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欧州連合からの離脱を正式に通告したイギリスだが、どのような影響を及ぼすのかは不透明だが、少なくとも1つの業界はブレグジットを喜んでいるそうなのだ。それはスコッチウイスキー業界で、シングルモルトのスコッチウイスキーは昨年の輸出売上高が初めて10億ポンドを上回ったという。一昨年のシングルモルトのスコッチウイスキーは昨年の輸出売上高は9億1400万ポンドだったそうなのだが、高級品市場での売上が伸びたことがその原因だと言われている。スコッチウイスキーはその総生産量の93%が輸出されるため輸出売上高は極めて重要となっており、売上が伸びているのはシングルモルトに限らず、ブレンドも含むスコッチウイスキー全体の輸出売上高は昨年には40億ポンド近くにまで達しているというのだ。 スコッチウイスキーは輸出売上高のピークが2012年の42億7000万ポンドで、その後3年連続で落ち込んでいたというのだが再び増加に転じているそうなのだ。ちなみにシングルモルトはスコッチウイスキー全輸出量の25%を占めているが総生産量では全体の10%にすぎないとされている。これまでのところイギリスが欧州連合からの離脱を決定したことは、ウイスキーの輸出量の増加を招いているというのだ。ポンド安で輸出価格の競争力が増しており、離脱を問う国民投票後にスコッチウイスキーの輸出量は急増したそうなのだ。輸出増加分のうち多くはアメリカ市場に渡っているそうで、昨年にアメリカで販売されたスコッチウイスキーは8億5560万ポンド相当で前年よりも14.2%多かったという。 次いで多いのはフランスで総売上高は4億1620万ポンドとなっており、その後はシンガポールや台湾といったアジアが多くなりスペインが続くという。シンガポールは意外な市場に思えるかもしれないがここからさらに東南アジアと中国にも流通されているそうなのだ。これまでは貿易障壁があり難しかったインド市場向けの売上も大幅に増えており、インドの蒸留酒製造所がスコッチウイスキーを大量に購入し「インド製の洋酒」と混ぜて販売しているそうなのだ。日本向けの輸出量も8.4%増加しており、輸出売上高は8220万ポンド(約115億円)に達している。希少価値の高いウイスキーを投機対象としたウイスキーファンドが登場し、日本でもネットオークション等を活用して利益を得ている人がいるという。 専門家は「ウイスキーは大きく分けて、『レアリティ』と『クオリティ』の2点で評価されているように思います。レアリティとは製造元である蒸留所が閉鎖されて生産されていない銘柄や、蒸留所の生産第一号やシリーズを組んでリリースされているもの、非常に長い期間熟成された古酒など希少性の高いボトルのことです。なかには世界で数本とか数十本というリリース数が極端に少ないものもあり、そうしたボトルを求める愛好家も多いのです。クオリティとは中身でつまり香りや味の評価です。ウイスキーの香味は様々ですが大多数から高い評価を受けるようなウイスキーは、麦から作られたとは思えないほどフルーティーで芳醇な香味をもつものが多くあります。味が良いとされる特定の蒸留所の製品、数十年単位で熟成された古酒は高い評価を受けやすいようです」と解説している。 もっとも英国で落札されたウイスキーのうち最高値を付けたのはサントリーのシングルモルトウイスキーである50年物の「山崎」だったそうで、落札額は6万2600ポンド(約870万円)だとされている。ウイスキーは本来なら投資商品ではなく純粋に飲んで楽しむことこそが醍醐味で、ウイスキーが注目される理由を知るには飲んでみることが一番だとウイスキー好きの私は思っているのだ。専門家も「ウイスキーの香味が形成されるメカニズムはある程度解明されているとはいえ、まだまだ謎が残されています。小難しいことを抜きに時間の流れを楽しむ相棒として味わうのも魅力的です」と語っている。なにも考えずただグラスの中のウイスキーをゆっくりと楽しむというのは贅沢な時間の使い方だと考えているのだ。
2017年03月31日
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現在の茶道人口の九割程は女性とされているが、他方で近代日本を牽引したリーダーたちは「数寄者」と呼ばれた茶の湯の愛好者であったとう。もともと茶の湯は戦国武将が心酔した荒くれ者の文化で、明日をも知れぬ命を捧げ戦いに明け暮れた彼らは、茶の湯に生かされていたとも言えるそうなのだ。そもそも日本に茶が入ってきたのは7世紀前半から9世紀前半に朝廷が派遣した遣唐使で、中国の様々な文物を持ち帰選ったと同時に9世紀前後に日本に伝えられたというのだ。唐の宮廷で茶を飲む風習があったからだというのだが、それが嵯峨天皇の頃に入ってきたというのだ。公式的には栄西が「臨済禅」を伝えたということなっており、その時の茶は「団茶」と呼ばれる発酵茶だったそうなのだ。 この「団」というのは石鹸みたいな塊のことで、これを細かく削ってお湯を入れておそらく塩とかも入れて、今で言うたらコンソメスープみたいな感じで飲んでいたそうなのだ。その栄西が日本における「茶祖」とも言われていて、中国の宋の時代は「抹茶」が流行しており、飲み方で言うと茶のエッセンスを飲む発酵茶と異なり、これは茶葉を食べているようなもので茶葉を石臼で挽いて粉にしてまるごと茶葉を身体に取り入れていたそうなのだ。そのことからビタミンCとかポリフェノール・うま味成分のテアニン・渋み成分のタンニンに含まれる薬用効果のあるカテキンといった身体にいい成分が一杯摂取することが出来ていたというのだ。 禅寺の生活は自給自足の修行ですから栄養補給などの為にお寺の側に茶園を作り、茶の栽培から製法に飲み方までが一つのシステムとしてあったとされている。つまり栄西が禅宗を日本に伝えた時に「禅院の茶」のシステムも一緒に持って帰って、栄西から明恵上人が種を譲り受け京都の栂尾に蒔いた茶を「本茶」と呼ぶというのだ。茶の湯もそんな武士たちによって育てられたという側面があって、建保二年の「吾妻鏡(あずまかがみ)」の記事に将軍源実朝の二日酔い事件が記されているという。前の晩の宴会の深酔いで源実朝は体調が悪くてかったが、その時に鎌倉に布教に来ていた栄西が茶を飲ませて大変効果があって将軍が喜んだという出来事が、寺院から武家社会に茶が受け入れられたきっかけだというのだ。 また栄西は「喫茶養生記」という書物の中で薬を飲む時の効能書きに当たることも書いているのだが、当時お茶は薬のように捉えられていた部分があるというのだ。「喫茶往来」という室町中期の資料には会所では食事・連歌・和歌の会をし、それから香を焚いたり茶を飲んで楽しんだり、それを長い時間をかけてやると書かれてある。その本の中に「茶会」という言葉もその中に出てきており、また正徹という歌人が著した歌論書の「正徹物語」には、闘茶に集まる人たちの中に「茶数寄」・「茶飲み」・「茶くらい」という三種の人がいると書いてあり、中でも「茶数寄」と呼ばれる人は茶の味を楽しむだけでなく、茶の道具を自分の好みできちんと揃えて楽しむとして、茶の湯に美意識を持つ人が現われたということが分かるというのだ。 「茶の湯」というとどうしても「わび・錆」の世界という事になるのだが、茶の湯の「侘び」・「寂び」という美意識が和歌と繋がっているというのだ。いわゆる「侘び」とか「寂び」とかそういった感じの美意識が、茶の湯が盛んになるこの時代に胎動していたということなのだとされている。この「侘び」というのは〈思い通りにならない感情〉の動詞である「侘ぶ」からきているそうで、これは平安朝の歌にもよく出てくるそうなのだ。また「寂び」の原義は〈生命力が衰えること〉で、例えば人間が孤独で生きていく力が無くなったら、それは寂しいになるというのだ。金属も時が経つと「錆」が出てしまうように、生活の余裕が無いことの気持ちとか、時が経って生命感が失われていくような状態を、分かり易く言うと古ぼけていくこととして日本人は和歌の世界で美的な感覚に切り替えていたというのだ。
2017年03月30日
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3月というのは退職とか転勤のシーズンなのだが、今60歳で定年を迎えた人の多くが再雇用制度を利用して引き続き同じ組織で働き続けているという。東京都が行った「高年齢者の継続雇用に関する実態調査」では、86.1%の事業所が「継続雇用制度の導入」をしており、定年到達者の65.8%が継続雇用されているそうなのだ。ところが再雇用というのは会社の規模や仕事の内容だけでなく、社内での立場といった諸々のことを考える必要があるといわれている。60歳以降も会社に残れると安心だからと「何となく再雇用」に応じて働き始めるのは考えもので、働く上で最も大切なことである「自分が必要とされている」状況が確実に存在していなければ、後で「こんなはずではなかった」ということになってしまうというのだ。 私のように技術職であればそれまでと全く同じことをすればいいわけですが、もそも「再雇用制度」や「雇用延長」がこれだけ一般的となった理由は「改正高年齢者雇用安定法」にあって、この法律によって雇用を希望する人に対しては原則として最長65歳までは雇用が義務付けられることになったのだ。公的年金の支給開始年齢が段階的に60歳から65歳へと引き上げられるのに伴う改正なのだが、ただし多くの中小企業ではこうした法律ができる前から60歳以上でも働いている人がたくさんいたのだ。それは大企業と違って毎年新卒社員を採用するのが難しく人材はとても貴重で、長年仕事を続けてきてそれなりのスキルと知識を持った人に、60歳になったからといって辞めてもらっては困るからだという。 働く上で最も大切なことである「自分が必要とされている」状況が確実に存在しているからで、サラリーマンにとって仕事をする上での最大のモチベーションは「報酬」ではなく、仕事のやりがいもっと具体的に言えば、自分にどれだけの権限と責任が与えられるかが大きいのだ。ところが大企業の再雇用の場合はどうかというと、大企業というのは多くの場合は個人のスキルで成り立っているわけではなく組織で機能しているとされている。ごく一部の特殊なスキルを持った人以外の代わりはいくらでもおり、それに毎年新卒の若い人がたくさん入ってきるので「ぜひとも会社に残ってもらいたい」という気持ちは会社側にはほとんどないという。「法律で義務付けられたから仕方なしに65歳まで働かせてあげる」というのが本音だというのだ。 退職者の一部には「再雇用になったら仕事は同じなのに給料だけが大幅に下がる」とか、「役職が何もなくなるのでプライドを傷つけられる」といったことで、再雇用を否定的に見ている人がいますがそれは大きな間違いだという。給料が下がったり一兵卒として働いたりするというのは当たり前のことで、経験者はそんなことはあまり気にならないというのだ。再雇用を経験して一番嫌だとされるのは、「権限と責任」があまり明確ではなかったことのようなのだ。「再雇用」という制度はまだ始まって間がないため決して成熟した制度とは言えず、あらゆることが試行錯誤の真っ最中だということで、再任用者はどこまで自分の責任と権限があるのかがはっきりしないと実に居心地が悪いというのだ。 自分に与えられる権限の大きさとそれに伴う責任の重さが仕事に取り組む上での最大のインセンティブになっており、再雇用の場合はそれまでに持っていた権限と責任は大きく縮小することになるが、たとえ縮小したとしてもそれが明確であれば問題は少ないというのだ。ところが多くの企業においてはその「権限と責任」が明確に示されていない場合があるし、まわりも接し方に気を遣うこともあってそんな状況で働くのはつらいということなのです。再雇用で働くのであればまずは会社とよく話合ったうえで自分の役割や権限と責任がどこまで与えられるのかをしっかりと確認しておくことが大切だということのようなのだ。
2017年03月29日
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東京電力福島第一原発の事故で放出された放射性物質を取り除くため、環境省が福島県内11市町村の避難指示区域内で進めてきた除染作業が、目標の3月末で完了する見通しになっている。政府は残る帰還困難区域の除染とインフラ整備に福島復興の重心を移す予定だとされているが、東京電力福島第一原発の事故による避難者はなお8万人近くいて損害賠償を求める訴訟も県内外で続いている。除染は住宅や道路に田畑などの生活にかかわる場所を対象に、放射性物質に汚染された表土や落ち葉などを取り除く作業で、政府は昨年に今年度末までの除染完了をめざす復興方針を閣議決定していた。ただ除染が完了しても不安を抱く住民は多く帰還が進むかは不透明だという。 避難指示区域では「除染特別地域」を定め放射線量が年間50ミリシーベルトを超える帰還困難区域を除いて国直轄で除染を進めてきたが、9市町村では既に完了し残る2市町も今月末までに終わる見通しとなっている。東京電力福島第一原発の事故後に放射性物質が飛散した土地などの除染費として、これまでに2兆円余の国費が投じられたとされるが、この状況をビジネスチャンスととらえた多くの中小企業が福島県内の自治体に除染技術の売り込み合戦を繰り広げたという。また除染が進められてきた避難指示区域などで東京電力の社員が、住民の留守宅の後片づけや草刈りなどの被災者支援を続けているという。約3万3千人という東京電力の全社員に参加が義務づけられているそうで延べ30万人を超えたという。 住民が全町・全村避難を強いられる多くの自治体でこの春一斉に避難指示が解除される予定なのだが、福島の放射線問題の関係者に静かな衝撃を与えている論文が公表されている。原発事故後に政府が避難や除染の目安としてきた住民の外部被ばく線量の推定値が、実測値より大幅に過大だったことが明らかになったのだ。福島市のベッドタウンで東京電力福島第1原子力発電所から約50キロメートル離れた地域の伊達市では、約6万人の市民ほぼ全員が参加して「ガラスバッジ」とよばれる個人線量計を使った個人ごとの積算外部被ばく線量の測定が行われてきたが、この「ガラスバッジ」を身に着けて生活すると一定期間に自分がどのくらい外部被ばくしたかが計測できるというのだ。 伊達市は配布した「ガラスバッジ」を定期的に回収して、個々人が調査期間中どのくらい被ばくしたかを測定しているが、伊達市の実測値のデータを同時期に政府が行った航空機による上空からの放射線モニタリング検査のデータと比較した結果、住民の外部被ばく線量は空間線量の数値は、国が設定した係数の4分の1にとどまったというのだ。ちなみに国の係数は「1日のうち屋外に8時間、屋内に16時間滞在」と仮定して設定されている。その根拠となっているのは「空間線量を毎時0.23マイクロシーベルト以下に下げれば、年間の外部被ばく線量を1ミリシーベルト以下に抑えることができる」という机上の計算で、県内の除染はこの0.23という数値を達成することを目標に行われてきたというのだ。 この「ガラスバッジ調査」を基に伊達市で環境省のガイドラインに基づいて行われた除染の結果で、個人の外部被ばく線量がどの程度変化したのかを調べてみると、除染後の空間線量は60%下がったが「対象となった家屋に住む住民の個人被ばく線量は、集団として見た場合、期待したほど大きく下がらなかった」というのだ。そもそも外部被ばく線量は個人の生活習慣によってかなり違ってくるといわれており、例えばもともと屋内で過ごす時間が長い人にとっては除染による屋外の空間線量の低減はあまり意味がないし、また空間線量が時間の経過で自然に減衰する度合いと外部被ばく線量が減衰する度合いはほぼ同等であることも分かっており、すでに線量が低い地域での減衰は鈍いというのだ。 つまり除染は線量がある程度高い時期や高い地域については効果があるものの、個人の外部被ばく線量を全体として低減するという、除染本来の目的を達成するには至っていないということのようなのだ。福島県内で費やされた除染費用はこれまでに累計で5兆円近くに上り、各自治体は事故から6年後の今もまだ独自の除染活動を続けている。本来であれば外部被ばくを低減するための除染活動が、「ガラスバッジ調査」の結果では目的を果たしていないということが実測データで明らかになったというのだ。国や環境省はこの事実を真摯に受け止め自らが定めた過剰な基準に拘泥せず、この春一斉に避難指示が解除を行うということはやめて、あらためて今後の除染の在り方について問い直す必要があるというのだ。
2017年03月28日
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対象とする未納月数は現行の7カ月以上から13カ月以上に変更されるのだが、督促に応じない未納者に対し公的年金の公平性という観点から対応を強化するのが狙いということで、日本年金機構は未納者に対しては督促状を送るなどしても納付がない場合、預貯金の残高などの財産調査をして財産の差し押さえを行っている。厚生年金に加入する会社員などは給与から保険料が引かれるのに対し、国民年金は自営業者や学生などが自分から保険料を支払うため未納となることも多いという。一昨年の記録だが国民保険の納付率は71・5%で、ここ数年は7割程度にとどまっている。給料から天引きされる身としては不公平感なくやってほしいのだが、それよりも外国人に対する生活保護や不正受給を何とかしてほしいのだ。 日本年金機構が新年度に国民年金の未納金を強制徴収する対象者を、所得350万円以上の未納者から「300万円以上」に広げる方針であるそうなのだが、日本年金機構は今年度の所得が350万円以上で数回にわたる呼びかけに応じない2万人以上を対象に、集中して督促を行っているが、このうち所得が1000万円以上の未納者は1381人いるという。未納者への対策として機構は国税徴収法にのっとり、市町村から情報を得るなどして所得が確認できた人に特別催告状を送付している。その後に督促状を送るなどしても納付がない場合、預貯金の残高などの財産調査を行って財産を差し押さえる。今年度は昨年11月末までに7334件の差し押さえを行ったそうなのだ。 日本年金機構は「納付が難しいと訴える人もいるが、皆が納めることで成り立っている制度だと説明している」とせつめいしている。収入減少や失業などで納付が難しい場合は、保険料の免除や納付の猶予制度の説明をする。厚生労働省の「国民年金被保険者実態調査」によると滞納理由で多いのは「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」という回答だという。保険料は年間で20万円に迫り収入が少なければ負担は大きいというのだ。そして国民保険の保険料を滞納している人のうち9割以上が、所得が低いため申請すれば支払いの一部もしくは全額を免除される可能性が高いことが分かった。参議院の厚生労働委員会での質問に塩崎恭久厚生労働大臣らが明らかにしたというのだ。 厚生労働書は低迷する納付率を上げるため滞納者への強制徴収を進めているが、低所得者に対する強制徴収は「現実的に困難」という。国民保険の保険料を2年間以上滞納している人は約206万人に上るとされているが、厚生労働省は年間所得が350万円以上の滞納者を強制徴収の対象としている。それを来年度以降は300万円以上に拡大するとしているが、厚生労働省の実態調査では年間所得300万円未満が94%を占め、300万~350万円が2%で350万円以上は4%にとどまっているというのだ。それでも所得が350万円以上で数回にわたる呼びかけに応じない2万人以上おり、このうち所得が1000万円以上の未納者は1381人いるというし、年収の把握さえできていない人間も相当数いるというのだ。 今回の処置に厚生労働省は「対象者のうち相当数が督促済み。強制徴収できる対象者はかなり限定的だ」としている。国民保険の保険料は例えば被扶養家族が3人いる4人世帯の場合では所得が年162万円以下だと全額免除されるし、282万円以下で半額免除に335万円以下でも4分の1が免除されるという目安が示されているという。天災や失業による特例もあるほか生活保護や障害年金の1級・2級の受給者なども全額免除される可能性があるという。参議院の厚生労働委員会では現役世代の賃金が下がった時に、公的年金の支給額も下げる新しいルールを盛り込んだ新しい年金制度改革法案の実質審議に入っているが、年金は終身でもらえるのでということは、ちんと保険料を支払うという前提があるということなのだ。
2017年03月27日
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近頃のTVに毎日のように登場する稲田朋美防衛大臣が参院予算委員会で、社民党の元党首だった福島みずほ議員の質問に答える中で、「教育勅語の核である、例えば道徳、それから日本が道義国家を目指すべきであるという、その核について、私は変えておりません」とか、 「私は教育勅語の精神であるところの、日本が道義国家を目指すべきである、そして親孝行とか友達を大切にするとか、そういう核の部分ですね、そこは今も大切なものとして維持している」と語り、教育勅語の核の部分を取り戻すべきだと考えているという主旨の発言をしている。このように教育勅語がホットな話題になっている背景には、現在進行中の森友学園という学校法人に関連する一連のスキャンダルがあるという。 そのスキャンダルのさなかに松野博一文部科学大臣という容易ならざる立場にある人間が、わざわざ教育勅語の意義について憲法や教育基本法に反しないような配慮があれば「教材として用いることは問題としない」と表明したというのだ。このたびの松野博一文部科学大臣の発言は国会の場で「憲法の理念に反する」として「排除」され「失効」した歴史的な教材を、文部科学大臣の名において「憲法や教育基本法の理念に反しないような配慮」を条件にしているとはいえ、「有効」であるとして再び召喚しようとした措置に見えるというのだ。戦時下において賛美されていた教育勅語は既に効力を失った教材だとされ、単に効力を失ったのではなくてより積極的に教育現場から「排除」された教材だとされている。 この教育勅語に関しては「新しい憲法の理念に反する」として1948年に衆議院で「排除決議」が採択され、あわせて参議院でも「失効決議」が採択されているというのだ。教育勅語を教材とするようなことを言う文部科学大臣の下で果たして文部科学行政の一貫性は保持できるという問題となっているというのだ。ある雑誌にたとえ話としてこの問題に関して面白い記事が載っていたが、「腐っていることが認定されて食べてはいけないことになった食品について、『腐敗に気をつける配慮』があれば『食材として用いることは問題としない』てなことを保健所の所長が言ってのけるような世界で、果たして食卓の衛生は防衛できるものなのだろうか。こういうことが起こったら早晩食中毒で死ぬことになるだけだ」というのだ。 稲田朋美防衛大臣は国会で野党側の質問にさらされて自分の本心を表明しただけだということのようだが、それも稲田朋美防衛大臣はどちらかといえば誇らしいというのか晴れがましい気持ちで自分の道徳観を表明したのというのだ。松野博一文部科学大臣にしてもおおむね同様だと言わなくてはならず、政権の中枢への目配りがなかったとは言えないものの彼自身が教育勅語は道徳的に優れた文書である点は疑っていないというのだろう。今の安倍政権にいる人物は誰もが教育勅語を良いものだと信じ切っていると思われるのだ。それだけではなく現状の日本人の多数派は教育勅語を悪いものだとは思っておらず、多少古くさいところはあっても基本的には昔ながらの古き良き日本人の良さについて評価しているというのだ。 総体としては輝かしい先人の知恵であるのと同じように教育勅語も、天皇に関する部分だけを取り除いてしまえば、現代にも通用する好ましい徳目だと思っている日本人は少なくない。というよりも日本人の多数派がそう思っているからこそ、文部科学大臣や防衛大臣が公然と支持を表明しているというのだ。教育勅語の核心に当たる根本思想は「個」よりも「集団」を重んじ、「私」よりも「公」に高い価値を置いて個々人の自由よりも社会の秩序維持に心を砕く社会の実現ということだというのだ。戦前の日本の子供たちを皇軍の兵士に仕立て上げるにあたって大きな役割を果たし、そのことで一度は教育現場から追放された教育勅語が、いままた復活への道を歩みはじめているというのだ。
2017年03月26日
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愛媛県伊方町の消防出初め式がこのほど伊方町川永田の町民グラウンドであり、消防団員と四国電力伊方原発の自衛消防隊の計約540人が訓練などを通して地域防災への決意を新たにしたという報道が地元紙に乗っていた。その消防出初め式で高門清彦町長が「最近県内外で大きな火災が発生している。町内には空き家がたくさんあり、いったん火災が起きれば皆さんの力添えが必要だ」と訓示したという。そんな私の住む愛媛県では広島県と愛媛県の住民4人が昨年8月に再稼働した四国電力伊方原発3号機に関し、四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求めた仮処分の申し立てで、広島地裁は判断を今月の30日に示すと住民側と四国電力側に伝えたそうなのだ。 四国電力伊方原発3号機の運転差し止めの決定が出れば、稼働中の原発としては関西電力高浜3・4号機の運転を差し止めた昨年3月の大津地裁の仮処分に続く2例目の判断となることなのだが、裁判の主な争点は耐震設計で想定した揺れの大きさである「基準地震動」や津波の高さの妥当性だと言われている。これについて住民側は「南海トラフの大地震に連動した場合などの地震の揺れの評価が非常に小さい」と主張したのに対し、四国電力側は「地震の不確かな要素を考慮しながら揺れの大きさなどを算定し、伊方原発の安全性は原子力規制委員会の承認も受け、充分に確保されている」などと争っているというのだ。また事故が起きた場合の海洋汚染や瀬戸内海を隔てた広島への影響に言及するかも注目される。 四国電力側は近くの中央構造線断層帯など約480キロが連動した場合を想定して基準地震動を650ガルとし、一部の施設は1000ガルに耐えられると主張しているが、住民側は650ガルには根拠がないとし「新規制基準の審査を通ったからといって安全性が保証されたとは到底言えない」と訴えている。しかも昨年8月に再稼働した四国電力伊方原発3号機に関し、地元新聞社が実施した県民世論調査で、再稼働に否定的な意見が68.4%となっているのだ。四国電力伊方原発3号機運転差し止めを求めた仮処分の申し立ては広島地裁だけでなく、大分県内の住民4人が申し立てた仮処分の第6回審尋も大分地裁でなされており、ここでも住民側は前回の審尋で基準地震動が過小だとプレゼンをしている。 最大の争点となっている四国電力伊方原発の耐震設計の目安となる地震の揺れである「基準地震動」について、四国電側が「十分に信頼性、保守性が確保されている」と裁判官にプレゼンテーションをしている。大分地裁で行われた仮処分の第6回審尋でも四国電力は土木建築部門の社員が説明したそうなのだが、原発の敷地や周辺で十分な調査をして地域特性を把握し信頼性の高い手法を使った上で、過去の地震の知見などを踏まえたさまざまな「不確かさ」を保守的に考慮している―と主張したそうなのだ。前回の審尋で基準地震動が過小だとプレゼンをした住民側は会見し、「四国電力は住民側が指摘した重要な論点にほとんど触れなかった」などと批判している。 これで大分地裁における双方のプレゼンは終了したわけなのだが、住民側によると地裁は今年の5月に行われる次回審尋までに質問事項を双方に示す予定だとされ、結審は次回もしくは7月以降になるといわれている。住民側は審理を担当してきた大分地裁の竹内浩史裁判長が春の異動で交代する可能性があるとの認識も示しているが、伊方3号機は原子力規制委員会の安全審査に合格し、昨年8月に再稼働した。四国電力伊方原発3号機の運転差し止めの仮処分、大分地裁だけでなく、松山地裁や山口地裁といった瀬戸内海周辺各県の地裁でも住民が申し立てており、今月の30日に示される広島地裁は判断がこれからの仮処分の申し立てでの指針になるかもしれないというのだ。
2017年03月25日
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建設業に従事していると運送業との付き合いも長くなってくるし、「一般的で社会的にも容認されている」とはどういうわけなのか、「本当に年収の3割減額が社会的に容認されているのか」ということなのだが、今の運送業特に私のような建設業に入ってくるトラックの等の運転手は、なんせ50代前半でも「若い」と言われている。荷物を依頼する側が圧倒的に強い運送業の従事者は、賃金も年々下がり「キツイ、稼げない、危険」の究極の「3K職場」になっているという。そこで定年退職後に再雇用され同じ内容の仕事を続けた場合に、賃金を引き下げることの是非が争われた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は昨年の11月に引き下げを容認する判断を示したというのだ。 訴えていたのは運送会社に再雇用された嘱託社員のトラック運転手3人なのだが、彼らは60歳の定年を迎えた後、1年契約の嘱託社員として再雇用されたという。仕事内容も責任も定年前と変わらず、セメントを運ぶ仕事だった。 にもかかわらず、年収は3割ほど下げられてしまったのだ。5月に行われた東京地裁の一審判決では「仕事や責任が同じなのに、会社がコスト圧縮のために定年後の賃金を下げるのは不当」と判断し、この会社について「再雇用時の賃下げで賃金コスト圧縮を必要とするような財務・経営状況ではなかった」として、正社員と非正社員の不合理な待遇の違いを禁じた労働契約法に違反しているとし、正社員との賃金の差額計約400万円を支払うよう会社に命じたというのだ。 ところが東京高裁では「企業は賃金コストが無制限に増大することを避け、若年層を含めた安定的な雇用を実現する必要がある」と指摘し、定年前と同じ仕事内容で賃金が一定程度減額されることについても「一般的で、社会的にも容認されている」との判断を示して、一審判決を取り消し原告の請求を棄却したというのだ。原告側代理人によると運送業などでは定年退職者を再雇用した場合に同じ仕事のまま賃金を下げる例が多く、判決後に記者会見した原告男性は「納得できない。最高裁で闘う」としているそうなのだ。国土交通省は来年にはトラック運転手が14万人も不足すると予測しているし、宅配の個数が激増する一方でそれを運ぶ能力は落ちる一方なのだ。 原告の運転手によると、「昔は普通免許で乗れたトラックは車両重量8トン未満で最大積載量5トン未満」だったのだが、10年前に道路交通法が改正され中型免許がないと乗れなくなった。中型免許は20歳にならないと取得できないので高卒で入ってきても、2年間は事務仕事をやらされるんです。だから半年もたつと飽きてやめちゃう。運転したくてウズウズしてるようなヤツが、事務仕事に耐えられるわけがないですよ」と業界の若手運転者不足をこう解説していたという。さらに大型免許の試験も難しくなったことで、若年層の合格者が減っているとされ、 近年の長距離バス・トラックの重大事故を受けて「1日の休息期間は継続8時間以上」などの労働環境に対するルール強化も輸送力低下につながっているという。 国土交通省もこの実態には苦慮しているようで、「過去にもトラックドライバーの確保・育成について調査検討が行われたものの、必ずしも具体的な 取組につながらなかったことを踏まえ、トラックドライバーの人材確保・育成を行う方針を定め、トラック産業の活性化に向けた取組を着実に実行することとする」としているという。具体的には「業界イメージの改善」・「キャリアアッププランの提示」・「若年層へのアピールの強化」・「女性の活用促進」の4本柱に沿って、それぞれ取組を具体化することとしているというが、お役所仕事の典型のような「⼥性トラックドライバーの愛称」を公募するといった方策等しか考えられておらず、運転手の賃金アップや労働条件の改善といったことにはあまりにもお粗末だというのだ。
2017年03月24日
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一概に土地の価格と言っても「実勢価格」や都道府県地価調査の基準地価である「公示地価」に、相続税の評価額となる「相続税路線価」や固定資産税の評価額である「固定資産税路線価」だけでなく、土地鑑定士が算定する「鑑定評価額」とさまざまな種類があるのだが、国土交通省は毎年3月末にその年の1月1日時点の公示地価を発表しているのだ。バブル崩壊以後下がり続けていた住宅地の全国平均は9年ぶりに下落を脱し、前年比でほぼ横ばいに転じたそうなのだ。また商業地の全国平均は1.4%上がり2年連続の上昇しており、5年くらい前からは三大都市圏で地価の上昇が続いているほか、地方圏の下落率が縮小したこともあって全国2万5988地点の土地価格の平均は0.4%のプラスとなっているという。 国土交通省が公表した公示地価では交通インフラの整備が進む仙台など地方4市で上昇幅の拡大が見られた一方、少子高齢化や人口流出が止まらない地域や災害リスクが高い地点での下落が目立つ結果となっている。この他では首都圏中央連絡自動車道や東京外環道の延伸に伴い沿線の工業地の地価が上昇しているし、埼玉県入間市や千葉県船橋市などで物流施設の建設需要が強まっているという。住宅地の上昇率が最大だったのは仙台市若林区の地点で「地下鉄東西線の開業で利便性が高まった」とみられ、上位10地点中7地点を仙台市の沿線地域が占めているという。都市部等の住宅地は低金利や住宅ローン減税などの施策による需要の下支えがあり地価は底堅く推移しているそうなのだ。 三大都市圏での地価は平均で0.5%上昇しているが、やはり地方圏は平均で0.4%の下落となっているというのだ。もっとも下落幅は景気の回復により7年連続で縮小しているという。このうち札幌市や仙台市・広島市・福岡市の「地方4市」の地価は2.8%上昇している。また商業地は外国人観光客の増加による店舗やホテル需要の高まりで、各地で再開発事業が進展していることから地価は堅調に推移しているそうなのだ。この「公示地価」とは国土交通省の土地鑑定委員会が全国に定めた「標準地」の1月1日時点における1平方メートル当たりの土地価格のことで、毎年1回の3月に公表されている。新聞にも掲載されるが国土交通省のWebシステムを利用すれば個人・法人問わず誰でも検索・閲覧が可能となっている。 この「公示地価」は2人以上の不動産鑑定士から得られた鑑定評価を、土地鑑定委員会で審査・調整して決定しているそうで、「公示地価」は土地の客観的な市場価値を表すだけでなく公共事業用地の取得価格算定の基準にもなっているというのだ。災害リスクが高い地点での土地価格の下落ということでは、昨年4月に地震に見舞われた熊本県は住宅地が上昇から下落に転じているという。住宅地の下落率が最大だったのは千葉県柏市の地点で、高齢化の進展と最寄りの鉄道駅から遠いことが影響したという。下落率上位10地点中7地点は高齢化や人口流出に直面する地域だったそうなのだが、残り3地点のうち静岡県焼津市や磐田両市は海に近く津波の心配から敬遠されたという。 商業地も人口流出に伴う地域経済の低迷が地価の下落につながっており、下落率の最大は鳥取県米子市の10.1%で大型店の破綻が影響したそうなのだ。住宅地が下落に転じた熊本県で最大の下落率は地震被害が大きかった益城町の6.9%なのだが、昨年7月1日時点の基準地価で下落率が全国トップの9.8%だったことを踏まえると、今回の調査で少しは回復の兆しが見えたとも言えるという。国土交通省の地価調査課は「地震前、益城町は熊本市のベッドタウンとして人口が増えていた。昨年12月に町の復興計画が策定され、将来に対する不安感が薄らいだのではないか」と分析している。そして仮設住宅の入居期間終了後の人口が回復するかどうかが今後の地価を左右するポイントとなりそうだとされている。
2017年03月23日
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政府は閣議で廃案になり続けている「共謀罪」の構成要件を改め、犯罪を計画・準備した段階で処罰可能にする「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を決定したという。「共謀罪」を盛り込んだ法案が過去3回廃案となった経緯を踏まえ、謀議だけでは犯罪にならないようにするなど要件を厳格化し対象犯罪を277に絞り込んだそうなのだ。政府が今国会での成立を目指すという「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「組織犯罪処罰法改正案」が閣議決定された日に、永田町の首相官邸前では雨の中で法案に反対する集会が開かれ、「共謀罪の新設反対」とか「密告社会は許さない」などとシュプレヒコールが上がっていたが、集会には主催者発表で約300人が参加し出勤前のサラリーマンらの姿も見られたそうなのだ。 法学や政治学などの専門家でつくる「立憲デモクラシーの会」は、「共謀罪」の構成要件を改めて「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案について、「立法の合理性、必要性に深い疑念が残る」などと反対する声明を発表している。声明では国際組織犯罪防止条約を批准するために必要との政府の説明について、「条約の本来の趣旨を超え、異なる目的のために乱用されている疑いがある」と指摘し、「話し合いは民主主義の土台だ。民主主義の根幹を否定するような法案は絶対に許さない」と声を荒らげたという。京都三鷹市から参加した老人は「母から戦争はある日突然起きるのではなく、国民の手足をしばり、口を閉ざしてからやって来ると聞かされていた。共謀罪は戦争につながる第一歩だ」と閣議決定を憤っていた。 「共謀罪は必要」との立場だという女性ジャーナリストが懸念するのは「乱用のおそれ」で、「捜査当局の大変な武器になるのは間違いない。組織の暴走を抑止する仕組みも考えないと、大変なことになる」と語ったいる。そして今の自民党への視線も厳しく「党内に暴走を防ぐ抑止力がなくなっている。審議を尽くさず賛成しているだけでは、国会議員として機能したことにならない」と釘を刺している。「今の議論を聞いていると、政府側はガタガタだ」というのは地方の首長なのだが、政府が「現行の予備罪では対処できない場合がある」と根拠に挙げたクーデター未遂事件の東京高裁判決では、「あまりにずさんな計画だったため予備罪の適用を退けられたケースだったことから「共謀罪」の必要性を証明するものではまったくないという 近くの参院議員会館では安全保障関連法などの抗議活動をした「SEALDs(シールズ)」の元メンバーらが設立した新団体「未来のための公共」が記者会見し、大学生の福井周さんが「テロ対策は現行法で十分に対応可能だ。必要以上に解釈の余地を残せば国家権力による恣意的な運用が行われ、市民の政治的自由が侵害される」とする声明を読み上げたという。出版社に勤める埼玉県朝霞市に住むサラリーマンは出勤前に法案に反対する集会参加し、戦時下最大の言論弾圧とされる「横浜事件」に触れて、「共謀罪が導入されれば同じように、やってもいない犯罪をでっち上げられ、巻き込まれるかもしれない。密告社会になるのではないか」と不安そうに話していたという。 この法案は一部の組織犯罪の容疑者のみならずすべての国民に影響を及ぼしかねないとされているが、277もの犯罪に関して共謀した疑いがあれば一般市民のメールに、ライン・電話が監視・盗聴されかねないというのだ。日本社会が一億総監視社会になるかもしれないという大きなリスクをはらんでおり、国会承認された国際組織犯罪防止条約を締結するための国内法整備で、政府は20年東京五輪・パラリンピック開催に向けたテロ対策と位置付けているとは思えないというのだ。テロ対策も条約とは無関係とし「十分な説明もないまま数の力で押し通せば民主主義に対する国民の信頼を損なう」と批判しているが、野党は捜査権乱用の懸念があるとの立場で今国会最大の対決法案となりそうだとされている。
2017年03月22日
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南スーダンの国連平和維持活動に派遣されている陸上自衛隊部隊の日報をめぐり、防衛省が昨年12月の情報公開請求に対し「廃棄した」として不開示の決定を出した問題で、不開示決定後に陸自内に日報のデータが保存されていたという。「廃棄した」とされた日報は防衛省統合幕僚監部で保存されているのが見つかり問題化したが、そのほかの部署にも保管されていたことになったというのだ。防衛省関係者によると日報のデータは、陸上自衛隊部隊の調査研究部門の研究本部が管理する内部サイトに保存されており、日報は派遣部隊が現地の日々の状況や課題を報告する資料として専用のネットワークで日本に送られ、関係部署が閲覧できる状態で保管されていたというのだ。 防衛省は南スーダンの首都ジュバで昨年7月に大規模な戦闘があった時期の日報を、情報公開としてジャーナリストが求めたのに対し「廃棄した」として不開示を決めた。しかし自民党の河野太郎衆院議員らに求められて再調査した結果、統合幕僚監部のコンピューターにデータがあることがわかり請求があった分の一部を公開している。その後の衆院予算委員会では共産党議員が「日報が研究本部のデータベース内にあったのではないか」と質問すると、防衛省は報道陣に「日報は当該データベースには保管されていない」と説明していた。不開示決定の後に日報が研究本部のデータベースから削除された可能性があることから、稲田朋美防衛相は防衛省内の日報管理の経緯を改めて調査する意向を示していたのだ。 日報をめぐっては今年の1月中旬に陸自司令部の複数のコンピューターに「廃棄」と説明してきた日報が保管されていることがわかり、これまでの説明と矛盾するため2月に電子データを消去するよう指示が出されたとされていた。防衛省によると日報は防衛省統合幕僚監部内の二つの部署のコンピューター端末で複数のフォルダーに分けられて保管されており、統幕トップの統合幕僚長に報告する際の基礎資料として使うためだったという。武田博史報道官は同日の定例記者会見で「日報すべてが一括して管理された形で保存されていたということではなく探索しきれなかった。大臣からさらに探索するよう指示があって、再度日報にアクセス可能な部局に広げて探索した」と説明している。 それとは別に森友学園をめぐる一連の問題で、国会での虚偽答弁を否定し続けている稲田朋美防衛相の答弁に、さらにほころびが出ているという。籠池氏について「実際に裁判を行ったことはない」という発言を撤回・謝罪したのに続いて、参院予算委員会では夫と立ち上げた弁護士事務所の「代表となったことはない」とする答弁に矛盾があることが指摘されたという。これに加えて「ここ10年来疎遠にしている」はずの籠池氏の妻の発言を紹介され、稲田氏は「奥様らしいなぁと思いますが」と反応してしまい、野党から「よく知ってるんじゃないか」と突っ込まれる有様だったとうのだが、野党は大臣辞任に値すると強く批判し国会での虚偽答弁だとして田朋美防衛相の辞任を求めて続けている。 民進党の升田世喜男議員は衆院本会議で「言うまでもなく、国会で虚偽答弁を続けるような人物が閣僚の座に留まっていてはいけない。稲田大臣には即刻辞任を求めます」と激しく糾弾すると、稲田大臣は「訂正し、お詫びいたします」と訂正とお詫びに追われていたという。ただ稲田大臣はこの件で辞任する考えはないと強調しているし、菅官房長官も職務続行について「まったく問題ないと思っています」と擁護している。野党は「PKOなど今までの答弁の信ぴょう性も問われる」として辞任要求も含め徹底追及していく方針だという。今回の問題について評論家は「誤認と虚偽は別」と指摘する一方で、コラムニストは「誤認だったとしても、それを平気で垂れ流してしまう」と厳しく批判している。
2017年03月21日
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東京電力福島第1原発事故後に国が進めてきた除染の当初計画が、3月末でひとまず終わることになっている。この6年で除染と放射性物質の自然減により放射線量は低減したが、除染後も局所的に線量が高い場所があることや、残された除染廃棄物の処理など課題は残っているというのだ。国直轄の除染は帰還困難区域を除き避難指示の出た福島県内11市町村で環境省が実施してきたが、それ以外の毎時0・23マイクロシーベルト以上の地域では市町村による除染が行われているという。国の除染は3年前に終了の予定だったが、汚染土の仮置き場の整備の遅れなどから今年度末まで延期されているのだ。環境省は3月末で除染を終え各地の仮置き場に置かれている汚染土などを中間貯蔵施設に運び出すという。 それでも東京電力福島第1原発事故による避難指示が帰還困難区域を除いて解除されている福島県楢葉町に帰還した町民は、放射能の被爆の恐れや避難先で定住したり生活インフラへの不安があったりすることから町民の11.1%にあたる818人にとどまっているそうなのだ。しかも昨年11月の早朝に福島県沖地震が起きた際には、福島県楢葉町の本庁舎勤務の町内居住者は職員約100人のうち13人で、震度5弱を記録したことから松本町長が庁舎に駆けつけたが職員は誰も登庁していなかったというのだ。このため昨年の12月からは職員10人が交代で町内に毎日宿泊ようになったというが、現在は業務外で手当もなく町の宿舎は設備が不十分のため自費で宿泊施設に泊まる職員もいるというのだ。 さすがに業務違反の恐れがあることから福島県楢葉町は、4月から町内のアパートを借り上げ単身赴任者用宿舎も用意するという。東京電力福島第1原発事故の避難指示が一昨年9月に解除された福島県楢葉町の松本幸英町長が、避難先から町内に住居を戻した町職員を昇進で優先する趣旨の発言をしていたことが分かった。楢葉町議会一般質問で松本町長は「公式な場で町職員に伝わるよう話した」と答弁しているのだが、「職員の不安も理解するが行政には守るべき重い責任がある」とも述べ今後も帰還を促す考えを示しているという。町民の帰還が進まない中で役場の職員の率先垂範を意図したものだが、職員からは「乱暴すぎる」と不安の声も上がっているというのだ。 福島県楢葉町の松本幸英町長は今年の年頭訓示で「職員は町民の先達として早期に避難生活から脱却し、町内での自立した生活を示す立場にある。私も先頭に立ち時には心を鬼にしながら進める」と述べるなど、単身ではなく家族で戻ることを促して職員の帰町に強いこだわりをみせているそうなのだ。しかも今春を「帰町目標」に掲げ職員が町当局に帰還を強く求められていることもあって、楢葉町は歳出抑制を理由に通勤手当の削減も検討しているという。率先垂範を迫られた職員にも長期避難で生じた家庭の事情があり困惑が広がっているというが、福島県いわき市から通う男性職員は「戻れる環境をつくるのが我々の職務なので、町長の気持ちも分かる。でも家族も守らないといけない」と戸惑っているそうなのだ。 役場の職員からは「帰町しなければ職員にふさわしくないと思われたら、つらい」などの声も漏れているし、楢葉町職員労組は「単身赴任をしても出費は増える。こうした勤務形態が続けば、若手らの離職につながる」と危機感を募らせているという。自治労県本部も「職務ではなく、住所での評価は地方公務員法の平等な取り扱い原則に反する。被災自治体では退職する職員も多く、無理に帰還を進めることが意欲をそがないか心配だ」と指摘している。労働問題に詳しい専門家も「自治体当局は職員の人事権を握る。帰還の働き掛けが強制や圧力と感じられるようならば、職員の意欲をそぎ住民サービスにも影響しかねない」と指摘しているが、率先垂範を迫られた職員にも家庭の事情があって困惑が広がっているという。
2017年03月20日
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これまで警察が令状なしで秘密裏に行っていた「GPS捜査」について、最高裁大法廷は「令状なしのGPS捜査は違法」としたうえで、「今後GPS捜査をするなら新たなルールを作る必要がある」とまで踏み込んだというのだ。警察は「GPS捜査」を控えるよう通知を出したが、今回の判決はそこにとどまらない大きな課題を社会に突きつけていると言われている。最大のポイントは令状のない「GPS捜査」を違法とした点で、警察官が容疑者を尾行するのに令状を取る必要はなく、そうした捜査と「GPS捜査」はどこが違うのかということが問題となったというのだ。今回の最高裁判決は今後の技術の発達で新しい捜査手法がどんどん出てきた場合でも、その捜査手法と人権とのバランスが問題になるケースで必ず参照されることになるというのだ。 この事件では窃盗事件の捜査のため約6カ月半にわたって被告人や共犯者のほか、知人も使う可能性のあった自動車など19台にGPS機器が取り付けられた。弁護士によると被告人は「自分のしたことについて、刑罰を受けるのは当たり前だと思っており、被告人は今回の最高裁判決で窃盗などの罪で懲役5年6月の有罪となることが確定している。捜査の過程で「行きすぎがあったのなら、それははっきりしてほしい」と話しており、そこで弁護士はほとんど明らかになっていなかった「GPS捜査」の実態を解明するため、同期を中心とした6人で弁護団を結成して調査を開始し、現場検証や調査で「GPS捜査がどのように行われているのか、どの程度のプライバシー侵害があるのか」を明らかにしていったという。 その弁護団によると「最高裁が捜査の違法性をハッキリ認めたことはよかった」と語ったが、これまで警察は警察自身で決めた独自ルールを定め、外部からのチェックを受けない形で「GPS捜査」を実施してきており、尾行や張り込みの「補助手段」として「令状がいらない任意捜査」と解釈していたほか、「GPS捜査」の存在を秘密にするよう通達していたという。最高裁は「個人のプライバシーの侵害を可能とする機器をその所持品に秘かに装着することによって、合理的に推認される個人の意思に反してその私的領域に侵入する捜査手法である」とされ、「GPS捜査」は「個人の意思を制圧して憲法の保障する重要な法的利益を侵害するものとして、刑訴法上特別の根拠規定がなければ許容されない強制の処分に当たる」と判断したという。 また「GPS捜査」は必然的に「GPS端末を取り付けた対象車両の所在の検索を通じて、対象車両の使用者の行動を継続的、網羅的に把握する」ことになるとしたうえで、裁判所の令状で車両と罪名を特定しただけでは被疑事実と関係のない過剰な行動把握を抑制できないという。「GPS捜査」は密かに行わなければ意味がないので、事前に令状を示す想定はできないとされているが、刑訴法では令状を呈示することが原則で、呈示に代わる手段が仕組みとして確保されていないと適正手続の観点から問題が残るというのだ。つまり「GPS捜査」はプライバシー侵害のおそれがあるもので、法律に沿って行われなければいけない捜査だという判断だと最高裁が決定したというのだ。 海外の先進国では「GPS捜査」についてのルール作りが進んでおり、日本弁護士連合会も今年1月に「GPS捜査」の基準について提案している。これまで警察は外部からのチェックを受けない独自ルールで「GPS捜査」を実施してきたが、今後はこうしたルールをふまえて国会などで議論が進みそうだ。「仕組み」としては捜査期間の限定や第三者立ち会いとか、事後通知などのルールが考えられるがそれは立法に委ねられているという。仮に令状で捜査できるとしても裁判官が令状を出すときにいろいろな条件を付けなければならないという。それでは刑訴法の趣旨に沿わない。だから「GPS捜査」の特質に着目して憲法や刑訴法の諸原則に適合する立法的な措置が講じられることが望ましいというのだ。
2017年03月19日
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国を挙げて働き方改革が進む中で部下の残業で労働基準監督署に送致される企業幹部が相次いでいるそうなのだ。昨年暮れの大手広告会社の幹部社員に続いて、今年1月には大手電機メーカーでも労務管理を担当する社員が労働基準法違反の疑いで労働基準監督署に送致されているのだ。この「送致」とは法律を犯した恐れのある人物がいた場合、当局にはその人物を検察に送って「この人間は法律を犯した可能性があるので判断して欲しい」と要請する権利があり、その当局は法律によって異なり労働基準法だと労働基準監督署にその権利があるというのだ。部下に残業を命令するということで、労働基準監督署に送致される同様の事案は分野や地域を越えて広がってきているというのだ。 厳密に言えば労使協定で定めた残業時間を1時間でも越えれば、法律違反として送致する権限が労働基準監督署に生まれ、地方の運送業者や小売業などでも営業所長や労務担当取締役などが摘発される事例が数多く発生しており、企業の生産性を何とか改善しようとする労働基準監督署の意気込みが伝わってくるという。もっとも労働基準監督署の捜索対象になるのは往々にして労働者からの告発があった場合とか、過労自殺などの死者が出た場合がどうしても多くなるというのだ。こうなると労働基準監督署は対象企業に捜索に入り資料を差し押さえるなど証拠を固め、普通はまず「指導」次に「勧告」それでも改善が見られない場合は、法人と個人の「書類送検」へと進むことになるというのだ。 サービス残業等の指示は基本的に口頭だと言われており、それも「出勤簿をごまかせ」ではなく「工夫して書け」など曖昧な言い方で圧力をかけるケースが多いという。あるいは無言の圧力で「有給取ったら、ただじゃ済まさない」的な空気を作って、社員を威圧している企業も数多くあるといのだ。それでも本当に過剰残業が常態化していればその会社とか事務所のどこかに証拠はあるもので、そこは労働基準監督署もプロということでたとえ物的証拠がなかったとしても従業員の証言なども立派な証拠になるというのだ。もっとも仮に証拠を突きつけられても人事担当部署や残業強要上司の中には「会社の規則等で自分は早く帰れと言ったのに、従業員が自発的に残業している」とシラを切る人もいるというのだ。 その言い逃れは弁護士に言わすと労働基準法事案ではあまり意味がないそうで、強制であろうとなかろうと従業員が過剰な仕事を抱え過剰な労働をしていれば、法律違反と見なされ「使用者」の責任が問われるというのだ。口頭で指示していようが空気を作って圧力をかけていようがあまり関係はないという。簡単に言えば「従業員が過剰な残業をせざるを得ない状況を作り上げた者」あるいは、「その環境を改善できたはずの者」が責任を問われる「使用者」となるというのだ。もっとも最近の送致された事案を見ると個人として書類送検されているのは直属の上司や現場の長に労務担当役員で、会社のトップが挙げられるケースは少ないという。一番偉い人は「全部現場が勝手にやった。俺は一切知らない」というそうなのだ。 それでも社長が「現場の勤務データは緻密に管理し一生懸命指導もしていたが、勤務データ自体を現場が改竄していた。自分は現場に騙された」という主張するといった場合には、検察から呼び出しがくるというのだ。本来はこの時点で被疑者に出頭義務はないのだが、普通の人は従って事情聴取に応じるというのだ。これまでは労働基準法違反で書類送検されても個人は不起訴になるのが普通だったのだが、こんなに世の中で「違法な残業は許さない」という機運が盛り上がってくると、悪質な事案は起訴される事例が出てきてもおかしくはなく、起訴されて有罪になれば労働基準法の罰則には懲役刑まで明記されていることから、社長自ら刑務所に行く可能性もあるというのだ。
2017年03月18日
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岐阜市が発注する市道の側溝を交換する工事の入札について、職員の確認ミスで本来なら落札できた業者が落札できず、約100万円高く契約が結ばれたことが分かったというのだ。岐阜市によると今月に入札が行われた側溝の交換工事について、安く残土処理ができる場所が見つかったため、当初の設計から工事費を13万円ほど安く設定したそうなのだが、積算担当者の確認ミスで修正前の工事費のまま決済が取られていたというのだ。その結果落札の下限額が実際よりも高く設定されてしまい、これを下回る額を提示した4社が無効になり工事は別の業者が落札したそうなのだ。無効になった4社の入札額は再提起重価格付近だったそうなのだが、担当者のミスがなければ落札は4社の中から決まっていたというのだ。 しこも積算ミスがなければ契約額も約100万円安かったということなのだが、岐阜市はお決まりの「今後は、再発防止に努める」としているそうなのだ。最近の役所の予算編成能力が素人レベルなのは常識なのだが、私が建設業界に入ったころには、実際に図面を描いているのが建設コンサルタント会社であっても、「発注者が設計者だ」と譲らない監督者にたびたび出くわしていたのだ。なぜかと問うと「設計の責任は発注者にしか取れないからだ」というのだが、今では役所担当者なんてコスト管理能力皆無だと言われている。設計ミスを修正して変更増でもしようものなら、それを第3者が見たら請負者に入札後に不必要に増額したということになってしまうし、それによって議会で叩かれたくないから増額したくないんです。 最近の発注者はミスに対して責任を取るのをやめたみたいで、そうとしか思えないような出来事が散見されるようになってきたといわれている。特に積算ミスの頻発と事後対応を見ていると問題の根は深いという指摘もなされている。札幌市では発注した工事の約5%で入札公告の訂正があったというし、東日本大地震の復興事業の入札に至っては発注件数のおおむね10%弱で入札公告の訂正が必要になる事態になっているというのだ。大半の訂正は積算ミスが原因だとされているが、、学識者などからは「きちんと公告を訂正する発注機関はまだましだ」との声もあるというのだ。積算が過大だったと発注者が契約後に気づき過大積算分の工費を減額したり、余分な工事を発注して契約額を変えずに帳尻を合わせたりしているという。 落札後に建設会社が見積もりミスを理由に契約締結を辞退すれば、「不誠実な行為」とみなされ指名停止になる場合があるのに、積算ミスを犯した発注者はおとがめなしとなれば受注者側は納得できないのだ。本来は各専門業者や材料屋に見積を取って積算し初めて設計書を作成するものなのだが、今はソフトもあるので極論ですが素人の事務員さんが積算している役所も多いと言われている。最低制限を当てるだけの当て物入札になったので仕方無いことなのだが、私が見ても役所の担当の能力も落ちてきているが業者の積算能力も落ちてるのは事実と思ってしまうのだ。発注者もミスを犯すことがあることを前提に公共事業の様々な仕組みを再構築する時期に来ているみたいなのだ。 発注者の行動を規定する会計法や契約約款などでは発注者がミスを犯した場合の対処方法が明文化されていないそうで、中央建設業審議会の総会で契約当事者間の対等性の観点から公共工事標準請負契約約款の改正内容が決まっていることになっている。受発注者間の協議の段階から公正・中立な第三者である調停人を活用し、円滑に協議が行われるように規定を新設されてはいるし、工期延長に伴う増加費用の負担について発注者に帰責事由がある場合には発注者が費用を負担するという内容の規定も出来てはいるのだ。しかし発注者もミスを犯すことがあるという前提に立った改正はできないみたいなのだが、根本的な問題解決のためには発注者責任を改めて定義する必要があるということだろう。
2017年03月17日
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東京電力福島第1原発事故による避難指示が帰還困難区域を除いて4月に解除される福島県富岡町で、町職員が長距離通勤に不安を抱いているという。町内の本庁舎での業務が再開すると仮役場のある福島県郡山市周辺に生活拠点を移した多くの職員が、福島県富岡町の役場に通うことになるのだ。郡山と富岡間は車で片道約2時間だというのだが、町職員は全体で約140人だが町に住むのは短信赴任等を入れても35人ほどだという。子どもの学校や親の介護・通院といった家庭の事情や、自宅の修繕遅れなどで避難を続ける職員が多く現在の郡山勤務者ら新たに約90人が4月から町内勤務となる。国道288号など一般道で90キロ前後なのだが常磐自動車道などを利用するルートで約130キロもあるという。 通勤バスは渋滞の少ない一般道を走る計画で約90人全員が乗車できるよう、島県富岡町では大型2台の運行をバス会社に委託し、悪天候を想定しマイカー通勤者も乗車可能にする計画だという。所要時間は途中の停車を含め片道2時間20分で、富岡行きは午前6時に町役場郡山事務所を出発する1便のみとなっている。帰りの郡山行きは午後5時45分と午後7時半発の2便を計画しているそうなのだ。郡山市に再建した自宅に家族5人で暮らす50代の男性幹部は「毎朝5時起床、夜10時すぎの帰宅となるが、それでも母が市内の病院に入院し父も通院中のため、妻一人を自宅に残しておけない。単身赴任は難しい」と語っているし、若手女性は「残業で帰りのバスに乗り遅れたらと思うと心配」と言う。 マイカー通勤を選択する小中学生の子どもを持つ40代男性は、「子どもが病気をしたときなどに対応できる」と判断したそうなのだが、マイカー利用には通勤手当があるが上限は距離80キロの月額4万6500円で原発事故前から変わっておらず、30代の男性職員は「ガソリン代をはじめ維持費で足が出る。実態に見合っていない」とぼやいている。しかも今春を「帰町目標」に掲げ職員が町当局に帰還を強く求められていることもあって、町は歳出抑制を理由に通勤手当の削減も検討しているというのだ。率先垂範を迫られた職員にも長期避難で生じた家庭の事情があって困惑が広がっているが、「低線量被ばくへの不安が拭えない」ということもあって職員も町民と同様に戻りにくい事情をそれぞれ抱えている。 福島県富岡町の町長は今年の年頭訓示で「職員は町民の先達として早期に避難生活から脱却し、町内での自立した生活を示す立場にある。私も先頭に立ち時には心を鬼にしながら進める」と述べるなど、単身ではなく家族で戻ることを促して職員の帰町に強いこだわりをみせているそうなのだ。率先垂範を迫られた職員にも長期避難で生じた家庭の事情があり困惑が広がっており、町職員労組は「単身赴任をしても出費は増える。こうした勤務形態が続けば、若手らの離職につながる」と危機感を募らせる。福島県富岡町は来年3月末までの予算約3000万円を確保しバス運行を1年間は続ける方針だが、職員からは「帰町しなければ職員にふさわしくないと思われたら、つらい」などの声も漏れている。 女性職員の一人は「長距離通勤を1年間、頑張れるかどうか。その後は富岡に戻るか退職するか考えねばならないかもしれない」と打ち明けているが、自治労県本部は「自治体当局は職員の人事権を握る。帰還の働き掛けが強制や圧力と感じられるようならば、職員の意欲をそぎ住民サービスにも影響しかねない」と指摘している。現在は業務外で手当もなく町の宿舎は設備が不十分のため自費で宿泊施設に泊まる職員もいるという。町は4月から町内のアパートを借り上げ単身赴任者用宿舎も用意するというのだが、伏見克彦総務課長は「何が正解かは分からない。バス予算をどこまで投入できるかという問題もある。どこかの時点で町の近くに住むなどの選択をしてもらわなければならないと思う」と険しい表情をしているという。
2017年03月16日
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国有地売却問題に揺れる学校法人「森友学園」をめぐり、稲田朋美防衛相は衆院本会議で、学校法人「森友学園」が訴訟した案件への関与を繰り返し否定してきたが、稲田朋美防衛相はこれまでの国会質疑で籠池泰典理事長との関係について、「籠池夫妻から何らかの法律相談を受けたことはない」とか、「裁判を行ったこともない」などと否定していた。「ご主人と稲田朋美先生で私に対する顧問弁護士でした」と籠池氏が証言したインタビューが、インターネット上で公開された後も参院予算委員会で「全くの虚偽だ」と反論していたのだ。ところが14年前に学校法人「森友学園」が起こした民事訴訟の第1回口頭弁論に、原告側代理人弁護士として出廷したことを示す大阪地裁作成の記録があることが一部報道で発覚したというのだ。 民進党の升田世喜男氏の質問に「委員会で突然の資料に基づく質問をされ、全く私の記憶に基づき答弁した」稲田氏は同日の参院予算委員会で「籠池氏の事件を受任し顧問弁護士だったということはない。裁判を行ったこともない」と述べていたという。それなのに学校法人「森友学園」が2004年に大阪地裁に提訴した大阪市淀川区の土地と建物の抵当権抹消登記請求訴訟で、訴状の「原告訴訟代理人」にはその頃は弁護士だった稲田防衛省と、夫の龍示氏にもう一人の計三人が記されていたというのだ。またその時の裁判で大阪地裁が作成した第一回口頭弁論の調書には、夫である龍示氏を除く稲田朋美防衛相ら二人の名前が「出頭した当事者等」に記載されていたというのだ。 稲田朋美防衛相を巡り民進党の小川敏夫参院議員会長は参院予算委で、学園が関係する民事裁判の準備書面に訴訟代理人弁護士として稲田朋美防衛相と夫である弁護士の名前が記されていると指摘すると、稲田朋美防衛相は「共同事務所の場合、一人の弁護士の事件についても連名で出すことはある。委任状の中に私の名前があることは推測される」とか、「籠池氏夫妻が『法律相談をしていただいた』と言うのは全くの虚偽だ」などと答弁していた。また「夫が担当していた事件で夫の代わりに裁判所に行ったことはありえるのかと推測できる」と釈明し、「事実と分かった場合、答弁との違いは訂正したい」と語り、「自分の記憶に基づき答弁した。虚偽の答弁をしたことはない」と説明したという。 民進党の山井和則国対委員長は記者会見で、学校法人「森友学園」が起こした民事訴訟をめぐり、稲田朋美防衛相が原告側代理人弁護士として出廷していたことを示す裁判所作成の記録が見つかったことにふれ、「もし稲田氏の出廷を否定した国会での答弁が虚偽であったならば辞任に値する」と述べ、与野党国対委員長会談で与党に対し稲田朋美防衛相の辞任を改めて求める意向を示したという。学校法人「森友学園」の国有地売却問題をめぐり安倍晋三首相は衆院本会議で、学校法人「森友学園」の訴訟への関与を否定してきた国会答弁の誤りを認めた稲田朋美防衛相について、「しっかりと説明責任を果たし、今後とも誠実に職務に当たってもらいたい」と述べ辞任を否定したそうなのだ。 そのうえ稲田朋美防衛相の資金管理団体が学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長夫妻から寄付を受けていたことに関しては、稲田朋美防衛相は参院予算委員会でこれまた「記憶にはないが、指摘されるのであればそうだと思う」と認めている。この件で菅義偉官房長官は稲田朋美防衛相の進退に関しては「まったく問題ない」としているし、公明党の井上義久幹事長も記者会見で稲田朋美防衛相が参院予算委員会で、明治憲法下の教育理念である教育勅語を擁護する答弁をしたことについて「誤解のないように、きちんと発言することが閣僚として求められる」と注文をつけた上で、「この件について、責任を取るということではないと思う」と述べ自らの責任を否定しているそうなのだ。
2017年03月15日
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原発事故から間もなく6年を迎える中で自主避難者の住宅支援は避難先の選択で格差が生まれることになっている。東京電力福島第1原発事故などの影響で避難を余儀なくされた自主避難者に対する住宅の無償提供を、福島県をはじめ多くの自治体が3月末に打ち切る問題に関して、避難継続を希望する世帯を対象に避難先の9道府県は、財政負担などを伴う独自策で支援することが調査で分かったという。その他の多くの自治体は公営住宅を希望する自主避難者の入居要件緩和を求めた国の通知に合わせて、帰還を強制さすような支援内容にとどまっているというのだ。福島県によると打ち切り対象は1万524世帯の2万7千人弱で、うち県外への避難者は5230世帯の1万4千人だという。 昨年10月以降福島県を除く46都道府県に打ち切り後の自主避難者への支援策を質問した結果、鳥取など6道府県が住宅を無償提供し3県が家賃などを補助するとしている。東京電力福島第1原発事故で国の避難指示が出ていない地域から避難した自主避難者への住宅無償提供が今月末で打ち切られるというのだが、ほぼ唯一の公的支援がなくなるのを前に「放射能から子どもを守りたい」と神奈川県内に母子避難した自主避難者の中には、生活に困窮するケースも出始めているという。福島県いわき市から自主避難している母親は自治体の窓口で生活保護の申請を相談したというのだが、脊柱管狭さく症でつえが無いと歩けず、うつ病も発症していることから収入は児童扶養手当と失業手当のみだというのだ。 この女性がその失業手当もこの夏には切れてしまう。シングルマザーで、高校2年の息子と小学6年の娘を養っているのだが、東京電力福島第1原発事故の後に神奈川に避難したのは「親として子どもを守る義務がある」という一心からだったという。震災前のいわき市での暮らしは気に入っていた。近所でアルバイトをして暮らし、近くの実家の母は子どもの夕食づくりを手伝ってくれたそうで、週末には子どもたちと海へ行きふ頭で投げ釣りをしたり磯遊びをしたりと親子とも友人が多かったという。「このまま、ここで暮らしていきたい」と思っていた矢先の震災と原発事故だったのだ。避難を提案すると子どもたちは「友達と離れたくない」と泣くし、親も「いわきは安全」と反対したが、放射能への不安を払拭できなかったという。 この女性は「子供たちを守れるのは自分しかいない」と避難を決めたというのだが、避難先では福島県と神奈川県が自主避難者のために無償提供する「みなし仮設住宅」のアパートに入居し、パソコンでデータや印刷物を作製するDTPの知識を生かした仕事をしながら、子どもたちが学校になじめるようにと学校の役員活動も積極的に取り組んだという。「賠償金もらっているから楽だよね」と子どもを通して知り合った親から言われ、「うちはもらっていないけれど、家は自治体が用意してくれているの。家計はギリギリだよ」と伝えていたそうなのだ。「子どもを守る義務を果たしているだけ。悪いことはしていない」と思いながらも、自主避難への偏見は心に重くのしかかっていたというのだ。 住宅の無償提供が「いつまでも続かない」という危機感と、「自立しないと」という焦りもあって心労が募っていったというのだが、昨春に「住宅無償提供は17年3月末で打ち切り」というニュースを知ったというのだ。福島県は災害救助法に基づき公営・民間賃貸住宅のいずれも「仮設住宅」とみなし、国費などを財源に避難指示区域外である福島市やいわき市などの自主避難者の家賃を負担してきたのだ。自主避難者に対するほぼ唯一の公的支援だったが、一昨年の6月に「除染やインフラの復興が整った」として今年3月末で打ち切ると表明したのだ。代替策として民間賃貸入居者の一部家賃を2年間補助し、県外から戻る場合は転居費を最大10万円補助することで自主避難者を切り捨てようとしていrというのだ。
2017年03月14日
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現在は多くのファミレスや居酒屋チェーンで24時間営業を廃止する動きが出ているが、それは「働く人が集まらない」ことが主な要因だとされている。求人欄を見ても地方の中小企業は深刻な人手不足に喘いでおり、今のように残業時間が規制されると生産性が落ちて疲弊してしまうというのだ。中小企業にとっては新しく人を雇うより少ない人数で残業代を払ってでも、長時間働かせたほうがコスト的にも安く効率的という形でやってきたというのだ。日本では社員の副業・兼業を就業規則で禁止・制限する企業が圧倒的に多いのだが、「働き方改革」を掲げ柔軟な働き方への移行を目指す政府内には、一つの企業に定年まで勤める終身雇用を背景に「大企業が優秀な人材を抱え込みすぎだ」との見方が強いという。 政府が年度内にも厚生労働省のモデル就業規則の副業に関する規定を「原則禁止」から「原則容認」に転換すると報じられているが、生活できないほど賃金低下させて副業させればどの雇用先も過労死訴訟からは免れるという方策を練っているという指摘があるのだ。つまり企業は正規社員ではなく請負契約や業務委託契約を結ぶことで、長時間労働に関して厳しくなるといわれている労働機銃法逃れをする可能性が多分にあるというのだ。すでにヨーロッパではこの種の働き方が横行し社会問題になっており、これに対処するには副業が必要になるということのようなのだ。すでに副業解禁の動きがあって「ダブルジョブ」・「トリプルジョブ」で生活防衛を図る動きも出てくるといわれているのだ。 「働き方改革」を掲げ柔軟な働き方への移行を目指す政府内には、労働基準法の規制をより厳しくすることで長時間労働が減り、一見良くなるような建前だけ作って現状は悲惨という事を考えているようなのだ。現在施行されている日本の労働基準法の規定は、実は欧州の平均とそれほど変わらないとされているのだが現状は悲惨という。これが正業の労働時間は改正される労働基準法によって短くなっても、正業の収入だけでは生活が出来ない環境を作って、副業を奨励して結局は長時間労働をさそうという事のようなのだ。ただしそれによって「残業以上にキツイです」となっても誰も助けてはくれないのだ。なぜならそれぞれの会社は改正された労働機銃法に定められた放棄に則っているからなのだ。 年金の支給開始年齢を60歳から65歳に引き上げた際に、国はどのような手口を使ったのかというと最初に別の話題を振りまき、たとえば「今のシルバーは元気」だとか、「これからはどんどん働き手が減っていくからシルバーの力を借りよう」などと言って、まずは世の中にそうした文化をつくりだしたというのだ。その後で「年金は65歳からになります」という手はずにすれば、「まぁ5年間だけだし」とか「働くところがあるのであれば」という風潮になったというのだ。そういう論調を頭の良い人たちがつくり出しているワケなのだが、この手法は退職金に関しても同様に使われているというのだ。まずは「こんな時代では、退職金が運用できない」ということをニュースで流し、その後に確定拠出年金の始まりを告知したそうなのだ。 先に「自分の年金は自分でつくる」とか「自己責任の時代」という流れをつくってから、「確定拠出年金は増やすも減らすも自分次第だから」と、制度の切り替えを順次行なっていくという手法をとったというのだ。このように世論から反対の出そうな制度は必ずと言っていいほど「表」と「裏」という両方向から進められてきたというのだ。副業の症例もこれらとパターンはまったく一緒だといわれており、残業自体は今に始まったことではなく私も記憶しているがバブル時代の方が今よりずっと忙しかったのだ。それがなぜ今はニュースになるのかと言えば、副業が解禁になれば昼休みに堂々と社内で求人情報を広げることが可能となり、国が「生活補てんのための労働を個人のリスクにするため」だというのだ。
2017年03月13日
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2万1000人以上が犠牲になった東日本大震災は昨日で発生から6年を迎えたのだが、警察庁のまとめでは死者が1万5893人で行方不明者は2553人と戦後最悪の自然災害になったそうなのだ。避難中の体調悪化などが原因の震災関連死も全国で3523人となり前年比116人増加している。このうち福島県は2086人で直接死を上回っているという。岩手県・宮城県・福島県の東北3県を中心に襲った津波や東京電力福島第1原発事故で、今も約12万3000人が全都道府県に散らばって避難し、被災した東北3県の仮設住宅に約3万4000人が暮らしているというのだ。しかも災害公営住宅の建設や宅地造成の遅れや、原発事故の影響などで避難生活は更に長期化する見通しだとされている。 復興庁がまとめる避難者数はピークだった約34万7000人から3分の1に減ったが、今でも12万3168人で、原発事故のあった福島県民の避難者数は7万9226人を占めるという。集計)によると3県の復興住宅入居者数は3万9664人で仮設住宅と逆転してはいるが、高齢化率は4割を超え孤独死は少なくとも17市町村で22人に上っているそうなのだ。国が福島県の11市町村に出していた避難指示は、帰還困難区域を除き9市町村で解除・解除予定で、当初より面積で約3割に縮小するが帰還するのは解除対象者の8%前後とみられる。しかも大熊町と双葉町は全域避難が続いているというのに、避難指示区域外から避難した「自主避難者」について福島県は3月末で住宅無償提供を打ち切るというのだ。 東日本大震災の発生から6年たって各地で犠牲者を悼む催しがおこなわれたのだが、被害にあった東北の3県では依然として約3万5000人がプレハブの仮設住宅で避難生活を余儀なくされている。阪神・淡路大震災では約5年で仮設住宅はなくなったが、東日本大震災の被災地では仮設住宅の解消の見通しは立っていないのが現状だという。福島県では福島第一原発の事故の影響でいまも約8万人が県内外での避難生活を強いられている一方で、放射線量が高い「帰還困難区域」を除くほとんどの区域では、今月末から来月にかけて避難指示が解除されるというのだ。しかも復興庁によると被災地で事業に携わっている人のうち売り上げが震災前の水準まで回復したのは半分以下にとどまっているという。 福島県ではおよそ8万人が避難生活を続けこのうち2万6000人余りが自主避難しており、「原発いじめ」という言葉が示すように根強い風評や風化が「復興」を妨げているという。松野文部科学大臣は「原発いじめ」の実態を把握するため、初めて全国規模の調査に乗り出す考えを示しているが遅いとしか言いようがないのだ。ある新聞社が避難家族の実態を調査したところでは、原発事故の2か月後にある家族は当時3歳の息子と0歳の娘を連れて、福島からおよそ550キロ離れた大阪へ避難したというのだ。郡山市は原発事故の避難指示区域外だが、この家族は子どもたちを放射能の影響を心配しなくていい環境で育てたい思いから、自主避難を決断し、夫は仕事で郡山に残り家族は二重生活となったという。 福島県は避難指示区域外から自主避難した家庭を支援するため、避難先の住宅の家賃を全額負担してきたのだが今月でその支援が打ち切られるというのだ。震災と原発事故でピーク時には避難者が15万人余りに上った福島県なのだが、浪江町と川俣町の一部と飯舘村・富岡町の避難指示が解除されるという。これで放射線量が比較的高い「帰還困難区域」などを除き再びふるさとで生活することができると政府は言うのだが、打ち切りの対象となるのは2万6000人あまりで、来月からは経済的な負担がさらに重くのしかかってくるというのだ。専門家も「打ち切るということは、避難したいと思う人が避難を継続できないということになる」と福島県のこの決定を非難しているというのだ。
2017年03月12日
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東京電力福島第1原発事故に伴う除染で取り除いた表土等を入れた黒い袋が、福島県内の広い範囲で山積みされ増え続けているそうなのだが、東京電力福島第1原発事故による汚染土を巡っては環境省が再利用に向けた実証実験を行っているが、汚染土1キロ当たりの放射性セシウム濃度8000ベクレルを再利用の上限値としながら、実験では3000ベクレルまでしか使わないことが分かったというのだ。実験場となる福島県南相馬市の強い反発を受けたものだが専門家は、「基準値最高の8000ベクレルでの影響を測定しなければ実験の意味は無いに等しい」と疑問視しているという。実験は南相馬市にある汚染土の仮置き場で実施し、汚染土入りのフレコンバッグ約1000個を開け盛り土を作って放射線量を測るという。 ポリエチレンなどを素材にした「フレコンバッグ」と呼ばれる袋の容量は1立方メートルで、フレコンバッグの寿命は耐久性のあるものでも3年だとされているが、環境省は「袋の詰め替えなどの抜本対策は当面必要ない。問題があれば現場で対応していく」という姿勢だという。腐食防止のためとりあえずフレコンバッグの山の上から緑色の防水シートをかけているそうだが、福島県富岡町の沿岸部の仮置き場ではフレコンバッグをつり上げるショベルカーが埋もれて見えるほど無数の黒い塊が地表を覆っているという。除染廃棄物を詰め込んだフレコンバッグは4段に積み上げ放射線を遮るため5段目と側面には汚染されていない土を入れたフレコンバッグを積んで、表面の汚染された土を掘削してそれを袋に詰め山積みにしている。 世論を「フレコンバッグの汚染土をどうにかしなければ」という方向に誘導し、それを「廃棄物利用」という大義名分で全国に拡散する。この事業は放射性廃棄物の再利用という名の「放射能全国拡散」だおいうのだ。中間貯蔵施設での安定的な一時保管や最終処分に向け年度内に土壌などの質量を減らし再利用する戦略を策定する方針だが、環境庁と原子力規制員会での調整で再利用の基準が決まっておらず課題となっているのだ。線量が一般人の年間被ばく限度の1ミリシーベルト以下に収まるかなどを確認し、結果は来年度以降にまとめる見通しだというのだが、環境省は昨年6月に8000ベクレルを上限に公共事業の盛土などに汚染土を再利用する方針を決めてはいるのだ。 一方で南相馬市などは東日本大震災直後から海岸防災林などの整備のために、コンクリートがれきなどを分別して再利用することを国に要望したところ、環境省は当初は難色を示したが3000ベクレル以下という基準を決めて認めていた。昨年9月末までに南相馬市等で防災林の造成工事などに約35万トンが使われている。自然減衰で基準を下回るまで待つ場合や化学的な処理に土の粒の大きさでより分けるなどの手を加えた場合の利用可能量と最終処分量を算出したが、その結果いずれの基準でも手を加えた場合にはほとんどが再利用できるとなっている。最終処分する量は最も少ない場合でも3千ベクレルを基準にすると約10万立方メートルで、8千ベクレルだと約4万立方メートルで済むという結果になったという。 こうした経緯から南相馬市の桜井勝延市長は昨年6月に環境省の関荘一郎事務次官を訪問して、「今までの3000ベクレル以下という基準と違うのはどういうことだ」と疑問を示したところ、水面相馬市内での実験では8000ベクレルの汚染土を使わず、3000ベクレル以下での使用を要望したというのだ。桜井市長は「そうじゃないと整合性が取れない。環境を守るための省庁が自分たちの作った基準を緩めるというのはつじつまが合わない」と憤っている。環境省は3000ベクレルまでしか使わないことを認め、実験で使う汚染濃度は平均で2000ベクレル程度にするとしている。処理コストを抑えるためになんとかして中間貯蔵施設で保管する量を減らしたい環境庁の魂胆が見えてくというのだ。
2017年03月11日
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私は通販を利用しないのでよく知らないのだが、驚異的なスピードで日本でも成長してきたネット通販の巨人の「アマゾン」は扱う品目は書籍に留まらず、日用品や雑貨・食品と今や多くの日本人の生活になくてはならない存在になりつつあるという。しかしその足元が大きく揺らいでいるそうで、「アマゾン」が扱う商品は日本市場だけで2億品目とも言われているが、それを運ぶ人間が圧倒的に不足しているというのだ。「アマゾンから配送の依頼があり3回ほど呼ばれて話を聞きに行きましたが、札束で頬を叩くような態度で不愉快な思いをしました。その札束が薄いのですから話になりません。はっきり言って条件が悪かったので断りました」トラックで宅配を請け負う運送業の社長がこう言って憤慨していたそうなのだ すでに配送を担う現場の疲弊は限界を迎えており、「アマゾン」の配送を請け負う運送会社社員の声だと「とにかく荷物が多くて、決められた時間内に仕事が終わることなど、まずなかったですね。アマゾンの荷物がものすごく多く、繁忙期になると一日に300軒を回ることはザラでした。しかも時間指定の商品が多く、常に時間に追われている感じでした。毎日のストレスは尋常なものではなかった。それでいて、給料は安い。私も含めて、辞めていく人は多かった」 というのだ。アマゾンの配送は佐川急便が一手に引き受けていたが運賃が低く採算割れだったため、佐川急便がアマゾンに値上げを申し入れたのだが交渉が決裂し佐川急便はアマゾンの配送から完全撤退したそうなのだ。 その「アマゾン」の配達物で一番困るのが箱の大きさだというのだが、アマゾンは内容物が小さいのに無駄に箱が大きいのでポストの入り口に収まらないものが多く、宅配ボックスがあるところだといいのだが一軒家だと投函できないので、結局お客さんに出てきてもらわないと渡せないし、不在なら不在票を書いてまた来なければいけないというのだ。そして「アマゾン」だけでも何度も往復する羽目になって、他の郵便物の配達も遅れ毎日残業です」というのは元配達員なのだが、現在は「アマゾン」の配送はヤマト運輸に頼っているが、今回の労働組合の交渉のように本音では受けたくないはずで、このまま運送業者にとっての条件が悪いままだと「アマゾン」の配送は成立しなくなると危惧されているというのだ。 その「アマゾン」は当日受けた注文を1時間以内で届けるサービスを自社配送でやると言っているのだがそんなことができるわけがないというのが専門家の意見だという。自分たちだけではすべてを運ぶことができないわけなので、ヤマト運輸が撤退したら「アマゾン」は完全に成り立たなくなるという。厚生労働省の調べによると道路貨物運送業の給与は20年前をピークに減少傾向にあるそうなのだ。また全産業の年間所得が489万円だったのに対し、中小型トラックのドライバーは388万円だとされ、そのうえ労働時間は全産業の年間労働時間が2124時間に対し中小型トラックドライバーは2580時間と長いというのだ。単純計算で時給に換算すると約1500円にしかならずコンビニの深夜バイトと変わらないという。 普通は労働が過酷になると給料が上がるのだが、物流業界では労働時間が長くなっているにもかかわらず、給料が下がるという異常な状態に置かれているのだ。数字の上からもトラックドライバーの労働は平均的な労働者よりも長時間で安いことが裏付けられているし、そんなトラックドライバーが日本の物流の実に9割を担っているのだ。しかも労働者の年齢層も50歳代が一番多く歪になっているそうなのだ。情報は一瞬で届く時代になっているというのだが現実の物は誰かが人力で動かさないと経済は回らないのだ。「送料無料・翌日配送・365日24時間営業」は、トラック運転手のような運ぶ人がいないと成り立たないし、日本人が当たり前のように享受する便利さが崩壊の危機に直面しているというのだ。
2017年03月10日
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内閣府は昨年9月に15~39歳のひきこもりが約54万人に上るとの推計結果を公表したが、その間にも増加しているとされる「大人のひきこもり」の実態は不明だとされていた。そこで「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」が厚生労働省の助成を受け、40歳以上の61人について家族らへの聞き取りを実施し中間報告を行ったという。40歳以上の「ひきこもり」に関して民間団体が行った初の実態調査は初めてで、ひきこもりが長く続いている間に行政などの支援が途絶えたり、生活時間が昼夜逆転したりしている傾向が明らかになったという。それによるとひきこもりの平均期間は22年にもなっており、一度は行政や病院の支援を受けたのにその後に途絶えていたケースが半数に上ったというのだ。 ひきこもりの間に見られた行動は昼夜逆転が49人で最も多く、家庭内暴力の15人などが多かったという。「ひきこもり」とは家族以外との関わりがまったく途絶えてしまった、あるいは家族とさえもコミュニケーションが取れなくなってしまったなど、本人が社会から孤立した状態にあるかどうかで見なければいけないそうなのだが、ケースワーカーや相談所等に訴えてくる内容はほぼ共通しているというのだ。相談内容は「どこにも行き場がない」とか「周囲の視線が気になって人目を避けてしまう」・「何もない自分を表現できない」・「将来が見えない」などなのだが、生きるために仕方なく外に出ている人もいるが、地方では「外を歩くだけで不審者扱いされて怖い」と脅える人もいるというのだ。 山形県や島根県の調査によれば「ひきこもり」層に占める40代以上の割合は半数を超えているといわれ、自治体の間接調査とはいえ高年齢化の傾向はすでに顕在化している。これまで「ひきこもり」というと不登校の延長にある学校卒業後の「若者の問題」として語られることが多かった。しかし「ひきこもり」中核層は確実にその存在が見えにくいまま長期化・高年齢化してきているとされ、外の社会に自分の存在を受け入れてくれたり認めてくれたりする人たちがいないために、かつての友人や同級生などの人脈もだんだんと途切れて遠のいてしまうというのだ。もはやこうした状態にある本人たちのことを「若者」だけで語れないし、選別が行われてきたことによって深刻な当事者ほどますます水面下に追いやられる弊害をうみだしている。 「ひきこもり」というとよくドラマや映画などではカーテンを閉め切ってジメッとした部屋にこもるイメージで描かれるが、現実には部屋や家から外出できるかどうかで線引きすると本質を見誤るというのだ。なぜなら本人たちの多くはコンビニや図書館などへは外出しているからで、街等を散策している人も意外と多いというのだ。ひきこもり状態に陥るのには様々な理由があって、例えばいじめや体罰・暴力・受験、・職活動の失敗・失業・事件事故・災害・親の介護・病気・LGBT等への偏見などだ。「ひきこもり」は誰でも起こり得る状態であり、誰にとっても決して他人事ではないのだから、大事なのはなぜそうなったのかではなくどうして抜けられないのかという検証だといわれているのだ。 学校や社会などでさんざん傷つけられてきた「ひきこもり」の当事者たちは、「もうこれ以上傷つけられたくない」し自分も「他人を傷つけたくない」などと、自分の生命や尊厳を防御するために場面回避を繰り返して撤退していくという。そして生きる意欲や意義さえも失いあきらめの境地に至ってしまった人たちなのだが、「大人のひきこもり」はこうした社会的な課題であるにもかかわらず国のデータ的根拠がほとんどないことが問題だとされている。内閣府の調査でも35~39歳のひきこもり層が最も多かったにもかかわらず、その後に打ち出した施策は先を見据えた対策ではなく39歳以下に限ったものだったのだ。「ひきこもり」を年齢で区切る根拠はどこにもないし本人や家族を地域で孤立させてはならないのだ。
2017年03月09日
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現在開催中の参院予算委員会の理事懇談会で、学校法人「森友学園」に国有地が格安で払い下げられていた問題に関し、国会法に基づく会計検査院への検査要請を議決することを決めたという。参院予算委員会による検査要請は初めてで、会計検査院への検査要請は民進党が求め自民党が応じたそうなのだ。予算委員会は検査院に検査事項を指定し国会への結果報告を求めるが、既に検査院は作業に着手しているそうで会計検査院の河戸光彦院長は民進党の福島伸享氏への答弁で、ゴミの撤去費用の見積もりが適正だったのか「事実関係の確認をした上で国会での議論も踏まえ、正確性や経済性など多角的な観点から検査を実施したい」と一連の経緯を調査する意向を示したそうなのだ。 国会として真相解明に向けた姿勢を示すというのだが、その一方で自民党の松山政司参院国対委員長と民進党の榛葉賀津也参院国対委員長は断続的に会談し、榛葉民主党参院国対委員長は「森友学園」の籠池泰典理事長ら関係者6人の参考人招致を求めたという。自民党の松山政司参院国対委員長は難色を示し結論が出なかったことから、週明けも引き続き協議するというのだが、この学校法人「森友学園」に国有地を格安で払い下げた問題で、森友学園をめぐっては「安倍晋三記念小学校」の名で学校建設の寄付金を募っていたことでも物議を醸しているというのだ。安倍首相は「名前が使われたことは極めて遺憾。その後事務所の方から正式に連絡を入れた」と述べている。 これに対し安倍首相の昭恵夫人が「森友学園」の運営する塚本幼稚園でおこなった講演で、「主人が、もし名前をつけていただけるのであれば、総理大臣を辞めてからにしていただきたい」と述べていたことに触れ、「総理をやめてから学校に名前をつけて欲しいと思ったことはないか」と安倍首相に問われると、安倍首相は「たとえ私が自費で学校を作ったとしても、安倍晋三小学校なんかにはしないですよ。常識で考えて当たり前じゃないですか」としたそうなのだ。麻生太郎財務相は「地下埋設物は売却相手方において適切に撤去したものだと聞いており、この土地は地下埋設物を考慮して評価されすでに売却済みであり、実際に撤去されたかどうか契約上も確認を行う必要はないと考えている」と述べたという。 売却価格をめぐっては豊中市議らによる情報公開請求に対し国は当初非開示としていたが、財務省の佐川宣寿理財局長は参院予算委員会で売却価格を当初非公開としたのは、風評被害が出るのを懸念した学校法人「森友学園」側からの要請だと説明している。先月公開した国有地の売却価格を鑑定価格から8億円を差し引いたことについて、財務省は「今後の工事でどんなゴミがさらに深いところで出てくるのかわからないので、隠れたものも含めて国の責任をいっさい免除するということを考慮して撤去費用を見積もった」と説明している。また「森友学園から、9.9メートルまでの深さの杭打ち工事を行った過程で新たな地下埋設物が発見されたと連絡があった」と国会で説明したそうなのだ。 国会の審議では学校法人「森友学園」が運営する塚本幼稚園の教育方針に問題があるということで、幼稚園に通う園児の母親から聞いた話として「家に帰ってきた子供の水筒の水・お茶が減っていない。子供に聞いたらお手洗いの回数が増えるからといって、お茶を飲むと怒られるそうだ。海軍式の教育だとしてトイレの時間が決まっており、それ以外は行ってはいけない」という事例まで紹介して、「トイレに行かせないというのは文科省の見解でも体罰であるとされる。この学校のどういう教育方針に共感されたのか」と追及してそうなのだ。安倍首相は「私が存じ上げているのはパンフレット等で理念として掲げられているもの。私はこの学校がやっていることは詳細について全く承知していない」と苦しい答弁をしているという。
2017年03月08日
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政府が根拠とする国連国際組織犯罪防止条約はテロ対策のための条約ではなく、米国のマフィアや日本の暴力団等経済的利益を目的とする組織犯罪集団を対象とするものであることから、戦前の「治安維持法」のように労働組合つぶしという事で問題が多いとされている「共謀罪」なのだが、政府は3月上旬に閣議決定する方向で最終調整している「テロ等準備罪」を新設する「組織犯罪処罰法改正案」について、政府は自民党の法務部会でも法案を提示する予定だということなのだが、公明党の会合で法案を初めて示したそうなのだ。公明党はこの「共謀罪」の成立要件を容認する方針を固め、数回にわたって党内議論を重ね3月の初めにも法案を承認する調整を始めているという。 公明党はこの「共謀罪」の成立要件を容認する方針を固めたわけなのだが、山口那津男代表は記者会見で閣議決定について「与党としても、なるべくかなうように受けとめるのは当然のことだ」と述べた。その一方で「スケジュールありき、よりも国民の納得、国会の論戦を乗り越えることに責任を持つことも与党の役目だ」と述べ、国民の理解を得るために議論を徹底させる必要性を指摘したというのだ。公明党は国政選挙並みに重視している7月の東京都議選に法案審議が影響することを懸念している。国連国際組織犯罪防止条約の規定では懲役・禁錮4年以上の罪が対象で総数は676なのだが、業務上過失致死などの過失犯罪や公職選挙法などが含まれることから「対象範囲が広すぎる」との声が強いというのだ。 政府は会期が6月までの今国会で成立を目指す法案の提出期限を3月に設定しているが、公明党はこれまで政府が法案を示さなかったため「党内議論をする時間がない」などとして、閣議決定が3月中旬以降にずれ込む可能性を指摘していたという。提示された法案では対象犯罪をテロや組織犯罪関連に絞って減らす方針で、組織的犯罪集団の関与が現実的に考えられる5分野277に絞ったという。国連国際組織犯罪防止条約では「自国の国内法の基本原則に従って必要な立法措置をとる」と定め、各国の事情に配慮した法整備を認めているし、国連が各国の参考に作成した「立法ガイド」も同様に定めているというのだ。また米国のように共謀罪条項を留保して条約を締結した国もあるというのだ。 この「テロ等準備罪」というのに法案にテロといった記述がないことが判明しているが、合意だけでなく実行の準備行為も要件に加え、犯罪主体を「組織的犯罪集団」に限定した点で従来の共謀罪と根本的に異なると政府は強調しているが、準備行為が加わったとしても犯罪を共謀し計画することが罪とされる本質は変わらないのだ。組織的犯罪集団の定義も極めて難しいと専門家は指摘しており、適用対象を単に「団体」とし、重大な犯罪を「共謀」した際に処罰できるとしていたため、一般の労働組合や民間団体も捜査対象になる可能性が指摘されことを払拭はされていないという。また「既遂」を罰することを原則とする日本の刑事法の形が大きく変わることから、「心の中で思ったことが罰せられるのか」という不安も広がっているのだ。 実際に今回の法案を巡っても民間の団体などは当たらないと今まで政府は説明してきたが、「犯罪を行う団体に一変した場合は処罰の対象になる」と最近になり微妙に見解を修正してきているのだ。結局は警察や検察の認定次第ということになるということのようだが、国際的な連携の輪に加わるため条約の締結は必要だろうし、不当なテロ対策の強化に異論をとなえる人もいないのではないかとされるが、捜査機関の裁量で合意段階の罪を幅広く罰することができるような法制にはやはり慎重であるべきだ。仮に条約締結やテロ対策のため現行法に欠けている部分があるならば、個別に検討し補うのが望ましいし、捜査機関の判断を外からどうチェックできるのかも検討する必要があるといわれているのだ。
2017年03月07日
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日本の裁判所での労働判例をみてみると非常に厳しく解雇を規制しており、特にローパフォーマンス社員に対する解雇を非常に厳しく規制しているといわれている。外資系企業を対象としたセミナーや法律相談で日本の解雇規制の実情を説明すると、ほとんどの外国人幹部はように大変驚くそうで、「なぜ仕事ができない社員を解雇できないのか。日本は不思議な国だ」というそうなのだ。特にアメリカでは能力不足を理由とする解雇はハードルが低く、同じ資本主義社会であっても全く労働法制が異なっている。それは労働者の半分以上が時給15ドル以下で働くような環境を生み出しているのだ。そんな米国の経営者には「能力不足が明らかであるのに解雇できない、解雇が無効となることが理解できない」ようなのだ。 大まかに言えば解雇規制が緩やかな国の考えは以下のとおりで、会社は特定の能力があることを前提にして社員を雇用しているのだから、その社員に特定の能力がないことが明らかなのであれば会社が社員を解雇することは当たり前であると考えるというのだ。「日本は長期雇用システムの元で定年まで勤務を続けていくことを前提にしていたため、長期雇用に社員は期待を持っていることから、その期待はある程度保護するべきであり、社員を解雇することを容易に認めるべきではない」というのが裁判所の価値判断となっている。会社もローパフォーマ達の意識改革を底上げ的に実施したいと思っており、能力的に劣っているというよりは上司を含む人間関係や対人関係による影響が多いと考えているというのだ。 職場や仕事と能力のアンマッチ等で時間の経過とともにそれなりに昇進・昇格して、現在の立場に居るという認識を持っていると考えているというのだ。この可能性を秘めたローパフォーマ達のモチベーションを通し高める手段は会社側の責任で、それを放棄して安易な解雇は許さないというのが裁判判例の多さだといわれているのだ。ローパフォーマンスの原因は一様ではないのだが、能力的に厳しい人もいるのでしょうし適性とキャリア開発がうまくいかなかった場合もあるというのだ。担当業務や上司や顧客に恵まれなかったかもしれませんし、私的な理由あるいはメンタル面で力が出せていない人もいるという指摘もなされている。会社の戦略や組織運営に納得できないという人も多いというのだ。 また今のポジションが気楽でよいと考えているのかもしれませんし、周囲や経営から期待されていないと思っているかもしれませんし、自分は十分によくやっていると考えているかもしれません。ですからこのローパフォーマンス者問題の解決策は一様ではないのだが、様々な原因によって発生したローパフォーマンス者の問題を一気に全て解決することも難しいと考えるのが普通なのだ。研修だけでなく配置や処遇システムなどを総動員して、時間をかけて個別の対応も含めて実行していかねばならないし、そういう前提で研修は「時間をかけて実施する、今後の底上げ施策のスタートの場」として相応しい内容のものが良く、人事部としても逃げることなく彼らと一緒にその原因を突き詰めようとするべきだというのだ。 具体的にはローパフォーマンスという結果になっている原因を、客観的に発見・認識できそれを人事部や上司と共有する仕掛けのある研修が費うようで、担当業務とその結果を未来の視点や家族など大切な人の視点から見つめなおし、思わしくない現状を生んでいる原因に自ら気づいて、これを人事部や上司と共有するという方法もあるというのだ。モチベーションという言葉からも「やる気になった状態」に到達する道や、その道を歩き始めようとする動機はそれぞれ異なっており、まずはこれまでの時間の経過とその結果をしっかりと見つめていただくことが大切だとされている。「可能性を秘めた人達への理解」というものを前提にしているわけですから曾遊気持ちで接する努力が必要だというのだ。
2017年03月06日
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東京都の立川市立小学校で起きた集団食中毒の感染原因が「刻みのり」だったとする東京都の発表を受けて、立川市の清水庄平市長は記者会見し「保護者、児童につらい、苦しい思いをさせてしまった。申し訳ない」と改めて陳謝し、再発防止に向けた対策を早急にまとめる意向を示したという。さらに問題が起きていない小学校の給食でものり使用を控えることや、市内にある保育園や高齢者施設などに情報提供して新たな食中毒発生を防ぐ考えを強調したそうなのだ。立川市教委によると「刻みのり」は各教室で給食当番の生徒がトングでつまんで親子丼に振りかけていたそうなのだが、仕入先に保管されていた賞味期限が同じ「刻みのり」からノロウイルスが検出され患者のウイルスと遺伝子配列が一致したという。 私もよく利用して冷蔵庫に保管している「刻みのり」は、ちらしすしやたらこスパゲティなどにも使われる定番食材だが、食中毒の感染源になることはほとんどない乾物とあって、「まさかのりにウイルスがつくとは思わなかった。加熱しない食材なのでこれからは使用が難しくなる」と関係者の間に波紋が広がっているそうなのだ。立川市はすでに集団食中毒が起きた7校を含む13校分の小学校給食を調理した学校給食共同調理場を今月は休止させ、これに加えて自校調理方式の小学校でも当面はどのメーカーのものであっても「刻みのり」の使用は控えることを決めたという。中学校は弁当持参か民間業者が調理した給食のどちらかを選ぶ「弁当併用外注給食方式」だが業者には「刻みのり」を入れないよう指示したという。 またおやつや食事を提供する児童館や学童保育所でも同様の措置をとったそうなのだが、この食中毒事件は東京都だけでなく和歌山県でも起こっているのだ。和歌山県によると1月に御坊市で給食を食べた生徒ら800人以上が食中毒となった問題で、原因となった磯和えにも東海屋が製造した同じ「刻みのり」が使われていたというのだ。そこで大阪市は「刻みのり」の販売元である東海屋とその下請け業者に、立ち入り検査を行うとともに商品の回収を指導し、東海屋は自主回収を始めていたというのだ。「刻みのり」は昨年12月に東海屋に納品しているが、大阪市によると賞味期限が同じ製品は学校給食用や業務用として280袋が東京都や埼玉県に和歌山県・大阪府・滋賀県・兵庫県・大分県の卸業者に出荷されているというのだ。 再発防止に向けた対策については「食中毒再発防止対策検討委員会」を設けて策定する方針を示していたが、学識経験者や医師に薬剤師ら5人で構成し第1回会合を開いている。3月中旬までに3回の会合を開いて対策をまとめ新年度の給食が始まる前に実施するという。また東京都小平市立小学校での集団食中毒はまだ食材の検査結果が判明していないものの、立川市の食中毒と同じメーカーの「刻みのり」が使われていたことが分かっている。販売元の東海屋は全国に海苔を流通しており、「くら寿司」をはじめ大手有名店が取引先にあり、寿司の軍艦巻きに使用する海苔を自動的に袋詰めする装置を開発し工場に導入し機械化を行い、今までの作業の半分になった「軍艦巻海苔自動包装機」で有名だという。 感染力の強いノロウイルスは道端なんかで吐いた後乾燥した粉末が飛散して、感染するということを聞いたことあるので、乾燥していても油断できないということなのだが、原材料が汚染されていて加工過程全部すり抜けるとも思えないので 袋詰めの作業とかそういうとこで付着したのではないかとされている。販売元の東海屋では下請けの工程でノロウイルスへの感染が確認されてとしているが、品質管理に責任が持てないという杜撰なシステムで生産していたというのだ。その大手有名店では「当社が仕入れた海苔は原料ならびに製造工場が異なる事を確認いたしましたが、安全性確保の観点から東海屋との取引の一時停止、仕入れ済商品の使用中止、並びに、在庫商品の即時廃棄を行います」としているという。
2017年03月05日
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先月から鳴り物入りでスタートした「プレミアムフライデー」なのだが、政府および経団連を中心とした経済界が提唱・推進している、毎月最終金曜日(フライデー)に普段よりもプレミアムな生活を推奨する個人消費喚起キャンペーンなのだ。午後3時に仕事を終えることを奨励する働き方改革とも連携し、給与支給日直後に該当しやすい月末の金曜日には、夕方を買い物や旅行などに充てることを推奨しているというのだ。調査会社が行った「プレミアムフライデー」の実態調査では半数近くの人が「自分には関係ない」と他人事で、実際当日にイベントなどを楽しんだ人はわずか5.0%だったという。「今回は様子見」とひとまず見送った企業も少なくなかったようで「中小企業はとてもじゃないけど無理」といった嘆き節も聞こえている。 調査は20代から50代の働く男女1704名を対象に実施されたそうなのだが、消費を促したいそんな経済産業省の目論見は外れ「アフター3」を満喫した人は少数だったようだ。世耕経産相は実施前の記者会見で「政府としてはプレミアムフライデーの取り組みが単なる安売り日ではなく、デフレ的な傾向を変える一つのきっかけになることを強く期待している」とコメントしており、さらにこの取り組みが働き方改革とも連動するとして「企業が従業員に対して有給休暇の取得促進やフレックス制度の活動を促すことで、買い物や家族との外食、観光やボランティア、旅行など、豊かさや幸せにつながる充実感や満足感を得ることができる環境づくりにつながることを期待しています」などと語っていたそうなのだ。 プレミアムフライデーの認知度や取り組みへの感想や当日の予定などを聞いたところ、小売や飲食業では特別企画が続々と打ち出され連日テレビを賑やかせたためか、プレミアムフライデーを「知っている」と答えた人は88.8%と性別・年代問わず高い認知率となっていたが、当日の予定を聞いた質問では「特に何もしなかった」が43.9%でトップとなり、次いでなんと「仕事」が35.0%に対し当日にキャンペーンやイベントを楽しんだ人はわずか5.0%だったという。取組の推進のため一定の使用基準の下でプレミアムフライデー推進協議会事務局のホームページから企業等が自由に使用できる統一ロゴマークを無償提供しているにもかかわらず、多くの人は仕事から解放されることもできない皮肉な結果となったようなのだ。 それでも私の事務所もそうなのだが労働組合では、「プレミアムフライデー」の時間を利用して会社側と団体交渉を行う時間や、労働組合の定例会議の時間とか争議行動の時間として確保していく動きがみられたという。また「プレミアムフライデー」の取り組みをどのように感じているかを聞いたところ、いい取り組みだと思うが自分には関係ない」が47.8%と、次点の「いい取り組みだと思う」の25.3%を大きく離して最多となったそうなのだ。概ね肯定的に捉えられているようだが定着にはもう少し時間がかかりそうで、デパートの担当者は「プレミアムフライデーは低迷する個人消費を喚起する効果があると思う」と答えている。もっとも「消費が少ないのはどう考えても時間というよりお金がないことが原因だ」という意見が大半だったという。 それでも大手デパート5社は月末の金曜日に早めの退社を促す「プレミアムフライデー」が初めて行われた日の売り上げを発表しているのだが、それによるとグループ全体の1日の売り上げは去年2月の月末の金曜日よりも少しは増加しているそうなのだ。大手デパート各社ともに食品売り場や飲食店が仕事帰りの人を中心ににぎわったほか、体験イベントを行った化粧品の売り上げなどが好調だったということのようなのだ。それでも皮肉なことに先月のグループ全体売り上げは「うるう年」だった去年より営業日が1日少なかったことなどから、5社のうち3社が去年の実績を下回っているそうなのだ。それでも各デパートとも「この取り組みを持続させるためにも継続的にイベントなどを行っていきたい」と話しているという。
2017年03月04日
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東日本大震災の復興事業だけでなく、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年まで建設業界は好況が続くといわれているのだが、その言葉どおり建設業を取り巻く環境は東京オリンピック・パラリンピック開催に向けたインフラ投資や、大規模な再開発事業などによって堅調に推移しているのだ。ただし人口減少局面にある日本では建設需要の伸びが永久に続くわけではかく、新設を中心とした従来型の建設投資は長期的には縮小していくといわれている。前回の東京でオリンピックが開催された1960年代にはオリンピック大会後に民需の落ち込みで建設不況になっており、今回もオリンピックの後には建設需要が減少するとされてはいるが、前回の建設不況ほど深刻にはならないと予測されているのだ。 それは老朽化した道路や橋の改修など国の営みを支える大型インフラの整備・維持といったニーズがあるからなのだが、私の所属している建設業界は大きな転換点に立っていると考えられていることには間違いがないみたいだ。世界的に見ても極端な少子高齢化が進む日本では労働生産性を大きく向上させなければならないのだが、建設業の情報通信技術は企業のビジネスを支えるインフラとしての役割が中心だったという。それが近頃よく使われている「デジタルトランスフォーメーション」という言葉が象徴しているように、デジタルテクノロジーがビジネスそのものになりつつあるというのだ。「AI」と呼ばれる人工知能といった言葉がバズワードから脱却して、新しいビジネスを創出する源泉になってきているというのだ。 また「働き方改革」ということでは建設業では多くの社員が社内ではなく、建設現場で仕事をしていることから情報共有やコミュニケーションの壁が生まれやすい状況にあるとされている。生産性を高めていくにはこの壁を取り除かなければならず、そこである大手ゼネコンの情報企画部門では「ICTを活用した生産性向上」を、「情報共有やコミュニケーション環境を整備して時間の創出と業務スピードの向上を実現すること」と定義しているそうなのだ。建設現場において情報共有やコミュニケーションを行う場合でも、その基盤が世の中で広く使われているクラウドサービスであることが非常に大きなメリットななることから、現場で働く社員にも同じアプリやソフトを利用できるタブレットを配布していつでも情報を共有できるようにしているというのだ。 これでオフィスに戻らなくても仕事が進められるようになって、移動時間や承認待ち返答待ちなど付加価値を生まない時間を大きく削減できたという。その大手ゼネコンが昨年11月に実施した社内のアンケート調査の結果では、社員1人当たりの時間創出効果は月間8時間という結果が得られたそうなのだ。アンケートの回答者はおよそ8千人と全社員の約9割だったというのだが、全体では月あたり約6万5000時間の時間を創出できたというのだ。これは当初の予測の倍以上の効果だったそうで、さらに正確な効果測定を進めているというのだ。調査結果について社員の時間単価を考えれば財務上の効果も大きいとされ、ICTツールの導入と同時に社員の方々が積極的にICTツールを活用し田結果だというのだ。 ICTツールを導入しただけで「働き方改革」が実現できるわけではなく、その大手ゼネコンの社員がそれをいかに使いこなすかが重要だというのだ。人手の作業が多い建設業はデジタルトランスフォーメーションとは縁遠いと思われているが、最新のテクノロジーをしっかりとウォッチしていると大きな効果を生むという。人口が減少していく日本では民需も減っていくのだが、そうした中でもお品質と安全が何よりも大切で、この基本方針には「多忙な今だからこそ、建設事業本業の原点に立ち返ろう」という思いも込められているとその大手ゼネコンの担当者は語っている。これは「品質と安全の確保によって高い顧客満足を得る」ということを第一義に考えて仕事をしようというものだというのだ。
2017年03月03日
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原子力規制委員会は定例会で福井県にある関西電力大飯原発3・4号機が、新規制基準に適合しているとする審査書案を了承したと発表した。事実上の審査合格で1カ月間の意見公募後に正式決定するというが、合格しているのは全国で6原発12基なのだが、この決定で関西電力が申請した3原発7基全てで事実上の合格判断が出ることになる。大飯原発3・4号機は関西電力が福井県おおい町に所有する原発で、いずれも加圧水型軽水炉なのだが関西電力の原発の中で最も新しく、3号機・4号機ともに1990年代に営業運転を開始している。関西電力が保有する原子力発電所としては最大規模で、日本にある原子力発電所では柏崎・刈谷原子力発電所に次いで第2位の発電量があとされている。 この福井県にある関西電力大飯原発3・4号機は新規制基準施行前に、当時の民主党政権が関西電力管内の電力不足を理由に政治判断で再稼働していたが、電力のひっ迫状況が推定と異なって停電等も起こらないことが確認できたため定期検査で停止している。再稼働の時には保安院の審査書を「妥当」とする確認文書が用意されており、保安院の委員長であった班目春樹が淡々と議事を進め5分後に、「これを本委員会の見解とします」と述べて会議を打ち切って再稼働した原発なのだ。この時に傍聴した再稼働に反対する市民は「結論ありきの茶番」だと批判したが、政府は再稼働への同意をおおい町議会に要請し、全員協議会が開かれ議員のほとんどが賛成して再稼働容認を決めたというのだ。 しかし福井県おおい町の時岡町長は福井県原子力安全専門委員会の意向も踏まえて判断するとしているため、福井県原子力安全専門委員会の結論が大幅にずれ込んでいることから町としての同意には至っていないという。しかも時岡おおい町長の息子が大飯発電所の下請け会社の社長であることから、この会社の経営のために大飯原発を動かしたいのではないかという説がTVの討論番組で放送されているという。しかも福井県原子力安全専門委員会の結論が出ていないことや、国が原発の中長期的な方向性を示さず姿勢が明確でないことに西川福井県知事が「原子力は国が前面に立って仕事を引き受けないと問題が解決しにくい」と反発していることから、福井県の意見集約はあまり進んでいない状況だといわれている。 それでも関西電力は大飯3・4号機を今年9月までに再稼働させる計画を原子力規制委員会に示しているそうなのだが、再稼働には設備の詳細設計など二つの認可や使用前検査のほか、福井県などの地元同意が必要で再稼働の時期は不透明だとされていたのだ。大飯3・4号機の審査では想定する最大の揺れ「基準地震動」を700ガルから856ガルに、津波の高さを2.85メートルから6.3メートルに引き上げるなどの安全対策を盛り込んでいた。ところが2基の地震対策の審査を担当した原子力規制委員会の島崎邦彦前委員長代理が、基準地震動について「計算が過小評価されている」と指摘し、原子力規制委員会に再計算を求めたが原子力規制委員会は「関西電力の計算は妥当」として退けた経緯があるのだ。 大飯原発3・4号機から3㎞ほどの若狭湾内には、北西から南東方向に伸びる断層が存在しているし施設内にも活断層が存在するという見方もあるのだ。また山地で急傾斜の半島の先端に位置するため大地震や津波などが起きた際には、大飯原発3・4号機と外部を結ぶ道路が寸断され発電所が孤立する危険があるとの指摘もある。私は原子力を使いこなすのは人間には無理だということで、現状として原発が壊れた場合には人間には成す術がないという事だとおもっている。壊れないように努力するしか無いのだが世の中壊れない物は無いというのが事実なのだ。場合によっては地域の存在や文化ごと消し飛びかねず、いつか絶対事故が起きる原発をいくら便利でもリスクが大き過ぎると考えているのだ。
2017年03月02日
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昼にちょっと眠るだけでも全然違うとされる睡眠不足なのだが、翌日に頭痛や倦怠感を引き起こし日常生活に支障を来すだけではないというのだ。労働者の生産性を低下させ死亡リスクを高めることにより、日本経済に多大な損失をもたらしているというしてきもされている。睡眠不足の原因の1つとなっている長時間労働の抑制に向けて企業も動き出しており、非営利研究機関「ランド・ヨーロップ」の調査研究によると、睡眠不足による経済損失額を国内総生産比で見た場合には日本は2.92%となり、調査対象5カ国のうちで最大だとされ、損失額で比べると最大は米国の年間では最高4110億ドルで、日本は1380億ドルで2番目となっており、睡眠不足が職務遂行能力の低下などを通して生産性を下げているというのだ。 非営利研究機関「ランド・ヨーロップ」の調査によると、睡眠不足という事で全体では年60万日を超える労働時間を損失しているというのだが、1日の睡眠時間が平均6時間を下回る人は7~9時間の人に比べて、死亡リスクが13%高くなると指摘し、6時間未満を6~7時間に増やすことで日本経済には7570億ドルのプラス効果があると試算している。また厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると20歳以上の男女で1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は39.5%となっているという。しかも厚生労働省の「過労死等防止対策白書」によると、フルタイムの正社員調査で睡眠時間が「足りていない」・「どちらかと言えば足りていない」と回答した人の割合は4割を超え、理由としては「残業時間が長いため」が最も多かったというのだ。 第一生命経済研究所の柵山順子主任エコノミストは「長時間労働をしなくてはいけないような雰囲気や、長時間労働をすることで求められている以上のものを返すことが立派だとするような文化が、結局は睡眠時間の不足や生産性の上がりにくい状況を作ってきている」と指摘しているそうなのだ。そして「もう少し時間を意識したような働き方に変えることが大切」だとし、それが長時間労働の是正につながると述べている。長時間労働の見直しに向けて注目されているのが勤務終了後に、一定時間以上の休息期間を設けることを義務付ける「勤務間インターバル制度」なのだ。休息時間を確保することにより労働の質を高め生産性を高めることが狙いでこの「勤務間インターバル制度」を導入する企業が増えているという。 おむつメーカーのユニ・チャームは今年の1月からインターバル制度を導入し、全社員に対して勤務終了から翌日の勤務開始まで8時間以上の休息を義務化したそうなのだ。またユニ・チャームでは午後10時以降の勤務を原則禁止している。三井住友信託銀行では昨年の12月に退社から出社まで9時間以上空ける対象を含む全行員に広げているというのだ。「勤務間インターバル制度」についてはすでに欧州連合では、加盟国に最低連続11時間の休息を確保するよう義務付けているが日本では法制化されておらず、厚生労働省によると「勤務間インターバル制度」を導入している企業は調査した約1700社のうち2%にとどまっており、睡眠不足が職務遂行能力の低下などを引き起こしているというのだ。 そこで政府は「勤務間インターバル制度」の導入を後押しするため、中小企業を対象にした助成金制度を始めるというのだが、来年度の予算で約4億円を計上し50万円を上限に対象経費の4分の3を補助する方針だという。就業規則等の作成・変更費用や研修費用だけでなく、労務管理用のソフトウェアや機器等の導入・更新費用などが対象となるというのだが、第一生命経済研究所の柵山順子主任エコノミストは、過労死を減らすために長時間労働を是正しなくてはいけないのは大前提だとした上で、人口が減少する中で長時間労働をできない人も増加するとし「長時間労働をしなくても回るような仕組み作りに真剣に取り組まなくてはいけない時期にきていると思う」と述べているそうなのだ。
2017年03月01日
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