は買わないと思うけど、時々買いたいなと」と語るが、1080円弁当は早朝からスタッフ総出で丹精込めて作っているという。「刷毛じょうゆ 海苔弁 山登り」の我妻義一事業部長は「こだわりは丁寧に手仕事で料理をさせていただいているというところです。価格は高くなってしまっているんですけど、おいしい物を作ればお客さまに支持いただけるんじゃないか」と語っている。 他にも鶏の照り焼きやレンコンが主役のこだわったのり弁「山」や「畑」を展開しており、今後もこれで客足を伸ばしたいという。そして牛丼チェーン店「すき家」も新たな総菜を展開するがそれはさむーい季節に食べたいアツアツの「おでん」だという。具材は大根・さつま揚げ・こんにゃくなどの定番の5品なのだが「コンビニより安い」を目指したという。値段は250円だがお客さんの20代会社員は「おだしが効いていて、味めちゃくちゃしみてます」という。気になるのはおでんのサイズなのだが大手コンビニのおでんと大きさを比較してみると少し小さめだという。ゼンショーホールディングス広報室・青山きぬ氏は「牛丼と合わせてお手軽な価格で召し上がっていただくためにこの値段に設定しました」と語っている。
2017年11月10日
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2020年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設を巡り、現場監督の男性が月200時間近い残業の末自殺する事件が起こったが、人材不足の中で今後は五輪関連施設の建設ラッシュを迎える現場からは「労働環境を改善すべきだということはわかっているができる状況にない」との声が漏れている。東京都が整備する新設の3施設について小池百合子知事が会場の見直し作業で削減額は361億円となるとしているが、減少分は工事費の圧縮が主となっていることに問題があるというのだ。「過労自殺まで出るような工事なら凍結してほしい」と東京都の小池百合子知事が率いる都民ファーストの会が非公開で行った業界団体のヒアリングで、東京建物解体協会の高橋仁副会長は訴えたというのだ。 新国立競技場の建設現場で働き自殺した現場監督の男性は、都内の土木工事会社に勤務し地盤改良に従事していたが、残業時間が過労死ラインである月80時間を超え自殺は精神疾患を発症したためとされている。高橋副会長は東京都が行う環状2号線は五輪の選手村や競技会場と都心をつなぎ、一部が築地市場跡地を通り市場移転の延期で市場の解体や道路工事の工期は狭められ急ピッチで進める必要があることから、「道路工事はかなり厳しい工期になるだろう」と話したという。東京都は予定価格の事前公表の取りやめなどの入札改革を進めており、高橋副会長は「価格競争が激しくなりダンピングが起こる。週休2日などの働き方改革を進めたくてもできず、業界に若い人が集まらない」と嘆いている。 総務省の労働力調査では昨年の建設業就業者は10年前の12%減の495万人で、国土交通省が実施した建設業就業者アンケートによると、完全週休2日が望ましいと答えた人は52%だったの対し実際に取得できているのは11%に過ぎず、日曜だけ休んでいる人が40%を占めたという。国土交通省は受注者任せでは労働状況が改善しにくいとし、発注者側から週休2日を想定した工期や予定価格を設定したり、週2日は現場を封鎖したりするなどの働き方改革を進めるよう自治体や民間に促している。新設の五輪施設は早い競技場で2019年3月に完成の期限を迎えるが今は多くが基礎工事の段階で、新国立競技場の建設現場では真っ暗になってから仮設の塀の扉か作業員が帰途に就いているという。 新宿労働基準監督署は新国立競技場建設現場の労働環境の調査を開始しており、下請けを含む約800社に違法な長時間残業がないか調査しているそうなのだ。建設業の長時間労働の要因について「下請けの重層構造の中で弱い立場の下請けが上位者に従わざるを得ず、労働者とみなされない一人親方も現場にいて、休みなしの厳しい条件で働く雰囲気がある」と指摘されているが、1次下請けの職人の男性は「忙しいけど、他の現場と変わらない。上司はこの現場から環境を変えなくちゃ、他の現場も変わらないと言っている」と話しているし、2次下請け業者の男性は「クレーンが足りず、作業員にしわ寄せがきている、このままいったら潰れちゃうよ」と不満を漏らしているという。 国土交通省によると建設不況で余剰気味だった人材は東日本大震災の復興需要で一変しているそうで、その後は都内での五輪需要や再開発事業で不足率が上昇しているという。建設業者の話では地方の現場から都内へ人を集め外国人労働者にも頼っている中、未遂を含め過労自殺で昨年度に労災認定された建設業の労働者は16人で、業種別ワースト2だったことが厚生労働省の調べで分かっている。政府は建設業の働き方改革に関する協議会を発足させて、民間工事を発注する経団連など11の経済団体に下請けを含めた労務管理などを求めているが、建設業は自動車運転業務とともに「中小企業の人繰りの苦しさ」などを理由に5年間猶予されていることもあって問題解決には程遠い状態だという。
2017年11月09日
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韓国の文在寅政権は北朝鮮に対する独自制裁を発表しているが、北朝鮮の大量破壊兵器の開発の資金調達に関わったとして北朝鮮の金融機関の関係者18人を制裁対象に指定し、国連安全保障理事会の制裁とは別に独自の制裁措置を決めるのは初めてだという。制裁対象は朝鮮貿易銀行や統一発展銀行など北朝鮮の金融機関の幹部らで、中国やロシア・リビアで活動しながら核やミサイルなど大量破壊兵器開発の資金調達に関与していたという。制裁指定によって韓国人との金融取引が禁止され韓国国内の資産が凍結されるが、韓国では北朝鮮との貿易を禁止されており、実質的な取引がないため象徴的な意味にとどまっている。北朝鮮と取引する第三国の企業や個人に対する制裁など実効性のある制裁は見送った。 北朝鮮への圧力と対話を掲げる文在寅政権は北朝鮮の6回目の核実験後、独自制裁の検討を表明したものの北朝鮮を刺激することを懸念し決定に二の足を踏んでいた。これに対して米政府は米韓外務次官級協議で改めて韓国に独自制裁の期待を強調したことから、トランプ米大統領の訪韓の前日というタイミングでの発表になったという。韓国外交省は独自制裁の発表とあわせ「韓国は制裁と圧迫を通じて北朝鮮を対話の道に導き、核問題を平和的に解決する努力を継続する」との談話を発表したが、ソウル中心部・光化門近くの広場に約5千人の市民が集まり「NO WAR」などと記したプラカードを手に声を上げ、トランプ米大統領が韓国に国賓として初訪問するのを前にソウルで反米デモや集会が増えているという。 李明博政権や朴槿惠政権を経て国内外で韓米日軍事同盟化の動きがあり、米国も韓日関係の正常化などを強く要求しているとされているが、韓米日の南方3角と北中ロの北方3角の間に冷戦時代のような対立構図が形成され、北朝鮮の核問題の解決がさらに困難にならざるを得ないとの意見もあるという。韓米首脳会談を控えた時点に出た発言という点を憂慮する声もあって、ソウル大学国際大学院のイ・グン教授は「米国が韓国の立場を理解することと、それに賛成することは別問題だ。米国がバランス外交論を歓迎することはないだろう」と話している。国立外交院のキム・ヒョンウク教授も「米国が高高度防衛ミサイル追加配備を要求した場合はどう対応するのか」ということも指摘している。 その中でソウル地方警察庁によるとトランプ氏の訪韓中の集会の届け出は100件以上で、その大半が反米・進歩派系団体がトランプ氏を批判するために開く集会だという。出版社勤務の女性は「トランプが北を刺激し、戦争になるのではないかと心配で来た」と話しているが、警備上の危険があるとして青瓦台(大統領府)周辺での集会の禁止を通告しているという。政権発足後から集会の禁止を求めたのは初めてだそうなのだが、デモ参加者は政権の支持基盤でもあることから対応には苦慮しているという。約2千人が参加した反米デモは米国大使館前の路上に20分以上立ち止まりトランプ大統領を糾弾し続けたが警察は制止しなかったそうで、トランプ大統領の風刺画を描いた紙が大使館に投げつけられたという。 それでも青瓦台(大統領府)は「客人を歓待することは韓国の伝統だ。国民の皆さんが心を合わせてトランプ大統領を温かく歓迎してほしい」とする異例の談話を発表したという。文在寅政権は朴槿恵前大統領の弾劾を求めた市民の運動「ロウソク革命」から生まれた政権と自任し、集会の自由を最大限認めてきたが、一部の集会を禁止するなど神経をとがらせているという。それでも文大統領は昨年に国連総会に出席するため米ニューヨークを訪問した際、トランプ大統領と日本の安倍晋三首相と韓米日首脳会議を兼ねた昼食会の際も、「日本は韓国の同盟ではない」という態度を明確に示したそうで、大統領府関係者は「文大統領は首脳会談の度にこのような態度を明らかにしており、安倍首相にも直接数回強調した」と伝えている。
2017年11月08日
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北朝鮮に最大限の圧力をかけることで一致した日米首脳会談について与党からは評価する声が相次いでいる。迎賓館で昼食を交えた会談を行った後首脳会談を約35分間行ったそうだが、会談には日本側は麻生太郎副総理兼財務相らが出席し、米側はティラーソン国務長官らが出席したという。自民党の二階俊博幹事長は「日米同盟が強固だということはアジア諸国や世界に安心感を与える」とし、トランプ大統領が北朝鮮に拉致され帰国した曽我ひとみさんや拉致被害者家族と面会したことについて「拉致問題への深い理解を国内外に示し、日本国民の痛切な思いを共有してもらった」と述べた。公明党の山口那津男代表も「北朝鮮問題で日米同盟の固い絆を確認して世界に示すことができた」と成果を強調したという。 もっともトランプ米大統領は安倍晋三首相との夕食会で、昨年11月に米ニューヨークで大統領就任前に首相と初めて会談した時のことを振り返り、当初は会談に積極的ではなかったと明かしたという。安倍首相はトランプ大統領にとって当選後初めて会談した海外の首脳となっているが、昨年11月に当選祝いの電話を受けた際「『なるべく早くお会いしたい』と言われ、『いつでもいい』と適当に回答した。しれは大統領就任後の今年の1月20日以降の意味で答えた」と説明したそうなのだ。「私は2月とか3月とかと思ったが、安倍首相は今すぐということだった」と食い違いがあったとし、。直後に安倍首相がすぐに訪米しようとしていると知り側近からも「適切なタイミングではない」と言われて断りの電話を入れたというのだ。 そんなこともあっかてかトランプ米大統領は都内で共同記者会見に臨んだ安倍晋三首相に、日本経済は米経済ほど強くはないと述べ、日本が不公正な貿易慣行に従事しているとして引き続き不満を示したそうなのだ。トランプ大統領は日本経済の好調をたたえた後「米経済ほど良い状態かどうかは分からない。違うと思う。この状態を維持するつもりだ。日本は2番目だ」と安倍首相に語り掛けたという。安倍首相はややほほ笑んだが両首脳が互いの友好と両国の強い同盟関係を強調した後だけにやや気まずい空気となったそうなのだ。トランプ大統領は対日貿易赤字を縮小させるため日本経済の開放を求めているが、環太平洋連携協定離脱を決めたためその道筋については合意できていないのが実情なのだ。 野党からは日米の対北朝鮮政策への疑問の声も出ており、立件民主党の福山氏は「圧力を高めることは評価する」としたうえで「武力行使のオプションを避けて、対話につながる内容であることを期待したい」と指摘した。共産党の志位和夫委員長は記者会見で「外交的解決のための方策は一切語られず、危険な無策があらわになった」と述べ批判している。社民党の又市征治幹事長は安倍晋三首相とトランプ米大統領の首脳会談を受けて「北朝鮮に対して制裁や圧力ありきではなく、対話に向けた粘り強い外交努力こそ求められている。トランプ大統領の過激な言動を慎むよう忠告し、戦禍を防ぐよう全力を挙げるべきだ。手放しで無批判に対米追従するという姿勢が浮き彫りとなった」と批判したそうなのだ。 トランプ大統領が日米の企業経営者らとの会合で「平等で信頼できるアクセスが米国の輸出品に対しても必要だ。慢性的な貿易の不均衡を是正し、対日貿易赤字も減らさなければならない」と語り、日本の防衛強化に関し「日本はさまざまな防衛装備を米国から購入することになる」と一層の防衛装備品の購入を求め、安倍首相も「日本の防衛力を拡充しなければならない」と述べ応じる姿勢を示したことに関し、立憲民主党の福山哲郎幹事長は「日本の市場は透明性が高く、発言は承服しかねる」と指摘し、「貿易でどのような要求がなされたのか、安倍晋三首相は国会で説明してほしい」と求めたという。希望の党の大島敦幹事長も「両国の経済交渉に不安を抱かせる。政府は米国に安易に妥協すべきではない」とコメントしている。
2017年11月07日
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安倍晋三首相は初来日したトランプ米大統領とのゴルフ外交に臨み、「シンゾー・ドナルド」の蜜月ぶりを演出したそうだが、2月の訪米時に続きゴルフを通して信頼関係を深めることで日米同盟の強化につなげたいとの思惑があるという。安倍首相はトランプ大統領に記念品として「同盟をより一層偉大に」の刺しゅうを入れた白いゴルフキャップを贈ったそうなのだが、これはトランプ大統領が好んで使うキャッチフレーズ「米国を再び偉大に」をなぞったものだが、大統領は気に入った様子で早速自らのインスタグラムで紹介したそうなのだ。日本政府は首脳会談を前に両首脳が率直に意見交換できるゴルフ外交の舞台を念入りに整えた。トランプ大統領のたっての希望を踏まえプロゴルファーの松山英樹選手の同伴も実現させたという。 北朝鮮情勢をめぐる緊張が続く中で日米首脳のゴルフに対しては危機管理面の不安を指摘する声も出ていたが、外務省幹部は「ゴルフは長時間、2人だけで打ち解けた会話ができる。究極の首脳会談だ」と意義を強調している。安倍首相は2月にトランプ大統領の別荘があるフロリダでゴルフを行い27ホール回ったが、今回は日程の都合で9ホール分だったが実質的な協議を行う機会を持てたというのだ。安倍首相はプレー後に記者団に「楽しいひとときを過ごせた」と満足した表情を見せ、「ゴルフ場であれば、お互いにリラックスして本音の話ができる。難しい話題も織り交ぜながら突っ込んだ話ができた」と語ったというが、北朝鮮問題もあって日米同盟深化に向けて意見を交わしたとみられている。 安倍晋三首相夫妻は夕食会に先立ちトランプ大統領夫妻が宿泊するホテルを訪問し、大統領専用車「ビースト」に4人で同乗して、東京都銀座の鉄板焼き店「銀座うかい亭」で夕食会を開いたという。牛肉好きの大統領のため但馬牛のほか旬の日本食材をふんだんに使った料理でもてなしたそうだが、会食後に安倍首相は記者団に「大変有意義な夕食会でトランプ大統領にも楽しんでいただけたと思う。大変喜んでいた」と満足そうに語ったという。鉄板焼き店「銀座うかい亭」は飲食店の格付け本「ミシュランガイド東京」で一つ星を獲得している高級店で、この日のメニューは北海道産ホタテ貝と白トリュフのサラダ、ソテーした三重県産伊勢エビのビスク仕立て、但馬牛のステーキとデザートだったそうなのだ。 トランプ米大統領は大統領専用機で米軍横田基地に到着したが、基地内で演説し「日本は貴重なパートナーで同盟国。皆さんのリーダーシップと奉仕に感謝する」などと在日米軍兵士らを激励したそうなのだ。また核・ミサイル開発を進める北朝鮮を念頭に、「いかなる独裁者も米国の決意を過小評価するべきではない」と牽制したという。演説では「米国の素晴らしい男女の軍人と、すばらしい自衛隊が集まる横田基地に来れて非常に感謝している」と話し、福島第1原発事故発生後の米軍による被災地支援活動「トモダチ作戦」に従事したことに触れ「何千人もの日本人を救った。みなさんは決して国を失望させたりしない」と称えた。「同盟国と協力を模索し、自由で開かれたインド洋・太平洋地域を推進する」と演説したという。 トランプ米大統領の来日で東京都内は厳戒態勢が敷かれ緊迫した雰囲気に包まれているが、海外で相次ぐテロや北朝鮮情勢を考慮し警視庁は米大統領の単独来日時としては過去20年間で最大規模の約1万8千人態勢で警備に当たっているというのだ。一部の高速道や一般道では交通規制も行われており、宅配便の遅配など市民生活にも影響を与えそうだとされている。警視庁はトランプ氏の滞在先周辺に機関銃を装備した緊急時初動対応部隊を配備する他、大型の警察車両で道路を封鎖して警戒を強めているというのだ。大勢の市民が行き交う「ソフトターゲット」を狙ったテロへの警戒も続けており、鉄道各社も主要駅でロッカーやごみ箱に不審物がないか調べるとともに使用停止にしているそうなのだ。
2017年11月06日
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日本人は欧米人より腎臓の機能が弱く慢性腎臓病になりやすいとする研究結果を、日豪などのチームがまとめ米科学誌に発表したそうなのだが、そのチームの神崎剛東京慈恵会医科大助教は「塩分のとりすぎや肥満に注意してほしい」と話している。日本腎臓学会の推計によると国内の慢性腎臓病患者は1300万人とされ、32万人以上が人工透析を受けているという。日本人の腎機能が弱いのは体格や腎臓ともに小さいためとみられているが、そのうえ塩分の多い食事でより負担がかかるというのだ。神崎剛東京慈恵会医科大助教は「ネフロンの数は出生時に決まっている。近年増加傾向の低体重で生まれる赤ちゃんが特に心配だ。生活習慣に気をつけ、腎機能を継続的に調べる必要がある」と語っている。 腎臓は腰の上あたりお腹の後ろ側に背骨を挟んで左右1つずつあって、形はそら豆に似ていて重さは1つ120〜160gで大きさはにぎりこぶしぐらいだという。腎臓の最も大切な働きは体の中にたまった老廃物や余分な水分を外へ出して血液をきれいにすることで、これを「ろ過」といい血液が腎臓に流れ込んで糸球体を通るとき、糸球体の壁から老廃物を含んだ液体がこし出されていくというのだ。これを原尿といいその原尿が尿細管や集合管を通ると、体に必要な成分や水分は再び吸収され、尿細管では不要な物質の排泄もするという。そして最終的に老廃物と余分な水分だけが尿となって体外へ出されるが、ネフロンの働きで腎臓は尿の濃さや量を調節し体内のイオンバランスや酸性度などを適正に保っているというのだ。 血液中の老廃物を濾過して尿を作る組織「ネフロン」は基本的な機能単位であり、腎臓の皮質部分に位置にある腎小体とそれに続く1本の尿細管のことで、その数は腎臓1個あたり約100万個あるとされてきた。人間の場合は左右の腎臓合わせて2百万個ほど存在し、各ネフロンで濾過し再吸収して分泌・濃縮が行われ原尿が作られていくという。腎臓はろ過以外にもいろいろな機能を持っており、そのひとつがホルモンの産生・分泌で腎臓から産生されるエリスロポエチンは骨髄での赤血球の産生を促している。また「レニン」・「プロスタグランディン」・「カリクレイン」・「キニン」は血圧を調整しており、さらに腎臓はビタミンDの活性化も行いそれによりカルシウムの吸収が促され骨が丈夫になるというのだ。 腎臓はさまざまな働きをしているためその腎臓の機能が低下すると、体内に老廃物や水分がたまるだけでなく、赤血球が作られず貧血で体がだるくなったり、ビタミンDが活性化されず骨がもろくなり骨折しやすくなったり、といったさまざまな問題が起こるというのだ。腎臓の働きが悪くなると体内の尿素をはじめとする有毒物質が排出されにくくなり、体内に毒素がたまり多くの障害を起こすことになって腎不全ということになってしまうのだ。この腎不全には意識障害などの精神症状を伴うことがあるが、その場合を特に尿毒症というそうなのなのだ。この腎不全の治療には人工透析が行われるが、つまり腎臓の役割を人工透析器という機械を使って、体内の血液を体外に取り出してろ過し老廃物を取り除いて再び体内に血液を戻すというのだ。 腎臓の研究をしている日豪などの研究チームによると、「ネフロン」の数は20万~200万個と人種などで差が大きいとわかってきたという。このチームは国内の健康な人だけでなく、高血圧や慢性腎臓病の各9人の計27人の腎臓を調べたところ、推計すると健康な人は平均64万個で高血圧患者は39万個となり慢性腎臓病患者は27万個だったという。欧米人の平均90万個と比べ大幅に少なかったが、慢性腎臓病では日常的な腎臓の負担をできるだけ少なくするよう食事などの生活習慣を管理した上で、薬を使ってコントロールするというのだ。仕事や家事・学校生活はどの程度行えるか通勤通学は可能か、血圧や体重のコントロール方法に運動の程度などそれぞれの患者の状態に最適な方法を見つけるというのだ。
2017年11月05日
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給料もあまり上がらず家計に厳しい時代が続いており、収入は増えず貯金を切り崩して何とか生活している人も多いとされている。そんな厳しい時代でも貯めている人はいるそうで、厚生労働省の平成28年国民生活基礎調査で貯蓄額の平均値を確認してみると、私と同じ60~69歳では1339.4万円になるそうなのだ。やはり世代が上がるにつれて貯蓄額は増えていき、50歳代になると平均で1千万円を超えてくるというが、地道に貯めていればこのくらい積み上がっていくよういで、教育や老後に備えて準備している世帯は多いという結果となっている。60歳代で貯蓄額はピークを迎えその後は徐々に減っていくのは、仕事を引退して支出の方が多くなっているからだと考えられている。 各世代の貯蓄額の分布を確認してみると世帯主が29歳未満の世帯から80歳以上の世帯まで貯蓄額ごとの割合では、20歳代は貯蓄額「50万円未満」の世帯が23.3%で最も多く、次が「貯蓄なし」と「100~200万円」の15.3%となっているそうなのだ。半数の世帯が貯蓄100万円までに属しており、20歳代ではまだまだ貯め始めの時期のようなのだ。それが30歳代になると500万円以上貯めている世帯が増えてきて、40歳代より上は貯蓄額「500~1000万円」の世帯が多くなり、60歳代より上は貯蓄額「3000万円以上」の世帯が1割以上も存在している一方で、貯蓄ができていない世帯も一定割合存在しており、「貯蓄なし」の割合はどの世代でも15%前後になっているそうなのだ。 老後はお金を貯蓄する時期ではなく貯蓄したお金を取り崩して使う時期とされるが、余命がどんどん延びて必要な老後資金が増えているにもかかわらず、少子高齢化で老後の生活費の柱になる公的年金は減っていかざるを得ない状態になっている。高齢者といえども税金や社会保険料が増え医療・介護費用の自己負担も増える傾向となっているのに、子ども世代には頼れないなど老後を貯蓄の取り崩す時期と位置づけるのは無理な時代にダンダンなってきたというのだ。そこで老後を二段階に分けて「貯める・取り崩す」のプランを考えなければならず、定年退職の後継続雇用または再就職で働きそれも退職したら、パート・アルバイトや起業などどんな形でもいいので働き続けることが必要だというのだ。 今はいつから老後かは自分で決められる時代だということで、働き続けることで本格的な老後を少しでも後ろ倒しにしようということが必要だという。この「プレ老後」ともいえる時期は就労収入と公的年金で生活費をやりくりし貯蓄など取り崩さないことを心がけ、まずは貯蓄を減らさないということが大切で就労収入が多い場合は、公的年金で足りない分以外を貯蓄に回すことも考えるべきだというのだ。もちろん「余ったら貯蓄」では余らないことが常なので、お金をもらったらすぐに貯蓄用の口座に入れ、毎月就労収入のいくらまたは何割など積立額や割合を決めて貯蓄することも必要だというのだ。こうして貯蓄を継続し少しでも老後資金を増やすのだが、いずれ第二段階に入ってくるというのだ。 働き続けていてもいずれは体力・気力の衰えや家庭の事情で、働きたくても働けなくなるときがやってきてしまい、ここからが本格的な老後ということになるという。この時期から亡くなるまで貯蓄を取り崩しながら生活していくことになり、勤労収入は期待できず医療費等の支出が増えていく世代ではいざという時に貯金は大事だという。公的年金等の収入が十分にあれば良いのですがそうでなければかなり心配な状況になっていく。老後資金が潤沢に貯まっている人は別だがそうではない人はあまり贅沢をせず、老後資金が枯渇しないようお金の習慣を少し改めることが必要だという。それよりもまずは本格的な老後の期間をできるだけ短くするため、健康に気を配ることも大切なことのようなのだ。
2017年11月04日
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税法上では消費税と地方消費税の総称は消費税等と呼ばれるそうなのだが、この消費税等の税率は「消費税6.3% + 地方税1.7%相当 = 8%」となっている。地方税は消費税(国税)と同様に商品の売上げやサービスの提供などに対して課税されるもので、その課税標準は国税における消費税額の税率は63分の17とされ、一般的には消費税の税率は「8%」であると思われている節があるが、税法上は国税である消費税の税率は6.3%であり、それに地方消費税分(6.3%×63分の17=1.7%)がプラスされているとするのが正しいのだという。このように地方公共団体(都道府県や市区町村)にとっては、地方税部分は地方行政サービスを提供するうえでの重要な財源として利用されているというのだ。 消費税は税率8%のうち、1・7%分が地方に配分され国が自治体に代わりまとめて徴収し、都道府県に割り当てる仕組みとなっているが、現在は税収の75%を都道府県ごとの消費額に応じて配分し、17・5%を人口数と7・5%を企業等の従業員数に基づいて配分額を計算しているそうなのだ。ただ地方の住民が大きな店のある都市部へ出かけて買い物するケースもあり、地方消費税の配分が都市部に偏ることが問題だったという。人口1人当たりの地方消費税収は最大の東京と最小の沖縄で1・6倍の格差があって、現行の仕組みでは東京都に地方税部分の配分額が偏り過ぎているという批判が一部ではなされており、与党の平成29年度税制改正大綱においては配分基準の見直しが盛り込まようとしていた。 配分基準の見直しでは税率だけでなく国と地方また個別地方公共団体間における税収配分の仕方も大きな論点となったそうなのだ。現行の基準なら地方消費税は事業者の住所または本社所在地の税務署や保税地域が所在する都道府県に払い込まれることから、消費が実際に行われた都道府県の税収となるように消費に関連した統計数値に基づいて都道府県間の清算が行われているそうで、清算を行ったあとその額の1/2は都道府県内の各市町村に交付されているというのだ。ところが消費税のうち地方の税収となる地方消費税の配分方法について、財務省が消費額に基づいて大半を割り当てる現行基準を見直し、65歳以上の「老年人口」と15歳未満の「年少人口」の比率に応じて配分する改革案を検討しているという。 税収配分の偏りは必ずしも都市部と地方部の間で生じているのではなくむし、都市部間で生じており、その中でも特に東京都が突出していることがわかるという。例えば東京都近郊の埼玉県や千葉県に神奈川県は1人当たりの消費支出に対する1人当たりの地方税部分の配分額が相対的に少ない。この原因は清算基準のウェイトの75%を占めている財・サービスの販売額基準および10%を占めている従業者数であると言われている。改革案では消費税収が高齢者や子育て世帯を対象とした社会保障費に充てられている点を考慮し、現行の配分基準を全てなくし子供と高齢者の人口による基準に一本化する案だとされ、老年・年少人口の比率が高いほど地方税部分の配分が増えるようになるというのだ。 地元での消費額や働く先が相対的に少ない地方に配慮するとされており、高齢化に配慮し消費額が相対的に少ない地方への配分を増やすことで都市部との格差を是正するというのだ。これから「財政制度等審議会」に提案されるというが、地方公共団体間の税収配分の地域的な偏りは比較する税目によって様相が大きく異なるため、税収配分の地域的な偏りを小さくするにあたってはどの税目をもって判断するのか、どの程度の偏りであれば許容するのかそのうえでどのように対応するのか、というような丁寧な議論が必要だと考えられている。政府・与党は年末に議論する平成30年度税制改正で詳細を詰める方針だが、地方は配分が増える一方で東京党の都市部では減少が予想され調整は難航しそうだと言われている。
2017年11月03日
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開催された国会では午後の本会議で行った首相指名選挙で、安倍晋三自民党総裁を第98代首相に選出し、安倍首相が312票と定数465の3分の2超の得票を集めたという。立憲民主党の枝野幸男代表は60票で希望の党の渡辺周元副防衛相は51票だったし、民進党の大塚耕平代表が16票だった。衆議院議長に自民党の大島理森前議長と副議長に立憲民主党の赤松広隆元副議長が本会議で選出された。菅義偉官房長官は首相官邸で第4次安倍内閣の閣僚名簿を発表したが、第3次安倍第3次改造内閣の全閣僚が再任された。安倍晋三首相は皇居での親任式・認証式を経て第4次内閣を発足させ、その後に記者会見を行い政権運営方針などについて説明することになる。 その国会運営だが自民党が仕掛けたのは野党の質問時間を制限する作戦で、通常国会から首相らの頭痛の種となってきた「森友・加計学園疑惑」はまったく解明が進んでいないのに、安倍首相は「真摯に丁寧に説明する」と繰り返してきたが今回の質問時間見直しの動きは、「国会審議で野党追及の時間短縮を狙ったものであることはミエミエ」なのだ。安倍首相らは自民圧勝という結果にも「謙虚」を合言葉に笑顔も封印してきただけに「早くも地金が出た」と批判されても仕方がない暴挙なのだ。野党側は「とんでもない暴論で妥協の余地もない」などと猛反発しているが、与野党の国会でのそれぞれの質問時間は国会運営上の慣例として議席数に比例させずに野党側に多く配分されてきているのだ。 論戦の主舞台となる予算委での質問時間配分をみると政権交代前はおおむね与野党は「3対7」だったが、民主党政権下で強力野党だった自民党の要求で「2対8」となり、第2次安倍政権以降も基本的にそれが踏襲されてきた。自民圧勝で多くが勝ち上がった当選3回組の一部議員が「われわれは『魔の2回生』と呼ばれ、大勢なので質問の機会も少なく、週刊誌などで『働かない議員』などと批判されてきた」として党執行部に議席数に見合った質問時間の確保を直訴した。これに安倍首相も理解を示したことから自民党側が時間配分の「7対3」への逆転を提案したというのが経緯だというが、自民党の幹部も「あれは言い値で、落としどころは『4対6』あたり」が本音とみられている。 この提案に野党側は「もともと野党時代の自民党が要求したもので、手の平返しも度が過ぎる」と折り合う気配もないが、野党側も民進分裂の後遺症などで国会戦略はまだ定まっていない弱みもあるというのだ。特に希望の党は代表質問などで自民追及の先頭に立つはずの共同代表が不在で特別国会後の選出を想定しており、このため自民党が当初提案した特別国会の会期8日間を1カ月程度に拡大した場合は、会期中の共同代表選実施という異常事態ともなりかねないという。それでは野党が要求する安倍首相の所信表明演説と各党代表質問や、衆参両院での予算委審議や疑惑解明のための集中審議や証人喚問に対応するための野党態勢づくりがすべて後手に回り「与党を利する結果」にもなりかねないという。 今召集されている国会はいわゆる「加計疑惑」に絡んで政府が先送りしてきたとされるが、文科省大学設置審議会での加計学園・獣医学部新設認可に関する最終決定や、森友学園問題での会計検査院の検査結果公表は、いずれも11月中に予定されているというのだ。だからこそ政府・自民党は「本格的な野党の追及」を年明けに先送りしたい思惑もあって、質問時間配分や国会会期設定で野党を揺さぶっているというのだ。しかも8月に発足した改造内閣を「結果本位の『仕事人内閣』」と命名しているのに、閉会中審査を除けば既に本格論戦なく3カ月がたっても全員が留任されている。政治学者も「仕事人のはずが国会にこれだけ閣僚が来ないのは前代未聞。国難ってモリカケのことなのか」と憤っているというのだ。
2017年11月02日
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道交法改正で自転車の歩道走行が容認されているが、これは緊急避難的措置だったがこの方針は長らく見直されなかった。交通ルール違反が後を絶たず事故が深刻化している自転車なのだが、こうした状況を改善しようと警察庁はこのほど自転車交通総合対策をまとめて全国の警察本部に通達したという。中核をなすのが「車道走行の徹底」で歩行者保護を柱とする自転車の総合対策をまとめている。通達では自転車が通行可能な歩道の基準を引き上げたほか悪質な運転の取り締まりを強化するそうなのだ。警視庁は「車道走行の原則やルールの周知徹底を図り、事故抑止につなげたい」としており、歩道走行が事故を招いているとの指摘がある中従来の姿勢を大きく転換したとされている。 総合対策の要点は「自転車通行可の歩道削減」や「自転車レーン(自転車専用通行帯)設置」だけでなく、自転車横断帯撤去などによる車道走行環境の整備を行うとともに、「ルール周知と安全教育」や「指導・取り締まりの強化」の4点で警察庁が公表しているが、総合対策を浸透させていくにはハード・ソフト両面で課題が多いという。その中でも幅3メートル未満の歩道で自転車の走行を原則禁止する方向を掲げ、「自転車通行可」標識の撤去を検討していくという。また自転車レーンのスペースを生み出すため片側2車線以上の道路で車の車線を減らしたり、歩道の延長で交差点に設置された自転車横断帯をなくしたりするのは、車道を走行する自転車が交差点をスムーズに直進できるようにするのが狙いだという。 道路交通法で自転車は「軽車両」と定義され車道通行が原則となっているが、各都道府県公安委員会が認め標識で明示している歩道は通行できるし、子供や高齢者が運転する場合や車道が危険な場合なども歩道通行が認められている。警察庁は自転車が通行可能な歩道の幅員についてはこれまで通達で原則「2メートル以上」としていたが、歩行者との接触事故などが後を絶たないことを受け今回の総合対策に併せた新たな通達で、道路構造令の基準のとおり「3メートル以上」に改定している。各都道府県警が今回改正された通達を踏まえ交通量などの個別事情も考慮して通行可能な歩道の具体的な見直し計画をまとめ、警察庁が年明けをめどに公表する見通しとなっている。 幅員が3メートル未満でも、並行する車道の交通量が多い歩道などは自転車の通行を引き続き認めるとみられる一方、歩道を通行する自転車に対して「歩行者優先のための一時停止」や「車道寄り通行」といったルールの周知徹底を図るほか、悪質な自転車運転は道交法違反で摘発するなど取り締まりを強化するという。競技用自転車「ピスト」などブレーキを外した整備不良も対象にするとともに、自転車教室を授業に組み込むよう学校や教育委員会に強く要請し社会人や主婦についても運転免許更新時講習や事業所単位でルール教育を行うよう指示するそうなのだ。警察官がスピードを出したい自転車利用者に車道走行を指導し、歩道で歩行者に対し危険な走行を繰り返した者には交通切符を切っていくという。 総合対策の背景には自転車政策の長期にわたる不十分さとそれによる事故増加やマナー悪化があるとされるが、道路交通法は自転車を「車両(軽車両)」と位置づけ車道の左側走行を義務づけているが、急速な車社会の進展による「交通戦争」を受け交通事故死者を減少させる一環として自転車を車と分離する方針がとられるようになったというのだ。それがこの10年間で自転車事故は深刻化し、自転車事故は15万1626件で件数自体は減少傾向だが交通事故全体に占める割合は20・9%で漸増傾向となっている。特に歩行者との事故は2760件で10年前の1・5倍となり自転車同士の事故も3796件で1・6倍になっている。自転車と歩行者の事故はもちろんほとんどが歩道上で発生しているという。 事故に至らなくてもスピードを出して歩道等を走り抜ける自転車に怖い思いをしたとの歩行者の声は多く、特に高齢者や障害者は危険に直面しているとされている。また「歩道の暴君」と呼ばれる自転車の歩道走行は、自転車と車との事故増加につながっているとの研究もある。自転車事故の約7割は交差点で起きているが歩道を走る自転車は街路樹やガードレールなどで車から死角になるため気づくのが遅れ、交差点付近での事故が起きるというのだ。運転免許更新時講習や事業所単位でルール教育を行うことでは、自転車のルール違反やマナー悪化も目立つことから行うのだが、自転車乗用中に死傷した人の65%に何らかの交通違反があったことも「ルール周知と安全教育」や「指導・取り締まりの強化」の要因となっている。
2017年11月01日
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