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先週末のシャンパーニュ尽くしのワイン会。まずは、ヴーヴ・クリコのイエローラベル。ノン・ヴィンテージで新しい瓶詰めの物。これに料理は、イタリア、トスカーナのラルド・イン・コンカ・コロンナータ(最高級の豚の背脂の生ハム)と私の手作りのマンガリッツァ豚のバラ肉の生ベーコン、これらに自家製セミドライトマトと水茄子のサラダを添えた。 2本目は、ドン・ペリニヨン96年。これには、冷製のトマトとときめき鶏のコンソメに、コンソメで煮てよく冷やした冬瓜とフォアグラのテリーヌを小さなキューブ状に切って合わせた。ゆるゆるのゼリーコンソメを絡めながら、相性の良いフォアグラと冬瓜の組み合わせが、上品な味わいだと思う。 続いて、3本目は、ドン・ペリニヨン90年。これには、下関産の一本釣りの関イサキをポワレして、シャンパーニュヴィネガーとシャルドネの白ワインで作ったブール・ブラン・ソース(白バターソース)とピノ・ノワールの赤ワインで作ったブール・ルージュ・ソース(赤バターソース)を重ねてかけたもの。シャルドネ種の白ブドウとピノ・ノワール種の黒ブドウを混ぜて作られるシャンパーニュに合わせた発想。白いソースと赤いソースがマーブル状になって見た目も楽しい。 続く4本目は、最初と同じヴーヴ・クリコのイエローラベルだが、瓶詰めが70年代の物。つまり30年以上熟成しているいわゆる枯れたシャンパーニュ。香りは、フレッシュフルーツ系ではなく、湿った土やキノコなどあるいはドライフルーツや酵母系の香りで、発泡の力もかなり落ち着いていて熟成したやわらかな口当たりだ。料理はときめき鶏のもも肉をローストしたものに、イタリア産のサマートリュフを使ったソース。冬のトリュフほど香りが強くないサマートリュフだから、かえってこのデリケートなニュアンスのシャンパーニュにマッチするでしょう。 続いて、同じくヴーヴ・クリコの85年ヴィンテージシャンパーニュのロゼ。これは黒ブドウを7割程度使用しているので、見た目の色はシャンパーニュ・ロゼ独特の淡いバラ色だが、味わいは赤ワインに近い。木イチゴやイチゴなど赤いフルーツのニュアンスもしっかりある。そこで合わせた料理は、シャラン産の窒息鴨のフィレをローストしたものに木イチゴの軽いソースと焼き無花果を添えたもの。ワインの果実味に木イチゴのソースが、、、そしてワインの熟成したニュアンスに鴨の鉄分を感じる肉汁と妖艶なイチジクの香りが、、、それぞれ絶妙にマッチするはず。 デザートワインにシャンパーニュのラタフィア。ラタフィアというのは、ワインを作る前のブドウジュースそのものに、同じブドウで作って置いたブランデーを混ぜ、シャンパーニュの古樽で熟成させたもので、ジャンルとしてはヴァン・ド・リキュールという種類のお酒。同じようなものがフランス各地で作られている。たとえば、コニャック地区ならピノー・デ・シャラントーだし、ジュラ地方ならマックヴァン・ド・ジュラetc...味わいは、なんとなく梅酒に似ている感じかな。(大雑把ですが、、、)よく冷やして食前酒に飲む人もいるし、今回のように食後にデザートワインとして、デザートに合わせて楽しんだりもできる。 このラタフィアが、黒ブドウのピノ・ノワール100%ということなので、合わせたデザートは、マルキーズ・ショコラのグリヨット風味。バターを多めに加えたやわらかめのガナッシュ(生チョコ)をコーヒーカップに流しいれて固め、上にグリヨット(フランス産の黒さくらんぼう)のコンポート(この場合赤ワインシロップで煮たもの)をかける。ショコラだけでも十分にラタフィアを引き立てるのだが、そこにサクランボウと隠し味に使った木イチゴ風味のシャンパーニュヴィネガーの香りが合わさって、、、参加したさかもとこーひーの坂本さんも「これはピンポイントだ。」と、、、、。 他にトンカ豆の風味のデザートを出して、これは坂本さんがトンカ豆に合わせてブレンドしてくれたサンク・オ・ピエブレンドを合わせ、みなさんのその相性の良さにびっくり!最後の最後にさかもとこーひーの木陰ブレンドで穏やかな気分に、、、。音楽好きのKさんとヘンデルのアリア“オンブラ・マイフ(懐かしい木陰)が聞こえてきますねぇなどと語りあい、、。とどめも一発に、フィーヌ・ド・シャンパーニュ!これはシャンパーニュのワインそのものを蒸留したブランデーで、凝縮したシャンパーニュの香りが楽しめる。フィーヌをちびちび舐めながら楽しく夜が更けていったのでした。 今回は、シャンパーニュが全部白ブドウと黒ブドウの昆醸物だったので、メニュー作りに苦労しました。ただ、シャンパーニュ自体がかなり幅広く料理を受け入れるタイプのワインですから、「それはないだろう!」という料理さえ避ければまあ何とかなるだろうという前提のもと、溶けるものと噛みしめるもの、さわやかな香りと味わいとまったりこくがあるもの、白ブドウの味と黒ブドウの味、繊細でほっとする味、きりっと際立った味、徹底的に相性を追求したもの、という感じに皿ごとにテーマを設けてやってみました。 楽しい頭の体操ですね!
Aug 30, 2010

たまには猫の2ショット。相変わらず仲良くやってます。 夏休みに入る前々日の土曜日には、さかもとこーひーの坂本夫妻が来店。さかもとさんのリクエストは、「8月9月コースのアワビが気になる」ということで後はいつも通りお任せで、、、ということで、8月9月コースをベースにして、前菜はイタリアの至宝ラルド・イン・コンカコロンナータ(18か月熟成の豚の背脂の生ハム)と同じく18か月熟成のパルマ産生ハムにサンク・オ・ピエの自家菜園の有機夏野菜料理(水茄子サラダ、セミドライトマト、ラタトゥイユ、焼きなすのマリネ、ピクルス)を添えた。 続いて、オーストラリア産グリーンリップアワビのロースト肝とひものソース、シャルドネを合わせた。スープは、きゅうりの冷製ポタージュ。メインは、先日も召し上がっていただいたばかりだったが、奥様にも是非ということで、、、ラベルルージュのマグレ鴨のポワレを、、そしてデザートは、トンカ豆風味のビターチョコのソルベとヴァニラとトンカ豆風味のクレーム・ブリュレにフィナンシェ。もちろん、このデザートに合わせてブレンドしてもらったサンク・オ・ピエ専用さかもとこーひーを合わせる。さかもとさんもデザートとコーヒーのマリアージュに満足の様子。このときはほとんど満席で忙しく、あまりお話も出来なくて残念。 休み明けは先週金曜日のディナーから、、、その明け一番のお客様が、さかもとこーひーのさかもとさん!今度は友人(マスコミ関係の方、たしか、、、)と、とても暑い日だったので、まずは南仏のさわやかなスパークリングワインに白身魚とホタテのテリーヌ。さかもとさんのご友人が「これはさっぱりしていていいね!すごく上等なかまぼこみたいですね」と、そこで魚のテリーヌの作り方の話を少し、、「基本的にかまぼこと似たような作り方なんですが、魚と同量くらいの生クリームが入ります。私の場合それを少し低脂肪のクリームにしているので、わりあい軽くてさっぱりした感じになります」 2皿目は、米茄子にトマトでさっと煮込んだエスカルゴを詰め、グリエールチーズとパルミジャーノチーズをかけて焼いたもの。これにはよく冷えたイタリアのピノグリージョの白ワイン。続いて、、 ゆるゆるゼリー仕立てのトマトのコンソメ。これは主成分がほとんどトマトで、少しときめき鶏のだしを使ってある冷製のコンソメ。トマトが全く見えないのにしっかりトマト味!というちょっとトリッキーな料理で、これがかなり受けました。夏には最高ですよね!魚は、新鮮な尾長鯛を私が得意な“皮はパリパリでも身はしっとり!”のポワレにして、温めたセミドライトマトのマリネを添えたもの。仕上げは、サンジュリアーノのエクストラヴァージンオイルでさっぱりと、、。 そして、メインはフランス産の若鳩のグリエ(網焼き)これもソースは使わず、カマルグ産の上質な塩とサンジュリアーノのオイルだけ。鳩はさかもとさんのお気に入りなので、喜んでいただけました。さかもとさんのご友人が、「ここの料理は、たくさん食べてもちっとももたれないし、飽きないです。翌日もすっきりしていてちっとも胃が重くない。フレンチ食べてこういうのはないですね。」と、、、。フランス料理の場合、どうしてもバターや生クリームを使うことが多いので、それが胃にもたれます。私の場合はそういうものを極力使わないようにして料理を作っています。この日のコースも、テリーヌに使われた低脂肪のクリームとデザートに使った生クリームだけで、実はバターは1グラムも使ってないです。こういう仕事を何もヘルシー志向でやっているわけではなくて、よりピュアでシンプルな味わいを追求した結果なんですね。特に今は猛暑の夏場。まったりこくがあるという料理より、軽いけど食欲を刺激するシャープな味付けが活きる季節ですよね! さかもとさんは、今週末の恒例!シャンパーニュ尽くしのワイン会にも参加予定なので、3週連続出場になります!メニューを考えるのも大変です。(笑)まあ、実に楽しい悩みですけどね! さて、そこで、、、、 ドンペリ入りまーーす!!(笑) 休み明け土曜日の物凄いワイン会の話です。今回は、長年のお付き合いのお客様O氏の結婚祝いということで、まずはドンペリニヨンの2000年ヴィンテージから、前菜は、フォアグラ100%のテリーヌとパルマの生ハムにラルド・イン・コンカ・コロンナータにサンク・オ・ピエ自家菜園の有機夏野菜料理の盛り合わせ。10名のワイン会なのでワインはどんどん開いていきます(もちろん私も一口ずつテイスティングさせていただきます)。次もシャンパーニュ、ジャック・セロス(レア物!入手困難な作り手)エクスキューズのセック。これはほんのり甘みを感じる柔らかな口当たり。続いて、白ワイン、96年のバタール・モンラッシェ。作り手は、オリヴィエ・ルフレーブ。これも腕の良い作り手のひとつ。 冷製のトマトコンソメで、少しリセットして、いよいよ86年のモンラッシェ!ネゴシアンは、ルモワスネ。ここは古酒のストックで定評があるところ。まあ、とにかくモンラッシェ!ブルゴーニュの白ワインの特級中の特級!白ワインの王とも呼ばれ、モンラッシェ陛下と呼ぶ人もいるくらい。かつて、文豪アレクサンドル・デュマが、「脱帽し、膝まづいて飲むべし」とたたえた特別なワイン(作り手とヴィンテージによっては、数十万円から百万円の値がついてもおかしくないほど)。アカシアやサンザシの花の香り、焦がしたバターやバニラ、リンゴやアンズそれにマンゴーやパパイヤ、さらにそれらの果実を干したもの、そこにクローブやシナモン少し胡椒などのスパイス系の香り、、、それらの複雑極まりないニュアンスが時間とともに変化し、次々と現れては消えてゆくという恐ろしく複雑なワイン。しかもリッチでしっかりしたボディーがある。24年もたった白ワインなんですよ!よい勉強になりました。合わせた料理は、オマールエビのローストにそのエビの頭などでとったジュ・ド・オマール(オマールのだし汁のソース)をかけ、ほんの少しカレー粉で風味をつけた茄子のクリーム和えを添えた。オマールとブルゴーニュの白はもう鉄壁の相性、そこにモンラッシェの持つエキゾチックな香りに合わせて、少しカレー粉を使ってみた。みなさんよく合うと喜んでいただけたようだ。 さあ、いよいよ赤ワイン。まずは、2007年のエシュゾー(ロマネコンティの隣村の特級畑)作り手は、エマニュエル・ルジェ。続いて、1996年のエシュゾーこれは、“神様”アンリ・ジャイエの作り、さらに1983年のエシュゾー、これもアンリ・ジャイエ。もう亡くなって久しいが、アンリ・ジャイエという伝説的名人が、ロマネコンティと同じ村にいました。現在のブルゴーニュワインの醸造のひとつの理想形と言っていいほどの素晴らしいワインを作る人で、ロマネコンティのワインより高値がつくことも珍しくありません。そして、2007年のエシュゾーは、アンリ・ジャイエの甥っ子で愛弟子の一人エマニュエル・ルジェです。 つまり、アンリ・ジャイエのエシュゾーを垂直テイスティング(同銘柄を別ビンテージで飲むこと、別銘柄を同ビンテージ飲み比べるのが、水平テイスティング)できるという激レアな企画なんですね。料理は、マンガリッツァ豚の長時間ローストにフォアグラのソテーを少し添え、イタリア産のサマ-トリュフを使ったソースを添えました。 2007年は、まだ開けるのがもったいない位ですが、、、さすがにきれいな作り!しかもパワフルで、熟成したらどうなるんだろう?という、、、人間でもいるでしょ?まだ子供みたいなものなんだけども、大きくなったらどれだけ凄くなってしまうんだろう!という感じの段階ですね。96年は、当たり年なのでやはり濃い!ものすごい凝縮感があり、果実味も豊富それになめし皮やインクや墨汁などのワイルド形の香りも、、、さすがアンリ・ジャイエ!ところが、83年を味わってもうびっくり!ブルゴーニュ赤ワインの精髄ここにあり!といった瞬間。 肥溜めなんです! ブルゴーニュの赤ワインの最高のほめ言葉がこれ。一流のソムリエも使う言葉です。 肥溜めといっても、肥溜めのすぐそばに立つ匂いじゃないですよ!田舎に行って、牛や豚を飼っているような場処に行くと風に乗って香ってくるでしょう?あれをかすかな香りとしてワインから感じるわけです。それをベースに湿った土や雨上がりの森、森の下草の中の新鮮なキノコやトリュフ、タバコや葉巻の香り、コーヒーやチョコレートの香り、熟成したジビエの肉の香りなど、熟成した赤ワインにありそうなありとあらゆる香りが、感じられた。まあ、これ以上は表現するのが無理という感じです。久しぶりに感動しました。 この後も、ドメーヌ・ロマネコンティのラ・ターシュ2000年と、なんと半世紀熟成!の1961年しかも20世紀最高の当たり年の1961年シャトー・マルゴー!(これも素晴らしかった!)と、続いたのでした。 すごいワイン会でした。
Aug 26, 2010

米茄子をくりぬいて器にして、エスカルゴのトマト煮を入れて、グリュイエールチーズとパルミジャーノチーズで蓋をして、グラタン仕立てにしてみた。下にはバジルのペーストをあしらってある。 これは品数が多いコースだったので、ボリュームを出さないように米茄子の1/4しか使っていないが、米茄子の半分くらいで作るとかなりボリュームが出る。茄子にトマトにチーズとくれば、これは間違いなく美味しいですよね! 夏休みは、今日を入れてあと2日。あまりの暑さに出かける気がしなかったが、今日は墓参りに行ってきた。
Aug 17, 2010

2本で5キロ余り、尾長鯛としては最大級かもしれない。これも一本釣りもので抜群の鮮度。台風が来ていたので、海はしけていただろうによくこんな良い魚が入ったものだ。この仕事をしていると、天気図が常々気になる。海が荒れると、鮮魚の相場が上がるからだ。 これも卸して、中落ちと少し尻尾の身を切って混布〆にして昨夜のつまみになった。 本日、8月13日のディナーは都合により臨時休業です。ご迷惑をおかけしますがよろしくお願いします。
Aug 13, 2010

プラックのガス台の真ん中の鉄板をはずして、茄子を焼いているところ。これは千両茄子といってもっとも一般的な品種の茄子。皮が真っ黒焦げになり、身にしっかり火が通るように焼き上げ、氷水にとって皮を剥く。 皮を剥き、へたを取ったところ。これをキッチンペーパーを敷いたバットに並べ、さらにキッチンペーパーをかぶせ、同じ大きさのバットを重ねてちょいと重石をして一晩ほど水気を切る。 一口大に切り、シェリーヴィネガーと自家製ポン酢に塩と少しガーリック風味のオリーヴオイルも入れて、エクストラヴァージンオイルも加えてよく合える。これも出来たては、ちょいと酸っぱくてしょっぱい位でいい。時間がたつと程よく味が落ち着く。ここまでやっておけば、冷凍保存しても味が変わらないので、冷前菜の付け合わせなどに重宝する。 昨夜も持ち帰って酒のつまみに食べたのだが、これは私の大好物といっていいかもしれない。直火の強火で焼いた香ばしい茄子の香りと、シェリーヴィネガー独特の酸味が何ともいえず美味しい!普通、酢を利かせた料理はワインに合わないということになっているのだが、上質のワインヴィネガー、特にシャンパーニュ・ヴィネガーやシェリーヴィネガーなら、上手に使えばワインともマッチするのだ。 もちろん、シャンパーニュ・ヴィネガーを使ったなら、シャンパーニュを飲むのが良いし、シェリーヴィネガーを使った料理なら、シェリーが合うだろう。昨夜もこの焼きナスとセミドライトマトを用意して、薄切りのバゲットをトーストしてにんにくの切り口をこすりつけてオリーヴオイルを垂らしたものに、茄子やトマトを乗せて食べ、シェリーのマンサリーニャ・パサダ・デ・サンルカールを合わせたのだが、、、野菜だけなのに見事なマリアージュ! 生ハムやサラミやラルド、あるいはゆでたカニやエビや生牡蠣などあれば一層ゴージャスなのは間違いないが、、、「茄子とトマトとパンとシェリーさえあれば生きていける!」と、思ってしまうくらい美味しかった! 今年は好天に恵まれ、トマトが絶好調!セミドライトマト用のプチトマトもこのソース用のイタリアントマトも質 量ともに最高だ。 このイタリア系の品種のトマトで作った、美味しいトマトソースをサンク・オ・ピエでは販売します。しかも。パスタや肉料理やちょっとしたおつまみなどに使えるシェフのレシピつきです。詳しくはお問い合わせをどうぞ。サンク・オ・ピエ 043 274 5532または、メールで。 トマトの美味しさを生かすために、オリーヴオイルとにんにくと塩だけで作ってあります。これが実に美味しいです!
Aug 12, 2010

自家菜園のプチトマトでセミドライトマトの仕込みをするところ。 冷蔵庫がない時代、食品の保存は塩漬けか干物くらいしかなかったわけで、、、昔の人はトマトも干物に干し上げて、オイル漬けにして保存したのだが、、、あのカチカチに干したトマトでは、そのまま食べても固くて美味くない。だから、最近は半生のセミドライトマトが主流になってきている。もっとも、クラシックなイタリアンのアクアパッツァ(魚介の水煮)を作るときには、カチカチのドライトマトじゃないと感じが出ませんが、、、。 本当は天日干しがいいのだが、お店がビルの一室なのでそれも難しく、120℃ほどの低温のオーブンで数時間かけて水分を飛ばして作っている。うちの畑のトマトは、この猛暑の中完全な露地栽培だからか、皮が固い。だから生で食べるなら皮を剥かねばならない。でも小さなプチトマトの皮を剥くのはとても手間だし、、、、ということでこのようにセミドライトマトにすることになる。まあ、毎年の季節的行事といったところ。 皮が固いおかげで、オーブンで加熱しても溶けてつぶれてしまわないから、かえって好都合ということになる。とにかく露地物だから味は良いのだ! これは5時間くらいかけて、半分くらい水分を飛ばしたもの。これをドライハーブ(オレガノ、バジル、タイム、マジョラム、エストラゴン)とにんにくのみじん切り少々、シェリーヴィネガー、バルサミコ、塩、エクストラヴァージンオイルでマリネする。酸味と塩気はしっかり利かせるほうがよい。これで一晩冷蔵庫で休ませて味が落ち着いたら、小分けにして冷凍保存する。こういうマリネの場合、できたてで味がちょうどよいくらいだと、後で味がぼやけてしまうのだ。だから、ほんの少し一線を越えるくらいに濃いめの味付けにするのがコツ。 これが出来上がり。まず、生ハムや生ベーコンやラルドに添えて食べる!これが実に美味い。さらにシェリー酒のマンサリーニャ・パサダ・デ・サンルカールがあればもう言うことなしです。 それから、焼いたり蒸したりした白身魚や鶏肉などに温めたドライトマトを添えて香りのよいオリーヴオイルをかければ、とても美味しい料理になる。 ぺペロンチーノのパスタに混ぜてもよい。トマトソースとはまた全然違った美味しさだ。 バゲットをガーリックトーストに焼いて、これを乗せればセミドライトマトのブルスケッタになる。フレッシュのバジルでも飾れば気の利いた前菜になる。よく冷やした白ワインか辛口のカヴァ(スペインのスパークリングワイン)でもあれば、このトマトだけでも一本飲めますね!(笑) 夏のサンク・オ・ピエでは頻繁に登場します。毎年これを楽しみしているファンも多い。
Aug 11, 2010

自家菜園の有機ブルーベリーのシャーベット。レモン汁を少しと砂糖を加えてあるだけで、ブルーベリー90%くらいの仕上がり。眼によさそうですね! ブルーベリーは、生の物を買うととても高価。手のひらに乗るくらいの量で¥300~¥400もする高級品だ。傷みやすいからなのかのかな、、、。 うちのブルーベリーは、毎日のように少しずつ摘んできて冷凍保存。1キロ近くたまったら、つぶして、裏ごしして、砂糖とレモンで味を調えてシャーベットにします。
Aug 10, 2010

関アジや関サバで有名な下関産のイサキ。今が旬。一本釣りで一匹一匹丁寧に活け〆にしてあるから、身が抜群に良い! 潮流の速い海の魚だから、もともとの身の締まりも違うんですよね。まずは刺身で食べましょうか、、、。なめろうなんかもよいですね。
Aug 7, 2010

まずは前菜。手前左が、マンガリッツァ豚を使ったシェフの手作り生ベーコン、下には水茄子のサラダを忍ばせてある。右側が、ラルド・イン・コンカ・コロンナータと自家製のドライトマト。コロンナータのラルドは、イタリアの至宝ともいわれる豚の背脂の生ハム。「脂の生ハム?」と、思うかもしれないが、これ、実は下手なフォアグラより高い。 トスカーナ州のコロンナータ村には良質な大理石が取れる山があり、かのミケランジェロも彫刻の素材として使っていたという。そのコロンナータの真っ白な大理石を削りだして作った、棺桶というか浴槽のような形の熟成槽に豚の背脂とハーブやスパイスと塩で漬けこまれて一年半以上熟成させて作られるのが、このラルド。これを自家製のドライトマトと合わせて食べて、シェリーの辛口“マンサリーニャ・パサダ・デ・サンルカール”を合わせると、もう最高のマリアージュ! オーストラリア産のグリーンリップあわびのロースト、肝のソース。あわびの身はもっちり、肝のソースは、あわびの肝とひもを小さめに刻み、シェリーヴィネガーと自家製ポン酢とバターで仕上げたもの。あわびの美味しさを全部味わっていただく。 トマトとときめき鶏の冷製ゆるゆるゼリーコンソメ、このコンソメの主材料はトマト!完璧に透明で琥珀色の液体なのに、目をつぶって飲むとまるでトマトジュースか!というちょっとトリッキーな料理。カップ一杯に大きなトマト一個分くらいの味が入っている。たくさんのトマトと 皮をとってひき肉にしたときめき鶏に玉ねぎやニンジンなどの野菜を少し入れて、卵白の力であくをとり澄んだスープに仕上げる。鶏肉のコラーゲンの作用でゆるゆるなゼリーコンソメになる。これ、美味いです! マンガリッツァ豚の背肉の低温長時間ロースト、一口フォアグラ添え。これは2時間半ほどかけて焼き上げたもの。カリッと焼けた脂身が薄くついているが、この脂身、最初は4センチくらいあるのだ。それをゆっくり焼き落とす。脂身だけを焼くのに合計1時間以上。赤身側のほうは、オーブンに3分ほど入れて、出したら温かいところで7~8分休ませるということを繰り返して、スイッチバック的にゆっくり火を入れてゆくわけ。言わば、肉の温泉卵という感じ。つまり、火は通っているが固まっていないという状態がベストなんですね。 デザートは、6月7月に続いて、テーマはトンカ豆!トンカ豆とヴァニラのクレームブリュレとトンカ豆風味のチョコレートのソルベにフィナンシェを添えてみました。このデザートに合わせて、また さかもとこーひーのさかもとさんにこーひーをお願いしました。 使った豆は、ボリビアCOENWカフェスマ、エルサルバドル・シャングリラ、コロンビア・ロスイドロス、ということです。豆の配合はともかく、これがまた尋常ではないくらいよく合うんですね。まず、コーヒー単体で味わうと、とにかくきれいで穏やかなんですが、このコーヒーにはトンカ豆の香りのもっともコアになる香りの芯のようなフレーバーがすでにあるんです。口に含んでしばらく経つとはっきりトンカ豆と共通するフレーバーが感じられます。 このこーひーを飲みながら、食べるクレーム・ブリュレやチョコレートのソルベ!美味すぎる!笑うしかないです! さかもとさん、いい仕事しますね。さすがです。 レストランでスペシャリティーコーヒーとデザートのマリアージュを楽しむというようなことをやっている店はあまりないでしょう。というか、ほとんど聞いたことがないです。世界でもまれな試み。 だって、このデザートにはこのこーひーが合いますよ、なんていう店無いでしょ?
Aug 6, 2010

8月9月のシェフお勧めコースをホームページにアップしました。Menu Aout et September du chef8月9月のシェフお勧めコース¥6900(ご予約限定!2名様より承ります)2~3日前までにご予約くださいLard de MANGALICA fumé du chef etLALDO in CONCA COLONNATAavec Legumes d'étéマンガリッツァ豚のシェフ手作り生ベーコンとラルド・イン・コンカ・コロンナータ夏野菜の盛り合わせ Oreille de mer "Green Rip" roti sauce foieオーストラリア産アワビ"グリーン・リップ"のロースト、肝のソース Consomme glacée de Tomate et poulet de TOKIMEKI自家菜園の有機トマトとときめき鶏の冷製ゆるゆるゼリーコンソメ Cote de porc de MANGALICA rôti et petit foie gras chaudマンガリッツァ豚の背肉の低温長時間ロースト、一口フォアグラのソテー添え Creme bluree a la vanille et TONKASorbet au chocolat amer parfumée de TONKAFinancier du chefヴァニラとトンカ豆風味のクレーム・ブリュレトンカ豆風味のビターチョコのソルべシェフ風フィナンシェ Café de SAKAMOTO ou thé 2painsさかもとこーひー 又は 紅茶 2種のパン これが、ラルド・イン・コンカ・コロンナータ。豚の背脂の生ハムです。「脂の生ハム?」と、思うかもしれませんが、これはイタリアの至宝とも言われていて、とても高価。フォアグラより高いんですよ! イタリア トスカーナ州のコロンナータの大理石(かつてミケランジェロが彫刻の材料として指定したという世界でも類を見ない純粋で真っ白な大理石)で作った浴槽というか棺桶といかそういう感じの真っ白な大理石の中でハーブやスパイスと塩で一年半もの熟成を経て作られる特別なものです。イタリアスローフード運動の象徴的食材とも言われています。 以前イベリコ豚のバラ肉で自家製のラルドを作りましたが、あの一瞬で溶けるような食感とは違い、コロンナータのラルドはもう少ししっかりしているのに脂身というものの下品さは一切なく、限りなくきれいなうまみとハーブやスパイスのほのかな香りが魅力。なかなか手に入らなかったのが、やっと入手に成功しました。コロンナータのラルドとマンガリッツァ豚の自家製生ベーコンにラタトゥイユや自家製ドライトマトや自家製ピクルスなどの野菜料理を添えた前菜から始まります。 オーストラリア産グリーンリップあわび。これを丸焼きにして、肝で作ったソースで仕上げる。 これが2品目。 続いて自家菜園のトマトをったっぷりと使い、ときめき鶏の肉も入れた冷製のゆるゆるゼリーコンソメ。 そして、メインはマンガリッツァ豚の背肉の低温長時間ロースト。これは春にもやりましたが、大好評での再登場ということになりました。もうご存じな方も多いでしょうが、ハンガリーの国宝指定を受けた豚肉で、イベリコ豚と同系統という大変おいしい豚です。 デザートは、6,7月のコースでも使ったトンカ豆の新作です。ご予約限定メニューです。よろしくお願いします。 これは自家菜園で採れるソース用のイタリアントマト。こんなものまで作っています。このトマトは、生で食べてもちっとも美味しくないのですが、湯剥きして皮をとりトマトソースにするととても美味しい!これは、コースのコンソメにもたっぷり使います。今回のコンソメは、見た目透明なコハク色の液体なのにまるでトマトジュースかと思うくらいトマトの風味がする。 最近店で自家菜園の生野菜やピクルスなどを販売しているのだが、このトマトもたくさん取れるので販売します。しかも、シェフのレシピつきです!美味しいトマトソースを作って、美味しいパスタを作りましょう! これは、私たちの賄いで作ったスパゲッティー・アマトリチャーナ。よく、ベーコンとトマトのソースといわれるがそれは間違い。で、パンチェッタ(塩漬け熟成豚バラ肉)とトマトだろうか?それも間違い。本物はグアンチャーレという豚のホホ肉の塩漬け熟成肉を使うのが本物。そして、ペコリーノ・ロマーノという羊乳で作ったパルミジャーノタイプの粉チーズをかけるのが本場もの。まあ、普通は手に入らないでしょうが、、、。もちろん、この賄いパスタは、グアンチャーレではないが、自家製のイベリコ豚のラルドで作り、ペコリーノ・ロマーノをかけてある。 私はフレンチの料理人なので、イタリアンやスパニッシュの料理を作るのは、趣味みたいなもので、、、なんというかギター弾きがお遊びでウクレレでも弾く感じでしょうかね。つまり、仕事で毎日やるのはきついんですけど、たまにやるなら本格的にやると実に楽しいという感じですかね。料理人を始めてもう30年くらいになるが、いまだに知らないことも多く、料理が楽しくてしょうがないです。全く幸せなことです。 これは、ホロホロ鳥(フランス産)のもも肉。遠赤外線グリエで焼きます。遠赤外線グリエは火をつけると熱いので夏はきついんですが、、、(笑) 皮がパリパリで美味い!自家菜園のバジルで作ったジェノバペーストを添えてある。 あの一本釣りの金目鯛はこんな感じに仕上がりました。自家製のドライトマトを温めて添えてあります。甘酸っぱいトマトが魚を引き立てます!美味しい!
Aug 2, 2010

金目鯛ですね。これは釣りもの。 口に針が刺さっているでしょ。 こんな大きな針が刺さっています。魚は、大きく分けて網で捕る漁法と釣りでとる漁法に分けられます。大雑把に言って、網で捕る場合は、魚は網の中で暴れながら、徐々に衰弱する感じで水揚げされるので、あまり身がよくありません。でも、一度にたくさん取れるので価格が安いわけです。釣りものは、一気に水揚げされて、活け〆にされるので、とても身がよいわけです。ただし、一度にたくさんはとれないから、高くつくことが多いわけです。 イワシやアジなど、網で捕ったものなら、一匹¥50とか¥100とかで売っていますが、これが釣りものだと一匹¥300とか¥1000くらいすることもあります。パッと見は素人さんには区別はつかないでしょうが、、、、一匹¥50のイワシでも刺身で食えますが、特に感動するようなことは、まあ、ないでしょう。ところが釣りものの鮮度の良いやつを食べると、こんなに美味いものがあるのか!といった感動があります。こういう素材のパワーは、漁法の違いや生息地の違いなどから来ますが、大元が違うので調理の技術ではどうにもならないわけですね。 つまり、極言すれば、、、最高の素材なくして、最高の料理はない。ということですね。 まあ、いくら素材がよくても調理技術が稚拙なら美味しいものはできませんけどね! というわけで、この金目鯛は、釣りものなのでかなり身がよかったです。産地は福島だったかな?いま、銚子でいい金目鯛が上がっていますが、キロ¥5000くらいするそうで、さすがに高くて使えません。 皮目をカリッと焼いて、自家菜園のトマトで作った、セミドライトマトを温めて、バルサミコを加えて、ソース代わりに添える。仕上げにサルディニア島産のオリーヴオイルをかける。甘酸っぱいトマトが魚の味を引き立てるでしょう。
Aug 1, 2010
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